JPH08242918A

JPH08242918A - ステッキ

Info

Publication number: JPH08242918A
Application number: JP5095395A
Authority: JP
Inventors: Toru Hanano; 徹花野; Fumio Ono; 二三男小野; Yukiyoshi Mori; 幸由森
Original assignee: Toray Industries Inc
Current assignee: Toray Industries Inc
Priority date: 1995-03-10
Filing date: 1995-03-10
Publication date: 1996-09-24

Abstract

(57)【要約】【目的】軽量で、使用感に合わせて重心の位置を微妙に
変えることができるステッキを提供する。【構成】ＣＦＲＰ製本体パイプ１と、この本体パイプ１
の一端部に設けた握り部２および他端部に設けた石突き
部３とを有し、本体パイプ内１に発泡プラスチック製の
重り固定用柱状体５₁〜５₆を着脱自在に挿嵌し、か
つ、任意の柱状体間に重心位置調整用重り４を挿嵌し
て、重りの位置を変えることで重心の位置を変えれるよ
うにしたステッキ。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、高齢者の歩行補助具
として好適なステッキに関する。

【０００２】

【従来の技術】近年、高齢化に伴い、歩行補助具として
ステッキを使用する人が増えてきており、長時間使用し
ても疲れが少ない、使用感に優れたステッキが強く望ま
れている。

【０００３】ステッキとしては、従来、木製や竹製、ア
ルミニウム合金製のものがほとんどであるが、より軽量
なＦＲＰ製のものも提案されている（たとえば、実開昭
５５−１７９５１７号公報、同６２−３９７２３号公
報）。しかしながら、いずれのステッキも、重心の位置
を変えることはできない。重心の位置は、使用感に影響
し、重心の位置が手元にあるものほど小さな力で振り出
すことができ、先端にあるものほど安定感が増大する。
そのため、使用者は、店先で実際に使ってみて最も使い
やすいと思うものを選択して購入しているが、使用感に
合わせて重心の位置を微妙に変えることができれば好都
合である。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】この発明の目的は、上
述した要求に鑑み、使用感に合わせて重心の位置を微妙
に変えることができるステッキを提供するにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、この発明は、本体パイプ内に、複数個の重り固定用
柱状体が挿嵌され、かつ、任意の柱状体間に重心位置調
整用重りが挿嵌されているステッキを提供する。通常、
本体パイプの一端部に握り部が、また、他端部に石突き
部が設けられる。軽量かつ高強度なステッキとするため
に、本体パイプは、好ましくはＦＲＰ（繊維強化プラス
チック）、より好ましくはＣＦＲＰ（炭素繊維強化プラ
スチック）で構成する。また、軽量なステッキとするた
めに、重り固定用柱状体は、好ましくは発泡プラスチッ
クで構成する。

【０００６】この発明を図面に基いてさらに詳細に説明
するに、図１において、本体パイプ１の一端部には、ア
ルミニウム合金等の金属や、木、竹、プラスチック等か
らなる握り部２が、着脱自在に、たとえば螺合されてい
る。形状は、図１に示すようなＬ字形でなくても、Ｔ字
形やＵ字形等の他の形状でもよい。また、他端部には、
接地時の衝撃を緩和したり滑り止め作用をもつ、硬質ゴ
ム等からなる石突き部３が、着脱自在に、たとえば嵌着
されている。

【０００７】本体パイプ１は、アルミニウム合金、木、
竹、プラスチック、ＦＲＰ等、好ましくはＦＲＰ、それ
もＣＦＲＰからなっている。そして、本体パイプ１内に
は、複数個の、この例では６個の重り固定用柱状体５₁
〜５₆が挿嵌されているとともに、柱状体５₃、５₄間
に重心位置調整用重り４が挿嵌されている。柱状体５₁
〜５₆は、本体パイプ１内における重り４の移動を防
ぎ、重り４を所望の位置に固定できるものであればよい
が、より軽量なステッキとするためには、発泡ポリエチ
レン、発泡ポリスチレン、発泡ポリウレタン等の発泡プ
ラスチックからなっているのが好ましい。また、重り４
は、たとえば鉄や鉛等の金属で構成されている。

【０００８】このようなステッキにおいては、握り部２
側か石突き部３側から本体パイプ１内に柱状体５₁〜５
₆と重り４を挿嵌する。すると、重り４の挿嵌位置に応
じて重心の位置が変わる。たとえば、図１に示すステッ
キにおいて、柱状体５₁、５₂間に重り４を位置させれ
ば、重心はより先端側（石突き部３側）に移動する。こ
の場合は、支点となる握り部２側から重心の位置が遠ざ
かるため、振り出しに力を要するようになるものの、先
端が自然に下がるようになるため安定感が増す。逆に、
たとえば柱状体５₅、５₆間に重り４を位置させれば、
こんどは重心の位置が握り部２側になり、振り出しを小
さな力で行えるようになる。重心位置の移動は、柱状体
の長さを短くすればより細かに行うことができるが、本
体パイプ１の長さが６００〜９００mmのステッキの場合
で、５０〜１００mm程度で十分である。

【０００９】

【実施例】外径１８mm、内径１６mm、長さ７００mmのＣ
ＦＲＰ製本体パイプの一端部に木製の握り部を、他端部
に硬質ゴム製の石突き部をそれぞれ設けてなるステッキ
を２本製作した。また、外径１６mm、長さ１００mmの発
泡スチロール製柱状体と、外径１６mm、長さ８０mmの発
泡スチロール製柱状体とを用意した。また、外径１６m
m、長さ２０mmの柱状体からなる鉛製重り（重量：５０
ｇ）を用意した。

【００１０】次に、上記ステッキのうちの１本に、その
握り部側から、重り１個と、長さ１００mmの柱状体６個
と、長さ８０mmの柱状体１個とをこの順序で挿嵌した
（以下、発明品Ａという）。また、別の１本には、その
握り部側から、長さ１００mmの柱状体６個と、長さ８０
mmの柱状体１個と、重り１個とをこの順序で挿嵌した
（以下、発明品Ｂという）。これら発明品Ａ、Ｂの重量
は、いじれも１９０ｇであった。さらに、比較品とし
て、同一寸法の、市販のアルミニウム合金製ステッキ
（重量：３３０ｇ）を用意した。

【００１１】これら３種類のステッキを、７０才以上の
男女それぞれ２７人、合計５４人に実際に使用してもら
い、好みのものを選択してもらった。

【００１２】その結果、先端がぶれにくく、安定感があ
るという理由で、男性１２人、女性１８人、合計３０人
の人が発明品Ａを選択した。また、軽量感があるうえに
振り出しやすいという理由で、男性１３人、女性８人、
合計２１人の人が発明品Ｂを選択した。男性３人が、重
量が手ごろであるという理由で比較品を選択した。

【００１３】

【発明の効果】この発明のステッキは、本体パイプ内
に、複数個の重り固定用柱状体を着脱自在に挿嵌し、か
つ、任意の柱状体間に重心位置調整用重りを挿嵌してな
るものであるから、重りの位置を変えることで使用感に
合わせて重心の位置を微妙に変えることができる。ま
た、本体パイプを、ＦＲＰ、好ましくはＣＦＲＰで構成
し、柱状体を発泡プラスチックで構成すると、軽量化が
達成できるうえに強度も向上する。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の一実施態様に係るステッキを示す概
略縦断面図である。

【符号の説明】

１：本体パイプ２：握り部３：石突き部４：重心位置調整用重り５₁〜５₆：重り固定用柱状体

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】本体パイプ内に、複数個の重り固定用柱状
体が着脱自在に挿嵌され、かつ、任意の柱状体間に重心
位置調整用重りが挿嵌されているステッキ。
【請求項２】本体パイプと、この本体パイプの一端部に
設けた握り部および他端部に設けた石突き部とを有し、
上記本体パイプ内に、複数個の重り固定用柱状体が着脱
自在に挿嵌され、かつ、任意の柱状体間に重心位置調整
用重りが挿嵌されているステッキ。
【請求項３】本体パイプがＦＲＰからなっている、請求
項１または２のステッキ。
【請求項４】本体パイプがＣＦＲＰからなっている、請
求項１または２のステッキ。
【請求項５】重り固定用柱状体が発泡プラスチックから
なっている、請求項１〜４のいずれかのステッキ。