JP2013242217A - 超音波流量計 - Google Patents

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Abstract

【課題】伝搬時間測定手段における回路の経路の違いによる時間差を適正な補正値により補正することで正確な流量を計測することができる超音波流量計を提供すること。
【解決手段】超音波センサ2から発信された超音波が被計測流体を伝搬し超音波センサ3で受信されるまでの超音波の伝搬時間を測定する伝搬時間測定手段11と、超音波センサ3から発信された超音波が被計測流体を伝搬し前記超音波センサ2で受信されるまでの超音波の伝搬時間を測定する伝搬時間測定手段12と、伝搬時間測定手段11と、伝搬時間測定手段12とを同一半導体内で構成し、半導体の遅延時間を測定する遅延時間測定手段14とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、特に超音波によって流速または流量を計測する装置に関するものである。
従来の超音波流量計は、図5に示すように、流路1に超音波センサA2および超音波センサB3を流れの方向に相対して設置しており、制御部4はタイマ5をスタートさせると同時に駆動回路6を動作させる。そして、まず、方向切り替え回路8により、超音波センサA2を送信側、超音波センサB3を受信側に設定し、駆動回路6により駆動された超音波センサA2から送信された超音波は、超音波センサB3で受信され、超音波センサB3の出力を受けた受信検知回路7により受信検知される。この際、タイマ5は超音波が送信されてから受信検知されるまでの伝搬時間TAを計測する。
次に、制御部4は方向切り替え回路8を動作させ超音波の伝搬方向を切り替える。つまり駆動回路6は超音波センサB3に接続され、超音波センサA2の受信出力は受信検知回路7に接続される。あとは前述した方法と同様に逆方向への超音波の伝搬時間TBを測定する。
そして、被計測流体の流速をV、被計測流体の流れ方向と超音波の伝搬経路の交差角をθ、2つの超音波センサ間の距離をLとすると、流速Vは次式で求めることができる。
V=L/2・cosθ・(1/TB−1/TA)
従って、流路の断面積をSとすると、被計測流体の流量Qは、
Q=S・L/2・cosθ・(1/TB−1/TA)
となる。
ここで、流路の断面積S、交差角θ、2つの超音波センサ間の距離Lは既知であるので、定数C=S・L/2・cosθとすると
Q=C・(1/TA−1/TB)=C・(TB−TB)/TA・TB・・・(式1)
と表すことができる。
しかしながら、実際には伝搬時間を測定する回路内の伝搬時間TAを測定している経路と伝搬時間TBを測定している経路とは異なる経路であり時間差が存在している。この時間差が流量測定時の誤差として発生するので、この誤差を解消するため流量がゼロのときのTAとTBとが同じ値となる補正値を保存手段9で保存し補正に使用している。
そして、回路内における経路の違いによる生じる時間差をΔTとして、次式で流量Qを求めることができる。
なお、次式では、回路の経路の違いによりTAよりもTBの方がより時間を要するものとして、式1のTAについては、ΔT/2加算し、TBについてΔT/2減算することで、誤差を解消するようにしている。
Q=C×[(TB−ΔT/2)−(TA+ΔT/2)]/[(TA+ΔT/2)×(TB−ΔT/2)]
特開平11−304559号公報
しかしながら前記従来の構成では、保存手段9に保存された補正値は定数であるため、温度や電源電圧、経年変化等により回路の動作が変化し、異なる計測経路間の時間差が変動した場合、正確な補正ができず測定誤差が発生していた。
本発明は前記従来の課題を解決するもので、誤差の少ない超音波流量計を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明の超音波流量計は、被計測流体が流れる流路と、前記流路の上流側に設置された超音波センサA及び下流側に設置された超音波センサBと、前記超音波センサAから発信された超音波が前記被計測流体を伝搬し前記超音波センサBで受信されるまでの超音波の伝搬時間TAを測定する伝搬時間測定手段Aと、前記超音波センサBから発信された超音波が前記被計測流体を伝搬し前記超音波センサAで受信されるまでの超音波の伝搬時間TBを測定する伝搬時間測定手段Bと、前記伝搬時間測定手段Aと前記伝搬時間測定手段Bと同一半導体内で構成し前記半導体の遅延時間を測定する遅延時間測定手段と、調整時における前記伝搬時間測定手段Aと前記伝搬時間測定手段Bの測定時間の時間差TdA、及び、前記遅延時間測定手段で計測された半導体の遅延時間TdBを保存する保存手段と、流量計測時における前記伝搬時間TAと前記伝搬時間TBとの時間差を、前記保存手段で保存した前記時間差TdAと前記遅延時間TdBと前記遅延時間測定手段で測定された遅延時間とで補正して流量を算出する演算手段を備えたもので、保存手段に保存した補正値を遅延時間測定手段の出力で補正するので、回路の遅延時間が変動した場合であっても適正な補正値を得ることができるものである。
本発明の超音波流量計は、伝搬時間測定手段における回路の経路の違いによる時間差を適正な補正値により補正することで正確な流量を計測することができる。
本発明の実施の形態1における全体のブロック図 本発明の伝搬時間測定手段Aの接続を示すブロック図 本発明の伝搬時間測定手段Bの接続を示すブロック図 本発明の遅延時間測定手段の回路を示す回路図 従来の超音波流量計の全体のブロック図
第1の発明は、被計測流体が流れる流路と、前記流路の上流側に設置された超音波センサA及び下流側に設置された超音波センサBと、前記超音波センサAから発信された超音波が前記被計測流体を伝搬し前記超音波センサBで受信されるまでの超音波の伝搬時間TAを測定する伝搬時間測定手段Aと、前記超音波センサBから発信された超音波が前記被計測流体を伝搬し前記超音波センサAで受信されるまでの超音波の伝搬時間TBを測定する伝搬時間測定手段Bと、前記伝搬時間測定手段Aと前記伝搬時間測定手段Bと同一半導体内で構成し前記半導体の遅延時間を測定する遅延時間測定手段と、調整時における前記伝搬時間測定手段Aと前記伝搬時間測定手段Bの測定時間の時間差TdA、及び、前記遅延時間測定手段で計測された半導体の遅延時間TdBを保存する保存手段と、流量計測時における前記伝搬時間TAと前記伝搬時間TBとの時間差を、前記保存手段で保存した前記時間差TdAと前記遅延時間TdBと前記遅延時間測定手段で測定された遅延時間とで
補正して流量を算出する演算手段を備えたものである。
そして、調整時に保存手段に保存した値は、伝搬時間測定手段A、Bの温度や動作電圧、経時変化により実際の値がずれるが、同様に遅延時間測定手段の値も変化するので、その変化量に応じて保存手段に保存した値を補正し、ほぼ実動時の伝搬時間測定手段Aと前記伝搬時間測定手段Bとのずれを補正するので、正確な測定結果を得ることができる。
第2の発明は、特に第1の発明において、前記遅延時間測定手段がリングオシレータと発振周波数測定手段により構成されているもので、半導体の遅延時間が遅くなると前記リングオシレータの発振周波数は遅くなる。そして、この発振周波数を前記発振周波数測定手段により測定することで、演算手段はこの発振周波数の変化量で半導体の遅延時間を得ることができもので、容易な構成で半導体内に遅延時間測定手段が実現できる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態における、超音波流量計の全体のブロック図を示すものである。図に示すように、本実施の形態の超音波流量計は、被計測流体が流れる流路1の上流側に設置された超音波センサA2と、下流側に設置された超音波センサB3と、超音波センサA2から発信された超音波が流路1内を満たしている被計測流体を伝搬し超音波センサB3で受信されるまでの超音波の伝搬時間TAを測定する伝搬時間測定手段A11と、逆に、超音波センサB3から発信された超音波が流路1内を満たしている被計測流体を伝搬し超音波センサA2で受信されるまでの超音波の伝搬時間TBを測定する伝搬時間測定手段B12と、伝搬時間測定手段A11と伝搬時間測定手段B12と同一半導体13内で構成し前記半導体の遅延時間を測定する遅延時間測定手段14を有している。
また、調整時に伝搬時間測定手段A11と伝搬時間測定手段B12とのとの時間差TdA、及び、遅延時間測定手段14で計測された半導体の遅延時間TdBを保存する保存手段15と、実際の流量計測時に測定された伝搬時間TA’と伝搬時間TB’との時間差TdA’を、保存手段15で保存した時間差TdAと遅延時間TdB及び遅延時間測定手段14で測定されたこの時の半導体の遅延時間TdB’で補正して流量を算出する演算手段16とを備える。
ここで、調整時には、流量をゼロとして、伝搬時間測定手段A11と伝搬時間測定手段B12で計測された伝搬時間TAと伝搬時間TBの時間差TdAを補正値として保存手段15で保存する。また、この時の時間差TdAは、半導体における伝搬時間測定手段A11と伝搬時間測定手段B12の経路の違いで生じるものであり、時間や温度によって変動を生じるものである。
図2および図3は本発明の第1の実施の形態における、超音波センサA2、超音波センサB3と伝搬時間測定手段A11および伝搬時間測定手段B12の接続経路の違いを示すブロック図であり、以下、本実施の形態について、図1〜3を用いて説明する。
まず、図2に示すように、方向切り替え回路8により、超音波センサA2が駆動回路6に、超音波センサB3が受信検知回路7に接続される。この状態において、制御部4はタイマ5をスタートさせると同時に駆動回路6を動作させる。そして、駆動回路6により駆動された超音波センサA2から送信された超音波は、流路内の被計測流体を伝搬して超音波センサB3で受信され、超音波センサB3の出力を受けた受信検知回路7により受信検知される。この際、タイマ5は超音波が送信されてから受信検知されるまでの順方向の伝
搬時間TAを計測する。
次に、図3に示すように、制御部4は方向切り替え回路8を動作させ超音波の伝搬方向を切り替える。つまり駆動回路6は超音波センサB3に接続され、超音波センサA2の受信出力は受信検知回路7に接続される。そして、伝搬時間TAの計測と同様に逆方向の伝搬時間TBを測定する。
ここで調整時に保存手段15に保存した時間差TdAは、伝搬時間測定手段A11、B12の温度や動作電圧、経時変化により実際の値とのずれが発生する。同様に遅延時間測定手段14で計測される半導体の遅延時間TdBの値も変化し、その変化は、伝搬時間測定手段A11と伝搬時間測定手段B12と遅延時間測定手段14とがいずれも同一半導体内で構成されているため、増減の値は相関のあるものとなる。
従って、流量計測時における伝搬時間測定手段A11と伝搬時間測定手段B12の経路の違いで生じる測定時間の時間差TdA’は、TdA’=TdA×(TdB’/TdB)として求めることができる。
演算手段16では、求めた時間差TdA’が実際の計測における伝搬時間測定手段A11と伝搬時間測定手段B12との経路により生じるとみなし補正値として流量を演算により算出する。
以上により、伝搬時間測定手段における回路の経路の違いによる時間差を適正な補正値により補正することで正確な流量を計測することができる。
図4は本発明の第1の実施の形態における遅延時間測定手段14を示す回路図であり、遅延時間測定手段14をリングオシレータ17とカウンタ18とで構成している。リングオシレータはNAND19と複数のインバータ20とでリング状に構成され、入力信号AがHIでNAND回路の入力に入っている期間リングオシレータ17は発振をし、その発振数をカウンタ18でカウントする。
ここで、入力信号AをLoとする期間を電圧変動や温度変化による影響を受けにくい発振子を利用し一定の時間に制御することで、この時間内のリングオシレータ17の発振数をカウントする。この発振数は遅延時間に反比例することになる。このようにして遅延時間を簡易な回路構成で半導体内部に実現することができる。
本発明の超音波流量計によると、伝搬時間測定手段における回路の経路の違いによる時間差を適正な補正値により補正することで正確な流量を計測することができる。
1 流路
2 超音波センサA
3 超音波センサB
11 伝搬時間測定手段A
12 伝搬時間測定手段B
14 遅延時間測定手段
15 保存手段
16 演算手段

Claims (2)

  1. 被計測流体が流れる流路と、
    前記流路の上流側に設置された超音波センサA及び下流側に設置された超音波センサBと、
    前記超音波センサAから発信された超音波が前記被計測流体を伝搬し前記超音波センサBで受信されるまでの超音波の伝搬時間TAを測定する伝搬時間測定手段Aと、
    前記超音波センサBから発信された超音波が前記被計測流体を伝搬し前記超音波センサAで受信されるまでの超音波の伝搬時間TBを測定する伝搬時間測定手段Bと、
    前記伝搬時間測定手段Aと前記伝搬時間測定手段Bと同一半導体内で構成し前記半導体の遅延時間を測定する遅延時間測定手段と、
    調整時における前記伝搬時間測定手段Aと前記伝搬時間測定手段Bの測定時間の時間差TdA、及び、前記遅延時間測定手段で計測された半導体の遅延時間TdBを保存する保存手段と、
    流量計測時における前記伝搬時間TAと前記伝搬時間TBとの時間差を、前記保存手段で保存した前記時間差TdAと前記遅延時間TdBと前記遅延時間測定手段で測定された遅延時間とで補正して流量を算出する演算手段を備えた超音波流量計。
  2. 前記遅延時間測定手段がリングオシレータと発振周波数測定手段からなる請求項1記載の超音波流量計。
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