JP2013244903A - コクピットモジュール取付構造及び取付方法 - Google Patents

コクピットモジュール取付構造及び取付方法 Download PDF

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Abstract

【課題】コクピットモジュール1の仮保持機能と、コクピットモジュール1の固定機能を同一の構成に持たせ、取付構造の大型化・重量やコストの増大を抑制することができるコクピットモジュール取付構造を提供すること。
【解決手段】本発明のコクピットモジュール取付構造では、車体側部材(延在プレート)2cに突設された連結ボルト20と、コクピットモジュール1に設けられると共に連結ボルト20が貫通するボルト孔34を有する取付ブラケット30と、連結ボルト20に螺合するナット40と、を備えている。そして、連結ボルト20は、ネジ山部26の少なくとも一部に、前記ナット40のネジ山高さに合う高さH1よりも高く形成された高ネジ山28を有している。また、前記ボルト孔34の内径寸法Wは、前記ナット40のネジ山高さに合う高さのネジ山を有するボルト外径寸法に合致した大きさに形成される。
【選択図】図5

Description

本発明は、コクピットモジュールを車体側部材に取り付ける際のコクピットモジュール取付構造及び取付方法に関するものである。
従来、ステアリングメンバに、メータ(計器盤)、グローブボックス等を組み込んだインストルメントパネルや空調ユニットを組み付けることで形成されたコクピットモジュールを、サイドメンバやサイドダッシュパネル等の車体側部材に取り付ける際の、コクピットモジュール取付構造が知られている(例えば、特許文献1,2参照)。
従来のコクピットモジュール取付構造では、コクピットモジュールの仮保持や位置決めをするための仮保持構造と、コクピットモジュールを車体側部材に固定するための連結構造と、がそれぞれ異なる構造になっていた。
特開2002-347475号公報 特開2002-178791号公報
しかしながら、従来のコクピットモジュール取付構造では、コクピットモジュールの仮保持構造と、コクピットモジュールの固定構造とが異なる構造になっている。このため、これらの構造を設置するスペースが拡大し、取付構造が大型化してしまったり、取付構造の重量やコストが増大する等の問題が生じていた。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、コクピットモジュールの仮保持機能と、コクピットモジュールの固定機能を同一の構成に持たせることで、取付構造の大型化、重量・コストの増大を抑えることができるコクピットモジュール取付構造及び取付方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明のコクピットモジュール取付構造では、車体側部材又はコクピットモジュールの何れか一方に突設された連結ボルトと、前記車体側部材又は前記コクピットモジュールの何れか他方に設けられると共に前記連結ボルトが貫通するボルト孔を有する取付ブラケットと、前記連結ボルトに螺合するナットと、を備えている。
そして、前記連結ボルトは、ネジ山部の少なくとも一部に、前記ナットのネジ山高さよりも高く形成された高ネジ山を有している。
また、前記ボルト孔の内径寸法は、前記ナットのネジ山高さに合う高さのネジ山を有するボルト外径寸法に合致した大きさに形成されている。
本発明のコクピットモジュール取付構造にあっては、連結ボルトのネジ山部の少なくとも一部が、ナットのネジ山高さよりも高く形成された高ネジ山を有している。一方、ボルト孔の内径寸法が、ナットのネジ山高さに合う高さのネジ山を有するボルト外径寸法に合致した大きさに形成されている。すなわち、連結ボルトの高ネジ山の位置でのボルト外径寸法よりも、ボルト孔の内径寸法の方が小さく形成される。
そのため、コクピットモジュールを車体側部材に対して仮保持するために、取付ブラケットのボルト孔に連結ボルトを差し込んで行く際、高ネジ山の頂部がボルト孔の周縁部に干渉する。これにより、高ネジ山の頂部が変形或いは削られ、高ネジ山がナットのネジ山高さに合う高さのネジ山となる。このため、ナットと連結ボルトとの螺合を可能にし、連結ボルトにナットを螺合することでコクピットモジュールの固定を行なうことができる。
一方、連結ボルトが、ナットのネジ山高さに合う高さのネジ山も有している場合では、高ネジ山の頂部がボルト孔の周縁部に干渉する(先当たりする)ことで、ナットのネジ山高さに合う高さのネジ山がボルト孔と干渉してしまうことが回避される。これにより、ナットのネジ山高さに合う高さのネジ山の変形が防止され、ナットと連結ボルトとの螺合を可能にし、連結ボルトにナットを螺合することでコクピットモジュールの固定を行なうことができる。
このように、コクピットモジュールの仮保持機能とコクピットモジュールの固定機能のいずれも、連結ボルトと取付ブラケットのボルト孔に持たせることができ、取付構造の大型化や、重量・コストの増大を抑制することができる。
さらに、連結ボルトに取付ブラケットのボルト孔を差し込んでいく際に、ボルト孔の周縁部が高ネジ山の頂部と十分に干渉しないときには、一部の高ネジ山がナットのネジ山高さに合う高さよりも高いネジ山として残ることが考えられる。この場合、連結ボルトにナットを強制的に螺合させると、ナットのネジ山に高ネジ山が食い込み、ナットの締結力の低下を防止して、螺合当初の締結力を維持することができる。
実施例1のコクピットモジュール取付構造が適用されたコクピットモジュールの分解斜視図である。 実施例1のコクピットモジュール取付構造における取り付け前を示す図であり、(a)は斜視図を示し、(b)は側面図を示す。 実施例1のコクピットモジュール取付構造における取り付け後を示す図であり、(a)は斜視図を示し、(b)は側面図を示す。 実施例1の連結ボルトを示す側面図である。 図4におけるA部の拡大図である。 実施例1の取付ブラケットを示す図であり、(a)は斜視図を示し、(b)は図6(a)におけるB−B断面図を示す。 実施例1におけるコクピットモジュール取付方法を示す説明図であり、(a)はブラケット誘導工程を示し、(b)はネジ山干渉工程を示し、(c)はブラケット仮保持工程を示す。 実施例1におけるコクピットモジュール取付方法を示す説明図であり、(a)はブラケット位置決め工程を示し、(b)はコクピットモジュール固定工程を示す。 図7A(b)に示すネジ山干渉工程におけるC部の拡大図である。 (a)は、第1比較例のコクピットモジュール取付構造の概観斜視図を示し、(b)は、第2比較例のコクピットモジュール取付構造の概観斜視図を示す。 (a)は、実施例2の連結ボルトにおけるネジ山部の要部拡大図であり、(b)は実施例2におけるネジ山干渉工程での要部拡大図である。 (a)は、実施例3の連結ボルトにおけるネジ山部の要部拡大図であり、(b)は実施例3におけるネジ山干渉工程での要部拡大図である。
以下、本発明のコクピットモジュール取付構造及び取付方法を実施するための形態を、図面に示す実施例1〜実施例3に基づいて説明する。
(実施例1)
まず、構成を説明する。
実施例1のコクピットモジュール取付構造の構成を、「コクピットモジュールの全体構成」、「コクピットモジュール取付構造の構成」、「連結ボルトの構成」、「取付ブラケットの構成」、[コクピットモジュールの取付方法]に分けて説明する。
[コクピットモジュールの全体構成]
図1は、実施例1のコクピットモジュール取付構造が適用されたコクピットモジュールの分解斜視図である。以下、図面に基づいて、コクピットモジュールの全体構成を説明する。
コクピットモジュール1は、車室の前部に搭載される車載ユニットであり、ステアリングメンバ3に対してインストルメントパネル4を含む複数の部材を組み付けたものである。
ここでは、インストルメントパネル4には、グローブボックス5、オーディオユニット6、速度計を含有する計器盤(メータ)7、エアバッグユニット8等が組み込まれている。また、ステアリングメンバ3には、インストルメントパネル4以外に、ハーネス9、空調ユニット10、コラムシャフト11等が組み付けられている。
そして、このコクピットモジュール1は、コクピットモジュール取付構造Kを介して、車体側部材であるダッシュパネル2に取り付けられている。
[コクピットモジュール取付構造の構成]
図2は、実施例1のコクピットモジュール取付構造における取り付け前を示す図であり、(a)は斜視図を示し、(b)は側面図を示す。図3は、実施例1のコクピットモジュール取付構造における取り付け後を示す図であり、(a)は斜視図を示し、(b)は側面図を示す。以下、図面に基づいて、コクピットモジュール取付構造の構成を説明する。
実施例1のコクピットモジュール取付構造Kは、ダッシュパネル2に突設された連結ボルト20と、コクピットモジュール1に設けられた取付ブラケット30と、前記連結ボルト20に螺合するナット40と、を備えている。
前記連結ボルト20は、ダッシュパネル2のサイドダッシュパネル2aから車両内側に向かって延在された延在プレート2cに頭部21が埋設固定され、車両後方に向かって突出したボルトである。ここでは、車両の左右位置にそれぞれ設けられた延在プレート2cの各々に、車両の上下方向に並んで2本ずつ設けられ、合計4本の連結ボルト20が設置されている(図1参照)。
前記取付ブラケット30は、ステアリングメンバ3の両端部にそれぞれ設けられ、鋼板を車両後方に向かって開放する断面コ字状に折り曲げ加工することで形成されている。この取付ブラケット30には、連結ボルト20が貫通するボルト孔34が形成されている。
前記ナット40は、取付ブラケット30のボルト孔34を貫通した連結ボルト20に螺合することで、このナット40と延在プレート2cとの間に取付ブラケット30を挟みこみ、取付ブラケット30をダッシュパネル2に対して固定する。このナット40は、取付ブラケット30側の端部に、取付ブラケット30と接触する面積を拡大するためのリング状のワッシャ面41が形成されている。
[連結ボルトの構成]
図4は、実施例1の連結ボルトを示す側面図である。図5は、図4におけるA部の拡大図である。以下、図面に基づいて、連結ボルトの構成を説明する。
前記連結ボルト20は、図4に示すように、頭部21と、軸部22と、ネジ先部23と、を有している。
前記頭部21は、丈の低い円筒形状を呈したいわゆる平頭である。この頭部21は、延在プレート2cの表面に形成された凹部に嵌合し、例えば溶接等によって固着されている。
前記軸部22は、嵌合円筒部24と、環状凹部25と、ネジ山部26と、を有している。
前記嵌合円筒部24は、連結ボルト20の首下位置に形成され、取付ブラケット30のボルト孔34の内径寸法Wに合致する外径寸法を有する。また、この嵌合円筒部24の軸方向寸法は、取付ブラケット30の後述するブラケット本体部31の厚みとほぼ同一である。
前記環状凹部25は、嵌合円筒部24から連続する位置であって、連結ボルト20の首下近傍位置に形成されている。この環状凹部25は、嵌合円筒部24の外径寸法及びネジ山部26の谷の径よりも小さい外径寸法を有する。また、この環状凹部25の軸方向寸法は、ブラケット本体部31の厚みよりも大きくなっている。さらに、環状凹部25と嵌合円筒部24との間には、円錐状の第1傾斜面25aが形成され、環状凹部25とネジ山部26との間には、円錐状の第2傾斜面25bが形成されている。
前記ネジ山部26は、環状凹部25からネジ先部23までの間でネジ山が刻まれている部分である。実施例1では、軸部22のほぼ大部分がネジ山部26となっている。そして、このネジ山部26は、ナット40のネジ山高さ(図示せず)に合う高さH1の普通ネジ山27と、ナット40のネジ山高さよりも高く形成された高さH2の高ネジ山28と、を有している。
ここで、「ナット40のネジ山高さに合う高さH1」とは、ナット40の内周面に設けられたネジ山(図示せず)と同じ高さということである。
前記高ネジ山28は、一定のピッチで複数形成されており、ここでは前記普通ネジ山27と軸方向に交互に形成されている。すなわち、普通ネジ山27間のピッチP1と、高ネジ山28間のピッチP2とが一致する。また、この高ネジ山28の高さH2は、普通ネジ山27の高さH1よりも高いが、取付ブラケット30のボルト孔34に干渉した際に、ネジ山先端が変形或いは削られて、取付ブラケット30の通過を許容する高さに制限される。
なお、ネジ山部26に形成される谷底29の位置は一定であり、ネジ山部26におけるいわゆる谷の径は、ネジ山部26の全長にわたって一定となる。また、ネジ山の角度θも、普通ネジ山27と高ネジ山28とで同じ角度となっている。
前記ネジ先部23は、先端に向かって次第に先細りとなったテーパ面23aを有する。
[取付ブラケットの構成]
図6は、実施例1の取付ブラケットを示す図であり、(a)は斜視図を示し、(b)は図6(a)におけるB−B断面図を示す。以下、図面に基づいて、取付ブラケットの構成を説明する。
前記取付ブラケット30は、ブラケット本体部31と、貫通プレート部32と、支持プレート部33と、を有している。
前記ブラケット本体部31は、延在プレート2cに対向する部分であり、連結ボルト20が貫通するボルト孔34,34が上下端部近傍にそれぞれ形成されている。このボルト孔34の内径寸法Wは、ナット40のネジ山高さに合う高さのネジ山を有するボルト外径寸法に合致した大きさに形成されている。
ここで、「ナット40のネジ山高さに合う高さのネジ山を有するボルト」とは、ナット40のネジ山(図示せず)と同じ高さのネジ山がネジ部の全長にわたって形成された仮想ボルトであり、この仮想ボルトの外径寸法とは、ネジ山の頂部位置におけるボルトの外径寸法である。
すなわち、ボルト孔34の内径寸法Wは、ナット40のネジ山(図示せず)と同じ高さのネジ山のみを有する仮想ボルトの外径寸法と同じ大きさに形成されている。
前記貫通プレート部32は、ブラケット本体部31の車幅方向一方の端部から車両後方に屈曲されて形成される。この貫通プレート部32には、ステアリングメンバ3の端部が貫通固定される貫通孔32aと、ハーネス9等を固定するための複数の貫通孔32b,32bと、が形成されている。
前記支持プレート部33は、ブラケット本体部31の車幅方向他方の端部から車両後方に屈曲されて形成される。この支持プレート部33には、ステアリングメンバ3の側面が嵌合する円弧状の切欠凹部33aが形成されている。
[コクピットモジュールの取付方法]
図7Aは、実施例1におけるコクピットモジュール取付方法を示す説明図であり、(a)はブラケット誘導工程を示し、(b)はネジ山干渉工程を示し、(c)はブラケット仮保持工程を示す。図7Bは、実施例1におけるコクピットモジュール取付方法を示す説明図であり、(a)はブラケット位置決め工程を示し、(b)はコクピットモジュール固定工程を示す。図8は、図7A(b)に示すネジ山干渉工程におけるC部の拡大図である。以下、図面に基づいて、コクピットモジュールの取付方法を説明する。
実施例1のコクピットモジュール取付構造Kは、図7A及び図7Bに示すように、ダッシュパネル2の延在プレート2cに突設された連結ボルト20を、コクピットモジュール1に設けられた取付ブラケット30のボルト孔34に差し込んでから、ナット40を連結ボルト20に螺合させることで、コクピットモジュール1をダッシュパネル2に取り付ける。
ブラケット誘導工程では、図7A(a)に示すように、取付ブラケット30に形成されたボルト孔34の周縁部を、連結ボルト20のネジ先部23に形成されたテーパ面23aに沿わせながら、取付ブラケット30をダッシュパネル2の延在プレート2cに近接させていき、ボルト孔34に連結ボルト20を差し込む。
ネジ山干渉工程では、図7A(b)に示すように、ブラケット誘導工程により誘導された取付ブラケット30を、延在プレート2cに向かって押し込んでいく。このとき、図8に示すように、ボルト孔34の周縁部34aが、連結ボルト20のネジ山部26に形成された高ネジ山28の頂部28aと干渉し、この頂部28aを変形させる或いは削り取る。
すなわち、ここでは、ボルト孔34の内径寸法Wは、ナット40のネジ山(図示せず)と同じ高さのネジ山を有する仮想ボルトの外径寸法と同じ大きさに形成されている。一方、高ネジ山28の高さH2は、ナット40のネジ山高さに合う高さH1よりも高く形成されている。
これにより、取付ブラケット30を押し込んでいくことで、ボルト孔34の周縁部34aが高ネジ山28の頂部28aに干渉する。そして、ボルト孔34と高ネジ山28が干渉しても取付ブラケット30を強制的に押し込むことで、高ネジ山28の頂部28aが変形或いは削られ、高ネジ山28のネジ山高さは、ナット40のネジ山(図示せず)と同じ高さのネジ山を有する仮想ボルトの外径寸法と同じ高さとなる。つまり、頂部28aが変形等した高ネジ山28の高さH3と、普通ネジ山27のネジ山高さH1とが同じ高さとなる。そしてこの結果、連結ボルト20は、ナット40のネジ山(図示せず)の高さに合うネジ山のみを有するボルトになる。
ブラケット仮保持工程では、図7A(c)に示すように、ネジ山干渉工程によって高ネジ山28の頂部28aを変形或いは削りながら取付ブラケット30を押し込んでいった後、連結ボルト20の首下近傍に形成された環状凹部25に、ボルト孔34を係合する。このとき、取付ブラケット30は、ボルト孔34の周縁部を第2傾斜面25bに沿わせながら環状凹部25に係合する。
ブラケット位置決め工程では、図7B(a)に示すように、ブラケット仮保持工程によって、延在プレート2cに対して取付ブラケット30を仮保持した後に、連結ボルト20の首下に形成された嵌合円筒部24に、ボルト孔34を嵌合する。このとき、取付ブラケット30は、ボルト孔34の周縁部を第1傾斜面25aに沿わせながら嵌合円筒部24に嵌合される。
コクピットモジュール固定工程では、図7B(b)に示すように、ブラケット位置決め工程によって延在プレート2cに対する取付ブラケット30の位置が決められた後に、連結ボルト20にナット40を螺合させる。ここで、連結ボルト20は、ネジ山干渉工程において高ネジ山28の頂部28aが変形等することで、ナット40のネジ山(図示せず)の高さに合うネジ山のみを有するボルトとなっている。このため、ナット40は円滑に螺合することができる。
これにより、コクピットモジュール(ここでは図示せず)を延在プレート2cに固定する。
次に、作用を説明する。
まず、「比較例のコクピットモジュール取付構造における課題」を説明し、続いて、実施例1のコクピットモジュール取付構造における「連結ボルトと取付ブラケットの多機能作用」を説明する。
[比較例のコクピットモジュール取付構造における課題]
図9(a)は、第1比較例のコクピットモジュール取付構造の概観斜視図を示し、(b)は、第2比較例のコクピットモジュール取付構造の概観斜視図を示す。
図9に示す第1比較例のコクピットモジュール取付構造では、車体側部材(ここでは図示せず)に設けた車体ブラケット50に、位置決めピン51と複数の連結用孔52を設けている。また、コクピットモジュール(ここでは図示せず)のステアリングメンバ53aに設けた取付ブラケット53に、位置決めピン51が挿入される位置決め孔54と、各連結用孔52に対向し、図示しないボルトが貫通するボルト孔55を設けている。
すなわち、この第1比較例のコクピットモジュール取付構造では、取付ブラケット53の位置決め及び仮保持をするための位置決めピン51及び位置決め孔54とは別に、コクピットモジュールを車体側部材に固定するための連結用孔52及びボルト孔55を設けている。そのため、仮保持・位置決め機能を有する構造と、連結機能を有する構造とが異なるものとなっており、車体ブラケット50及び取付ブラケット53の外形が大きくなり、この取付構造の質量やコストが増大していた。
これに対し、図9(b)に示す第2比較例のコクピットモジュール取付構造のような、車体側部材(ここでは図示せず)に設けた車体ブラケット56に複数の連結用ボルト57を設け、コクピットモジュール(ここでは図示せず)に設けた取付ブラケット58に、各連結用ボルト57が挿入されるボルト孔59を設けたものが考えられる。ここで、連結用ボルト57は、一般的なボルトであり、ネジ山高さは連結用ボルト57のネジ部の全長にわたって一定となっている。
このような第2比較例のコクピットモジュール取付構造では、連結用ボルト57を取付ブラケット58の仮保持及び位置決めにも利用する。つまり、ボルト孔59に連結用ボルト57を差し込み、取付ブラケット58を車体ブラケット56に向けて押し込むことで、取付ブラケット58の仮保持及び位置決めをする。
しかしながら、連結用ボルト57を取付ブラケット58の仮保持及び位置決めにも利用するためには、がたつき等を防止するために、ボルト孔59の内径寸法を連結用ボルト57の外径寸法に合致させる必要がある。
そのため、取付ブラケット58を車体ブラケット56に向けて押し込む際、取付ブラケット58の位置がぐらつき、連結用ボルト57の軸方向と、ボルト孔59の軸方向とがずれてしまうと、ボルト孔59の周縁部が連結用ボルト57のネジ山と干渉してしまう。そのため、連結用ボルト57のネジ山が損傷してしまい、連結用ボルト57にナット(ここでは図示せず)を螺合しても、ナットのネジ山と連結用ボルト57のネジ山とが十分に噛み合わず、連結できなくなってしまう。
つまり、コクピットモジュールを車体側部材に固定するための連結用のボルトを、コクピットモジュールの仮保持・位置決めにそのまま流用した場合には、仮保持又は位置決めする際に、連結用のボルトが損傷してボルトとしての用をなさず、連結機能が失われてしまうという問題があった。
[連結ボルトと取付ブラケットの多機能作用]
コクピットモジュール取付構造において、仮保持・位置決め機能を有する構造と、連結機能を有する構造を別構造にすれば、取付構造自体が大型化するという問題が生じる。しかし、コクピットモジュールを車体側部材に取り付ける際に用いる連結ボルトを、コクピットモジュールの仮保持・位置決めに利用すると、連結ボルトのネジ山に取付ブラケットが干渉して連結ボルトが損傷する。そのため、連結ボルトを取付ブラケットの仮保持・位置決めに利用しながらも、連結ボルトのネジ山を保持する必要がある。以下、これを反映する連結ボルトと取付ブラケットの多機能作用を説明する。
実施例1のコクピットモジュール取付構造Kでは、ダッシュパネル2の延在プレート2cから突設した連結ボルト20のネジ山部26が、この連結ボルト20に螺合するナット40のネジ山高さに合う高さH1よりも高く形成された高ネジ山28を有している。一方、コクピットモジュール1に設けられた取付ブラケット30には、上記連結ボルト20が差し込まれるボルト孔34が形成されている。ここで、このボルト孔34の内径寸法Wは、ナット40のネジ山高さに合う高さのネジ山を有する仮想ボルトの外径寸法に合致した大きさに形成されている。
そのため、図7A(b)に示すネジ山干渉工程において、取付ブラケット30を、延在プレート2cに向かって押し込んでいくと、ボルト孔34の周縁部34aが高ネジ山28の頂部28aと干渉する。そしてこれにより、高ネジ山28の頂部28aが変形或いは削られて、高ネジ山28のネジ山高さH3が、ナット40のネジ山に合う高さの普通ネジ山27のネジ山高さH1と同じ高さになる。この結果、連結ボルト20は、ナット40のネジ山(図示せず)の高さに合うネジ山のみを有するボルトになる(図8参照)。つまり、取付ブラケット30を押し込んで高ネジ山28の頂部28aを変形等させることで、ナット40の螺合に必要なネジ山を形成することができる。
一方、取付ブラケット30を押し込んでいく際、ボルト孔34が普通ネジ山27に干渉することはない。つまり、ナット40のネジ山と同じ高さのネジ山を有する仮想ボルトの外径寸法とは、ナット40のネジ山高さに合う高さH1の普通ネジ山27の位置での連結ボルト20の外径寸法である。そのため、ボルト孔34の内径寸法Wは、普通ネジ山27の位置での連結ボルト20の外径寸法に合致しており、ボルト孔34の軸中心方向と、連結ボルト20の軸方向が一致していれば、ボルト孔34が普通ネジ山27に干渉することはない。そして、ボルト孔34が高ネジ山28に先当たりすることで、連結ボルト20の軸方向に対するボルト孔34の軸方向の位置ずれが規制され、連結ボルト20とボルト孔34の軸方向がほぼ一致する。このため、軸方向がずれることによるボルト孔34と普通ネジ山27との干渉が防止される。
そして、図7A(c)に示すブラケット仮保持工程において、取付ブラケット30のボルト孔34を、連結ボルト20の環状凹部25に係止し、取付ブラケット30を仮保持する。ここで、環状凹部25の外径寸法がボルト孔34の内径寸法Wよりも小さいため、ネジ山部26と環状凹部25との間に段差が生じ、取付ブラケット30の仮止め時における連結ボルト20からの脱落が防止できる。
また、このとき、取付ブラケット30は、ボルト孔34の周縁部34aが第2傾斜面25bに沿いながら環状凹部25に係止する。このため、この取付ブラケット30を介して、コクピットモジュール1の荷重が環状凹部25に作用する際、荷重の増加が穏やかになって、環状凹部25(連結ボルト20)への衝撃を抑えることができる。
さらに、図7B(a)に示すブラケット位置決め工程において、取付ブラケット30のボルト孔34を、連結ボルト20の嵌合円筒部24に嵌合し、取付ブラケット30の取り付け位置の位置決めを行なう。ここで、嵌合円筒部24の外径寸法がボルト孔34の内径寸法Wに一致しているため、取付ブラケット30の位置ずれやがたつき、傾き等が防止され、取付ブラケット30の位置決めを安定的に行なうことができる。
また、このとき、取付ブラケット30は、ボルト孔34の周縁部34aが第1傾斜面25aに沿いながら嵌合円筒部24に嵌合する。このため、環状凹部25の外径寸法よりも嵌合円筒部24の外径寸法の方が大きくて段差が生じていても、ボルト孔34をスムーズに嵌合させることができ、容易に位置決めすることができる。
そして、図7B(b)に示すコクピットモジュール固定工程において、取付ブラケット30のボルト孔34を貫通した連結ボルト20にナット40を螺合させ、このナット40と延在プレート2cの間に取付ブラケット30のブラケット本体部31を挟持することで、ダッシュパネル2にコクピットモジュール1を固定する。このとき、連結ボルト20のネジ山部26は、高ネジ山28の頂部28aが変形或いは削られて、ナット40のネジ山高さに合うネジ山となっている。また、普通ネジ山27は、ボルト孔34の周縁部34aと干渉することがないため変形等せず、ナット40のネジ山と噛み合うことができる。そのため、ナット40は、連結ボルト20と確実に螺合し、コクピットモジュール1を固定することができる。
このように、実施例1のコクピットモジュール取付構造Kでは、連結ボルト20及び取付ブラケット30に、コクピットモジュール1をダッシュパネル2に取り付ける際に必要となる「仮保持」、「位置決め」、「固定」の各機能を持たせることができる。そのため、取付ブラケット30や連結ボルト20が設けられた延在プレート2cの大型化を防止し、重量やコストの増大を抑制することができる。
しかも、ネジ山干渉工程において、全ての高ネジ山28の頂部28aが変形等せず、一部の高ネジ山28がナット40のネジ山高さに合うネジ山よりも高いネジ山として残ってしまったとしても、ネジ山部26の中の一部のネジ山であるので、ナット40を強制的に螺合させることができる。さらに、強制的にナット40を螺合することで、ナット40のネジ山に、頂部28aが変形等せずに残った高ネジ山28が食い込み、ナット螺合後、つまり締結固定時には、締結力の低下を抑制して、当初の締結力を維持することができる。
また、実施例1では、連結ボルト20が普通ネジ山27と高ネジ山28を有し、高ネジ山28が一定のピッチP2によって複数形成されている。そのため、取付ブラケット30のボルト孔34が、一定の間隔で高ネジ山28と干渉することになり、普通ネジ山27とボルト孔34との干渉の回避率を向上することができる。
特に、実施例1では、高ネジ山28と普通ネジ山27が、軸方向に交互に形成されている。そのため、ネジ山高さの管理が容易になり、連結ボルト20のネジ山部26を加工しやすくすることができる。
さらに、実施例1では、連結ボルト20のネジ先部23が、先端に向かって次第に先細りとなったテーパ面23aを有する先細り形状となっている。そのため、図7A(a)に示すブラケット誘導工程において、このテーパ面23aに沿ってボルト孔34を差し込むことで、連結ボルト20の軸方向とボルト孔34の軸方向が一致するように取付ブラケット30が案内される。このため、連結ボルト20をボルト孔34に容易に差し込むことができる。
次に、効果を説明する。
実施例1のコクピットモジュール取付構造にあっては、下記に挙げる効果を得ることができる。
(1) 車体側部材(延在プレート)2cに突設された連結ボルト20と、コクピットモジュール1に設けられると共に前記連結ボルト20が貫通するボルト孔34を有する取付ブラケット30と、前記連結ボルト20に螺合するナット40と、を備えたコクピットモジュール取付構造Kにおいて、
前記連結ボルト20は、ネジ山部26の少なくとも一部に、前記ナット40のネジ山高さに合う高さH1よりも高く形成された高ネジ山28を有し、
前記ボルト孔34の内径寸法Wは、前記ナット40のネジ山高さに合う高さのネジ山を有するボルト外径寸法に合致した大きさに形成される構成とした。
これにより、コクピットモジュール1の仮保持機能と、コクピットモジュール1の固定機能を同一の構成に持たせることができて、取付構造の大型化・重量やコストの増大を抑制することができる。
(2) 前記連結ボルト20は、前記高ネジ山28と、前記ナット40のネジ山高さに合う高さH1の普通ネジ山27と、を有し、
前記高ネジ山28は、一定のピッチP2で複数形成される構成とした。
これにより、取付ブラケット30のボルト孔34が、一定の間隔で高ネジ山28と干渉することになり、普通ネジ山27とボルト孔34との干渉の回避率を向上することができる。
(3) 前記高ネジ山28と前記普通ネジ山27は、軸方向に交互に形成される構成とした。
これにより、連結ボルト20におけるネジ山高さの管理が容易になり、連結ボルト20のネジ山部26を加工しやすくすることができる。
(4) 前記連結ボルト20は、ネジ先部23に、先端に向かって次第に先細りとなったテーパ面23aを有する構成とした。
これにより、連結ボルト20をボルト孔34に差し込む際に、連結ボルト20の軸方向とボルト孔34の軸方向が一致するように取付ブラケット30が案内され、連結ボルト20をボルト孔34に容易に差し込むことができる。
(5) 前記連結ボルト20は、首下位置に、前記ボルト孔34の内径寸法Wに一致する外径寸法の嵌合円筒部24を有し、前記嵌合円筒部24から連続する位置に、前記ボルト孔34の内径寸法Wよりも小さい外径寸法の環状凹部25を有する構成とした。
これにより、取付ブラケット30の仮止め時における連結ボルト20からの脱落が防止できると共に、取付ブラケット30の位置決め時における位置ずれやがたつき等が防止されて取付ブラケット30の位置決めを安定的に行なうことができる。
(6) 車体側部材(延在プレート)2cに突設された連結ボルト20を、コクピットモジュール1に設けられた取付ブラケット30のボルト孔34に差し込んでから、ナット40を螺合させることで、前記コクピットモジュール1を前記車体側部材2cに取り付けるコクピットモジュール取付方法において、
前記連結ボルト20のネジ先部23に形成されたテーパ面23aに、前記ボルト孔34の周縁部34aを沿わせながら、前記取付ブラケット30を前記車体側部材2cに近接させて、前記ボルト孔34に前記連結ボルト20を差し込むブラケット誘導工程(図7A(a))と、
前記ブラケット誘導工程(図7A(a))により誘導された前記取付ブラケット30を前記車体側部材2cに向かって押し込み、前記ボルト孔34の周縁部34aと、前記連結ボルト20の少なくとも一部のネジ山に形成された、前記ナット40のネジ山高さに合う高さH1よりも高く形成された高ネジ山28の頂部28aとを干渉させて、この頂部28aを変形させる或いは削り取るネジ山干渉工程(図7A(b))と、
前記ネジ山干渉工程(図7A(b))によって前記高ネジ山28の頂部28aを変形或いは削りながら、さらに前記取付ブラケット30を前記車体側部材2cに向かって押し込み、前記連結ボルト20に形成された環状凹部25に、前記ボルト孔34を係合するブラケット仮保持工程(図7A(c))と、
前記ブラケット仮保持工程(図7A(c))によって前記取付ブラケット30を前記車体側部材2cに対して仮保持した後に、前記連結ボルト20の首下位置に形成された嵌合円筒部24に、前記ボルト孔34を嵌合するブラケット位置決め工程(図7B(a))と、
前記ブラケット位置決め工程(図7B(a))によって前記車体側部材2cに対する前記取付ブラケット30の位置が固定された後に、前記連結ボルト20に前記ナット40を螺合させ、前記車体側部材2cに前記コクピットモジュール1を固定するコクピットモジュール固定工程(図7B(b))と、
を備えた構成とした。
これにより、連結ボルト20及び取付ブラケット30に、コクピットモジュール1を車体側部材2に取り付ける際に必要となる「仮保持」、「位置決め」、「固定」の各機能を持たせることができ、取付構造の大型化・重量やコストの増大を抑制することができる。
(実施例2)
実施例2は、連結ボルトのネジ山部に、高ネジ山と普通ネジ山と第2高ネジ山を形成した例である。以下に、実施例2について説明するが、この実施例2は、実施例1の変形例であるため、その相違点についてのみ説明し、実施例1と共通する構成については共通する符号を付けることで説明を省略する。
図10(a)は、実施例2の連結ボルトにおけるネジ山部の要部拡大図であり、(b)は実施例2におけるネジ山干渉工程での要部拡大図である。
実施例2の連結ボルトのネジ山部26Aは、図10(a)に示すように、軸方向に高さ順に並ぶ普通ネジ山27と、高ネジ山28と、第2高ネジ山60と、を有している。
前記普通ネジ山27は、ナット40のネジ山(図示せず)の高さに合う高さH1のネジ山である。前記高ネジ山28は、ナット40のネジ山高さに合う高さH1よりも高く形成された高さH2のネジ山である。前記第2高ネジ山60は、高ネジ山28の高さH2よりもさらに高く形成された高さH4のネジ山である。
そして、この普通ネジ山27と、高ネジ山28と、第2高ネジ山60は、軸方向に沿ってネジ先部側(図10(a)では右側)から高さが高い順に並んで複数形成される。つまり、実施例2の連結ボルトでは、ナット40のネジ山高さに合う高さH1の普通ネジ山27から、ここでは図示しないネジ先部に向かって段階的にネジ山高さが高くなる。
これにより、図10(b)に示すネジ山干渉工程において、取付ブラケット30のボルト孔34に連結ボルトを差し込み、車体側部材である延在プレート側(図10(b)では左側)に向かって押し込んでいくと、まず、ボルト孔34の周縁部34aが第2高ネジ山60の頂部60aと干渉する。このため、この第2高ネジ山60が、高ネジ山28よりも取付ブラケット30に先当たりすることになり、ボルト孔34と高ネジ山28とが干渉しにくくなる。
これにより、実施例1の場合と比較すると、コクピットモジュールを取り付ける際の、取付ブラケット30のボルト孔34と連結ボルトのネジ山部26Aとの干渉によって、頂部が変形或いは削られるネジ山の数が低減する。この結果、ナット40のネジ山高さに合う高さH1よりも高いネジ山が実施例1の場合よりも多く残り、ナット40を強制的に螺合した際に、このナット40のネジ山に、頂部が変形等せずに残った高さH1よりも高いネジ山が食い込み、ナット40の螺合後の締結固定時に、通常の締結力以上の締結力を発揮することができる。なお、ここで「通常の締結力」とは、連結ボルトのネジ山高さを、全てナット40のネジ山高さに合わせたときに生じるナット締結力である。
また、普通ネジ山27間のピッチP3が、高ネジ山28と第2高ネジ山60を形成することで、実施例1の普通ネジ山27間のピッチP1よりも長くなる。そのため、この実施例2の構成は、連結ボルトの軸長を大きくできる場合に有利なものとなる。
次に、効果を説明する。
実施例2のコクピットモジュール取付構造にあっては、下記に挙げる効果を得ることができる。
(7) 前記連結ボルトは、前記高ネジ山28と、前記ナット40のネジ山高さに合う高さH1の普通ネジ山27と、前記高ネジ山28のネジ山高さH2よりもさらに高く形成された第2高ネジ山60と、を有し、
前記普通ネジ山27と、前記高ネジ山28と、前記第2高ネジ山28は、軸方向に沿ってネジ先部側から高さが高い順に並んで形成される構成とした。
これにより、ナット40のネジ山高さに合うネジ山よりも高いネジ山が、実施例1よりも多く残り、ナット40の螺合時に、通常以上の締結力を発揮することができる。
(実施例3)
実施例3は、連結ボルトのネジ山部に、全長にわたって高ネジ山を形成した例である。以下に、実施例3について説明するが、この実施例3は、実施例1の変形例であるため、その相違点についてのみ説明し、実施例1と共通する構成については共通する符号を付けることで説明を省略する。
図11(a)は、実施例3の連結ボルトにおけるネジ山部の要部拡大図であり、(b)は実施例3におけるネジ山干渉工程での要部拡大図である。
実施例3の連結ボルトのネジ山部26Bは、図11(a)に示すように、軸方向に並ぶネジ山の全てが高ネジ山28となっている。つまり、図中破線で示すネジ山が、ナット40のネジ山(図示せず)の高さに合う高さH1のネジ山であり、前記高ネジ山28は、この破線で示すネジ山よりも高く形成された高さH2のネジ山である。
これにより、図11(b)に示すネジ山干渉工程において、取付ブラケット30のボルト孔34に連結ボルトを差し込み、車体側部材である延在プレート側(図11(b)では左側)に向かって押し込んでいくと、ボルト孔34の周縁部34aが高ネジ山28の頂部28aと干渉する。ここで、高ネジ山28は、連結ボルトのネジ山部26Bの全長にわたって形成されているので、実施例1の場合よりも高ネジ山28の数が多い。
このため、コクピットモジュールを取り付ける際の、取付ブラケット30のボルト孔34と連結ボルトのネジ山部26Bとの干渉によって、頂部28aが変形或いは削られずに残ってしまう高ネジ山28の数が、実施例1の場合よりも多くなる。この結果、ナット40を強制的に螺合した際に、このナット40のネジ山に、頂部28aが変形等せずに残った高ネジ山28が食い込み、ナット40の螺合後の締結固定時に、通常の締結力以上の締結力を発揮することができる。なお、ここで「通常の締結力」とは、連結ボルトのネジ山高さを、全てナット40のネジ山高さに合わせたときに生じるナット締結力である。
また、全てのネジ山を高ネジ山28にすることで、高ネジ山28間のピッチP4が、実施例1の普通ネジ山27間のピッチP1よりも長くなる。そのため、この実施例3の構成は、連結ボルトの軸長を大きくできる場合に有利なものとなる。
次に、効果を説明する。
実施例3のコクピットモジュール取付構造にあっては、下記に挙げる効果を得ることができる。
(8) 前記連結ボルトは、前記ネジ山部26Bの全長にわたって前記高ネジ山28が形成される構成とした。
これにより、ナット40のネジ山高さに合うネジ山よりも高い高ネジ山28が、実施例1よりも多く残り、ナット40の螺合時に通常以上の締結力を発揮することができる。
以上、本発明のコクピットモジュール取付構造を実施例1〜実施例3に基づき説明してきたが、具体的な構成については、これらの実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
上記各実施例では、車体側部材であるダッシュパネル2の延在プレート2cに連結ボルト20を突設すると共に、コクピットモジュール1に取付ブラケット30を設けている例を示した。しかしながらこれに限らず、連結ボルトをコクピットモジュール1に突設し、車体側部材であるダッシュパネル2に取付ブラケット30を設けてもよい。
また、連結ボルト20に設けた高ネジ山28は、ネジ山部26の少なくとも一部に設けられていればよい。つまり、例えばネジ先部23の近傍の一部領域のみに普通ネジ山27と高ネジ山28を交互に設け、中間部から首下までの間のネジ山部26には普通ネジ山27のみを形成するものであってもよい。
さらに、連結ボルト20の材質と取付ブラケット30の材質は、取付ブラケット30の方が高い硬度を有するような金属材料を用いることが望ましい。
K コクピットモジュール取付構造
1 コクピットモジュール
2 ダッシュパネル
2a ダッシュサイドパネル
2c 延在プレート(車体側部材)
3 ステアリングメンバ
4 インストルメントパネル
20 連結ボルト
21 頭部
22 軸部
23 ネジ先部
23a テーパ面
24 嵌合円筒部
25 環状凹部
26 ネジ山部
27 普通ネジ山
28 高ネジ山
28a 頂部
30 取付ブラケット
31 ブラケット本体部
34 ボルト孔
40 ナット

Claims (8)

  1. 車体側部材又はコクピットモジュールの何れか一方に突設された連結ボルトと、前記車体側部材又は前記コクピットモジュールの何れか他方に設けられると共に前記連結ボルトが貫通するボルト孔を有する取付ブラケットと、前記連結ボルトに螺合するナットと、を備えたコクピットモジュール取付構造において、
    前記連結ボルトは、ネジ山部の少なくとも一部に、前記ナットのネジ山高さよりも高く形成された高ネジ山を有し、
    前記ボルト孔の内径寸法は、前記ナットのネジ山高さに合う高さのネジ山を有するボルト外径寸法に合致した大きさに形成される
    ことを特徴とするコクピットモジュール取付構造。
  2. 請求項1に記載されたコクピットモジュール取付構造において、
    前記連結ボルトは、前記高ネジ山と、前記ナットのネジ山高さに合う高さの普通ネジ山と、を有し、
    前記高ネジ山は、一定のピッチで複数形成される
    ことを特徴とするコクピットモジュール取付構造。
  3. 請求項2に記載されたコクピットモジュール取付構造において、
    前記高ネジ山と前記普通ネジ山は、軸方向に交互に形成される
    ことを特徴とするコクピットモジュール取付構造。
  4. 請求項1に記載されたコクピットモジュール取付構造において、
    前記連結ボルトは、前記高ネジ山と、前記ナットのネジ山高さに合う高さの普通ネジ山と、前記高ネジ山のネジ山高さよりもさらに高く形成された第2高ネジ山と、を有し、
    前記普通ネジ山と、前記高ネジ山と、前記第2高ネジ山は、軸方向に沿ってネジ先部側から高さが高い順に並んで形成される
    ことを特徴とするコクピットモジュール取付構造。
  5. 請求項1に記載されたコクピットモジュール取付構造において、
    前記連結ボルトは、前記ネジ山部の全長にわたって前記高ネジ山が形成される
    ことを特徴とするコクピットモジュール取付構造。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載されたコクピットモジュール取付構造において、
    前記連結ボルトは、ネジ先部に、先端に向かって次第に先細りとなったテーパ面を有する
    ことを特徴とするコクピットモジュール取付構造。
  7. 請求項1から請求項6のいずれか一項に記載されたコクピットモジュール取付構造において、
    前記連結ボルトは、首下位置に、前記ボルト孔の内径寸法に一致する外径寸法の嵌合円筒部を有し、前記嵌合円筒部から連続する位置に、前記ボルト孔の内径寸法よりも小さい外径寸法の環状凹部を有する
    ことを特徴とするコクピットモジュール取付構造。
  8. 車体側部材又はコクピットモジュールの何れか一方に突設された連結ボルトを、前記車体側部材又は前記コクピットモジュールの何れか他方に設けられた取付ブラケットのボルト孔に差し込んでから、ナットを螺合させることで、前記コクピットモジュールを前記車体側部材に取り付けるコクピットモジュール取付方法において、
    前記連結ボルトのネジ先部に形成されたテーパ面に、前記ボルト孔の周縁部を沿わせながら、前記取付ブラケットを前記車体側部材に近接させて、前記ボルト孔に前記連結ボルトを差し込むブラケット誘導工程と、
    前記ブラケット誘導工程により誘導された前記取付ブラケットを前記車体側部材に向かって押し込み、前記ボルト孔の周縁部と、前記連結ボルトの少なくとも一部のネジ山に形成された、前記ナットのネジ山高さに合う高さよりも高く形成された高ネジ山の頂部とを干渉させて、この頂部を変形させる或いは削り取るネジ山干渉工程と、
    前記ネジ山干渉工程によって前記高ネジ山の頂部を変形或いは削りながら、さらに前記取付ブラケットを前記車体側部材に向かって押し込み、前記連結ボルトに形成された環状凹部に、前記ボルト孔を係合するブラケット仮保持工程と、
    前記ブラケット仮保持工程によって前記取付ブラケットを前記車体側部材に対して仮保持した後に、前記連結ボルトの首下位置に形成された嵌合円筒部に、前記ボルト孔を嵌合するブラケット位置決め工程と、
    前記ブラケット位置決め工程によって前記車体側部材に対する前記取付ブラケットの位置が固定された後に、前記連結ボルトに前記ナットを螺合させ、前記車体側部材に前記コクピットモジュールを固定するコクピットモジュール固定工程と、
    を備えたことを特徴とするコクピットモジュール取付方法。
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