JP2013240209A - ワイヤーハーネス及びワイヤーハーネスの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ワイヤーハーネスを折曲げた状態で保持することができ、かつ、容易に延して使用できるようにすることを目的とする。
【解決手段】ワイヤーハーネス10は、ワイヤーハーネス本体20と、不織部材がワイヤーハーネス本体20の少なくとも一部を覆った状態でホットプレスされることにより形成された少なくとも1つの保護部30とを備える。ワイヤーハーネス本体20を折曲げた状態で保持するように、1つの保護部30の異なる部分同士又は複数の保護部同士が接合されている。
【選択図】図1
【解決手段】ワイヤーハーネス10は、ワイヤーハーネス本体20と、不織部材がワイヤーハーネス本体20の少なくとも一部を覆った状態でホットプレスされることにより形成された少なくとも1つの保護部30とを備える。ワイヤーハーネス本体20を折曲げた状態で保持するように、1つの保護部30の異なる部分同士又は複数の保護部同士が接合されている。
【選択図】図1
Description
この発明は、車両等において複数の電気機器間を電気的に接続する技術に関する。
車両等で用いられるワイヤーハーネスには、オプション用のコネクタ部品が設けられることがある。オプション用のコネクタ部品は、オプション部品不使用時には、ワイヤーハーネス本体に取付固定され、オプション部品の使用時にはワイヤーハーネス本体から取外される。
オプション部品不使用時におけるオプション用のコネクタ部品の収納方法として、当該コネクタ部品に接続された分岐線を、粘着テープ等によって折曲げた状態に保持する構成が考えられる。
なお、本願に関連する先行技術としては、特許文献1がある。
しかしながら、上記のように粘着テープを用いた構成では、オプション用のコネクタ部品を使用しようとする場合には、粘着テープを引きちぎる等して分岐線を延す必要がある。しかしながら、粘着テープは引きちぎりにくいものであるため、分岐線を延す作業が困難となってしまう。
そこで、本発明は、ワイヤーハーネスを折曲げた状態で保持することができ、かつ、容易に延して使用できるようにすることを目的とする。
上記課題を解決するため、第1の態様に係るワイヤーハーネスは、ワイヤーハーネス本体と、不織部材が前記ワイヤーハーネス本体の少なくとも一部を覆った状態でホットプレスされることにより形成された少なくとも1つの保護部とを備え、前記ワイヤーハーネス本体を折曲げた状態で保持するように、1つの保護部の異なる部分同士又は複数の保護部同士が接合されている。
第2の態様は、第1の態様に係るワイヤーハーネスであって、前記ワイヤーハーネス本体のうち折曲げられて並列状態で配設された部分の間で前記保護部同士が接合されている。
第3の態様は、第1又は第2の態様に係るワイヤーハーネスであって、前記保護部は、外方に延出可能な不織部材延出部分を含み、前記不織部材部分延出同士が接合されている。
第4の態様は、第1〜第3のいずれか1つの態様に係るワイヤーハーネスであって、前記ワイヤーハーネス本体のうち折曲げられた部分で、前記保護部材が省略されている。
第5の態様は、第1〜第4のいずれか1つの態様に係るワイヤーハーネスであって、前記ワイヤーハーネス本体のうち折曲げられた部分の前記保護部材はその他の部分よりも柔らかい。
上記課題を解決するため、第6の態様に係るワイヤーハーネスの製造方法は、ワイヤーハーネス本体を不織部材で覆う工程と、前記ワイヤーハーネス本体を折曲げると共に、前記ワイヤーハーネス本体が並列状態で配設された部分の間で、前記不織部材同士を重ねて配設する工程と、前記不織部材が前記ワイヤーハーネス本体を覆う状態を維持すると共に、前記ワイヤーハーネス本体が並列状態で配設された部分の間で、前記不織部材同士の重ね合せ部分が接合されるように、前記不織部材をホットプレスする工程と、を備える。
また、上記課題を解決するため、第7の態様に係るワイヤーハーネスの製造方法は、ワイヤーハーネス本体を不織部材で覆う工程と、前記不織部材の一部を外方に延出可能にした状態で、前記不織部材をホットプレスする工程と、前記ワイヤーハーネス本体を折曲げる工程と、前記不織部材の外方延出部分同士を接合して、前記ワイヤーハーネス本体を折曲げた状態に保持する工程と、を備える。
第1の態様によると、前記ワイヤーハーネス本体を折曲げた状態で保持するように、1つの保護部の異なる部分同士又は複数の保護部同士が接合されているため、ワイヤーハーネスを折曲げた状態で保持することができる。また、接合部分同士を分離させることで、折曲げられたワイヤーハーネス本体を容易に延して使用できる。
第2の態様によると、前記ワイヤーハーネス本体のうちの前記保護部で覆われた部分が並列状態となるように折曲げられ、前記ワイヤーハーネス本体が並列状態で配設された部分の間で前記保護部同士が接合されているため、ワイヤーハーネス本体を不織部材で覆ってホットプレスする作業と、不織部材同士を接合してワイヤーハーネス本体を折曲げた状態で保持する作業とを同時に行い易い。従って、ワイヤーハーネスを容易に製造できる。
第3の態様によると、ワイヤーハーネス本体を不織部材で覆ってホットプレスした後、不織部材延出部分同士を接合することで、保護部同士を容易に接合できる。
第4の態様によると、ワイヤーハーネス本体の曲げ作業、延し作業を容易に行える。
第5の態様によると、ワイヤーハーネス本体の曲げ作業、延し作業を容易に行える。また、ワイヤーハーネス本体の曲げ部分も保護できる。
第6の態様によると、ワイヤーハーネスを折曲げた状態で保持することができる。また、接合部分同士を分離させることで、折曲げられたワイヤーハーネス本体を容易に延して使用できる。また、不織部材をホットプレスする際に、ワイヤーハーネスを折曲げた状態で保持するように、不織部材同士を接合するため、その製造を容易に行える。
第7の態様によると、ワイヤーハーネスを折曲げた状態で保持することができる。また、接合部分同士を分離させることで、折曲げられたワイヤーハーネス本体を容易に延して使用できる。
{第1実施形態}
以下、第1実施形態に係るワイヤーハーネス10について説明する。図1はワイヤーハーネス10を示す概略平面図であり、図2は図1のII−II線概略断面図であり、図3はワイヤーハーネス10を示す概略平面図である。図1及び図2は分岐線部分24を畳んだ状態を示しており、図3は分岐線部分24を延した状態を示している。
以下、第1実施形態に係るワイヤーハーネス10について説明する。図1はワイヤーハーネス10を示す概略平面図であり、図2は図1のII−II線概略断面図であり、図3はワイヤーハーネス10を示す概略平面図である。図1及び図2は分岐線部分24を畳んだ状態を示しており、図3は分岐線部分24を延した状態を示している。
このワイヤーハーネス10は、ワイヤーハーネス本体20と、保護部30とを備えている。
ワイヤーハーネス本体20は、複数の電線が束ねられることにより構成されている。通常、ワイヤーハーネス本体20は、複数の電線が車両における配線形態に応じて分岐しつつ束ねられている。また、各電線の端部には、コネクタが取付けられている。そして、本ワイヤーハーネス本体20が車両における所定の配線形態に沿って配設された状態で、コネクタが車両における各種電気部品に接続されることで、各電気部品が本ワイヤーハーネス本体20を介して相互に電気的に接続される。
また、ワイヤーハーネス本体20は、幹線部分22と分岐線部分24とを含む。幹線部分22は、通常複数の電線が束ねられた部分であるが、1本の電線のみ含む部分であってもよい。幹線部分22の端部にはコネクタ部品23が取付けられている。
分岐線部分24は、前記幹線部分22の途中から分岐する電線によって構成されている。幹線部分22から分岐する電線は1本であっても複数本であってもよい。また、幹線部分22は、本分岐線部分24が設けられる箇所以外で分岐していてもよい。なお、上記ワイヤーハーネス本体20には、光ケーブル等が含まれていてもよい。
上記分岐線部分24の端部にはコネクタ部品26が取付けられている。このコネクタ部品26は、例えば、車両に対してオプションで装備される電装品(図示省略)との接続に使用される。そのため、この電装品が用いられない場合、コネクタ部品26は、他のコネクタ(図示省略)と接続されない状態で、幹線部分22に対して自由に揺れ動かないように保持される。ここでは、分岐線部分24を折曲げることで、コネクタ部品26が自由に揺れ動かないように保持される。そして、そして、電装品を追加的に装備するような場合には、分岐線部分24の折曲げ状態が解除されて分岐線部分24が延され、コネクタ部品26が前記電装品に接続されたコネクタに接続される。
分岐線部分24が上記幹線部分22から分岐する部分の手前で、幹線部分22の全体が粘着テープT等によって束ねられている。
保護部30は、不織部材がワイヤーハーネス本体20の少なくとも一部を覆った状態でホットプレスされることにより形成されている。
この不織部材としては、加熱工程を経ることにより硬くなることが可能なものを用いることができる。このような不織部材として、基本繊維と、これと絡み合う接着樹脂(バインダとも呼ばれる)とを含むものを用いることができる。接着樹脂は、基本繊維の融点よりも低い融点(例えば、110℃〜115℃)を有する樹脂である。不織部材を基本繊維の融点よりも低くかつ接着樹脂の融点よりも高い加工温度に加熱すると、接着樹脂が溶融して基本繊維間に染込む。その後、不織部材が接着樹脂の融点よりも低い温度になると、基本繊維同士を結合した状態で接着樹脂が固化する。これより、不織部材が加熱前の状態よりも硬くなり、加熱時の成形形状に維持される。また、不織部材同士が接触している部分では、当該接触部分にも溶融した接着樹脂が染込んで固化する。これにより、不織部材同士の接触部分が接合される。
ただし、基本繊維は、接着樹脂の融点で繊維状態を保ち得る繊維であればよく、樹脂繊維の他、各種繊維を用いることができる。また、接着樹脂としては、基本繊維の融点よりも低い融点を持つ熱可塑性樹脂繊維を用いることができる。接着樹脂は、粒状であっても繊維状であってもよい。また、芯繊維の外周に接着樹脂層を形成してバインダ繊維を構成し、これを基本繊維と絡み合わせるようにしてもよい。この場合の芯繊維としては、上記基本繊維と同材料のものを用いることができる。
基本繊維と接着樹脂の組み合わせとしては、基本繊維をPET(ポリエチレンテレフタレート)の樹脂繊維とし、接着樹脂をPETとPEI(ポリエチレンイソフタレート)の共重合樹脂とした例が挙げられる。この場合、基本繊維の融点はおよそ250℃であり、接着樹脂の融点は110℃〜150℃である。このため、不織部材を110℃〜250℃の温度に加熱すると、接着樹脂が溶融し、溶融せずに繊維状を保つ基本繊維間に染込む。そして、不織部材が接着樹脂の融点よりも低い温度になると、基本繊維同士を結合した状態で接着樹脂が固化し、上記成形形状の維持及び不織部材同士の接合を行う。
また、ホットプレスとは、不織部材に対する加熱処理及び不織部材を型に押付けて所定形状に形成する処理を施すことをいう。加熱処理と所定形状への形成処理とは、同時に行われてもよいし、或は、連続的に別々に行われてもよい。例えば、不織部材を加熱した後、冷却により固まる前に所定の型でプレスしてもよい。この実施形態に適したホットプレス加工の例については後にさらに詳述する。
ここでは、単一の保護部30が、分岐線部分24の両端部を除く中間部全体を覆っている。ワイヤーハーネス本体20の分岐線部分24のうち折曲げられた部分である保護部30の中間部31は、その中間部31を挟む胴部分32よりも柔らかく形成されている。これにより、保護部30を、中間部31で容易に曲げたり延したりできるようになっている。
また、ワイヤーハーネス本体20の前記分岐線部分24を折曲げた状態で保持するように、前記1つの保護部30の異なる部分同士が接合されている。ここでは、保護部30の胴部分32の外周部にその長手方向に沿って細長板状部33が形成されている。そして、分岐線部分24が前記中間部31で180度に折曲げられて、両方の胴部分32が並列状態で配設されている。そして、その並列状態に配設された2つの胴部分32の間で保護部30の一部である細長板状部33が重ね合されて接合され、これにより、保護部30が折曲げた状態に保持されている。
上記ワイヤーハーネス10の使用例について説明する。
まず、オプションで装備される電装品が用いられない場合には、分岐線部分24及びこれを覆う保護部30は、重ね合された細長板状部33の接合部分を介して折曲げた状態で保持される(図1及び図2参照)。これにより、分岐線部分24及びコネクタ部品26の振動及びこれによる低級音の発生が抑制される。また、分岐線部分24及びコネクタ部品26が車両における周辺部品に不用意に接触してしまうことが抑制される。
これに対してオプションで装備される電装品が用いられる場合には、作業者によって分岐線部分24及びこれを覆う保護部30が引張られ、重ね合された細長板状部33の接合部分が分離される(図3参照)。この際、細長板状部33は、不織部材によって形成された部分同士の接合箇所であるため、粘着テープを引きちぎる場合よりも容易に分離される。また、細長板状部33は、分岐線部分24を覆う保護部30に一体形成された部分であるため、分離後にも当該保護部30に一体化したままの状態であり、破片として散らばりにくい。そして、分岐線部分24は上記折曲げ状態よりも直線状態に近くなるように延されて、コネクタ部品26が電装品の近くに引回されて当該電装品のコネクタにコネクタ接続される。
上記ワイヤーハーネス10の一製造例について説明する。
まず、幹線部分22と分岐線部分24とコネクタ部品26とを含む上記ワイヤーハーネス本体20を準備する。ワイヤーハーネス本体20は、他の箇所で結束されていてもよいし、結束されていなくてもよい。そして、図4及び図5に示すように、分岐線部分24に、不織部材50、ここでは、方形シート状の不織部材50を巻いて、当該分岐線部分24を不織部材50で覆う。この際、不織部材50の巻き終りの端縁部を巻付けないようにする(図5参照)。不織部材50を巻付ける際に、巻始め及び巻き終り近傍部分に両面テープが貼付けられ、上記巻付状態の仮保持が行われてもよい。
次に、図6に示すように、分岐線部分24を、これに巻付けられた不織部材50と共に折曲げると共に、分岐線部分24のうち並列状態で配設された部分の間で、不織部材50の巻き終りの端縁部同士を重ね合せる。
そして、ホットプレス加工を行う。ここで用いられるホットプレス用成形型60は、図7及び図8に示すように、下型62と、上型72とを備える。
下型62は、熱伝導性に優れた金属等により形成された部材であり、その一主面(上面)に下型面63が形成されている。下型面63は、概略的には、横断面半円状の溝がU字状に延在する形状に形成されている。下型面63の長さ寸法は、分岐線部分24のうち不織部材50が巻付けられた部分の長さ寸法と同じ程度に設定されている。
上型72は、熱伝導性に優れた金属等により形成された長尺部材であり、その一主面(下面)に上型面73が形成されている。上型面73は、横断面半円状の溝が、上記下型面63の延在形状に応じてU字状に延在する形状に形成されている。この上型面73の両端部も外方に開口している。
そして、下型62と上型72とが合体されることにより、下型面63と上型面73との間で、上記保護部30を形成可能なU字状のスペースが形成される。
また、下型面63の並行に延びる部分の間には、接合用押圧型面64が形成され、上型面73の並行に延びる部分の間には接合用押圧型面74が形成されている。下型62と上型72とを合体させた状態では、両接合用押圧型面64、74の間には、不織部材50を2枚重ね合せた厚みよりも小さい間隔の空間が形成される。従って、不織部材50が重ね合せた状態で、接合用押圧型面64、74間に配設されると、重ね合された不織部材50が接触方向に加圧されるようになっている。
なお、下型62及び上型72には、ヒーター等の加熱部が設けられている。
上記ホットプレス用成形型60を用いてホットプレス加工を行う方法について説明する。
すなわち、分岐線部分24のうち不織部材50が巻付けられて折曲げられた箇所を、下型面63内に押込む。この際、不織部材50の巻き終りの端縁部の重ね合された部分を、接合用押圧型面64上に配設する。勿論、分岐線部分24うち不織部材50を巻付けた箇所を、下型面63に配設する際、同時に、その折曲げ及び巻き終りの端縁部の重ね合せを行ってもよい。
この後、上型72と下型62とを合体させて、下型面63と上型面73との間で不織部材50をプレスし、この状態で、下型62及び上型72を加熱して、ホットプレス用成形型60内で不織部材50をホットプレスする。
すると、不織部材50が下型62及び上型72に接触する部分を中心として加熱される。
この後、不織部材50が冷却されると、上記下型62及び上型72間では、不織部材50、特に、その外周部が下型面63及び上型面73の形状に応じた形状で硬化し、不織部材50が分岐線部分24を覆う状態が保持される。また、分岐線部分24が並列状態で配設された部分の間では、接合用押圧型面64、74の間で、重ね合された不織部材50同士が挟込まれて接合され、分岐線部分24同士が折曲げられた状態に保持される。これにより、保護部30が形成される。
なお、上記したように保護部30の中間部31は、その他の部分である胴部分32よりも柔らかく形成されている。中間部31と胴部分32との間での硬さ、柔らかさの作分けは、例えば、不織部材を圧縮する前の体積に対する不織部材の圧縮後の体積の比率(圧縮率)を変更することによって実現することができる。例えば、上記中間部31を形成する部分とその他の部分とで、下型面63と上型面73との形状を変更し、中間部31の圧縮率を小さくし、その他の部分の圧縮率を大きくするようにするとよい。
その他、不織部材を加熱及び加圧する際の加熱温度、加圧時間等を異ならせることで、溶融樹脂の溶融度合を異ならせることによっても、硬い部分と柔らかい部分とを作り分けることができる。
また、中間部31に対しては加圧及び加熱を一切行わず、当該中間部31が不織部材の当初の性状を呈するようにしてもよい。
以上のように構成されたワイヤーハーネス10によると、ワイヤーハーネス本体20の一部である分岐線部分24を折曲げた状態で保持するように、保護部30の細長板状部33部分同士が接合されているため、当該分岐線部分24を折曲げた状態で保持することができる。また、不織部材50同士の接合部分である細長板状部33の接合部分同士を分離させることで、分岐線部分24を容易に延して使用することができる。これにより、分岐線部分24を延してコネクタ部品26を他のコネクタに接続する作業等を容易に行える。
また、分岐線部分24については、保護部30によって外部部品との接触等に対する保護を行うこともできる。つまり、保護部30は、分岐線部分24の保護と分岐線部分24の折曲げ状態の保持を行う部材として用いることができる。結果、それらの機能を別々の部材で実現する場合と比べて、部品点数の削減を図ることも可能となる。
また、分岐線部分24が並列状態となるように折曲げられており、分岐線部分24のうち並列状態で配設された部分の間で細長板状部33同士が重ね合わされて接合されているため、分岐線部分24を不織部材50で覆ってホットプレスする作業と、不織部材50の巻き終りの端縁部同士を接合して分岐線部分24を折曲げた状態で保持する作業とを同時に行い易い。従って、ワイヤーハーネス10を容易に製造できる。
また、この接合作業を、上記ホットプレス用成形型60を用いて行えるため、分岐線部分24を覆う保護部30の形状、接合位置、接合強度等の品質が安定し易い。これにより、ワイヤーハーネス10の搬送途中等で、不用意に保護部30の接合部分が不用意に分離してしまうといった事態を抑制できる。
また、保護部30のうち折曲げられた中間部31は、他の部分よりも柔らかく形成されているため、細長板状部33同士の接合を分離させた後、比較的容易に分岐線部分24及びこれを覆う保護部30を延すように変形させることができ、従って、コネクタ部品26の接続作業性に優れる。また、中間部31は不織部材50によって覆われているため、当該中間部31についても保護を図ることができる。
もっとも、図9に示す第1変形例のように、分岐線部分24の両端部のそれぞれに別体とされた保護部30B、30Bが形成され、それらの間の折曲げ部分で、保護部(不織部材)が省略されていてもよい。この場合、複数の保護部30B、30B同士が上記実施形態と同様の細長板状部33B同士を介して接合されることで、分岐線部分24の折曲げ状態が保持される。
{第2実施形態}
第2実施形態に係るワイヤーハーネス110について説明する。図10はワイヤーハーネス110を示す概略平面図であり、図11は図10のXI−XI線概略断面図である。なお、本実施形態の説明において、第1実施形態で説明したものと同様構成要素については同一符号を付してその説明を省略する。
第2実施形態に係るワイヤーハーネス110について説明する。図10はワイヤーハーネス110を示す概略平面図であり、図11は図10のXI−XI線概略断面図である。なお、本実施形態の説明において、第1実施形態で説明したものと同様構成要素については同一符号を付してその説明を省略する。
このワイヤーハーネス110は、第1実施形態で説明したものと同様のワイヤーハーネス本体20と、保護部130とを備えている。
保護部130は、不織部材がワイヤーハーネス本体20の少なくとも一部を覆った状態でホットプレスされることにより形成されている。
この不織部材としては、上記第1実施形態で説明したものと同様のものを用いることができる。
ここでは、単一の保護部130が、分岐線部分24の両端部を除く中間部全体を覆っている。ワイヤーハーネス本体20の分岐線部分24のうち折曲げられた部分である保護部130の中間部131は、上記第1実施形態における中間部31と同様に、中間部131を挟む胴部分132よりも柔らかく形成されている。
また、保護部130の両端部には、外方に延出可能な不織部材延出部分136が形成されている。ここでは、保護部130の両端部をホットプレスしない状態としている。このため、保護部130の両端部では、分岐線部分24に巻付けられた不織部材50は、胴部分132において不織部材50がホットプレスされて所定形状に維持されていることによって、前記巻付状態が維持されている。このため、保護部130の両端部に巻付けられた不織部材50の巻き終り側の端部は、前記巻付状態を解除するように、外方に引出すようことが可能であり、当該両端部の不織部材50の巻き終り側の端部が、外方に延出可能な不織部材延出部分136とされている。もっとも、分岐線部分24に巻付けられた不織部材に、外方に延出可能な帯状の部分を設け、この部分を不織部材延出部分としてもよい。
そして、ワイヤーハーネス本体20の前記分岐線部分24を折曲げた状態で保持するように、前記1つの保護部130の異なる部分である両端側の不織部材延出部分136同士が接合されている。この接合は、超音波溶着或は熱溶着等によって行うことができる。
このワイヤーハーネス110についても、上記第1実施形態のワイヤーハーネス10と同様に使用することができる。
このワイヤーハーネス110の一製造例について説明する。
まず、ワイヤーハーネス本体20を準備し、図12に示すように、分岐線部分24に、不織部材50、ここでは、方形シート状の不織部材50を巻いて、当該分岐線部分24を不織部材50で覆う。この際の不織部材としては、細長帯状のものを用いてもよく、この場合には、当該不織部材を螺旋状に分岐線部分に巻付けていくとよい。
次に、図13に示すように、ホットプレス加工を行う。ここで用いられるホットプレス用成形型160は、図13に示すように、下型162と、上型172とを備える。下型162及び上型172には、横断面半円状の溝が直線状に延在する下型面163及び上型面173が形成されている。そして、下型162と上型172とを合体させた状態で、下型面163及び上型面173の間に、保護部130をホットプレス可能な円形状の空間が形成される。なお、下型面163及び上型面173の長さ寸法は、分岐線部分24に巻付けられた不織部材50の長さ寸法よりも短い。ホットプレス用成形型160の型面以外の構成は、上記第1実施形態で説明したものと同様である。
そして、分岐線部分24のうち不織部材50が巻付けられた箇所を、下型面163内に押込む。この後、上型172と下型162とを合体させて、下型面163と上型面173との間で不織部材50をプレスし、この状態で、下型162及び上型172を加熱して、ホットプレス用成形型160内で不織部材50をホットプレスする。
すると、不織部材50が下型162及び上型172に接触する部分を中心として加熱される。但し、分岐線部分24に巻付けられた不織部材50の両端部は、下型面163及び上型面173の両端部から外方にはみ出ており、ホットプレスされない。つまり、不織部材50の一部を外方に延出可能にした状態で、不織部材50がホットプレスされる。
この後、不織部材50が冷却されると、上記下型162及び上型172間では、不織部材50、特に、その外周部が下型面163及び上型面173の形状に応じた形状で硬化し、不織部材50が分岐線部分24を覆う状態が維持される。また、保護部130の両端部では、不織部材50は各層間で接合されない状態となっている。
なお、保護部130の長手方向の中間部131は、その他の部分よりも柔らかくなるように加工される。その加工方法は、上記第1実施形態で説明した通りである。
そして、図14に示すように、保護部130の両端部で、不織部材50の巻き終り側の端部を外方に引出して、これを不織部材延出部分136とする。
この後、図15に示すように、ワイヤーハーネス本体20の分岐線部分24を、中間部131で保護部130と共に折曲げる。また、保護部130の両端部の不織部材延出部分136同士を重ね合せて、超音波溶着或は熱溶着等によって接合する。すると、この接合によって、分岐線部分24が折曲げた状態に保持される。
この第2実施形態によると、分岐線部分24の並列部分間で保護部30を接合すること等による作用効果を除いて、上記第1実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
また、ワイヤーハーネス本体20を不織部材50で覆ってホットプレスした後に、不織部材延出部分136同士を接合することで、後から容易に分岐線部分24を折曲げ状態に保持することができる。
なお、不織部材延出部分136は、接合前にはホットプレスされてないことが好ましいが、ホットプレスされていてもよい。
なお、本第2実施形態において、上記第1実施形態の変形例と同様に、折曲げ部分である中間部131で保護部(不織部材)が省略されていてもよい。
{変形例}
なお、上記各実施形態及び変形例では、分岐線部分の折曲げた状態を保持する構成で説明したが、保護部が幹線部分にも形成され、この幹線部分の保護部と分岐線部分の保護部とが接合されることで、幹線部分に対する分岐線部分の折曲げ状態が保持されてもよい。
なお、上記各実施形態及び変形例では、分岐線部分の折曲げた状態を保持する構成で説明したが、保護部が幹線部分にも形成され、この幹線部分の保護部と分岐線部分の保護部とが接合されることで、幹線部分に対する分岐線部分の折曲げ状態が保持されてもよい。
また、上記実施形態では、分岐線部分が1箇所で折曲げられていたが、複数箇所で折曲げられていてもよい。この場合、それぞれの折曲げ箇所について、上記と同様に保護部同士の接合による折曲げ状態が保持されるようにするとよい。
なお、上記各実施形態及び各変形例で説明した各構成は、相互に矛盾しない限り適宜組合わせることができる。
以上のようにこの発明は詳細に説明されたが、上記した説明は、すべての局面において、例示であって、この発明がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、この発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。
10、110 ワイヤーハーネス
20 ワイヤーハーネス本体
22 幹線部分
24 分岐線部分
26 コネクタ部品
30、30B、130 保護部
31、131 中間部
32、132 胴部分
33、33B 細長板状部
50 不織部材
64、74 接合用押圧型面
136 不織部材延出部分
20 ワイヤーハーネス本体
22 幹線部分
24 分岐線部分
26 コネクタ部品
30、30B、130 保護部
31、131 中間部
32、132 胴部分
33、33B 細長板状部
50 不織部材
64、74 接合用押圧型面
136 不織部材延出部分
Claims (7)
- ワイヤーハーネス本体と、
不織部材が前記ワイヤーハーネス本体の少なくとも一部を覆った状態でホットプレスされることにより形成された少なくとも1つの保護部と、
を備え、
前記ワイヤーハーネス本体を折曲げた状態で保持するように、1つの保護部の異なる部分同士又は複数の保護部同士が接合されている、ワイヤーハーネス。 - 請求項1記載のワイヤーハーネスであって、
前記ワイヤーハーネス本体のうち折曲げられて並列状態で配設された部分の間で前記保護部同士が接合されている、ワイヤーハーネス。 - 請求項1又は請求項2記載のワイヤーハーネスであって、
前記保護部は、外方に延出可能な不織部材延出部分を含み、前記不織部材部分延出同士が接合されている、ワイヤーハーネス。 - 請求項1〜請求項3のいずれか1つに記載のワイヤーハーネスであって、
前記ワイヤーハーネス本体のうち折曲げられた部分で、前記保護部材が省略されている、ワイヤーハーネス。 - 請求項1〜請求項3のいずれか1つに記載のワイヤーハーネスであって、
前記ワイヤーハーネス本体のうち折曲げられた部分の前記保護部材はその他の部分よりも柔らかい、ワイヤーハーネス。 - ワイヤーハーネス本体を不織部材で覆う工程と、
前記ワイヤーハーネス本体を折曲げると共に、前記ワイヤーハーネス本体が並列状態で配設された部分の間で、前記不織部材同士を重ねて配設する工程と、
前記不織部材が前記ワイヤーハーネス本体を覆う状態を維持すると共に、前記ワイヤーハーネス本体が並列状態で配設された部分の間で、前記不織部材同士の重ね合せ部分が接合されるように、前記不織部材をホットプレスする工程と、
を備えるワイヤーハーネスの製造方法。 - ワイヤーハーネス本体を不織部材で覆う工程と、
前記不織部材の一部を外方に延出可能にした状態で、前記不織部材をホットプレスする工程と、
前記ワイヤーハーネス本体を折曲げる工程と、
前記不織部材の外方延出部分同士を接合して、前記ワイヤーハーネス本体を折曲げた状態に保持する工程と、
を備えるワイヤーハーネスの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012112111A JP2013240209A (ja) | 2012-05-16 | 2012-05-16 | ワイヤーハーネス及びワイヤーハーネスの製造方法 |
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JP (1) | JP2013240209A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2018206746A (ja) * | 2017-05-31 | 2018-12-27 | ホライズン株式会社 | ケーブル |
-
2012
- 2012-05-16 JP JP2012112111A patent/JP2013240209A/ja active Pending
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