JP2013240174A - スロットレスモーター、ロボット、ギアドモーター、ロボットハンド、搬送機、電子部品搬送装置およびスロットレスモーターの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】空芯コイルに電流を流しても空芯コイルがローターと接触することを抑制できる構造のスロットレスモーターを提供する。
【解決手段】磁性体を含むローターと、ローターの外周を囲むように配置されコイル24が埋め込まれた複数の内側コイル体10aと、を有し、内側コイル体10aは、コイル24がローターと対向する側に耐熱性のある内側コイル支持体22が配置されている。
【選択図】図2
【解決手段】磁性体を含むローターと、ローターの外周を囲むように配置されコイル24が埋め込まれた複数の内側コイル体10aと、を有し、内側コイル体10aは、コイル24がローターと対向する側に耐熱性のある内側コイル支持体22が配置されている。
【選択図】図2
Description
本発明は、スロットレスモーター、ロボット、ギアドモーター、ロボットハンド、搬送機、電子部品搬送装置およびスロットレスモーターの製造方法に関するものである。
一般的なインナーローター型スロットレスモーターでは、コイルは、樹脂でモールドされており、ヨークに固定されている。また、樹脂によって熱伝導し、コイルで発生した熱を外側に逃がす構造を有している。スロットレスモーターでは、スロットが無くコイルは空芯であり、モールド時の位置決めが難しい。そこで、空芯コイルを組み込んだ構造のスロットレスモーターが特許文献1に開示されている。それによると、空芯コイルをステータコアと薄肉円筒とで挟んで配置した。そして、薄肉円筒、空芯コイル及びステータコアを樹脂にてモールドした。しかし、空芯コイルの発熱により薄肉円筒が変形することに対する対策は講じてなかった。
ローターを回転させるときには空芯コイルに電流を流す。このとき、空芯コイルは発熱するので温度が上昇する。そして、薄肉円筒が変質(例えば軟化)すると空芯コイルの固定が不安定になり、位置がずれたりする可能性がある。これにより、磁場が変化したりローターに接触したりしてローターの回転が不安定になったりする可能性がある。
そこで、空芯コイルに電流を流しても空芯コイルがローターと接触することを抑制できる構造のスロットレスモーターが望まれていた。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]
本適用例にかかるスロットレスモーターであって、磁性体を含むローターと、前記ローターの外周を囲んで配置され空芯コイルが埋め込まれたコイルユニットと、を有し、前記コイルユニットは、前記空芯コイルが前記ローターと対向する側に前記空芯コイルを支持し、前記空芯コイルから発生する熱による温度に対して予め定められた圧縮強度を有するコイル支持部材を備えることを特徴とする。
本適用例にかかるスロットレスモーターであって、磁性体を含むローターと、前記ローターの外周を囲んで配置され空芯コイルが埋め込まれたコイルユニットと、を有し、前記コイルユニットは、前記空芯コイルが前記ローターと対向する側に前記空芯コイルを支持し、前記空芯コイルから発生する熱による温度に対して予め定められた圧縮強度を有するコイル支持部材を備えることを特徴とする。
本適用例によれば、スロットレスモーターはローターを囲んで複数のコイルユニットが配置されている。そして、コイルユニットには空芯コイルが埋め込まれている。空芯コイルに電流を流動するとき、ローターの磁極と空芯コイルとの間でローレンツ力が作用するので回転子がコイルユニットに対して回転する。
空芯コイルに電流が流動することにより空芯コイルの温度が上昇する。そして、空芯コイルとローターとは電磁力により引き付けられる。本適用例の場合には空芯コイルがローターと対向する側のコイルユニットに温度に対して予め定められた圧縮強度を有するコイル支持部材が設置されている。従って、空芯コイルの温度が上昇してもコイルユニットのローター側が柔らかくなり変形することが抑制される。その結果、空芯コイルがローターと接触してローターの回転が減速することを防止することができる。
[適用例2]
上記適用例にかかるスロットレスモーターにおいて、前記コイルユニットは前記ローターと対向する側とは反対側に前記空芯コイルから発生する熱による温度に対して予め定められた圧縮強度を有し、前記空芯コイルを被覆する被覆部を備えていることを特徴とする。
上記適用例にかかるスロットレスモーターにおいて、前記コイルユニットは前記ローターと対向する側とは反対側に前記空芯コイルから発生する熱による温度に対して予め定められた圧縮強度を有し、前記空芯コイルを被覆する被覆部を備えていることを特徴とする。
本適用例によれば、コイルユニットはローターと対向する側とは反対側に被覆部を備えている。被覆部は熱による温度に対して予め定められた圧縮強度を有している為、熱により変形し難くなっている。また、コイルユニットは圧縮強度を有している材料を備えているので高い剛性を備えることができる。その結果、コイルユニットを薄くすることができる。
[適用例3]
上記適用例にかかるスロットレスモーターにおいて、前記コイル支持部材または前記被覆部はフィラーを含むことを特徴とする。
上記適用例にかかるスロットレスモーターにおいて、前記コイル支持部材または前記被覆部はフィラーを含むことを特徴とする。
本適用例によれば、コイル支持部材または被覆部はフィラーを含んでいる。従って、空芯コイルで発生した熱をより効果的に逃がすことができる。さらに、コイルユニットの強度を高めることができる。
[適用例4]
上記適用例にかかるスロットレスモーターにおいて、前記コイルユニットの前記ローター側の面と前記空芯コイルとの間の厚みは20μm以上1mm以下であることを特徴とする。
上記適用例にかかるスロットレスモーターにおいて、前記コイルユニットの前記ローター側の面と前記空芯コイルとの間の厚みは20μm以上1mm以下であることを特徴とする。
本適用例によれば、コイルユニットはローター側の面と空芯コイルとの間の厚みが20μm以上であり強度を確保することができる。また、コイルユニットはローター側の面と空芯コイルとの間の厚みが1mm以下である為、スロットレスモーターの直径を小さくすることができる。
[適用例5]
本適用例にかかるスロットレスモーターの製造方法であって、空芯コイルの片面にコイル支持部材を配置し、前記空芯コイル及び前記コイル支持部材を金型に設置し、樹脂材料を射出成形してコイルユニットを形成する工程と、前記コイル支持部材を内側にして前記コイルユニットを円筒状に配列する工程と、配列された前記コイルユニットを基台に固定する工程と、配列された前記コイルユニット内にローターを配置する工程と、を有することを特徴とする。
本適用例にかかるスロットレスモーターの製造方法であって、空芯コイルの片面にコイル支持部材を配置し、前記空芯コイル及び前記コイル支持部材を金型に設置し、樹脂材料を射出成形してコイルユニットを形成する工程と、前記コイル支持部材を内側にして前記コイルユニットを円筒状に配列する工程と、配列された前記コイルユニットを基台に固定する工程と、配列された前記コイルユニット内にローターを配置する工程と、を有することを特徴とする。
本適用例によれば、空芯コイルの片面にコイル支持部材が配置される。そして、空芯コイル及びコイル支持部材が金型に設置され射出成形されてコイルユニットが形成される。次に、コイル支持部材を内側にしてコイルユニットを円筒状に配列している。続いて、コイルユニットが固定される。従って、複数のコイルユニットは円筒状に配列して固定される。次に、コイルユニット内にローターが配置される。これにより、ローターの周囲にはコイルユニットが円筒状に配列される。空芯コイルに通電させることにより、ローターを回転させる電磁力を作用させることができる。空芯コイルに通電させるとき空芯コイルの温度が上昇し、空芯コイルとローターとの間に引力が作用する。
空芯コイルの片面に配置されたコイル支持部材は円筒状に配列したコイルユニットの内側に配置される。そして、コイルユニットの内側にローターが配置されている。従って、空芯コイルに通電することにより空芯コイルの温度が上昇するときにもコイル支持部材はコイルユニットの内側の強度が低下することを防止することができる。その結果、空芯コイルとローターとの間に引力が作用しても、空芯コイルがローターと接触してローターの回転が減速することを防止することができる。
[適用例6]
本適用例にかかるロボットは、可動部と前記可動部を移動させるスロットレスモーターとを備えたロボットであって、前記スロットレスモーターは、磁性体を含むローターと、前記ローターの外周を囲んで配置され空芯コイルが埋め込まれたコイルユニットと、を有し、前記コイルユニットは、前記空芯コイルが前記ローターと対向する側に前記空芯コイルを支持し、前記空芯コイルから発生する熱による温度に対して予め定められた圧縮強度を有するコイル支持部材を備えることを特徴とする。
本適用例にかかるロボットは、可動部と前記可動部を移動させるスロットレスモーターとを備えたロボットであって、前記スロットレスモーターは、磁性体を含むローターと、前記ローターの外周を囲んで配置され空芯コイルが埋め込まれたコイルユニットと、を有し、前記コイルユニットは、前記空芯コイルが前記ローターと対向する側に前記空芯コイルを支持し、前記空芯コイルから発生する熱による温度に対して予め定められた圧縮強度を有するコイル支持部材を備えることを特徴とする。
本適用例によれば、ロボットは可動部と可動部を移動させるスロットレスモーターとを備えている。スロットレスモーターはローターを囲んで複数のコイルユニットが配置されている。そして、コイルユニットには空芯コイルが埋め込まれている。空芯コイルに電流を流動するとき、ローターの磁極と空芯コイルとの間でローレンツ力が作用するので回転子がステーターに対して回転する。そして、ロボットはスロットレスモーターの回転軸のトルクを用いて可動部を移動させる。
空芯コイルに電流が流動することにより空芯コイルが発熱する。そして、空芯コイルとローターとは電磁力により引き寄せられる。従って、コイルユニットが熱によって柔らかくなるときには空芯コイルがローターと接触してローターの回転が減速する。本適用例の場合には空芯コイルがローターと対向する側にコイル支持部材が設置されている。このコイル支持部材は空芯コイルから発生する熱による温度に対して予め定められた圧縮強度を有している。従って、空芯コイルがローターと接触してローターの回転が減速することを防止することができる。その結果、ロボットは空芯コイルの温度が上昇しても安定して回転するスロットレスモーターを備えたロボットとすることができる。
[適用例7]
本適用例にかかるギアドモーターであって、モーターと、前記モーターの出力を減速する減速機と、を有し、前記モーターが上記のいずれか一項に記載のスロットレスモーターであることを特徴とする。
本適用例にかかるギアドモーターであって、モーターと、前記モーターの出力を減速する減速機と、を有し、前記モーターが上記のいずれか一項に記載のスロットレスモーターであることを特徴とする。
本適用例によれば、ギアドモーターはモーター及び減速機を備えている。そして、減速機がモーターの出力を減速するので、ギアドモーターは減速されたトルクを出力する。モーターには上記に記載のスロットレスモーターが用いられている。従って、空芯コイルの温度が上昇して空芯コイルとローターとの間に引力が作用しても、空芯コイルがローターと接触してローターの回転が減速することを防止することができる。従って、ギアドモーターはスロットレスモーターの空芯コイルの温度が上昇しても安定して回転するスロットレスモーターを備えたギアドモーターとすることができる。
[適用例8]
本適用例にかかるロボットハンドであって、モーターと、前記モーターの出力により駆動される指部と、を有し、前記モーターが上記のいずれか一項に記載のスロットレスモーターであることを特徴とする。
本適用例にかかるロボットハンドであって、モーターと、前記モーターの出力により駆動される指部と、を有し、前記モーターが上記のいずれか一項に記載のスロットレスモーターであることを特徴とする。
本適用例によれば、ロボットハンドはモーター及び指部を備えている。そして、モーターの出力により指部が駆動される。モーターには上記に記載のスロットレスモーターが用いられている。従って、空芯コイルの温度が上昇して空芯コイルとローターとの間に引力が作用しても、空芯コイルがローターと接触してローターの回転が減速することを防止することができる。従って、ロボットハンドはスロットレスモーターの空芯コイルの温度が上昇しても安定して回転するスロットレスモーターを備えたロボットハンドとすることができる。
[適用例9]
本適用例にかかるロボットであって、モーターと、前記モーターの出力により駆動される回動可能なアームと、を有し、前記モーターが上記のいずれか一項に記載のスロットレスモーターであることを特徴とする。
本適用例にかかるロボットであって、モーターと、前記モーターの出力により駆動される回動可能なアームと、を有し、前記モーターが上記のいずれか一項に記載のスロットレスモーターであることを特徴とする。
本適用例によれば、ロボットはモーター及びアームを備えている。そして、モーターの出力によりアームが駆動される。モーターには上記に記載のスロットレスモーターが用いられている。従って、空芯コイルの温度が上昇して空芯コイルとローターとの間に引力が作用しても、空芯コイルがローターと接触してローターの回転が減速することを防止することができる。従って、ロボットはスロットレスモーターの空芯コイルの温度が上昇しても安定して回転するスロットレスモーターを備えたロボットとすることができる。
[適用例10]
本適用例にかかる搬送機であって、モーターと、前記モーターの出力により回転する車輪と、を有し、前記モーターが上記のいずれか一項に記載のスロットレスモーターであることを特徴とする。
本適用例にかかる搬送機であって、モーターと、前記モーターの出力により回転する車輪と、を有し、前記モーターが上記のいずれか一項に記載のスロットレスモーターであることを特徴とする。
本適用例によれば、搬送機はモーター及び車輪を備えている。そして、モーターの出力により車輪が回転する。モーターには上記に記載のスロットレスモーターが用いられている。従って、空芯コイルの温度が上昇して空芯コイルとローターとの間に引力が作用しても、空芯コイルがローターと接触してローターの回転が停止することを防止することができる。従って、搬送機はスロットレスモーターの空芯コイルの温度が上昇しても安定して回転するスロットレスモーターを備えた搬送機とすることができる。
[適用例11]
本適用例にかかる電子部品搬送装置であって、電子部品を搬送するステージと、前記ステージを駆動するモーターとを備え、前記モーターが上記のいずれか一項に記載のスロットレスモーターであることを特徴とする。
本適用例にかかる電子部品搬送装置であって、電子部品を搬送するステージと、前記ステージを駆動するモーターとを備え、前記モーターが上記のいずれか一項に記載のスロットレスモーターであることを特徴とする。
本適用例によれば、電子部品搬送装置はステージ及びモーターを有している。そして、モーターがステージを駆動する。モーターには上記に記載のスロットレスモーターが用いられている。従って、空芯コイルの温度が上昇して空芯コイルとローターとの間に引力が作用しても、空芯コイルがローターと接触してローターの回転が停止することを防止することができる。従って、電子部品搬送装置はスロットレスモーターの空芯コイルの温度が上昇しても安定して回転するスロットレスモーターを備えた電子部品搬送装置とすることができる。
本実施形態では、スロットレスモーターの特徴的な例について、図1〜図7に従って説明する。以下、実施形態について図面に従って説明する。尚、各図面における各部材は、各図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各部材毎に縮尺を異ならせて図示している。
(第1の実施形態)
第1の実施形態にかかわるモーターについて図1〜図7に従って説明する。図1(a)は、モーターの構造を示す模式側断面図である。図1(b)は、モーターの構造を示す模式上面図である。
(第1の実施形態)
第1の実施形態にかかわるモーターについて図1〜図7に従って説明する。図1(a)は、モーターの構造を示す模式側断面図である。図1(b)は、モーターの構造を示す模式上面図である。
図1に示すように、スロットレスモーターとしての略円柱形のモーター1は略円筒形のステーター2を備えている。ステーター2の内部には回動可能に設置された回転子としてのローター3を備えている。そして、ローター3をステーター2の内部に保持する略円板形の蓋部4がステーター2に設置されている。モーター1は、ステーター2の内部をローター3が回動するインナーローター型モーターとなっている。以下、ローター3の回転軸が延在する方向を軸方向と称し、軸方向から見ることを軸方向視と称する。
ステーター2は基台5を備えている。基台5は軸方向と直交する方向に延在する略円板状の底部5aを備えている。さらに、底部5aの外周から軸方向に延在する略円筒形の側板部5bを備えている。基台5の材質は剛性があれば良く、特に限定されず、例えば、金属、セラミック、樹脂を用いることができる。樹脂には、例えば、ポリフェニレンスルファイドや不飽和ポリエステル等の公知の樹脂材料を用いることができる。さらに、樹脂にはフィラーが含まれていてもよい。フィラーの材質は、金属、ガラス、カーボン、セラミックス等を用いることができる。そして、フィラーに放熱の機能をもたせるためにはフィラーの材質に金属等の熱伝導率の高い材質を用いるのが望ましい。さらに、剛性を高めることができる。さらに、基台5の材質は熱伝導率に優れた材料が好ましく、特に軽量で高い熱伝導率を有するアルミニウム合金が好適に用いられる。
底部5aの中央には円筒形の軸受6が設置されている。軸受6の中心には貫通孔6aが設置され、軸受6はローター3の一端を支持する。軸受6はベアリング等の低摩擦となる構造体を設置しても良い。他にも、軸受6には摩擦抵抗が小さく耐久性のある部材を用いても良く、特に限定されない。軸受6には油脂を浸透させた多孔質の金属、セラミック、樹脂材料等各種の材料を用いることができる。
側板部5bの内周側には円筒形のヨーク7が設置されている。ヨーク7は、軟磁性材料を含む材料で構成され、磁力線の流れを規制し磁力の漏れを防止する。軟磁性材料としては、例えば、Fe,Co,Ni,Cr,Si,B,Nb,P等の材料を含む合金、微結晶材料、アモルファス材等を用いることができる。
ヨーク7の内周側には円筒状のコイルユニット8が設置されている。コイルユニット8はコイルがインサート成形されたコイル体が同心円状に2列配列されている。つまり、コイルユニット8は、ヨーク7に近い場所に位置する外側コイル列9とローター3に近い場所に位置する内側コイル列10とから構成されている。
コイルユニット8において軸方向の一端には結線基板11が設置されている。そして、結線基板11には配線が設置され、この配線はコイルユニット8と電気的に接続されている。
ヨーク7の軸方向側の一端、結線基板11の一部を覆ってモールド体12が設置されている。モールド体12は外側コイル列9と内側コイル列10との間にも設置され、ヨーク7と外側コイル列9との間にも設置されている。これにより、モールド体12はコイルユニット8、ヨーク7を基台5に固定する機能を有している。
モールド体12を構成する材料としては、例えば、ポリフェニレンスルファイドや不飽和ポリエステル等の公知の樹脂材料を用いることができる。また、モールド体12を構成する材料にはフィラーや絶縁性材料を含んでいてもよい。この絶縁性材料は、特に限定されず、例えば、ポリエステル樹脂、エポキシ変性ホルマール樹脂、ポリビニルホルマール等を挙げることができる。そして、これらの絶縁性材料のうち2種以上を調合して用いても良く、単独で用いても良い。
結線基板11の一端はモールド体12から突出して設置されている。そして、配線の一部をモールド体12から露出させている。これにより、結線基板11を通してコイルユニット8に通電させることが可能となっている。
ステーター2の軸方向において結線基板11に近い方の一端には蓋部4が設置されている。蓋部4は円板状の蓋板13を備え、そして、蓋板13の中央には軸受14が設置されている。軸受14は軸受6と同様の機能及び形態を有し、中央には貫通孔14aが設置されている。
蓋板13の外周に近い場所には貫通孔13aが設置され、基台5において貫通孔13aと対向する場所にはネジ孔5cが設置されている。そして、基台5と蓋部4とがネジ15により固定されている。
ローター3は軸方向に延在する棒状の出力軸16を備え、出力軸16は貫通孔6a及び貫通孔14aを貫通している。そして、出力軸16の両端が軸受6及び軸受14により回動可能に支持されている。軸受6の近くには出力軸16に第1規制輪17が設置されている。同様に、軸受14の近くには出力軸16に第2規制輪18が設置されている。そして、第1規制輪17及び第2規制輪18は貫通孔6a及び貫通孔14aを通過できない大きさとなっている。従って、第1規制輪17及び第2規制輪18によって出力軸16は軸方向の移動量が規制されている。ローター3においてコイルユニット8と対向する場所には出力軸16の周囲に円筒形の磁石19が設置されている。
図1(c)はモーターの構造を示す模式上断面図であり、図1(a)のA−A’に沿う断面の断面図である。図1(c)に示すように、磁石19は径方向にN極とS極の磁極対が位置するように着磁されている。そして、磁石19は周方向に12等分に分割された各場所で磁極対のN極とS極とが交互に位置するように配置されている。
外側コイル列9は複数の外側コイル体9aにより構成され、外側コイル体9aが軸方向視で円に沿って配置されている。同様に、内側コイル列10は複数のコイルユニットとしての内側コイル体10aにより構成され、内側コイル体10aが軸方向視で円に沿って配置されている。隣り合う外側コイル体9aの間には内側コイル体10aの中央が対向している。従って、外側コイル体9aの位置と内側コイル体10aの位置とは円周方向にコイル体半個分移動した位置関係となっている。
外側コイル列9及び内側コイル列10はそれぞれ12個のコイル体が配置され、コイル体と磁石19の磁極対とが対応するようになっている。そして、外側コイル列9を流動する電流と内側コイル列10を流動する電流とのパターンを切り換えることによりローター3を回動することが可能になっている。そして、コイルユニット8が固定されているのでモーター1はブラシレス型モーターとなっている。
図2(a)は内側コイル体の構造を示す模式上面図であり、図2(b)は内側コイル体の構造を示す模式正断面図である。図2(c)は内側コイル体の構造を示す模式側断面図である。図2(a)は図2(b)のC−C’に沿う断面の断面図であり、図2(b)は図2(a)のB−B’に沿う断面の断面図である。そして、図2(c)は図2(b)のD−D’に沿う断面の断面図である。
図2(a)〜図2(c)に示すように、内側コイル体10aは軸方向から見たときの形状が円弧状となっている。そして、内側コイル体10aを円筒に沿って並べたとき、内側コイル列10の内周側が軸方向視で円となる。これにより、内側コイル列10と磁石19との距離を等距離にできるので各コイル体が磁石19に及ぼす力を均一にすることが可能になっている。
内側コイル体10aは外周側に凸部23aを備えている。そして、凸部23aは隣り合う外側コイル体9aに挟まれるように設置される。これにより、外側コイル列9の各コイル体と内側コイル列10の各コイル体との相対位置を精度良く配置することが可能になっている。
内側コイル体10aの内部にはコイル支持部材としての内側コイル支持体22と被覆部としての内側被覆部23とを備えている。内側コイル支持体22には楕円形の溝部22aが形成され、溝部22aには空芯コイルとしてのコイル24が設置されている。コイル24の両端は内側コイル支持体22の図2(b)中上側に突出して配置されている。そして、コイル24の両端は結線基板11に形成された配線と電気的に接続される。そして、溝部22aとコイル24とを覆って内側被覆部23が設置されている。コイル24に対して内側コイル支持体22が位置する側がローター3と対向する側となっている。
内側コイル体10aは、コイル24がローター3と対向する側に内側コイル支持体22が配置されている。コイル24に電流が流動することにより、コイル24とローター3とは電磁力により引き付けられる。モーター1ではコイル24がローター3と対向する側に耐熱性のある内側コイル支持体22が設置されている。従って、コイル24の温度が上昇しても内側コイル支持体22が柔らかくなり変形することが抑制される。その結果、コイル24がローター3と接触してローター3の回転が減速することを防止することができる。ここで、内側コイル支持体22の耐熱性とは、コイル24の発熱に対して内側コイル支持体22の変形が少なくローター3の磁石19とコイル24との距離を適正の範囲内で維持できる特性をいう。
内側コイル支持体22はコイル24が設置された溝部22aの側面にも配置されている。コイル24の温度が上昇するときにもコイル24の側面24aを内側コイル支持体22が支える。従って、コイル24の形状が変形することを防止することができる。
コイル24は内側コイル支持体22の溝部22aに設置されている。従って、コイル24に囲まれた場所を芯部22cとするとき、コイル24の芯部22cにも内側コイル支持体22が位置している。コイル24の温度が上昇するときにもコイル24の芯部22cを内側コイル支持体22が支える。従って、コイル24の形状が変形することを防止することができる。
内側コイル支持体22は主に耐熱樹脂材料により構成され、内側被覆部23は主に樹脂材料により構成されている。そして、コイル24は耐熱樹脂材料と樹脂材料とにより埋め込まれた構造となっている。このような構造にすることにより内側コイル体10aは高い剛性を備える為、薄くすることができる。これにより、モーター1は小型なモーターになっている。
内側コイル支持体22の耐熱樹脂材料は、特に限定されず、ポリフェニレンスルファイドや不飽和ポリエステル、フェノール樹脂、ポリエーテルイミド、ポリアミドを用いることができる。他にも、内側コイル支持体22の耐熱樹脂材料はポリアミドイミド、ポリアリレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエーテルイミド、ポリエーテルサルホン、を用いることができる。他にも、内側コイル支持体22の耐熱樹脂材料はポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、ポリフェニレンエーテル、ポリサルフォン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリふっ化ビニリデン、シリコーン樹脂等の公知の耐熱樹脂材料を用いることができる。
内側被覆部23の樹脂材料には上述の耐熱樹脂材料に加え、上述の耐熱樹脂材料より耐熱性の低い樹脂材料を用いることができる。好ましくは、内側被覆部23の樹脂材料は内側コイル支持体22と同様に耐熱樹脂材料を用いるのが好ましい。コイル24の温度が上昇しても内側被覆部23の変形を抑制することができる。
さらに、内側コイル支持体22の耐熱樹脂材料及び内側被覆部23の樹脂材料中にはフィラーが含まれていてもよい。これにより、コイル24から発生した熱をより効果的に逃がすことができる。さらに、コイル24の位置ずれを防止することができる。
内側コイル支持体22のローター3側の面とコイル24との間の厚み22bは20μm以上1mm以下であるのが好ましい。厚み22bが20μm以上ある為内側コイル体10aは強度を確保することができる。また、厚み22bが1mm以下である為、内側コイル体10aの厚みを薄くすることができる。その結果、モーター1の直径を小さくすることができる。
図2(d)は外側コイル体の構造を説明するための模式断面図であり、外側コイル体9aの中央を通る面を軸方向視から見た図である。図2(d)に示すように、外側コイル体9aは内側コイル体10aと類似した構造となっている。外側コイル体9aは軸方向から見たときの形状が円弧状となっている。そして、外側コイル体9aを円筒に沿って並べたとき、外側コイル体9aの内周側が軸方向視で円となる。これにより、外側コイル列9と磁石19との距離を等距離にできるので各コイル体が磁石19に及ぼす力を均一にすることが可能になっている。
外側コイル体9aは内周側に凸部25bを備えている。そして、凸部25bは隣り合う内側コイル体10aに挟まれるように設置される。これにより、外側コイル列9の各コイル体と内側コイル列10の各コイル体との相対位置を精度良く配置することが可能になっている。
外側コイル体9aの内部には外側コイル支持体25と外側被覆部26とを備えている。外側コイル支持体25には楕円形の溝部25aが形成され、溝部25aにはコイル24が設置されている。コイル24の両端は外側コイル支持体25の軸方向の結線基板11側に突出して配置されている。そして、コイル24の両端は結線基板11に形成された配線と電気的に接続される。そして、溝部25aとコイル24とを覆って外側被覆部26が設置されている。
外側コイル支持体25の材質は内側コイル支持体22と同様の材質であり、外側コイル支持体25は内側コイル支持体22と同様の機能を備えている。そして、外側被覆部26の材質は内側被覆部23と同様の材質であり、外側被覆部26は内側被覆部23と同様の機能を備えている。
次に、上述したモーター1の製造方法について図3〜図7にて説明する。図3は、モーターの製造方法のフローチャートであり、図4〜図7はモーターの製造方法を説明するための模式図である。
図3のフローチャートにおいて、ステップS1は、コイルユニット形成工程に相当し、外側コイル体9a及び内側コイル体10aを形成する工程である。次にステップS2に移行する。ステップS2は、配列工程に相当し、基台5に外側コイル体9a及び内側コイル体10aを配列して設置する工程である。次にステップS3に移行する。ステップS3は、固定工程に相当し、外側コイル体9a、内側コイル体10a及びヨーク7を基台5に固定する工程である。次にステップS4に移行する。ステップS4は、ローター配置工程に相当し、ステーター2の中央にローター3を挿入して配置する工程である。次にステップS5に移行する。ステップS5は、軸受配置工程に相当し、軸受14を備えた蓋板13をステーター2に配置する工程である。以上の工程にてモーター1を製造する工程が終了する。
次に、図4〜図7を用いて、図3に示したステップと対応させて、製造方法を詳細に説明する。図4はステップS1のコイルユニット形成工程に対応する図である。ステップS1では外側コイル体9a及び内側コイル体10aを形成する。外側コイル体9aと内側コイル体10aとは同様な方法で形成する。そこで、内側コイル体10aの形成方法を説明し、外側コイル体9aの形成方法の説明は省略する。
図4(a)に示すように、ステップS1において内側コイル支持体22及びコイル24を用意する。内側コイル支持体22は金型に耐熱樹脂材料を充填して射出成形されたものである。コイル24は金属線の回りに絶縁膜を設置し、楕円形に形成されたものである。絶縁膜の材料にはポリエステル樹脂、エポキシ変性ホルマール樹脂、ポリビニルホルマール等を用いることができる。コイル24に絶縁膜を設ける場合には、上述した絶縁膜の材料を溶剤に溶解または分散したワニスをコイル24に塗布し、乾燥させて形成する。ワニスの塗布は、例えば、ディッピング方法等によって行うことができる。コイル24はワイヤーフォーミング装置や巻き線装置を用いて楕円形に金属線を巻いて形成する。内側コイル支持体22及びコイル24は公知の製造方法を用いることができるので詳細の説明は省略する。
次に、金型としての第1金型27を用意する。第1金型27は内側コイル体10aの形状に形成されている。そして、第1金型27には成形品を第1金型27から分離するイジェクターピン27aが設置されている。続いて、第1金型27に内側コイル支持体22を設置する。次に、内側コイル支持体22にコイル24を設置する。内側コイル支持体22にはコイル24の形状の溝部22aが形成されているので、溝部22aに合わせてコイル24を配置する。続いて、第1金型27を図示しない射出成形機に設置する。尚、射出成形機に第1金型27を設置した後に内側コイル支持体22及びコイル24を設置してもよい。作業性の良い方法を選択することができる。
図4(b)に示すように、第1金型27に密着させて金型としての第2金型28を設置する。第1金型27と第2金型28とには相対位置を決定するガイド孔とガイドピンとが設置されている。これにより第1金型27と第2金型28とは位置精度良く相対位置が合わせられるようになっている。このとき、内側コイル支持体22と第2金型28との間に空洞が形成される。第2金型28には空洞と連通する注入口28aが設置されている。次に、ノズル29を注入口28aに配置する。
図4(c)に示すように、射出成形機は加熱して溶解した樹脂材料30を加圧してノズル29から第1金型27と第2金型28との間の空洞に注入する。続いて、射出成形機が第1金型27及び第2金型28を冷却する。これにより樹脂材料30が固化して内側被覆部23が形成される。このとき、内側被覆部23及び内側コイル支持体22は固着して形成される。
操作者は射出成形機を駆動して第1金型27と第2金型28とを分離して内側コイル体10aを第1金型27から取り出す。第1金型27にはイジェクターピン27aが設置されており、イジェクターピン27aを突出させることにより、内側コイル体10aを第1金型27から分離することができる。
図5(a)〜図6(b)はステップS2の配列工程に対応する図である。図5(a)に示すように、ステップS2において、基台5を用意する。基台5の材質に金属を用いるときには、冷間鍛造法、ロストワックス法やメタルインジェクション法等の方法を用いて基台5を形成することができる。他にも、円柱状の金属を切削して基台5を形成しても良い。基台5の材質にセラミックを用いるときには圧粉成形法や射出成形法にて形成して乾燥し焼成することにより基台5を形成することができる。基台5の材質に樹脂材料を用いるときには射出成形法にて基台5を形成することができる。そして、基台5の上面にはネジ孔5cを形成する。さらに、底部5aの中央の孔には軸受6を挿入して設置する。
次に、基台5の形状に合わせた第3金型31を用意する。第3金型31は中央に円筒形の凹部31aを有し、凹部31aの直径は基台5の直径と略同じになっている。第3金型31の底部5a側には成形品を第3金型31と分離するイジェクターピン31bが設置されている。そして、操作者は基台5を凹部31aに設置する。
図5(b)に示すように、円柱形の入子32を用意する。入子32の一端には円柱形の凸部32aが設置されている。凸部32aの直径は軸受6の内径と略同じ値となっている。そして、操作者は軸受6に凸部32aを挿入する。このとき、軸受6と凸部32aとの間には隙間がない状態となる。
図5(c)に示すように、入子32の外周に沿って内側コイル体10aを等間隔に配置する。内側コイル体10aにより内側コイル列10が形成される。次に、図5(d)に示すように、内側コイル列10の外周に沿って外側コイル体9aを等間隔に配置する。外側コイル体9aにより外側コイル列9が形成される。
内側コイル体10aは外側コイル列9側の中央に凸部23aが設置されている。操作者は一対の外側コイル体9aで凸部23aを挟むように設置する。さらに、外側コイル体9aは内側コイル列10側の中央に凸部25bが設置されている。操作者は一対の内側コイル体10aで凸部25bを挟むように設置する。このように外側コイル体9a及び内側コイル体10aを設置することにより、外側コイル体9aと内側コイル体10aとが位置精度良く設置される。
図6(a)に示すように、ヨーク7を用意する。ヨーク7は軟磁性材料からなるので冷間鍛造法等を用いて形成することができる。外側コイル列9と基台5との間に設置する。
図6(b)に示すように、結線基板11を用意する。結線基板11にはフォトリソグラフィー法を用いた配線パターンが形成されている。そして、外側コイル列9及び内側コイル列10の一端に結線基板11を設置する。外側コイル列9及び内側コイル列10は図中上側にコイル24の両端が突出している。そして、突出したコイル24と対向する場所の結線基板11には貫通孔が設置されている。操作者はコイル24の両端を結線基板11の貫通孔に通す。そして、コイル24の両端を結線基板11に形成された配線パターンに半田付けする。コイル24と配線パターンとの結線方法は導通がとれれば良く半田付けに限定されない。
図6(c)〜図7(a)はステップS3の固定工程に対応する図である。図6(c)に示すように、ステップS3において第3金型31に密着させて第4金型33を設置する。第3金型31と第4金型33とには相対位置を決定するガイド孔とガイドピンとが設置されている。これにより第3金型31と第4金型33とは位置精度良く相対位置が合わせられるようになっている。このとき、ヨーク7及び基台5と結線基板11との間や結線基板11と第4金型33との間に空洞が形成される。第4金型33には空洞と連通する注入口33aが設置されている。次に、操作者は第3金型31及び第4金型33を図示しない射出成形機に設置し、射出成形機のノズル34を注入口33aに配置する。
図6(d)に示すように、射出成形機は加熱して溶解した樹脂材料35を加圧してノズル34からヨーク7と結線基板11との間や結線基板11と第4金型33との間の空洞に注入する。このとき、樹脂材料35はヨーク7と外側コイル列9との間に流動する。さらに、樹脂材料35は外側コイル列9と内側コイル列10との間にも流動する。さらに、樹脂材料35はヨーク7と基台5との間にも流動する。続いて、射出成形機が第3金型31及び第4金型33を冷却する。
操作者は射出成形機を駆動して第3金型31と第4金型33とを分離して基台5を第3金型31から取り出す。第3金型31にはイジェクターピン31bが設置されており、イジェクターピン31bを基台5側に突出させることにより、基台5を第3金型31から分離することができる。
図7(a)に示すように、その結果、樹脂材料35が固化してモールド体12が形成される。このとき、ヨーク7、外側コイル列9、内側コイル列10、結線基板11はモールド体12により基台5に固定されている。
図7(b)はステップS4のローター配置工程に対応する図である。図7(b)に示すように、ステップS4において、ローター3を用意する。ローター3の磁石19は公知の方法にて製造される。例えば、操作者は磁性材料の粉末とバインダーとを混合し圧粉成形する。次に、成形された原料を乾燥し焼結することにより磁石19の形状が形成される。続いて、所定の磁気パターンに着磁することにより磁石19が完成する。次に、磁石19に出力軸16を挿入した後、接着剤を用いて磁石19と出力軸16とを固着させる。続いて、出力軸16に第1規制輪17及び第2規制輪18を設置してローター3が完成する。
次に、コイルユニット8が設置された基台5を用意する。コイルユニット8の内径側にローター3を配置し、出力軸16の一端を軸受6に挿入する。
図7(c)はステップS5の軸受配置工程に対応する図である。図7(c)に示すように、ステップS5において、蓋部4を用意する。蓋部4は基台5と同様に剛性があれば良く、金属、セラミック、樹脂等の各種類の材質を用いることができる。蓋部4の材質は熱伝導率に優れた材料が好ましく、特に軽量で高い熱伝導率を有するアルミニウム合金が好適に用いられる。そして、材質が金属のときには冷間鍛造法やロストワックス法、セラミックのときには圧粉成形法、樹脂のときには射出成形法等を用いることができる。いずれの方法においても公知の方法にて形成することができる。そして、蓋板13の中央の孔には軸受14を挿入して設置する。
操作者は出力軸16を軸受14に挿入し、基台5、結線基板11及びモールド体12上に蓋板13を設置する。そして、ネジ15を貫通孔13aに挿入し、ネジ15をネジ孔5cに固定する。以上の工程によりモーター1が完成する。
上述したように、本実施形態によれば、以下の効果を有する。
(1)本実施形態によれば、コイル24がローター3と対向する側に耐熱性のある内側コイル支持体22が設置されている。従って、コイル24の温度が上昇しても内側コイル体10aのローター3側が柔らかくなることが抑制される。その結果、内側コイル体10aがローター3と接触してローター3の回転が減速することを防止することができる。
(1)本実施形態によれば、コイル24がローター3と対向する側に耐熱性のある内側コイル支持体22が設置されている。従って、コイル24の温度が上昇しても内側コイル体10aのローター3側が柔らかくなることが抑制される。その結果、内側コイル体10aがローター3と接触してローター3の回転が減速することを防止することができる。
(2)本実施形態によれば、コイル24の側面24aにも耐熱性のある内側コイル支持体22が配置されている。従って、通電によりコイル24の温度が上昇するときにもコイル24の側面24aを内側コイル支持体22が支える。従って、コイル24の形状が変形することを防止することができる。
(3)本実施形態によれば、コイル24の芯部22cにも耐熱性のある内側コイル支持体22が配置されている。従って、通電によりコイル24の温度が上昇するときにもコイル24の芯部22cを内側コイル支持体22が支える。従って、コイル24の形状が変形することを防止することができる。
(4)本実施形態によれば、内側コイル体10aは耐熱性のある内側コイル支持体22と内側被覆部23とに埋め込まれている。内側コイル支持体22は耐熱樹脂材料を有している為、熱により変形し難くなっている。また、内側コイル体10aは耐熱樹脂材料及び樹脂材料にて埋め込まれているので高い剛性を備えることができる。その結果、内側コイル体10aを薄くすることができる。
(5)本実施形態によれば、樹脂材料はフィラーを含んでいても良い。樹脂材料がフィラーを含むとき、コイル24で発生した熱をより効果的に逃がすことができる。さらに、内側コイル体10aの強度を高めることができる。従って、コイル24が発熱しても内側コイル体10aを変形し難くすることができる。
(6)本実施形態によれば、内側被覆部23の樹脂材料は耐熱性を有する材料が好ましい。内側被覆部23の樹脂材料が耐熱性を有する材料のとき、通電によりコイル24の温度が上昇するときにもより確実にコイル24を保持することができる。
(7)本実施形態によれば、内側コイル体10aはローター3側の面とコイル24との間の厚みが20μm以上であり強度を確保することができる。また、内側コイル体10aはローター3側の面とコイル24との間の厚みが1mm以下である為、モーター1の直径を小さくすることができる。
(8)本実施形態によれば、ステップS1のコイルユニット形成工程にてコイル24の片面に配置された内側コイル支持体22は、ステップS2の配列工程にて円筒状に配列したコイルユニット8の内側に配置される。そして、ステップS4のローター配置工程ではコイルユニット8の内側にローター3が配置されている。従って、コイル24に通電することによりコイル24の温度が上昇するときにも内側コイル支持体22は内側コイル体10aの内側の強度が低下することを防止することができる。その結果、コイル24とローター3との間に引力が作用しても、内側コイル体10aがローター3と接触してローター3の回転が減速することを防止することができる。
(第2の実施形態)
次に、スロットレスモーターを備えたギアドモーター、ロボットハンド、搬送機、ロボット及び電子部品搬送装置の一実施形態について図8及び図9を用いて説明する。尚、第1の実施形態と同じ点については説明を省略する。
次に、スロットレスモーターを備えたギアドモーター、ロボットハンド、搬送機、ロボット及び電子部品搬送装置の一実施形態について図8及び図9を用いて説明する。尚、第1の実施形態と同じ点については説明を省略する。
図8(a)は、ギアドモーターの構造を示す模式平面図である。すなわち、本実施形態では、図8(a)に示すように、ギアドモーター38はモーター1を備えている。そして、モーター1の出力軸16には歯車16aが形成されている。そして、モーター1は減速機39と接続されている。減速機39は外装部40を備え、外装部40の内部には第1歯車41及び第2歯車42が回動可能に設置されている。第1歯車41には歯数の異なる大歯車部41aと小歯車部41bの2つの歯車を備え、大歯車部41aと小歯車部41bとは同じ回転数で回転する。そして、大歯車部41aは小歯車部41bより歯数が多くなっている。
モーター1の歯車16aは大歯車部41aと噛み合い、歯車16aの歯数は大歯車部41aの歯数より少ない歯数となっている。従って、第1歯車41の回転数は出力軸16の回転数より少ない回転数となる。
第2歯車42は出力軸42aを備え、出力軸42aは第2歯車42と同じ回転数で回転する。そして、第2歯車42は小歯車部41bより歯数が多くなっている。これにより、出力軸42aの回転数は第1歯車41の回転数より少ない回転数となる。従って、減速機39の出力軸42aは出力軸16より少ない回転数で回転する。
ギアドモーター38はモーター1と減速機39とが一体となっており、高いトルクを出力することができる。そして、モーター1はコイル24の温度が上昇してコイル24とローター3との間に引力が作用しても、内側コイル体10aがローター3と接触してローター3の回転が減速することを防止することができる。従って、ギアドモーター38はモーター1のコイル24の温度が上昇しても安定して回転するモーター1を備えたギアドモーター38とすることができる。
図8(b)は、ロボットハンドの構造を示す模式平面図である。すなわち、本実施形態では、図8(b)に示すように、ロボットハンド45はハンド本体部46を備えている。そして、ハンド本体部46には2本の向かい合う指部47が設置されている。各指部47は3つの関節部48と3つの可動部49とが交互に接続して配置されている。
関節部48にはモーター1と減速機が配置されている。尚、モーター1は第1の実施形態にて説明したモーターである。ロボットハンド45は制御装置50を備えている。モーター1が出力するトルクの出力を用いて制御装置50は関節部48を回動させている。そして、制御装置50は関節部48を回動させて可動部49を動作させる。これにより、ロボットハンド45は可動部49を人間の指のように所望の形態に変形させることが可能になっている。
モーター1はコイル24の温度が上昇してコイル24とローター3との間に引力が作用しても、コイル24がローター3と接触してローター3の回転が減速することを防止することができる。従って、ロボットハンド45はモーター1のコイル24の温度が上昇しても安定して回転するモーター1を備えたロボットハンド45とすることができる。
次に、モーター1を備えた搬送機である自動車について説明する。尚、モーター1は自動車以外にも、電車、二輪車、トラック、各種作業車等の各種搬送機に用いることができる。図8(c)は、自動車の構造を示す模式平面図である。すなわち、本実施形態では、図8(c)に示すように、搬送機としての自動車53は車台54を備えている。車台54には一対の直流で作動するモーター1が設置されている。各モーター1の出力軸と接続して減速機55が設置されている。各減速機55の出力軸には車輪56が取り付けられている。
モーター1は配線57を介して分配装置58と接続され、分配装置58は配線57を介して蓄電池59と接続されている。さらに、分配装置58は配線57を介して制御装置60と接続されている。
制御装置60は蓄電池59から各モーター1に流動させる電流量を制御する装置である。分配装置58は制御装置60が出力する指示信号に従って、各モーター1に電流を供給する。これによりモーター1が回転し、減速機55がモーター1の回転数を減速した回転数で車輪56を回転させる。
車台54の長手方向においてモーター1が配置された場所と反対の場所には、差動装置61が設置されている。そして、差動装置61には一対の車軸62が設置され、各車軸62には車輪56が取り付けられている。差動装置61は一対の車軸62の回転速度を調整する装置である。差動装置61の作用により車輪56は異なる回転速度で回転することが可能になっている。
モーター1はコイル24の温度が上昇してコイル24とローター3との間に引力が作用しても、内側コイル体10aがローター3と接触してローター3の回転が減速することを防止することができる。従って、自動車53はモーター1のコイル24の温度が上昇しても安定して回転するモーター1を備えた自動車53とすることができる。
図9(a)はロボットの構成を示す概略斜視図である。すなわち、本実施形態では、図9(a)に示すように、ロボット65は車体部66を備えている。車体部66は車体本体66aを備え、車体本体66aの地面側には4つの車輪66bが設置されている。そして、車体本体66aには車輪66bを駆動する回転機構が内蔵されている。さらに、車体本体66aにはロボット65の姿勢及び動作を制御する制御部67が内蔵されている。
車体本体66a上には本体回転部68、本体部69がこの順に重ねて設置されている。本体回転部68には本体部69を回転させる回転機構が設置されている。これにより、本体部69は鉛直方向を回転中心として回動する。本体部69上には一対の撮像装置70が設置され、撮像装置70はロボット65の周囲を撮影する。そして、撮影した物と撮像装置70との距離を検出することができる。
本体部69の側面のうち逆向きの2つの面には左腕部71及び右腕部72が設置されている。つまり、ロボット65は双腕ロボットとなっている。左腕部71及び右腕部72はそれぞれ可動部としての上腕部73、下腕部74、ハンド部75を備えている。上腕部73、下腕部74、ハンド部75は回動または屈曲可能に接続されている。そして、本体部69には本体部69に対して上腕部73を回動させる回転機構76が内蔵されている。上腕部73には上腕部73に対して下腕部74を回動させる回転機構76が内蔵されている。下腕部74には下腕部74に対してハンド部75を回動させる回転機構76が内蔵されている。さらに、下腕部74には下腕部74の長手方向を回転軸にして捻る回転機構76が内蔵されている。
ハンド部75はハンド本体75aとハンド本体75aの先端に位置する一対の板状の可動部としての把持部75bを備えている。ハンド本体75aには把持部75bを移動しての把持部75bの間隔を変更させる直動機構77が内蔵されている。ハンド部75は把持部75bを開閉して被把持物を把持することができる。
回転機構76及び直動機構77にはモーター1及び減速機を備えている。尚、モーター1はコイル24の温度が上昇してコイル24とローター3との間に引力が作用しても、コイル24がローター3と接触してローター3の回転が減速することを防止することができる。従って、ロボット65は左腕部71及び右腕部72を安定して移動することができる。
さらに、車輪66bを回転させる回転機構と本体部69を回転させる回転機構とはモーター1及び減速機を備えている。従って、ロボット65は進行方向を変えるときに安定して回動することができる。そして、ロボット65は本体部69の回転方向を変えるときにも安定して回動することができる。
図9(b)は電子部品搬送装置の構成を示す概略斜視図である。すなわち、本実施形態では、図9(b)に示すように、電子部品搬送装置80は基台81を備えている。基台81上には電子部品82を供給するステージとしての供給ステージ83が設置されている。そして、基台81には供給ステージ83を移動させる駆動装置84が内蔵されている。駆動装置84は直動機構を備え、供給ステージ83を直動させる。
基台81上には電子部品82を除材するステージとしての除材ステージ85が設置されている。そして、基台81には除材ステージ85を移動させる駆動装置86が内蔵されている。駆動装置86は直動機構を備え、除材ステージ85を直動させる。
基台81には直方体状に立設した支持部81aが設置され、支持部81aの側面にはステージとしての第1ステージ87が設置されている。第1ステージ87は供給ステージ83及び除材ステージ85と平行に移動する。そして、支持部81aには第1ステージ87を移動させる駆動装置88が内蔵されている。
第1ステージ87には水平方向に突出した第1腕部89が設置されている。第1腕部89にはステージとしての第2ステージ90が設置されている。第2ステージ90は水平方向で第1ステージ87の進行方向と直交する方向に移動する。そして、第1腕部89には第2ステージ90を移動させる駆動装置91が内蔵されている。
第2ステージ90には昇降装置92が設置されている。昇降装置92はステージとしての第3ステージ93を備え、第3ステージ93は把持部94を昇降させる。そして、昇降装置92には第3ステージ93を上下動させる駆動装置95が設置されている。把持部94は電子部品82を吸着して保持することが可能になっている。さらに、基台81上には検査台96が設置されている。電子部品搬送装置80には電気特性検査装置97が並設されている。電気特性検査装置97は検査台96に載置された電子部品82の電気特性を測定することが可能になっている。
駆動装置84、駆動装置86、駆動装置88、駆動装置91、駆動装置95にはモーター1と減速機が設置されている。尚、モーター1はコイル24の温度が上昇してコイル24とローター3との間に引力が作用しても、コイル24がローター3と接触してローター3の回転が減速することを防止することができる。従って、電子部品搬送装置80は電子部品82を安定して移動することができる。
図10は印刷装置の構成を示す模式平面図である。すなわち、本実施形態では、図10に示すように、印刷装置99は基台100を備えている。基台100の図中左上にはモーター1が設置され、モーター1の出力軸には減速機101が設置されている。そして、減速機101の出力軸101aに第1ローラー102が接続されている。そして、第1ローラー102と平行して第2ローラー103が回転可能に配置されている。第1ローラー102及び第2ローラー103は棒状であり表面に弾性部材が設置されている。そして、第1ローラー102と第2ローラー103との間に紙104が挿入される。
紙104は第1ローラー102と第2ローラー103とに挟まれる。そして、モーター1が駆動されると減速機101により減速されて第1ローラー102が回動する。これにより、紙104が移動されることにより給紙及び排紙が行われる。
モーター1の図中下側の基台100上には、さらに、モーター1が設置され、モーター1の出力軸には減速機105が設置されている。そして、減速機105の出力軸105aに第1プーリー106が接続されている。第1プーリー106の図中右側には第2プーリー107が回転可能に配置され、第1プーリー106と第2プーリー107とにベルト108が掛けられている。
ベルト108には印字ユニット109が固定されている。そして、モーター1が駆動されると減速機105により減速されて第1プーリー106が回動する。これにより、ベルト108を介して印字ユニット109が図中左右に往復移動する。
印字ユニット109にはインクが供給された容器と紙104に向けてインクを吐出する吐出ヘッドが設置されている。印刷装置99は制御部110を備え、制御部110はモーター1及び印字ユニット109を制御する。これにより制御部110は紙104の移動量、印字ユニット109の位置、インクを吐出するタイミングを制御することができる。そして、印刷装置99は紙104に所望のパターンの印刷を行うことが可能になっている。
印刷装置99に設置されたモーター1は第1の実施形態にて説明したモーター1である。モーター1はコイル24の温度が上昇してコイル24とローター3との間に引力が作用しても、コイル24がローター3と接触してローター3の回転が減速することを防止することができる。従って、印刷装置99は紙104を安定して移動させることができる。さらに、印刷装置99は印字ユニット109の移動方向を移動させるときにも安定して移動させることができる。従って、印刷装置99は位置精度良く紙104の位置を制御して所定のパターンを印刷することができる。
上述したように、本実施形態によれば、以下の効果を有する。
(1)本実施形態によれば、ギアドモーター38は上記実施形態に記載のモーター1を有している。従って、ギアドモーター38は安定して回転するモーター1を備えたギアドモーター38とすることができる。その結果、ギアドモーター38は安定して出力軸42aを回転することができる。
(1)本実施形態によれば、ギアドモーター38は上記実施形態に記載のモーター1を有している。従って、ギアドモーター38は安定して回転するモーター1を備えたギアドモーター38とすることができる。その結果、ギアドモーター38は安定して出力軸42aを回転することができる。
(2)本実施形態によれば、ロボットハンド45は上記実施形態に記載のモーター1を有している。従って、ロボットハンド45は安定して回転するモーター1を備えたロボットハンド45とすることができる。その結果、ロボットハンド45は安定して指部47を動かすことができる。
(3)本実施形態によれば、自動車53は上記実施形態に記載のモーター1を有している。従って、自動車53は安定して回転するモーター1を備えた自動車53とすることができる。その結果、自動車53は安定して進行することができる。
(4)本実施形態によれば、ロボット65は上記実施形態に記載のモーター1を有している。従って、ロボット65は安定して回転するモーター1を備えたロボット65とすることができる。その結果、ロボット65は安定して左腕部71及び右腕部72を移動することができる。
(5)本実施形態によれば、電子部品搬送装置80は供給ステージ83、除材ステージ85、第1ステージ87、第2ステージ90、第3ステージ93と駆動装置84,86,88,91,95とを有している。そして、駆動装置84,86,88,91,95は上記実施形態に記載のモーター1を有している。従って、電子部品搬送装置80は安定して回転するモーター1を備えた電子部品搬送装置80とすることができる。その結果、電子部品搬送装置80は安定してステージを進行させることができる。
(6)本実施形態によれば、印刷装置99はモーター1を有している。モーター1は上記実施形態に記載のモーター1である。従って、印刷装置99は安定して回転するモーター1を備えた印刷装置99とすることができる。その結果、印刷装置99は紙104及び印字ユニット109を安定して進行させることができる。
以上、本実施形態のモーター1について説明したが、本発明は上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実施することが可能である。変形例を以下に述べる。図11(a)〜図11(c)は内側コイル支持体の構造を示す模式平断面図であり、図11(d)はモーターの構造を示す模式側断面図である。
(変形例1)
前記第1の実施形態では、内側コイル体10aの内側コイル支持体22に楕円形の溝部22aが形成されていた。そして、溝部22aにコイル24が設置されていた。図11(a)に示すように、コイルユニットとしての内側コイル体113はコイル支持部材としての内側コイル支持体114がローター3側に配置され、被覆部としての内側被覆部115をヨーク7側に配置しても良い。内側被覆部115のヨーク7側には凸部115bが形成されている。
前記第1の実施形態では、内側コイル体10aの内側コイル支持体22に楕円形の溝部22aが形成されていた。そして、溝部22aにコイル24が設置されていた。図11(a)に示すように、コイルユニットとしての内側コイル体113はコイル支持部材としての内側コイル支持体114がローター3側に配置され、被覆部としての内側被覆部115をヨーク7側に配置しても良い。内側被覆部115のヨーク7側には凸部115bが形成されている。
内側被覆部115には溝部115aが形成され、コイル24は溝部115aに設置され、コイル24の内側の内側被覆部115には芯部115cが位置している。そして、内側コイル支持体114及び内側被覆部115は耐熱樹脂材料により形成されている。従って、コイル24の温度が上昇してコイル24とローター3との間に引力が作用しても、コイル24がローター3と接触してローター3の回転が減速することを防止することができる。
(変形例2)
前記第1の実施形態では、内側コイル体10aの内側コイル支持体22に楕円形の溝部22aが形成されていた。そして、溝部22aにコイル24が設置され、コイル24の内側の内側コイル支持体22には芯部22cが位置していた。図11(b)に示すように、内側コイル体116はコイル支持部材としての内側コイル支持体117がローター3側に配置し、被覆部としての内側被覆部118をヨーク7側に配置しても良い。内側被覆部118のヨーク7側には凸部118aが形成されている。
前記第1の実施形態では、内側コイル体10aの内側コイル支持体22に楕円形の溝部22aが形成されていた。そして、溝部22aにコイル24が設置され、コイル24の内側の内側コイル支持体22には芯部22cが位置していた。図11(b)に示すように、内側コイル体116はコイル支持部材としての内側コイル支持体117がローター3側に配置し、被覆部としての内側被覆部118をヨーク7側に配置しても良い。内側被覆部118のヨーク7側には凸部118aが形成されている。
内側コイル支持体117に凹部117aが形成され、コイル24は凹部117aに設置されている。コイル24の内側の内側被覆部118には芯部118bが位置している。そして、内側コイル支持体117及び内側被覆部118は耐熱樹脂材料を有している。従って、コイル24の温度が上昇してコイル24とローター3との間に引力が作用しても、コイル24がローター3と接触してローター3の回転が減速することを防止することができる。
(変形例3)
前記第1の実施形態では、内側コイル体10aの内側コイル支持体22に楕円形の溝部22aが形成されていた。そして、溝部22aにコイル24が設置され、コイル24の内側の内側コイル支持体22には芯部22cが位置していた。図11(c)に示すように、内側コイル体119ではコイル支持部材としての内側コイル支持体120がローター3側に配置され、被覆部としての内側被覆部121がヨーク7側に配置されても良い。内側被覆部121のヨーク7側には凸部121bが形成されている。
前記第1の実施形態では、内側コイル体10aの内側コイル支持体22に楕円形の溝部22aが形成されていた。そして、溝部22aにコイル24が設置され、コイル24の内側の内側コイル支持体22には芯部22cが位置していた。図11(c)に示すように、内側コイル体119ではコイル支持部材としての内側コイル支持体120がローター3側に配置され、被覆部としての内側被覆部121がヨーク7側に配置されても良い。内側被覆部121のヨーク7側には凸部121bが形成されている。
内側被覆部121には楕円形の凹部121aが形成され、コイル24は凹部121aに設置されている。そして、内側コイル支持体120及び内側被覆部121は耐熱樹脂材料を有している。従って、コイル24の温度が上昇してコイル24とローター3との間に引力が作用しても、コイル24がローター3と接触してローター3の回転が減速することを防止することができる。
(変形例4)
前記第1の実施形態では、内側コイル体10aの内側コイル支持体22が耐熱樹脂材料により形成されていた。図11(d)に示すように、モーター122には内側コイル列10のローター3側にコイル支持部材としての耐熱筒123が設置されてもよい。耐熱筒123は内側コイル支持体22と同様の材質からなり耐熱性のある円筒となっている。さらに、耐熱筒123の材質には金属を用いても良い。このときにもコイル24の温度が上昇してコイル24とローター3との間に引力が作用しても、コイル24がローター3と接触してローター3の回転が減速することを防止することができる。
前記第1の実施形態では、内側コイル体10aの内側コイル支持体22が耐熱樹脂材料により形成されていた。図11(d)に示すように、モーター122には内側コイル列10のローター3側にコイル支持部材としての耐熱筒123が設置されてもよい。耐熱筒123は内側コイル支持体22と同様の材質からなり耐熱性のある円筒となっている。さらに、耐熱筒123の材質には金属を用いても良い。このときにもコイル24の温度が上昇してコイル24とローター3との間に引力が作用しても、コイル24がローター3と接触してローター3の回転が減速することを防止することができる。
(変形例5)
前記第1の実施形態では、内側コイル支持体22に耐熱樹脂材料を用いた。内側コイル支持体22には金属を用いても良い。樹脂材料は成形時の熱収縮により寸法の変化が生じる。金属の方が樹脂材料に比べて温度による寸法の変化が小さいので、精度良く内側コイル支持体22を形成することができる。変形例1の内側コイル支持体114、変形例2の内側コイル支持体117、変形例3の内側コイル支持体120においても同様に金属を用いることができる。この場合にも精度良く内側コイル支持体114,117,120を形成することができる。
前記第1の実施形態では、内側コイル支持体22に耐熱樹脂材料を用いた。内側コイル支持体22には金属を用いても良い。樹脂材料は成形時の熱収縮により寸法の変化が生じる。金属の方が樹脂材料に比べて温度による寸法の変化が小さいので、精度良く内側コイル支持体22を形成することができる。変形例1の内側コイル支持体114、変形例2の内側コイル支持体117、変形例3の内側コイル支持体120においても同様に金属を用いることができる。この場合にも精度良く内側コイル支持体114,117,120を形成することができる。
1…スロットレスモーターとしてのモーター、3…ローター、10a,113…コイルユニットとしての内側コイル体、22,114,117,120…コイル支持部材としての内側コイル支持体、23,115,118,121…被覆部としての内側被覆部、24…空芯コイルとしてのコイル、27…金型としての第1金型、28…金型としての第2金型、30…樹脂材料、38…ギアドモーター、39…減速機、45…ロボットハンド、49…可動部、53…搬送機としての自動車、56…車輪、65…ロボット、73…可動部としての上腕部、74…可動部としての下腕部、75…可動部としてのハンド部、75b…可動部としての把持部、83…ステージとしての供給ステージ、84,86,88,91,95…駆動装置、85…ステージとしての除材ステージ、87…ステージとしての第1ステージ、90…ステージとしての第2ステージ、93…ステージとしての第3ステージ。
Claims (11)
- 磁性体を含むローターと、
前記ローターの外周を囲んで配置され空芯コイルが埋め込まれたコイルユニットと、を有し、
前記コイルユニットは、前記空芯コイルが前記ローターと対向する側に前記空芯コイルを支持し、前記空芯コイルから発生する熱による温度に対して予め定められた圧縮強度を有するコイル支持部材を備えることを特徴とするスロットレスモーター。 - 請求項1に記載のスロットレスモーターであって、
前記コイルユニットは前記ローターと対向する側とは反対側に前記空芯コイルから発生する熱による温度に対して予め定められた圧縮強度を有し、前記空芯コイルを被覆する被覆部を備えていることを特徴とするスロットレスモーター。 - 請求項1または2に記載のスロットレスモーターであって、
前記コイル支持部材または前記被覆部はフィラーを含むことを特徴とするスロットレスモーター。 - 請求項1〜3のいずれか一項に記載のスロットレスモーターであって、
前記コイルユニットの前記ローター側の面と前記空芯コイルとの間の厚みは20μm以上1mm以下であることを特徴とするスロットレスモーター。 - 空芯コイルの片面にコイル支持部材を配置し、前記空芯コイル及び前記コイル支持部材を金型に設置し、樹脂材料を射出成形してコイルユニットを形成する工程と、
前記コイル支持部材を内側にして前記コイルユニットを円筒状に配列する工程と、
配列された前記コイルユニットを基台に固定する工程と、
配列された前記コイルユニット内にローターを配置する工程と、を有することを特徴とするスロットレスモーターの製造方法。 - 可動部と前記可動部を移動させるスロットレスモーターとを備えたロボットであって、
前記スロットレスモーターは、
磁性体を含むローターと、
前記ローターの外周を囲んで配置され空芯コイルが埋め込まれたコイルユニットと、を有し、
前記コイルユニットは、前記空芯コイルが前記ローターと対向する側に前記空芯コイルを支持し、前記空芯コイルから発生する熱による温度に対して予め定められた圧縮強度を有するコイル支持部材を備えることを特徴とするロボット。 - モーターと、前記モーターの出力を減速する減速機と、を有し、前記モーターが請求項1〜4のいずれか一項に記載のスロットレスモーターであることを特徴とするギアドモーター。
- モーターと、前記モーターの出力により駆動される指部と、を有し、
前記モーターが請求項1〜4のいずれか一項に記載のスロットレスモーターであることを特徴とするロボットハンド。 - モーターと、前記モーターの出力により駆動される回動可能なアームと、を有し、
前記モーターが請求項1〜4のいずれか一項に記載のスロットレスモーターであることを特徴とするロボット。 - モーターと、前記モーターの出力により回転する車輪と、を有し、前記モーターが請求項1〜4のいずれか一項に記載のスロットレスモーターであることを特徴とする搬送機。
- 電子部品を搬送するステージと、前記ステージを駆動するモーターとを備え、
前記モーターが請求項1〜4のいずれか一項に記載のスロットレスモーターであることを特徴とする電子部品搬送装置。
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2021044916A (ja) * | 2019-09-10 | 2021-03-18 | 株式会社デンソー | 回転電機 |
CN113037027A (zh) * | 2021-04-20 | 2021-06-25 | 温州大学 | 基于激光熔化沉积工艺的分层导磁铁芯成型装置及方法 |
-
2012
- 2012-05-14 JP JP2012110745A patent/JP2013240174A/ja active Pending
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