JP2013244749A - ガス発生器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】第1燃焼室(30)と点火室(19)が第1連通ノズル(80)で連通され、第2燃焼室(40)と点火室(19)が第2連通ノズル(82)で連通され、第1連通ノズル(80)が第2連通ノズル(82)よりもプレナム室(50)から離れた位置に形成されている。作動時において、第1燃焼室(30)内の第1ガス発生剤(32)が第2燃焼室(40)内の第2ガス発生剤(42)よりも先に焼尽する。
【選択図】図1
Description
たとえば、乗員への影響を低減するために、エアバッグの展開初期には燃焼初期はガス発生量が少なく、後半はガス発生量を多くして、時間と共に発生ガスの圧力変化を表す曲線がいわゆるS字型出力カーブを呈するように調整する方法や、エアバッグが展開した後、その状態を維持するために燃焼後半のガス発生速度を緩慢にする方法などが実施されている。
第1燃焼室31で発生した燃焼ガスは第2燃焼室を通ってハウジング11周壁部に形成されたガス排出口15まで到達する。
そして内筒16に形成されている連通孔17、18の開口面積を異ならせることで、ガス発生剤の焼尽に時間差を設けて、2段にガスを排出する構成にしたものである。
天板(11a)と底板(12a)、およびガス排出口(14)が形成された周壁部(11b,12b)からなるハウジング(13)と、ハウジング(13)内に配置された、内側に点火室(19)が形成された内筒部材(24)を有しており、
ハウジング(13)内の内筒部材(24)の外側空間が、内側に環状のプレナム室(50)が形成されるように配置された仕切部材(60,65)によって軸方向に2つの空間に分離されており、
一方の空間に第1ガス発生剤(32)が充填された第1燃焼室(30)が形成され、他方の空間に第2ガス発生剤(42)が充填された第2燃焼室(40)が形成されており、
さらに第1燃焼室(30)と第2燃焼室(40)の間の前記プレナム室(50)が、内側が内筒部材(24)に面し、外側がガス排出口(14)を有する周壁部に面しており、
第1燃焼室(30)と点火室(19)が、内筒部材(24)に形成された第1連通ノズル(80)で連通されているものであり、
第2燃焼室(40)と点火室(19)が、内筒部材(24)に形成された第2連通ノズル(82)で連通されているものであり、
さらに第1燃焼室(30)とプレナム室(50)が連通され、第2燃焼室(40)とプレナム室(50)が連通されており、
第1連通ノズル(80)の軸方向の形成位置が第2連通ノズル(82)の軸方向の形成位置よりもプレナム室(50)から離れた位置になるように調整されており、
作動時において、第1燃焼室(30)内の第1ガス発生剤(32)が第2燃焼室(40)内の第2ガス発生剤(42)よりも先に焼尽するものである、ガス発生器を提供する。
内筒部材の内部は点火室となっており、公知の点火器、伝火薬(又はガス発生剤)が収容されている。
さらに第1連通ノズルと第2連通ノズルの軸方向の形成位置は、第1連通ノズルが第2連通ノズルの形成位置よりもプレナム室から離れた位置になるように調整されている。なお、第1連通ノズルと第2連通ノズルの数や大きさを調整することで、第1連通ノズルと第2連通ノズルの総開口面積に大小関係を付けることもできる(例えば、第1連通ノズルの総開口面積>第2連通ノズルの総開口面積)。
ガス排出口はプレナム室内に面している。
それぞれから発生した燃焼ガスは、プレナム室に入った後で、ガス排出口から排出される。
このとき、第1連通ノズルと第2連通ノズルのそれぞれの軸方向への形成位置の違いから、第1ガス発生剤の方が第2ガス発生剤よりも燃焼し易くなっているため、第1燃焼室内の第1ガス発生剤が先に燃え尽きてしまい、第2燃焼室内の第2ガス発生剤が遅れて燃え尽きてしまう。
このように第1燃焼室内の第1ガス発生剤と第2燃焼室内の第2ガス発生剤の焼尽時間に違いが生じるため、ガス発生器全体としてみたとき、出力性能を所望状態に調整できるようになる。
ガス排出口は、上記したような出力性能の調整の観点からは、ハウジング軸方向の長さ(天板内表面から底板内表面までの長さ)に対して、底板側から20〜80%の高さ範囲に形成されていることが好ましく、より好ましくは30〜70%の高さ範囲、さらに好ましくは40〜60%の高さ範囲に形成されるようにすることができる。
第1燃焼室がハウジングの天板側にあり、第2燃焼室がハウジングの底板側にあり、
第1連通ノズルが内筒部材の天板に近い端部近傍の周壁部に形成されており、
第2連通ノズルが内筒部材のプレナム室に近い位置の周壁部に形成されている、請求項1記載のガス発生器を提供する。
請求項3の発明は、課題の他の解決手段として、
第1燃焼室がハウジングの底板側にあり、第2燃焼室がハウジングの天板側にあり、
第1連通ノズルが内筒部材の一端側の開口端部と底板との間に形成されており、
第2連通ノズルが内筒部材のプレナム室に近い位置の周壁部に形成されている、請求項1記載のガス発生器を提供する。
いずれの発明においても、第1燃焼室内の第1ガス発生剤が先に燃え尽きてしまい、第2燃焼室内の第2ガス発生剤が遅れて燃え尽きてしまう。
前記仕切部材が、軸方向に間隔をおいて配置された2つの環状略平板部材の組み合わせからなるものであり、
プレナム室が、2つの環状略平板部材の間に形成された環状空間からなるものである、請求項1〜3のいずれか1項記載のガス発生器を提供する。
また内筒部材に形成される第1連通ノズルと第2連通ノズルの形成位置との調整も容易になる。
なお、2つの環状略平板部材に代えて、プレナム室の環状天井面、環状底面、外周壁面が一体に成形され、ガス排出口に面した外周壁面に開口部を有するような仕切部材や、プレナム室の環状天井面、環状底面、内周壁面が一体に成形されたような仕切部材を使用することもできる。
前記プレナム室の内周面の内筒部材に面する側の軸方向の長さが、ハウジング周壁部に面する外周面の軸方向の長さよりも短い、請求項1〜4のいずれか1項記載のガス発生器を提供する。
このような形状にすることで、内筒部材に形成する第1連通ノズルや第2連通ノズルの形成できる範囲をハウジング軸方向に広く確保することができる。
前記プレナム室にフィルタが配置されており、該フィルタの外周面と前記ハウジング周壁部の内周面との間に間隙が形成されている、請求項1〜5のいずれか1項記載のガス発生器を提供する。
作動時において、第1燃焼室内の第1ガス発生剤が第2燃焼室内の第2ガス発生剤よりも先に焼尽するようにするための補助的手段として、
前記第1ガス発生剤と前記第2ガス発生剤が、充填量、形状、寸法、組成、組成比から選択される要件の1以上が調整されているものである、請求項1〜6のいずれか1項記載のガス発生器を提供する。
そして、第1ガス発生剤と第2ガス発生剤の充填量、形状、寸法、組成、組成比から選択される要件の1以上を調整で、前記の焼尽時間の調整を補助することができる。
前記の充填量、形状、寸法、組成、組成比から選択される要件は、以下のとおりのものであり、(a)〜(e)の要件は、それぞれ逆の要件にすることもできる。
(a)第1ガス発生剤の充填量を第2ガス発生剤の充填量よりも少なくする。
(b)第1ガス発生剤の形状をより燃えやすい形状(総表面積の大きな形状)にして、第2ガス発生剤の形状をより燃え難い形状(総表面積の小さな形状)にする。
(c)第1ガス発生剤の寸法をより小さく(総表面積の大きな形状)にして、第2ガス発生剤の寸法をより大きく(総表面積の小さな形状)にする。
(d)第1ガス発生剤の組成(含有成分の組み合わせ)をより燃えやすい組成にして、第2ガス発生剤の組成(含有成分の組み合わせ)をより燃え難い組成にする。
(e)第1ガス発生剤の組成比(含有成分の組み合わせ比率)をより燃えやすい組成にして、第2ガス発生剤の組成比(含有成分の組み合わせ比率)をより燃え難い組成にする。
例えば、要件(a)を逆にすることで、初期は多量の第1ガス発生剤の焼尽により、初期出力が高めになるように設定することもできる。但し、この場合でも、作動時において、第1燃焼室内の第1ガス発生剤が第2燃焼室内の第2ガス発生剤よりも先に焼尽するように調整する。
このため、ガス発生器の出力調整が容易で、再現性のよいガス発生器を得ることができる。
ガス発生器10は、ディフューザシェル11とクロージャシェル12からハウジング13が形成されている。
ディフューザシェルのフランジ11cとクロージャシェルのフランジ12cは、重ね合わされた状態で溶接一体化されている。
ガス排出口14は拡径部15に形成され、内側からシールテープによって閉塞されている。
ガス排出口14は、ハウジング軸方向の長さ(天板11a内表面から底板12a内表面までの長さ)に対して、底板側から40〜60%の高さ範囲に形成されている。
孔16には、底板12a側からハウジング13の内側に向かって折り返された筒状部17が形成されている。
点火器カラー20は、半径方向外側に突起した環状の鍔21を有しており、その鍔21が筒状部17の先端周縁部17aに当接されている。
筒状部17の内周面は、点火器カラー20の外周面に当接されており、この状態で点火器カラー20が、筒状部17に対して溶接等公知の方法で固定されている。
内筒部材24は、一端が開口(開口端部24a)しており、開口端部24a側から点火器18(点火器カラー20)に被せられている。
内筒部材24は、反対端部が閉塞端面24bで閉塞されている。閉塞端面24bは別部材の蓋であってもよく、点火室19内に伝火薬(ガス発生剤)を充填するときは、それを充填した後で蓋で閉塞する。
閉塞端面24bは、天板11aに対して当接されていてもよいし、図示しているように隙間をおいて正対されていてもよい。隙間があるときは、ガス発生剤がはまり込まない大きさにすることが望ましい。
内筒部材24は、ハウジング13内部において、段部26が点火器カラー20の鍔21に当接され、拡径部25が筒状部17の外側に位置するように取り付けられており、溶接等の公知の方法でにて拡径部25と筒状部17が固定されている。
そして、第1燃焼室30と第2燃焼室40の間には、第1環状略平板部材60と第2環状略平板部材65、周壁部11b、内筒部材24で囲まれたプレナム室50が形成されている。
第1ガス発生剤32と第2ガス発生剤42は、充填量、形状、寸法、組成、組成比が同じものである。このため、図1のガス発生器10では、本発明の課題を解決するためには、第1燃焼室30の容積と第2燃焼室40の容積は、同一か、または第1燃焼室30の容積を小さくする。
第1連通ノズル80は、内筒部材24の周壁部24cのうち、閉塞端面24b側に偏って(プレナム室50に対して軸X方向に離れた位置に)形成されている。
第1連通ノズル80はシールテープで閉塞されていないが、点火室19内の伝火薬が第1燃焼室30内に出ないようにするため、又は第1ガス発生剤32が点火室19内に入らないようにするため、シールテープで閉塞してもよい。
なお、第1連通ノズル80がシールテープで閉塞されている場合、作動前には連通されておらず、作動時に連通されることになるが、前記のシールテープは、ガス排出口14を内側から密閉しているシールテープのような耐圧性や耐久性を必要とするものではないため、本発明では、第1連通ノズル80がシールテープで閉塞されている場合も含めて、第1燃焼室30と点火室19は第1連通ノズル80によって連通されているとしている。
第2連通ノズル82は、内筒部材24の周壁部24cのうち、プレナム室50に偏って(プレナム室50に対して軸X方向に近い位置に)形成されている。
第2連通ノズル82はシールテープで閉塞されていないが、上記した第1連通ノズル80と同様にシールテープで閉塞されていてもよい。
第1連通ノズル80は、第1燃焼室においてハウジング軸方向の長さ(第1燃焼室内の軸X方向の最大長さ)に対して、天板側から2〜50%の高さ範囲に形成されている。
第2連通ノズル82は、第2燃焼室においてハウジング軸方向の長さ(第2燃焼室内の軸X方向の最大長さ)に対して、底板側から50〜98%の高さ範囲に形成されている。
なお、第1連通ノズル80は、本発明の課題を解決できるのであれば、閉塞端面24bと周壁部24cとの境界部である角部または閉塞端面24bに形成されていてもよい。
第1環状略平板部材60は、貫通孔61が形成された円板部60aと、その外周縁から底板12a側に延ばされた(折り曲げられた)環状壁部60bからなるものであり、環状壁部60bがディフューザシェル11の周壁部11bに対して圧入されている。
第1環状略平板部材60の内周縁は、内筒部材24と間隔をおいて対向されている。この間隔は、第1ガス発生剤32がはまり込まない程度の間隔である。
第2環状略平板部材65の内周縁は、内筒部材24と間隔をおいて対向されている。この間隔は、第2ガス発生剤42がはまり込まない程度の間隔である。
円板部60aは、ハウジング13の中心を通る軸Xに対して、内筒部材24側へ下るように傾斜した状態で取り付けられている。
円板部65aは、ハウジング13の中心を通る軸Xに対して、内筒部材24側へ上るように傾斜した状態で取り付けられている。
このため、プレナム室50の内筒部材24に面する側の軸方向の長さが、ハウジング周壁部11bに面する側の軸方向の長さよりも短くなっており、第1連通ノズル80と第2連通ノズル82の軸X方向への形成できる範囲を広く確保することができる。
外周面71は、拡径部15の内周面(ガス排出口14)と間隔をおいて配置され、内周面72は、内筒部材24の周壁部24cに対して対向するように配置されている。内周面72は、周壁部24cと当接されていてもよい。
フィルタの外周面71には、第1環状略平板部材60の環状壁部60bが当接されており、これによりプレナム室50内にてフィルタ70が位置決めされている。
フィルタ70は、軸X方向の断面形状がプレナム室50の内部形状と一致した形状となっている。
着火電流が点火器18に流れて作動すると、点火室19の伝火薬(図示せず)が燃焼する。
そして、燃焼生成物(高温ガス、火炎など)が発生し、それぞれ第1連通ノズル80および第2連通ノズル82を通り、第1燃焼室30の第1ガス発生剤32、および第2燃焼室40の第2ガス発生剤42を着火させ、燃焼ガスを発生させる。
第1燃焼室30で発生した燃焼ガスは、第1環状略平板部材60の連通孔61を通り、プレナム室50に流れ込んだ後、フィルタ70を通過し、冷却、浄化された後、ガス排出口14を閉塞するシールテープを破り、ハウジング13外部へ排出される。
第2燃焼室40で発生した燃焼ガスは、第2環状略平板部材65の連通孔66を通り、プレナム室50に流れ込んだ後、フィルタ70を通過し、冷却、浄化された後、ハウジング13外部へ排出される。
そこから発生した燃焼ガスは、第1燃焼室30の出口であり、未燃焼の第1ガス発生剤が存在するプレナム室50方向に流れる。
つまり第1ガス発生剤32は、第1燃焼室30内部において、天板11aからプレナム室50に向けて燃焼が進行する。
また燃焼の進行方向にガス排出口14に繋がるプレナム室50が存在するため、第1ガス発生剤32全体の燃焼は迅速に進み、燃焼開始から終了までの時間(焼尽時間)が短くなる。
そこから発生した燃焼ガスは、第2燃焼室40の出口(ガス排出口14)に繋がった、プレナム室50方向に流れる。
しかし、未燃焼の第2ガス発生剤42は、第2燃焼室40内部においてプレナム室50とは反対の位置(底板12a側)に残っており、燃焼ガスが流れる方向と反対側である。
つまり第2ガス発生剤42は、第2燃焼室40内部において、燃焼が進行する方向(軸X方向のプレナム室50から底板12aに向けて)と燃焼ガスが流れる方向(軸X方向のプレナム室50へ向けて)とが逆であり、第2ガス発生剤42が第1ガス発生剤32と同じものであっても、全体としての焼尽時間が長くなる。
図1のガス発生器では、第1ガス発生剤32と第2ガス発生剤42が同時に燃焼を開始したとき、排出される燃焼ガスは、初期には専ら第1ガス発生剤32からの燃焼ガスの比率が多くなる。
そして、第1ガス発生剤32が焼尽しても、第2ガス発生剤42がまだ燃焼しており、継続して燃焼ガスを排出し続ける。
このため、本発明のガス発生器を車両のエアバッグ装置に組み込んだときに、エアバッグ展開初期は第1ガス発生剤32からの燃焼ガスで、迅速にバッグを展開させ、その後第2ガス発生剤42からの燃焼ガスも加わり十分な展開圧力が得られる。
また本発明のガス発生器では、各ガス発生剤の量や燃焼完了時間が調整することができ、例えば作動初期の出力を弱め、乗員へのエアバッグ展開の衝撃を低下させることや、エアバッグ展開後のバッグ内圧の維持を目的としたガスの供給など、目的に応じ様々なガス発生モードが達成できる。
さらに補助的手段として、上記した要件(a)〜要件(e)、および要件(a)〜要件(e)を逆にした要件を適宜組み合わせることで、第1ガス発生剤32と第2ガス発生剤42の焼尽時間を調整するようにしてもよい。
図2のガス発生器100は、図1のガス発生器10における第1連通ノズル80と第2連通ノズル82に相当する部分の形成位置が異なること、第1連通ノズルに相当する部分の形成位置が異なることと関連して内筒部材24の一部形状が異なること、第1燃焼室と第2燃焼室の位置が逆になっていることを除いては、図1のガス発生器10と同じである。
図2のガス発生器100では、プレナム室50にはフィルタが配置されていない空間となっているが、図1のガス発生器10と同様にフィルタを配置することもできる。
内筒部材124は、反対端部が閉塞端面124bで閉塞されている。閉塞端面24bは別部材の蓋であってもよく、点火室19内に伝火薬(ガス発生剤)を充填するときは、それを充填した後で蓋で閉塞する。
内筒部材124は、ハウジング13内部において、段部126が点火器カラー20の鍔21に当接され、拡径部125が筒状部17の外側に位置するように取り付けられており、溶接等公知の方法にて拡径部125と筒状部17が固定されている。
リブ状突起130は、段部126よりもさらに閉塞端面124b寄りの部分から始まり、開口端部124aまで伸びている。
拡径部125のリブ状突起130が形成されていない内壁面は、筒状部17の外壁面と鍔21に当接された状態になっているが、リブ状突起130が形成されている部分では、筒状部17の外壁面とリブ状突起130との間に軸X方向に連続した間隙(連通路183)が形成されている。
リブ状突起130が形成された開口端部124aは切り欠かれ、底板12aとの間に隙間が形成されており、この隙間が第1連通ノズル180となる。
着火電流が点火器18に流れて作動すると、点火室19の伝火薬(図示せず)が燃焼する。
そして、燃焼生成物(高温ガス、火炎など)が発生し、それぞれ第1連通ノズル180および第2連通ノズル182を通り、第1燃焼室30の第1ガス発生剤32、および第2燃焼室40の第2ガス発生剤42を着火させ、燃焼ガスを発生させる。
第1燃焼室30で発生した燃焼ガスは、第2環状略平板部材65の連通孔66を通り、プレナム室50に流れ込んだ後、ガス排出口14を閉塞するシールテープを破り、ハウジング13外部へ排出される。
第2燃焼室40で発生した燃焼ガスは、第1環状略平板部材60の連通孔61を通り、プレナム室50に流れ込んだ後、フィルタ70を通過し、冷却、浄化された後、ハウジング13外部へ排出される。
したがって第1燃焼室30では、燃焼ガスが流れる方向に未燃焼の第1ガス発生剤32が存在しており、全体として第1ガス発生剤が迅速に焼尽することになり、燃焼開始から終了までの時間(焼尽時間)が短くなる。
そこから発生した燃焼ガスは、第2燃焼室40の出口(ガス排出口14)に繋がった、プレナム室50方向に流れる。
しかし、未燃焼の第2ガス発生剤42は、第2燃焼室40内部においてプレナム室50とは反対の位置(つまり天板11a側)に残っており、燃焼ガスが流れる方向と反対側である。
つまり第2ガス発生剤42は、第2燃焼室40内部において、燃焼が進行する方向(軸X方向のプレナム室50から天板11aに向けて)と燃焼ガスが流れる方向(軸X方向のプレナム室50へ向けて)とが逆であり、第2ガス発生剤42が第1ガス発生剤32と同じものであっても、全体としての焼尽時間が長くなる。
11 ディフューザシェル
11a 天板
12 クロージャシェル
12a 底板
13 ハウジング
14 ガス排出口
18 点火器
19 点火室
20 点火器カラー
24 内筒部材
30 第1燃焼室
32 第1ガス発生剤
40 第2燃焼室
42 第2ガス発生剤
50 プレナム室
70 フィルタ
Claims (7)
- 天板(11a)と底板(12a)、およびガス排出口(14)が形成された周壁部(11b,12b)からなるハウジング(13)と、ハウジング(13)内に配置された、内側に点火室(19)が形成された内筒部材(24)を有しており、
ハウジング(13)内の内筒部材(24)の外側空間が、内側に環状のプレナム室(50)が形成されるように配置された仕切部材(60,65)によって軸方向に2つの空間に分離されており、
一方の空間に第1ガス発生剤(32)が充填された第1燃焼室(30)が形成され、他方の空間に第2ガス発生剤(42)が充填された第2燃焼室(40)が形成されており、
さらに第1燃焼室(30)と第2燃焼室(40)の間の前記プレナム室(50)が、内側が内筒部材(24)に面し、外側がガス排出口(14)を有する周壁部に面しており、
第1燃焼室(30)と点火室(19)が、内筒部材(24)に形成された第1連通ノズル(80)で連通されているものであり、
第2燃焼室(40)と点火室(19)が、内筒部材(24)に形成された第2連通ノズル(82)で連通されているものであり、
さらに第1燃焼室(30)とプレナム室(50)が連通され、第2燃焼室(40)とプレナム室(50)が連通されており、
第1連通ノズル(80)の軸方向の形成位置が第2連通ノズル(82)の軸方向の形成位置よりもプレナム室(50)から離れた位置になるように調整されており、
作動時において、第1燃焼室(30)内の第1ガス発生剤(32)が第2燃焼室(40)内の第2ガス発生剤(42)よりも先に焼尽するものである、ガス発生器。 - 第1燃焼室がハウジングの天板側にあり、第2燃焼室がハウジングの底板側にあり、
第1連通ノズルが内筒部材の天板に近い端部近傍の周壁部に形成されており、
第2連通ノズルが内筒部材のプレナム室に近い位置の周壁部に形成されている、請求項1記載のガス発生器。 - 第1燃焼室がハウジングの底板側にあり、第2燃焼室がハウジングの天板側にあり、
第1連通ノズルが内筒部材の一端側の開口端部と底板との間に形成されており、
第2連通ノズルが内筒部材のプレナム室に近い位置の周壁部に形成されている、請求項1記載のガス発生器。 - 前記仕切部材が、軸方向に間隔をおいて配置された2つの環状略平板部材の組み合わせからなるものであり、
プレナム室が、2つの環状略平板部材の間に形成された環状空間からなるものである、請求項1〜3のいずれか1項記載のガス発生器。 - 前記プレナム室の内周面の内筒部材に面する側の軸方向の長さが、ハウジング周壁部に面する外周面の軸方向の長さよりも短い、請求項1〜4のいずれか1項記載のガス発生器。
- 前記プレナム室にフィルタが配置されており、該フィルタの外周面と前記ハウジング周壁部の内周面との間に間隙が形成されている、請求項1〜5のいずれか1項記載のガス発生器。
- 作動時において、第1燃焼室内の第1ガス発生剤が第2燃焼室内の第2ガス発生剤よりも先に焼尽するようにするための補助的手段として、
前記第1ガス発生剤と前記第2ガス発生剤が、充填量、形状、寸法、組成、組成比から選択される要件の1以上が調整されているものである、請求項1〜6のいずれか1項記載のガス発生器。
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