JP2013243083A - 蓄電装置及び二次電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】複数枚の電極の活物質非塗布部の積層体と導電部材との接合部である溶接部の電気抵抗を従来に比べて小さくでき、かつ同じ溶接部を小さな消費電力で溶接することができ、大電流での充電及び放電が可能な蓄電装置を提供する。
【解決手段】蓄電装置は金属箔の両面に活物質層を有する正極16及び負極17が両者の間にセパレータ18が介在する状態で積層された電極組立体12を備える。正極及び負極には、金属箔の一辺に沿って幅を有する活物質非塗布部16b,17bが形成され、活物質非塗布部が層状をなして構成される積層体20p,20nの少なくとも最外の活物質非塗布部が導電部材(正極用導電部材21及び負極用導電部材23)と溶接部22,24により溶接されている。積層体はスリット19により複数に分割されており、かつ積層体と導電部材とは2つの溶接部により溶接され、各溶接部は、分割された積層体にそれぞれ分かれて配置されている。
【選択図】図1
【解決手段】蓄電装置は金属箔の両面に活物質層を有する正極16及び負極17が両者の間にセパレータ18が介在する状態で積層された電極組立体12を備える。正極及び負極には、金属箔の一辺に沿って幅を有する活物質非塗布部16b,17bが形成され、活物質非塗布部が層状をなして構成される積層体20p,20nの少なくとも最外の活物質非塗布部が導電部材(正極用導電部材21及び負極用導電部材23)と溶接部22,24により溶接されている。積層体はスリット19により複数に分割されており、かつ積層体と導電部材とは2つの溶接部により溶接され、各溶接部は、分割された積層体にそれぞれ分かれて配置されている。
【選択図】図1
Description
本発明は、蓄電装置及び二次電池に関する。
二次電池やキャパシタのような蓄電装置は再充電が可能であり、繰り返し使用することができるため電源として広く利用されている。二次電池では、活物質を含む合剤が塗布されたシート状の正極及び負極が間にセパレータが介在する状態で層をなすように積層あるいは巻回された電極組立体がケースに収容されている。シート状の正極及び負極は、金属箔の表面に、一部が活物質非塗布部となるように活物質層が形成された構造になっている。そして、電極組立体からの電力の取り出しは、活物質非塗布部に接続された導電部材を介して行われる。
シート状の正極及び負極の製造工程では、活物質を、帯状の金属箔の幅方向の片側を除いてほぼ全体に塗布した後、活物質層の密度を高めるためにロールプレスを行う。ところが、長尺のシート状の正極あるいは負極をプレスすると、長尺のシート状の電極は活物質非塗布部側に凸となるように全体が湾曲した状態になり、巻回して巻回型の電極組立体を形成した場合に、電極組立体の端面が平面状に揃わず、巻回軸方向にずれが生じる。ずれが生じると、活物質非塗布部と導電部材との溶接がうまく行かない等の問題が起こる。この問題を解消するため、巻回型の電極組立体を構成するシート状の電極の活物質非塗布部を電極の巻回方向に沿って延びる縁部に形成し、その縁部に複数個のスリットを形成したり、スリットの切り込み終点に空孔を形成したりすることが提案されている。スリットのみを設ける場合、その配置間隔は、5〜200mmの範囲にあることが好ましいと記載されている(特許文献1参照)。
また、電池ケース内に、セパレータを介して正・負極板を交互に積層した積層型の電極組立体を収納した角形電池の製造方法において、集電構造の改良に関するものが提案されている(特許文献2参照)。この製造方法では、電極組立体の上部には正極用タブが突出し、電極組立体の下面には負極用タブが突出している電池を組み立てるに際して、電極組立体を外装缶内に収納し、負極板の芯体露出部を外装缶の内底面に電気的に接続する。次いで、正極板から突出する複数の正極用タブを集束し、正極用導電部材(正極集電リード板)の一端にスポット溶接する。この正極用導電部材の他端を正極集電体にスポット溶接する。その後、電解液を注液した後、封口蓋を外装缶の開口部に装着し、蓋体の外周部と外装缶との接触部分の全周を溶接して密封する。この電池の正極キャップと外装缶の底面との間に、電圧を印加して電流を流し、正極用タブの上端と正極集電体の長辺部との接触部分を溶接する。
電気自動車やハイブリッド車等の主電源や補助電源に使用される二次電池では、大電流での充電及び放電や二次電池の大容量化が要求されるようになっている。ニッケル水素二次電池やリチウムイオン二次電池等の二次電池では、金属箔に塗布された活物質の量を多くすることにより、二次電池の出力(放電電流に放電電圧を乗じた値)を高くすることができる。しかし、金属箔の活物質非塗布部(例えば、タブ)と導電部材との接合部(溶接部)での抵抗が大きくなると、大電流での充電及び放電が難しくなる。
活物質非塗布部と導電部材との接合部での抵抗を小さくするには、活物質非塗布部同士の接合面積や活物質非塗布部と導電部材との接合面積を増やせばよい。そして、溶接箇所を増やせば、接合面積を増やすことができる。例えば、溶接箇所を2箇所にして溶接を2回行えば溶接箇所は2倍になる。しかし、溶接を2回行うと、工数が2倍になるだけでなく、図13(a)に示すように、導電部材61と積層された活物質非塗布部62との2回目(2箇所目)の溶接の際に、溶接棒65a,65b間に電圧を印加すると、既に接合された1箇所目の溶接部63を電流64(実線の矢印で示す)が優先的に流れる。そのため、2箇所目の溶接箇所になる複数枚の活物質非塗布部62の積層箇所に必要な電流64(破線の矢印で示す)を流すためには、1箇所目の溶接時より大きな電流が必要になる。
また、2箇所の溶接部63を一度に形成するために、図13(b)に示すように、2本の溶接棒65a,65bを溶接すべき箇所の積層された活物質非塗布部62の導電部材61と最も離れた側の活物質非塗布部62に当接させた状態で電圧を印加すると、一方の溶接棒65aから他方の溶接棒65bへの電流64の経路は矢印で示す経路に限らない。即ち、導電部材61を経ずに一方の溶接棒65aから活物質非塗布部62を経て他方の溶接棒65bに流れる経路が存在する状態になるため、積層された活物質非塗布部62の溶接すべき箇所が全て均一に溶融した状態で導電部材61に溶接することができない。二次電池に限らず、例えば、電気二重層キャパシタやリチウムイオンキャパシタ等のようなキャパシタにおいても同様な問題がある。
特許文献1では、長尺のシート状の電極を巻回した状態において電極組立体の端面が平面状に揃わず、巻回軸方向にずれが生じるという問題は解決している。しかし、活物質非塗布部と導電部材との溶接部における前述の問題に関しては何ら配慮がなされていない。
また、特許文献2では、電池の内部抵抗を低くするために前述の構成を採用しているが、正極用タブと正極用導電部材とはスポット溶接をするとだけ記載されており、活物質非塗布部と導電部材との溶接部における前述の問題に関しては何ら配慮がなされていない。
本発明は、前記の問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、複数枚の電極の活物質非塗布部の積層体と導電部材との接合部である溶接部の電気抵抗を従来に比べて小さくでき、かつ同じ溶接部を小さな消費電力で溶接することができ、大電流での充電及び放電が可能な蓄電装置及び二次電池を提供することにある。
前記の目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、金属箔の少なくとも一方の面に活物質が塗布された活物質層を有する正極及び負極が両者の間にセパレータが介在する状態で層状に構成された電極組立体を備える蓄電装置である。そして、前記正極及び前記負極は、前記金属箔の前記活物質が塗布された面において、前記金属箔の一辺に沿って幅を有する活物質非塗布部が形成され、前記活物質非塗布部が層状をなして構成される積層体の少なくとも最外の前記活物質非塗布部が導電部材と溶接部により溶接されている。前記正極及び前記負極の少なくとも一方は、前記活物質非塗布部に前記一辺と交差する方向に延びる少なくとも一つのスリットによって前記積層体は複数に分割されており、かつ前記積層体と前記導電部材とは2つの溶接部により溶接され、各前記溶接部は、分割された前記積層体にそれぞれ分かれて配置されている。ここで、「正極及び負極が両者の間にセパレータが介在する状態で層状に構成された電極組立体」とは、例えば、略矩形状に形成された正極及び負極がセパレータを介して交互に積層された所謂積層型の電極組立体に限らず、帯状に形成された正極、セパレータ及び負極が、例えば、長円柱状や円柱状に巻回された巻回型の電極組立体をも含む。
金属箔に活物質が塗布された活物質層を有する正極及び負極は、活物質非塗布部の積層体において導電部材を介して蓄電装置の正極端子あるいは負極端子と電気的に接続されている。活物質非塗布部の積層体は一般にスポット溶接で導電部材に溶接されるが、積層体と導電部材との溶接部の電気抵抗を小さくするため単純に溶接部を増やすだけでは、解決しようとする課題で述べたように、例えば、2回で2箇所を溶接した場合は、2箇所目を溶接する場合に1箇所目より大きな電流を流す必要がある。しかし、この発明の蓄電装置の電極組立体を構成する正極及び負極の少なくとも一方は、活物質非塗布部に金属箔の一辺と交差する方向に延びる少なくとも一つのスリットによって積層体は複数に分割されており、かつ積層体と導電部材とは2つの溶接部により溶接され、各溶接部は、分割された積層体にそれぞれ分かれて配置されている。そのため、溶接時に、インダイレクト溶接で、一方の積層体から導電部材を介して他方の積層体に電流が流れるように溶接することで、大きな電流を流さずに、2つの同じ溶接部が形成される。したがって、複数枚の電極の活物質非塗布部の積層体と導電部材との接合部である溶接部の電気抵抗を従来に比べて小さくでき、かつ同じ溶接部を小さな消費電力で溶接することができ、大電流での充電及び放電が可能な蓄電装置を提供することができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記積層体の前記溶接部は、前記導電部材との当接面と反対側に凹みが存在する。この発明では、溶接部にはインダイレクト溶接で溶接が行われた際に生じる凹みが存在しており、請求項1に記載の効果を有する。
請求項3記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記導電部材の前記溶接部は、前記積層体との当接面と反対側に凹みが存在する。この発明では、溶接部にはインダイレクト溶接で溶接が行われた際に生じる凹みが存在しており、請求項1に記載の効果を有する。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の発明において、前記溶接部は、複数に分割された前記積層体のうちの隣り合う2つにそれぞれ一つずつ設けられている。複数に分割された積層体のうちの異なる2つの積層体と導電部材とを溶接すれば、溶接部の電気抵抗は同じであるが、溶接部が隣り合う2つの積層体に設けられていれば、2つの溶接部の間の距離が短い分、溶接時に無駄な電流を流すことなく溶接を行うことができる。また、蓄電装置から電力を取り出す際、電流が流れる経路が短くなり、効率良く電力を取り出すことができる。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の発明において、前記正極及び前記負極にはそれぞれ積層状態で溶接される前記活物質非塗布部としてのタブがそれぞれに形成され、両方の前記タブに前記溶接部が設けられている。タブを設けずに、金属箔の一辺の全長に沿って設けられた活物質非塗布部が導電部材に溶接された構成では、電極組立体を構成する正極及び負極の活物質非塗布部を電極組立体の同じ側の端面から突出させると、正極及び負極の活物質非塗布部同士が干渉して短絡するため、同じ側の端面から突出させることはできない。しかし、この発明では、正極及び負極はそれぞれ積層状態で溶接される活物質非塗布部としてのタブがそれぞれに形成され、両方のタブに溶接部が設けられているため、正極及び負極の活物質非塗布部であるタブを電極組立体の同じ側の端面から突出させても支障はなく、電極組立体の設計の自由度が高くなる。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の蓄電装置の構成を備えた二次電池である。したがって、この発明の二次電池は請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の蓄電装置が有する効果と同様の効果を有する。
請求項1〜請求項6に記載の発明によれば、複数枚の電極の活物質非塗布部の積層体と導電部材との接合部である溶接部の電気抵抗を従来に比べて小さくでき、かつ同じ溶接部を小さな消費電力で溶接することができ、大電流での充電及び放電が可能な蓄電装置及び二次電池を提供することができる。
(第1の実施形態)
以下、本発明を積層型の電極組立体を備えた二次電池に具体化した第1の実施形態を図1〜図6にしたがって説明する。
以下、本発明を積層型の電極組立体を備えた二次電池に具体化した第1の実施形態を図1〜図6にしたがって説明する。
図1及び図2に示すように、蓄電装置としての二次電池10は、ケース本体11a及びその開口部を覆う蓋体11bで構成された四角箱状のケース11内に、積層型の電極組立体12及び電解液13が収容されている。
図1に示すように、電極組立体12は、金属箔14の両面に活物質が塗布された活物質層16aを有するシート状の正極16、及び金属箔14の両面に活物質が塗布された活物質層17aを有するシート状の負極17が両者の間にシート状のセパレータ18が介在する状態で積層されている。即ち、電極組立体12は、正極16及び負極17が両者の間にセパレータ18が介在する状態で層状に構成されている。
図3に示すように、正極16は活物質層16aが形成された部分が矩形状に形成され、活物質が塗布されていない活物質非塗布部16bは、正極16の矩形状に形成された部分の一辺から突出するように形成されている。負極17も同様に活物質層17aが形成された部分が矩形状に形成され、活物質が塗布されていない活物質非塗布部17bは、負極17の矩形状に形成された部分の一辺から突出するように形成されている。
正極16及び負極17は、活物質非塗布部16b,17bに金属箔14の一辺と交差する方向に延びる少なくとも一つのスリット19によって活物質非塗布部16b,17bは複数に分割されている。この実施形態では金属箔14の一辺と直交する方向に延びるスリット19が一つ形成されて、活物質非塗布部16b,17bは2つに分割されている。正極16及び負極17には、各スリット19の基端、即ち活物質層16a,17aと活物質非塗布部16b,17bとの境界側にスリット19に連通する孔(図示せず)が形成されている。
詳述すると、正極16は、活物質非塗布部16bが突出する側の一辺の中央から片側半分(図3では右側半分)のかつ中央寄りに、2つの活物質非塗布部16bが形成されている。負極17は、活物質非塗布部17bが突出する側の一辺の中央から片側半分(図3では左側半分)のかつ中央寄りに、2つの活物質非塗布部17bが形成されている。この実施形態では、活物質非塗布部16b,17bはタブとして形成され、正極16及び負極17にはそれぞれ2つタブが形成されている。そして、正極16及び負極17は、正極16の活物質非塗布部16bと負極17の活物質非塗布部17bとが重ならない状態で、かつ活物質層16aと活物質層17aとの間にシート状のセパレータ18が介在する状態で積層されている。
図1及び図4に示すように、正極16の活物質非塗布部16bが層状をなして構成される積層体20pの少なくとも最外の活物質非塗布部16bが、導電部材としての正極用導電部材21と溶接部22により溶接され、各溶接部22は、分割された積層体20pにそれぞれ分かれて配置されている。負極17の活物質非塗布部17bが層状をなして構成される積層体20nの少なくとも最外の活物質非塗布部17bが、導電部材としての負極用導電部材23と溶接部24により溶接され、各溶接部22は、分割された積層体20nにそれぞれ分かれて配置されている。即ち、正極16の2つの積層体20pに溶接部22が、負極17の2つの積層体20nに溶接部24がそれぞれ一つずつ設けられている。
詳述すると、図4に示すように、正極用導電部材21は、それぞれ複数積層された活物質非塗布部16bの積層体20pの積層方向の中央に位置する状態ではなく、積層体20pの積層方向の最も外側に位置する活物質非塗布部16bのうちの一方の活物質非塗布部16b(図4では右側の活物質非塗布部16b)と接触する状態で溶接されている。また、正極用導電部材21は、電極組立体12の活物質非塗布部16bの突出側の端面と平行な状態で積層体20pと溶接されている。正極用導電部材21は、電極組立体12の厚さ方向(活物質非塗布部16bの積層方向)の長さが電極組立体12の厚さより長く、電極組立体12の幅方向(図4の紙面と直交方向)の長さが2つの積層体20pの合計幅より長く形成されている。そして、図1に示すように、正極用導電部材21は、電極組立体12の活物質非塗布部16bの突出側の端面側から見た状態で、端面内に位置する状態で積層体20pに溶接部22で溶接されている。
負極用導電部材23も正極用導電部材21と同様な状態で、但し電極組立体12の幅方向の中央と直交する仮想平面に対して正極用導電部材21と対称な状態で、複数に分割されてそれぞれ重なり合う状態の活物質非塗布部17bからなる隣り合う2つの積層体20nにそれぞれ溶接部24で溶接されている。
図2に示すように、蓋体11bには正極端子25及び負極端子26が固定されている。この実施形態においては、図1及び図2に示すように、正極端子25は、ケース11の外部に一部が露出する円柱状の外部端子25aと、ケース11の内部に全部が収容される板状の内部端子25bとを有する。また、負極端子26も同様に、ケース11の外部に一部が露出する円柱状の外部端子26aと、ケース11の内部に全部が収容される板状の内部端子26bとを有する。両外部端子25a,26aは、絶縁リング27が取り付けられた状態で、その絶縁リング27が蓋体11bに所定の間隔をあけて形成された一対の開口孔11cに嵌合される状態で、かつケース11の外部に突出される状態で蓋体11bに固定されている。そして、電極組立体12は、正極用導電部材21を介して正極端子25の内部端子25bに電気的に接続されており、負極用導電部材23を介して負極端子26の内部端子26bに電気的に接続されている。正極用導電部材21及び負極用導電部材23は、活物質非塗布部16b,17bの積層体20p,20nが溶接された面と同じ側の面が、それぞれ内部端子25b,26bの外部端子25a,26aの突出側と反対の面に接続されている。なお、ケース本体11aの内面及び蓋体11bの内面には、電極組立体12とケース本体11a及び蓋体11bとを電気的に絶縁するための絶縁シート28が取着されている。
次に、二次電池10の製造工程のうち、電極組立体12を構成する正極16及び負極17の活物質非塗布部16b,17bの積層体20p,20nと、正極用導電部材21及び負極用導電部材23との従来と異なる溶接工程を説明する。他の工程は従来の工程と基本的に同じため説明を省略する。
正極用導電部材21及び負極用導電部材23と積層体20p,20nとの溶接はいずれもインダイレクト溶接により行われる。正極用導電部材21及び負極用導電部材23と積層体20p,20nとの溶接は、同様に行われるため、正極用導電部材21の溶接について説明する。
先ず、図4に示すように、正極用導電部材21を電極組立体12の活物質非塗布部16bの突出側端面と平行に、かつ端面から所定の距離離れた所定の位置に図示しない電気的絶縁性の治具で支持する。また、積層体20pを構成する各活物質非塗布部16bを、正極用導電部材21の幅方向(図4の左右方向)の一端側で屈曲し、かつ一部が正極用導電部材21の上側で正極用導電部材21と平行に延びるように配置する。
次に図5(a),(b)に示すように、2本の溶接棒29a,29bを各積層体20pの溶接すべき箇所を押圧した状態で電圧を印加する。2つの積層体20pがスリット19で分断(分割)されていない場合は、図5(b)に矢印で示す電流経路の他に、正極用導電部材21を経ずに活物質非塗布部16bを隣の溶接棒29bに向かって流れる経路が存在する。そのため、正極用導電部材21と接触している活物質非塗布部16bを経て溶接棒29bに流れる電流量が少なくなる。その結果、積層体20pと正極用導電部材21との溶接に必要な電力(電流量)が大きくなるだけでなく、均一な溶接部22を形成し難くなる。
しかし、2つの積層体20pは、スリット19により分断されているため、一方の溶接棒29aから他方の溶接棒29bへ向かって流れる電流は矢印で示すように流れ、2つの積層体20pの各活物質非塗布部16bが均一に溶融して、2つの積層体20pが正極用導電部材21にそれぞれ溶接される。そして、所定時間経過後、電圧の印加を停止すると、図6に示すように、積層体20pが正極用導電部材21に2つの溶接部22で溶接された状態になる。溶接部22は、積層体20pと正極用導電部材21との当接面と反対側に凹み30が存在する。即ち、積層体20pの正極用導電部材21及び負極用導電部材23との当接面と反対側の面には、溶接部22の箇所にインダイレクト溶接で溶接が行われた際に生じた凹み30が存在する。
負極17の積層体20nと負極用導電部材23との溶接箇所においても同様に、積層体20nと負極用導電部材23との当接面と反対側の面に凹み30が存在し、積層体20nの負極用導電部材23との当接面と反対側の面には、溶接部24の箇所にインダイレクト溶接で溶接が行われた際に生じた凹み30が存在する。
次に前記のように構成された二次電池10の作用を説明する。
二次電池10は、単体でも使用されるが、一般には複数の二次電池10が直列あるいは並列に接続されて構成された組電池として使用される。そして、二次電池10は種々の用途に使用されるが、例えば、車両に搭載されて走行用モータの電源や他の電気機器の電源としても使用される。
二次電池10は、単体でも使用されるが、一般には複数の二次電池10が直列あるいは並列に接続されて構成された組電池として使用される。そして、二次電池10は種々の用途に使用されるが、例えば、車両に搭載されて走行用モータの電源や他の電気機器の電源としても使用される。
二次電池10の放電時(出力時)、電極組立体12からの電力の取り出しは、積層体20pに接続された正極用導電部材21を介して行われる。二次電池10では、正極16及び負極17に塗布された活物質の量を多くすることにより、二次電池10の出力(放電電流に放電電圧を乗じた値)を高くすることができる。しかし、正極16及び負極17の活物質非塗布部16b,17b(積層体20p,20n)と正極用導電部材21あるいは負極用導電部材23との溶接部22,24での抵抗が大きくなると、大電流での放電が難しくなる。また、大電流での充電も難しくなる。
積層体20pと正極用導電部材21あるいは積層体20nと負極用導電部材23との溶接部22,24での抵抗を小さくするには、活物質非塗布部16b,17b同士の接合面積や積層体20pと正極用導電部材21あるいは積層体20nと負極用導電部材23との接合面積を増やせばよい。そして、溶接箇所を増やせば、接合面積を増やすことができる。この実施形態では積層体20p,20nはそれぞれ2つに分割されるとともに、分割された積層体20p,20nのそれぞれが、正極用導電部材21あるいは負極用導電部材23に溶接部22,24で溶接されている。したがって、積層体20p,20nと正極用導電部材21あるいは負極用導電部材23との溶接部22,24での抵抗が小さくなり、大電流での放電及び充電が可能になる。
この実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)二次電池10(蓄電装置)は、金属箔14の少なくとも一方の面に活物質が塗布された活物質層16a,17aを有する正極16及び負極17が両者の間にセパレータ18が介在する状態で層状に構成された電極組立体12を備える。正極16及び負極17は、金属箔14の活物質が塗布された面において、金属箔14の一辺に沿って幅を有する活物質非塗布部16b,17bが形成され、活物質非塗布部16b,17bが層状をなして構成される積層体20p,20nの少なくとも最外の活物質非塗布部16b,17bが導電部材(正極用導電部材21及び負極用導電部材23)と溶接部22,24によりそれぞれ溶接されている。正極16及び負極17の少なくとも一方は、活物質非塗布部16b,17bに金属箔14の一辺と交差する方向に延びる一つのスリット19によって積層体20p,20nは複数に分割されており、かつ積層体20p,20nと導電部材とは2つの溶接部22,24により溶接され、各溶接部22,24は、分割された積層体20p,20nにそれぞれ分かれて配置されている。そのため、溶接時に、インダイレクト溶接で、一方の積層体20p(積層体20n)から導電部材を介して他方の積層体20p(積層体20n)に電流が流れるように溶接することで、大きな電流を流さずに、2つの同じ溶接部22(溶接部24)がそれぞれ形成される。したがって、複数枚の電極の活物質非塗布部16b,17bの積層体20p,20nと導電部材との接合部である溶接部22,24の電気抵抗を従来に比べて小さくでき、かつ同じ溶接部22,24を小さな消費電力で溶接することができ、大電流での充電及び放電が可能な二次電池10を提供することができる。
(1)二次電池10(蓄電装置)は、金属箔14の少なくとも一方の面に活物質が塗布された活物質層16a,17aを有する正極16及び負極17が両者の間にセパレータ18が介在する状態で層状に構成された電極組立体12を備える。正極16及び負極17は、金属箔14の活物質が塗布された面において、金属箔14の一辺に沿って幅を有する活物質非塗布部16b,17bが形成され、活物質非塗布部16b,17bが層状をなして構成される積層体20p,20nの少なくとも最外の活物質非塗布部16b,17bが導電部材(正極用導電部材21及び負極用導電部材23)と溶接部22,24によりそれぞれ溶接されている。正極16及び負極17の少なくとも一方は、活物質非塗布部16b,17bに金属箔14の一辺と交差する方向に延びる一つのスリット19によって積層体20p,20nは複数に分割されており、かつ積層体20p,20nと導電部材とは2つの溶接部22,24により溶接され、各溶接部22,24は、分割された積層体20p,20nにそれぞれ分かれて配置されている。そのため、溶接時に、インダイレクト溶接で、一方の積層体20p(積層体20n)から導電部材を介して他方の積層体20p(積層体20n)に電流が流れるように溶接することで、大きな電流を流さずに、2つの同じ溶接部22(溶接部24)がそれぞれ形成される。したがって、複数枚の電極の活物質非塗布部16b,17bの積層体20p,20nと導電部材との接合部である溶接部22,24の電気抵抗を従来に比べて小さくでき、かつ同じ溶接部22,24を小さな消費電力で溶接することができ、大電流での充電及び放電が可能な二次電池10を提供することができる。
(2)積層体20p,20nの溶接部22,24は、複数に分割されたそれぞれの積層体20p,20nのうちの隣り合う2つにそれぞれ一つずつ設けられている。複数に分割された積層体20p,20nのうちの異なる2つの積層体20p,20nと導電部材とを溶接すれば、溶接部22,24の電気抵抗は同じであるが、溶接部22,24が隣り合う2つの積層体20p,20nに設けられていれば、2つの溶接部22,24の間の距離が短い分、溶接時に無駄な電流を流すことなく溶接を行うことができる。また、二次電池10から電力を取り出す際、電流が流れる経路が短くなり、効率良く電力を取り出すことができる。
(3)正極16及び負極17はそれぞれ2つのタブが形成され、タブに溶接部22,24が設けられている。タブを設けずに、金属箔14の一辺に沿って設けられた活物質非塗布部16b,17bが正極用導電部材21や負極用導電部材23に溶接された構成では、電極組立体12を構成する正極16及び負極17の活物質非塗布部16b,17bを電極組立体12の同じ側の端面から突出させると、正極16及び負極17の活物質非塗布部16b,17b同士が干渉して短絡するため、同じ側の端面から突出させることはできない。しかし、正極16及び負極17はそれぞれ2つのタブが形成され、重なった状態のタブである積層体20p,20nに溶接部22,24が設けられているため、正極16及び負極17の活物質非塗布部16b,17bであるタブを電極組立体12の同じ側の端面から突出させても支障はなく、電極組立体12の設計の自由度が高くなる。
(4)正極用導電部材21及び負極用導電部材23は電極組立体12の活物質非塗布部16b,17bの突出側の端面と平行に配置され、積層体20p,20nは正極用導電部材21あるいは負極用導電部材23に対して電極組立体12の前記端面と対向する面において溶接されている。したがって、正極用導電部材21及び負極用導電部材23が電極組立体12の前記端面と垂直方向に延びる状態で積層体20p,20nと溶接された場合に比べて、電極組立体12の端面と蓋体11bの内面との距離を短くでき、ケース11の大きさを小さくすることができる。
(5)蓄電装置(二次電池10)の製造工程のうち、正極16及び負極17の活物質非塗布部16b,17bの積層体20p,20nと、正極用導電部材21あるいは負極用導電部材23との溶接工程が従来の工程と異なる。具体的には、積層体20pと正極用導電部材21との溶接を例に挙げると、金属箔14の一辺と交差する方向に延びるスリット19で複数に分割された活物質非塗布部16bからなる2つの積層体20pの一方を溶接棒29aで、他方を溶接棒29bで正極用導電部材21側にそれぞれ押圧した状態で2本の溶接棒29a,29b間に電圧を印加する。その結果、両溶接棒29a,29b間に流れる電流は、一方の積層体20pから正極用導電部材21を経て他方の積層体20pへ流れ、他方の積層体20pを経て他方の溶接棒29bへ流れる経路でのみ流れる。2つの積層体20nと負極用導電部材23との溶接も同様に行われる。したがって、インダイレクト溶接で、一方の積層体20p(積層体20n)から導電部材を介してのみ他方の積層体20p(積層体20n)に電流が流れるように溶接することができ、大きな電流を流さずに、2つの同じ溶接部22(溶接部24)をそれぞれ形成することができる。
(第2の実施形態)
次に本発明を巻回型の電極組立体を備えた蓄電装置としての二次電池に具体化した第2の実施形態を図7〜図9にしたがって説明する。
次に本発明を巻回型の電極組立体を備えた蓄電装置としての二次電池に具体化した第2の実施形態を図7〜図9にしたがって説明する。
この実施形態の二次電池40は、電極組立体32が巻回型である点と、活物質非塗布部36b,37bが電極組立体32の同じ側の端面から突出せずに、巻回軸方向において互いに異なる端面側に位置するように形成されている点とが第1の実施形態と大きく異なっている。第1の実施形態と同一部分は同一符号を付して詳しい説明を省略する。
図7(a)に示すように、電極組立体32は、帯状の金属箔14に活物質層36aが形成された正極36と、帯状の金属箔14に活物質層37aが形成された負極37とが帯状のセパレータ38が間に介在する状態で巻回された構成である。この実施形態では、セパレータ38が2枚使用され、電極組立体32の最外周にセパレータ38が存在し、外周側から、セパレータ38、正極36、セパレータ38、負極37の順に層をなすように巻回されている。
正極36及び負極37は、幅方向の片側に一定幅の活物質非塗布部36b,37bが存在するように活物質層36a,37aがそれぞれ形成されており、両活物質非塗布部36b,37bが電極組立体32の巻回軸方向の反対側端部にそれぞれ配置される状態で巻回されている。正極36及び負極37は、同じ幅に形成されるとともに、正極用の活物質層36a及び負極用の活物質層37aがセパレータ38を挟んで対向する状態に配置されている。セパレータ38は、各活物質層36a,37aの幅より若干幅広に形成されており、電極組立体32の巻回軸方向の一方の端部には正極36の活物質非塗布部36bが位置し、他方の端部には負極37の活物質非塗布部37bが位置するように正極36、セパレータ38及び負極37が配置された状態で巻回されている。
活物質非塗布部36b,37bには、帯状の金属箔14の長手方向に延びる一辺と交差する方向に延びるスリット19が所定間隔で複数形成され、活物質非塗布部36b,37bは複数に分割されている。活物質非塗布部36b,37bは、正極36、セパレータ38及び負極37が巻回された状態において、少なくとも積層された状態で導電部材としての正極用導電部材41あるいは負極用導電部材43に溶接される積層体20p,20nを構成する部分が積層方向にほぼ同じ位置で重なるようにスリット19が形成されている。正極36及び負極37には、各スリット19の基端、即ち活物質層36a,37aと活物質非塗布部36b,37bとの境界側にスリット19に連通する孔19a(図7(b)に図示)が形成されている。
活物質非塗布部36b,37bで構成され、それぞれ隣り合う積層体20p,20nが導電部材(正極用導電部材41及び負極用導電部材43)と溶接部22,24により溶接されている。即ち、溶接される積層体20p,20nはそれぞれ2つに分割されており、かつ積層体20p,20nと導電部材とはそれぞれ2つの溶接部22,24により溶接され、2つの溶接部22,24は、分割された積層体20p,20nに分かれて配置されている。
図8(a)に示すように、巻回型の電極組立体32は、巻回軸方向が正極端子25及び負極端子26のケース11からの突出方向と直交する方向に延びる状態で、即ち図8(a)では左右方向に延びる状態で、ケース11内に収容されている。それに対応して、正極用導電部材41は平板ではなく、図8(b)に示すように、活物質非塗布部36bが接合される板状の接合部41aと、二次電池40の正極端子25に接続固定される固定部41bとを備え、固定部41bは雄ねじ部において正極端子25に固定されるようになっている。そして、図8(a)に示すように、正極用導電部材41は、接合部41aが電極組立体32の巻回中心部に挿入された状態で、活物質非塗布部36bにインダイレクト溶接により溶接されている。負極用導電部材43も正極用導電部材41と同様に構成された接合部43a及び固定部43bを備え、接合部43aが電極組立体32の巻回中心部に挿入された状態で、活物質非塗布部37bに、インダイレクト溶接により溶接されている。
第1の実施形態と異なり、積層体20pと正極用導電部材41との溶接及び積層体20nと負極用導電部材43との溶接は、積層体20p,20nが正極用導電部材41あるいは負極用導電部材43の片面に対して溶接されるのではなく、両面に対して溶接されている。そして、正極用導電部材41に対する積層体20pの溶接及び負極用導電部材43に対する積層体20nの溶接はそれぞれ2回に分けて行われる。
正極用導電部材41に対する積層体20pの溶接を詳述すると、正極用導電部材41の接合部41aを電極組立体32の中心部で、かつ正極36、負極37及びセパレータ38が真っ直ぐに延びた状態で巻回された箇所に挿入する。その状態で、先ず図9(a)に示すように、接合部41aに対して片側に存在する2つ積層体20pと正極用導電部材41との溶接を、第1の実施形態と同様にして2本の溶接棒29a,29bを使用して行う。図9(a)に示すように、溶接棒29a,29bで接合部41a側に押圧されている2つの積層体20pに対して接合部41aを挟んで反対側にも2つの積層体20pが存在する。しかし、各隣り合う積層体20pはスリット19により分断(分離)されているため、一方の溶接棒29aから他方の溶接棒29bへ向かって流れる電流は矢印で示すように接合部41aを経てのみ溶接棒29bに流れ、2つの積層体20pの各活物質非塗布部36bが均一に溶融して、2つの積層体20pが接合部41aにそれぞれ溶接される。次に、図9(b)に示すように、溶接された積層体20pに対して接合部41aを挟んで反対側に位置する積層体20pに対して2本の溶接棒29a,29bを使用して溶接を行う。接合部41aには溶接しようとする2つの積層体20pと反対側に溶接部22で溶接された2つの積層体20pが存在するが、その積層体20pはスリット19により分断されているため、一方の溶接棒29aから他方の溶接棒29bへ向かって流れる電流は、図9(b)に矢印で示すように接合部41aを経てのみ溶接棒29bに流れる。そして、2つの積層体20pの各活物質非塗布部36bが均一に溶融して、2つの積層体20pが接合部41aにそれぞれ溶接される。
したがって、この実施形態の二次電池40においても、第1の実施形態の(1),(2),(5)と基本的に同様の効果を得ることができる他に次の効果を得ることができる。但し、二次電池10を二次電池40、電極組立体12を電極組立体32、正極16を正極36、負極17を負極37、セパレータ18をセパレータ38、活物質非塗布部16b,17bを活物質非塗布部36b,37bにそれぞれ読み替える。
(6)巻回型の電極組立体32を構成する正極36及び負極37は、活物質非塗布部36b,37bに所定間隔でスリット19が形成されている。したがって、巻回時に正極36及び負極37が電極組立体32の巻回軸方向にずれることが抑制されるため、スリット19が存在しない場合に比べて、積層体20p,20nと正極用導電部材41及び負極用導電部材43との溶接時に、溶接すべき活物質非塗布部36b,37bの重なり位置を確保し易い。
(7)溶接すべきそれぞれ2つの積層体20p,20nをインダイレクト溶接で溶接する場合、各積層体20p,20nを構成する活物質非塗布部36b,37bを分割しているスリット19は活物質層36a,37aと活物質非塗布部36b,37bとの境界付近まで達している方が好ましい。しかし、巻回型の電極組立体32の場合、正極36、負極37及びセパレータ38の巻回時にスリット19の切れ込みが延びて支障を来す虞があるが、スリット19の基端に孔19aが存在することによりそのような虞が無くなる。
(8)正極用導電部材41及び負極用導電部材43の両面に対してそれぞれ2つの積層体20p,20n、即ち合計4つずつの積層体20p,20nが溶接部22,24により溶接されている。したがって、積層体20p,20nが2つずつに比べて積層体20p,20nと正極用導電部材41及び負極用導電部材43との接合部の抵抗が小さくなり、より大電流での放電及び充電が可能になる。
実施形態は前記に限定されるものではなく、例えば、次のように具体化してもよい。
○ 第1の実施形態において正極用導電部材21及び負極用導電部材23が電極組立体12の活物質非塗布部16b,17bの突出側端面と平行な状態で正極端子25あるいは負極端子26に固定される構成において、図10に示すように、積層体20p,20nが正極用導電部材21及び負極用導電部材23に対して下側に配置されてもよい。この場合、正極用導電部材21及び負極用導電部材23が電極組立体12の端面と並行に配置された状態で積層体20p,20nを正極用導電部材21あるいは負極用導電部材23に溶接することはできない。そのため、先ず、図10に鎖線で示すように、正極用導電部材21が電極組立体12の端面と直交する方向に延びる状態において、積層体20pと正極用導電部材21との溶接を行った後、実線で示す位置まで移動させ、その状態で正極用導電部材21を正極端子25の内部端子25bに接合(溶接)する。正極用導電部材21と溶接される積層体20p及び負極用導電部材23と溶接される積層体20nがそれぞれ2つずつ存在するため、積層体20p及び積層体20nがそれぞれ連続している場合に比べて曲げ易くなり、溶接後に積層体20p,20nが突出方向に対して略90度屈曲した状態で曲げる操作を行い易い。
○ 第1の実施形態において正極用導電部材21及び負極用導電部材23が電極組立体12の活物質非塗布部16b,17bの突出側端面と平行な状態で正極端子25あるいは負極端子26に固定される構成において、図10に示すように、積層体20p,20nが正極用導電部材21及び負極用導電部材23に対して下側に配置されてもよい。この場合、正極用導電部材21及び負極用導電部材23が電極組立体12の端面と並行に配置された状態で積層体20p,20nを正極用導電部材21あるいは負極用導電部材23に溶接することはできない。そのため、先ず、図10に鎖線で示すように、正極用導電部材21が電極組立体12の端面と直交する方向に延びる状態において、積層体20pと正極用導電部材21との溶接を行った後、実線で示す位置まで移動させ、その状態で正極用導電部材21を正極端子25の内部端子25bに接合(溶接)する。正極用導電部材21と溶接される積層体20p及び負極用導電部材23と溶接される積層体20nがそれぞれ2つずつ存在するため、積層体20p及び積層体20nがそれぞれ連続している場合に比べて曲げ易くなり、溶接後に積層体20p,20nが突出方向に対して略90度屈曲した状態で曲げる操作を行い易い。
○ 積層型の電極組立体12を構成する積層体20p,20nは、それぞれ2つずつ正極用導電部材21あるいは負極用導電部材23に溶接で接続されている場合、正極用導電部材21に溶接される2つの積層体20p同士あるいは負極用導電部材23に接続される積層体20n同士が隣り合っている必要はない。例えば、図11(a)に示すように、2つのスリット19でそれぞれ3つに分割された活物質非塗布部16bのうち、中央の活物質非塗布部16bを挟んで位置する2つの活物質非塗布部16bが積層された2つの積層体20pを正極用導電部材21と溶接してもよい。積層体20nについても同様である。しかし、隣り合う2箇所の積層体20p,20nを正極用導電部材21あるいは負極用導電部材23に溶接した方が好ましい。第2の実施形態のように、巻回型の電極組立体32の場合も同様である。即ち、各スリット19に対して溶接箇所が必ず2つ存在する分けではない。また、巻回型の電極組立体32においても、同様である。
○ 積層型の電極組立体12を構成する積層体20p,20nは、それぞれ一つの正極用導電部材21あるいは負極用導電部材23に溶接で接続されている構成に限らず、複数の正極用導電部材21あるいは負極用導電部材23に溶接で接続されていてもよい。例えば、2つの正極用導電部材21あるいは2つの負極用導電部材23のそれぞれに対して、スリット19で分割されたそれぞれ2つの積層体20p,20nが溶接で接続されていてもよい。また、巻回型の電極組立体32においても、同様である。
○ 積層体20p,20nは、それぞれ一つの正極用導電部材21あるいは負極用導電部材23に、スリット19で分割された2つの積層体20p,20nがそれぞれ溶接で接続されている構成に限らない。例えば、スリット19で分割された2つの積層体20p,20nがインダイレクト溶接で接合された正極用導電部材21あるいは負極用導電部材23の他に、スリット19で分割された他の一つの積層体20p,20nが普通の溶接で接合された正極用導電部材21あるいは負極用導電部材23を有する構成としてもよい。
○ 積層体20p,20nの溶接部22,24は、導電部材(正極用導電部材21及び負極用導電部材23)との当接面と反対側に凹み30が存在してもよい。
○ 活物質非塗布部16b,17b,36b,37bを複数に分割するスリット19は単なる切り込み、即ち幅の狭いスリットに限らず、例えば、図11(b)に示すように、U字状の幅の広いスリット19としてもよい。この場合、スリット19は切れ込みではなく、カッターを移動させて切断するか、型で打ち抜いて形成される。このスリット19の場合は基端に孔19aを形成する必要はない。
○ 活物質非塗布部16b,17b,36b,37bを複数に分割するスリット19は単なる切り込み、即ち幅の狭いスリットに限らず、例えば、図11(b)に示すように、U字状の幅の広いスリット19としてもよい。この場合、スリット19は切れ込みではなく、カッターを移動させて切断するか、型で打ち抜いて形成される。このスリット19の場合は基端に孔19aを形成する必要はない。
○ 巻回型の電極組立体32の場合、活物質非塗布部36b,37bを巻回軸方向の同じ側に突出するようにしてもよい。しかし、その場合は第2の実施形態の場合と異なり、活物質非塗布部36bと活物質非塗布部37bとが接触して短絡するのを回避するため、例えば、図12に示すように、活物質非塗布部36b及び活物質非塗布部37bは互いに重ならない位置で突出するように形成される。図12において、電極組立体32のコーナー部を除いた箇所のみに活物質非塗布部36b,37bを突出するように形成しても、主にコーナー部において活物質非塗布部36b,37bが突出するように形成してもよい。
○ 正極16,36及び負極17,37の少なくとも一方が、複数に分割された活物質非塗布部16b,36bあるいは活物質非塗布部17b,37bからなるタブ(積層体20p,20n)のうちの2つのタブと導電部材(正極用導電部材21,41及び負極用導電部材23,43)とが溶接部22,24により溶接された構成であってもよい。特に巻回型の電極組立体32の場合、正極36のみを2つのタブと導電部材とを溶接部22で溶接し、負極37は他の方法で活物質非塗布部37bを導電部材を介して負極端子26と電気的に接続してもよい。
○ スリット19基端の孔19aはなくてもよい。
○ スリット19の形成は、金属箔14に活物質を塗布する前であっても、塗布後であってもよいが、巻回型の電極組立体32を構成する正極36及び負極37の場合は、活物質の塗布前が好ましい。
○ スリット19の形成は、金属箔14に活物質を塗布する前であっても、塗布後であってもよいが、巻回型の電極組立体32を構成する正極36及び負極37の場合は、活物質の塗布前が好ましい。
○ 積層型の電極組立体12においても積層体20p,20nが導電部材即ち正極用導電部材21及び負極用導電部材23の片面に溶接される構成に限らず、各積層体20p,20nの活物質非塗布部16b,17bをそれぞれ2つのグループに分けて、正極用導電部材21あるいは負極用導電部材23を挟むように両面に溶接してもよい。
○ 正極端子25と正極用導電部材21あるいは正極用導電部材41とが一体に形成されていてもよい。また、負極端子26と負極用導電部材23あるいは負極用導電部材43とが一体に形成されていてもよい。
○ 正極用導電部材21及び負極用導電部材23をそれぞれ正極16及び負極17の活物質非塗布部16b,17bに溶接する構成として、活物質非塗布部16b,17bにそれぞれ金属箔を溶接して複数のタブを隣り合うタブ間にスリットが存在する状態に形成してもよい。しかし、タブはシート状の金属箔14に他の金属箔を溶接して形成するより、金属箔14の一部で形成される構成が好ましい。
○ 巻回型の電極組立体32は長円柱状に限らず、例えば、円柱状や楕円柱状に形成してもよい。
○ 正極16,36及び負極17,37は、金属箔14の片面に活物質が塗布されて形成された活物質層16a,36aあるいは活物質層17a,37aが存在する構造でもよい。即ち、正極16,36及び負極17,37は、金属箔の少なくとも一方の面に活物質が塗布されて形成された活物質層が存在すればよい。
○ 正極16,36及び負極17,37は、金属箔14の片面に活物質が塗布されて形成された活物質層16a,36aあるいは活物質層17a,37aが存在する構造でもよい。即ち、正極16,36及び負極17,37は、金属箔の少なくとも一方の面に活物質が塗布されて形成された活物質層が存在すればよい。
○ 積層型の電極組立体12を構成するセパレータ18は袋状に形成され、正極16及び負極17を袋状のセパレータ18に別々に収容し、正極16が収容されたセパレータ18と、負極17が収容されたセパレータ18とが交互に積層された構成としてもよい。また、正極16が収容されたセパレータ18と、セパレータ18に収容されていない負極17とが交互に積層された構成あるいは負極17が収容されたセパレータ18と、セパレータ18に収容されていない正極16とが交互に積層された構成としてもよい。
○ 二次電池10,40は電解液13が必須ではなく、例えば、セパレータ18,38が高分子電解質で形成されていてもよい。
○ 車両は走行用モータを備えた一般の車両やフォークリフトに限らず、例えば、ショベルローダーやトーイングトラクター等の他の産業車両であってもよい。また、運転者を必要とする車両に限らず無人搬送車であってもよい。
○ 車両は走行用モータを備えた一般の車両やフォークリフトに限らず、例えば、ショベルローダーやトーイングトラクター等の他の産業車両であってもよい。また、運転者を必要とする車両に限らず無人搬送車であってもよい。
○ 蓄電装置は、二次電池10,40に限らず、例えば、電気二重層キャパシタやリチウムイオンキャパシタ等のようなキャパシタであってもよい。
以下の技術的思想(発明)は前記実施形態から把握できる。
以下の技術的思想(発明)は前記実施形態から把握できる。
(1)金属箔の少なくとも片面に活物質が塗布された活物質層を有する電極からなる正極及び負極が両者の間にセパレータが介在する状態で層状に構成された蓄電装置用電極組立体の前記正極及び前記負極と導電部材との溶接方法であって、
前記電極は、前記金属箔の前記活物質が塗布された面において、前記金属箔の一辺に沿って幅を有する活物質非塗布部が形成され、前記活物質非塗布部の積層体が前記導電部材と溶接部により溶接される構造であって、前記積層体をスリットで二つに分割した状態で、前記各積層体に二つの溶接棒を押圧した状態で前記導電部材に対してインダイレクト溶接する。
前記電極は、前記金属箔の前記活物質が塗布された面において、前記金属箔の一辺に沿って幅を有する活物質非塗布部が形成され、前記活物質非塗布部の積層体が前記導電部材と溶接部により溶接される構造であって、前記積層体をスリットで二つに分割した状態で、前記各積層体に二つの溶接棒を押圧した状態で前記導電部材に対してインダイレクト溶接する。
10,40…蓄電装置としての二次電池、12,32…電極組立体、14…金属箔、16,36…正極、17,37…負極、16a,17a,36a,37a…活物質層、16b,17b,36b,37b…活物質非塗布部、18,38…セパレータ、19…スリット、20n,20p…積層体、21,41…導電部材としての正極用導電部材、23,43…導電部材としての負極用導電部材、22,24…溶接部、30…凹み。
Claims (6)
- 金属箔の少なくとも一方の面に活物質が塗布された活物質層を有する正極及び負極が両者の間にセパレータが介在する状態で層状に構成された電極組立体を備える蓄電装置であって、
前記正極及び前記負極は、前記金属箔の前記活物質が塗布された面において、前記金属箔の一辺に沿って幅を有する活物質非塗布部が形成され、前記活物質非塗布部が層状をなして構成される積層体の少なくとも最外の前記活物質非塗布部が導電部材と溶接部により溶接されており、
前記正極及び前記負極の少なくとも一方は、前記活物質非塗布部に前記一辺と交差する方向に延びる少なくとも一つのスリットによって前記積層体は複数に分割されており、かつ前記積層体と前記導電部材とは2つの溶接部により溶接され、各前記溶接部は、分割された前記積層体にそれぞれ分かれて配置されていることを特徴とする蓄電装置。 - 前記積層体の前記溶接部は、前記導電部材との当接面と反対側に凹みが存在する請求項1に記載の蓄電装置。
- 前記導電部材の前記溶接部は、前記積層体との当接面と反対側に凹みが存在する請求項1に記載の蓄電装置。
- 前記溶接部は、複数に分割された前記積層体のうちの隣り合う2つにそれぞれ一つずつ設けられている請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の蓄電装置。
- 前記正極及び前記負極にはそれぞれ積層状態で溶接される前記活物質非塗布部としてのタブがそれぞれに形成され、両方の前記タブに前記溶接部が設けられている請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の蓄電装置。
- 請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の蓄電装置の構成を備えた二次電池。
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2012
- 2012-05-22 JP JP2012116607A patent/JP2013243083A/ja active Pending
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