JP2013240925A - 非接触型情報媒体および非接触型情報媒体付き冊子 - Google Patents

非接触型情報媒体および非接触型情報媒体付き冊子 Download PDF

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Abstract

【課題】耐水性に富み、偽変造を防止するとともに偽変造品を容易に判別でき、かつ、セキュリティ性の高い非接触型情報媒体および非接触型情報媒体付き冊子を提供することである。
【解決手段】本発明に係る非接触型情報媒体は、内側に接着層を有する少なくとも2つの基材と、この2つの基材の間に前記接着層を介して挟持され、ICチップおよび当該ICチップに接続されたアンテナコイルからなるICインレットと、このICインレットと前記基材との間に設けられ、前記ICインレットに対する外部からの影響を防止する保護層と、前記基材および前記ICインレットおよび前記保護層の少なくとも各一部分に連続したパターンとなるように形成された偽変造防止マークとを具備している。
【選択図】図2

Description

本発明は、非接触型情報媒体および非接触型情報媒体付き冊子に関する。
近年、非接触型ICカードや非接触型ICタグを用いたシステムが普及する中、たとえば、パスポートや預貯金通帳等の冊子に非接触型ICチップとそれに接続されたアンテナコイルからなるICインレットを外装基材で挟み込んで非接触型情報媒体とし、この非接触型情報媒体とカバークロスなどを用いた表紙用部材とを貼り合わせた上で、内貼り用紙と本文用紙を取付けて装丁した、電子データの記入や印字が可能な非接触型情報媒体付き冊子が開発され公知となっている。
このような非接触型情報媒体付き冊子の一事例として、第1の基材の上面側に、所定の広さの開口部を有する第2の基材が接着されて凹部が形成され、この凹部内にICチップとこれに接続されたアンテナコイルが備えられ、前記第1の基材シートの下面側に接着層が設けられている非接触型情報媒体が裏表紙の内面に貼付されてなる非接触型情報媒体付き冊子が公知である(たとえば、特許文献1参照)。
一般に流通しているクレジットカードやICカードは、熱可塑性の基材、たとえば、ポリ塩化ビニル(PVC)やPET−G(テレフタル酸とエチレングリコールにより生産されるポリエステル樹脂にエチレングリコールの一定含有量をシクロヘキサンジメタノールに置き換えた変性ポリエステル樹脂)などの基材の間にICチップおよびアンテナコイル等を挟み込み、強い熱圧をかけることで基材を流動させて平滑にして得ることができる。
また、クレッジットカードやICカードだけでなく、銀行券や有価証券などの印刷物あるいは運転免許証やパスポートなどの証明物は不正に利用する者から未然に偽造や変造を防ぐ必要がある。しかし、非接触型情報媒体付き冊子の1つである電子パスポートを例にとると、多くの偽造と変造が報告されており、それらの偽変造を防止するため、冊子に偽変造防止機能を付加させることが要求されている。
冊子の偽変造を防止するためには、一般的に用いられている偽変造防止技術を使用することができ、たとえば、見る角度によって色が変化するインキ(OVI)や、紫外線ライトに反応するUV蛍光インキなどを印刷したり、用紙自体に特殊な蛍光を発する糸を漉き込んだり、セキュリティスレッドを挿入したりすることも行なわれている。
また、近年では機械検知によって偽変造を判別するため、たとえば、特殊な波長で吸収ピークを持つ赤外吸収インキを印刷することなども行なわれている(たとえば、特許文献2、3参照)。
さらに、個人認証が必要なパスポートを例にとると、名前や顔写真などの個人情報の変造を防止するために、データページに例えばホログラムフィルムのラミネートが施されていたり、レーザーエングレービングによって個人情報を記録したりして、目視でも個体認識ができるようになっている。
非接触型情報媒体の基材にPVCやPET−Gを使用して、ICチップやアンテナコイルを中に閉じ込めることで、水分や薬品など外部からの影響に対して耐性を持たせることができる反面、剛度が高すぎて冊子として形成し難い問題がある。
そこで、PVCやPET−Gの代わりに多孔質熱可塑性シートを使用することで、柔軟性に富んだ非接触型情報媒体を作製することが可能になる。しかし、多孔質熱可塑性シートはシート内に空孔があるため、様々なタイプの接着剤と良好な密着性を有するが、外部からの水分や各種イオンの透過も起き易いため、内部への透過の抑制が求められている。
また、ICカードに代表されるような非接触型情報媒体は、個人認証が必要な商材が多いが、偽変造を行ない、所有者になりすまして不正に使用する者の後が絶たない。認証確認を行なう者も見極め方の方法を鍛錬されているとは限らないため、セキュリティ性を向上させつつも、正確かつ簡便に真贋判定を行なうことが求められている。
さらに、従来技術では、偽変造が容易に行なわれてしまったり、偽変造の痕跡が残りにくかったり、真贋判定を行なうことが困難であるという問題がある。このような状況に対して、上述したような従来の偽変造防止技術は基本的には紙幣や有価証券、パスポート冊子など、紙をベースとした印刷物の偽変造を防止するものであり、上記のように非接触型情報媒体を取り代えたりするような変造には効果が少ない。
特開2002−42068号公報 特開2000−6512号公報 特開2006−244097号公報
本発明が解決しようとする課題は、耐水性に富み、偽変造を防止するとともに偽変造品を容易に判別でき、かつ、セキュリティ性の高い非接触型情報媒体および非接触型情報媒体付き冊子を提供することである。
本発明の請求項1に係る非接触型情報媒体は、内側に接着層を有する少なくとも2つの基材と、この2つの基材の間に前記接着層を介して挟持され、ICチップおよび当該ICチップに接続されたアンテナコイルからなるICインレットと、このICインレットと前記基材との間に設けられ、前記ICインレットに対する外部からの影響を防止する保護層と、前記基材および前記ICインレットおよび前記保護層の少なくとも各一部分に連続したパターンとなるように形成された偽変造防止マークとを具備している。
本発明の請求項2に係る非接触型情報媒体は、前記偽変造防止マークは、前記基材および前記ICインレットおよび前記保護層の少なくとも各一部分に赤外吸収インキでマーキングがされており、特定波長の光を照射して読取りを行なうことにより連続したパターンを確認できることを特徴とする。
本発明の請求項3に係る非接触型情報媒体は、前記偽変造防止マークは、近赤外領域の特定波長光に吸収を持つ赤外吸収インキで形成されたことを特徴とする。
本発明の請求項4に係る非接触型情報媒体は、前記保護層は、外部からの水分や各種イオンの透過を抑制する材料で形成されていることを特徴とする。
本発明の請求項5に係る非接触型情報媒体は、前記基材は多孔質熱可塑性シートであることを特徴とする。
本発明の請求項6に係る非接触型情報媒体付き冊子は、内側に接着層を有する少なくとも2つの基材と、この2つの基材の間に前記接着層を介して挟持され、ICチップおよび当該ICチップに接続されたアンテナコイルからなるICインレットと、このICインレットと前記基材との間に設けられ、前記ICインレットに対する外部からの影響を防止する保護層と、前記基材および前記ICインレットおよび前記保護層の少なくとも各一部分に連続したパターンとなるように形成された偽変造防止マークとから構成される非接触型情報媒体が、冊子の表紙の内部に埋設されてなることを特徴とする。
本発明の請求項1に係るに非接触型情報媒体よれば、ICインレットと基材との間に保護層を設けることで、たとえば、基材の空孔から侵入する水分や各種イオンをICインレットを構成するICチップやアンテナコイル部分に到達することなく未然に防止することができる。
また、基材およびICインレットおよび保護層の少なくとも各一部分に連続したパターンとなるように偽変造防止マークを設けることで、開封することなく、機械検知で偽変造品がどうかの確認ができる。
さらに、上記非接触型情報媒体は、加工する際に熱ラミネーションするため、偽変造防止マークも融着して1つの柄となる。成型した後の非接触型情報媒体からICインレットを抜き取ろうとした場合、無理に剥がすため、偽変造防止マークに傷が付き、同じ位置に入れ替えても痕跡が残るので、偽変造品かどうかの判断を容易に行なうことができる。
本発明の請求項2に係るに非接触型情報媒体よれば、偽変造防止マークは、接着層の一部として組み込むことも可能であるため、複数の媒体の間に積層され、印刷層が隠蔽されることで外部からのダメージも軽減できる。
また、複数の媒体へ偽変造防止マークをマーキングし、熱ラミネーションして貼り合わせることで、各箇所にマーキングされた図柄(パターン)が重ね合わせられることにより、少なくとも1つ以上の図柄を形成し、外部からは気づかれない位置に偽造防止技術を組み込むことができる。
さらには、もし無理やりICインレットを取出そうとして、前記非接触型情報媒体を破壊しようとすると、熱ラミネーションして一体化した偽変造防止マークの形状は崩れ、元には戻らないため、偽変造の痕跡を残すことができる。
本発明の請求項3に係るに非接触型情報媒体よれば、偽変造防止マークに用いるインキに赤外吸収インキを用いることで、前記非接触型情報媒体を開封しなくても、外部から機械検知することで図柄、位置、痕跡の確認が容易にでき、偽変造の有無の確認が行なえる。
また、偽変造防止マークに用いる色材は、近赤外に幅広い吸収を有する赤外吸収インキではなく、特定波長の光のみ吸収をする色材を選択することで、機械検知時の赤外光を照射したときのみ吸収が起こり検査機のモニタのコントラストが変化し、検知することができる。特定波長以外の光を照射しても光を吸収しないため、検査機のモニタにはコントラストが生じず、偽変造防止マークは認識されないため、一般的に近赤外領域の光を全て吸収してしまうカーボンブラックと混同せずに偽変造の痕跡をチェックすることができ、個体認証の高いセキュリティ性を保持しつつ、簡便かつ迅速に偽変造品の真贋判定を行なうことができる。前記赤外吸収インキは、少なくとも機械検知に使用する照射光の領域での赤外波長光の吸収を示し、その他の赤外波長領域では透過を示すものが好ましい。
本発明の請求項4に係るに非接触型情報媒体よれば、保護層を外部からの水分や各種イオンの透過を抑制する材料で形成することで、外部からの影響、たとえばICチップやアンテナコイルを腐食させることを防ぐことができる。
本発明の請求項5に係るに非接触型情報媒体よれば、基材として、多孔質熱可塑性シートを用いることで、様々なタイプの接着剤と良好な密着性を示し、かつ、凹凸がなく、柔軟な非接触型情報媒体を作製することができる。
本発明の請求項6に係るに非接触型情報媒体付き冊子によれば、非接触型情報媒体に設けた保護層で耐水性および耐イオン性を付与させ、偽変造防止マークを複数箇所に熱ラミネートすることで一体化して施し、冊子状のまま特定波長の光を照射することで、偽変造防止マークを機械で読取り可能となると同時に、破壊行為が行なわれても偽変造の痕跡を残し、復元することが困難なため、迅速かつ正確に真贋判定をすることができる。
本発明の実施形態に係る非接触型情報媒体付き冊子を模式的に示す斜視図。 本発明の実施形態に係る非接触型情報媒体付き冊子の非接触型情報媒体の構成を模式的に示す縦断側面図。 本発明の実施形態に係る非接触型情報媒体付き冊子の表紙の構成を模式的に示す縦断側面図。 本発明の実施形態に係る偽変造防止マークを施した非接触型情報媒体を説明するための概念図。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る非接触型情報媒体付き冊子1を示すもので、表紙用部材2とその内面に貼着する内貼り用紙3との間に、非接触型情報媒体4を挟み込んで埋設し形成された表紙5と、これに複数の本文用紙6が取付けられて構成される。
非接触型情報媒体4は、図2に示すように、ICインレット7を主体に構成されている。すなわち、ICインレット7は、アンテナシート8およびアンテナコイル9およびICチップ10から構成されていて、アンテナシート8上にエッチング方式やワイヤボンディング方式あるいは印刷方式などによってアンテナコイル9が形成され、このアンテナコイル9にICチップ10が溶接方式などによって接続されている。
なお、図2で示したICインレット7の形態は一例であり、本発明はこの形態に限定されるものではない。
ICインレット7は、複数(この例では2つ)の基材11の間に配置(挟持)されている。基材11の各内側には、基材11を貼り合わせるための層である接着層12を積層させて熱圧着することで非接触型情報媒体4を作製している。
また、耐水性および耐イオン性を持たせるために、保護層13として接着剤12を塗布した薄層フィルムをアンテナシート8のアンテナコイル9側と上側の基材11との間に挟み込み、圧着することで接着している。このとき、熱圧着を用いる場合は、保護層13として耐熱性のあるフィルムを選定することが必要である。
また、アンテナシート8、アンテナコイル9、ICチップ10からなるICインレット7は、ICチップ10自身の厚みや、アンテナコイル9の厚み、ジャンパ線とアンテナコイル9との接合部やアンテナシート8自体の厚みなどにより、凹凸のあるシートとなっている。
ICインレット7を基材11の間に挟んで非接触型情報媒体4に加工する際、外観上はこれらの凹凸をなくすことが望ましい。そのため、下側の基材11にICチップ10を収納する穴14を設け、この穴14内にICチップ10が収まるようにしている。
そして、図3に示すように、非接触型情報媒体4の外側に、ホットメルト層15を介して表紙用部材2を接着し、非接触型情報媒体付き冊子1の表紙5を作製している。実際の作業としては、内貼り用紙3に本文用紙6を取付けてから、表紙用部材2が接着された非接触型情報媒体4に接着剤12を介して内貼り用紙3を接着する。
基材11としては、たとえば、ポリ塩化ビニル(PVC)やPET−G(テレフタル酸とエチレングリコールにより生産されるポリエステル樹脂にエチレングリコールの一定含有量をシクロヘキサンジメタノールに置き換えた変性ポリエステル樹脂)、ポリエチレン、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリスチレンなどの平滑なシートだけでなく、これら樹脂を単体または組合わせて使用し、シリカなどの多孔質粒子を混合したり、混合時に空気を入れて発泡したり、延伸後に穿孔加工したりすることで、穴や窪みを樹脂シート内に加工した多孔質熱可塑性シートを使用することができる。
このような多孔質熱可塑性シートは、一般にインクジェットやオフセットなどに対する印刷適性を付与した樹脂シートあるいは合成紙として市販されている。
基材11に多孔質熱可塑性シートを使用することで、柔軟性のある非接触型情報媒体4を形成することが可能となり、また、接着層12と良好な密着性を得ることができるため加工性に優れている。
基材11に多孔質熱可塑性シートを使用する場合、図2に示すように、2つの基材11のそれぞれ内側にあたる部分に、あらかじめ熱可塑性の接着層12を塗布形成し、熱圧を掛けることで接着させ、非接触型情報媒体4を得る。
ここで、接着層12に使用可能な熱可塑性の材料は、エチレン−酢酸ビニル共重合体系、エチレン−メタクリル酸共重合体系、ポリエステル系、アクリル系、ナイロン系、ポリアミド系、ポリウレタン系、ポリオレフィン系など、一般的な各種熱可塑性の樹脂を使用することができる。
これらの中でも接着層12には、特に水分に強く、酸素や塩化物イオンの透過を抑制するような塗膜を形成する樹脂を選択すると、さらなる外部から侵入する水分やイオンからICインレット7を保護する効果の向上に繋がる。この耐性能を両立させるために、2種類以上の樹脂を混合して使用することも可能である。たとえば、エチレン−メタクリル酸共重合体系の接着剤にエポキシ系架橋剤を添加したものや、ポリオレフィン系、アクリル系の接着剤などをグラビア方式、オフセット方式、インクジェット方式などで用途に応じて好適な性能を得ることができる。
また、上記の樹脂を使用してエマルジョンやディスパージョンにした水系のヒートシール剤を用いる場合には、それらのヒートシール剤自体がアンテナコイル等に悪影響を与えないかについても注意が必要である。
一方、一般的にポリエステル系の接着剤は湿度による加水分解が生じる可能性があり、エチレン−酢酸ビニル系は掲示劣化し易いので注意が必要である。
保護層13には、特に水分に強く、酸素や塩化物イオンの透過を抑制するようなフィルムを選択する必要があり、また熱や湿度により劣化を生じないものを使用する。たとえば、アクリル、ナイロン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリエステル、ポリカーボネート、アセチルセルロース、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリウレタンなど一般的なフィルムならよい。ただし、冊子化工程や冊子として使用するときの利便性を持たせるために、柔軟性を維持する必要があるため、薄層フィルムを用いることが必要であり、厚さが4μmから25μmのフィルムが好ましく、特に10μm以下の厚みであるとよい。
また、図3、図4に示すように、偽変造防止マーク16が設けられている。偽変造防止マーク16は、アンテナシート8、接着剤12が塗工された基材11および保護層13にインクジェット方式やスクリーン印刷などで施され、少なくとも一部分に連続した図柄(パターン)となるように形成される。場合によっては、複数箇所に偽変造防止マーク16を設けてもよく、また偽変造防止マーク16は断続的な図柄または文字でも構わない。
なお、図3、図4で示した偽変造防止マーク16の形態は一例であり、本発明はこの形態に限定されるものではない。
偽変造防止マーク16に使用する赤外吸収インキの材料は、少なくとも機械読取りの波長域で吸収を示すものである必要がある。たとえば、シアニン系、ピリリウム系、チオピリリウム系、スクワリリウム系、クロコニウム系、アズレニウム系等のポリメチン系色素、フタロシアニン系色素、ナフタロシアニン系色素、ジチオール金属錯塩系色素、ナフトキノン系色素、アントラキノン系色素、トリフェニルメタン系色素、アルミニウム系色素、ジインモニウム系色素等の有機色素類の他、金属酸化物、金属水酸化物を使用することが可能である。
非接触型情報媒体4に偽変造防止マー16を施し、モニタを搭載した検査機で確認すると、モニタ上に隠蔽した図柄が浮かび上がる。赤外吸収インキや波長を特定のものにしているため、セキュリティ性は高く、検査方法もマーキング位置と図柄の形状を確認することで偽変造品かどうかの判断が付く。もし、モニタの無い検査機で確認をしてもマーキングの有無は確認できるが、形状の確認はできない。そのため、セキュリティのレベルに応じて検査機の種類を選択することも可能である。
もし、偽変造するために、無理やりICインレット7を抜き取ろうとした場合、熱ラミネートした非接触型情報媒体4は接着剤の間で剥がすことになる。しかし、偽変造防止マーク16を施しているため、剥がしたときに、熱ラミネートした時に一体化した偽変造防止マーク16の図柄は変形し、元の状態に戻すことが不可能となる。その剥がした痕跡は、ICインレット7だけでなく、基材11側と保護層13側にも残るため、全ての層において使いまわしができなくなるため、セキュリティ性の高い非接触型情報媒体4を得ることが可能となる。
また、非接触型情報媒体付き冊子1は、非接触型情報媒体4を表紙用部材2と内貼り用紙3との間に挟み込んで接着して表紙5とし、本文用紙6と合わせて製本して冊子形状に加工されたものである。
非接触型情報媒体4は内貼り用紙3と接着剤12によって接着されるが、ここで用いる接着剤12は作業性や環境の側面からも水系のエマルジョン接着剤を使用する場合が多く、また、実際にはこれまで冊子を製造してきた設備を使用することも多いので、布と紙の貼り合わせ用としての接着剤が選ばれてきた。
仮に非接触型情報媒体付き冊子1に使用する非接触型情報媒体4を、一般のICカードに使われるような外装基材、たとえば、PVCやPET−Gを使用して作成した場合、既存の設備および接着剤で内貼り用紙3を接着することはできない上、剛度が高いことによる問題が生じる。
このような問題を解決するため、多孔質熱可塑性基材シートを基材11として使用することで、様々なタイプの接着剤と良好な密着性を示し、かつ、凹凸が無く、柔軟な非接触型情報媒体付き冊子1を作成することができる。
非接触型情報媒体4と表紙用部材2とを接着するホットメルト層15は、体積変化の無い反応硬化型の接着剤を好適に用いることができる。仮に体積変化のある乾燥硬化型の接着剤を使用した場合、非接触型情報媒体4の一部が凹んでいたとすると、接着剤の使用量が多くなるため乾燥時の体積減少が大きくなり、表紙用部材2の外側に凹みが生じてしまうため外観上の問題となる。
このような問題を解決するために、体積変化のない接着剤を使用することが望ましく、たとえば、2液混合型エポキシ系接着剤、湿気硬化型シリコン系接着剤、1液硬化型ウレタン系接着剤などが使用できる。また、エチレン−酢酸ビニル共重合体系、エチレン−メタクリル酸共重合体系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリウレタン系、ポリオレフィン系など、各種のホットメルト接着剤なども使用可能である。
以下、本発明の具体的実施例について説明する。
<実施例1>
ICインレット7の作製:ポリエチレンテレフタレートシートをアンテナシート8とし、その表面にアンテナコイル9を形成するとともに裏面にジャンパ線を形成し、アンテナコイル9とジャンパ線とを接合した一般的なシートを用意した。アンテナコイル9の接続端子部にICチップ10を溶接してICインレット7を得た。
非接触型情報媒体4の作製:基材11として多孔質熱可塑性シートを準備し、このシートのICインレット7側にスクリーン印刷機を用いて、接着層12としてユニチカ株式会社製「エリーテルKA−5034」を5μm塗布した後、135℃のオーブンに入れ乾燥させた。
さらに、図2の下側となる接着層12を設けた基材11はICチップ10を収納する穴14を設けた。
次に、図2に示すように、上記で準備したICインレット7を基材11の多孔質熱可塑性シートで挟み込み、ローラで110℃以上、160℃以下に加熱しながら5Kgf/cm以上、30Kgf/cmの圧力をかけて接着させ、その後エージングをして非接触型情報媒体4を得た。
非接触型情報媒体4と表紙用部材2との貼り合わせ:接着層となるホットメルト層15を100℃以上、150℃以下に設定したホットロールコータで溶融させ、表紙用部材2上に塗工した。ホットメルト層15が塗工された表紙用部材2が接着された非接触型情報媒体4を0.2Kgf/cm以上、2Kgf/cm以下の圧力のかかるローラで接着させた後、固化するまでエージングした。
非接触型情報媒体付き冊子1の作製:複数枚の本文用紙6と1枚の内貼り用紙3を丁合いし、中央をミシンで縫うことで内貼り用紙3が最外部に取付けられた本文用紙6を作製した。上記で得られた、表紙用部材2が接着された非接触型情報媒体4の面に接着層として水性接着剤を塗工し、前記の内貼り用紙3の外側と接着した。
こうして得られた冊子を広げた状態で、端辺を非接触型情報媒体4のサイズとなるように断裁して、非接触型情報媒体付き冊子1を得た。
以下、本発明の比較例について説明する。
<実施例2>
水分およびイオンの透過を抑制する保護層13を設け、さらに接着層12を塗工した基材11、接着層12を塗工した保護層13およびアンテナシートに8に偽変造防止マーク16を施した以外は実施例1と同様にして、実施例2の非接触型情報媒体付き冊子1を得た。
保護層13の作製:一般的な厚さが6μmのPETフィルムの片側に接着層12としてユニチカ株式会社製「エリーテルKA−5034」を厚さ5μm塗布して135℃のオーブンに入れ乾燥させて保護層13を得た。
偽変造防止マーク16の付与:図2の上側となる基材11の接着層12の面、保護層13の接着層12の面、およびアンテナシート8に、偽変造防止マーク16としてスクリーン印刷を用いて赤外吸収インキで図柄を印刷した。印刷インキとして赤外吸収染料である日本感光色素研究所製「NK2911」3重量部を添加したユニチカ株式会社「KT−8803」27重量部を塗工の必要ない部分をマスクしてパターン印刷を行ない、135℃のオーブンに入れ乾燥させ、特定波長の光を吸収し、機械で読取り可能となる偽変造防止の性能を有する偽変造防止マーク16を設けた。
図2の上側となる基材11とアンテナシート8との間に保護層13を挿入し、ローラで110℃以上、160℃以下に加熱しながら5Kgf/cm以上、30Kgf/cmの圧力をかけ接着させ、その後エージングをして水分およびイオンへの耐性を有し、偽変造防止性能を持った非接触型情報媒体4を得た。
以下、実施例と比較例との比較結果について説明する。
<比較結果>
実施例1と実施例2において、耐水性および耐イオン性能をみるために、塩水浸漬試験を実施した。24時間5%の塩水に浸漬させ、その後ICチップ10の通信の有無を確認したところ、保護層13のない非接触型情報媒体4は腐食が生じ、ICチップ10の通信ができないのに対して、保護層13のある非接触型情報媒体4は腐食が生じることがなく、耐水分および耐イオン性を有していることが確認された。
次に、特定波長の赤外線を照射して機械検知を実施したところ、偽変造防止マーク16があるものは図柄が確認できた。
さらに、無理やりICインレット7を取出すために非接触型情報媒体4を剥がし、再度接着させて外観を本物と同一にしてから、特定波長の赤外線を照射して、偽変造防止マーク16の機械検知を行なったところ、図柄の位置のずれと、図柄自体の変形が確認され、偽変造の痕跡が確認できた。
以上説明したように、上記実施形態の非接触型情報媒体4および非接触型情報媒体付き冊子1によれば、保護層13を設けたことにより、水分や各種イオンの透過を抑制することができ、さらに、偽変造防止マーク16を施すことにより、機械検知することで偽変造品かどうか真贋判定することができる。また、剥がされたときの偽変造の痕跡を残すこともでき、複製されても本物との違いが容易に確認できるため、セキュリティ性の高い非接触型情報媒体4および非接触型情報媒体付き冊子1を得ることができる。
さらに、上記実施形態によれば、非接触型情報媒体4および非接触型情報媒体付き冊子1を作製しても、外観を損ねることなく、セキュリティ性を施すことができ、非破壊のまま偽変造品かどうかの真贋判定を簡便に行なうことができる。そのため、たとえば、パスポートや通帳など耐性およびセキュリティ性を必要とする媒体および冊子に対して優れた事実上の効果を発揮する。
なお、前記実施形態では、アンテナシート8のアンテナコイル9側と上側の基材11との間に保護層13を設けた場合について説明したが、表紙用部材2と上側の基材11との間にも保護層13を設けてもよい。その場合、アンテナシート8のアンテナコイル9側と上側の基材11との間の保護層13は省略してもよい。
1…非接触型情報媒体付き冊子、2…表紙用部材、3…内貼り用紙、4…非接触型情報媒体、5…表紙、6…本文用紙、7…ICインレット、8…アンテナシート、9…アンテナコイル、10…ICチップ、11…基材、12…接着層、13…保護層、14…ICチップを収納する穴、15…ホットメルト層、16…偽変造防止マーク。

Claims (6)

  1. 内側に接着層を有する少なくとも2つの基材と、
    この2つの基材の間に前記接着層を介して挟持され、ICチップおよび当該ICチップに接続されたアンテナコイルからなるICインレットと、
    このICインレットと前記基材との間に設けられ、前記ICインレットに対する外部からの影響を防止する保護層と、
    前記基材および前記ICインレットおよび前記保護層の少なくとも各一部分に連続したパターンとなるように形成された偽変造防止マークと、
    を具備したことを特徴とする非接触型情報媒体。
  2. 前記偽変造防止マークは、前記基材および前記ICインレットおよび前記保護層の少なくとも各一部分に赤外吸収インキでマーキングがされており、特定波長の光を照射して読取りを行なうことにより連続したパターンを確認できることを特徴とする請求項1記載の非接触型情報媒体。
  3. 前記偽変造防止マークは、近赤外領域の特定波長光に吸収を持つ赤外吸収インキで形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の非接触型情報媒体。
  4. 前記保護層は、外部からの水分や各種イオンの透過を抑制する材料で形成されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の非接触型情報媒体。
  5. 前記基材は多孔質熱可塑性シートであることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の非接触型情報媒体。
  6. 内側に接着層を有する少なくとも2つの基材と、この2つの基材の間に前記接着層を介して挟持され、ICチップおよび当該ICチップに接続されたアンテナコイルからなるICインレットと、このICインレットと前記基材との間に設けられ、前記ICインレットに対する外部からの影響を防止する保護層と、前記基材および前記ICインレットおよび前記保護層の少なくとも各一部分に連続したパターンとなるように形成された偽変造防止マークとから構成される非接触型情報媒体が、冊子の表紙の内部に埋設されてなることを特徴とする非接触型情報媒体付き冊子。
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