JP2013238049A - 固定ネジ部材設置方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】表面側にボード層1Aを備えると共に裏面側に定着層1Bを備えた防水下地1に、ボード層1Aの上に配置される防水シートを固定する固定ネジ部材2を定着させる固定ネジ部材設置方法であって、固定ネジ部材2を、互いに螺合自在な雄ネジ部材2Aと定着用雌ネジ部材2Bとを備えて構成し、定着用雌ネジ部材2Bを挿入自在な挿入穴4を、防水下地1に形成し、挿入穴4の中に定着用の接着材Vを入れると共に、定着用雌ネジ部材2Bの上に吊り支持部材7を取り付けた状態で、定着用雌ネジ部材2Bを挿入穴4内に沈め、吊り支持部材7で定着用雌ネジ部材2Bを所定の深度に吊り支持したまま定着層1Bに定着させる。
【選択図】図3
Description
その際の、従来の、防水下地1への固定ネジ部材20の設置方法としては、防水下地1の上からボード層1Aを通して定着層1Bに、予め定着用の穴21をあけておき、この穴21内に、樹脂アンカー22を挿入し、その樹脂アンカー22に対して、雄ネジ部材で構成された固定ネジ部材20をネジ込むことで、樹脂アンカー22を拡径させて、穴21の周壁21aと樹脂アンカー22の外周面との摩擦力によって固定ネジ部材20を定着させる方法があった(例えば、特許文献1参照)。
但し、この方法においては、前記穴21に対する樹脂アンカー22の挿入にあたって、樹脂アンカー22が浅い位置で止まると、固定ネジ部材20によって拡径されても表面側のボード層1Aに樹脂アンカー22の外周面が押し付けられることになり、変形の大きなボード層1Aでは充分な定着力が得られないことから、樹脂アンカー22を確実に定着層1Bまで挿入できるように工夫されていた。
即ち、固定ネジ部材を樹脂アンカーに押し付けた状態で回転させるに伴って、固定ネジ部材と樹脂アンカーとの螺合が深まって互いが相対的に近接するわけであるが、樹脂アンカーは充分に拡径する前の段階においては、穴の周壁との摩擦力が小さい場合があり、固定ネジ部材の回転力が、ネジ螺旋から樹脂アンカーに揚力として作用する虞があり、その結果、樹脂アンカーは、定着層からボード層に引き抜かれた状態で定着されてしまう危険性がある。
前記固定ネジ部材を、互いに螺合自在な雄ネジ部材と定着用雌ネジ部材とを備えて構成し、
前記定着用雌ネジ部材を挿入自在な挿入穴を、前記防水下地に形成し、前記挿入穴の中に定着用の接着材を入れると共に、前記定着用雌ネジ部材の上に吊り支持部材を取り付けた状態で、前記定着用雌ネジ部材を前記挿入穴内に沈め、前記吊り支持部材で前記定着用雌ネジ部材を所定の深度に吊り支持したまま前記定着層に定着させるところにある。
即ち、定着用雌ネジ部材は、吊り支持部材によって吊り支持されるから、挿入穴内での所定の深度に位置でき、その状態を維持したまま、接着材によって確実に固定することができる。従って、挿入穴の深さが、所定の値より深くなったとしても、吊り支持部材によって定着用雌ネジ部材の穴内への脱落防止を図りながら所定の深度が維持されるので、その結果、挿入穴の形成作業において穿孔深度管理をラフに行えるようになり、施工管理の簡単化を図ることができる。
また、定着層の所定の深度に定着された定着用雌ネジ部材には、雄ネジ部材が螺合自在であるから、ボード層上に配置される防水シートを、雄ネジ部材と定着用雌ネジ部材とを介して、定着層に固定反力を確保した状態に、確実に固定することができる。
また、定着層に確実に定着された定着用雌ネジ部材に対して、雄ネジ部材は自由に着脱できるから、例えば、防水シートを改修するような場合には、定着用雌ネジ部材から雄ネジ部材を取り外すだけで、簡単に、防水シートの固定を解除することができる。更には、定着してある定着用雌ネジ部材は、新しい防水シートを固定するための雄ネジ部材を螺合させるものとして、そのまま再使用することができ、より簡単に、且つ、経済的に防水シートの改修を実施することができる。
その結果、吊り支持部材と定着用雌ネジ部材とが接着材で接着されてしまい、取り外し難くなる問題を未然に防止できたり、雌ネジ部内で接着材が固まって雄ネジ部材の螺合の障害になる問題を未然に防止することができる。
よって、定着用雌ネジ部材に対する吊り支持部材や雄ネジ部材の着脱をスムースに効率よく実施できるようになる。
詳しくは、固定金具3は、固定ネジ部材2を構成する雄ネジ部材2Aと定着用雌ネジ部材2Bとで、防水下地1に固定してあり、その固定金具3の上面に、防水シートSは接着されている。
前記定着層1Bは、前記固定ネジ部材2を固定できる強度を備えている。
前記ボード層1Aは、例えば、イソシアネートのフォーム材で形成してあり、適度な強度と耐熱性と防水性とを備えている。無数の独立気泡が内在していることによって、高い防水性能と断熱性能とを発揮できるように構成してある。
前記定着用雌ネジ部材2Bは、外周部に、複数の節5が設けてあると共に、外周面の全般を細かな凹凸を備えた粗面仕上げにしてあり、挿通穴4内に充填されている接着材Vとの付着強度を向上できるように構成されている。
また、内周部には、前記雄ネジ部材2Aのネジ部2Abが螺合自在な雌ネジ部6が形成されている。
[1] 図3(a)に示すように、ボード層1Aの上から、例えば、ドリル等によって定着層1Bにわたる挿入穴4を穿孔し、穴内の穿孔滓を除去する。挿入穴4の外径は、定着用雌ネジ部材2Bの外径より若干大きな寸法に設定してある。
吊り支持用ボルト7の拡径頭部の下方には、挿入穴4より大径の鍔部材8が外嵌させてあり、ボルト下端部に螺合させた定着用雌ネジ部材2Bを挿入穴4の中に沈めた状態で、ボード層1Aの挿入穴4周りにこの鍔部材8を載置することで、定着用雌ネジ部材2Bを吊り支持できるように構成してある(図3(b)参照)。
また、例えば、防水シートの改修にあたっては、定着用雌ネジ部材2Bから雄ネジ部材2Aを取り外すだけで、簡単に、防水シートSの固定を解除することができ、更には、定着してある定着用雌ネジ部材2Bは、新しい防水シートSを固定するための雄ネジ部材2Aを螺合させるものとして、そのまま再使用することができ、より簡単に、且つ、経済的に防水シートの改修を実施することも可能となる。
以下に他の実施の形態を説明する。
また、鍔部材8については、先の実施形態で説明したように、防水下地1の上面に当接して吊り支持用ボルト7(及び定着用雌ネジ部材2B)が挿入穴4内に落ち込むのを防ぐ機能のみを備えたものに限るものではなく、例えば、図4に示すように、挿入穴4の開口部に内嵌する内嵌部8aを備え、この内嵌部8aが、挿入穴4に内嵌することで、挿入穴内での径方向の位置決めを行える機能を付加してあってもよい。内嵌部8aによれば、挿入穴4の中心軸上に固定ネジ部材2を配置することが可能となる。
また、図には示さないが、吊り支持部材7は、例えば、針金等によって定着用雌ネジ部材7を脱着自在に係止して吊り支持するものであってもよい。
シール材9は、ゴム等の成形品であっても、塗布可能な流動体であってもよい。
シール材9を設けておくことで、挿入穴4のなかで定着用雌ネジ部材2Bが接着材Vに埋もれた場合でも、接着材Vが定着用雌ネジ部材2Bの雌ネジ部6の中に浸入するのを防止でき、定着用雌ネジ部材2Bから吊り支持部材7をスムースに取りはずせる環境を維持できる。
例えば、防水シートSとボード層1Bとを撤去した状態で、定着層1Bに定着されている定着用雌ネジ部材2Bに、雄ネジ部材2Aを下端部のみ螺合する突出状態に設ける。その上からボード層1Bを配置して、定着層1B側に押圧することで、雄ネジ部材2Aの突出部分がボード層1Bの裏面からめり込んで表面まで貫通させることができる。従って、ボード層1Bを配置した上から、定着用雌ネジ部材2Bの位置を割り出す必要がないことに加えて、固定ネジ部材2設置用の挿通穴4をわざわざ穿孔する手間が省け、効率的に改修作業を実施できるようになる。
1A ボード層
1B 定着層
2 固定ネジ部材
2A 雄ネジ部材
2B 定着用雌ネジ部材
4 挿入穴
6 雌ネジ部
7 吊り支持用ボルト(吊り支持部材の一例)
S 防水シート
V 接着材
Claims (3)
- 表面側にボード層を備えると共に裏面側に定着層を備えた防水下地に、前記ボード層の上に配置される防水シートを固定する固定ネジ部材を定着させる固定ネジ部材設置方法であって、
前記固定ネジ部材を、互いに螺合自在な雄ネジ部材と定着用雌ネジ部材とを備えて構成し、
前記定着用雌ネジ部材を挿入自在な挿入穴を、前記防水下地に形成し、
前記挿入穴の中に定着用の接着材を入れると共に、前記定着用雌ネジ部材の上に吊り支持部材を取り付けた状態で、前記定着用雌ネジ部材を前記挿入穴内に沈め、
前記吊り支持部材で前記定着用雌ネジ部材を所定の深度に吊り支持したまま前記定着層に定着させる固定ネジ部材設置方法。 - 前記定着用雌ネジ部材の雌ネジ部への前記接着材の浸入を防ぐシール材を、前記挿入穴内に沈める前に、前記吊り支持部材と前記定着用雌ネジ部材とにわたって設けておく請求項1に記載の固定ネジ部材設置方法。
- 前記吊り支持部材は、前記雄ネジ部材である請求項1又は2に記載の固定ネジ部材設置方法。
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JP2016079556A (ja) * | 2014-10-09 | 2016-05-16 | アーキヤマデ株式会社 | 防水シート敷設方法、及び、防水システム |
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