JP2013241924A - 内燃機関の燃料噴射制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】早期着火をより的確に予測するとともに、早期着火の発生を抑制するための吸気行程中の燃料噴射をより適切に行う。
【解決手段】内燃機関の燃料噴射制御装置は、内燃機関の気筒に設けた吸気弁に対し上流側に位置するように気筒への気体の導入路に配置された燃料噴射弁15を制御する内燃機関の燃料噴射制御装置であって、排気弁が開となる気筒の排気行程時に燃料噴射弁15から燃料を噴射させる燃料噴射弁制御部60と、気筒の圧縮時の筒内温度を推定するシリンダ内ガス温度算出部58と、シリンダ内ガス温度算出部58が算出した圧縮時の筒内温度が早期着火が発生すると予測される温度よりも高いと判定すると吸気弁が開となる気筒の吸気行程時に燃料噴射弁15から燃料を噴射させて当該気筒の筒内に燃料を供給するように燃料噴射弁制御部60が行う制御を変更する噴射制御内容決定部59とを有する。
【選択図】図2

Description

本発明は、内燃機関の燃料噴射弁の駆動を制御し燃料噴射を制御する技術に関する。
従来、高圧縮比エンジンにおいて、高負荷領域及びEGR(EGR:Exhaust Gas Recirculation、ここで、EGRは外部EGR及び内部EGRを含む)量が増大する運転領域での早期着火(プレイグニッション)が問題となることか多い。
これは、高負荷領域では、シリンダ内への吸入量の増加によって低負荷領域運転時よりも高圧縮比となること、また、EGR量の増大によってシリンダ内への高温の排気ガスの再循環量が増加しシリンダ内の温度が上昇するために、早期着火が発生し易くなるためである。
そして、早期着火の発生は、燃焼圧を上昇させるために、ピストン及びシリンダヘッドに深刻なダメージを与えることになる。
例えば、特許文献1には、EGRに関する技術が開示されている。特許文献1に開示されている技術では、早期着火のレベルが所定レベル以上にある場合には、吸気弁及び排気弁の目標開オーバラップ量を通常時よりも減少させている。これによって、特許文献1に開示されている技術では、排気路からの既燃ガスの吹き抜けを抑制して高温の残留既燃ガス量を減少し、シリンダ内のガス温度を低下させて早期着火を回避している。
特許第3669175号公報
ところで、早期着火を検出(早期着火を予測)する技術として、ノッキング(例えば、連続したノッキング)を検出することによって早期着火を検出する技術がある。しかし、ノッキングによってシリンダ内壁面(すなわち、ピストン頂部、シリンダヘッド燃焼室)の温度が上昇して早期着火が発生する場合と、温度条件(吸気温度、排気温度、エンジン水温等)によってはノッキングなしに早期着火が発生する場合とがある。よって、ノッキングを検出して早期着火の発生を常に予測することは困難である。
また、早期着火を検出(早期着火を予測)する技術として、イオン電流を測定して早期着火を検出する技術もある。しかし、急激な早期着火の発生はエンジンにダメージ(ピストン破損等)を与える可能性も高く、早期着火の発生を予測することが必要となる。
一方、早期着火の発生を抑制する技術としては、PFI(Port Fuel Injection)エンジンにおいて、吸気弁が開いている吸気行程中に燃料をシリンダ内に噴射することによって、燃料の気化熱を利用しシリンダ内の温度を低下させて、早期着火の発生を抑制する技術がある。しかし、吸気行程中に燃料をシリンダ内に噴射すると、有害な未燃成分であるHC(Hydrocarbon)、CO(mono carbon oxide)が増加してしまう。また、吸気行程中に燃料をシリンダ内に噴射すると、液状の燃料がシリンダ内に入るために、煤(soot)の発生も多くなる。このようなことから、常時、吸気行程中に燃料をシリンダ内に噴射することは避けることが好ましい。また、吸気行程中に燃料をシリンダ内に噴射することを多用すると、シリンダライナに燃料が付着し、付着した燃料によって潤滑油が希釈化されてしまう恐れがある。
なお、排気行程中の燃料噴射は、噴射燃料を吸気ポート内で予め霧化させてからシリンダ内で燃焼させるために、HC、CO、煤等の発生を抑制できる。
本発明の目的は、早期着火をより的確に予測するとともに、早期着火の発生を抑制するための吸気行程中の燃料噴射をより適切に行うことである。
前記課題を解決するために、(1)本発明の一態様は、内燃機関の気筒に設けた吸気弁に対し上流側に位置するように前記気筒への気体の導入路に配置された燃料噴射弁を制御する内燃機関の燃料噴射制御装置であって、排気弁が開となる気筒の排気行程時に前記燃料噴射弁から燃料を噴射させる燃料噴射弁制御部と、前記気筒の圧縮時の筒内温度を推定する筒内温度推定部と、前記筒内温度推定部が推定した圧縮時の筒内温度が早期着火が発生すると予測される温度よりも高いと判定すると前記吸気弁が開となる気筒の吸気行程時に前記燃料噴射弁から燃料を噴射させて当該気筒の筒内に燃料を供給するように前記燃料噴射弁制御部が行う制御を変更する制御変更部と、を有することを特徴とする内燃機関の燃料噴射制御装置を提供する。
(2)本発明の一態様では、前記筒内温度推定部が推定した圧縮時の筒内温度が早期着火が発生すると予測される温度よりも高いと前記制御変更部が判定したときの前記圧縮時の筒内温度と前記早期着火が発生すると予測される温度との差分値を算出する差分値算出部をさらに有し、前記制御変更部は、前記差分値算出部が算出した差分値が予め設定されたしきい値よりも高いと判定すると前記吸気行程時に前記燃料噴射弁から燃料を噴射させて気筒の筒内に燃料を供給するように前記燃料噴射弁制御部が行う制御を変更し、前記差分値算出部が算出した差分値が前記しきい値以下であると判定すると前記排気行程時に前記燃料噴射弁から燃料を噴射させ、当該排気行程の後の前記吸気行程時に前記燃料噴射弁から燃料を噴射させて気筒の筒内に燃料を供給するように前記燃料噴射弁制御部が行う制御を変更することが好ましい。
(3)本発明の一態様では、前記制御変更部は、前記差分値算出部が算出した差分値が前記しきい値以下であると判定しても前記排気行程時に実施する前記燃料噴射弁による燃料噴射の期間が予め設定された期間よりも短いと判定すると前記排気行程時の前記燃料噴射弁からの燃料噴射を行わず、当該排気行程時に噴射予定の燃料分を当該排気行程の後の前記吸気行程時に上乗せした燃料を前記燃料噴射弁から噴射させて気筒の筒内に燃料を供給するように前記燃料噴射弁制御部が行う制御を変更することが好ましい。
(4)本発明の一態様では、前記制御変更部は、前記差分値算出部が算出した差分値が前記しきい値以下であると判定すると当該差分値が小さいほど前記排気行程時の燃料噴射期間と前記吸気行程時の燃料噴射期間とを合算した期間に対する前記吸気行程時の燃料噴射期間の割合を高くすることが好ましい。
(5)本発明の一態様では、前記排気行程時の燃料噴射は、吸気弁が開く前に終了し、前記吸気行程時の燃料噴射は、排気弁が閉じてから開始されることが好ましい。
(6)本発明の一態様では、前記内燃機関は、外部EGR(Exhaust Gas Recirculation)及び内部EGRによって排気ガスを筒内に導入しており、前記内燃機関の前記導入路に設けられて前記吸気弁側から筒内に吸入される気体の温度を検出する吸気温度検出部と、前記内燃機関からの排気ガスが排気される排気路において前記排気ガスを浄化する触媒の上流側に設けられて前記排気ガスの温度を検出する排気温度検出部と、エンジン回転数が大きくかつ前記吸気弁側での吸気圧力が高いほど大きくなる第1補正係数及びエンジン水温が高くかつ前記吸気弁側での吸気圧力が高いほど大きくなる第2補正係数によって前記吸気温度検出部が検出した気体の温度を補正して補正後の前記気体の温度を算出する気体温度算出部と、前記排気弁及び前記吸気弁がともに開となるオーバラップの期間が長いほど大きくなる第3補正係数並びにエンジン水温が高くかつエンジン回転数が大きいほど大きくなる第4補正係数によって前記排気温度検出部が検出した排気ガスの温度を補正して補正後の前記排気ガスの温度を算出する排気ガス温度算出部と、をさらに有し、前記筒内温度推定部は、前記気体温度算出部が算出した気体の温度及び前記排気ガス温度算出部が算出した排気ガスの温度を基に前記圧縮時の筒内温度を算出することが好ましい。
(7)本発明の一態様では、前記吸気弁側での吸気圧力が高いほど大きくなりかつエンジン回転数に応じて変化する第5補正係数及びエンジン水温が高くかつエンジン回転数が大きいほど大きくなる第6補正係数によって前記吸気弁が閉じた時のピストン位置での筒内の容積を補正して算出した補正後の当該筒内の容積をVとし、前記吸気弁が閉じた時の筒内の気体の温度をTとし、ピストンが上死点に位置するときの筒内の容積をVとし、比熱比をkとしたときに、前記筒内温度推定部は、前記圧縮時の筒内温度Tを、T=T・(V/V(k−1)として算出することが好ましい。
(1)の態様の発明によれば、通常時には排気行程時に燃料噴射を行い、推定した圧縮時の筒内温度が早期着火の発生が予測される温度よりも高い場合には、吸気行程時に燃料噴射することによって、筒内で燃料を霧化させて燃料の気化潜熱によって筒内を冷却できる。このように、(1)の態様の発明では、排気行程時の燃料噴射を通常行う燃料噴射とし、早期着火の発生を抑制するための吸気行程時の燃料噴射を限定的に行うため、吸気行程時の燃料噴射によるHC(Hydrocarbon)、CO(mono carbon oxide)等の未燃成分や煤(soot)の発生を抑制し、さらに、筒内の潤滑油の希釈化を抑制できる。
また、(1)の態様の発明によれば、圧縮時の筒内温度を推定し、その推定筒内温度と早期着火が発生すると予測される温度とを比較することによって、ノッキングを検出する必要もなく、より的確に早期着火の発生を予測できる。これによって、(1)の態様の発明では、早期着火の発生を事前に抑制できるため、早期着火が内燃機関にダメージを与えてしまうのを防止できる。
以上のようなことから、(1)の態様の発明によれば、早期着火をより的確に予測するとともに、早期着火の発生を抑制するための吸気行程中の燃料噴射をより適切に行うことができる。
(2)の態様の発明によれば、圧縮時の推定筒内温度が早期着火が発生すると予測される温度よりも高く、かつそれら温度の差分値が予め設定されたしきい値よりも大きい場合、燃料噴射弁からの燃料噴射を吸気行程だけで行い、筒内温度を積極的に低下させ早期着火の発生を抑制できる。
そして、(2)の態様の発明によれば、圧縮時の推定筒内温度が早期着火が発生すると予測される温度よりも高いが、それら温度の差分値が前記しきい値以下の場合、燃料噴射弁からの燃料噴射の一部を吸気行程で行うことで早期着火の発生を抑制しつつ、燃料噴射弁からの燃料噴射の一部を排気行程で行うことでHC、CO、煤等の発生を抑制できる。
さらに、(2)の態様の発明によれば、燃料噴射弁からの燃料噴射を吸気行程と排気行程とで分けて行うことで、噴射燃料と空気とを混合しやすくし、燃料と空気との均質性を向上させることができる。
(3)の態様の発明によれば、例えば、燃料噴射弁の特性上、排気行程時に実施する燃料噴射期間が燃料噴射弁の燃料噴射で確保すべき最小燃料噴射期間よりも短くなって所望の燃料噴射が行えない場合には、その排気行程時の燃料噴射を行わないようにすることができる。さらに、(3)の態様の発明によれば、そのように排気行程時の燃料噴射を行わないこととしても、その排気行程時の噴射予定の燃料を当該排気行程の後の吸気行程時に上乗せして噴射することで、燃焼に必要な燃料供給量が不足してしまうのを防止できる。
(4)の態様の発明によれば、圧縮時の推定筒内温度と早期着火が発生すると予測される温度との差分が小さいほど排気行程時の燃料噴射期間を長くすることができ、HC、CO、煤等の発生をより適切に抑制できる。
(5)の態様の発明によれば、排気弁と吸気弁とがともに開となるオーバラップ時に燃料噴射弁から燃料を噴射しないようにすることができる。これによって、(5)の態様の発明では、オーバラップによる筒内からの未燃燃料の流出を防止できる。この結果、(5)の態様の発明では、排気ガスが悪化することを防止できる。
(6)の態様の発明によれば、外部EGR及び内部EGRを考慮して圧縮時の筒内温度を推定できる。すなわち、(6)の態様の発明によれば、吸気弁側から筒内に吸入される気体(例えば、新気と燃料との混合気及び外部EGRによるガスの混合ガス)の温度と、排気弁側から筒内に戻される排気ガス(内部EGRによる排気ガス)の温度とを考慮して内燃機関における圧縮時の筒内温度を推定できる。
そして、(6)の態様の発明によれば、吸気弁側から筒内に吸入される気体の温度及び排気弁側から筒内に戻される排気ガスの温度をそれぞれ内燃機関の駆動状態を基に補正しているので、内燃機関の駆動状態に合致させて内燃機関における圧縮時の筒内温度を推定できる。
(7)の態様の発明によれば、吸気弁が閉じた時のピストン位置での筒内の容積Vを内燃機関の駆動状態を基に補正して算出するため、内燃機関の駆動状態に合致させて圧縮時の筒内温度Tを推定できる。
本実施形態に係る車両の構成例を示す図である。 ECUの構成例を示すブロック図である。 ECUによる燃料噴射制御処理の一例を示すフローチャートである。 補正係数Aexの一例を示す図である。 補正係数Bexの一例を示す図である。 補正係数Ainの一例を示す図である。 補正係数Binの一例を示す図である。 補正係数Lの一例を示す図である。 補正係数Lの一例を示す図である。 クランク角と吸気バルブ及び排気バルブの開閉タイミング及びリフト量との関係を示す図である。 図3のフローチャートのステップS12で決定した、通常状態の燃料噴射である排気行程噴射を説明する図である。 図3のフローチャートのステップS13で決定した吸気行程噴射を説明する図である。 図3のフローチャートのステップS14で決定した吸気行程噴射及び図3のフローチャートのステップS15で決定した分割噴射を説明する図である。 ガス温度差分値と分割噴射における吸気行程噴射の割合との関係からなる分割率マップの一例を示す図である。
本発明の実施形態を図面を参照しつつ説明する。
本実施形態では、内燃機関の燃料噴射制御装置を搭載した車両を挙げている。
(構成)
図1は、本実施形態に係る車両1の構成例を示す図である。
図1に示すように、本実施形態では、車両1が搭載する内燃機関2は、4ストローク型の内燃機関2である。また、本実施形態では、内燃機関2は、4気筒の内燃機関である。
この内燃機関2の吸気系において、吸気管11が、内燃機関2の各気筒の燃焼室に連通する吸気マニホルド12に接続されている。この吸気管11には、上流側にエアクリーナ13が配置され、下流側に電子制御スロットルボディ14が配置されている。また、吸気管11には、電子制御スロットルボディ14の下流側に、EGR(Exhaust Gas Recirculation)管31の一端部31aが接続されている。ここで、電子制御スロットルボディ14内には、スロットル弁14aが設けられている。この電子制御スロットルボディ14は、ECU(Electronic Control Unit)50によってスロットル弁14aの開度等が制御される。
また、吸気マニホルド12には、各気筒に対応し、当該各気筒の不図示の吸気バルブの上流側で直近に燃料噴射弁(すなわち、インジェクタ)15がそれぞれ設けられている。この燃料噴射弁15は、ECU50によって燃料噴射量や燃料噴射タイミング等が制御される。
また、内燃機関2の排気系において、内燃機関2の各気筒に接続されている排気マニホルド21は、排気管22に接続されている。ここで、排気管22には、触媒23が収容されている触媒ケース24が設けてあり、触媒ケース24の下流側でEGR管31の他端部31bが接続されている。
EGR管31には、排気管22との接続端から吸気管11との接続端に向う途中に、EGRクーラ32及びEGRバルブ33がこれらの順序で配置されている。これらEGR管31、EGRクーラ32、及びEGRバルブ33は、外部EGRを実現するための構成となる。すなわち、EGR管31には、排気管22からの排気ガスが導入され、EGRクーラ32は、EGR管31内に導入された排気ガスをエンジン冷却水によって冷却する。そして、EGRバルブ33は、排気管22から吸気管11にEGR管31を介して還流する排気ガスの供給量を制御する。EGRバルブ33は、ECU50によって制御される。
また、本実施形態に係る車両の内燃機関2は、内部EGRも実施可能とされている。すなわち、内燃機関2では、吸気バルブと排気バルブとを同時に開いたオーバラップによって、既燃ガスを排気ポート側から直接燃焼室に再導入することが可能とされている。
また、本実施形態に係る車両は、吸気温度センサ41、吸気圧センサ42、エアフローセンサ43、排気温度センサ44、クランク角センサ45、エンジン水温センサ46、及びカム角センサ47を有している。
吸気温度センサ41及び吸気圧センサ42は、電子制御スロットルボディ14と吸気管11へのEGR管31の取り付け部とに対して下流側に位置するように、吸気マニホルド12(具体的には、吸気マニホルド12のサージタンク部)に取り付けられている。吸気温度センサ41は、吸気マニホルド12内に取り込まれる気体(具体的には、空気と外部EGRによる排気ガスとの混合ガス)の温度を検出する。そして、吸気温度センサ41は、検出値をECU50に出力する。また、吸気圧センサ42は、吸気圧を検出する。そして、吸気圧センサ42は、検出値をECU50に出力する。
エアフローセンサ43は、エアクリーナ13と電子制御スロットルボディ14との間に位置するように、具体的にはエアクリーナ13の下流側で直近に位置するように吸気管11に配置されている。このエアフローセンサ43は、吸気管11に取り込まれた空気量を検出する。そして、エアフローセンサ43は、検出値をECU50に出力する。
排気温度センサ44は、排気管22において触媒ケース24の上流側に配置されており、排気ガスの温度を検出する。そして、排気温度センサ44は、検出値をECU50に出力する。
クランク角センサ45は、内燃機関2に取り付けられてクランク角度を検出する。そして、クランク角センサ45は、検出値をECU50に出力する。
エンジン水温センサ46は、内燃機関2に取り付けられて当該内燃機関2の冷却水の温度を検出する。そして、エンジン水温センサ46は、検出値をECU50に出力する。
カム角センサ47は、内燃機関2に取り付けられてカム角度(すなわち、吸気バルブ及び排気バルブのリフト量)を検出する。そして、カム角センサ47は、検出値をECU50に出力する。
ECU50は、例えば、マイクロコンピュータ及びその周辺回路を備えて構成されている。そのために、例えば、ECU50は、CPU、ROM、RAM等によって構成されている。ROMには、各種処理を実現する1又は2以上のプログラムが格納されている。CPUは、ROMに格納されている1又は2以上のプログラムに従って各種処理を実行する。
このECU50は、吸気温度センサ41等の各種センサ等から検出値等を基に内燃機関2の駆動を制御する。
そして、本実施形態では、ECU50は、各種センサの検出値を基に燃料噴射弁15の駆動を制御する。
図2は、そのような制御を実現するためのECU50の構成例を示すブロック図である。
図2に示すように、ECU50は、エンジン回転検出部51、エンジン負荷率算出部52、内部EGRガスベース温度検出部53、吸気温度検出部54、吸気圧検出部55、エンジン水温検出部56、吸気バルブ閉タイミング検出部57、シリンダ内ガス温度算出部58、噴射制御内容決定部59、及び燃料噴射弁制御部60を有している。
図3は、このような図2に示すECU50の構成によって実現される燃料噴射制御処理の一例を示すフローチャートである。以下に、図3に示す処理手順に沿って、図2に示すECU50の各部51乃至60における処理内容を説明する。
図3に示すように、先ずステップS1では、ECU50は、エンジン回転検出部51によって、クランク角センサ45の検出値を基にエンジン回転数を検出する。
次に、ステップS2では、ECU50は、エンジン負荷率算出部52によって、エアフローセンサ43の検出値、気筒数及び総排気量を基にエンジン負荷率を算出する。ここで、エンジン負荷率は、エアフローセンサ43の検出値、すなわち、吸入空気量が多くなるほど高くなる。
次に、ステップS3では、ECU50は、内部EGRガスベース温度検出部53によって、排気温度センサ44の検出値を基に内部EGRガスのベース温度を検出する。
次に、ステップS4では、ECU50は、吸気温度検出部54によって、吸気温度センサ41の検出値を基に吸気マニホルド12内の吸気温度を検出する。すなわち、ECU50は、吸気温度検出部54によって、吸入空気と外部EGRによる排気ガスとの混合ガスの温度を検出する。
次に、ステップS5では、ECU50は、吸気圧検出部55によって、吸気圧センサ42の検出値を基に吸気圧を検出する。すなわち、ECU50は、吸気圧検出部55によって、吸入空気と外部EGRによる排気ガスとの混合ガスの圧力を検出する。
次に、ステップS6では、ECU50は、エンジン水温検出部56によって、エンジン水温センサ46の検出値を基にエンジン水温を検出する。
次に、ステップS7では、ECU50は、吸気バルブ閉タイミング検出部57によって、カム角センサ47の検出値及びクランク角センサ45の検出値を基に吸気バルブの閉タイミングを検出する。
次に、ステップS8では、ECU50は、シリンダ内ガス温度算出部58によって、ピストンが上死点に位置した時(すなわち、圧縮時)のシリンダ内のガス温度を算出する。具体的には、シリンダ内ガス温度算出部58は、下記(1)式を用いてピストンが上死点に位置している時のシリンダ内のガス温度Tを算出する。
=T・(V/V(k−1) ・・・(1)
ここで、Tは、吸気バルブが閉じた時のシリンダ内(すなわち、シリンダ内の気体)の絶対温度 (K)である。また、Vは、吸気バルブが閉じた時のシリンダ内の容積(m)である。このVは、燃焼室の容積を含んでいる。また、Vは、ピストンが上死点に位置している時のシリンダ内の容積(m)である。また、kは、比熱比である。空気の場合、kは1.4になる。
なお、ここで、ピストンが上死点に位置する前の点火による温度上昇は加味していない。
以下に前述の(1)式の導出手順の一例を示す。
先ず、理想気体の状態式は、下記(2)式を用いて表せる。
P・V=m・R・T
又は
P・ν=R・T
又は
P=ρ・R・T
・・・(2)
ここで、Pは気体の圧力である。また、Vは気体の体積である。また、Tは気体の温度である。また、mは気体の質量である。また、Rは気体定数である。また、νは比容積である。また、ρは比重量である。
そして、吸気バルブが閉じた時点の気体の状態式は、下記(3)式を用いて表せる。
・V=R・T=R・(273+T
・・・(3)
ここで、Pは、吸気バルブが閉じた時の気体の圧力(Pa)である。また、Vは、前述の通り、吸気バルブが閉じた時のシリンダ内の容積(m)である。また、Tは、前述の通り、吸気バルブが閉じた時のシリンダ内の絶対温度 (K)である。また、Tは、吸気バルブが閉じた時のシリンダ内の温度 (セルシウス温度、℃)である。
また、下記(4)式が成り立つ。
・V =一定
・V =P・(V/(V/V))
・・・(4)
一方、ピストンが上死点にある時の気体の状態式は、下記(5)式を用いて表せる。
・V=R・T
・V=P・(V/ε)
・・・(5)
ここで、Pは、ピストンが上死点にある時のシリンダ内の圧力(Pa)である。また、Vは、前述の通り、ピストンが上死点にある時のシリンダ内の容積(m)である。また、Tは、前述の通り、ピストンが上死点にある時のシリンダ内の絶対温度(K)である。
そして、シリンダ内の容積変化の比は、下記(6)式を用いて表せる
ε=V/V ・・・(6)
以上に挙げた式を解くことで、前記(1)式が導ける。
そして、本実施形態では、前記(1)式のTを、下記(7)式を用いて算出している。
=(Aex・Bex・Tex+Ain・Bin・Tin)/2 ・・・(7)
ここで、Tex、Aex、Bex、Tin、Ain、及びBinについては、以下のような値になる。
exは、内部EGRガスベース温度検出部53が検出した値である。すなわち、Texは、内部EGRのもととなる排気ガスの温度である。
また、Aexは、Texを補正するための補正係数である。この補正係数Aexは、内部EGRによるガス(以下、内部EGRガスという。)の量(すなわち、シリンダ内への既燃ガスの再導入量)が多いほど大きくなる。ここで、オーバラップ量が多いほど内部EGRガス量は多くなる。よって、Aexは、オーバラップ量が多いほど大きくなる。
図4には、補正係数Aexの一例を示す。図4に示すように、補正係数Aexは、エンジン回転検出部51が検出したエンジン回転数とエンジン負荷率算出部52が算出したエンジン負荷率との関係から特定される。例えば、この図4に示すような特性図は、実験的に決定される。シリンダ内ガス温度算出部58は、この図4に示す一例の特性図をマップ(例えば、3次元マップ)等として保持し、このマップ等を参照することによって、エンジン回転数及びエンジン負荷率に対応する補正係数Aexを取得する。
また、Bexは、Texを補正するための補正係数である。この補正係数Bexは、エンジン水温が低いほど小さくなり、また、エンジン回転数が低いほど小さくなる。補正係数Bexをこのように変化させている理由は、エンジン水温が低いほど、シリンダライナやシリンダヘッド、ポート壁面によって内部EGRガスが持つ熱が奪われやすくなるために、内部EGRガスの温度が低下しやすいためである。また、エンジン回転数が低いほど、内部EGRガスがシリンダ内に残留する時間が長くなりシリンダライナやシリンダヘッド、ポート壁面によって内部EGRガスが持つ熱が奪われやすくなるために、内部EGRガスの温度が低下しやすいためである。
図5には、補正係数Bexの一例を示す。図5に示すように、補正係数Bexは、エンジン回転検出部51が検出したエンジン回転数とエンジン水温検出部56が検出した水温との関係から特定される。例えば、この図5に示すような特性図は、実験的に決定される。シリンダ内ガス温度算出部58は、この図5に示す一例の特性図をマップ(例えば、3次元マップ)等として保持し、このマップ等を参照することによって、エンジン回転数及び水温に対応する補正係数Bexを取得する。
よって、Aex・Bex・Texの値は、シリンダ内から排出された後にオーバラップにより排気バルブからシリンダ内に再度入る内部EGRガスの温度Texを、補正係数Aexによって、オーバラップによってシリンダ内に入る排気ガス量を基に補正し、さらに、補正係数Bexによって、シリンダ内の構造物の温度に応じた排気ガスの温度の低下量又は上昇量を基に補正した値である。このように、Aex・Bex・Texの値は、内部EGRガスのシリンダ内での温度を示す値となる。
また、Tinは、吸気温度検出部54が検出した値である。すなわち、Tinは、吸気バルブからシリンダ内に入る混合ガスの温度である。
inは、Tinを補正するための補正係数である。この補正係数Ainは、エンジンの駆動状態に応じて変化するシリンダ内への混合ガスの吸入量に応じてTinを補正する。具体的には、補正係数Ainは、吸気圧が高いほど大きくなり、また、エンジン回転数が大きいほど大きくなる。
図6には、補正係数Ainの一例を示す。図6に示すように、補正係数Ainは、エンジン回転検出部51が検出したエンジン回転数と吸気圧検出部55が検出した吸気圧との関係から特定される。例えば、この図6に示すような特性図は、実験的に決定される。シリンダ内ガス温度算出部58は、この図6に示す一例の特性図をマップ(例えば、3次元マップ)等として保持し、このマップ等を参照することによって、エンジン回転数及び吸気圧に対応する補正係数Ainを取得する。
inは、Tinを補正するための補正係数である。この補正係数Binは、吸気バルブから吸入される混合ガスがシリンダ内にてどの程度冷却又は昇温される可能性があるか、といった観点から吸気圧及び水温に基づきTinを補正する。具体的には、補正係数Binは、吸気圧が高いほど大きくなり、また、水温が高いほど大きくなる。
図7には、補正係数Binの一例を示す。図7に示すように、補正係数Binは、エンジン水温検出部56が検出した水温と吸気圧検出部55が検出した吸気圧との関係から特定される。例えば、この図7に示すような特性図は、実験的に決定される。シリンダ内ガス温度算出部58は、この図7に示す一例の特性図をマップ(例えば、3次元マップ)等として保持し、このマップ等を参照することによって、水温及び吸気圧に対応する補正係数Binを取得する。
よって、Ain・Bin・Tinの値は、吸気バルブからシリンダ内に吸入される混合ガス(新気と燃料との混合気及び外部EGRガス)の温度Tinを、補正係数Ainによって、シリンダ内に吸入される混合ガスの量で補正し、さらに、補正係数Binによって、シリンダ内に吸入される混合ガスの温度の上昇量又は低下量を基に補正した値である。このように、Ain・Bin・Tinの値は、吸気バルブされた吸入された混合ガスのシリンダ内での温度を示す値となる。
さらに、本実施形態では、前記(1)式のVを、下記(8)式を用いて算出している。
=L・L・Vcyl ・・・(8)
ここで、L、L、及びVcylについては、以下のような値になる。
cylは、吸気バルブが閉じた時のシリンダ容量である。このVcylは、吸気圧検出部55の検出値及び吸気バルブ閉タイミング検出部57の検出値を基に算出される値である。具体的には、Vcylは、吸気バルブ閉タイミング検出部57によって検出された吸気バルブの閉タイミングで吸気圧検出部55が検出した吸気圧に基づいて、シリンダ内に吸入される気体量として算出される。
は、Vcylを補正するための補正係数である。この補正係数Lは、エンジン回転数に応じてシリンダ内の圧力が変化することを考慮してVcylを補正するための値である。これは、エンジン回転数の変化によるシリンダ内の圧力の変化によって、吸気脈動効果、排気脈動効果によるシリンダ内に吸入される気体量が変化するためである。具体的には、補正係数Lは、吸気圧が高いほど大きくなる。さらに、補正係数Lは、エンジン回転数に応じて変化する。
図8には、補正係数Lの一例を示す。図8に示すように、補正係数Lは、エンジン回転検出部51が検出したエンジン回転数と吸気圧検出部55が検出した吸気圧との関係から特定される。例えば、この図8に示すような特性図は、実験的に決定される。シリンダ内ガス温度算出部58は、この図8に示す一例の特性図をマップ(例えば、3次元マップ)等として保持し、このマップ等を参照することによって、エンジン回転数及び吸気圧に対応する補正係数Lを取得する。
は、Vcylを補正するための補正係数である。この補正係数Lは、エンジン回転数及び水温に応じてシリンダ内の圧力が変化することを考慮してVcylを補正するための値である。具体的には、エンジンとの熱の授受によってシリンダ内の圧力がどの程度変化するかを算出し、Vcylに補正を加える。
ここで、水温が高いほど、シリンダ内の気体の温度は上昇し、シリンダ内の圧力は増加する。また、水温が低いほど、シリンダ内の気体の温度は減少し、シリンダ内の圧力は減少する。そして、シリンダ内の圧力の増加度合い及び減少度合いは、エンジン回転数が低いほど低くなる。これは、エンジン回転数が高いほどシリンダ内の気体とエンジンとの間の熱の授受の時間が少ないためである。このような水温及びエンジン回転数とシリンダ内の圧力との関係を基に、補正係数Lが算出される。本実施形態では、補正係数Lは、水温が高いほど大きくなり、また、エンジン回転数が大きいほど大きくなる。
図9には、補正係数Lの一例を示す。図9に示すように、補正係数Lは、エンジン回転検出部51が検出したエンジン回転数とエンジン水温検出部56が検出した水温との関係から特定される。例えば、この図9に示すような特性図は、実験的に決定される。シリンダ内ガス温度算出部58は、この図9に示す一例の特性図をマップ(例えば、3次元マップ)等として保持し、このマップ等を参照することによって、エンジン回転数及び水温に対応する補正係数Lを取得する。
以上のように、補正係数L、LによってVcylを補正する理由は、エンジンの駆動状態(エンジン回転数や水温等)によってシリンダ内に吸入される気体量が変化し、シリンダ内圧が変化するためである。
次に、ステップS9では、ECU50は、噴射制御内容決定部59によって、前記ステップS8で算出したガス温度Tがガス温度判定用しきい値Tlimよりも大きいか否かを判定する。ここで、ガス温度判定用しきい値Tlimは、早期着火(すなわち、プレイグニッション)の発生が予測される圧縮時のシリンダ内の混合ガスの温度である。例えば、ガス温度判定用しきい値Tlimは、実験的、経験的、又は理論的に設定された値である。
噴射制御内容決定部59は、ガス温度Tがガス温度判定用しきい値Tlimよりも大きいと判定すると(T>Tlim)、早期着火が発生する恐れがあるとして、ステップS10に進む。また、噴射制御内容決定部59は、ガス温度Tがガス温度判定用しきい値Tlim以下であると判定すると(T≦Tlim)、早期着火が発生する可能性が低いとして、ステップS12に進む。
ステップS10では、噴射制御内容決定部59は、1サイクル内において燃料噴射する領域が、吸気行程と排気行程とに分割できる領域(すなわち、分割噴射可能領域)であるか否かを判定する。具体的には、噴射制御内容決定部59は、1サイクル内で行う燃料噴射を吸気行程と排気行程とに分割しても、吸気行程及び排気行程のそれぞれの行程で最小噴射時間(又は最小通電時間)を確保できる場合、分割噴射可能領域である(すなわち、分割噴射が可能である)と判定する。また、噴射制御内容決定部59は、1サイクル内で行う燃料噴射を吸気行程と排気行程とに分割すると、吸気行程及び排気行程の何れかの行程で最小噴射時間を確保できない場合、分割噴射可能領域でない(すなわち、分割噴射ができない)と判定する。ここで、最小噴射時間とは、燃料噴射を有効なものとするために最低限必要な燃料噴射時間である。最小噴射時間は、燃料噴射弁15の特性に基づき設定されており、例えば、アクセル踏み込み量等によっても変化する。
そして、噴射制御内容決定部59は、分割噴射可能領域であると判定すると、ステップS11に進む。また、噴射制御内容決定部59は、分割噴射可能領域でない(すなわち、分割噴射不可領域)と判定すると、ステップS13に進む。
ステップS11では、噴射制御内容決定部59は、ガス温度Tからガス温度判定用しきい値Tlimを減算した差分値(=T−Tlim、以下、ガス温度差分値という。)が差分値判定用しきい値△Tよりも大きいか否かを判定する。ここで、差分値判定用しきい値△Tは、実験的、経験的、又は理論的に設定された値である。
噴射制御内容決定部59は、ガス温度差分値が差分値判定用しきい値△Tよりも大きいと判定すると(T−Tlim>△T)、ステップS14に進む。また、噴射制御内容決定部59は、ガス温度差分値が差分値判定用しきい値△T以下であると判定すると(T−Tlim≦△T)、ステップS15に進む。
ステップS12では、噴射制御内容決定部59は、通常行う燃料噴射として、排気バルブが開いている排気行程だけで燃料噴射(すなわち、排気行程噴射)を行うことを決定する。そして、ECU50は、ステップS16に進む。
ステップS13では、噴射制御内容決定部59は、吸気バルブが開いている吸気行程だけで燃料噴射(すなわち、吸気行程噴射)を行うことを決定する。そして、ECU50は、ステップS16に進む。
ステップS14では、噴射制御内容決定部59は、吸気行程だけで燃料噴射(すなわち、吸気行程噴射)を行うことを決定する。そして、ECU50は、ステップS16に進む。
ステップS15では、噴射制御内容決定部59は、1サイクル中に排気行程及び吸気行程それぞれで燃料噴射(すなわち、分割噴射)を行うことを決定する。このとき、ECU50は、分割率マップを基に排気行程及び吸気行程それぞれで燃料噴射を行う割合(すなわち、分割割合)を決定する。そして、ECU50は、ステップS16に進む。なお、分割率マップに基づく前記割合の決定については後で詳述する。
ステップS16では、ECU50は、燃料噴射弁制御部60によって、前記ステップS12乃至前記ステップS15の何れかの決定に従い燃料噴射弁15を制御し燃料噴射を実施する。
次に、前記ステップS12乃至前記ステップS15の決定に基づく燃料噴射の内容について、図10乃至図14を参照しつつ説明する。
先ず、図10を用いて、本実施形態における内燃機関2での、クランク角(すなわち、ピストン位置)と吸気バルブ及び排気バルブの開閉タイミング及びリフト量との関係を説明する。
図10に示すように、排気バルブは、ピストン位置が下死点(図中のBDC)に達する手前で開き(図中のEVO)、その後、クランク角が進むにつれて、リフト量が多くなり最大値をとり少なくなる。そして、排気バルブは、ピストン位置が上死点(図中のTDC)に達した後に閉じる(図中のEVC)。
一方、吸気バルブは、ピストン位置が上死点(図中のTDC)に達する手前で開き(図中のIVO)、その後、クランク角が進むにつれて、リフト量が多くなり最大値をとり少なくなる。そして、吸気バルブは、ピストン位置が下死点(図中のBDC)に達した後に閉じる(図中のIVC)。
ここで、排気バルブが、ピストン位置が上死点(図中のTDC)に達した後に閉じている(図中のEVC)。その一方で、吸気バルブが、ピストン位置が上死点(図中のTDC)に達する手前で開いている(図中のIVO)。これによって、排気バルブと吸気バルブとが同時に開くオーバラップが発生する。このオーバラップによって内部EGRが実現される。
クランク角(すなわち、ピストン位置)と吸気バルブ及び排気バルブの開閉タイミング及びリフト量との関係は以上のようになっている。
次に、図11を用いて、前記ステップS12で決定した、通常行う燃料噴射である排気行程噴射を説明する。すなわち、図11を用いて、ガス温度Tがガス温度判定用しきい値Tlim以下である場合(T≦Tlim)の燃料噴射を説明する。
図11に示すように、排気行程噴射として、排気バルブが開いた(図中のEVO)後の排気行程で燃料噴射が実施される。詳しくは、排気行程噴射は、排気バルブが開き(図中のEVO)、ピストン位置が下死点(図中のBDC)に達した後に開始される。そして、排気行程噴射は、吸気バルブが開く時点(図中のIVO)で終了する。また、その燃料噴射の期間(すなわち、燃料噴射全期間)については、無効噴射期間(1)と実噴射期間(2)とに分けられ、無効噴射期間(1)の後に実噴射期間(2)がくる。
ここで、無効噴射期間とは、所望の燃料噴射が行えない期間のことをいう。これに対して、実噴射期間とは、所望の燃料噴射が行える期間のことをいう。無効噴射期間は、燃料噴射弁15に燃料噴射指示が出されて燃料噴射弁15に電流に流れ始めた初期の期間に存在する。そして、この無効噴射期間は、燃料噴射弁15に流す電流によって変化する。このようなことから、ECU50は、無効噴射期間と燃料噴射弁15に流す電流との関係を示すマップを保持し、そのマップを参照して燃料噴射制御を行っている。これにより、ECU50は、燃料噴射弁15に流す電流に影響されることなく、吸気バルブが開き始める前に排気行程噴射を終了させることができるようになる。
次に、図12を用いて、前記ステップS13で決定した吸気行程噴射を説明する。すなわち、図12を用いて、ガス温度Tがガス温度判定用しきい値Tlimよりも大きく(T>Tlim)、かつ分割噴射不可領域のときの燃料噴射を説明する。
図12に示すように、吸気行程噴射として、吸気バルブが開いた(図中のIVO)後の吸気行程で燃料噴射が実施される。詳しくは、吸気行程噴射は、吸気バルブが開き(図中のIVO)、ピストン位置が上死点(図中のTDC)に達した後に無効噴射期間(1)の燃料噴射が開始され、その後、排気バルブが閉じた時点(図中のEVC)で実噴射期間(2)の燃料噴射が開始される。そして、吸気行程噴射は、吸気バルブが閉じる(図中のIVC)前であってピストン位置が下死点(図中のBDC)に達する前に終了する。このように、実噴射期間(2)の燃料噴射がオーバラップ領域直後に実施されるように、吸気行程噴射が実施される。
また、吸気行程噴射についても、ECU50は、無効噴射期間と燃料噴射弁15に流す電流との関係を示すマップを参照し燃料噴射制御を行うことで、燃料噴射弁15に流す電流に影響されることなく、排気バルブが閉じる前に無効噴射期間(1)の燃料噴射を開始させ、排気バルブが閉じた時点で実噴射期間(2)の燃料噴射を開始させることができる。
次に、図13を用いて、前記ステップS14で決定した吸気行程噴射及び前記ステップS15で決定した分割噴射を説明する。すなわち、図13を用いて、ガス温度Tがガス温度判定用しきい値Tlimよりも大きく(T>Tlim)、かつ分割噴射領域であり、かつガス温度差分値が差分値判定用しきい値△Tよりも大きいとき(T−Tlim>△T)の燃料噴射を説明する。また、図13を用いて、ガス温度Tがガス温度判定用しきい値Tlimよりも大きく(T>Tlim)、かつ分割噴射領域であり、かつガス温度差分値が差分値判定用しきい値△T以下であるとき(T−Tlim≦△T)の燃料噴射を説明する。
図13に示すように、前記ステップS15で決定した分割噴射として、排気バルブが開いた(図中のEVO)後の排気行程での燃料噴射(すなわち、排気行程噴射)と、吸気バルブが開いた(図中のIVO)後の吸気行程での燃料噴射(すなわち、吸気行程噴射)とが実施される。
詳しくは、分割噴射として実施される排気行程噴射は、排気バルブが開き(図中のEVO)、ピストン位置が下死点(図中のBDC)に達した後に無効噴射期間(1)の燃料噴射が開始される。そして、分割噴射として実施される排気行程噴射は、吸気バルブが開き始めるまで(図中のIVO)に実噴射期間(例えば、分割排気行程実噴射期間)(3)の燃料噴射が終了する。
また、分割噴射として実施される吸気行程噴射は、吸気バルブが開き(図中のIVO)、ピストン位置が上死点(図中のTDC)に達した後に無効噴射期間(1)の燃料噴射が開始され、その後、排気バルブが閉じた時点(図中のEVC)で実噴射期間(例えば、分割吸気行程実噴射期間)(4)の燃料噴射が開始される。そして、分割噴射として実施される吸気行程噴射は、吸気バルブが閉じる(図中のIVC)前であってピストン位置が下死点(図中のBDC)に達する前に終了する。
さらに、分割噴射では、分割率マップを基に、吸気行程噴射の割合を決定する。具体的には、分割噴射では、ガス温度差分値が大きいほど、分割噴射における吸気行程噴射の割合を多くする。
図14には、ガス温度差分値と分割噴射における吸気行程噴射の割合との関係からなる分割率マップの一例を示す。例えば、この図14に示す分割率マップは、実験的、経験的、又は理論的に予め設定される。噴射制御内容決定部59は、この図14に示す分割率マップを保持し、この分割率マップを参照することによって、ガス温度差分値に対応する吸気行程噴射の割合を決定する。
一方、図13に示すように、前記ステップS14で決定した吸気行程噴射として、吸気バルブが開いた(図中のIVO)後の吸気行程で燃料噴射が実施される。詳しくは、吸気行程噴射は、吸気バルブが開き(図中のIVO)、ピストン位置が上死点(図中のTDC)に達した後に無効噴射期間(1)の燃料噴射が開始され、その後、排気バルブが閉じた時点(図中のEVC)で実噴射期間の燃料噴射が開始される。そして、吸気行程噴射は、吸気バルブが閉じる(図中のIVC)前であってピストン位置が下死点(図中のBDC)に達する前に終了する。
ここで、前記ステップS14で決定した吸気行程噴射の実噴射期間は、例えば、前記ステップS15で決定される分割噴射における排気行程噴射の実噴射期間(3)と、前記ステップS15で決定される分割領域における吸気行程噴射の実噴射期間(4)とを加算した期間((3)+(4))相当になる。
また、前記ステップS14で決定される吸気行程噴射を複数回に分けることもできる。例えば、吸気行程噴射を2回に分ける場合、吸気行程噴射における第1回目の燃料噴射として、吸気バルブが開き(図中のIVO)、ピストン位置が上死点(図中のTDC)に達した後に無効噴射期間(1)の燃料噴射が開始され、その後、排気バルブが閉じた時点(図中のEVC)で実噴射期間(3)の燃料噴射が開始される。そして、吸気行程噴射における第2回目の燃料噴射として、第1回目の実噴射期間(3)の燃料噴射が終了した後に予め設定された期間が経過した後に、無効噴射期間(1)の燃料噴射が実施され、その実施に続いて実噴射期間(4)の燃料噴射が実施される。
(動作、作用等)
次に、ECU50の一連の処理動作、及びその作用等について説明する。
ECU50は、各種センサの検出値を基に、エンジン回転数、エンジン負荷率、内部EGRガスのベース温度、吸気温度、吸気圧、エンジン水温、及び吸気バルブの閉タイミングの各種の情報を取得する(前記ステップS1乃至前記ステップS7)。
そして、ECU50は、吸気バルブが閉じた時のシリンダ内の絶対温度T、吸気バルブが閉じた時のシリンダ内の容積V、及びピストンが上死点に位置している時(すなわち、圧縮時)のシリンダ内の容積Vを用いて、ピストンが上死点に位置している時(すなわち、圧縮時)のシリンダ内のガス温度(以下、シリンダ内推定ガス温度という。)Tを算出する(前記ステップS8、前記(1)式)。このとき、ECU50は、先に取得したエンジン回転数、エンジン負荷率、内部EGRガスのベース温度、吸気温度、吸気圧、エンジン水温、及び吸気バルブの閉タイミングを基に、T及びVを補正している。
そして、ECU50は、シリンダ内推定ガス温度Tがガス温度判定用しきい値Tlim以下の場合、噴射制御内容として排気行程噴射を行うことを決定して、その決定内容に従い燃料噴射弁15を制御する(図11)。
また、ECU50は、シリンダ内推定ガス温度Tがガス温度判定用しきい値Tlimよりも大きく、分割噴射ができない場合、噴射制御内容として吸気行程噴射を行うことを決定して、その決定内容に従い燃料噴射弁15を制御する(図12)。
また、ECU50は、シリンダ内推定ガス温度Tがガス温度判定用しきい値Tlimよりも大きく、分割噴射ができるが、ガス温度差分値が差分値判定用しきい値△Tよりも大きい場合にも、噴射制御内容として吸気行程噴射を行うことを決定して、その決定内容に従い燃料噴射弁15を制御する(図13)。
また、ECU50は、シリンダ内推定ガス温度Tがガス温度判定用しきい値Tlimよりも大きく、分割噴射ができ、かつガス温度差分値が差分値判定用しきい値△T未満の場合、噴射制御内容として分割噴射を行うことを決定する。このとき、ECU50は、分割率マップを参照して、ガス温度差分値を基に、分割噴射における吸気行程噴射の割合を決定する。そして、ECU50は、その決定内容に従い燃料噴射弁15を制御する(図13、図14)。
また、前述の実施形態の説明では、シリンダ内ガス温度算出部58は、例えば、筒内温度推定部を構成する。また、噴射制御内容決定部59は、例えば、制御変更部及び差分値算出部を構成する。また、シリンダ内ガス温度算出部58、噴射制御内容決定部59、及び燃料噴射弁制御部60は、例えば、内燃機関の燃料噴射制御装置を構成する。また、吸気管11及び吸気マニホルド12は、例えば、吸気路又は導入路を構成する。また、排気マニホルド21及び排気管22は、例えば、排気路を構成する。また、補正係数Ainは、例えば、第1補正係数を構成する。また、補正係数Binは、例えば、第2補正係数を構成する。また、補正係数Aexは、例えば、第3補正係数を構成する。また、補正係数Bexは、例えば、第4補正係数を構成する。また、補正係数Lは、例えば、第5補正係数を構成する。また、補正係数Lは、例えば、第6補正係数を構成する。
(本実施形態における効果)
本実施形態では、シリンダ内推定ガス温度Tがガス温度判定用しきい値Tlimよりも大きい場合に吸気行程噴射を行うことによって、液状の燃料がピストン及びシリンダに付着し、燃料の気化潜熱によってそれらピストン及びシリンダの側面の温度が下がり、さらにはシリンダ内のガス温度が下がるため、圧縮時のシリンダ内の温度を下げることできる。これによって、本実施形態では、早期着火の発生を抑制できるため、早期着火の発生が内燃機関2にダメージに与えてしまうのを防止できる。
また、本実施形態では、エンジン回転数、エンジン負荷率、内部EGRガスのベース温度、吸気温度、吸気圧、エンジン水温、及び吸気バルブの閉タイミング等の内燃機関2の駆動状態に基づきT及びVを補正することによって、内燃機関2の駆動状態に合致させて、より高い精度でガス温度Tを推定できる。
(本実施形態の変形例)
本実施形態では、内燃機関2が吸気VVT(Variable Valve Timing)を実装している場合を前提として、吸気バルブ閉タイミング検出部57によって吸気バルブの閉タイミングを検出している。よって、本実施形態では、内燃機関2が吸気VVTを実装していない場合には、吸気バルブの閉タイミングを、エンジン仕様設定から決定される固定値とすることができる。
また、本実施形態では、図4乃至図9を用いて補正係数Aex、Bex、Ain、Bin、L、Lを具体的に説明した。しかし、本実施形態は、これに限定されない。すなわち、補正係数Aexは、オーバラップの期間が長いほど大きくなる値であれば良い。また、補正係数Bexは、エンジン水温が高くかつエンジン回転数が大きいほど大きくなる値であれば良い。また、補正係数Ainは、エンジン回転数が大きくかつ吸気弁側での吸気圧力が高いほど大きくなる値であれば良い。また、補正係数Binは、エンジン水温が高くかつ吸気弁側での吸気圧力が高いほど大きくなる値であれば良い。また、補正係数Lは、吸気弁側での吸気圧力が高いほど大きくなりかつエンジン回転数に応じて変化する値であれば良い。また、補正係数Lは、エンジン水温が高くかつエンジン回転数が大きいほど大きくなる値であれば良い。
また、本発明の実施形態を具体的に説明したが、本発明の範囲は、図示され記載された例示的な実施形態に限定されるものではなく、本発明が目的とするものと均等な効果をもたらすすべての実施形態をも含む。さらに、本発明の範囲は、請求項1により画される発明の特徴の組み合わせに限定されるものではなく、すべての開示されたそれぞれの特徴のうち特定の特徴のあらゆる所望する組み合わせによって画されうる。
1 車両、2 内燃機関、41 吸気温度センサ、42 吸気圧センサ、43 エアフローセンサ、44 排気温度センサ、45 クランク角センサ、46 エンジン水温センサ、47 カム角センサ、50 ECU、51 エンジン回転検出部、52 エンジン負荷率算出部、53 内部EGRガスベース温度検出部、54 吸気温度検出部、55 吸気圧検出部、56 エンジン水温検出部、57 吸気バルブ閉タイミング検出部、58 シリンダ内ガス温度算出部、59 噴射制御内容決定部、60 燃料噴射弁制御部

Claims (7)

  1. 内燃機関の気筒に設けた吸気弁に対し上流側に位置するように前記気筒への気体の導入路に配置された燃料噴射弁を制御する内燃機関の燃料噴射制御装置であって、
    排気弁が開となる気筒の排気行程時に前記燃料噴射弁から燃料を噴射させる燃料噴射弁制御部と、
    前記気筒の圧縮時の筒内温度を推定する筒内温度推定部と、
    前記筒内温度推定部が推定した圧縮時の筒内温度が早期着火が発生すると予測される温度よりも高いと判定すると前記吸気弁が開となる気筒の吸気行程時に前記燃料噴射弁から燃料を噴射させて当該気筒の筒内に燃料を供給するように前記燃料噴射弁制御部が行う制御を変更する制御変更部と、
    を有することを特徴とする内燃機関の燃料噴射制御装置。
  2. 前記筒内温度推定部が推定した圧縮時の筒内温度が早期着火が発生すると予測される温度よりも高いと前記制御変更部が判定したときの前記圧縮時の筒内温度と前記早期着火が発生すると予測される温度との差分値を算出する差分値算出部をさらに有し、
    前記制御変更部は、前記差分値算出部が算出した差分値が予め設定されたしきい値よりも高いと判定すると前記吸気行程時に前記燃料噴射弁から燃料を噴射させて気筒の筒内に燃料を供給するように前記燃料噴射弁制御部が行う制御を変更し、前記差分値算出部が算出した差分値が前記しきい値以下であると判定すると前記排気行程時に前記燃料噴射弁から燃料を噴射させ、当該排気行程の後の前記吸気行程時に前記燃料噴射弁から燃料を噴射させて気筒の筒内に燃料を供給するように前記燃料噴射弁制御部が行う制御を変更することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
  3. 前記制御変更部は、前記差分値算出部が算出した差分値が前記しきい値以下であると判定しても前記排気行程時に実施する前記燃料噴射弁による燃料噴射の期間が予め設定された期間よりも短いと判定すると前記排気行程時の前記燃料噴射弁からの燃料噴射を行わず、当該排気行程時に噴射予定の燃料分を当該排気行程の後の前記吸気行程時に上乗せした燃料を前記燃料噴射弁から噴射させて気筒の筒内に燃料を供給するように前記燃料噴射弁制御部が行う制御を変更することを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
  4. 前記制御変更部は、前記差分値算出部が算出した差分値が前記しきい値以下であると判定すると当該差分値が小さいほど前記排気行程時の燃料噴射期間と前記吸気行程時の燃料噴射期間とを合算した期間に対する前記吸気行程時の燃料噴射期間の割合を高くすることを特徴とする請求項2又は3に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
  5. 前記排気行程時の燃料噴射は、吸気弁が開く前に終了し、前記吸気行程時の燃料噴射は、排気弁が閉じてから開始されることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
  6. 前記内燃機関は、外部EGR(Exhaust Gas Recirculation)及び内部EGRによって排気ガスを筒内に導入しており、
    前記内燃機関の前記導入路に設けられて前記吸気弁側から筒内に吸入される気体の温度を検出する吸気温度検出部と、前記内燃機関からの排気ガスが排気される排気路において前記排気ガスを浄化する触媒の上流側に設けられて前記排気ガスの温度を検出する排気温度検出部と、エンジン回転数が大きくかつ前記吸気弁側での吸気圧力が高いほど大きくなる第1補正係数及びエンジン水温が高くかつ前記吸気弁側での吸気圧力が高いほど大きくなる第2補正係数によって前記吸気温度検出部が検出した気体の温度を補正して補正後の前記気体の温度を算出する気体温度算出部と、前記排気弁及び前記吸気弁がともに開となるオーバラップの期間が長いほど大きくなる第3補正係数並びにエンジン水温が高くかつエンジン回転数が大きいほど大きくなる第4補正係数によって前記排気温度検出部が検出した排気ガスの温度を補正して補正後の前記排気ガスの温度を算出する排気ガス温度算出部と、をさらに有し、
    前記筒内温度推定部は、前記気体温度算出部が算出した気体の温度及び前記排気ガス温度算出部が算出した排気ガスの温度を基に前記圧縮時の筒内温度を算出することを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
  7. 前記吸気弁側での吸気圧力が高いほど大きくなりかつエンジン回転数に応じて変化する第5補正係数及びエンジン水温が高くかつエンジン回転数が大きいほど大きくなる第6補正係数によって前記吸気弁が閉じた時のピストン位置での筒内の容積を補正して算出した補正後の当該筒内の容積をVとし、前記吸気弁が閉じた時の筒内の気体の温度をTとし、ピストンが上死点に位置するときの筒内の容積をVとし、比熱比をkとしたときに、
    前記筒内温度推定部は、前記圧縮時の筒内温度Tを、
    =T・(V/V(k−1)
    として算出することを特徴とする請求項6に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
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