JP2013244058A - 歩行補助具 - Google Patents

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Abstract

【課題】先端のふらつきを防止できるともとに、汎用性がある歩行補助具を提供すること。
【解決手段】杖4は、使用者に把持されるシャフト41と、シャフト41の先端側に設けられた石突き42と、シャフト41の先端側に設けられた錘43と、を備え、錘43の少なくとも一部は、着脱自在であり、多様な形態の錘を適用可能である。シャフト41の先端側に錘43を設けたので、使用者が杖4を用いて歩行する際、先端がふらつくことなく地表を突くことができ且つ、錘43の重さにより杖4の先端をしっかりと地表に接地させることができる。また、杖4の重心が先端側に位置するため、先端と使用者が把持したシャフト41との関係が振り子となり、杖4の使用者はリズミカルに歩行することができ、且つ、杖4を動かす腕の疲れを軽減させることができる。更に、多様な形態の錘43を適用可能としたので、使用者は、自分の腕力に応じた重さの錘43をシャフト41の先端側に装着できる。
【選択図】図4

Description

本発明は、歩行補助具に関し、詳しくは、使用者に把持されるシャフトと、前記シャフトの先端側に設けられた石突きとを備える歩行補助具に関する。
従来、歩行補助具には、杖、ステッキ、支え棒等がある。例えば、杖は、体力のない者に使用される。このような使用者は、杖を使って歩行する場合、杖を支える腕力が弱く、杖を前に差しだした際、杖先がふらつき不安定な歩行になりがちであった。
近年、杖は、軽量化が進み、軽量化が役に立っている反面、杖の先端も軽くなるため、杖先で地面に突くとき、杖先がふらつき、不安定になっている。このため、使用者は、杖先のふらつきに堪えようと、杖先に力を集中させる必要があり、杖を支える腕が疲れやすかった。
そこで、石突きを高比重の構造にし、又、接地底面積を大きくすることにより重心を下げ、緩衝材を設けることによってシャフトのふらつきを無くす杖が提案されている(特許文献1)。
この杖によれば、石突きを高比重の構造とすることで、杖の先端を他の部分に比べ重くすることで、杖先のふらつきを防止できる。
特開2001−286315
しかしながら、使用者の腕力は様々であり、特許文献1の杖の重さは、ある使用者にとっては適切な重さであっても、他の使用者にとっては重かったり、軽かったりする場合がある。また、特許文献1の杖の重さは、ある時期において、ある使用者にとっては適切な重さであっても、時間経過により当該使用者の腕力が衰えた場合、当該使用者にとって重くなってしまう。このため、特許文献1の杖は、汎用性がなかった。
本発明は、先端のふらつきを防止できるともとに、汎用性がある歩行補助具を提供することを目的とする。
(1) 使用者に把持されるシャフトと、前記シャフトの先端側に設けられた石突きと、前記シャフトの先端側に設けられた錘と、を備え、前記錘の少なくとも一部は、着脱自在であり、多様な形態の前記錘を適用可能である歩行補助具。
ここで、本発明において、歩行補助具には、使用者が歩行時に把持し地表を突くことで歩行を補助する杖、ステッキ、支え棒等を含む。
また、本発明において、錘の多様な形態とは、錘の数が異なる態様や、錘の形状や材質が異なる態様である。
(1)の発明によれば、シャフトの先端側に錘の少なくとも一部を着脱自在に設け、多様な形態の錘を適用可能とした。
これにより、シャフトの先端側に錘を設けたので、使用者が歩行補助具を用いて歩行する際、先端がふらつくことなく地表を突くことができ且つ、錘の重さにより歩行補助具の先端をしっかりと地表に接地させることができる。
また、歩行補助具の重心が先端側に位置するため、先端と使用者が把持したシャフトとの関係が振り子となり、歩行補助具の使用者はリズミカルに歩行することができ、且つ、歩行補助具を動かす腕の疲れを軽減させることができる。
更に、多様な形態の錘を適用可能としたので、使用者は、自分の腕力に応じた重さの態様の錘をシャフトの先端側に装着できる。
したがって、先端のふらつきを防止できるともとに、汎用性がある歩行補助具を提供できる。
(2) 前記石突きは、弾性体で形成され、前記錘は、前記石突きより硬い素材で形成され、前記シャフトに固定され、前記石突きの内部に配置される(1)に記載の歩行補助具。
(2)の発明によれば、石突きを弾性体で形成し、錘を、石突きより硬い素材で形成し、シャフトに固定し、石突きの内部に配置した。
上記構成によれば、使用者がシャフトを把持して先端の石突きで地表を突いた場合、弾性体で形成され石突きは、地表から錘に向かう方向に圧縮される。この圧縮により蓄積された力は、錘から地表に向かう反発エネルギーとして反発し、錘を支点として使用者がシャフトを引き起こす力の一部となる。
これにより、使用者の疲れを軽減することができる。
(3) 前記石突きは、外形を形成する本体と、前記本体と前記錘との間に配置され、前記本体より弾性率が低い緩衝部と、を備える(2)に記載の歩行補助具。
(3)の発明によれば、本体と錘との間に、本体より弾性率が低い緩衝部を配置した。
これにより、石突きで地表を突いた場合、本体より弾性率が低い緩衝部が容易に圧縮され蓄力できる。
また、石突きで地表を突いた場合、錘及びシャフトを介して使用者に伝わる衝撃を緩衝部により緩和できるので、使用者の筋肉疲労を緩和できる。
更に、緩衝部の圧縮により蓄積された力は、本体の圧縮により蓄積された力とともに、錘から地表に向かう反発エネルギーとして反発し、錘を支点として使用者がシャフトを引き起こす力の一部となる。
これにより、更に使用者の疲れを軽減することができる。
(4) 前記錘は、前記シャフトの中心軸上の下方に向かって膨出する曲面を形成する(1)から(3)のいずれかに記載の歩行補助具。
(4)の発明によれば、錘にシャフトの中心軸上の下方に向かって膨出する曲面を形成した。即ち、錘の底はなだらかな半円球形状のため、常に石突きを介し、優しく地表に接することができる。
これにより、弾性体で形成された石突きの劣化を防ぎながら、石突きで地表を突いた場合、錘及びシャフトを介して使用者に伝わる衝撃を緩和できるので、更に使用者の筋肉疲労を緩和できる。
(5) 前記石突きは、内部に前記シャフトの先端側の一部及び前記錘の外形と略同一形状の空間が形成され、接地する接地面を有する底部と、前記底部の上に配置され、前記シャフトに固定され、前記底部と着脱自在に係合する上部と、を備え、前記底部には、前記接地面から下方に向けて突出する複数の凸部が形成され、前記複数の凸部は、所定間隔をあけて所定幅で形成され、前記所定幅は、前記底部の中心から外縁に向かって、徐々に広くなる(1)から(4)のいずれかに記載の歩行補助具。
(5)の発明によれば、石突きの内部にシャフトの先端側の一部及び錘の外形と略同一形状の空間を形成したので、石突き内部において、錘を正確に固定できるので、錘を安定させることができる。
また、石突きの底部を上部から外すことで、異なる態様の錘を適用し錘の重さを変えることができる。
更に、石突きの底部に、接地面から下方に向けて突出する複数の凸部を形成したので、石突きが滑るのを防止できる。
更にまた、複数の凸部の幅は、底部の中心から外縁に向かって、徐々に広くした。
ここで、使用者は、シャフトを把持し、石突きの外縁から接地させ、シャフトを介して先端側に向けて力をいれる。このため、錘はこの力を受けて石突きの底部を圧縮するが、その時、特に、最初に接地する底部の外縁に力が集中する。
(5)の発明によれば、力が集中する底部の外縁における凸部の幅を中心より広くしたので、底部の老朽化を防ぐと同時に反発力を高めることができる。
本発明によれば、先端のふらつきを防止できるともとに、汎用性がある歩行補助具を提供できる。
本発明の第1実施形態に係る杖の先端側の断面図である。 本発明の第2実施形態に係る杖の先端側の断面図である。 本発明の第3実施形態に係る杖の先端側の断面図である。 本発明の第4実施形態に係る杖の先端側の断面図である。 本発明の第5実施形態に係る杖の先端側の断面図である。 本発明の第6実施形態に係る杖の先端側の断面図である。 前記第6実施形態に係る底部を下から見上げた図である。 図7におけるAA断面を示す図である。 本発明の第7実施形態に係る杖の先端側の断面図である。 前記実施形態における石突きの作用について説明する図である。 前記実施形態における石突きの作用について説明する図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
〈第1実施形態〉
第1実施形態に係る杖1の構成について説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る杖1の先端側の断面図である。
杖1は、使用者に把持されるシャフト11と、シャフト11の先端側に設けられた石突き12と、シャフト11の先端側に設けられた錘13と、を備える。
シャフト11は、筒状体で形成され、先端近傍の表面に螺子山111が形成されている。螺子山111には、螺子締め部材112が螺合する。シャフト11は、アルミニウム・鉄・カーボン等の任意の素材により形成されている。
石突き12は、シャフト11の先端に固定され、弾性体が断面略八の字形状の外観略円錐体に形成されている。石突き12は、弾性変形可能であり接面性がいいエラストマー、プラスチック等の任意の素材で形成してもよい。
石突き12は、接地する底部121と、底部121の上に配置され、シャフト11に固定され、底部121と接合する上部122と、を備える。
錘13は、ドーナツ形状に形成され、内側にシャフト11が挿入され、石突き12とシャフト11に螺合した螺子締め部材112との間に配置される。錘13は、石突き12の素材より硬く、比重が重く、所定の形状を形成できるものであれば、金属、セラミック、高比重プラスチック等の任意の素材で形成してもよい。
錘13は、石突き12側に配置されるベース錘131と、ベース錘131と螺子締め部材112との間に配置される追加錘132と、を備える。なお、本実施形態において、追加錘132は、1つとしているが、これに限らず、2つ以上も含む任意の個数を設けてもよい。
ベース錘131は、内壁131aの少なくとも下側の一部が、石突き12の上部122の外形と略同一形状の略八の字形状に形成されている。
次に、第1実施形態に係る杖1の使用方法について説明する。
まず、使用者は、シャフト11の螺子山111に螺合した螺子締め部材112を回転させて、螺合を解除し、シャフト11から取り外す。次に、既設の追加錘132に新たな追加錘132を追加又は既設の追加錘132を取り外すことで、任意の重量に調整する。
そして、使用者は、再び、シャフト11に螺子締め部材112を装着し、回転させて締め付け、追加錘132及びベース錘131を石突き12の上部122に押しつけ固定する。
これにより、使用者は自分の腕力に応じた重さの錘をシャフトの先端側に装着できるとともに、シャフト11の先端側に錘13を硬く固定させることができる。
また、螺子締め部材112の締め付けにより、上部122及びベース錘131に強い圧力がかかり、内部を圧縮させ、シャフト11と石突き12とを強く固定することができる。
よって、錘を杖先端部分に配置し固定でき、使用者の目的に合わせた錘の重さにより、杖先がふらつくことのない安定した使用方法(振り子方法)により歩きやすく、疲れにくく、シャフト11と石突き12とがしっかりと固定された安全な杖を提供できる。
〈第2実施形態〉
第2実施形態に係る杖2の構成について説明する。
図2は、本発明の第2実施形態に係る杖2の先端側の断面図である。
杖2は、使用者に把持されるシャフト21と、シャフト21の先端側に設けられた石突き22と、シャフト21の先端側に設けられた錘23と、を備える。
シャフト21は、内部が空洞の筒状体で形成され、互いに螺合するシャフト本体211とシャフト先端部212とを備える。シャフト21は、アルミニウム・鉄・カーボン等の任意の素材により形成されている。
シャフト本体211は、下側端部の内壁において、螺子山211aが形成されている。シャフト先端部212は、石突き22に固定され、上側端部の内壁において、螺子山211aと螺合する螺子山212aが形成されている。
石突き22は、シャフト21のシャフト先端部212に固定され、弾性体が断面略八の字形状の外観略円錐体に形成されている。石突き22は、弾性変形可能であり接面性がいいエラストマー、プラスチック等の任意の素材で形成してもよい。
錘23は、少なくとも一部がシャフト先端部212の内部に挿入される。錘23は、石突き22の素材より硬く、比重が重く、所定の形状を形成できるものであれば、金属、セラミック、高比重プラスチック等の任意の素材で形成してもよい。
錘23は、最下部に配置されるベース錘231と、シャフト先端部212の内部において、ベース錘231の上に重ねて配置される追加錘232と、を備える。なお、本実施形態において、追加錘232は、2つとしているが、これに限らず、1つ又は3つ以上も含む任意の個数を設けてもよい。
ベース錘231は、シャフト先端部212の外径より大きい外径で形成された円板形状のベース部231aと、ベース部231aの略中心から上側に突出し、シャフト先端部212の内径より小さい外径で形成された円柱形状の突起部231bと、を備える。なお、本実施形態では、ベース錘231はベース部231aを備えているが、これに限らず、ベース錘231はベース部231aを省略してもよい。
追加錘232は、シャフト先端部212の内径より小さい外径で形成されている。
次に、第2実施形態に係る杖2の使用方法について説明する。
まず、使用者は、シャフト本体211を回転させて、シャフト先端部212との螺合を解除し取り外す。次に、既設の追加錘232に新たな追加錘232を追加又は既設の追加錘232を取り外すことで、任意の重量に調整する。
そして、使用者は、再び、シャフト先端部212にシャフト本体211を装着する。
また、使用者は、杖2を使用しないときは、シャフト本体211と、シャフト先端部212とを分離して収納しておくこともできる。
これにより、使用者は自分の腕力に応じた重さの錘をシャフト先端部に挿入できるとともに、杖2を分割してコンパクトに収納できる。
よって、錘を杖先端部分に配置し固定でき、使用者の目的に合わせた錘の重さにより、杖先がふらつくことのない安定した使用方法(振り子方法)により歩きやすく、疲れにくく、シャフト21と石突き22とがしっかりと固定された安全な、収納しやすい杖を提供できる。
〈第3実施形態〉
第3実施形態に係る杖3の構成について説明する。
図3は、本発明の第3実施形態に係る杖3の先端側の断面図である。
杖3は、使用者に把持されるシャフト31と、シャフト31の先端側に設けられた石突き32と、シャフト31の先端側に設けられた錘33と、を備える。
シャフト31は、内部が空洞の筒状体で形成され、互いに螺合するシャフト本体311とシャフト先端部312とを備える。シャフト31は、アルミニウム・鉄・カーボン等の任意の素材により形成されている。
シャフト本体311は、下側端部の内壁において、螺子山311aが形成されている。シャフト先端部312は、石突き32に固定され、上側端部の内壁において、螺子山311aと螺合する螺子山312aが形成されている。
石突き32は、シャフト31のシャフト先端部312に固定され、弾性体が断面略八の字形状の外観略円錐体に形成されている。石突き32は、弾性変形可能であり接面性がいいエラストマー、プラスチック等の任意の素材で形成してもよい。
石突き32は、外形を形成する石突き本体321と、石突き本体321と錘33との間に配置され、石突き本体321より弾性率が低い緩衝部322と、を備える。
錘33は、少なくとも一部がシャフト先端部312の内部に挿入される。錘33は、石突き32の素材より硬く、比重が重く、所定の形状を形成できるものであれば、金属、セラミック、高比重プラスチック等の任意の素材で形成してもよい。
錘33は、最下部に配置されるベース錘331と、シャフト先端部312の内部において、ベース錘331の上に重ねて配置される追加錘332と、を備える。なお、本実施形態において、追加錘332は、2つとしているが、これに限らず、1つ又は3つ以上も含む任意の個数を設けてもよい。
ベース錘331は、シャフト先端部312の外径より大きい外径で形成された円板形状のベース部331aと、ベース部331aの略中心から上側に突出し、シャフト先端部312の内径より小さい外径で形成された円柱形状の突起部331bと、を備える。
ベース部331aは、シャフト31の中心軸C上の下方に向かって膨出する曲面を形成する。
追加錘332は、シャフト先端部312の内径より小さい外径で形成されている。
次に、第3実施形態に係る杖3の使用方法について説明する。
まず、使用者は、シャフト本体311を回転させて、シャフト先端部312との螺合を解除し取り外す。次に、既設の追加錘332に新たな追加錘332を追加又は既設の追加錘332を取り外すことで、任意の重量に調整する。
そして、使用者は、再び、シャフト先端部312にシャフト本体311を装着する。
また、使用者は、杖3を使用しないときは、シャフト本体311と、シャフト先端部312とを分離して収納しておくこともできる。
これにより、使用者は自分の腕力に応じた重さの錘をシャフト先端部に挿入できるとともに、杖2を分割してコンパクトに収納できる。
よって、錘を杖先端部分に配置し固定でき、使用者の目的に合わせた錘の重さにより、杖先がふらつくことのない安定した使用方法(振り子方法)により歩きやすく、疲れにくく、シャフト31と石突き32とがしっかりと固定された安全な、収納しやすい杖を提供できる。
また、石突き32で地表を突いた場合、錘33及びシャフト31を介して使用者に伝わる衝撃を緩衝部322により緩和できるので、使用者の筋肉疲労を緩和できる。
更に、緩衝部322の圧縮により蓄積された力は、石突き本体321の圧縮により蓄積された力とともに、錘33から地表に向かう反発エネルギーとして反発し、錘33を支点として使用者がシャフト31を引き起こす力の一部となる。
これにより、更に使用者の疲れを軽減することができる。
また、錘33にシャフト31の中心軸C上の下方に向かって膨出する曲面を形成したので、常に石突きを介し、優しく地表に接することができる。
これにより、弾性体で形成された石突き32の劣化を防ぎながら、石突き32で地表を突いた場合、錘33及びシャフト31を介して使用者に伝わる衝撃を緩和できるので、更に使用者の筋肉疲労を緩和できる。
〈第4実施形態〉
第4実施形態に係る杖4の構成について説明する。
図4は、本発明の第4実施形態に係る杖4の先端側の断面図である。
杖4は、使用者に把持されるシャフト41と、シャフト41の先端側に設けられた石突き42と、シャフト41の先端側に設けられた錘43と、を備える。
シャフト41は、内部が空洞の筒状体で形成され、先端側が石突き42の内部に固定されている。シャフト41は、アルミニウム・鉄・カーボン等の任意の素材により形成されている。
石突き42は、シャフト41の先端側に固定され、弾性体が断面略八の字形状の外観略円錐体に形成されている。石突き42は、弾性変形可能であり接面性がいいエラストマー、プラスチック等の任意の素材で形成してもよい。
石突き42は、接地する底部421と、底部421の上に配置され、シャフト41に固定され、底部421と螺合する上部422と、底部421と錘43との間に配置され、底部421より弾性率が低い緩衝部423と、を備える。
緩衝部423の厚さは、シャフト41の中心軸C上の下方に向かって徐々に薄くなる。
錘43は、少なくとも一部がシャフト41の先端側内部に挿入される。錘43は、石突き42の素材より硬く、比重が重く、所定の形状を形成できるものであれば、金属、セラミック、高比重プラスチック等の任意の素材で形成してもよい。
錘43は、最下部に配置されるベース錘431と、シャフト41の先端側内部において、ベース錘431の上に重ねて配置される追加錘432と、を備える。なお、本実施形態において、追加錘432は、2つとしているが、これに限らず、1つ又は3つ以上も含む任意の個数を設けてもよい。
ベース錘431は、シャフト41の外径より大きい外径で形成された円板形状のベース部431aと、ベース部431aの略中心から上側に突出し、シャフト41の内径より小さい外径で形成された円柱形状の突起部431bと、ベース部431aの外径と同一の外径のドーナツ形状に形成され、内側に突起部431bが挿入され、ベース部431aの上に配置される追加部431cと、を備える。
ベース部431aは、シャフト41の中心軸C上の下方に向かって膨出する曲面を形成する。
追加錘432は、シャフト41の内径より小さい外径で形成されている。
次に、第4実施形態に係る杖4の使用方法について説明する。
まず、使用者は、石突き42の底部421を回転させて、上部422との螺合を解除し取り外す。次に、既設の追加錘432に新たな追加錘432を追加又は既設の追加錘432や追加部431cを取り外すことで、任意の重量に調整する。
そして、使用者は、再び、上部422に底部421を装着する。
これにより、使用者は自分の腕力に応じた重さの錘を石突きの内部に挿入できる。
よって、錘を杖先端部分に配置し固定でき、使用者の目的に合わせた錘の重さにより、杖先がふらつくことのない安定した使用方法(振り子方法)により歩きやすく、疲れにくく、シャフト41と石突き42とがしっかりと固定された安全な杖を提供できる。
また、石突き42で地表を突いた場合、錘43及びシャフト41を介して使用者に伝わる衝撃を緩衝部423により緩和できるので、使用者の筋肉疲労を緩和できる。
更に、緩衝部423の圧縮により蓄積された力は、底部421の圧縮により蓄積された力とともに、錘43から地表に向かう反発エネルギーとして反発し、錘43を支点として使用者がシャフト41を引き起こす力の一部となる。
これにより、更に使用者の疲れを軽減することができる。
また、錘43にシャフト41の中心軸C上の下方に向かって膨出する曲面を形成したので、常に石突きを介し、優しく地表に接することができる。
これにより、弾性体で形成された石突き42の劣化を防ぎながら、石突き42で地表を突いた場合、錘43及びシャフト41を介して使用者に伝わる衝撃を緩和できるので、更に使用者の筋肉疲労を緩和できる。
更に、弾性率が低い緩衝部423の厚さを、シャフト41の中心軸C上の下方に向かって徐々に薄くした。これにより、シャフト41を垂直に地表に着地させたときの接地点を安定した支点とすることができるので、梃子の支点として有利に働く。また、シャフト41が地表に対して斜めになった場合は、緩衝部423が厚くなっている為、圧縮エネルギーを蓄えやすく、シャフト41を引き寄せる場合、上記支点を中心にシャフト41を立て直すエネルギーとして、上記圧縮エネルギーを反発エネルギーとして有利に使うことができる。
〈第5実施形態〉
第5実施形態に係る杖5の構成について説明する。
図5は、本発明の第5実施形態に係る杖5の先端側の断面図である。
杖5は、使用者に把持されるシャフト51と、シャフト51の先端側に設けられた石突き52と、シャフト51の先端側に設けられた錘53と、を備える。
シャフト51は、内部が空洞の筒状体で形成され、先端側が石突き52の内部に固定されている。シャフト51は、アルミニウム・鉄・カーボン等の任意の素材により形成されている。
シャフト51には、表面から内部まで貫通し、錘53を挿入可能な孔511が形成されている。
石突き52は、シャフト51の先端に固定され、弾性体が断面略八の字形状の外観略円錐体に形成されている。石突き52は、弾性変形可能であり接面性がいいエラストマー、プラスチック等の任意の素材で形成してもよい。
錘53は、シャフト51の孔511からシャフト51の内部に挿入され、シャフト51の内径より小さい外径で形成されている。錘53は、石突き12の素材より硬く、比重が重く、所定の形状を形成できるものであれば、金属、セラミック、高比重プラスチック等の任意の素材で形成してもよい。
なお、本実施形態において、錘53は、3つとしているが、これに限らず、1つ、2つ又は4つ以上も含む任意の個数を設けてもよい。
次に、第5実施形態に係る杖5の使用方法について説明する。
使用者は、シャフト51の孔511から錘53を出し入れすることで、任意の重量に調整する。
これにより、使用者は自分の腕力に応じた重さの錘をシャフトの先端側に装着できる。
よって、錘を杖先端部分に配置し固定でき、使用者の目的に合わせた錘の重さにより、杖先がふらつくことのない安定した使用方法(振り子方法)により歩きやすく、疲れにくく、シャフト51と石突き52とがしっかりと固定された安全な杖を提供できる。
〈第6実施形態〉
第6実施形態に係る杖6の構成について説明する。
図6は、本発明の第6実施形態に係る杖6の先端側の断面図である。
杖6は、使用者に把持されるシャフト61と、シャフト61の先端側に設けられた石突き62と、シャフト61の先端側に設けられた錘63と、を備える。
シャフト61は、内部が空洞の筒状体で形成され、先端側が石突き62の内部に固定されている。シャフト61は、アルミニウム・鉄・カーボン等の任意の素材により形成されている。
石突き62は、シャフト61の先端側に固定され、弾性体が断面略八の字形状の外観略円錐体に形成されている。石突き62は、弾性変形可能であり接面性がいいエラストマー、プラスチック等の任意の素材で形成してもよい。
石突き62の内部には、シャフト61の先端側の一部及び錘63の外形と略同一形状の空間62aが形成されている。
石突き62は、接地する底部621と、底部621の上に配置され、シャフト61に固定され、底部621と係合する上部622と、底部621と錘63との間に配置され、底部621より弾性率が低い緩衝部623と、を備える。
底部621の側部には、上部622と係合する爪部621aが形成されている。
上部622の側部には、底部621の爪部621aと係合する欠き込み622aが形成されている。
また、底部621は、接地する接地面621bを有する。
図7は、前記第6実施形態に係る底部621を下から見上げた図である。
図8は、図7におけるAA断面を示す図である。
底部621には、接地面から下方に向けて突出し、平面視環状に形成され、順に直径が小さくなる凸部651,652,653,654,655及び656が形成されている。凸部651〜656は、所定間隔をあけて所定幅で形成されている。凸部651〜656は、底部の外縁から中心に向かって順に同心で配置されている。凸部651〜656の幅は、凸部656,655,654,653,652,651の順に、徐々に広く形成されている。
また、底部621には、凸部651〜656の間において、中心から放射状に延びる複数の凸部657が形成されている。
錘63は、少なくとも一部がシャフト61の先端側内部に挿入される。錘63は、石突き62の素材より硬く、比重が重く、所定の形状を形成できるものであれば、金属、セラミック、高比重プラスチック等の任意の素材で形成してもよい。
錘63は、シャフト61の外径より大きい外径で形成された球体形状のベース部63aと、ベース部63aの略中心から上側に突出し、シャフト61の内径より小さい外径で形成された円柱形状の突起部63bと、を備える。なお、図示していないが、シャフト61の先端側内部において、突起部63bの上に、追加錘を1つ又は複数配置してもよい。
次に、第6実施形態に係る杖6の使用方法について説明する。
まず、使用者は、石突き62の底部621と上部622との係合を解除して、底部621を取り外す。次に、既設の追加錘に新たな追加錘を追加又は既設の追加錘を取り外すことで、任意の重量に調整する。
そして、使用者は、再び、上部622に底部621を装着する。
これにより、使用者は自分の腕力に応じた重さの錘を石突きの内部に挿入できる。
よって、錘を杖先端部分に配置し固定でき、使用者の目的に合わせた錘の重さにより、杖先がふらつくことのない安定した使用方法(振り子方法)により歩きやすく、疲れにくく、シャフト61と石突き62とがしっかりと固定された安全な杖を提供できる。
また、石突き62で地表を突いた場合、錘63及びシャフト61を介して使用者に伝わる衝撃を緩衝部623により緩和できるので、使用者の筋肉疲労を緩和できる。
更に、緩衝部623の圧縮により蓄積された力は、底部621の圧縮により蓄積された力とともに、錘63から地表に向かう反発エネルギーとして反発し、錘63を支点として使用者がシャフト61を引き起こす力の一部となる。
これにより、更に使用者の疲れを軽減することができる。
また、錘63を球体形状に形成したので、常に石突きを介し、優しく地表に接することができる。
これにより、弾性体で形成された石突き62の劣化を防ぎながら、石突き62で地表を突いた場合、錘63及びシャフト61を介して使用者に伝わる衝撃を緩和できるので、更に使用者の筋肉疲労を緩和できる。
また、石突き62の内部にシャフト61の先端側の一部及び錘63の外形と略同一形状の空間62aを形成したので、石突き62内部において、錘63を正確に固定できるので、錘63を安定させることができる。
更に、石突き62の底部621に、接地面から下方に向けて突出する複数の凸部を形成したので、石突き62が滑るのを防止できる。
更にまた、石突き62の接地時において、力が集中する底部621の外縁における凸部の幅を中心より広くしたので、底部621の老朽化を防ぐと同時に反発力を高めることができる。
〈第7実施形態〉
第7実施形態に係る杖7の構成について説明する。
図9は、本発明の第7実施形態に係る杖7の先端側の断面図である。
杖7は、使用者に把持されるシャフト71と、シャフト71の先端側に設けられた石突き72と、シャフト71の先端側に設けられた錘73と、を備える。
シャフト71は、内部が空洞の筒状体で形成され、先端側が石突き72の内部に固定されている。シャフト71は、アルミニウム・鉄・カーボン等の任意の素材により形成されている。
石突き72は、シャフト71の先端側に固定され、弾性体が断面略八の字形状の外観略円錐体に形成されている。石突き72は、弾性変形可能であり接面性がいいエラストマー、プラスチック等の任意の素材で形成してもよい。
石突き72の内部には、シャフト71の先端側の一部及び錘73の外形と略同一形状の空間72aが形成されている。
石突き72は、接地する底部721と、底部721の上に配置され、シャフト71に固定され、底部721と係合する上部722と、底部721と錘73との間に配置され、底部721より弾性率が低い緩衝部723と、を備える。
底部721の側部には、上部722と係合する爪部721aが形成されている。
また、底部721は、接地する接地面721bを有する。接地面721bには、第6実施形態の凸部651,652,653,654,655,656及び657と同様の凸部が形成されている。
上部722の側部には、底部721の爪部721aと係合する欠き込み722aが形成されている。
また、上部722には、後述するベース部73aを上から抑える段差722bが形成されている。
錘73は、少なくとも一部がシャフト71の先端側内部に挿入される。錘73は、石突き72の素材より硬く、比重が重く、所定の形状を形成できるものであれば、金属、セラミック、高比重プラスチック等の任意の素材で形成してもよい。
錘73は、シャフト71の外径より大きい外径で形成された半球体形状のベース部73aと、ベース部73aの略中心から上側に突出し、シャフト71の内径より小さい外径で形成された円柱形状の突起部73bと、ベース部73aの外径より小さく突起部73bの外径より大きい外径のドーナツ形状に形成され、内側に突起部73bが挿入され、ベース部73aの上に配置される追加部73cと、を備える。なお、図示していないが、シャフト71の先端側内部において、突起部73bの上に、追加錘を1つ又は複数配置してもよい。
次に、第7実施形態に係る杖7の使用方法について説明する。
まず、使用者は、石突き72の底部721と上部722との係合を解除して、底部721を取り外す。次に、既設の追加錘に新たな追加錘を追加又は既設の追加部73cや追加錘を取り外すことで、任意の重量に調整する。
そして、使用者は、再び、上部722に底部721を装着する。
これにより、使用者は自分の腕力に応じた重さの錘を石突きの内部に挿入できる。
よって、錘を杖先端部分に配置し固定でき、使用者の目的に合わせた錘の重さにより、杖先がふらつくことのない安定した使用方法(振り子方法)により歩きやすく、疲れにくく、シャフト71と石突き72とがしっかりと固定された安全な杖を提供できる。
また、石突き72で地表を突いた場合、錘73及びシャフト71を介して使用者に伝わる衝撃を緩衝部723により緩和できるので、使用者の筋肉疲労を緩和できる。
更に、緩衝部723の圧縮により蓄積された力は、底部721の圧縮により蓄積された力とともに、錘73から地表に向かう反発エネルギーとして反発し、錘73を支点として使用者がシャフト71を引き起こす力の一部となる。
これにより、更に使用者の疲れを軽減することができる。
また、錘73を半球体形状に形成したので、常に石突きを介し、優しく地表に接することができる。
これにより、弾性体で形成された石突き72の劣化を防ぎながら、石突き72で地表を突いた場合、錘73及びシャフト71を介して使用者に伝わる衝撃を緩和できるので、更に使用者の筋肉疲労を緩和できる。
また、石突き72の内部にシャフト71の先端側の一部及び錘73の外形と略同一形状の空間72aを形成したので、石突き72内部において、錘73を正確に固定できるので、錘73を安定させることができる。
更に、石突き72の底部721に、接地面から下方に向けて突出する複数の凸部を形成したので、石突き72が滑るのを防止できる。
更にまた、石突き72の接地時において、力が集中する底部721の外縁における凸部の幅を中心より広くしたので、底部721の老朽化を防ぐと同時に反発力を高めることができる。
また、上部722にベース部73aを上から抑える段差722bを形成したので、追加部73cを取り外した場合でも、ベース部73aを段差722bで確実に固定し石突き72の内部を安定させることができる。
〈石突きの作用〉
次に、上記実施形態における石突きの作用について説明する。
図10及び図11は、前記実施形態における石突きの作用について説明する図である。
図10及び図11では、前記実施形態の一例として第3実施形態の杖3の例を示している。また、図10では、石突き32を地表に接地させた時の状態を示す。また、図11は、石突き32を地表に接地させた後、シャフト31を引き寄せ、石突き32に荷重をかけた状態を示す。
杖3の先端を使用者の前方に出し、石突き32を地表に接地させると、図10に示すように、石突き32の外縁近傍が地表に接地する。このとき、石突き32は、力F1により、接地した部分の石突き本体321が地表と錘33との間で圧縮される。また、この力F1は、弾性率が石突き本体321より低い緩衝部322も圧縮する。
そして、使用者がシャフト31を引き寄せると、更にF1が大きくなり、反発力F2が石突き本体321及び緩衝部322に蓄積される。この蓄積された反発力F2は、使用者がシャフト31を引き起こす力の一部となり、使用者の疲れを軽減する。
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。また、本発明を第1実施形態から第7実施形態に分けて説明したが、各実施形態の構成を他の実施形態に加えてもよい。例えば、第6実施形態の第6実施形態の凸部651,652,653,654,655,656及び657と同様の凸部を、第7実施形態に限らず、第1実施形態から第5実施形態に適用してもよい。また、上記実施形態では、既設の錘に新たな錘を追加又は既設の錘を取り外すことで、錘の数を変えた態様を適用したが、これに限らず、錘の形状や材質を変えた態様を適用してもよい。錘の形状を変えた態様とは、例えば、既設の錘を、当該既設の錘より大きい錘と交換する態様である。また、錘の材質を変えた態様とは、例えば、既設の錘を、当該既設の錘より比重が重い又は軽い材質で形成された錘と交換する態様である。
本発明は、杖の先端部分、石突き部分に質量の重い一定形状の素材を配設することにより、杖の重心を先端部に配置し、使用者が杖の先端で地表を突く際、杖の先端のふらつきを無くすことができ、使用者が地表を突いた杖を引き寄せるときは、杖の先端が梃子の支点として有効に利用でき、また、重心が先端にあるため使用者は振り子のように杖を地表前方に差し出すことができるので、腕、肘が疲れにくい。これにより高齢者、体力の弱い者だけでなく、ウォーキングを行う者のステッキとしても利用できる。
1,2,3,4,5,6,7 杖
11,21,31,41,51,61,71 シャフト
12,22,32,42,52,62,72 石突き
13,23,33,43,53,63,73 錘

Claims (5)

  1. 使用者に把持されるシャフトと、前記シャフトの先端側に設けられた石突きと、前記シャフトの先端側に設けられた錘と、を備え、
    前記錘の少なくとも一部は、着脱自在であり、多様な形態の前記錘を適用可能である歩行補助具。
  2. 前記石突きは、弾性体で形成され、
    前記錘は、前記石突きより硬い素材で形成され、前記シャフトに固定され、前記石突きの内部に配置される請求項1に記載の歩行補助具。
  3. 前記石突きは、
    外形を形成する本体と、
    前記本体と前記錘との間に配置され、前記本体より弾性率が低い緩衝部と、を備える請求項2に記載の歩行補助具。
  4. 前記錘は、前記シャフトの中心軸上の下方に向かって膨出する曲面を形成する請求項1から3のいずれかに記載の歩行補助具。
  5. 前記石突きは、
    内部に前記シャフトの先端側の一部及び前記錘の外形と略同一形状の空間が形成され、
    接地する接地面を有する底部と、前記底部の上に配置され、前記シャフトに固定され、前記底部と着脱自在に係合する上部と、を備え、
    前記底部には、前記接地面から下方に向けて突出する複数の凸部が形成され、
    前記複数の凸部は、所定間隔をあけて所定幅で形成され、
    前記所定幅は、前記底部の中心から外縁に向かって、徐々に広くなる請求項1から4のいずれかに記載の歩行補助具。
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