JP2013238173A - 回転機械用のブレードの製造方法及びこれに用いられるバランスウェイトの鋳込み用治具 - Google Patents

回転機械用のブレードの製造方法及びこれに用いられるバランスウェイトの鋳込み用治具 Download PDF

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Abstract

【課題】回転機械用のブレードの製造方法及びこれに用いられるバランスウェイトの鋳込み用治具を提供する。
【解決手段】加工済ブレードにおいて、ボス用突出部と軸用突出部を翼形部の両端に設けた加工対象ブレードを得る。ブレードのボス用突出部及び軸用突出部にボス側センタ穴と軸側センタ穴を形成する。翼形部がバランスウェイト中に埋め込まれるようにバランスウェイトを加工対象ブレードに取付ける。軸側センタ穴とボス側センタ穴の少なくとも一方をセンタで支持して、バランスウェイトが加工対象ブレードに取付けられる一体化ブレードを回転させ軸側突出部及びボス用突出部を旋削加工する。バランスウェイトの取付けにおいて、軸側センタ穴とボス側センタ穴を通る直線上近傍に一体化ブレードの重心が位置するようにバランスウェイトを加工対象ブレードに取付ける。
【選択図】図2

Description

本発明は、例えば蒸気タービンやガスタービン等の回転機械に用いられるブレードの製造技術に関し、特に、ブレードの翼形部の両端側にボス及び軸がそれぞれ設けられるブレードの製造方法及びこれに用いられるバランスウェイトの鋳込み用治具に関する。
従来から、例えばガスタービンの圧縮機のような回転機械の可変静翼として、軸及びボスを有するブレードを用いることがある。可変静翼は、回転機械における作動流体の流量を調節することを目的としている。この目的を達成するため、可変静翼は、翼形部の両端に設けられるボス及び軸を支軸としてアクチュエータで回動しうるように構成され、作動流体の流れ方向に対して翼形部がなす角度を調整可能となっている。
この種のブレード(可変静翼)では、その本来の機能(作動流体の流量調節)を実現するために、ブレードの回動中心(すなわち軸及びボスの芯)に対して所望の位置関係で翼形部の三次元曲面形状が形成されている必要がある。また、アクチュエータによるブレードの回動が適切に行われるためには、ブレードを回動させるためのトルクが所期の範囲内に収まる必要があり、そのためには軸及びボスの芯が精度良く一致していなければならない。
そこで、この種のブレードの軸及びボスを加工する際、次のような手順により加工を行うことがあった。
最初に軸及びボスにセンタ穴を形成し、このセンタ穴を利用して、旋盤等を用いた旋削を行って軸の仕上げ加工をする。このとき、軸とボスの間の翼形部が複雑な三次元形状を有するために、特段の処置を採らずに旋削を行うと旋削時におけるブレードの高速回転によってブレードの回転振れが生じて、高精度な加工が困難になる。そこで、円筒状の治具でブレードを囲んで、治具の内周面から張り出した複数のボルトによりブレードの翼形部を突っ張って固定した状態で軸の旋削を行う手法を採用することがある。これにより、旋削加工中におけるブレードの回転振れを抑制して、軸の加工精度を向上させることができる。
軸の仕上げ加工を終えた後、今度はボスの荒加工を旋削にて行う。このときにも、上述の円筒状治具を用いてブレードの回転振れを防止しながら、ボスの荒加工を行う必要がある。そのため、軸の加工後にブレードから治具を一旦取り外して、ブレードを反転させて治具を再度取り付けた状態でボスの加工を行う。
その後、旋削加工時における円筒状治具のボルトの突っ張りにより生じたブレードの歪みを修正した上で、マシニングセンタ等による切削加工により翼形部の仕上げを行う。その後、ボス端部の不要な部分を切断し、再びブレードの歪み修正を行う。そして、ボスの端部にセンタ穴を再び形成した後(ここでセンタ穴の形成が必要になるのは最初に形成しておいたセンタ穴がボス端部の切断により失われるためである)、このセンタ穴を利用して旋削によりボスの仕上げ加工を行う。
なお、軸及びボスを有するブレードの製造方法に関するものではないが、特許文献1には、タービンブレードのルート部とシュラウド部を加工する際、ルート部とシュラウド部の間に位置する羽根部を羽根把持具によって把持した状態で、該羽根把持具を中央旋回チャックに取り付けて、加工ヘッド及び中央旋回チャックによる多軸制御によりエンドミルを用いた切削を行うことが記載されている(特許文献1の段落0049及び図8参照)。このとき、羽根把持具は円筒形状であり、筒内に配置された位置決めピンをタービンブレードの羽根部に突き当てた状態で、筒内に液体を充填してこれを凝固させることで羽根部を把持するようになっている(特許文献1の段落0053並びに図11及び12参照)。
特開2010−174876号公報
しかしながら、軸及びボスを有するブレードの従来の製造方法では、上述のように円筒状治具の内周面から張り出した複数のボルトによりブレードの翼形部を突っ張って固定した状態で軸やボスの旋削加工を行っていたため、ブレードの拘束が不安定であり、加工精度を向上させることが困難であった。
また従来の製造方法では、複数のボルトによりブレードの翼形部を突っ張ることで円筒状治具によるブレードの固定を行っていたため、ボルトによる拘束力が翼形部の歪みの原因になっていた。すなわち、翼形部は複雑な三次元形状を有するから、ボルトで翼形部を強く拘束しなければ、旋削加工時におけるブレードの高速回転中、遠心力や風損(風切り)によって回転振れが生じて加工精度が低下するおそれがある。ところが、円筒状治具におけるボルトの拘束力は強くすると、肉厚が薄い翼形部は歪んでしまう。結果的に、円筒状治具を用いた軸の仕上げ加工後に翼形部の歪み修正を余儀なくされ、この歪み修正の精度が軸とボスの同心度に悪影響を及ぼす可能性があった。
さらに旋盤を用いた軸の仕上げ加工を行った後、円筒状治具を一旦取り外してボスの旋盤加工を行う必要があることから、この際に軸とボスの加工の基準がずれて、軸とボスの同心度を確保することが難しかった。
なお、特許文献1に記載のブレード製造方法は、そもそも回転軸に対称な形状の軸及びボスを有するブレードを対象とするものではなく、非対称な形状のルート部及びシュラウド部を有するブレードを対象としている。そのため、ルート部及びシュラウド部の加工は旋削で行うことができず、エンドミルを用いた切削により行っている。(なお、特許文献1において羽根把持具を介してブレードを中央旋回チャックに取り付けているが、エンドミルを用いた切削を行うことが明記されているから、中央旋回チャックの役割はブレードの角度を変えてルート部及びシュラウド部の全周に亘って切削加工を行うためであり、ブレードの高速回転を伴う旋削加工を行うためではないことは明らかである。)したがって、特許文献1における円筒形状の羽根把持具は、切削加工時に確実にブレードを把持するためのものにすぎず、旋削加工時におけるブレードの回転振れの抑制を目的としたものではない。
また、特許文献1には、軸とボスの同心度を如何にして確保するのか何ら記載されていない。
本発明は、上述の事情に鑑みてなされたものであり、加工対象ブレードの両端側に設けられる軸及びボスの芯を高精度で一致させることができる回転機械用のブレードの製造方法及びこれに用いられるバランスウェイトの鋳込み用治具を提供することを目的とする。
本発明に係る回転機械用のブレードの製造方法は、翼形部と、該翼形部の軸方向の一端側に設けられる軸と、他端側に設けられるボスとを備え、前記軸及び前記ボスを支軸として回動可能な回転機械用のブレードの製造方法において、
加工後にそれぞれ前記ボス及び前記軸となるボス用突出部と軸用突出部が前記翼形部の両端に設けられた加工対象ブレードを得るステップと、前記加工対象ブレードの前記ボス用突出部及び前記軸用突出部にそれぞれボス側センタ穴と軸側センタ穴を形成するステップと、前記加工対象ブレードの前記翼形部がバランスウェイト中に埋め込まれるように前記バランスウェイトを前記加工対象ブレードに取り付けるステップと、前記軸側センタ穴と前記ボス側センタ穴の少なくとも一方をセンタで支持した状態で、前記バランスウェイトが前記加工対象ブレードに取り付けられてなる一体化ブレードを回転させながら前記軸側突出部及び前記ボス用突出部を旋削加工するステップとを備え、前記バランスウェイトを取り付けるステップでは、前記軸側センタ穴と前記ボス側センタ穴を通る直線上近傍に前記一体化ブレードの重心が位置するように前記バランスウェイトを前記加工対象ブレードに取り付けることを特徴とする。
なお、本明細書において「旋削」とは、例えば旋盤やマシニングセンタを用いて、加工対象物を回転させながら刃物の送り運動を行うことで加工対象物の形状を変化させることをいう。
上記製造方法によれば、翼形部がバランスウェイトに埋め込まれるようにバランスウェイトを加工対象ブレードに取り付けるようにしたので、ブレードの安定した拘束が可能となり、軸及びボスの加工精度を向上させることができる。
また、バランスウェイトは翼形部を包み込んで支持することとなるので、従来の円筒状治具の使用時においてボルトによる翼形部の拘束によって生じるおそれがあった翼形部の歪みを防止できる。よって、軸用突出部及びボス用突出部の何れか一方の旋削加工後における翼形部の歪み修正作業を基本的には省略することができる。すなわち、軸用突出部の旋削加工とボス用突出部の旋削加工との間に翼形部の歪み修正作業を行う必要は基本的にはない。よって、歪み修正作業が軸とボスの同心度に与える悪影響を実質的に無くすことができる。
また、上記製造方法では、加工対象ブレードの軸用突出部及びボス用突出部にそれぞれ軸側センタ穴とボス側センタ穴を形成し、バランスウェイトの取付時に、これらのセンタ穴を通る直線上近傍に一体化ブレードの重心が位置するようにバランスウェイトを取り付ける。そして、軸用突出部及びボス用突出部の旋削加工時に、軸側センタ穴とボス側センタ穴の少なくとも一方をセンタで支持した状態で、一体化ブレードの軸用突出部及びボス用突出部を旋削加工するようにしている。そのため、旋削加工時に、一体化ブレードの重心が、一体化ブレードの回転中心と略一致することとなる。これにより、回転振れを抑制でき加工精度を向上できるとともに、軸及びボスの同心度を精度良く確保できる。
上記回転機械用のブレードの製造方法において、前記バランスウェイトが低融点金属であり、前記バランスウェイトを取り付けるステップでは、前記加工対象ブレードをその長手方向が鉛直方向になるように鋳込み用治具内に設置し、前記鋳込み用治具に前記低融点金属を注入した後、該低融点金属を凝固させるようにしてもよい。
このように、バランスウェイトとして低融点金属を用いることにより、加工対象ブレードへのバランスウェイトの着脱が容易に行える。すなわち、低融点金属は比較的低い温度で溶融するので、鋳込み用治具内に注入するために容易に流動化させることができる。また、バランスウェイトの取り外し時には、低融点金属は軟質のものが多いことから容易に削り落としたり、加熱して流動化させることで加工対象ブレードから容易に分離したりすることができ、簡単に取り外し可能である。
なお、低融点金属とは、比較的低温(例えば50℃〜200℃程度)で溶融する金属であり、例えば、亜鉛、インジウム、ガリウム、錫、ビスマス、鉛等を主成分とした合金を用いることができる。具体的には、はんだや、ウッド合金、ローズ合金等を用いてもよい。
前記鋳込み用治具は、上部が開放された有底円筒形状であってもよい。
通常、低融点金属は溶融状態から凝固する際に膨張するので、上部が開放された鋳込み用治具を用いることによって、膨張により生じる治具内圧力を上部から開放することができ、低融点金属の凝固時における翼形部の歪みの発生を抑制することができる。
前記バランスウェイトを取り付けるステップでは、前記鋳込み用治具に注入された前記低融点金属を下方から上方に向けて凝固させるようにしてもよい。
このように、鋳込み用治具内の低融点金属を下方から上方に向けて凝固させることによって、膨張により生じる治具内圧力を上方へ逃がすことができ、低融点金属の凝固時における翼形部の歪みの発生を抑制することができる。
また、前記バランスウェイトを取り付けるステップでは、前記低融点金属として前記翼形部の材料よりも比重が大きい材料を用いるようにしてもよい。
このように低融点金属として翼形部の材料よりも比重が大きい材料を用いることによって、一体化ブレード全体の慣性への翼形部の寄与を小さくし、軸用突出部及びボス用突出部の旋削加工時における一体化ブレードの安定した回転が可能となる。よって、軸及びボスの加工精度の向上を図ることができる。
上記回転機械用のブレードの製造方法において、前記バランスウェイトを取り付けるステップでは、前記鋳込み用治具のセンタが前記ボス側センタ穴に嵌合するように、前記鋳込み用治具の底面の穴に前記ボス用突出部を挿入した後、前記鋳込み用治具に前記低融点金属を注入するようにしてもよい。
このように、ボス用突出部を鋳込み用治具の底面の穴に挿入して、鋳込み用治具のセンタがボス側センタ穴に嵌合するように、加工対象ブレードを鋳込み用治具内に配置することによって、ボス側センタ穴を基準に一体化ブレードの重心を定めることができる。よって、一体化ブレードの重心をボス側センタ穴と軸側センタ穴を通る直線上近傍に容易に位置させることが可能となり、旋削加工中における一体化ブレードの回転中心に一体化ブレードの重心位置を略一致させて軸及びボスの同心度をより一層向上させることができる。
上記回転機械用のブレードの製造方法において、前記バランスウェイトを取り付けるステップでは、内周面に凸部を有する前記鋳込み用治具に前記低融点金属を注入することによって、外周面に前記凸部の反転形状である切欠きを有する前記バランスウェイトを前記翼形部の周りに形成してもよい。
これにより、切欠きの重量分だけ一体化ブレードの重量を低減することができる。また、バランスウェイトの取り外し時に破壊する場合、切欠きを起点としてバランスウェイトを破壊しやすくなり、バランスウェイトをブレードから容易に分離することが可能になる。
本発明に係るバランスウェイトの鋳込み用治具は、翼形部と、該翼形部の軸方向の一端側に設けられる軸と、他端側に設けられるボスとを備える回転機械用ブレードの製造に用いられるバランスウェイトの鋳込み用治具であって、加工後にそれぞれが前記ボスと前記軸となるボス用突出部及び軸用突出部が前記翼形部の両端に設けられた加工対象ブレードの前記ボス用突出部が挿入される凹部を有する底板部と、前記翼形部を収納可能であり、前記底板部とともに前記バランスウェイトの鋳込み空間を形成する円筒部と、前記凹部内に設けられ、前記ボス用突出部に形成されたボス側センタ穴と嵌合する下側センタと、前記円筒部より上方に設けられ、前記軸用突出部に形成された軸側センタ穴と嵌合する上側センタと、前記ボス側センタ穴が前記下側センタと嵌合し、且つ、前記軸側センタ穴が前記上側センタと嵌合した状態で前記加工対象ブレードを支持するサポート部とを備える。
上記バランスウェイトの鋳込み用治具によれば、底板部に設けられる凹部に加工対象ブレードのボス用突出部が挿入されるとともに、凹部に設けられる下側センタにボス側センタ穴が嵌合される。また、鋳込み用治具の円筒部の上方に設けられる上側センタに軸側センタ穴が嵌合されるようになっている。このように、軸側センタ穴及びボス側センタ穴が、下側センタ及び上側センタで所定位置に位置決めされることによって、軸側センタ穴及びボス側センタ穴の鋳込み用治具に対する相対的な位置が決まる。したがって、この鋳込み用治具を用いれば、加工対象ブレードの周りにバランスウェイトを鋳込んで形成される一体化ブレードの重心を軸側センタ穴及びボス側センタ穴を基準として定めることができる。よって、一体化ブレードの重心をボス側センタ穴と軸側センタ穴を通る直線上近傍に容易に位置させることが可能となり、旋削加工中における一体化ブレードの回転中心に一体化ブレードの重心位置を略一致させて軸及びボスの同心度をより一層向上させることができる。
上記バランスウェイトの鋳込み用治具において、前記円筒部は、前記バランスウェイトの外周面に切欠きを形成するための凸部が内周面に設けられていてもよい。
これにより、切欠きの重量分だけ一体化ブレードの重量を低減することができる。また、バランスウェイトの取り外し時に破壊する場合、切欠きを起点としてバランスウェイトを破壊しやすくなり、バランスウェイトをブレードから容易に分離することが可能になる。
本発明によれば、加工対象ブレードの安定した拘束が可能で、軸及びボスの加工精度を向上させることができる。また、翼形部の歪みの発生を抑制でき、歪み修正作業が軸とボスの同心度に与える悪影響を実質的に無くすことができる。さらに、旋削加工時における回転振れを抑制でき、加工精度を向上できるとともに、軸及びボスの同心度を精度良く確保できる。
加工対象ブレードの構成例を示す図である。 加工済ブレードの構成例を示す図である。 本発明の実施形態に係るブレードの製造方法を示すフローチャートである。 センタ穴形成ステップを説明する図である。 ボスの荒加工ステップを説明する図である。 バランスウェイト取り付けステップを説明する図である。 軸の旋削加工(仕上げ加工)ステップを説明する図である。 ボスの旋削加工(仕上げ加工)ステップを説明する図である。 翼形部のプロファイル加工ステップを説明する図である。 一体化ブレードの保持治具の構成例を示す斜視図である。 バランスウェイトの鋳込み用治具の構成例を示す斜視図である。 図5の鋳込み用治具のB−B線断面図である。 図5の鋳込み用治具の開放状態を示す斜視図である。 バランスウェイトの鋳込み用治具の変形例を示す斜視図である。 図8の鋳込み用治具で作製された一体化ブレードの斜視図である。
以下、添付図面に従って本発明の実施形態について説明する。ただし、この実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、特定的な記載がない限り本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
図1Aは加工対象ブレードの構成例を示す図で、図1Bは加工済ブレードの構成例を示す図である。なお、本実施形態に係る製造方法により最終的に得られる加工済ブレード10としては、例えばガスタービンのコンプレッサに用いられる可変静翼が挙げられる。但し、これに限定されるものではなく、以下で説明する製造方法は、任意の翼型を有する翼形部11の両端にボス12と軸15がそれぞれ設けられたブレード10全般に適用可能である。
図1Aに示す加工対象ブレード1は、本実施形態に係る製造方法が適用される未完成のブレードである。この加工対象ブレード1は、翼形部2と、翼形部2の一端側に設けられるボス用突出部3と、翼形部2の他端側に設けられる軸用突出部4とを有する。なお、ここで翼形部2、ボス用突出部3及び軸用突出部4は、それぞれ余肉が付いた状態となっている。
図1Bに示す加工済ブレード10は、本実施形態に係る製造方法によって最終的に得られるブレードの構成例を示している。このブレード10は、プロファイル加工によって所望の翼型に形成された翼形部11と、翼形部11の一端側に設けられ旋削加工されたボス12と、翼形部11の他端側に設けられ旋削加工された軸15とを有する。ボス12の基部にはボス側つば部14が設けられている。同様に、軸15の基部には軸側つば部17が設けられている。なお、同図では、ボス12及び軸15の先端部に、加工の基準として用いられた凸部13,16が残存した状態を示している。ボス12の凸部13にはボス側センタ穴3aが形成され、軸15の凸部16には軸側センタ穴4aが形成されている(図3A参照)。これらの凸部13,16は、最終的には、切断によって除去されてもよい。
[回転機械用のブレード製造方法]
図2のフローチャートに従って、本発明の実施形態に係るブレードの製造方法の概要を説明する。
まず最初に、加工対象ブレード作製ステップ(S1)において、上記した図1Aに示すように、翼形部2の両端にボス用突出部3及び軸用突出部4がそれぞれ設けられた加工対象ブレード1を作製する。加工対象ブレード1は、例えば鍛造により作製される。ここで、ボス用突出部3は加工後にボス12となる部位で、軸用突出部4は加工後に軸15となる部位である。
次に、センタ穴形成ステップ(S2)において、加工対象ブレード1の軸用突出部4及びボス用突出部3にそれぞれ軸側センタ穴4aとボス側センタ穴3aを形成する(図3A参照)。そして、ボス荒加工ステップ(S3)で、ボス用突出部3の荒加工を行う(図3B参照)。続いて、バランスウェイト取り付けステップ(S4)において、加工対象ブレード1の翼形部2がバランスウェイト5中に埋め込まれるようにバランスウェイト5を加工対象ブレード1に取り付けて、翼形部2がバランスウェイト5で包み込まれた一体化ブレード1’を作製する(図3C参照)。このステップでは、軸側センタ穴4aとボス側センタ穴3aを通る直線O上近傍に一体化ブレード1’の重心が位置するように、バランスウェイト5を加工対象ブレード1に取り付ける。そして、バランスウェイト5を取り付けた状態で、軸仕上げ加工ステップ(S5)で軸用突出部4の旋削加工(図3D参照)を行った後、ボス仕上げ加工ステップ(S6)でボス用突出部3の旋削加工を行う(図3E参照)。これらの仕上げ加工のステップでは、軸側センタ穴4aとボス側センタ穴3aの少なくとも一方をセンタ21で支持した状態で、軸用突出部4及びボス用突出部3を旋削加工する。軸用突出部4及びボス用突出部3の加工後、バランスウェイト取り外しステップ(S7)で、加工対象ブレード1からバランスウェイト5を取り外す。そして、プロファイル加工ステップ(S8)において、翼形部2のプロファイル加工を行う(図3F参照)。なお、軸仕上げ加工ステップ(S5)及びボス仕上げ加工ステップ(S6)は、同時に行ってもよいし、ボス仕上げ加工ステップ(S6)を行った後に軸仕上げ加工ステップ(S5)行うようにしてもよい。また、翼形部2のプロファイル加工は、バランスウェイト取り付けステップ(S4)の前に行ってもよい。
ここで、図3A〜図3Fを参照して、本実施形態に係るブレードの製造方法について詳細に説明する。なお、図3Aはセンタ穴形成ステップを説明する図で、図3Bはボス用突出部3の荒加工ステップを説明する図で、図3Cはバランスウェイト取り付けステップを説明する図で、図3Dは軸用突出部4の旋削加工(軸仕上げ加工)ステップを説明する図で、図3Eはボス用突出部3の旋削加工(ボス仕上げ加工)ステップを説明する図で、図3Fは翼形部のプロファイル加工ステップを説明する図である。
図3Aに示すセンタ穴形成ステップでは、ボス用突出部3の端部にボス側センタ穴3aを形成するとともに、軸用突出部4の端部に軸側センタ穴4aを形成する。このとき、ボス側センタ穴3aと軸側センタ穴4aが、ほぼ、最終的に得られる加工済ブレード10のボス12と軸15の軸心(加工済ブレード10の回動中心)になるから、ボス側センタ穴3aと軸側センタ穴4aが所望の位置関係になるようにセンタ穴の形成を精度良く行う。
図3Bに示すボス荒加工ステップでは、後段のバランスウェイト取り付けステップにおいて、加工対象ブレード1の鋳込み用治具50へのセットに適したボス用突出部3の外径に調節するために、ボス用突出部3を旋削加工する。図3Bに示すように、加工対象ブレード1の軸用突出部4は、保持治具(例えば旋盤のチャック)20に保持される。このとき、加工対象ブレード1はその長手方向が水平方向となるように保持されることが好ましい。また、ボス用突出部3及び軸用突出部4の同心度を確保する観点から、軸用突出部4を保持治具20で保持するとともに、ボス側センタ穴3aをセンタ21に嵌合させて、加工対象ブレード1を少なくとも2点で支持することが好ましい。なお、保持治具20とセンタ21との間に、加工対象ブレード1を回転自在に支持する振れ止め支持機構を設けてもよい。そして、ボス側センタ穴3aをセンタ21に嵌合させた状態で、保持治具20を回転させることにより加工対象ブレード1全体を回転させ、バイト30を用いてボス用突出部3の外周面を荒加工する。具体的には、後段のバランスウェイト取り付けステップで用いられる鋳込み用治具50の凹部56に対応した形状にボス用突出部3を加工する。
図3Cに示すバランスウェイト取り付けステップでは、まず、加工対象ブレード1をその長手方向が鉛直方向になるように鋳込み用治具50内にセットする。鋳込み用治具50は、主に、円筒部51と、底板部55と、底板部55に形成された凹部56と、凹部56の内部に設けられた下側センタ57と、円筒部51の上方に設けられた上側センタ65とを備える。鋳込み用治具50の具体的な構成例は後述する。この鋳込み用治具50に加工対象ブレード1を取り付ける際には、ボス側センタ穴3aが下側センタ57に嵌合するようにボス用突出部3を凹部56に挿入するとともに、軸側センタ穴4aを上側センタ65に嵌合させる。これにより、軸側センタ穴4a及びボス側センタ穴3aを通る直線O上近傍に一体化ブレード1’の重心が位置するようにバランスウェイト5が取り付けられる。
次いで、鋳込み用治具50内に翼形部2が収納された状態で、鋳込み用治具50内に低融点金属を注入する。これにより翼形部2は、低融点金属に浸漬された状態となる。なお、バランスウェイト5を形成する材料は低融点金属に限定されるものではなく、流動状態で注入した後に凝固可能な材料であればどのような材料であってもよい。
続いて、鋳込み用治具50内の低融点金属を冷却する。冷却は、自然冷却であってもよいし、強制冷却であってもよい。また、冷却は空冷で行ってもよいし、水冷で行ってもよい。常温で凝固する低融点金属を用いる場合には、特別に冷却手段を用いることなく常温雰囲気中に治具50を載置して自然冷却してもよい。またこのとき、鋳込み用治具50に注入された低融点金属を、図中矢印Aで示すように下方から上方に向けて凝固させるようにしてもよい。具体的には、鋳込み用治具50の外周側から冷却する場合、鋳込み用治具50に収容される低融点金属の下方側が上方側より温度が低くなるような温度分布が形成されるようにして低融点金属を冷却する。低融点金属は溶融状態から凝固する際に膨張するので、鋳込み用治具50内の低融点金属を下方から上方に向けて凝固させることにより、膨張により生じる治具内圧力を徐々に上方へ逃がすことができ、翼形部2の歪みの発生を抑制することができる。低融点金属が完全に凝固したら、低融点金属からなるバランスウェイト5が取り付けられた加工対象ブレード1(以下、一体化ブレード1’と称する)を鋳込み用治具50から取り外す。
なお、バランスウェイト取り付けステップにおいては、周面に凸部59(図8参照)を有する鋳込み用治具50’を用いて、バランスウェイト5の外周面に、凸部59の反転形状である切欠き5a(図9参照)を設ける構成としてもよい。これにより、切欠き5aの重量分だけ翼形部2の重量を軽減させたバランスウェイト5を形成することが可能となる。
図3Dに示す軸仕上げステップでは、ボス用突出部3は保持治具(例えば旋盤のチャック)20により固定され、一方軸用突出部4の軸側センタ穴4aはセンタ21により支持される。そして、軸用突出部4の軸側センタ穴4aをセンタ21に嵌合させた状態で、保持治具20を回転させることにより一体化ブレード1’全体を回転させ、バイト31を用いて軸用突出部4を旋削加工(仕上げ加工)する。ここで、保持治具20は、図4に示す構成を採用してもよい。同図に示す保持治具20は、バランスウェイト5を3本のチャック20aで保持する。チャック20aは円盤部20bに取り付けられており、円盤部20bを回転させることにより、チャック20aに保持されたバランスウェイト5を回転させる。このとき、バランスウェイト5の外周に平坦面5bを形成しておき、この平坦面5bをチャック20aが掴むようにしてもよい。なお、平坦面5bは、上述の鋳込み用治具50に平坦面5bの反転形状である凸部を設けておくことで、バランスウェイト取付けステップにて形成してもよい。
この後、一体化ブレード1’を保持治具20及びセンタ21から取り外して、図3Eに示すボス仕上げステップを行う。すなわち、今度はバランスウェイト5の外周面を保持治具20に保持させ、ボス用突出部3のボス側センタ穴3aをセンタ21に支持させる。そして、ボス用突出部3のボス側センタ穴3aをセンタ21に嵌合させた状態で、保持治具20を回転させることにより一体化ブレード1’全体を回転させ、バイト32を用いてボス用突出部3を旋削加工(仕上げ加工)する。その後、加工対象ブレード1の軸用突出部4の凸部16を切断してもよい。
ボス用突出部3及び軸用突出部4の加工が終わったら、翼形部2を覆うバランスウェイト5を取り除く。バランスウェイト5を取り除く方法としては、翼形部2を損傷させないようにバランスウェイト5を削り取ってもよいし、加熱によりバランスウェイト5を溶融して取り除いてもよい。
図3Fに示すプロファイル加工ステップでは、軸用突出部4を保持治具22に保持させ、例えばエンドミルを用いて翼型部2のプロファイル加工を行う。
プロファイル加工後は、加工対象ブレード1の歪みを修正する。ここで、ボス用突出部3の凸部13を切断してもよい。これにより図1Bに示すような加工済ブレード10が得られる。
本実施形態の製造方法によれば、翼形部2がバランスウェイト5に埋め込まれるようにバランスウェイト5を加工対象ブレード1に取り付けるようにしたので、ブレード1の安定した拘束が可能となり、このためボス12及び軸15の加工精度を向上できる。また、バランスウェイト5は翼形部2を包み込んで支持することとなるので、従来の円筒状治具におけるボルトによる翼形部2の拘束時に生じるおそれがあった翼形部2の歪みを防止できる。よって、軸用突出部4及びボス用突出部3の何れか一方の加工後における翼形部2の歪み修正作業を基本的には省略することができる。すなわち、軸用突出部4の旋削加工とボス用突出部3の旋削加工との間に翼形部2の歪み修正作業を挟む必要が基本的にはない。よって、歪み修正作業がボス12及び軸15の同心度に与える悪影響を実質的に無くすことができる。
また、上記製造方法では、加工対象ブレード1の軸用突出部4及びボス用突出部3にそれぞれ軸側センタ穴4aとボス側センタ穴3aを形成し、バランスウェイト5の取付時に、これらのセンタ穴4a,3aを通る直線上近傍に一体化ブレード1’の重心が位置するようにバランスウェイト5を取り付ける。そして、軸用突出部4及びボス用突出部3の旋削加工時に、軸側センタ穴4aとボス側センタ穴3aの少なくとも一方をセンタ21で支持した状態で、一体化ブレード1’の軸用突出部4及びボス用突出部3を旋削加工するようにしている。そのため、旋削加工時に、一体化ブレード1’の重心が、一体化ブレード1’の回転中心Oと略一致することとなる。これにより、回転振れを抑制でき加工精度を向上できるとともに、ボス12及び軸15の同心度を精度良く確保できる。
[バランスウェイトの鋳込み用治具]
図5乃至図7を参照して、本発明の実施形態に係るバランスウェイトの鋳込み用治具の具体的な構成について説明する。なお、図5は、バランスウェイトの鋳込み用治具の構成例を示す斜視図で、図6は、図5の鋳込み用治具のB−B線断面図で、図7は、図5の鋳込み用治具の開放状態を示す斜視図である。
この鋳込み用治具50は、主に、円筒部51と、底板部55と、下側センタ57と、上側センタ65と、サポート部とを備える。
円筒部51は、その中心線が鉛直方向となるように立設され、翼形部2を収納可能であり、底板部55とともにバランスウェイト5の鋳込み空間を形成する。この円筒部51は、バランスウェイト5が取り付けられた後の一体化ブレード1’の取り外しを容易にする観点から、周方向に分割可能な構成としてもよい。図5〜7には一例として、円筒部51が周方向に2つに分割される場合を示している(なお、円筒部51の分割面はB−B線に沿った面である)。円筒部51は、半円筒形状の第1半円筒部52及び第2半円筒部53とから構成される。第1半円筒部52及び第2半円筒部53はそれぞれ、フランジ52a及びフランジ53aが形成されている。なお、ボルト等の連結手段によってフランジ52a,53aが互いに着脱自在に連結される構成としてもよい。
また、第1半円筒部52及び第2半円筒部53は、それぞれ、基台61上をスライド移動可能となっており、低融点金属の注入時には、フランジ52a,53aが互いに当接することにより完全な円筒形状の円筒部51が形成される。一方、一体化ブレード1’の取り外し時には、第1半円筒部52及び第2半円筒部53が、これらの間の距離が開く方向にそれぞれスライド移動することによって円筒部51が開放される。なお、加工対象ブレード1の鋳込み用治具50への取り付け時においても、第1半円筒部52及び第2半円筒部53を開いてもよく、これにより加工対象ブレード1の治具50への取り付けが容易となる。
底板部55は基台61上に配置され、円筒部51の底面を構成する。この底板部55は基台61と一体に形成されてもよいし、別体で形成されてもよい。底板部55には、加工対象ブレード1’のボス用突出部3が挿入される凹部56が形成されている。凹部56の内周面には、鋳込み用空間から下側センタ57側への低融点金属の流入を防止するために、シール機構(Oリング等)58が設けられていてもよい。
下側センタ57は、凹部56の内部に設けられ、ボス用突出部3に形成されたボス側センタ穴3a(図3A参照)に嵌合するようになっている。
上側センタ65は、円筒部51の上方に設けられ、軸用突出部4に形成された軸側センタ穴4aと嵌合するようになっている。
サポート部は、ボス側センタ穴3aが下側センタ57と嵌合し、且つ、軸側センタ穴4aが上側センタ65と嵌合した状態で加工対象ブレード1を支持する。具体的には、サポート部は、軸用突出部4を把持するクランプ69と、クランプ69が先端に取り付けられたアーム部68と、アーム部68を支持する支持フレーム60とを有する。支持フレーム60は、基台61に固定されていてもよい。
このような構成を有する鋳込み用治具50によれば、底板部55に設けられる凹部56に加工対象ブレード1のボス用突出部3が挿入されるとともに、凹部56に設けられる下側センタ57にボス側センタ穴3aが嵌合される。また、鋳込み用治具50の円筒部51の上方に設けられる上側センタ65に軸側センタ穴4aが嵌合されるようになっている。このように、ボス側センタ穴3a及び軸側センタ穴4aが、下側センタ57及び上側センタ65で所定位置に位置決めされることによって、軸側センタ穴4a及びボス側センタ穴3aの鋳込み用治具50に対する相対的な位置が決まる。したがって、この鋳込み用治具50を用いれば、加工対象ブレード1の周りにバランスウェイト5を鋳込んで形成される一体化ブレード1’の重心を軸側センタ穴4a及びボス側センタ穴3aを基準として定めることができる。よって、一体化ブレード1’の重心をボス側センタ穴3aと軸側センタ穴4aを通る直線O上近傍に容易に位置させることが可能となり、旋削加工中における一体化ブレード1’の回転中心に一体化ブレード1’の重心位置を略一致させてボス12及び軸15の同心度をより一層向上させることができる。
なお、上述の実施形態では、円筒形のバランスウェイト5を形成する鋳込み用治具50について説明したが、図8及び図9に示すように、バランスウェイト5’の外周面に切欠き5a’を設けることができる鋳込み用治具50’としてもよい。ここで、図8はバランスウェイトの鋳込み用治具の変形例を示す斜視図で、図9は図8の鋳込み用治具で作製された一体化ブレードの斜視図である。
図8に示すように、鋳込み用治具50’の円筒部51’は、バランスウェイト50の外周面に切欠き5aを形成するための凸部59が内周面に設けられている。この凸部59は、バランスウェイト5’の周方向の重量分布が偏らないように、円筒部51’の周方向に均等間隔で複数設けられていることが好ましい。
この鋳込み用治具50’で形成されたバランスウェイト5’は、図9に示すように、周方向に複数の切欠き5aが設けられた形状となる。
以上説明したように、本実施形態では、バランスウェイト5を用いることで加工対象ブレード1の安定した拘束が可能であり、軸用突出部4及びボス用突出部3の加工精度を向上させることができる。また、翼形部2の歪みの発生を抑制でき、歪み修正作業がボス12及び軸15の同心度に与える悪影響を実質的に無くすことができる。さらに、旋削加工時における回転振れを抑制でき、加工精度を向上できるとともに、ボス12及び軸15の同心度を精度良く確保できる。
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明はこれに限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変形を行ってもよいのはいうまでもない。
1 加工対象ブレード
1’ 一体化ブレード
2 翼形部
3 ボス(ボス側突出部)
3a ボス側センタ穴
4 軸(軸側突出部)
4a 軸側センタ穴
5,5’ バランスウェイト
5a 切欠き部
10 加工済ブレード
11 翼形部
12 ボス
15 軸
20,22 保持治具
21 センタ
50 鋳込み用治具
51 円筒部
52 第1半円筒部
52a,53a フランジ
53 第2半円筒部
55 底板部
56 凹部
57 下側センタ
60 支持フレーム
61 基台
65 上側センタ
68 アーム部
69 クランプ

Claims (9)

  1. 翼形部と、該翼形部の軸方向の一端側に設けられる軸と、他端側に設けられるボスとを備え、前記軸及び前記ボスを支軸として回動可能な回転機械用のブレードの製造方法において、
    加工後にそれぞれ前記ボス及び前記軸となるボス用突出部と軸用突出部が前記翼形部の両端に設けられた加工対象ブレードを得るステップと、
    前記加工対象ブレードの前記ボス用突出部及び前記軸用突出部にそれぞれボス側センタ穴と軸側センタ穴を形成するステップと、
    前記加工対象ブレードの前記翼形部がバランスウェイト中に埋め込まれるように前記バランスウェイトを前記加工対象ブレードに取り付けるステップと、
    前記軸側センタ穴と前記ボス側センタ穴の少なくとも一方をセンタで支持した状態で、前記バランスウェイトが前記加工対象ブレードに取り付けられてなる一体化ブレードを回転させながら前記軸側突出部及び前記ボス用突出部を旋削加工するステップとを備え、
    前記バランスウェイトを取り付けるステップでは、前記軸側センタ穴と前記ボス側センタ穴を通る直線上近傍に前記一体化ブレードの重心が位置するように前記バランスウェイトを前記加工対象ブレードに取り付けることを特徴とする回転機械用のブレードの製造方法。
  2. 前記バランスウェイトが低融点金属であり、
    前記バランスウェイトを取り付けるステップでは、前記加工対象ブレードをその長手方向が鉛直方向になるように鋳込み用治具内に設置し、前記鋳込み用治具に前記低融点金属を注入した後、該低融点金属を凝固させることを特徴とする請求項1に記載のブレードの製造方法。
  3. 前記鋳込み用治具は、上部が開放された有底円筒形状であることを特徴とする請求項2に記載のブレードの製造方法。
  4. 前記バランスウェイトを取り付けるステップでは、前記鋳込み用治具に注入された前記低融点金属を下方から上方に向けて凝固させることを特徴とする請求項2に記載のブレードの製造方法。
  5. 前記バランスウェイトを取り付けるステップでは、前記低融点金属として前記翼形部の材料よりも比重が大きい材料を用いることを特徴とする請求項2に記載のブレードの製造方法。
  6. 前記バランスウェイトを取り付けるステップでは、前記鋳込み用治具のセンタが前記ボス側センタ穴に嵌合するように、前記鋳込み用治具の底面の穴に前記ボス用突出部を挿入した後、前記鋳込み用治具に前記低融点金属を注入すること請求項2に記載のブレードの製造方法。
  7. 前記バランスウェイトを取り付けるステップでは、内周面に凸部を有する前記鋳込み用治具に前記低融点金属を注入することによって、外周面に前記凸部の反転形状である切欠きを有する前記バランスウェイトを前記翼形部の周りに形成することを特徴とする請求項2に記載のブレードの製造方法。
  8. 翼形部と、該翼形部の軸方向の一端側に設けられる軸と、他端側に設けられるボスとを備える回転機械用ブレードの製造に用いられるバランスウェイトの鋳込み用治具であって、
    加工後にそれぞれが前記ボスと前記軸となるボス用突出部及び軸用突出部が前記翼形部の両端に設けられた加工対象ブレードの前記ボス用突出部が挿入される凹部を有する底板部と、
    前記翼形部を収納可能であり、前記底板部とともに前記バランスウェイトの鋳込み空間を形成する円筒部と、
    前記凹部内に設けられ、前記ボス用突出部に形成されたボス側センタ穴と嵌合する下側センタと、
    前記円筒部より上方に設けられ、前記軸用突出部に形成された軸側センタ穴と嵌合する上側センタと、
    前記ボス側センタ穴が前記下側センタと嵌合し、且つ、前記軸側センタ穴が前記上側センタと嵌合した状態で前記加工対象ブレードを支持するサポート部とを備えることを特徴とするバランスウェイトの鋳込み用治具。
  9. 前記円筒部は、前記バランスウェイトの外周面に切欠きを形成するための凸部が内周面に設けられていることを特徴とする請求項8に記載のバランスウェイトの鋳込み用治具。
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