JP2013242002A - 摺動式トリポード型等速ジョイント - Google Patents

摺動式トリポード型等速ジョイント Download PDF

Info

Publication number
JP2013242002A
JP2013242002A JP2012115900A JP2012115900A JP2013242002A JP 2013242002 A JP2013242002 A JP 2013242002A JP 2012115900 A JP2012115900 A JP 2012115900A JP 2012115900 A JP2012115900 A JP 2012115900A JP 2013242002 A JP2013242002 A JP 2013242002A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tripod
retainer
tripod shaft
rolling element
shaft
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2012115900A
Other languages
English (en)
Inventor
Takeshi Kamikawa
剛 上川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JTEKT Corp
Original Assignee
JTEKT Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JTEKT Corp filed Critical JTEKT Corp
Priority to JP2012115900A priority Critical patent/JP2013242002A/ja
Publication of JP2013242002A publication Critical patent/JP2013242002A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Rolling Contact Bearings (AREA)

Abstract

【課題】転動体を確実に抜け止めするとともに、組付けおよび分解に適し、転動体のロックを防止することにより摺動抵抗の増加を抑制する摺動式トリポード型等速ジョイントを提供することを目的とする。
【解決手段】摺動式トリポード型等速ジョイント1は、転動体40の端部と接触して当該転動体40のトリポード軸22に対する軸方向移動を規制する環状の規制部51と、規制部51の内周縁に形成され環状溝に嵌め込まれ、周方向に離間して配置される複数の嵌入部52と、各嵌入部52からトリポード軸22の先端側に延びるようにそれぞれ形成された複数の爪部53と、により構成されるリテーナ50を備える。
【選択図】図3

Description

本発明は、摺動式トリポード型等速ジョイントに関するものであり、特に、転動体を抜け止めするリテーナに関するものである。
摺動式トリポード型等速ジョイントには、外輪の軌道溝に挿入されるローラをトリポード軸が転動体を介して支持するものがある。トリポード軸の外周に配置される複数の転動体は、止め輪に係止されたリテーナにより軸方向移動を規制されて抜け止めされている。このような摺動式トリポード型等速ジョイントにおいては、低コスト化、軽量化などの観点から部品点数の削減が望まれている。
そこで、例えば、特許文献1には、リテーナの内周に形成された係止片により、止め輪を使用することなく、リテーナをトリポード軸に装着するものが開示されている。また、特許文献2には、止め輪に転動体を接触させることにより、リテーナを使用することなく転動体を抜け止めするものが開示されている。
実開昭61−204026号公報 特開2009−14178号公報
ところで、このような転動体の抜け止め構造において、組付けた後に分解するにはリテーナをトリポード軸から抜き出すことになる。しかし、特許文献1のトリポード軸の環状溝に嵌合されたリテーナは、全周に亘って一体に形成されており、リテーナの内径がトリポード軸の外径よりも小さい構造となっているため、トリポード軸とリテーナの間に工具を挿入しづらく分解が容易でない。
特許文献2のトリポード軸の環状溝に嵌合された止め輪(サークリップ)は、円周方向の一箇所で分断している(C字形である)ため、トリポード軸から分解可能であるが、転動体との当たり面には断続部がある。従って、転動体がトリポード軸の先端側に押し上げられ、止め輪に接触した状態でトリポード軸回りを回った場合、断続部に転動体が引っ掛かり、ロックする懸念がある。転動体がロックすると、摺動抵抗が大きくなり、摩耗が増加し、耐久性が低下するという問題が発生する。
本発明は、このような事情を鑑みてなされたものであり、転動体を確実に抜け止めするとともに、組付けおよび分解に適し、転動体のロックを防止することにより摺動抵抗の増加を抑制する摺動式トリポード型等速ジョイントを提供することを目的とする。
(請求項1)本発明に係る摺動式トリポード型等速ジョイントは、内周面に回転軸方向に延びる3本の軌道溝を形成された外輪と、前記外輪の内周側に配置され、各前記軌道溝まで径方向外方にそれぞれ延びる3本のトリポード軸を有するトリポードと、各前記トリポード軸の外周側に配置され各前記軌道溝に回転可能に挿入される3つのローラと、各前記ローラの内周面と各前記トリポード軸の外周面との間に転動可能に介在し軸状からなる複数の転動体と、各前記トリポード軸に装着され複数の前記転動体を全周に亘り抜け止めする3つのリテーナと、を備え、前記トリポード軸には環状溝が形成され、前記リテーナは、前記転動体の端部と接触して当該転動体の前記トリポード軸に対する軸方向移動を規制する環状の規制部と、前記規制部の内周縁に形成され前記環状溝に嵌め込まれ、周方向に離間して配置される複数の嵌入部と、各前記嵌入部から前記トリポード軸の先端側に延びるようにそれぞれ形成された複数の爪部と、により構成される摺動式トリポード型等速ジョイント。
(請求項2)また、前記トリポード軸の外周面と前記リテーナの前記複数の爪部との間、または、前記トリポード軸の前記環状溝の溝底面と前記リテーナの各前記嵌入部との間、に隙間が設けられているようにしてもよい。
(請求項3)また、前記リテーナの前記規制部の内周縁には、各前記嵌入部の周方向の間に位置する部位において、前記規制部の厚み方向の全長に亘り径方向外側に向かって切り欠きされた凹状部が形成され、前記凹状部の径方向最外部は、前記規制部の外周縁よりも径方向内側に位置するようにしてもよい。
(請求項4)また、前記リテーナの前記凹状部の径方向最外部は、前記規制部において前記転動体の端部と接触し得る部位よりも径方向内側となるように形成されているようにしてもよい。
(請求項1)本発明によれば、リテーナは、規制部の内周縁に形成された複数の嵌入部がトリポード軸の環状溝に嵌り込むことにより装着され、規制部によって転動体の軸方向移動を規制することができる。よって、従来のように止め輪を要さないので部品点数を削減し、転動体を確実に抜け止めできる。また、このリテーナは、複数の嵌入部の内周がトリポード軸の外径よりも大きくなるように広げられると、トリポード軸に対して着脱可能となる。そのため、リテーナの組付け時には、嵌入部がトリポード軸の先端部とそれぞれ接触して押し広げられ、さらに押し下げられると嵌入部が環状溝に嵌り込んで装着される。このように、組付けの専用工具を要することなく装着できるので、組付け性を向上させることができる。
また、複数の嵌入部には、トリポード軸の先端側に延びる爪部がそれぞれ形成されている。よって、この爪部をリテーナの径方向に押し広げることで、これに伴って爪部が形成されている嵌入部が広がることになる。そして、この爪部とトリポード軸の外周面との間に工具を挿入することで、リテーナを容易に押し広げることが可能である。よって、各爪部を径方向外側に押し広げることにより、各嵌入部がトリポード軸の環状溝から外れて、リテーナを取り外し可能な状態とすることができる。従って、等速ジョイントの分解に適した構造にすることができる。さらに、転動体の端部と接触する規制部が環状に形成されているため、転動体がリテーナとの間でロックすることを防止し、摺動抵抗が増加することを抑制できる。
(請求項2)本発明によれば、トリポード軸の外周面とリテーナの爪部との間に隙間が設けられている場合には、嵌入部が環状溝に嵌り込んで密着している状態にあっても、この隙間に工具を挿入して容易に押し広げることが可能である。また、トリポード軸の環状溝の溝底面とリテーナの嵌入部との間に隙間が設けられている場合には、嵌入部を環状溝の溝底に向かって押し付けることにより、当該嵌入部とトリポード軸を挟んで反対側に位置するリテーナの爪部とトリポード軸の外周面との間に隙間が形成される。そして、この隙間に工具を挿入して容易に嵌入部を押し広げることができる。よって、各嵌入部の内周面を環状溝の外側に移動させて容易にリテーナを取り外し可能にできる。
(請求項3)本発明によれば、規制部の内周縁には凹状部が形成されている。これにより、規制部の内周縁のうち凹状部の両側に位置する両部位は相対的に変形しやすくなる。このように、規制部の内周縁の変形を促すことにより、爪部が押し広げられた場合に嵌入部を広がり易くすることができる。従って、リテーナの取り外しを容易にすることができる。
(請求項4)本発明によれば、転動体の端部が凹状部に係ることがないので、規制部は転動体の循環を妨げることなく好適に転動体の軸方向移動を規制することができる。また、規制部において転動体の端部と接触し得る部位に凹状部の径方向最外部が近接するほど、規制部の内周縁の変形を促すことができるので、転動体を確実に抜け止めするとともにリテーナの着脱を容易にすることができる。
実施形態における等速ジョイントの一部の径方向断面図である。 リテーナの全体を示す斜視図である。 トリポード軸に装着されたリテーナを拡大して示す径方向断面図である。 リテーナを取り外す第一工程を示す図である。 リテーナを取り外す第二工程を示す図である。 リテーナを取り外す第三工程を示す図である。
<実施形態>
以下、本発明の摺動式トリポード型等速ジョイント(以下、単に「等速ジョイント」と称する)を具体化した実施形態について図面を参照して説明する。ここで、本実施形態の等速ジョイントは、車両の動力伝達シャフトの連結に用いる場合を例示する。この等速ジョイントは、例えば、ディファレンシャルギヤと車軸を連結するドライブシャフトに用いられる。
(等速ジョイントの構成)
等速ジョイント1は、図1に示すように、外輪10と、トリポード20と、ローラ30と、転動体40と、リテーナ50とから構成される。外輪10は、有底筒状に形成されており、一端側において一体的に形成された連結軸部がディファレンシャルギヤに連結されている。そして、外輪10の筒状部分の内周面には、外輪10の回転軸方向(図1の前後方向)に延びる3本の軌道溝11が形成されている。
これら3本の軌道溝11は、筒状部分の内周面において、外輪10の回転軸の周方向に等間隔(120deg間隔)に形成されている。なお、図1においては、1本の軌道溝11のみを示している。各軌道溝11の溝延伸方向に直交する断面形状は、外輪10の回転軸中心に向かって開口するコ字状をなしている。つまり、各軌道溝11は、ほぼ平面状に形成される溝底面と、相互に対向し深さ方向中央部における対向距離が最も大きくなるように円弧凹状に形成される両側の溝側面とから構成される。
トリポード20は、外輪10の筒状部分の内周側に配置されている。このトリポード20は、ボス部21と、3本のトリポード軸22とから構成される。ボス部21は、筒状からなり、その内周側には内歯スプライン21aが形成されている。内歯スプライン21aは、図示しない中間シャフトの端部に形成された外歯スプラインに嵌め合うように連結される。また、ボス部21の外周面は、ほぼ球面凸状に形成されている。
それぞれのトリポード軸22は、ボス部21の外周面からボス部21の径方向外方にそれぞれ延びるように設けられている。これらのトリポード軸22は、ボス部21の周方向に等間隔(120deg間隔)に形成されている。そして、それぞれのトリポード軸22の少なくとも先端部は、外輪10の各軌道溝11に挿入されている。また、トリポード軸22は、円柱状からなり、その基端には段差部22aが形成され、先端部にはリテーナ50を装着するために周方向全周に亘って環状溝22bが形成されている。
3つのローラ30は、環状からなり各トリポード軸22の外周側に配置される。このローラ30の外周面は、軌道溝11に対応する形状、即ち軌道溝11の溝側面を反転した円弧凸状からなる。そして、ローラ30は、その中心軸が外輪回転軸に直交する姿勢で、外輪10の軌道溝11の溝側面に回転可能に挿入される。また、ローラ30の内周面は、ローラ30の中心軸方向に亘ってほぼ同径に形成された円筒形状となっている。
転動体40は、各ローラ30の内周面と各トリポード軸22の外周面との間に転動可能に介在し軸状からなるニードルローラである。つまり、転動体40は、トリポード軸22の外周を循環するように転動する。そして、この転動体40におけるトリポード軸22の根元側の端部は、トリポード軸22の基端に形成された段差部22aと接触している。このような転動体40がトリポード軸22の外周に複数配置されている。
リテーナ50は、転動体40よりもトリポード軸22の先端側に配置され、各トリポード軸22にそれぞれ装着される。このリテーナ50は、トリポード軸22の外周に配置された複数の転動体40を全周に亘り抜け止めする部材である。リテーナ50は、トリポード軸22の環状溝22bに嵌め込まれて、トリポード軸22に対する軸方向移動を規制されている。これにより、転動体40は、トリポード軸22の段差部22aとリテーナ50との間に挟まれるように配置されることで、抜け止めされている。
(リテーナの詳細構成)
リテーナ50の詳細構成について図2および図3を参照して説明する。リテーナ50は、図2に示すように、全体形状としては環状からなり、規制部51と、複数の嵌入部52と、複数の爪部53と、筒状部54とから構成される。規制部51は、環状の平板からなり、転動体40におけるトリポード軸22の先端側の端部と接触して当該転動体40の軸方向移動を規制する部位である。ここで、規制部51における「環状」とは、全周に亘って一体に形成された、周方向に継ぎ目のない形状をいう。
複数の嵌入部52は、規制部51の内周縁から径方向内方に突出するように、且つ内周縁に沿った円弧状にそれぞれ形成されている。嵌入部52は、本実施形態においては図3に示すように、断面形状がコ字状をなし、リテーナ50の軸方向(図3の上下方向)の幅がトリポード軸22における環状溝22bの溝幅よりも僅かに小さくなるように設定されている。このような嵌入部52が、規制部51の周縁部において周方向に離間して3箇所に形成されている。そして、各嵌入部52が、トリポード軸22の環状溝22bにそれぞれ嵌め込まれることにより、トリポード軸22に対するリテーナ50の軸方向移動が規制される構成となっている。
複数の爪部53は、リテーナ50を取り外す際に工具に操作される部位であって、各嵌入部52からトリポード軸22の先端側に延びるようにそれぞれ形成されている。本実施形態においては、リテーナ50は、規制部51の内周縁に3つの嵌入部52を有しているため、それぞれの嵌入部52に対応する3つの爪部53を有している。また、複数の爪部53は、規制部51と同心の円周上に位置するように、即ち環状の規制部51の中心からの距離が等しくなるように配置される。これにより、複数の爪部53は、トリポード軸22の外周面との間に全周に亘ってほぼ均一の隙間を設けられている。
筒状部54は、リテーナ50の軸方向に延びる円筒状からなり、一端側(図3の下側)を規制部51の外周縁に連結されている。この筒状部54は、他端側の外径が徐々に拡径するように形成され、ローラ30を抜け止めしている。これにより、トリポード20にローラ30、転動体40、およびリテーナ50が配置された組立体が、外輪10の内周側に配置される前において、その組付け状態を維持することを可能としている。
さらに、規制部51の内周縁には、図2に示すように、各嵌入部52の周方向の間に位置する部位に複数のスリット51aが形成されている。複数のスリット51aは、規制部51の厚み方向の全長に亘り径方向外側に向かって切り欠きされた凹状部であって、周方向に等間隔で3箇所に形成されている。より詳細には、スリット51aの最外部Peは、図3に示すように、規制部51において転動体40の端部と接触し得る部位の径方向範囲Rtよりも径方向内側に位置するように形成されている。
ここで、スリット51aの最外部Peとは、環状の規制部51の中心から径方向に最も離間した部位であって、凹状をなすスリット51aの底部である。また、規制部51において転動体40の端部と接触し得る部位の径方向範囲Rtとは、等速ジョイント1の運用状態において、トリポード軸22の外周面とローラ30の内周面との間に介在する転動体40が多少の自由度をもって径方向に移動可能な状態にあり、その自由度に応じて変動する接触範囲である。つまり、上記のような構成とすることにより、等速ジョイント1の運用状態においては、転動体40の端部がスリット51aに引っ掛かることがないようにしている。
リテーナ50は、上記のような構成からなり、トリポード軸22に装着される際には、トリポード軸22の先端側から押し込むことにより、全ての嵌入部52がトリポード軸22の先端部とそれぞれ接触し、規制部51の弾性力に抗して押し広げられる。そして、さらに押し下げられると嵌入部52がトリポード軸22の環状溝22bに嵌り込んで装着される。これにより、ローラ30および複数の転動体40がトリポード軸22に対して軸方向移動を規制されるとともに、ローラ30が複数の転動体40を介してトリポード軸22の中心軸回りに回転可能となる。
(リテーナの取り外し)
続いて、リテーナ50の取り外し工程について図4〜図6を参照して説明する。ここで、リテーナ50の取り外しに用いられる工具Tは、例えば、円筒状からなり、内径がトリポード軸22の外径よりも僅かに大きく設定され、図4に示すように、軸方向端面を切り欠いたような曲面を形成されているものとしている。先ず、リテーナ50を取り外す第一工程では、各爪部53とトリポード軸22の外周面との間に設けられた隙間に工具Tの先端部を挿入する(図4参照)。
次に、第二工程では、工具Tをトリポード軸22の根元側に押し込むと、図5に示すように、各爪部53の先端が工具Tの曲面に沿って径方向外方に移動する。この爪部53の移動に伴い、スリット51aが形成されている規制部51の内周縁が弾性変形して、爪部53が設けられた嵌入部52が徐々に拡径することになる。そして、嵌入部52の上端がトリポード軸22の外周面より外側に移動した際に、嵌入部52の内周面とトリポード軸22の外周面との隙間に工具Tの先端が挿入される。
続いて、第三工程では、工具Tをトリポード軸22の根元側にさらに押し込むと、図6に示すように、各爪部53の先端がさらに径方向外方に移動する。このように、円筒状の工具Tの軸方向移動によって3つの爪部53が同時に拡径される。そして、3つの爪部53が所定量だけ拡径されると、各嵌入部52の内周面が環状溝22bの外側に移動される。これにより、リテーナ50の内径がトリポード軸22の外径よりも大きくなり、リテーナ50をトリポード軸22の先端側から抜き取り可能な状態となる。よって、後工程において、例えば、リテーナ50と工具Tを一体的にトリポード軸22から抜き取ることにより、リテーナ50が取り外される。
(実施形態の構成による効果)
上述した等速ジョイント1によると、リテーナ50は、規制部51の内周縁に形成された複数の嵌入部52がトリポード軸22の環状溝22bに嵌り込むことにより装着され、規制部51によって転動体40の軸方向移動を規制することができる。よって、従来のように止め輪を要さないので部品点数を削減し、転動体40を確実に抜け止めできる。
また、従来のように止め輪でリテーナを係止する場合には、当然ながら止め輪がリテーナに対してリテーナの板厚分だけトリポード軸の先端側に位置するため、トリポード軸の環状溝もリテーナの板厚分だけトリポード軸の先端側に形成されていた。これに対して、本実施形態では、止め輪を用いることなくリテーナ50のみでローラ30および転動体40の軸方向移動を規制する構成としている。つまり、リテーナ50の嵌入部52をトリポード軸22の環状溝22bに嵌入する構成としているので、トリポード軸22の環状溝22bを少なくともリテーナ50の板厚分だけ根元側に形成することができる。これにより、トリポード軸22の軸方向長さを短縮することができるため、トリポード軸22の先端と接触しないように形成されている外輪10の内周をより小径に形成できる。従って、外輪10を従来よりも小径にできるため、全体として小型化することが可能となる。
上記の構成からなるリテーナ50は、複数の嵌入部52の内周がトリポード軸22の外径よりも大きくなるように広げられると、トリポード軸22に対して着脱可能となる。そのため、リテーナ50の組付け時には、各嵌入部52がトリポード軸22の先端部とそれぞれ接触して、各嵌入部52の内周がリテーナ50の径方向に押し広げられるようにしながら各嵌入部52をトリポード軸22の根元側に押し下げることにより装着することができる。このように、組付けの専用工具を要することなく装着できるので、組付け性を向上させることができる。
また、リテーナ50は、各爪部53をリテーナ50の径方向に押し広げることで、嵌入部52を拡径可能な構成としている。そして、この爪部53とトリポード軸22の外周面との間に隙間を設けているため、嵌入部52が環状溝22bに嵌り込んで密着している状態にあっても、この隙間に工具Tを挿入して容易に押し広げることが可能である。よって、各爪部53を径方向外側に押し広げることにより、各嵌入部52がトリポード軸22の環状溝22bから外れて、リテーナ50を取り外し可能な状態とすることができる。従って、等速ジョイント1の分解に適した構造にすることができる。さらに、転動体40の端部と接触する規制部51が環状に形成されているため、転動体40がリテーナ50との間でロックすることを防止し、摺動抵抗が増加することを抑制できる。
さらに、複数の爪部53は、規制部51と同心の円周上に配置されている。即ち、複数の爪部53は、環状の規制部51の中心からの距離が等しくなるように配置されることになる。そのため、複数の爪部53は、トリポード軸22の外周面に対してほぼ均一の隙間を設けられ、この隙間に円筒状の工具Tを挿入することにより拡径される。そして、各爪部53を所定量だけ拡径することにより、各嵌入部52の内周面を環状溝22bの外側に移動させてリテーナ50を取り外し可能にできる。
また、規制部51の内周縁にはスリット51aが形成されている。これにより、規制部51の内周縁のうちスリット51aの両側に位置する両部位は相対的に変形しやすくなる。このように、規制部51の内周縁の変形を促すことにより、爪部53が押し広げられた場合に嵌入部52を広がり易くすることができる。従って、リテーナ50の取り外しを容易にすることができる。
また、スリット51aの最外部Peは、規制部51において転動体40の端部と接触し得る部位の径方向範囲Rtよりも径方向内側に位置するように形成されるものとした。これにより、転動体40の端部とスリット51aの引っ掛かりを防止できるので、規制部51は転動体40の循環を妨げることなく好適に転動体40の軸方向移動を規制することができる。また、規制部51において転動体40の端部と接触し得る部位にスリット51aの最外部Peが近接するほど、規制部51の内周縁の変形を促すことができる。
<実施形態の変形態様>
本実施形態において、複数の嵌入部52は、規制部51の内周縁に円弧状に形成されるものとした。これに対して、嵌入部52は、規制部51の内周縁に複数、好ましくは3箇所以上形成され、トリポード軸22の環状溝22bに嵌り込むものであればよく、円周方向の長さは適宜設定されるものとしてもよい。同様に、複数の爪部53についても各嵌入部52にそれぞれ形成されていればよく、嵌入部52と同程度の周方向長さを有しない突起としてもよい。
また、規制部51に形成される凹状部として、本実施形態ではスリット51aが形成されるものとした。これに対して、各嵌入部52が周方向に離間する場合には、それに応じて幅広の凹状部が形成されるものとしてもよい。その他にも、規制部51の凹状部は、例えばスリット状のものが嵌入部52の両脇に位置するようにしてもよい。このように、嵌入部52および凹状部の形状または数量を適宜設定することにより、リテーナ50の組付け性などを調整することが可能である。
本実施形態において、複数の爪部53は、トリポード軸22の外周面との間に全周に亘ってほぼ均一の隙間を設けられる構成とした。これに対して、各爪部53の一部にのみ、リテーナ50の取り外しに用いられる工具が挿入されるための隙間をそれぞれ設けるようにしてもよい。
また、リテーナ50は、トリポード軸22に装着された状態において、複数の爪部53がトリポード軸22の外周面と接触または僅かに離間するものとし、トリポード軸22の環状溝22bの溝底面とリテーナの各嵌入部52との間に隙間を設けられる構成としてもよい。このような構成では、嵌入部52を環状溝22bの溝底に向かって押し付けることにより、当該嵌入部52とトリポード軸22を挟んで反対側に位置するリテーナ50の爪部53とトリポード軸22の外周面との間に隙間が形成される。そして、この隙間に工具を挿入して容易に嵌入部52を押し広げることができる。よって、各嵌入部52の内周面を環状溝の外側に移動させて容易にリテーナを取り外し可能にできる。
1:等速ジョイント、 10:外輪、 11:軌道溝、 20:トリポード、 22:トリポード軸、 22b:環状溝、 30:ローラ、 40:転動体、 50:リテーナ、 51:規制部、 51a:スリット(凹状部)、 52:嵌入部、 53:爪部

Claims (4)

  1. 内周面に回転軸方向に延びる3本の軌道溝を形成された外輪と、
    前記外輪の内周側に配置され、各前記軌道溝まで径方向外方にそれぞれ延びる3本のトリポード軸を有するトリポードと、
    各前記トリポード軸の外周側に配置され各前記軌道溝に回転可能に挿入される3つのローラと、
    各前記ローラの内周面と各前記トリポード軸の外周面との間に転動可能に介在し軸状からなる複数の転動体と、
    各前記トリポード軸に装着され複数の前記転動体を全周に亘り抜け止めする3つのリテーナと、を備え、
    前記トリポード軸には環状溝が形成され、
    前記リテーナは、
    前記転動体の端部と接触して当該転動体の前記トリポード軸に対する軸方向移動を規制する環状の規制部と、
    前記規制部の内周縁に形成され前記環状溝に嵌め込まれ、周方向に離間して配置される複数の嵌入部と、
    各前記嵌入部から前記トリポード軸の先端側に延びるようにそれぞれ形成された複数の爪部と、により構成される摺動式トリポード型等速ジョイント。
  2. 前記トリポード軸の外周面と前記リテーナの前記複数の爪部との間、または、前記トリポード軸の前記環状溝の溝底面と前記リテーナの各前記嵌入部との間、に隙間が設けられている、請求項1の摺動式トリポード型等速ジョイント。
  3. 前記リテーナの前記規制部の内周縁には、各前記嵌入部の周方向の間に位置する部位において、前記規制部の厚み方向の全長に亘り径方向外側に向かって切り欠きされた凹状部が形成され、
    前記凹状部の径方向最外部は、前記規制部の外周縁よりも径方向内側に位置する、請求項1または2の摺動式トリポード型等速ジョイント。
  4. 前記リテーナの前記凹状部の径方向最外部は、前記規制部において前記転動体の端部と接触し得る部位よりも径方向内側となるように形成されている、請求項3の摺動式トリポード型等速ジョイント。
JP2012115900A 2012-05-21 2012-05-21 摺動式トリポード型等速ジョイント Pending JP2013242002A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012115900A JP2013242002A (ja) 2012-05-21 2012-05-21 摺動式トリポード型等速ジョイント

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012115900A JP2013242002A (ja) 2012-05-21 2012-05-21 摺動式トリポード型等速ジョイント

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2013242002A true JP2013242002A (ja) 2013-12-05

Family

ID=49843079

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012115900A Pending JP2013242002A (ja) 2012-05-21 2012-05-21 摺動式トリポード型等速ジョイント

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2013242002A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2469110B1 (en) Sealing device and rolling bearing device provided with sealing device
JP6532651B2 (ja) シールリング付転がり軸受
US9638254B2 (en) Rolling bearing
US8210952B2 (en) Universal joint
JP2010043726A (ja) スナップリング及び軸受け装置
JP2007239834A (ja) 保持器付きころ軸受及びその製造方法
EP2351939B1 (en) Cage-equipped rollers
JP2013242002A (ja) 摺動式トリポード型等速ジョイント
WO2019111903A1 (ja) トリポード型等速自在継手
JP2011163411A (ja) 摺動式トリポード型等速ジョイント
JP2015021567A (ja) 複列軸受
JP2017137965A (ja) 等速ジョイント
KR101363743B1 (ko) 볼 베어링용 리테이너 및 이의 조립방법
JP2017223305A (ja) スラストころ軸受、及びスラストころ軸受用保持器
JP2017141895A (ja) 摺動式トリポード型等速ジョイントのローラユニット
US11858547B2 (en) Intermediate shaft assembly for steering column
JP5909893B2 (ja) ラジアルニードル軸受
JP2012255503A (ja) 回転支持装置
JP7353067B2 (ja) 軸受装置
JP2009210091A (ja) 自動調心ころ軸受
KR101576951B1 (ko) 플랜지형 복열 볼 베어링
JP2014222072A (ja) 転がり軸受装置
JP5736798B2 (ja) スラストころ軸受
JP2009058078A (ja) トリポード型等速自在継手
JP5834510B2 (ja) スラストころ軸受