以下、本発明の実施形態について添付図面を参照しながら説明する。
本実施形態に係る熱間プレス成形では、通電位置において重ね合わせられた複数の板状ワークに電極を取り付けて通電することにより複数の板状ワークを加熱し、加熱された複数の板状ワークを通電位置とは異なる板状ワークごとに設けられたプレス位置に配置し、プレス位置に配置された複数の板状ワークをそれぞれプレス成形する。
本実施形態では、2つの板状ワークを通電加熱によって加熱した後にプレス成形する熱間プレス成形について説明するが、これに限定されるものでなく、3つ以上の板状ワークを通電加熱によって加熱した後にプレス成形する場合についても同様にして行うことができる。
図1は、本発明の第1実施形態に係る熱間プレス成形装置の概略側面図であり、図2は、図1におけるV1方向から見た前記熱間プレス成形装置の概略正面図である。また、図3は、前記熱間プレス成形装置の加熱装置の概略正面図であり、図4は、図3におけるA部を拡大して示す要部拡大図である。
図1から図4に示すように、第1実施形態に係る熱間プレス成形装置1は、略平板状に形成された導電性の2つの板状ワークW1,W2を通電加熱によって加熱した後にプレス成形するものであり、第1プレス成形装置10と、第2プレス成形装置20と、2つの板状ワークW1、W2を通電加熱によって加熱する加熱装置30と、第1プレス成形装置10と第2プレス成形装置20に2つの板状ワークW1,W2をそれぞれ配置するための配置装置40とを備えている。
第1プレス成形装置10は、第1板状ワーク(第1ワーク)W1をプレス成形するものであり、第1ワークW1を所定形状に成形するための成形型11を備えている。成形型11は、上下方向に移動可能に構成されたパンチ12と、パンチ12と対向するように配置されたダイ13とを有し、パンチ12に下方側へ突出する突出部12aが設けられ、ダイ13にパンチ12の突出部12aに対応して凹状に形成された凹部13aが設けられている。
パンチ12は、パンチプレート14に取り付けられている。パンチプレート14は、スプリング15及びスプリングガイド16を介してパンチホルダ17に取り付けられている。パンチホルダ17には、図示しないパンチホルダ移動手段が連結され、該パンチホルダ移動手段は、パンチホルダ17を上下方向に移動させることができるようになっている。パンチ12は、前記パンチホルダ移動手段によってパンチホルダ17が上下方向に移動されることにより上下方向に移動される。一方、ダイ13は、ダイホルダ18に固定して取り付けられている。
成形型11は、前記パンチホルダ移動手段によってパンチ12が下方へ移動され、パンチ12の突出部12aとダイ13の凹部13aとを組み合わせることで所定のプレス位置(第1プレス位置)P1に配置された第1ワークW1を所定形状にプレス成形することができるようになっている。
第2プレス成形装置20は、第2ワークW2をプレス成形するものであり、第1プレス成形装置10と同様に構成されている。第2プレス成形装置20は、加熱装置30を挟んで第1プレス成形装置10と反対側に配置され、第2ワークW2を所定形状に成形するための成形型21を備えている。
成形型21は、上下方向に移動可能に構成されたパンチ22と、パンチ22と対向するように配置されたダイ23とを有し、パンチ22に下方側へ突出する突出部22aが設けられ、ダイ23にパンチ22の突出部22aに対応して凹状に形成された凹部23aが設けられている。
パンチ22はまた、パンチプレート24に取り付けられ、パンチプレート24は、スプリング25及びスプリングガイド26を介してパンチホルダ27に取り付けられている。パンチホルダ27は、図示しないパンチホルダ移動手段によって上下方向に移動されるようになっている。パンチ22は、前記パンチホルダ移動手段によってパンチホルダ27が上下方向に移動されることにより上下方向に移動される。一方、ダイ23は、ダイホルダ28に固定して取り付けられている。
成形型21は、前記パンチホルダ移動手段によってパンチ22が下方へ移動され、パンチ22の突出部22aとダイ23の凹部23aとを組み合わせることで第2プレス成形装置20に設けられた所定のプレス位置(第2プレス位置)P2に配置された第2ワークW2を所定形状にプレス成形することができるようになっている。
加熱装置30は、第1板状ワーク(第1ワーク)W1と第2板状ワーク(第2ワーク)を通電加熱によって加熱するものである。加熱装置30は、互いに離間して平行に配置される一対の電極31と、電極31に直流又は交流の電力を供給する電源32と、電極31と電源32とを接続するケーブル33とを備え、所定の通電位置E1において第1及び第2ワークW1、W2の両端部に一対の電極31を接触させて通電することにより第1及び第2ワークW1、W2を加熱する。
一対の電極31は、図3に示すように、ベースプレート34に固定して取り付けられている。一対の電極31は、例えば銅などの材料を用いて略直方体状に形成されたバー電極であり、一方の電極31aが正電極として使用され、他方の電極31bが負電極として使用される。
加熱装置30はまた、一対の電極31の上方にそれぞれ配置されるクランプ部材35を備えている。クランプ部材35は、電極31の延びる方向に略平行に延びる略直方体状のクランプ基部36と、ワーク、具体的には第1ワークW1に接触する先端部を備えたピン部37と、クランプ基部36とピン部37とに結合されるスプリング38とを備え、クランプ基部36が、図示しないクランプ基部移動手段に連結されて上下方向に移動可能に構成されている。
クランプ基部36は、通電位置E1において重ね合わせられる第1及び第2ワークW1、W2を挟んで電極31の反対側に配置され、前記クランプ基部移動手段によってクランプ基部36が下方へ移動されることによりクランプ部材35が下方へ移動される。第1及び第2ワークW1、W2に電極31を取り付ける際には、クランプ部材35が下方へ移動され、電極31とクランプ部材35とによって第1及び第2ワークW1、W2を挟持して取り付けることができる。
配置装置40は、加熱装置30によって通電位置E1において加熱された第1及び第2ワークW1、W2を通電位置E1とは異なるワークW1、W2ごとに設けられたプレス位置P1,P2に配置するものであり、通電位置E1において加熱された第1ワークW1を第1プレス成形装置10のプレス位置(第1プレス位置)P1に搬送する第1搬送手段41と、通電位置E1において加熱された第2ワークW2を第2プレス成形装置20のプレス位置(第2プレス位置)P2に搬送する第2搬送手段51とを備えている。
第1搬送手段41は、加熱装置30から第1プレス成形装置10に亘って互いに平行に延びると共に第1プレス成形装置10の成形型11を挟むように設けられる一対の搬送レール42と、一対の搬送レール42にそれぞれ配置され、第1ワークW1を搬送するための一対のワーク搬送具43とを備えている。
図4に示すように、搬送レール42には、無端状の搬送ベルト44が取り付けられ、搬送ベルト44は、図示しないベルト移動手段によって移動される。これにより、搬送ベルト44に取り付けられたワーク搬送具43は、搬送レール42に対して図1の矢印Y1で示す方向に水平方向に移動できるようになっている。
ワーク搬送具43は、第1ワークW1を保持するための保持部として水平方向に延びる略平板状のフォーク部45と、フォーク部45を支持するフォーク支持部46と、搬送ベルト44に固定して取り付けられる搬送基部47と、フォーク支持部46と搬送基部47とを連結する連結部48とを備えている。
フォーク部45は、例えば銅などの導電性を有する材料から形成され、図示しないフォーク移動手段によって、図4において二点鎖線で示すように矢印X1方向に水平方向にフォーク支持部46に対して移動可能に構成されている。一対のワーク搬送具43は、フォーク部45を移動することで、内方側に移動した実線で示す保持状態と外方側に移動した二点鎖線で示す解放状態とをとることができ、第1ワークW1を保持すると共に保持した第1ワークW1を解放することができるようになっている。なお、フォーク部45とフォーク支持部46との間には絶縁体(不図示)が備えられ、通電時にフォーク支持部46に電流が流れないようになっている。また、フォーク部45の先端のみを導電性材料から形成し、先端を除く部分をセラミック等の絶縁体としてフォーク支持部46に電流が流れないようにすることも可能である。
ワーク搬送具43は、通電位置E1において第1及び第2ワークW1、W2を加熱する際、第1及び第2ワークW1、W2間にフォーク部45を介在した状態で第1及び第2ワークW1、W2が重ね合わせられるように配置される。図4に示すように、電極31上に配置された第2ワークW1に、ワーク搬送具43のフォーク部45に第1ワークW1を保持した状態で第1ワークW1が重ね合わせられるように配置される。
第2搬送手段51は、第1搬送手段41の下方に配置され、第1搬送手段41と略同様に構成されている。第2搬送手段51は、加熱装置30から第2プレス成形装置20に亘って互いに平行に延びると共に第2プレス成形装置20の成形型21を挟むように設けられる一対の搬送レール52と、一対の搬送レール52にそれぞれ配置され、第2ワークW2を搬送するための一対のワーク搬送具53とを備えている。
図4に示すように、搬送レール52には、無端状の搬送ベルト54が取り付けられ、搬送ベルト54は、図示しないベルト移動手段によって移動される。これにより、搬送ベルト54に取り付けられたワーク搬送具53は、搬送レール52に対して図1の矢印Y2で示す方向に水平方向に移動できるようになっている。
ワーク搬送具53は、第2ワークW2を保持するための保持部として水平方向に延びる略平板状のフォーク部55と、フォーク部55を支持するフォーク支持部56と、搬送ベルト54に固定して取り付けられる搬送基部57と、フォーク支持部56と搬送基部57とを連結する連結部58とを備えている。
フォーク部55についても、例えば銅などの導電性を有する材料から形成され、図示しないフォーク移動手段によって、図4において二点鎖線で示すように矢印X2方向に水平方向にフォーク支持部56に対して移動可能に構成されている。一対のワーク搬送具53は、フォーク部55を移動することで、内方側に移動した実線で示す保持状態と外方側に移動した二点鎖線で示す解放状態とをとることができ、第2ワークW2を保持すると共に保持した第2ワークW2を解放することができるようになっている。なお、フォーク部55とフォーク支持部56との間には絶縁体(不図示)が備えられ、通電時にフォーク支持部56に電流が流れないようになっている。また、フォーク部55の先端のみを導電性材料から形成し、先端を除く部分をセラミック等の絶縁体としてフォーク支持部56に電流が流れないようにすることも可能である。
ワーク搬送具53は、通電位置E1において第1及び第2ワークW1、W2を加熱する際、第2ワークW2及び電極31間にフォーク部55を介在した状態で第1及び第2ワークW1、W2が重ね合わせられるように配置される。図4に示すように、電極31上に、ワーク搬送具53のフォーク部55に第2ワークW2を保持した状態で第2ワークW2が配置される。
第1及び第2プレス成形装置10、20にはそれぞれ、第1及び第2ワークW1、W2の位置を調整するための位置調整手段(不図示)が備えられ、第1及び第2ワークW1、W2をそれぞれ第1及び第2プレス位置P1、P2に位置調整することができるようになっている。
熱間プレス成形装置1にはまた、該熱間プレス成形装置1に関連する構成を総合的に制御する制御装置(不図示)が備えられ、該制御装置は、第1プレス成形装置10、第2プレス成形装置20、加熱装置30及び配置装置40等の作動を制御することができるようになっている。なお、前記制御装置は、好ましくはマイクロコンピュータを主要部として構成されている。
熱間プレス成形装置1を用いて、第1及び第2ワークW1、W2を加熱した後にプレス成形する際は先ず、成形型11のパンチ12とダイ13とが離間すると共に成形型21のパンチ22とダイ23とが離間するように配置される。
そして、図示しない搬送手段を用いて第2搬送手段51のワーク搬送具53のフォーク部55に第2ワークW2を保持し、ワーク搬送具53のフォーク部55に第2ワークW1を保持した状態で第2ワークW2を通電位置E1に配置し、電極31と第2ワークW2との間にフォーク部55を介在した状態で電極31上に第2ワークW2を配置する。
次に、図示しない搬送手段を用いて第1搬送手段41のワーク搬送具43のフォーク部45に第1ワークW1を保持し、ワーク搬送具43のフォーク部45に第1ワークW1を保持した状態で第1ワークW1を通電位置E1に配置し、電極31上に配置された第2ワークW2に第1ワークW1を重ね合わせる。
図5は、前記熱間プレス成形装置において通電位置に配置された板状ワークを示す平面図である。図5に示すように、通電位置E1において、ワーク搬送具53のフォーク部55に第2ワークW2を保持すると共にワーク搬送具43のフォーク部45に第1ワークW1を保持した状態で第1及び第2ワークW1、W2が重ね合わせられる。そして、通電位置E1において重ね合わせられた第1及び第2ワークW1、W2が通電加熱によって加熱される。
図6は、前記熱間プレス成形装置において板状ワークの通電加熱を説明するための説明図であり、図6(a)は、電極上に配置された第1及び第2ワークを示す平面図、図6(b)は、電極上に配置された第1及び第2ワークを示す側面図である。
本実施形態では、板状ワークとして、高張力鋼板などの略平板状に形成された導電性の同一の第1及び第2ワークW1、W2が用いられ、第1及び第2ワークW1、W2は、図6(a)及び図6(b)に示すように、所定厚さを有すると共に同一形状に形成されている。第1及び第2ワークW1、W2は、これに限定されるものではないが、一対の対辺が互いに平行な直角台形状に形成されている。
第1及び第2ワークW1、W2は、それらの直角部がそれぞれ一致するようにして重ね合わせられ、重ね合わせられた第1及び第2ワークW1、W2の通電方向に直交する断面における断面積の総和が、通電方向における正電極31aからの距離に関わらず略一定となるように重ね合わせられる。
第1及び第2ワークW1、W2が通電位置E1において重ね合わせられると、クランプ部材35が下方へ移動され、電極31とクランプ部材35とによって第1及び第2ワークW1、W2が挟持され、第1及び第2ワークW1、W2に一対の電極31が取り付けられる。そして、電極31間を通電することにより第1及び第2ワークW1、W2が通電加熱によって所定温度に加熱される。
本実施形態では、第1ワークW1と第2ワークW2とは、電極31間を通電する際に、通電方向において重ね合わせられた第1ワークW1と第2ワークW2の抵抗値を略一定にして第1ワークW1と第2ワークW2から発生するジュール熱を通電方向において略等しくすることで、略同一温度に加熱される。このように、加熱装置30は、第1及び第2ワークW1、W2を略同一温度となるように加熱する。
なお、第1及び第2ワークW1、W2として、直角台形状に形成したものを用いているが、第1及び第2ワークW1、W2の通電方向に直交する断面における断面積の総和が通電方向において略一定となるように形成され重ね合わせられるものであれば、その他の形状に形成した第1及び第2ワークW1、W2を用いることも可能である。
通電位置E1において第1及び第2ワークW1、W2を加熱した後、クランプ部材35が上方へ移動され、第1及び第2ワークW1、W2のクランプが解除される。そして、第1ワークW1を通電位置E1とは異なるプレス位置P1に搬送して配置すると共に第2ワークW2を通電位置E1とは異なるプレス位置P2に搬送して配置する。
図7は、前記熱間プレス成形装置においてプレス位置に配置された板状ワークを示す平面図である。図7に示すように、第1及び第2ワークW1、W2をそれぞれワークW1,W2ごとのプレス位置P1,P2に配置する際は、第1ワークW1については、搬送ベルト44が移動され、第1ワークW1をフォーク部45に保持した状態で第1ワークW1を第1プレス位置P1に搬送するようにワーク搬送具43が図7において矢印Y3で示す方向に移動される。
第1ワークW1を第1プレス位置P1に搬送すると、ワーク搬送具43は次に、フォーク部45が水平方向に外方側に移動され、フォーク部45に保持した第1ワークW1を解放し、第1プレス位置P1において第1ワークW1を成形型11のダイ13上に配置する。
また、第2ワークW2については、搬送ベルト54が移動され、第2ワークW2をフォーク部55に保持した状態で第2ワークW2を第2プレス位置P2に搬送するようにワーク搬送具53が図7において矢印Y4で示す方向に移動される。
第2ワークW2についても、第2ワークW2を第2プレス位置P2に搬送すると、ワーク搬送具53は次に、フォーク部55が水平方向に外方側に移動され、フォーク部55に保持した第2ワークW2を解放し、第2プレス位置P2において第2ワークW2を成形型21のダイ23上に配置する。
第1及び第2ワークW1、W2をそれぞれプレス位置P1,P2に配置する際は、第1ワークW1を第1プレス位置P1へ搬送した後に第2ワークW2を第2プレス位置P2へ搬送するように行われるが、第2ワークW2を第2プレス位置P2へ搬送した後に第1ワークW1を第1プレス位置P1へ搬送するようにしてもよく、また、第1ワークW1の第1プレス位置P1への搬送と第2ワークW2の第2プレス位置P2への搬送とを同時に行うようにしてもよい。
熱間プレス成形装置1では、第1及び第2ワークW1、W2をそれぞれ第1及び第2プレスP1、P2に配置した後に、前記位置調整手段によって第1及び第2ワークW1、W2の位置調整が行われ、第1及び第2ワークW1、W2がそれぞれ第1及び第2プレス位置P1、P2に確実に配置されるように位置調整される。
第1及び第2ワークW1、W2がそれぞれ第1及び第2プレス位置P1、P2に配置されると、第1及び第2ワークW1、W2の加熱終了時からプレス成形開始時までの時間が略同一となるようにして第1及び第2ワークW1、W2がそれぞれ成形型11、21を用いて所定形状にプレス成形され、第1及び第2ワークW1、W2が熱間プレス成形される。なお、熱間プレス成形は、焼入れ温度以上に加熱してプレス成形するものに限らず、焼入れ温度未満の温度に加熱してプレス成形するものも含むものとする。
第1及び第2ワークW1、W2がそれぞれプレス成形されると、図示しない搬送手段を用いて、第1ワークW1が第1プレス成形装置10に設けられた第1プレス位置P1から取り除かれると共に第2ワークW2が第2プレス成形装置20に設けられた第2プレス位置P2から取り除かれ、第1及び第2ワークW1、W2の熱間プレス成形が終了される。
次に、熱間プレス成形装置1の制御について説明する。
図8は、前記熱間プレス成形装置の制御フローチャートを示す図である。図8に示すように、熱間プレス成形装置1では、先ず、第1及び第2ワークW1、W2が通電位置E1において電極31上に重ね合わせて配置される(ステップS1)。第1及び第2ワークW1、W2は、該第1及び第2ワークW1、W2間にワーク搬送具43のフォーク部45を介在した状態で重ね合わせられる。
そして、第1及び第2ワークW1、W2の通電位置E1への配置が完了したか否かが判定される(ステップS2)。熱間プレス成形装置1には、第1及び第2ワークW1、W2が通電位置E1に配置されたか否かを検出する位置検出手段(不図示)が設けられ、該位置検出手段によって第1及び第2ワークW1、W2の通電位置E1への配置が完了したか否かが判定される。
ステップS2での判定結果がノー(NO)の場合、すなわち第1及び第2ワークW1、W2の通電位置E1への配置が完了していない場合、ステップS1に戻って第1及び第2ワークW1、W2が通電位置E1において重ね合わせて配置される。
一方、ステップS2での判定結果がイエス(YES)の場合、すなわち第1及び第2ワークW1、W2の通電位置E1への配置が完了した場合、クランプ部材35が下方へ移動され、第1及び第2ワークW1、W2が電極31とクランプ部材35によってクランプされ(ステップS3)、通電位置E1に配置された第1及び第2ワークW1、W2に対して通電加熱が開始される(ステップS4)。
そして、第1及び第2ワークW1、W2が所定温度に到達したか否かが判定される(ステップS5)。熱間プレス成形装置1には、第1及び第2ワークW1、W2が所定温度に到達したか否かを検出する温度検出手段(不図示)が設けられ、該温度検出手段によって第1及び第2ワークW1、W2が所定温度に到達したか否かが判定される。
ステップS5での判定結果がノーの場合、すなわち第1及び第2ワークW1、W2が所定温度に到達していない場合、通電加熱が継続されるが、ステップS5での判定結果がイエスになると、すなわち第1及び第2ワークW1、W2が所定温度に到達すると、第1及び第2ワークW1、W2に対する通電加熱が終了される(ステップS6)。なお、第1及び第2ワークW1、W2が所定温度に到達していない場合に、通電時間や電流量を調整するようにしてもよい。
通電加熱が終了すると、クランプ部材35が上方へ移動され、電極31とクランプ部材35による第1及び第2ワークW1、W2のクランプが解除され(ステップS7)、その後に、第1及び第2ワークW1、W2がそれぞれ第1及び第2プレス位置P1、P2に配置される(ステップS8)。
第1ワークW1は、ワーク搬送具43のフォーク部45に保持された状態で第1プレス位置P1に搬送され、第1プレス位置P1に搬送されると、フォーク部45が外方側へ移動されることによりフォーク部45から解放され、第1プレス位置P1において成形型11のダイ13上に配置される。
また、第2ワークW2は、ワーク搬送具53のフォーク部55に保持された状態で第2プレス位置P2に搬送され、第2プレス位置P2に搬送されると、フォーク部55が外方側へ移動されることによりフォーク部55から解放され、第2プレス位置P2において成形型21のダイ23上に配置される。
次に、第1及び第2ワークW1、W2がそれぞれ第1及び第2プレス位置P1、P2において位置調整される(ステップS9)。そして、第1及び第2ワークW1、W2の第1及び第2プレス位置P1、P2への配置が完了したか否かが判定される(ステップS10)。熱間プレス成形装置1には、第1及び第2ワークW1、W2が第1及び第2プレス位置P1、P2に配置されたか否かを検出する位置検出手段(不図示)が設けられ、該位置検出手段によって第1及び第2ワークW1、W2の第1及び第2プレス位置P1、P2への配置が完了したか否かが判定される。
ステップS10での判定結果がノーの場合、すなわち第1及び第2ワークW1、W2の第1及び第2プレス位置P1、P2への配置が完了していない場合、ステップS8に戻って第1及び第2ワークW1、W2がそれぞれ第1及び第2プレス位置P1、P2に配置され(ステップS8)、第1及び第2ワークW1、W2が位置調整される(ステップS9)。
一方、ステップS10での判定結果がイエスの場合、すなわち第1及び第2ワークW1、W2の第1及び第2プレス位置P1、P2への配置が完了した場合、第1及び第2ワークW1、W2がそれぞれ成形型11、21を用いてプレス成形される(ステップS11)。第1及び第2ワークW1、W2の加熱終了時からプレス成形開始時までの時間が略同一となるようにして第1及び第2ワークW1、W2がプレス成形される。
第1及び第2ワークW1、W2がプレス成形されると、第1及び第2ワークW1、W2がそれぞれ第1及び第2プレス位置P1、P2から搬出され(ステップS12)、第1及び第2プレス成形装置10、20から取り出されて第1及び第2ワークW1、W2の熱間プレス成形が終了される。
このように、熱間プレス成形装置1を用いた熱間プレス成形では、通電位置E1において重ね合わせられた複数のワークW1、W2に電極31を取り付けて通電することにより複数のワークW1、W2を加熱し、加熱された複数のワークW1、W2を通電位置E1とは異なるワークW1、W2ごとに設けられたプレス位置P1、P2に配置し、プレス位置P1、P2に配置された複数のワークW1、W2をそれぞれプレス成形する。
これにより、重ね合わせられた複数のワークW1、W2を通電によって同時に加熱することができると共に加熱された複数のワークW1、W2をそれぞれプレス位置P1、P2に配置して並行してプレス成形することができ、複数のワークW1、W2を1つの板状ワークごとに順次通電によって加熱した後にプレス成形する場合に比して、ワークW1、W2の熱間プレス成形において生産性を向上させることができる。
また、複数のワークW1、W2を略同一温度となるように加熱し、ワークW1、W2の加熱終了時からプレス成形開始時までの時間が略同一となるようにして複数のワークW1、W2をプレス成形することにより、通電加熱時に複数のワークW1、W2の加熱温度のバラツキを抑制することができると共にプレス成形時にワークW1、W2の温度のバラツキを抑制することができ、複数のワークW1、W2の材料物性及び成形精度にバラツキが生じることを抑制しつつ生産性を向上させることができる。
更に、複数のワークW1、W2間にワークW1を保持する保持部45を介在した状態で重ね合わせられた複数のワークW1、W2を加熱し、ワークW1を保持部45に保持した状態でワークW1をプレス位置に搬送して配置することにより、複数のワークW1、W2をプレス位置P1、P2に迅速に配置することができ、生産性をさらに向上させることができる。また、導電性の保持部45を用いることで、ワークW1、W2を通電によって加熱する際にワークW1、W2の加熱を阻害することなく、前記効果を有効に奏することができる。
前記熱間プレス成形装置1では、第1プレス成形装置10と第2プレス成形装置20との間に加熱装置30が配置されているが、第1プレス成形装置10と加熱装置30の配置を入れ換え、第1プレス成形装置10と第2プレス成形装置20とを隣接して配置するようにすることも可能である。かかる場合においても、配置装置40は、加熱装置30によって通電位置E1において加熱された第1及び第2ワークW1、W2をプレス位置P1,P2に配置するように構成される。
図9は、本発明の第2実施形態に係る熱間プレス成形装置の概略側面図であり、図10は、前記熱間プレス成形装置の加熱装置の概略正面図である。また、図11は、前記熱間プレス成形装置のワーク搬送具を示す図であり、図11(a)は、前記ワーク搬送具の平面図を示し、図11(b)は、前記ワーク搬送具の側面図を示している。
第2実施形態に係る熱間プレス成形装置61は、第1実施形態に係る熱間プレス成形装置1と、配置装置が異なっていること以外は同様であるので、熱間プレス成形装置1と同様の構成については同一符号を付して説明を省略する。なお、熱間プレス成形装置61では、電極31上に第2ワークW2が上側に配置されるようにして第1及び第2ワークW1、W2が重ね合わせられる。
図9及び図10に示すように、第2実施形態に係る熱間プレス成形装置61においても、第1プレス成形装置10と、第2プレス成形装置20と、2つの板状ワークW1、W2を通電加熱によって加熱する加熱装置30と、第1プレス成形装置10と第2プレス成形装置20に2つの板状ワークW1,W2をそれぞれ配置するための配置装置70とを備えているが、配置装置70は、搬送ロボットを用いて配置するように構成されている。
配置装置70は、通電位置E1において加熱された第1ワークW1を第1プレス成形装置10のプレス位置(第1プレス位置)P1に搬送する第1搬送手段71と、通電位置E1において加熱された第2ワークW2を第2プレス成形装置20のプレス位置(第2プレス位置)P2に搬送する第2搬送手段81とを備えている。
第2搬送手段81は、例えば汎用の6軸垂直多関節型ロボットなどの搬送ロボット82と、搬送ロボット82のアーム83に固定して取り付けられたワーク搬送具84とを備え、搬送ロボット82は、熱間プレス成形装置61の作動を制御する制御装置によって制御される。
ワーク搬送具84は、図11(a)及び図11(b)に示すように、第2ワークW2を保持するための保持部として水平方向に延びる略平板状の一対のフォーク部85と、フォーク部85をそれぞれ支持する一対のフォーク支持部86と、フォーク部85の上方において一対のフォーク支持部86を連結すると共に平行に離間して配置される複数の連結部87と、フォーク支持部86に固定して取り付けられる吸引ポンプ88と、連結部87と吸引ポンプ88とを接続する吸引ホース89とを備えている。
フォーク部85は、例えば銅などの導電性を有する材料から形成され、図示しないフォーク移動手段によって、図11(b)において二点鎖線で示すように矢印X3方向に水平方向にフォーク支持部86に対して移動可能に構成されている。ワーク搬送具84は、フォーク部85を移動することで、内方側に移動された実線で示す保持状態と外方側に移動された二点鎖線で示す解放状態とをとることができ、第2ワークW2を保持すると共に保持した第2ワークW2を解放することができるようになっている。なお、フォーク部85とフォーク支持部86との間には絶縁体(不図示)が備えられ、通電時にフォーク支持部86に電流が流れないようになっている。また、フォーク部85の先端のみを導電性材料から形成し、先端を除く部分をセラミック等の絶縁体としてフォーク支持部86に電流が流れないようにすることも可能である。
ワーク搬送具84はまた、連結部87に上下方向に貫通する吸引経路87aが設けられ、熱間プレス成形されるワークを保管する保管場所からワークを保持する際、フォーク部85を解放状態にして吸引ポンプ88を作動させ、吸引経路87a及び吸引ホース89を通じてワークW2を吸引し、ワークW2を吸引した後にフォーク部85を保持状態として吸引ポンプ88の作動を停止し、フォーク部85にワークW2を保持する。
ワーク搬送具84は、通電位置E1において第1及び第2ワークW1、W2が加熱される際、第1及び第2ワークW1、W2間にフォーク部85を介在した状態で第1及び第2ワークW1、W2が重ね合わせられるように配置される。図10に示すように、電極31上に配置された第1ワークW1に、ワーク搬送具84のフォーク部85に第2ワークW2を保持した状態で第2ワークW2が重ね合わせられるように配置される。
また、ワーク搬送具84は、加熱装置30によって第1及び第2ワークW1、W2が加熱される際に、連結部87がクランプ部材35のピン部37と干渉しないように設けられている。
第1搬送手段71は、第2搬送手段81と同様に構成されている。第1搬送手段71は、搬送ロボット72と、搬送ロボット72のアーム73に固定して取り付けられたワーク搬送具74とを備え、搬送ロボット72は、熱間プレス成形装置61の作動を制御する制御装置によって制御される。
ワーク搬送具74は、ワーク搬送具84と同様に構成され、フォーク部を移動することで、内方側に移動された保持状態と外方側に移動された解放状態とをとることができ、第1ワークW1を保持すると共に保持した第1ワークW1を解放することができるようになっている。
熱間プレス成形装置61を用いて第1及び第2ワークW1、W2を加熱した後にプレス成形する際は先ず、図示しない搬送手段を用いて通電位置E1において電極31上に第1ワークW1を配置した後に、ワーク搬送具84のフォーク部85に第2ワークW2を保持した状態で搬送ロボット82を移動させて第2ワークW2を通電位置E1に配置し、電極31上に配置された第1ワークW1に第2ワークW2を重ね合わせる。
図12は、前記熱間プレス成形装置において通電位置に配置された板状ワークを示す平面図である。図12並びに後述する図13及び図14では、図を見やすくするためにワーク搬送具の連結部を1つのみ示している。図12に示すように、第1及び第2プレス成形装置10、20間に配設された加熱装置30に設けられた通電位置E1に、ワーク搬送具84のフォーク部85に第2ワークW2を保持した状態で第1及び第2ワークW1、W2が重ね合わせられる。ワーク搬送具74は、ワークを保持していない状態で第1プレス成形装置10のプレス位置P1に配置されているが、加熱装置30の通電位置E1近傍に配置するようにしてもよい。
そして、第1及び第2ワークW1、W2が電極31とクランプ部材35によってクランプされ、通電位置E1において重ね合わせられた第1及び第2ワークW1、W2が通電加熱によって加熱される。
通電位置E1において第1及び第2ワークW1、W2を加熱した後、第1及び第2ワークW1、W2のクランプが解除され、第2ワークW2を通電位置E1とは異なるプレス位置P2に搬送して配置する。
図13は、前記熱間プレス成形装置において第2プレス位置に配置された板状ワークを示す平面図である。図13に示すように、第2ワークW2をプレス位置P2に搬送して配置する際は、搬送ロボット82が移動され、第2ワークW2をフォーク部85に保持した状態で第2ワークW2を第2プレス位置P2に搬送するように図13において矢印Y5で示す方向にワーク搬送具84が移動される。
第2ワークW2を第2プレス位置P2に搬送すると、ワーク搬送具84は次に、フォーク部85が水平方向に外方側に移動され、フォーク部85に保持した第2ワークW2を解放し、第2プレス位置P2において第2ワークW2を成形型21のダイ23上に配置する。
また、第2ワークW2を第2プレス位置P2に搬送すると、搬送ロボット72が移動され、ワーク搬送具74は、図13において矢印Y6で示す方向に移動され、通電位置E1に配置される。そして、ワーク搬送具74のフォーク部75に、第1ワークW1が保持される。
ワーク搬送具74のフォーク部75に第1ワークW1を保持する際は、フォーク部75を解放状態にして吸引ポンプ(不図示)を作動させ、吸引経路及び吸引ホース(共に不図示)を通じてワークW1を吸引し、ワークW1を吸引した後にフォーク部75を保持状態として吸引ポンプの作動を停止し、フォーク部75にワークW1を保持する。そして、第1ワークW1を通電位置E1とは異なるプレス位置P1に搬送して配置する。
図14は、前記熱間プレス成形装置において第1プレス位置に配置された板状ワークを示す平面図である。図14に示すように、第1ワークW1をプレス位置P1に搬送して配置する際は、搬送ロボット72が移動され、第1ワークW1をフォーク部75に保持した状態で第1ワークW1を第1プレス位置P1に搬送するように図14において矢印Y7で示す方向にワーク搬送具74が移動される。
第1ワークW1を第1プレス位置P1に搬送すると、ワーク搬送具74は次に、フォーク部75が水平方向に外方側に移動され、フォーク部75に保持した第1ワークW1を解放し、第1プレス位置P1において第1ワークW1を成形型11のダイ13上に配置する。第1ワークW1を第1プレス位置P1に配置すると、ワーク搬送具74は、プレス成形時に成形型11と干渉しない位置に移動される。ワーク搬送具84についても、プレス成形時に成形型21と干渉しない位置に移動される。
熱間プレス成形装置61においても、第1及び第2ワークW1、W2をそれぞれ第1及び第2プレスP1、P2に配置した後に、前記位置調整手段によって第1及び第2ワークW1、W2の位置調整が行われ、第1及び第2ワークW1、W2がそれぞれ第1及び第2プレス位置P1、P2に確実に配置されるように位置調整される。
第1及び第2ワークW1、W2がそれぞれ第1及び第2プレス位置P1、P2に配置されると、第1及び第2ワークW1、W2の加熱終了時からプレス成形開始時までの時間が略同一となるようにして第1及び第2ワークW1、W2がそれぞれ成形型11、21を用いてプレス成形され、第1及び第2ワークW1、W2が熱間プレス成形される。
このように、熱間プレス成形装置61を用いた熱間プレス成形においても、重ね合わせられた複数のワークW1、W2を通電によって同時に加熱することができると共に加熱された複数のワークW1、W2をそれぞれプレス位置P1、P2に配置して並行してプレス成形することができ、複数のワークW1、W2を1つの板状ワークごとに順次通電によって加熱した後にプレス成形する場合に比して、ワークW1、W2の熱間プレス成形において生産性を向上させることができる。
前述した熱間プレス成形装置1、61を用いた熱間プレス成形では、第1ワークW1を成形するための成形型11を備えた第1プレス成形装置10と第2ワークW2を成形するための成形型21を備えた第2プレス成形装置20とを用いているが、第1ワークW1と第2ワークW2とを成形するための1つの成形型を備えたプレス成形装置を用いることも可能である。
図15は、本発明の第3実施形態に係る熱間プレス成形装置を説明するための説明図であり、図15(a)は、前記熱間プレス成形装置において通電位置に配置された板状ワークを示し、図15(b)は、前記熱間プレス成形装置においてプレス位置に配置された板状ワークを示している。なお、図15(a)及び図15(b)では、前記熱間プレス成形装置の通電装置とプレス成形装置の一部のみを示している。
図15に示す第3実施形態に係る熱間プレス成形装置91は、プレス成形装置10と略同様に構成されたプレス成形装置100を備え、プレス成形装置100の成形型101には、第1プレス位置P1において第1ワークW1をプレス成形する第1成形部102と、第2プレス位置P2において第2ワークW2をプレス成形する第2成形部103とが設けられている。
熱間プレス成形装置91にはまた、プレス成形装置100に隣接して前述した加熱装置30が備えられ、該加熱装置30は、通電位置E1において電極31上に重ね合わせられた第1及び第2ワークW1、W2を通電加熱によって加熱するように構成されている。
熱間プレス成形装置91にはまた、前記配置装置70と同様に構成された配置装置(不図示)が備えられ、該配置装置は、通電位置E1において加熱された第1及び第2ワークW1、W2をワークW1、W2ごとに設けられたプレス位置P1、P2に配置するように構成されている。
本実施形態においても、第1及び第2プレス位置P1、P2はそれぞれ通電位置E1とは異なる位置に設定され、前記配置装置は、第1ワークW1を通電位置E1とは異なるプレス位置P1に搬送して配置すると共に第2ワークW2をプレス位置P2に搬送して配置するように構成されている。
熱間プレス成形装置91を用いた熱間プレス成形においても、図15(a)に示すように、通電位置E1において重ね合わせられた第1及び第2ワークW1、W2を通電加熱によって加熱し、図15(b)に示すように、加熱された第1及び第2ワークW1、W2をプレス位置P1、P2に搬送して配置し、プレス位置P1、P2に配置された第1及び第2ワークW1、W2をそれぞれプレス成形する。
これにより、重ね合わせられた複数のワークW1、W2を通電によって同時に加熱することができると共に加熱された複数のワークW1、W2をそれぞれプレス位置P1、P2に配置して並行してプレス成形することができ、複数のワークW1、W2を1つの板状ワークごとに順次通電によって加熱した後にプレス成形する場合に比して、ワークW1、W2の熱間プレス成形において生産性を向上させることができる。
前記熱間プレス成形装置91では、成形型101に、第1プレス位置P1において第1ワークW1をプレス成形する第1成形部102と、第2プレス位置P2において第2ワークW2をプレス成形する第2成形部103とが設けられているが、3つ以上のワークをそれぞれプレス成形する3つ以上の成形部を備えた成形型を用いることも可能である。
かかる場合においても、配置装置を、通電位置において加熱された複数のワークを通電位置とは異なるワークごとのプレス位置に搬送して配置するように構成することで、前記実施形態と同様の効果を奏することができる。
本発明は、例示された実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計上の変更が可能であることは言うまでもない。