JP2002283942A - インフレーター - Google Patents

インフレーター

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JP2002283942A
JP2002283942A JP2001093855A JP2001093855A JP2002283942A JP 2002283942 A JP2002283942 A JP 2002283942A JP 2001093855 A JP2001093855 A JP 2001093855A JP 2001093855 A JP2001093855 A JP 2001093855A JP 2002283942 A JP2002283942 A JP 2002283942A
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gas generating
gas
inflator
generating agent
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JP2001093855A
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English (en)
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Kazutoshi Hayashi
量敏 林
Susumu Koyama
享 小山
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Toyoda Gosei Co Ltd
Original Assignee
Toyoda Gosei Co Ltd
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Publication date
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  • Air Bags (AREA)
  • Feeding, Discharge, Calcimining, Fusing, And Gas-Generation Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】点火装置等の部品を極力少なくして、作動当初
に充分なガス吐出量を確保できるとともに、膨張用ガス
の吐出時間を長くすることができるインフレーターを提
供すること。 【解決手段】燃焼して膨張用ガスを発生するガス発生剤
27・28と、ガス発生剤27・28を充填させて、膨
張用ガスを吐出可能なガス吐出口19aを有した本体部
17と、本体部17内に配置されて、所要時に、ガス発
生剤27・28に点火するように作動する点火装置25
と、を備えるインフレーター16。本体部17に、燃焼
速度を異ならせた2種以上のガス発生剤27・28が充
填されて構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、燃焼して膨張用ガ
スを発生するガス発生剤と、ガス発生剤を充填させて、
膨張用ガスを吐出可能なガス吐出口を有した本体部と、
本体部内に配置されて、所要時に、ガス発生剤に点火す
るように作動する点火装置と、を備えるインフレーター
に関する。
【0002】
【従来の技術とその課題】従来、エアバッグ装置に取り
付けられるインフレーターとしては、点火装置を作動さ
せることにより、ガス発生剤が燃焼して発生する膨張用
ガスを、ガス吐出口から吐出可能な構成のものがあっ
た。そして、昨今では、乗員を拘束可能な時間を長くす
るために、エアバッグの膨張完了後の内圧を保持する時
間を長くすることが望まれていた。
【0003】そこで、エアバッグの内圧を保持するため
に膨張用ガスの吐出時間を長くしたインフレーターとし
て、特開平11−157412号公報等に示す構成のも
のがあった。
【0004】上記公報に記載のインフレーターは、同一
のガス発生剤を充填させた第1・第2発生剤貯蔵室と、
第1発生剤貯蔵室内に充填されるガス発生剤に点火可能
な点火装置と、を備えて構成され、第1・第2発生剤貯
蔵室間を区画する仕切り部材の一部が、第1発生剤貯蔵
室内に充填されるガス発生剤の燃焼熱により溶融可能な
構成とされていた。そして、このインフレーターでは、
点火装置が作動すると、まず、第1発生剤貯蔵室内に充
填されるガス発生剤が燃焼し、次いで、ガス発生剤燃焼
熱により仕切り部材が溶融して、第2発生剤貯蔵室に燃
焼熱が移り、第2発生剤貯蔵室内に充填されるガス発生
剤が燃焼していた。すなわち、上記構成のインフレータ
ーでは、第1発生剤貯蔵室内に充填されるガス発生剤と
第2発生剤貯蔵室内に充填されるガス発生剤との燃焼開
始時間に時間差を設けることによって、インフレーター
からの膨張用ガスの吐出時間を長くする構成であった。
【0005】しかし、上記構成のインフレーターでは、
作動時、第1発生剤貯蔵室内に充填されるガス発生剤が
ある程度燃焼した後に、第2発生剤貯蔵室内のガス発生
剤が燃焼し始めるため、インフレーターの作動当初に、
エアバッグの展開膨張初期に必要な膨張用ガスの吐出量
を確保しがたく、エアバッグを素早く展開できない虞れ
があった。
【0006】そこで、この対処として、作動の時間差を
短く設定した点火装置を2つ併設されたインフレーター
を使用することが考えられる。インフレーターをこのよ
うな構成とすれば、短い時間差で点火される2つのガス
発生剤が燃焼することから、作動当初、インフレーター
は、展開膨張初期に必要な膨張用ガスを吐出させてエア
バッグを展開膨張させることができる。さらに、時間差
を設けた分、後から燃焼し始めたガス発生剤の燃焼終了
が遅れるため、インフレーターは、内圧保持に必要な膨
張用ガスを吐出させて、膨張したエアバッグの内圧を長
く保持させることができる。しかし、上記構成のインフ
レーターでは、点火装置が2つ併設されるため、部品点
数が増大して、エアバッグ装置の製造コストを高めるこ
ととなり、好ましくなかった。
【0007】本発明は、上述の課題を解決するものであ
り、点火装置等の部品を極力少なくして、作動当初に充
分なガス吐出量を確保できるとともに、膨張用ガスの吐
出時間を長くすることができるインフレーターを提供す
ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係るインフレー
ターは、燃焼して膨張用ガスを発生するガス発生剤と、
ガス発生剤を充填させて、膨張用ガスを吐出可能なガス
吐出口を有した本体部と、本体部内に配置されて、所要
時に、ガス発生剤に点火するように作動する点火装置
と、を備えるインフレーターであって、本体部に、燃焼
速度を異ならせた2種以上のガス発生剤が充填されて構
成されていることを特徴とする。
【0009】また、燃焼速度を異ならせた2種以上のガ
ス発生剤は、それぞれ、同一の組成物から構成される粒
状として、相互の比表面積を相違させて、燃焼速度を異
ならせる構成とすることが好ましい。
【0010】さらに、燃焼速度を異ならせた2種以上の
ガス発生剤が、本体部内において、相互に混在されて充
填されている構成とすることが好ましいさらにまた、本
体部に、区画壁によって区画されて、燃焼速度を異なら
せた2種以上のガス発生剤を、それぞれ、個別に貯蔵さ
せる複数の発生剤貯蔵室が形成され、点火装置近傍に配
置される発生剤貯蔵室に、燃焼速度を速くしたガス発生
剤が貯蔵されて、ガス発生剤の燃焼により発生する熱
で、隣接する発生剤貯蔵室に貯蔵されるガス発生剤が燃
焼を開始可能に、区画壁に、熱供給口が形成されている
構成としてもよい。
【0011】
【発明の効果】本発明のインフレーターでは、本体部
に、燃焼速度を異ならせた2種以上のガス発生剤が充填
されている。そのため、点火装置がガス発生剤を点火す
るように作動した際、各種のガス発生剤が同時に燃焼し
始めても、燃焼速度の遅いガス発生剤の燃焼終了を遅ら
せることができる。そのため、点火装置の作動当初に
は、燃焼速度の速いガス発生剤を素早く燃焼させたり、
あるいは、燃焼速度の速いガス発生剤と燃焼速度の遅い
ガス発生剤とを同時に燃焼させて、ガス吐出口から展開
膨張初期に必要な膨張用ガスを吐出させて、エアバッグ
を素早く展開膨張させることができる。そして、燃焼速
度の速いガス発生剤が燃焼を終了させても、燃焼速度の
遅いガス発生剤が遅れて燃焼を終了させることから、燃
焼速度の遅いガス発生剤から発生する膨張用ガスによ
り、エアバッグの内圧を保持することができる。さら
に、燃焼速度の遅いガス発生剤の点火は、燃焼速度の速
いガス発生剤の燃焼熱を利用すればよいことから、点火
装置も1つでよい。
【0012】従って、本発明のインフレーターでは、点
火装置等の部品を極力少なくして、作動当初に充分なガ
ス吐出量を確保できるとともに、膨張用ガスの吐出時間
を長くすることができる。
【0013】また、本発明のインフレーターでは、充填
されるガス発生剤の燃焼速度を変更すれば、ガス吐出口
からの膨張用ガスの吐出時間を適宜変更することができ
る。さらに、燃焼速度を異ならせた各ガス発生剤の配合
比率を変更することで、時間ごとの膨張用ガスの吐出量
も、範囲を大きくして自由に適宜変更することができ
る。
【0014】さらに、請求項2に記載したような構成と
すれば、同一の組成物から構成される粒状のガス発生剤
を使用しても、ガス発生剤相互の比表面積を相違させる
ことにより、燃焼時の酸素と接する面積に差を設けて、
燃焼速度を異ならせることができる。この比表面積の差
は、同一原料から固める形状を大小としたり、砕く大き
さに大小を設ける等によって、簡単に設けることがで
き、燃焼速度の異なるガス発生剤の製造が容易となる。
また、燃焼速度の異なる複数種類のガス発生剤が、同一
の組成物から構成されていれば、ガス発生剤の管理や取
り扱いも容易となる。そのため、燃焼速度の異なるガス
発生剤として、異なった組成物から構成されるガス発生
剤を用いる場合に比して、インフレーターの製造工数・
コストを低減させることができる。
【0015】さらにまた、請求項3に記載したような構
成とすれば、燃焼時間を異ならせた所定量のガス発生剤
を、単に本体部内に混在させて充填させるだけで、イン
フレーターを製造でき、また、本体部を小型化すること
もできる。従って、一層、インフレーターの製造が容易
となるとともに、インフレーターを小型化することがで
き、インフレーターを取り付けるエアバッグ装置の軽量
化にも寄与することができる。
【0016】さらにまた、請求項4に記載したような構
成とすれば、燃焼速度を異ならせたガス発生剤を、本体
部内における異なった発生剤貯蔵室内に貯蔵させること
となるため、ガス発生剤を、燃焼速度の速いものから、
順に、燃焼させることができて、本体部内にガス発生剤
を混在させて充填する場合に比して、各ガス発生剤の燃
焼開始時間を調整することができ、膨張用ガスの吐出時
間の調整における自由度が一層増大する。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図面
に基づいて説明する。
【0018】本発明の一実施形態であるインフレーター
を使用したエアバッグ装置Mを、図1・2に示す。エア
バッグ装置Mは、ステアリングホイールWの中央のボス
部Bにおける上部に配置される構成である。ステアリン
グホイールWは、操舵時に把持するリング部Rと、リン
グ部Rとボス部Bとを連結する3本のスポーク部Sと、
を備えて構成されている。また、ステアリングホイール
Wは、構成部品上では、エアバッグ装置Mとステアリン
グホイール本体1と、を備える構成である。
【0019】ステアリングホイール本体1は、リング部
R・ボス部B・スポーク部Sの各部を連結するように配
置される芯金2を備えている。芯金2は、リング部Rの
部位に配置されるリング部芯金3と、ボス部Bの部位に
配置されるボス部芯金4と、スポーク部Sの部位に配置
されるスポーク部芯金5と、を備えている。リング部芯
金3とリング部芯金3側の各スポーク部芯金5とには、
合成樹脂製の被覆層6が被覆されている。ボス部芯金4
は、図示しないステアリングシャフトと接続される鋼製
のボス4aと、ボス4aの周囲を覆ってリング部芯金3
やスポーク部芯金5と一体的に形成されるアルミニウム
合金等からなる被覆部4bと、から構成されている。な
お、ステアリングホイール本体1は、ボス部Bの下部を
覆うように、芯金2にねじ止めされるロアカバー7を備
えて構成されている。
【0020】エアバッグ装置Mは、図2に示すように、
膨張可能に折り畳まれたエアバッグ11、エアバッグ1
1に膨張用ガスを供給するインフレーター16、折り畳
まれたエアバッグ11を覆うパッド12、及び、エアバ
ッグ11・インフレーター16・パッド12を保持する
バッグホルダ13、を備えて構成されている。
【0021】エアバッグ11は、インフレーター16か
ら吐出される膨張用ガスを流入させて膨張する袋状であ
り、ポリアミドやポリエステル等の可撓性を有した織布
から構成されている。そして、エアバッグ11には、イ
ンフレーター16の後述する本体部17を挿入可能とす
る開口11aが形成されている。
【0022】パッド12は、合成樹脂製として、エアバ
ッグ11の膨張時に所定部位を破断させる天井壁部12
aと、天井壁部12aの外周縁付近から下方へ延びる略
六角筒形状の側壁部12bと、を備えて構成されてい
る。
【0023】バッグホルダ13によるエアバッグ11と
インフレーター16との保持は、エアバッグ11内に配
置されるリテーナ14に形成されるボルト(図示せず)
を利用して行なう。具体的には、エアバッグ11内に配
置される円環状のリテーナ14から下方へ延びる4本の
ボルト(図示せず)を、エアバッグ11・バッグホルダ
13・インフレーター16のフランジ部19bに貫通さ
せてナット止めすることにより、エアバッグ11とイン
フレーター16とをバッグホルダ13に保持させてい
る。また、バッグホルダ13によるパッド12の保持
は、パッド12の側壁部12bとバッグホルダ13とを
図示しないリベット止め等することにより行なってい
る。
【0024】インフレーター16は、図2・3に示すよ
うに、ディスクタイプとして、2種類のガス発生剤27
・28と、ガス発生剤27・28を充填させる本体部1
7と、本体部17内に配置される点火装置25と、を備
えている。ガス発生剤27・28は、燃焼して膨張用ガ
スを発生するものである。本体部17には、ガス発生剤
27・28から発生する膨張用ガスを吐出可能な複数の
ガス吐出口19aが形成されている。点火装置25は、
所要時に、ガス発生剤27・28に点火するように作動
する。
【0025】本体部17は、図2・3に示すように、略
円筒状であり、略円形の天井壁部18と、略円形の底壁
部20と、天井壁部18と底壁部20とを連結する周壁
部19と、を備えている。周壁部19における天井壁部
18側には、既述した複数のガス吐出口19aが形成さ
れている。また、周壁部19には、インフレーター16
をバッグホルダ13に保持させるための略円環状のフラ
ンジ部19bが、周壁部19と略直交するように、周壁
部19の外周面から突出して形成されている。
【0026】本体部17内部には、中心付近に、点火装
置25が配置されている。点火装置25の外周側には、
本体部17と一体的に、天井壁部18と底壁部20とを
連結するように形成される円筒状の縦壁部22が形成さ
れている。また、周壁部19の内周側には、金網からな
る円筒状のフィルタ23が配置されている。そして、図
3に示すように、天井壁部18、底壁部20、縦壁部2
2、及び、フィルタ23で囲まれる部分が、ガス発生剤
27・28を貯蔵する発生剤貯蔵室21とされている。
また、縦壁部22には、点火装置25の後述する伝火剤
25bから発生する火炎を発生剤貯蔵室21に噴出させ
るための貫通孔22aが、形成されている。なお、フィ
ルタ23は、ガス発生剤27・28が燃焼して発生した
膨張用ガスのスラグ捕集と冷却のために、配置されるも
のである。また、各ガス吐出口19aは、図3に示すよ
うに、膨張用ガスを透過するシール部材24で内側から
塞ぐように、覆われている。
【0027】点火装置25は、点火具25aと、点火具
25aの上方に配置されて点火具25aを作動させるこ
とで着火される伝火剤25bと、を備えている。点火具
25aは、本体部17における底壁部20に固定されて
いる。また、点火具25aは、図示しないリード線に結
線されている。そして、所定の信号がリード線を経て点
火具25aに入力されると、点火具25aが作動して伝
火剤25bが着火され、伝火剤25bから発生して、縦
壁部22の貫通孔22aから噴出する火炎により、ガス
発生剤27・28が燃焼を開始する構成である。
【0028】本体部17に充填される2種類のガス発生
剤27・28は、図3に示すように、発生剤貯蔵室21
内で、密に相互接触するように、相互に混在されて貯蔵
されている。このガス発生剤27・28は、それぞれ、
同一の組成物から構成される粒状であり、相互の比表面
積を相違させて、燃焼速度を異ならせている。ここで、
比表面積とは、各ガス発生剤27・28の単位体積あた
りの表面積のことである。ガス発生剤において比表面積
が大きければ、燃焼時の酸素と接する面積が大きくなっ
て、ガス発生剤が速く燃焼することとなるため、各ガス
発生剤27・28の比表面積を変更することにより、燃
焼速度を変化させることができる。なお、実施形態にお
いては、粒状とは、粉体若しくは顆粒状等の小さな形状
ばかりでなく、錠剤のような大きな形状を含むものとす
る。
【0029】実施形態では、図3に示すように、粒状に
形成した各ガス発生剤27・28の形状が相似形となる
ように、一方のガス発生剤27を、他方のガス発生剤2
8より体積を小さくして、各ガス発生剤27・28の比
表面積を相違させる構成である。すなわち、体積を小さ
くしたガス発生剤27は、体積を大きくしたガス発生剤
28よりも比表面積が大きくなるため、体積を大きくし
たガス発生剤28よりも、燃焼速度を速めることができ
る。具体的には、実施形態のインフレーター16では、
ガス発生剤27・28として、アミノテトラゾール類等
からなるものを使用し、比表面積が0.9cm2/cm3
のガス発生剤27と、比表面積が0.6cm2/cm3
ガス発生剤28と、を7:3の割合(体積比)で混在さ
せたものを、発生剤貯蔵室21に充填している。
【0030】次に、上記インフレーター16を使用した
エアバッグ装置Mの組み付けと車両への装着とを説明す
る。エアバッグ装置Mは、エアバッグ11内にリテーナ
14を配置させて、エアバッグ11を折り畳むととも
に、リテーナ14から延びる図示しないボルトをバッグ
ホルダ13・インフレーター16のフランジ部19bに
挿通させてナット止めし、パッド12を、所定箇所でバ
ッグホルダ13にリベット止め等すれば、組み立てるこ
とができる。
【0031】そして、バッグホルダ13の図示しない連
結部位を利用すれば、エアバッグ装置Mをステアリング
ホイールWに取り付けることができる。ステアリングホ
イールWが車両に装着されて、所要時に、所定の信号が
図示しないリード線を経て、インフレーター16に入力
されて点火装置25が作動すれば、ガス発生剤27・2
8が燃焼を開始して、膨張用ガスがガス吐出口19aか
ら吐出され、折り畳まれたエアバッグ11が、パッド1
2の所定位置を破断させて、大きく膨張することとな
る。
【0032】この時、実施形態のインフレーター16で
は、点火装置25の作動当初には、燃焼速度の速いガス
発生剤27と燃焼速度の遅いガス発生剤28とを同時に
燃焼させて、ガス吐出口19aから展開膨張初期に必要
な膨張用ガスを吐出させて、エアバッグ11を素早く展
開膨張させることができる。そして、燃焼速度の速いガ
ス発生剤27が燃焼を終了させても、燃焼速度の遅いガ
ス発生剤28が遅れて燃焼を終了させることから、燃焼
速度の遅いガス発生剤28から発生する膨張用ガスによ
り、エアバッグ11の内圧を保持することができる。さ
らに、燃焼速度の遅いガス発生剤28の点火は、燃焼速
度の速いガス発生剤27の燃焼熱を利用すればよいこと
から、1つの点火装置25の使用で、ガス発生剤27・
28を燃焼させることができる。
【0033】従って、実施形態のインフレーター16で
は、点火装置25等の部品を極力少なくして、作動当初
に充分なガス吐出量を確保できるとともに、膨張用ガス
の吐出時間を長くすることができる。
【0034】図5に、従来のインフレーターを使用した
エアバッグ装置と、上記構成のインフレーター16を使
用したエアバッグ装置Mにおける各インフレーターのエ
アバッグ11内へのガス流出量(マスフローレイトkg
/s)と時間(ms)との関係を表したグラフ図を示
す。従来のインフレーターとしては、実施形態と同様の
構成で、発生剤貯蔵室21にガス発生剤27のみを充填
させたものを使用する。図5に示すように、実施形態の
インフレーター16は、従来のインフレーターに比し
て、膨張用ガス吐出時間を長くしている。具体的には、
実施形態のインフレーター16は、従来のインフレータ
ーに比して、膨張用ガス吐出時間を、20ms程度長く
することができた。
【0035】また、実施形態のインフレーター16で
は、充填されるガス発生剤27・28の燃焼速度の差を
大きくする等して、燃焼速度を変更すれば、ガス吐出口
19aからの膨張用ガスの吐出時間を適宜変更すること
ができる。また、燃焼速度を異ならせた各ガス発生剤2
7・28の配合比率を変更することで、時間ごとの膨張
用ガスの吐出量も、範囲を大きくして自由に適宜変更す
ることができる。
【0036】さらに、実施形態では、同一の組成物から
構成される粒状のガス発生剤27・28を使用して、ガ
ス発生剤27・28相互の比表面積を相違させることに
より、燃焼時の酸素と接する面積に差を設けて、燃焼速
度を異ならせている。この比表面積の差は、同一原料か
ら固める形状を大小としたり、砕く大きさに大小を設け
る等によって、簡単に設けることができ、燃焼速度の異
なるガス発生剤27・28の製造が容易となる。また、
燃焼速度の異なる複数種類のガス発生剤27・28が、
同一の組成物から構成されていれば、ガス発生剤27・
28の管理や取り扱いも容易となる。そのため、燃焼速
度の異なるガス発生剤として、異なった組成物から構成
されるガス発生剤を用いる場合に比して、インフレータ
ー16の製造工数・コストを低減させることができる。
勿論、この点を考慮しなければ、ガス発生剤として、異
なる組成物から構成されるものを複数種類使用してもよ
い。
【0037】さらにまた、実施形態では、ガス発生剤2
7・28を、発生剤貯蔵室21(本体部17)内に混在
させて充填させている。そのため、燃焼時間を異ならせ
た所定量のガス発生剤27・28を、単に本体部17内
に混在させて充填させるだけで、インフレーター16を
製造でき、また、本体部17を小型化することもでき
る。従って、一層、インフレーター16の製造が容易と
なるとともに、インフレーター16を小型化することが
でき、インフレーター16を取り付けるエアバッグ装置
Mの軽量化にも寄与することができる。
【0038】また、インフレーター31として、図4に
示すような構成のものを使用してもよい。インフレータ
ー31は、前述のインフレーター16と同様に、ディス
クタイプとしており、略円筒状の本体部32にガス発生
剤27・28を充填させる構成で、所要時に、本体部3
1内に配置される点火装置25を作動させて、ガス吐出
口32aから膨張用ガスを吐出させる構成である。な
お、前述のインフレーター16と同一の構成である部分
は、同一の図符号を付して説明を省略する。
【0039】本体部32は、前述のインフレーター16
と同様に、略円筒状であり、略円形の天井壁部33と、
略円形の底壁部35と、天井壁部33と底壁部35とを
連結する周壁部34と、を備えている。また、周壁部3
4には、前述のインフレーター16と同様に、複数のガ
ス吐出口34aと、フランジ部34bとが、形成されて
いる。
【0040】本体部32内部には、前述のインフレータ
ー16と同様に、中心付近に、点火装置25が配置され
て、点火装置25の外周側に、本体部32と一体的に、
天井壁部33と底壁部35とを連結するように形成され
る円筒状の縦壁部39が形成されている。周壁部34の
内周側には、前述のインフレーター16と同様に、金網
からなる円筒状のフィルタ23が配置されている。縦壁
部39の長手方向の中央付近には、縦壁部39と略直交
して周壁部34側に突出する区画壁40が、フィルタ2
3近傍まで延設されている。そして、図4に示すよう
に、天井壁部33、区画壁40、縦壁部39、及び、フ
ィルタ23で囲まれる部分が、ガス発生剤27を貯蔵す
る第1発生剤貯蔵室36とされており、底壁部35、区
画壁40、縦壁部39、及び、フィルタ23で囲まれる
部分が、ガス発生剤28を貯蔵する第2発生剤貯蔵室3
7とされている。ガス発生剤27・28は、前述のイン
フレーター16で使用されているものと同一である。ま
た、縦壁部39には、点火装置25の後述する伝火剤2
5bから発生する火炎を第1発生剤貯蔵室36に噴出さ
せる貫通孔39aが形成されている。そして、第2発生
剤貯蔵室37には、区画壁40と本体部32外周壁との
間に配置されるフィルタ23を熱供給口41として、第
1発生剤貯蔵室36から燃焼熱が供給される構成であ
る。
【0041】インフレーター31をこのような構成とし
た場合、所定の信号が図示しないリード線を経て、イン
フレーター31に入力されて点火装置25が作動すれ
ば、まず、第1発生剤貯蔵室36に充填されるガス発生
剤27が燃焼を開始して、ガス発生剤27の燃焼により
発生した膨張用ガスが、ガス吐出口32aから吐出され
る。そして、ガス発生剤27の燃焼熱が、区画壁40と
本体部32外周壁との間に配置されるフィルタ23を熱
供給口41として、第2発生剤貯蔵室37に供給され、
第2発生剤貯蔵室37に充填されるガス発生剤28が燃
焼を開始して、ガス発生剤28の燃焼により発生した膨
張用ガスが、ガス吐出口32aから吐出されることとな
る。
【0042】すなわち、インフレーター31をこのよう
な構成とすれば、ガス発生剤27・28を、燃焼速度の
速いガス発生剤27から、順に、燃焼させることがで
き、点火装置25の作動当初には、燃焼速度の速いガス
発生剤27を素早く燃焼させて、エアバッグを素早く展
開膨張させることができる。そして、ガス発生剤27の
燃焼熱が第2発生剤貯蔵室37に供給されて、ガス発生
剤28が燃焼を開始するため、ガス発生剤27が燃焼を
終了させても、燃焼速度の遅いガス発生剤28から発生
する膨張ガスにより、エアバッグの内圧を保持すること
ができる。そしてまた、前述のインフレーター16のご
とく、本体部17内にガス発生剤27・28を混在させ
て充填する場合に比して、各ガス発生剤27・28の燃
焼開始時間を調整することができ、膨張用ガスの吐出時
間の調整における自由度が一層増大する。
【0043】なお、インフレーター31では区画壁40
を設けて、ガス発生剤27・28を、それぞれ、第1・
第2発生剤貯蔵室36・37内に貯蔵させているが、例
えば、点火装置25の伝火剤25b付近に、燃焼速度を
速くしたガス発生剤27を、分散しないように密に貯蔵
させる構成とすれば、区画壁40を設けなくともよい。
【0044】また、上記インフレーター16・31で
は、本体部17・32内に、2種類のガス発生剤27・
28を充填させているが、ガス発生剤の種類は2種類に
限られるものではなく、3種類以上のガス発生剤を充填
させる構成としてもよい。
【0045】また、上記実施形態では、インフレーター
として、ステアリングホイール用エアバッグ装置に使用
されるディスクタイプのものを例に採り説明している
が、本発明を適用可能なインフレーターはこれに限られ
るものではなく、側突用のエアバッグ装置に用いられる
インフレーターや、頭部保護エアバッグ装置に用いられ
るインフレーター等、シリンダタイプのものにも適用可
能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態であるインフレーターが使
用されるステアリングホイールの平面図である。
【図2】同実施形態のステアリングホイールの概略断面
図であり、図1のII−II部位を示す。
【図3】同実施形態のインフレーターの概略断面図であ
る。
【図4】本発明の他の実施形態であるインフレーターの
概略断面図である。
【図5】本発明のインフレーターと従来のインフレータ
ーとのエアバッグ内へのガス流入量を比較したグラフ図
である。
【符号の説明】
16・31 インフレーター 18・32 本体部 19a・34a ガス吐出口 19b・34b フランジ部 21 発生剤貯蔵室 23 フィルタ 25 点火装置 27・28 ガス発生剤 36 第1発生剤貯蔵室 37 第2発生剤貯蔵室 40 区画壁 41 熱供給口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3D054 AA13 BB06 DD11 DD17 DD22 DD28 FF15 FF17 FF20 4G068 DA08 DB10 DB15 DB30 DD15

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃焼して膨張用ガスを発生するガス発生
    剤と、 該ガス発生剤を充填させて、前記膨張用ガスを吐出可能
    なガス吐出口を有した本体部と、 該本体部内に配置されて、所要時に、前記ガス発生剤に
    点火するように作動する点火装置と、 を備えるインフレーターであって、 前記本体部に、燃焼速度を異ならせた2種以上の前記ガ
    ス発生剤が充填されて構成されていることを特徴とする
    インフレーター。
  2. 【請求項2】 燃焼速度を異ならせた2種以上の前記ガ
    ス発生剤は、それぞれ、同一の組成物から構成される粒
    状として、相互の比表面積を相違させて、燃焼速度を異
    ならせていることを特徴とする請求項1記載のインフレ
    ーター。
  3. 【請求項3】 燃焼速度を異ならせた2種以上の前記ガ
    ス発生剤が、前記本体部内において、相互に混在されて
    充填されていることを特徴とする請求項1又は2記載の
    インフレーター。
  4. 【請求項4】 前記本体部に、区画壁によって区画され
    て、燃焼速度を異ならせた2種以上の前記ガス発生剤
    を、それぞれ、個別に貯蔵させる複数の発生剤貯蔵室が
    形成され、 前記点火装置近傍に配置される発生剤貯蔵室に、燃焼速
    度を速くしたガス発生剤が貯蔵されて、 該ガス発生剤の燃焼により発生する熱で、隣接する発生
    剤貯蔵室に貯蔵されるガス発生剤が燃焼を開始可能に、
    前記区画壁に、熱供給口が形成されていることを特徴と
    する請求項1又は2記載のインフレーター。
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