JP4973035B2 - 超音波流量計 - Google Patents

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Description

本発明は、超音波信号の伝搬時間を計測することにより流速を検出し、流体の流量を計測する超音波流量計に関するものである。
従来、この種の流量計においては、ふたつの振動子間の送受信を複数回繰り返すことにより、計測分解能を高めるシングアラウンド法という手法を用いたものが提案されている。
図7は、シングアラウンド法を用いた超音波流量計のブロック図である。図7に示すように、流体管路1の途中に、超音波を送信する第1振動子2と、送信された超音波を受信する第2振動子3が流れ方向に配置されていて、ふたつの振動子を用いて超音波の伝搬時間を計測する計測制御手段4とで構成されている。
図7において、音速をC、流速をv、ふたつの振動子間の距離をL、超音波の伝搬方向と流れの方向とがなす角度をθとし、管路の上流側に配置された振動子2から超音波を送信し、下流側に配置された振動子3で受信した場合の伝搬時間をta、逆方向の伝搬時間をtbとした場合taおよびtbは次式で求めることができる。
ta=L/(C+v・cosθ) (式1)
tb=L/(C−v・cosθ) (式2)
(式1)および(式2)を変形し、(式3)で流速vが求まる。
v=L・(1/ta −1/tb)/2cosθ (式3)
(式3)で求めた値に流体管路の断面積Sと補正係数Kを掛ければ流体の瞬時流量Q、すなわち単位時間あたりの流量を求めることができる。
Q=v・S・K (式4)
ここで、(式4)のtaとtbの差は流速が小さいときには極めて微小であり、正確に計ることが困難であるので測定回数を多く設定し平均化することで、誤差を比較的小さくするとともに分解能を高めている。すなわち、上流側から下流側へ向けての超音波の伝搬をn回繰り返し、このn回の繰り返し送受信の所要時間をTaとし、下流側から上流側へ向けての超音波の伝搬をn回繰り返し、このn回の繰り返し送受信の所要時間をTbとすれば、Ta、Tbをnで割ることによって、1回当たりの伝搬時間taおよびtbが求められるので、この値を(式4)に代入することにより正確な流量を求めることができる。そして、このような繰り返し計測を間欠的に一定の周期τ(例えば2秒)で行い、(式4)で求めた瞬時流量Qと間欠周期τの積求めることによって、間欠周期τの間に流体管路1を通過した流体流量が求められるので、この値を積算することにより流体流量の積算値を求めることができる。
しかしながら、上記のような方法では、流れに周期的な変動がある場合には、間欠周期τの間に流速が常に変動しているため、計測が変動波形のどの位相で行われたかによって計測値に大きな誤差が生じてしまう。
そこで、変動波形の位相を満遍なく捕らえて、流速の平均値を求めて、正確な流量値を求める方法として、次のような方法が特許文献1で提案されている。図8は、この方法を説明するタイミングチャートであり、流速変化と計測タイミングの関係を示している。時
間τa1において、まず、流れの上流側の第1振動子2を送信側、下流側の第2振動子3を受信側として繰り返し計測を4回行った後、計測制御手段4が第1振動子2、第2振動子3の役割を切替えた後、時間τb1において繰り返し計測を4回実行する。
そして、この方向を変えて行った1組の計測を1セットとして、定められたセット数だけ計測が行われる。すなわち、図8で、時間τa2では、第1振動子2を送信側、第2振動子3を受信側とした計測を実行し、時間τb2では第1振動子2を受信側、第2振動子3を受信側とした繰り返し計測を実行し、これが第2セット目の計測となる。このように方向を変えた計測がトータルmセット実行され、計測制御手段4では、時間τamにおける上流側送信の伝搬時間計測値の合計値Taと時間τbmにおける下流側送信の伝搬時間の合計値Tbをそれぞれ求めた後、この値を各々の計測回数(4×m)で割って、計測1回当たりの平均値ta、tbを求めて(式3)、(式4)を用いて流体の流量平均値を求めて、これら一連の計測を一定の間欠周期で計測しながら積算流量を求めている。このとき、各計測セット間の計測間隔や、計測セット数を適当に定めることにより、流速の変動波形の各位相を満遍なく捉えられるようになるため、正確な流量が求めることができるようになる。
特開2003−28685号公報
しかしながら、前記従来の構成では、定められたセット数で構成される一連の計測処理の間、例えば数msという非常に短い時間間隔でサンプリング動作を実行し、かつ、各々のサンプリング結果を積算していく必要があるため、計測間隔の制御、計測セット数の制御、積算値の記憶のために、計測制御手段を構成している電子回路に電源を供給し続ける必要がある。そのため、電子回路において消費される電力が大きくなるため特に屋外設置のガスメータなどの場合には、大容量の電池が必要となり、経済性の面で課題があった。
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、一連の計測処理中の消費電力を低減して、周期性の流量変動に対する追従性を維持したまま、省電力の計測を実現する超音波流量計を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明の流体の超音波流量計は、動作周波数の高い高速クロック発生手段と、動作周波数の低い低速クロック発生手段と、高速クロックの動作を制御するクロック制御手段と、ふたつのクロック発生手段から供給されるクロックに基づいて動作しふたつの振動子と計時手段による計時動作を制御する計測制御手段を備え、クロック制御手段は計時手段の計時動作の一部でのみ高速クロック発生手段からのクロック供給を実行しているので、消費電力が大きくなる高速クロックの動作を必要最低限に抑えると同時にサンプリング間隔の自由度が高められる。
本発明の超音波流量計は、一連の計測処理の消費電力を低減することにより、周期性の流量変動に対する追従性を維持したまま、省電力の計測を実現することができる。
本願発明は、流体管路に設けられ超音波信号を送信する第1振動子と、前記第1振動子から送信された超音波信号を受信する第2振動子と、前記振動子間の超音波の伝搬時間を求める計時手段とを備え、前記計時手段は、低速クロックと同期して動作する低速カウンタと、高速クロックと同期して動作する高速カウンタと、前記高速クロックよりも更に高速な補助クロックに同期して動作する補助カウンタとを備え、前記低速カウンタの値と前記高速カウンタの値の和と、前記補助カウンタで求めた前記高速クロックと前記低速クロックの同期のずれとを用いて前記伝播時間を求め構成とすることで、消費電力が大きくなる高速クロックの動作を必要最低限に抑えることにより、一連の計測処理の消費電力を低減することができるので、短いサンプリング間隔での計測が可能となるので、流量変化に対しての追従性を高め、正確な伝搬時間の計測が可能となる。
また、前記低速クロックの発振周期を基に求めた前記高速クロックの発振周期を用いて、前記計時手段で求めた伝搬時間を補正するので、環境変化や経年変化に影響されずに、高精度の計測が実現できる。
また、更に前記補助クロックの発振周期を基に前記高速クロックの発振周期を求めることにより、より正確に高速クロックの発振周期を求めることができるので、計測精度を更に高めることができる。
また、前記高速クロックの発振周期を基に前記補助クロックの発振周期を求めることにより、短い時間で、補助クロックの検定が完了できるので、余分な消費電力を増やすことなく正確な時間計測が可能となる。
また、前記低速クロックの発振周期を基に前記補助クロックの発振周期を求めることにより、高い精度で補助クロックの検定が実行できるので、時間精度の高い計測が可能となる。
また、前記高速クロックをCR発振回路を用いて発生することにより、極めて短時間でクロックの発振周期が安定するので、極めて短い間隔での計測が可能となり、流量変化に対する追従性を高めることができる。
また、前記低速クロックを水晶発振回路を用いて発生することにより、極めて高精度の検定が可能となり、時間精度の高い計測が可能となる。
また、前記補助クロックをリングオシレータを用いて発生することにより、クロックの立ち上がりが極めて高速化されるので、わずかな時間差を正確に計測できるようになるため、時間精度の高い計測が可能となる。
また、前記計時手段の動作と並行して前記高速クロックの発振周期を求めることにより、余分な消費電力を増やすことなく、高精度の計測が可能となる。
また、前記計時手段の動作と並行して前記補助クロックの発振周期を求めることにより、余分な消費電力を増やすことなく、高精度の計測が可能となる。
また、前記計時手段に対す前記高速クロックの供給開始時間を計測対象の流体に応じて変更するので、計測対象の流体ごとに異なる伝搬時間に合わせて、受信波の到達する直前まで高速クロックを停止させることができるので、電力を効率的に利用することが可能である。
また、前記計時手段に対す前記高速クロックの供給開始時間を計測対象の流体温度に応じて変更するので、計測対象の流体温度ごとに異なる伝搬時間に合わせて、受信波の到達する直前まで高速クロックを停止させることができるので、電力を効率的に利用することが可能である。
また、前記計時手段に対す前記高速クロックの供給開始時間を過去の伝搬時間の履歴に応じて変更するので、計測対象の状態ごとに異なる伝搬時間に合わせて、受信波の到達する直前まで高速クロックを停止させることができるので、電力を効率的に利用することが可能である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態における流量計側装置のブロック図である。図1において、流体管路1の途中に超音波を送信する第1振動子2が流れの上流側に配置され、第1振動子2から送信された超音波を受信する第2振動子3が流れの下流側に配置されている。計測制御手段4は、第1振動子2と第2振動子3の間の超音波信号伝達の制御を司る電子回路でありデジタル回路とアナログ回路により構成されている。同期設定手段5は、計測制御手段4の処理タイミングを制御している。
計測制御手段4の構成は次の通りである。第1振動子2へ送信信号を出力する送信手段6と、第2振動子3で受信された受信信号を増幅する増幅手段7は、第1振動子2と第2振動子3の送受信の役割を切換える切換手段8を介して、第1振動子2および第2振動子3と接続されている。送信手段6の作用により第1振動子2から出力された超音波信号は第2振動子3で受信、増幅手段7で増幅された後、基準信号と比較手段9で比較され、基準信号と一致した時点で受信波が到達したものと判断される。この一連の計測の流れは、トリガ手段10から出力されるトリガパルスを起点として開始される。
このトリガパルスと同期して送信手段6の送信信号出力が開始されると同時に、計時手段11による計測も開始される。検定手段12は、同期設定手段5に備えられた複数のクロックの正確な発振周期を求めていて、補正手段13が、検定手段11で求められた伝搬時間と検定手段12で求められたクロックの発振周期を基に正確な伝搬時間を求め、その伝搬時間を用いて流量演算手段14で流体流量が求められる。
同期設定手段5の構成は次の通りである。低速クロック発生手段は水晶発振回路15により構成され、時間精度の高い同期クロックを計測制御手段4に供給する。高速クロック制御手段はCR発振回路16により構成されている。水晶発振回路15は常時動作していて計測制御手段4全体の時間管理を行っている。周期設定手段17は、一連の計測動作の処理時間間隔を制御するためのものであり、定められた時間が経過するとクロック制御手段18により起動信号が出力され、CR発振回路16が動作を開始する。
更に、CR発振回路16から発生されるクロック信号が安定する時間を待機した後、クロック制御手段18が高速クロックを計測制御手段4に同期クロックの供給を開始する。計測手制御手段4は同期クロックに基づいて、先に説明した一連の計測動作を実行する。また、補助クロック発生手段はリングオシレータ19により構成されていて、高速クロックの1周期よりも短い時間精度を実現するために用いられている。
図2は、計測制御手段4と同期設定手段5の関係を示すタイミングチャートである。計測制御手段4は、圧力変動の追従するため短い間隔、例えば図に示すように10ms毎に動作して流速を検知する。計測制御手段4による計測所要時間は、計測間隔に比べて非常に短い時間、例えば図に示すように0.5msである。計測制御手段4の動作は、計時手段11による時間計測や、送信手段6による送信信号波形の整形など、時間精度にするとnsのオーダーが要求されるため、これを実現するデジタル回路に対しては、比較的高速なクロック(例えば10MHz)を供給する必要がある。
しかし、nsオーダーの時間精度が常時要求されるわけではないため、必要に応じて間欠動作させることにより装置全体の省電力化が可能となる。そこで、図2に示すように、時間τ0で、クロック制御手段18が、CR発振回路16の動作を開始させ、CR発振回路16から供給される同期クロックと同期して計測制御手段4が動作を開始する。計測制御手段4では、まず、送信手段6に対して、振動子の発振周期と等しい矩形信号出力を実行するため、CR発振回路から出力される高速クロックと同期して信号を出力する。そして、この動作が終了すると同時に、時間τ1でクロック制御手段18は、CR発振回路の動作を停止させ高速クロックの供給を停止する。
そして、クロック制御手段18は、比較手段9が受信波を検知する直前のτ2から受信波を検知した後の必要な後処理を行った後のτ3までの間、再びCR発振回路16を動作させ、高速クロックを供給することにより、正確な時間計測を実行する。一方、水晶発振回路15はCR発振回路16に比べて非常に低速なクロック(例えば、電子時計の発振回路に使用される32.768kHz)で構成され、常時動作して装置全体の時間管理を行っている。すなわち、時間τ1から時間τ2までの、休止時間間隔の制御や、CR発振回路16が起動してから計測制御手段4が実際の計測処理を実行するまでの待機時間の制御は、水晶発振回路15から供給される低速同期クロックに基づいて行われる。
図3は、CR発振回路16の動作をより詳細に示すため、計測制御手段4の動作と同期クロックの動作の関係を示したタイミングチャートである。時間τ0でCR発振回路16から供給される高速クロックに基づいて、送信手段6から振動子1に対して矩形電圧が印加される。それと同時に、計時手段11が低速クロックの立ち上がりエッジをカウントクロックとして伝搬時間の計時を開始する。その後、受信波が比較手段9によって検出されるのが時間τSであるが、このτSの直前のτ2よりCR発振回路16から高速クロックの供給が開始される。そして、CR発振回路16の高速クロック周波数が安定する時間だけ経過した時間τ21以降の所要時間を高速クロックを用いて計時する。すなわち、τ0からτ21までの時間は、水晶発振回路15の低速クロックで計測し、τ21からτsまでの時間はCR発振回路16の高速クロックで計測し、それぞれで求めた時間の和から伝搬時間TAを求めている。そして、計時が完了すると、計時結果の記憶や伝送などの後処
理が施された後、時間τ3でクロック制御手段18が、CR発振回路16の動作を停止する。その後、水晶発振回路15から供給される低速クロックに基づいて、CR発振回路16の休止時間や、送信手段6による矩形電圧の印加開始時間が制御される。
以上説明したように、超音波の送受信タイミング近辺以外では、CR発振回路16からクロックを供給停止することにより、一連の計測処理の消費電力を低減することができるので、周期性の流量変動に対する追従性を維持したまま、省電力の計測を実現することができる。
図4は、計時手段11による伝搬時間の計測方法を詳細に説明するためのものである。高速クロックを伝搬時間の計時に用いるのはその周波数が十分安定するτ22以降であるが、この場合、低速クロックと高速クロックの発生タイミングが完全には同期していないので、ふたつのクロックを用いて求めた伝搬時間を単純に加算しただけでは誤差が発生することになる。そこで、高速クロックの立ち上がり信号の発生タイミングであるτ21でリングオシレータ19から非常に高速(例えば200MHz)の補助クロックを起動する。そして、高速クロックの立ち上がり信号の発生タイミングτ22まで動作させ、この間の補助クロックのカウント数から、高速クロックと低速クロックの同期のずれである時間TYを計測する。
次に、受信波の検知タイミングτSも高速クロックの発生タイミングと同期していないので、同期ずれを補正する必要がある。そこで、受信波形の検知タイミングτSでリングオシレータ19から補助クロックを起動する。そして、高速クロックの立ち上がり信号の発生タイミングτS1まで動作させ、この間の補助クロックのカウント数から、高速クロックと受信波の検知タイミングの同期のずれである時間TZを計測する。
一方、低速クロックを用いてτ0からτ21までの所要時間TWを計測し、高速クロックを用いてτ22からτS1までの所要時間TYを計測する。したがって、同期のずれを考慮した正確な伝搬時間TAは(式5)の通り求められる。
TA=TW+TX+TY−TZ (式5)
この方法を用いることにより、計時手段11の時間精度は補助クロックによって保証されることになるので、高速クロック周波数は、送信手段6の矩形波出力などのその他の処理タイミングに必要とされる時間精度に基づいて決定できる。よって、高速クロックの発振周波数を不必要に高める必要がなくなり、また、超高速の補助クロックの方も動作時間が非常に短いので、消費電力の増大もわずかなものとなる。したがって、計測精度を維持したまま、高速クロックと補助クロックの周波数の関係を適当に定めることにより更なる低消費電力化が可能である。
次に、検定手段12と補正手段13の動作・作用について説明する。高速クロック発生手段としては、消費電流を考慮すると立ち上がり時間の短いクロックの方が有利であるため、CR発振回路を使用している。ところが、CR発振回路の時間精度は優れたものでも1〜2%程度であり、水晶発振子の数10ppmには及ばない。仮に時間誤差が1%あると仮定した場合、流量値としての誤差は従来例で示した(式3)を基に求めると1%となる。すなわち、発振子が持つ時間誤差と同等の誤差が発生することになり、その他の誤差要因も含めると更に精度が悪くなる。
流量計の計測仕様として器差の値が例えば1%未満というような高い精度を要求される場合には、CR発振回路16の供給クロックをそのまま伝搬時間の計測に用いた場合には、精度の面で課題が生じる。そこで、検定手段12では、低速クロック発生手段として用いている高精度の水晶発振回路15の供給する低速クロックと、高速クロックの発振周期の比を基に、高速クロックの正確な発振周期を求めておく。そして補正手段13では、検定手段12で求めた高速クロックの発振周期を基に正確な伝搬時間を求めることができる。
図5を用いて具体的な方法について説明する。検定動作はまず、低速クロックの立ち上がりτaを起点として開始される。これと同時に、伝搬時間計測で用いた補助クロックを起動させ、次に高速クロックの立ち上がりが入力されるτbまでの時間を補助クロックでカウントする。なお、この時のカウント値をXとする。そして、低速クロックの次の立ち上がりエッジが入力されるτcで、再び、補助クロックを起動させ、次に高速クロックの立ち上がりエッジが入力されるτdまでの時間を補助クロックでカウントする。なお、このときのカウント値をYとする。
一方、これと並行して、τbからτdまでの時間を高速クロックを用いてカウントする。なお、この時のカウント値をNとする。
低速クロック、高速クロック、補助クロックの周期をそれぞれ、T1、T2、T3とするとT1は(式6)で表せる。
T1=N×T2+(X−Y)×T3 (式6)
ここで、T1は高精度の低速クロックの周期であるため、既知の値と判断できる。また、T2とT3の比が既知の値M(T2とT3の関係式については後述する。)であれば、T1とT2の関係式は(式7)のように求められる。
T2=T1/{N+(X−Y)/M} (式7)
ここで、T1は非常に高精度の値であるので、T2も同様に高精度の値として信頼性の高い値と認識できる。なお、ここでは、補助クロックを検定手段12の検定動作に用いる構成としているが、高速クロックと低速クロックの周波数の比が十分大きければ(例えば1000倍以上)であれば補助クロックを用いなくても、十分精度の高い検定値が得られることは言うまでもない。
また、補助クロックを用いる場合にあっては、計時手段11の計測処理に用いた補助クロックと同じものを用いることによって、回路構成の単純化を図ることが可能である。
また、補助クロックを用いる場合には、先に説明したように、補助クロックの周波数の値も既知である必要がある。補助クロックはリングオシレータを用いたものであるが、これは半導体プロセスのばらつきの影響で、個体間ばらつきが発生するので、これも検定してその結果を用いて校正しておけば伝搬時間精度を更に向上させることができる。
具体的方法を図6を用いて説明する。補助クロックの検定は、高速クロックを用いて行う。すなわち、時間τaにおける高速クロックの立ち上がりと同時に補助クロックを起動させ、次に高速クロックの立ち上がるτbで補助クロックを停止する。そして、この間にカウントされた補助クロックの数を知ることにより、両クロックの周期T2、T3の比を知ることができる。この方法では、直接T3の値を知ることはできないが、(式7)に両者の比Mの代入することにより、T2の値を校正することが可能となる。また、T2の値がわかれば、両者の比Mを用いて、同時にT3を求めることが可能である。ここで、T3の検定はT2を用いて行っているが、T2は高速クロックの周期であり、非常に短い時間で検定が可能であるため、検定作業に余分な消費電力を使うことがない。
補助クロックの校正は低速クロックを用いて行う構成であっても良い。この場合は、直接補助クロックの正確な周波数を知ることが可能である。
ここで、検定手段12の検定動作は図3で示した計測制御手段4の計測動作と並行して、すなわち送信手段6から振動子2に矩形電圧の印加を開始する時間τ1から、比較手段9によって受信波を検出するまでの時間τ2までの任意の時間において実行するようにすれば、検定動作のみを単独に実行する場合のように改めて高速クロックを動作させる必要がなくなるので、省電力効果を高めることができる。
(実施の形態2)
本発明の第2の実施の形態について説明する。超音波の伝搬速度(音速)は、伝搬する媒質の物性に依存する固有の値である。計測対象の流体が特定されている場合には、音速Cと流体温度Tは、K1およびK2を定数として、(式8)のような近似式で関係付けられる。
C=K1・T+K2 (式8)
なお、(式8)におけるK1、K2は流体固有の定数である。よって、計測対象の流体が定まり、更に使用温度範囲が特定されれば、(式8)の音速の取り得る範囲が定まることになる。したがって、計測対象の流体に応じて、図3におけるCR発振回路16の起動時間τ2を変更することにより、無駄な消費電力を低減することが可能となる。
更に、τ2の最適化を図る方法として、流体温度に応じて、τ2の値を変更する構成であっても良い。(式1)において、Cが流速vより十分大きいとすると、(式9)のように変形できる。
t1=(L/C)・{1+(v/C)・cosθ}−1
≒(L/C)・{1−(v/C)・cosθ} (式9)
同様に、(式2)は(式10)のように変形できる。
t2=(L/C)・{1−(v/C)・cosθ}−1
≒(L/C)・{1+(v/C)・cosθ} (式10)
したがって、(式9)および(式10)により(式11)が導き出せる。
t1+t2=2L/C (式11)
(式11)より、往復の伝搬時間の合計値は流速に関わらず一定の値となる。ここで、音速Cは流体温度により定まる値であるが、流体温度は急激に変化することがないと考えられるので、短時間では大きな変化がないと考えて良い。よって、直前に計測したt1とt2の和、あるいは、定められた回数の過去t1とt2の和の平均値を求めるなどのように、伝搬時間の過去の履歴を知ることにより、音速を知ることができる。よって、CR発振回路16による高速クロックの供給開始時間τ2の最適値を設定することが可能となる。
なお、上記のような伝搬時間の和を求めて流体温度を方法ではなく、温度センサを備えて流体温度を直接検知して、t2の値を最適化する構成であっても、同様の効果を得られることは言うまでもない。
以上のように、本発明に係る超音波流量計は、気体、液体の流速、流量の計測が可能となるので、ガスメータ、水道メータに適用できる。
本発明の実施の形態1における超音波流量計のブロック図 本発明の実施の形態1における計測制御手段の動作を説明するタイミングチャート 本発明の実施の形態1における計測制御手段の動作を説明する別のタイミングチャート 本発明の実施の形態1における計時手段の動作を説明するタイミングチャート 本発明の実施の形態1における高速クロックの検定方法を説明するタイミングチャート 本発明の実施の形態1における補助クロックの検定方法を説明するタイミングチャート 従来の超音波流量計のブロック図 従来の超音波流量計の動作を説明するタイミングチャート
符号の説明
1 流体管路
2 第1振動子
3 第2振動子
4 計測制御手段
11 計時手段
12 検定手段
13 補正手段
14 流量演算手段
15 水晶発振回路
16 CR発振回路
18 クロック制御手段
19 リングオシレータ

Claims (13)

  1. 流体管路に設けられ超音波信号を送信する第1振動子と、
    前記第1振動子から送信された超音波信号を受信する第2振動子と、
    前記振動子間の超音波の伝搬時間を求める計時手段とを備え、
    前記計時手段は、
    低速クロックと同期して動作する低速カウンタと、
    高速クロックと同期して動作する高速カウンタと、
    前記高速クロックよりも更に高速な補助クロックに同期して動作する補助カウンタとを備え、
    前記低速カウンタの値と前記高速カウンタの値の和と、前記補助カウンタで求めた前記高速クロックと前記低速クロックの同期のずれとを用いて前記伝播時間を求める超音波流量計。
  2. 前記低速クロックの発振周期を基に求めた前記高速クロックの発振周期を用いて、前記計時手段で求めた伝搬時間を補正する請求項に記載の超音波流量計。
  3. 更に前記補助クロックの発振周期を基に前記高速クロックの発振周期を求める請求項に記載の超音波流量計。
  4. 前記高速クロックの発振周期を基に前記補助クロックの発振周期を求める請求項に記載の超音流量計。
  5. 前記低速クロックの発振周期を基に前記補助クロックの発振周期を求める請求項に記載の超音波流量計。
  6. 前記高速クロックをCR発振回路を用いて発生する請求項1からいずれか1項に記載の超音波流量計。
  7. 前記低速クロックを水晶発振回路を用いて発生する請求項1からいずれか1項に記載の超音波流量計。
  8. 前記補助クロックをリングオシレータを用いて発生する請求項1から7いずれか1項に記載の超音波流量計。
  9. 前記計時手段の動作と並行して前記高速クロックの発振周期を求める請求項またはに記載の超音波流量計。
  10. 前記計時手段の動作と並行して前記補助クロックの発振周期を求める請求項またはに記載の超音波流量計。
  11. 前記計時手段に対す前記高速クロックの供給開始時間を計測対象の流体に応じて変更する請求項1から10いずれか1項に記載の超音波流量計。
  12. 前記計時手段に対す前記高速クロックの供給開始時間を計測対象の流体温度に応じて変更する請求項1から10いずれか1項に記載の超音波流量計。
  13. 前記計時手段に対す前記高速クロックの供給開始時間を過去の伝搬時間の履歴に応じて変更する請求項1から10いずれか1項に記載の超音波流量計。
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