JP2013243332A - 部品実装方法、テレビジョン受信機、及び部品実装基板 - Google Patents

部品実装方法、テレビジョン受信機、及び部品実装基板 Download PDF

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Abstract

【課題】スルーホール周辺部分へ半田を付着させるときにスルーホール内に半田が入らず、半田量を一定に保持でき、挿入部品が確実に固定される部品実装方法、及び該部品実装方法により得られた基板を有するテレビジョン受信機、及び部品実装基板を提供する。
【解決手段】基板10には、スルーホール11,12,13が設けられている。スルーホール11等の内面、並びに部品面側及び半田面側の周縁部には、それぞれ銅箔部24が設けられている。基板10の半田面側には、スルーホール11,12,13から所定間隔を隔てて、スルーホール11,12,13と同心状に、かつ周方向に複数箇所分断された形状に半田塗着部15,16,17が形成されている。基板10の部品面側には、スルーホール11,12,13の開口面に対応する分断部を有する状態で、半田塗着部20,21,22が形成されている。
【選択図】図6

Description

本発明は、基板に設けられたスルーホールに挿入部品のリードを挿入して半田付けする部品実装方法、該部品実装方法により挿入部品を実装された基板を有するテレビジョン受信機、及び部品実装基板に関する。
例えばテレビジョン受信機等の電気機器に備えられるプリント基板に実装する部品には、基板の表面に半田付けして実装する表面実装部品(Surface Mount Device、以下SMDという)と、基板を貫通するように設けられたスルーホールにリードを挿入し、半田付けして実装する挿入部品とがある。
図21は、基板にSMDと挿入部品とを半田付けする従来の部品実装の工程を示すフローチャートである。
まず、基板の一面(半田面)のSMD実装部分にクリーム半田を印刷する(S11)。そして、ステップS11により得られた半田塗着部にSMDを実装し(S12)、リフローによりSMDを半田付けする(S13)。
次に、基板の他面(部品面)のSMD実装部分にクリーム半田を印刷する(S14)。そして、半田塗着部にSMDを実装し(S15)、リフローによりSMDを半田付けする(S16)。
さらに、挿入部品のリードを手作業で部品面からスルーホールに挿入して挿入部品を実装し(S17)、挿入部品を半田付けする(S18)。ここで、挿入部品の半田付け方法として、半田面の周辺のみを枠で囲み部分的に半田を付着するスポットディップ方法と、コンベアで基板を運び半田槽を通過させることで実装するディップ方法との2種類の方法がある。
また、部品面にSMD及び挿入部品を順次半田付けするのではなく、一括で半田付けする方法も提案されている(例えば特許文献1及び2)。
この方法においては、上述のステップS11で、スルーホール周辺部分にもクリーム半田を印刷し、ステップS13により半田面にSMDを半田付けした後、部品面のSMD実装部分及びスルーホール周辺部分にクリーム半田印刷を同時に行い、部品面にSMD及び挿入部品を同時に実装してリフローにより半田付けする。
特許文献1の方法においては、基板に挿入部品を挿入するためのスルーホールを形成すると共にスルーホールを囲む状態で基板の両面にランドを形成してあり、基板一面のランドをその中心部を除いて半田ペーストで覆い、基板他面のランドをその中心部を含めて半田ペーストで覆い、スルーホールに挿入部品を挿入して加熱することによりこの挿入部品を半田付けする。
特許文献2の方法においては、まず、基板に形成されたスルーホールに対応する位置にマスク開口逃げ(半田非付着部)が形成されたメタルマスクの挿入部品用開口部を通して半田面にクリーム半田を印刷する。そして、印刷されたクリーム半田をリフロー半田付けすることより、スルーホールの半田面側に挿入部品のリードを挿入するための挿入孔を形成する。次に、スルーホールの部品面側からクリーム半田を印刷し、そのスルーホールの部品面側から前記挿入孔に向けてリードを挿入する。
特開平08−046348号公報 特開2010−199232号公報
特許文献1及び2ともに、部品面において、スルーホールの端面を完全に塞ぐ状態で半田を塗布しており、半田がスルーホール内を埋めている。特許文献2においては、半田面において、半田をスルーホールの内側まで塗布している。軟らかいペースト半田はスルーホールから垂れ、基板の下に落ちてしまい、そのまま部品挿入をした場合に半田がリードにより押し出され、半田量が不足する可能性がある。この場合、後工程で追い半田(手半田付け)が必要となる。リフロー炉を通すことにより、半田面のスルーホール内に入った半田は固まっているので、孔サイズが小さくなり挿入部品はスルーホールに入りにくい。また、部品面の半田と結合させる場合、スルーホール内での結合は、スルーホール内の温度が充分に上がらないため、すでに合金化されている半田とペースト半田とが結合しにくいという問題がある。
また、特許文献1及び2等の一括で半田付けする部品実装方法においては、基板の部品面の部品実装位置の下側に半田を印刷するので、基板からの高さが低い部品、及び全く隙間がない部品の場合、部品のボディーと半田とが接触することになる。部品挿入時、押し込んだときに半田が部品ボディーで潰されることがあり、他のピンとショートする原因となっていた。また、押されることで半田の位置が変わり、スルーホールに吸収されず、半田ボールとして基板上に残るものもあり、ショートの原因となっていた。
ボディーと接触する面を逃がして半田を配置する場合、余分な面積を要し、部品面の基板面積を有効に使えない問題があるとともに、スルーホールに対して均等な半田形状が得られず、半田付け時にスムーズに半田がスルーホールに流れないという問題があった。
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、スルーホール周辺部分へ半田を付着させるときにスルーホール内に半田が入らず、半田量を一定に保持でき、挿入部品が確実に固定される部品実装方法、該部品実装方法により得られた基板を有するテレビジョン受信機、及び部品実装基板を提供することを目的とする。
また、部品面の半田の塗着量を減じてショート及び半田ボールの発生を抑制することができ、スルーホールに対し均等に半田を配して、部品の半田付け時に半田を安定的に裏面まで到達させて部品を固定することができ、半田スペースを減じて良好な実装密度が得られる部品実装方法、テレビジョン受信機、及び部品実装基板を提供することを目的とする。
本発明に係る部品実装方法は、スルーホールが設けられた基板の一面にクリーム半田を塗着し、前記スルーホールに挿入部品を挿入して、該挿入部品を半田付けする部品実装方法において、前記スルーホールから所定間隔を隔てて、該スルーホールと同心状に、かつ周方向に1又は複数箇所分断された形状に前記クリーム半田を塗着することを特徴とする。
本発明においては、半田の塗着部がスルーホールから所定間隔を隔てて設けられるとともに、分断部を有し、表面張力により半田がスルーホールに入ることがない形状としており、半田切れが良好であり、スルーホール内部に半田が入ってスルーホールが塞がること、又はスルーホールの径が小さくなることが防止されている。
本発明に係る部品実装方法は、前記基板の他面のスルーホール周辺部分に、前記スルーホールの開口面に対応する分断部を有するようにクリーム半田を塗着して半田塗着部を形成する工程を有することを特徴とする。
本発明においては、半田塗着部が分断部を有するので、スルーホールの中心が視認されやすくなっており、挿入部品を手挿入する際にスルーホールの中心に確実にリードを挿入することができ、誤挿入、及び手元での細かい調整時に他の挿入部品用半田塗着部と接触してブリッジすることが防止されている。また、半田塗着時に半田がスルーホールから垂れ落ちて半田付け時に半田量が不足するのが防止されている。
本発明に係る部品実装方法は、前記基板は、前記スルーホールの前記他面側の外周に段部を凹設してあり、前記工程は、前記段部に前記クリーム半田を埋めることを特徴とする。
本発明においては、スルーホール周辺に均等に半田量が確保されるので、部品の半田付け時に半田がスルーホールに引き込まれやすくなり、半田ボールの発生が減少するとともに、部品ボディーとの接触面積が減少するのでショートの発生が抑制される。そして、半田付け時に半田を安定的に裏面まで到達させて部品を良好に固定することができ、部品面の半田スペースが減じるので、高実密度実装設計が可能となる。
本発明に係る部品実装方法は、クリーム半田の塗着に先立ち、スルーホール周辺部分に、凹凸を有するように銅パターンを形成する工程を有することを特徴とする。
本発明においては、半田の塗着部の下側の銅パターンが凹凸を有するので、半田の塗着部と密着する銅パターンの面積が減じ、熱が逃げるのが防止され、挿入部品のリフロー半田付け時に半田が効率良くスルーホールに吸収される。
本発明に係る部品実装方法は、クリーム半田の塗着に先立ち、シルク印刷を行い、スルーホール周辺部分に、熱保持部を形成する工程を有することを特徴とする。
本発明においては、半田塗着部と略同じ大きさの熱保持部を有するので、半田の塗着部が銅配線パターンから距離をとることができ、熱が逃げにくくなり、半田がスルーホールに吸収されやすくなる。そして、スルーホールに吸収されずに基板上に残存する半田ボールの発生が抑制される。
本発明に係るテレビジョン受信機は、上述のいずれかの部品実装方法により、前記スルーホールに前記挿入部品を挿入してあり、該挿入部品と外部装置とを接続する端子を有する基板を有する表示装置と、テレビジョン放送を受信する受信部とを備え、前記受信部にて受信したテレビジョン放送に基づいて、前記表示装置に映像を表示するようにしてあることを特徴とする。
本発明においては、挿入部品が確実に固着された基板を備えるので、品質が良好である。
本発明に係る部品実装基板は、スルーホールが設けられた基板の一面に、前記スルーホールから所定間隔を隔てて、該スルーホールと同心状に、かつ周方向に1又は複数箇所分断された形状にクリーム半田を塗着し、前記基板の他面のスルーホール周辺部分に、前記スルーホールの開口面に対応する分断部を有するようにクリーム半田を塗着し、前記スルーホールに挿入部品を挿入し、該挿入部品を半田付けしてなることを特徴とする。
本発明においては、基板の一面に形成される半田の塗着部が、スルーホールから所定間隔を隔てて設けられるとともに、分断部を有し、表面張力により半田がスルーホールに入ることがない形状を有するので、半田切れが良好であり、スルーホール内部に半田が入ってスルーホールが塞がること、又はスルーホールの径が小さくなることが防止されている。
そして、本発明においては、基板の他面に形成される半田の塗着部が分断部を有するので、スルーホールの中心が視認されやすくなっており、挿入部品を手挿入する際にスルーホールの中心に確実にリードを挿入することができ、誤挿入、及び手元での細かい調整時により他の挿入部品用半田塗着部と接触してブリッジすることが防止されている。また、半田がスルーホールから垂れ落ちて半田量が不足するのが防止されている。
従って、挿入部品が基板に確実に固着されている。
本発明に係る部品実装基板は、前記基板は、前記スルーホールの前記他面側の外周に段部を凹設してあり、該段部に前記クリーム半田を塗着してあることを特徴とする。
本発明の部品実装方法によれば、半田塗着部がスルーホールから所定間隔を隔てて設けられるとともに、分断部を有し、表面張力により半田がスルーホールに入ることがない形状としているので、半田切れが良好であり、スルーホール内部に半田が入ってスルーホールが塞がること、又はスルーホールの径が小さくなることが防止されている。従って、半田量が一定に保持され、挿入部品が確実に固定され得る。
本発明の部品実装方法により挿入部品を実装された基板を有するテレビジョン受信機は、品質が良好である。
本発明の実施の形態1に係るテレビジョン受信機を模式的に示す斜視図である。 本発明の実施の形態1に係るテレビジョン受信機を示す裏面図である。 図3Aは基板の半田面側のメタルマスクの開口部の形状を示す平面図、図3Bは基板の半田面を上側にした状態を示す模式的断面図である。 基板の半田面にクリーム半田を印刷した状態を示す模式的断面図である。 図5Aは基板の部品面側のメタルマスクの開口部の形状を示す平面図、図5Bは基板の部品面を上側にした状態を示す模式的断面図である。 基板の部品面にクリーム半田を印刷した状態を示す模式的断面図である。 図6の一のスルーホールの周辺部分を示す拡大図である。 基板及び銅箔部を示す平面図である。 ソルダーレジスト部及び熱保持部を示す平面図である。 パッドにSMDを実装し、挿入部品の3本の端子脚をスルーホールに挿通し、リフロー半田付けした状態を示す模式的断面図である。 本発明の実施の形態1に係る部品実装の工程を示すフローチャートである。 TV受信機のLAN端子用の基板の半田面側のメタルマスクを示す平面図である。 TV受信機のAV端子用の基板の半田面側のメタルマスクを示す平面図である。 LAN端子用の基板の部品面側のメタルマスクを示す平面図である。 AV端子用の基板の部品面側のメタルマスクを示す平面図である。 図16Aは本発明の実施の形態2に係る基板の半田面側のメタルマスクの開口部の形状を示す平面図、図16Bは基板の半田面を上側にした状態を示す模式的断面図である。 基板の半田面にクリーム半田を印刷した状態を示す模式的断面図である。 図18Aは基板の部品面側のメタルマスクの開口部の形状を示す平面図、図18Bは基板の部品面を上側にした状態を示す模式的断面図である。 基板の部品面にクリーム半田を印刷した状態を示す模式的断面図である。 図20Aはスルーホールの上側に部品面側のメタルマスクの開口部を配した状態を示す平面図、図20Bは半田塗着部を形成した状態を示す平面図、図20Cは半田塗着部を形成した状態を示す模式的断面図である。 従来の部品実装の工程を示すフローチャートである。
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて具体的に説明する。
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1に係るテレビジョン受信機(以下、TV受信機という)1を模式的に示す斜視図、図2はTV受信機1を示す裏面図である。
TV受信機1は、表示パネル及びバックライトユニットを含む表示モジュール(表示装置)3と、該表示モジュール3を挾むようにして収容する合成樹脂製のフロントキャビネット2及びリアキャビネット7と、スタンド6と、正面下部に設けられた2個のスピーカ8とを備える。表示モジュール3は、全体として横長の略直方体状をなし、縦置き状態でフロントキャビネット2及びリアキャビネット7内に収容されている。
TV受信機1は、アンテナ(不図示)から放送波を受信するチューナ(受信部)4と、符号化された放送波を復号するデコーダ5とを備える。
そして、TV受信機1の後述する端子パネル71のAV端子には、外部装置としてのBD(Blu-ray Disc:登録商標)レコーダ9が接続されている。
リアキャビネット7は、表示モジュール3の側面及び背面を覆うように箱状をなしている。リアキャビネット7は、図2の右側に、AV端子,LAN端子,アンテナ入力端子等の入力端子、出力端子、USB端子、ヘッドホン端子、及びB−CASカード挿入口等が設けられた2つの端子パネル71と、複数の放熱スリット72とを備える。
そして、周縁部には、複数のビス挿通孔74が設けられ、該ビス挿通孔74にビス73を挿通して、フロントキャビネット2のボス(不図示)にネジ止めされるように構成されている。
端子パネル71に備えられる端子基板等の、スルーホールに挿入部品を実装してなる基板は以下のようにして作製される。
図3Aは基板10の半田面側のマスク30の開口部の形状を示す平面図、図3Bは基板10の半田面を上側にした状態を示す模式的断面図である。
プリント配線基板としての基板10は、例えばFR−4(耐熱性ガラス布基材エポキシ樹脂銅張積層板)からなる。基板10には、スルーホール11,12,13が設けられている。スルーホール11は平面視で長円状をなし、スルーホール12,13は平面視で略円状をなす。スルーホール11,12,13の内面、並びにスルーホール11,12,13の部品面側及び半田面側の周縁部には、それぞれ銅箔部24が設けられている。
メタルマスク30は、スルーホール11,12,13に対応する位置に開口部31,32,33を、パッド14に対応する位置に開口部34を有する。
開口部31はスルーホール11から所定間隔を隔てて、スルーホール11と同心状に、かつ周方向に4箇所、すなわち図3の上下左右方向に4箇所分断された形状を有する。開口部32は、スルーホール12から所定間隔を隔てて、スルーホール12と同心状に、かつ周方向に3箇所分断された形状を有する。開口部33は、スルーホール13から所定間隔を隔てて、スルーホール13と同心状に、かつ周方向に4箇所分断された形状を有する。
図4は、基板10の半田面にクリーム半田を印刷した状態を示す模式的断面図である。
スキージ(不図示)等により、メタルマスク30の上に盛り付けたクリーム半田が、開口部31,32,33を通してスルーホール11,12,13の周辺部分に印刷され、開口部31,32,33の形状と一致する形状を有する半田塗着部15,16,17が形成される。また、開口部34を通してクリーム半田がパッド14に印刷されて、半田塗着部18が形成される。そして、パッド14にSMD50が実装される。半田としては、無鉛半田(錫、銀、銅)、低融点半田(錫、銀、銅、ビスマス)等が挙げられる。
この状態でリフロー炉に通すことにより、SMD50が基板10に固着される。
図5Aは基板10の部品面側のメタルマスク40の開口部の形状を示す平面図、図5Bは基板10の部品面を上側にした状態を示す模式的断面図である。
メタルマスク40は、スルーホール11,12,13に対応する位置に開口部41,42,43を、パッド19に対応する位置に開口部44を有する。
開口部41,42,43は、スルーホール11,12,13に対応する中央部で分断されている。この分断部分の幅は、スルーホール11,12,13の内径に略等しい。そして、スルーホール11の長径に対応させて、開口部41の長さは開口部42,43の長さより長くしている。
図6は、基板10の部品面にクリーム半田を印刷した状態を示す模式的断面図である。
スキージ(不図示)等により、メタルマスク40の上に盛り付けたクリーム半田が、開口部41,42,43を通してスルーホール11,12,13の周辺部分に印刷され、開口部41,42,43の形状と一致する形状を有する半田塗着部20,21,22が形成される。また、開口部44を通してクリーム半田がパッド19に印刷されて、半田塗着部23が形成される。
部品面の半田量はスルーホール11,12,13の体積分を確保できる量にする。
挿入部品は金属であることから半田の一部は端子脚に吸着され、全ての半田が半田面側に落ちていくわけではないため、半田面には半田不足を補うための予備半田を塗着して半田不足にならないようにする。
部品面の半田量は以下の式により求められる。
スルーホール体積=2πr×基板厚
スルーホール体積×2倍(半田ペーストは融解後、略1/2になる)
スルーホール体積×2倍÷マスク厚=部品面マスク面積
図7は、図6のスルーホール11の周辺部分を示す拡大図である。
銅箔部24はスルーホール11の内面、並びにスルーホール11の部品面側及び半田面側の周縁部以外にも、基板10の表裏面に配線パターン等として複数設けられている。
図8は基板10及び銅箔部24を示す平面図である。
本実施の形態の部品実装方法は、基板10に、スルーホール11の周辺部分に、凹凸を有するように格子状に銅箔部24を設ける工程を有する。図8に示すように、基板10には、パターン抜きにより凹部24aが設けられている。
そして、電気的接続を取る接点以外の銅箔部24が露出しない状態で、基板10にソルダーレジスト部25が設けられている。
本実施の形態の部品実装方法は、ソルダーレジスト部25のスルーホール11の周辺部分に、マスク40の開口部41(半田塗着部20)と略同じ大きさに、シルク印刷により例えば白色等の熱保持部26を設ける工程を有しており、図9に示すように、スルーホール11に隣接して熱保持部26が設けられている。
ソルダーレジスト部25の厚みの一例として略10μm、熱保持部26の厚みの一例として略20μm、銅パターンの切り込みの間隔の一例として略0.5μmが挙げられる。
なお、基板10の両面において、銅パターンに凹凸を設けたり熱保持部26を設けたりすることには限定されず、いずれか一面に設けることにしてもよい。
図10は、パッド19にSMD51を実装し、挿入部品53の3本の端子脚(リード)52をスルーホール11,12,13に挿通し、リフロー半田付けした状態を示す模式的断面図である。
基板10の半田面の半田塗着部15,16,17と部品面の半田塗着部20,21,22とがリフロー炉を通されて溶融し、スルーホール11,12,13内で繋がった状態で固着部27,28,29が形成され、端子脚52が基板10に固着される。端子脚52は金属であるため濡れ性が良好であり、部品面側にも半田フィレットが生じ、端子脚52は強固に基板10に固着される。
以上の部品実装の工程を図11のフローチャートに示す。
まず、基板の半田面のSMD実装部分(パッド14)及びスルーホール(TH)11,12,13の周辺部分にクリーム半田を印刷する(S1)。そして、パッド14の半田塗着部にSMD50を実装し(S2)、リフローによりSMD50を半田付けする(S3)。
次に、基板の部品面のSMD実装部分(パッド19)及びスルーホール(TH)11,12,13の周辺部分にクリーム半田を印刷する(S4)。そして、部品面のパッド19にSMD51を実装し、端子脚52を手作業でスルーホール11,12,13に挿入して挿入部品53を実装し(S5)、リフローによりSMD51及び挿入部品53を半田付けする(S6)。
本実施の形態に係る部品実装方法は、以上のように、挿入部品をSMDと一括してリフロー半田付けする方法であり、従来の、基板の両面にSMDを実装した後に行うディップ工程を削減することで、生産時間を短縮し、コストを削減し、半田ブリッジの発生を抑制している。そして、ディップ槽を通すことで熱が基板に加わり、装着済みSMDが外れたり、基板が反ったりして生じる生産ロス、及び品質上の問題が解消されている。また、半田面にディップをするための逃げを作る必要がないため、SMDを挿入部品の裏面に配置でき、高密度設計が可能となる。
そして、本実施の形態においては、部品面側のメタルマスク40が開口部41,42,43に分断部を有するので、該メタルマスク40を用いて半田塗着部20,21,22を形成した場合、スルーホール11,12,13の中心が視認されやすくなっており、挿入部品53を手挿入する際にスルーホール11,12,13の中心に確実に端子脚52を挿入することができ、誤挿入、及び手元での細かい調整時に他の端子脚用半田塗着部と接触してブリッジすることが防止されている。また、半田がスルーホール11,12,13から垂れ落ちて半田量が不足するのが防止されている。
さらに、半田面側のマスク30は開口部に分断部を有し、表面張力により半田がスルーホール11,12,13に入ることがない形状としており、半田塗着部15,16,17を形成した場合、工程上先に固まる半田によりスルーホール11,12,13が塞がること、又はスルーホール内部に半田が入って径が小さくなることが防止されている。従って、挿入部品53の端子脚52がスルーホール11,12,13に確実にスムーズに挿入される。
また、半田塗着部の下側の銅パターン(銅箔部24)をメッシュ状にし、半田塗着部及びソルダーレジスト部25が銅箔部24に密着する面積が減じており、他部に熱が逃げるのが防止されて、半田が効率良くスルーホール11,12,13に吸収される。加えて、部品面の半田塗着部と同じ大きさの熱保持部26をソルダーレジスト部25の上に設けることで、半田塗着部が銅箔部24から距離をとり、熱が逃げにくくなり、スルーホール11,12,13に吸収されず基板10上に残存する半田ボールの発生を抑制している。また、熱保持部26を白色等に構成することで、半田ボールが万一発生した場合でも検査をしやすくすることができる。
以上より、本実施の形態においては、スルーホール周辺部分へ半田を付着させるときにスルーホール11,12,13内に半田が入らず、半田量を一定に保持した状態で、挿入部品53を確実に基板10に実装してリフロー半田付けすることができる。
図12は、TV受信機1のLAN端子用の基板の半田面側のメタルマスク55を示す平面図である。
図12に示すように、上述したメタルマスク30の開口部32と同様に、スルーホール対応穴56から所定間隔を隔てて、スルーホール対応穴56と同心状に、かつ周方向に3箇所分断された形状を有する開口部57が、メタルマスク55の中央部から上部寄りに複数組設けられている。そして、メタルマスク55の長手方向の両端部の中央部から少し上部寄りには、開口部31と同様に、スルーホール対応穴66から所定間隔を隔てて、スルーホール対応穴66と同心状に、かつ周方向に4箇所分断された形状を有する開口部67が設けられている。
以上のように構成されているので、メタルマスク55により半田塗着部を形成した場合、工程上先に固まる半田によりスルーホールが塞がること、又はスルーホール内部に半田が入って径が小さくなることが防止されている。
図13は、TV受信機1のAV端子用の基板の半田面側のメタルマスク58を示す平面図である。
図13に示すように、上述したメタルマスク30の開口部33と同様に、スルーホール対応穴59から所定間隔を隔てて、スルーホール対応穴59と同心状に、かつ周方向に4箇所分断された形状を有する開口部60が、メタルマスク58の長手方向に複数組設けられている。ここで、スルーホール対応穴59は長円状をなす。
以上のように構成されているので、メタルマスク58により半田塗着部を形成した場合、工程上先に固まる半田によりスルーホールが塞がること、又はスルーホール内部に半田が入って径が小さくなることが防止されている。
図14は、LAN端子用の基板の部品面側のメタルマスク61を示す平面図である。
図14に示すように、メタルマスク61の長手方向の両端部の中央部には、スルーホール対応穴62の中央部に連なる分断部を有し、一つの角部が切り欠かれた四角形状をなす開口部63が設けられている。
また、メタルマスク61の上側部分には、千鳥配置されたスルーホール対応穴69に対応して矩形状の開口部70が千鳥配列状態で設けられている。
メタルマスク61の開口部63が分断部を有するので、該メタルマスク61を用いて半田塗着部を形成した場合、スルーホールの中心が視認されやすくなっており、挿入部品を手挿入する際にスルーホールの中心に確実に端子脚を挿入することができ、半田がスルーホールへ垂れ落ちるのが防止されている。開口部70によってもスルーホールが端部に位置する状態で半田塗着部が設けられるので、スルーホールの中心が分かりやすく、半田の垂れ落ちが防止されている。
図15は、AV端子用の基板の部品面側のメタルマスク64を示す平面図である。
図15に示すように、メタルマスク64の長手方向に沿って、横長の長円状をなすスルーホール対応穴65の中央部に連なる分断部を有し、矩形状をなす開口部68が設けられている。
メタルマスク64の開口部68も分断部を有するので、該メタルマスク64を用いて半田塗着部を形成した場合、スルーホールの中心が分かりやすく、半田の垂れ落ちが防止されている。
挿入部品53等の下部に存在する端子等と接触し得る部分に半田を塗着させた場合、ショートするため、半田塗着部が前記部分に、又は前記部分に近い部分に形成されないように、メタルマスク40,61,64等の部品面側のメタルマスクの開口部を設計する必要がある。そして、半田塗着部が形成されないように開口しなかった部分に対応して、他部に開口を設け、半田量が確保されるようにする。
以上のように構成されているので、TV受信機1の挿入部品53等を有する基板において、挿入部品は基板に強固に固着されており、TV受信機1は良好な品質を有する。
実施の形態2.
本発明の実施の形態2に係るTV受信機は、部品実装基板の部品面側の形状、半田塗着部の形状、並びにメタルマスクの開口部の形状及び大きさが、実施の形態1に係るTV受信機1の部品実装基板の部品面側の形状、半田塗着部の形状、並びにメタルマスクの開口部の形状及び大きさと異なること以外は、TV受信機1と同様の構成を有する。
実施の形態2に係るTV受信機1の端子パネル71に備えられる端子基板等の、スルーホールに挿入部品を実装してなる基板は以下のようにして作製される。
図16Aは基板80の半田面側のメタルマスク30の開口部の形状を示す平面図、図16Bは基板80の半田面を上側にした状態を示す模式的断面図である。図3と同一部分は同一符号を付している。
プリント配線基板としての基板80は、例えばFR−4(耐熱性ガラス布基材エポキシ樹脂銅張積層板)からなる。基板80には、スルーホール11,12,13が設けられている。スルーホール11は平面視で長円状をなし、スルーホール12,13は平面視で略円状をなす。スルーホール11,12,13の内面、並びにスルーホール11,12,13の部品面側及び半田面側の周縁部には、それぞれ銅箔部24が設けられている。
実施の形態1に係るTV受信機1の基板10と異なり、基板80のスルーホール11,12,13の部品面側の外周には段部81,82,83を凹設してある。
メタルマスク30は、スルーホール11,12,13に対応する位置に開口部31,32,33を、パッド14に対応する位置に開口部34を有する。
開口部31はスルーホール11から所定間隔を隔てて、スルーホール11と同心状に、かつ周方向に4箇所、すなわち図16の上下左右方向に4箇所分断された形状を有する。開口部32は、スルーホール12から所定間隔を隔てて、スルーホール12と同心状に、かつ周方向に3箇所分断された形状を有する。開口部33は、スルーホール13から所定間隔を隔てて、スルーホール13と同心状に、かつ周方向に4箇所分断された形状を有する。
図17は、基板80の半田面にクリーム半田を印刷した状態を示す模式的断面図である。図4と同一部分は同一符号を付している。
スキージ(不図示)等により、メタルマスク30の上に盛り付けたクリーム半田が、開口部31,32,33を通してスルーホール11,12,13の周辺部分に印刷され、開口部31,32,33の形状と一致する形状を有する半田塗着部15,16,17が形成される。また、開口部34を通してクリーム半田がパッド14に印刷されて、半田塗着部18が形成される。そして、パッド14にSMD50が実装される。半田としては、無鉛半田(錫、銀、銅)、低融点半田(錫、銀、銅、ビスマス)等が挙げられる。
この状態でリフロー炉に通すことにより、SMD50が基板80に固着される。
図18Aは基板80の部品面側のメタルマスク40の開口部の形状を示す平面図、図18Bは基板80の部品面を上側にした状態を示す模式的断面図である。図5と同一部分は同一符号を付している。
メタルマスク40は、スルーホール11,12,13に対応する位置に開口部45,46,47を、パッド19に対応する位置に開口部44を有する。
開口部45,46,47は、スルーホール11,12,13に対応する中央部で分断されている。この分断部分の幅は、スルーホール11,12,13の内径に略等しい。そして、スルーホール11の長径に対応させて、開口部45の長さは開口部46,47の長さより長くしている。
図19は、基板80の部品面にクリーム半田を印刷した状態を示す模式的断面図である。図6と同一部分は同一符号を付している。
スキージ(不図示)等により、メタルマスク40の上に盛り付けたクリーム半田が、開口部45,46,47を通してスルーホール11,12,13の周辺部分に印刷され、段部81,82,83を半田により埋めた状態で、半田塗着部84,85,86が形成される。また、開口部44を通してクリーム半田がパッド19に印刷されて、半田塗着部23が形成される。なお、半田はディスペンサにより段部81,82,83により埋め込むことにしてもよい。
部品面の半田量はスルーホール11,12,13の体積分を確保できる量にする。
挿入部品は金属であることから半田の一部は端子脚に吸着され、全ての半田が半田面側に落ちていくわけではないため、半田面には半田不足を補うための予備半田を塗着して半田不足にならないようにする。
本実施の形態においては、段部81,82,83に半田を埋め込むことで必要な半田量が確保されるので、部品面に広く取っていた半田エリアをスルーホール11,12,13の周辺にまとめることができる。
本実施の形態に係る図18及び図19と、実施の形態1に係る図5及び図6と比較することにより、本実施の形態の部品実装方法によれば、部品面に塗着する半田量を減じることができることが分かる。すなわち、半田エリアの面積を減じることができる。
そして、スルーホール11,12,13の内周に沿って均等に半田量が確保されており、部品の半田付け時に半田がスルーホール11,12,13に引き込まれやすくなり、半田を安定的に裏面(半田面)まで到達させて部品を良好に固定することができる。
図20は、他のスルーホール91に半田塗着部93を形成する方法を示す説明図である。図20Aはスルーホール91の上側に部品面側のメタルマスクの開口部48を配した状態を示す平面図、図20Bは半田塗着部93を形成した状態を示す平面図、図20Cは半田塗着部93を形成した状態を示す模式的断面図である。
図20Aに示すように、スルーホール91は横長の長円状をなし、部品面側の外周には段部92を凹設してある。
開口部48は、スルーホール91の中央側部分で分断されている。
スキージ(不図示)等により、メタルマスクの上に盛り付けたクリーム半田が、開口部48を通してスルーホール91の周辺部分に印刷され、図20B及びCに示すように、段部92を半田により埋めた状態で、半田塗着部93が形成される。このとき、メタルマスクの非開口面に対応する、段部92の中央側部分にも半田が押し込まれて、該中央側部分が半田で埋められる。
以上のように構成されているので、本実施の形態においては、スルーホール11,12,13の周辺に均等に半田量が確保され、部品の半田付け時に半田がスルーホール11,12,13に引き込まれやすくなり、半田ボールの発生が減少するとともに、部品との接触面積が減少するので結果的にショートの発生が抑制される。そして、部品の半田付け時に半田を安定的に裏面まで到達させて部品を良好に固定することができ、部品面の半田スペースが減じるので、基板の高実密度実装設計が可能となる。
また、前記実施の形態1及び2においては、本発明の部品実装方法により挿入部品53等が実装された基板をTV受信機が有する場合につき説明しているがこれに限定されるものではない。本発明の部品実装方法により挿入部品を実装された基板は、他の電気機器においても用いることが可能である。
本発明は上述した実施の形態の内容に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
1 テレビジョン受信機
2 フロントキャビネット
3 表示モジュール
7 リアキャビネット
71 端子パネル
10、80 基板
11、12、13、91 スルーホール
30、40、55、58、61、64 メタルマスク
31、32、33、34、41、42、43、44、57、60、63、67、68、70 開口部
15、16、17、18、20、21、22、23、84、85、86、93 半田塗着部
24 銅箔部
24a 凹部
25 ソルダーレジスト部
26 熱保持部
27、28、29 固着部
50、51 SMD
52 端子脚
53 挿入部品
81、82、83、92 段部

Claims (8)

  1. スルーホールが設けられた基板の一面にクリーム半田を塗着し、前記スルーホールに挿入部品を挿入して、該挿入部品を半田付けする部品実装方法において、
    前記スルーホールから所定間隔を隔てて、該スルーホールと同心状に、かつ周方向に1又は複数箇所分断された形状に前記クリーム半田を塗着することを特徴とする部品実装方法。
  2. 前記基板の他面のスルーホール周辺部分に、前記スルーホールの開口面に対応する分断部を有するようにクリーム半田を塗着して半田塗着部を形成する工程を有することを特徴とする請求項1に記載の部品実装方法。
  3. 前記基板は、前記スルーホールの前記他面側の外周に段部を凹設してあり、
    前記工程は、前記段部に前記クリーム半田を埋めることを特徴とする請求項2に記載の部品実装方法。
  4. クリーム半田の塗着に先立ち、スルーホール周辺部分に、凹凸を有するように銅パターンを形成する工程を有することを特徴とする請求項1から3までのいずれか1項に記載の部品実装方法。
  5. クリーム半田の塗着に先立ち、シルク印刷を行い、スルーホール周辺部分に、熱保持部を形成する工程を有することを特徴とする請求項1から4までのいずれか1項に記載の部品実装方法。
  6. 請求項1から5までのいずれか1項に記載の部品実装方法により、前記スルーホールに前記挿入部品を挿入してあり、該挿入部品と外部装置とを接続する端子を有する基板を有する表示装置と、
    テレビジョン放送を受信する受信部と
    を備え、
    前記受信部にて受信したテレビジョン放送に基づいて、前記表示装置に映像を表示するようにしてあるテレビジョン受信機。
  7. スルーホールが設けられた基板の一面に、前記スルーホールから所定間隔を隔てて、該スルーホールと同心状に、かつ周方向に1又は複数箇所分断された形状にクリーム半田を塗着し、
    前記基板の他面のスルーホール周辺部分に、前記スルーホールの開口面に対応する分断部を有するようにクリーム半田を塗着し、
    前記スルーホールに挿入部品を挿入し、該挿入部品を半田付けしてなることを特徴とする部品実装基板。
  8. 前記基板は、前記スルーホールの前記他面側の外周に段部を凹設してあり、
    該段部に前記クリーム半田を塗着してあることを特徴とする部品実装基板。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2021002671A (ja) * 2015-11-20 2021-01-07 古河電気工業株式会社 基板接続構造、及び、導体部接続方法

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