JP2013237791A - 低密度ポリエチレン、フィルム、多層フィルムを製造する方法 - Google Patents

低密度ポリエチレン、フィルム、多層フィルムを製造する方法 Download PDF

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Abstract

【課題】臭気の少ないフィルムを得ることができる低密度ポリエチレン、臭気の少ないフィルム、および臭気の少ない多層フィルムを製造する方法を提供する。
【解決手段】メルトフローレートが1〜15g/10分であり、320℃で測定したスウェル比が1.75〜2.00であり、数平均分子量(Mn)に対する重量平均分子量(Mw)の比である分子量分布(Mw/Mn)が4.0〜8.5であり、重量平均分子量(Mw)に対するZ平均分子量(Mz)の比である分子量分布(Mz/Mw)が2.5〜3.8である低密度ポリエチレン。
【選択図】なし

Description

本発明は、低密度ポリエチレン、前記低密度ポリエチレンを含有するフィルム、および前記低密度ポリエチレンを用いて多層フィルムを製造する方法に関するものである。
ポリエチレンを各種の樹脂フィルム、紙、アルミニウム箔等の基材フィルムに押出ラミネート加工したラミネートフィルムは、包装用資材分野に広く使用されている。ポリエチレンの押出ラミネート加工とは、押出機を用いてポリエチレンを溶融可塑化し、溶融したポリエチレンをTダイから基材フィルムの上に押出し、溶融押出されたポリエチレンと基材フィルムとを一対のロール間で圧着して貼合せる加工方法である。
押出ラミネート加工によりポリエチレンと基材フィルムとを貼合せるために必要なポリエチレンの一般的な溶融押出温度は、300〜340℃と高温であり、このような高温で押出ラミネート加工されたラミネートフィルムには臭気が発生する。特に食品包装用フィルムとして用いられる場合には、臭気の低減が求められている。
臭気の原因の一つは、ポリエチレンに含まれる未反応のモノマーであると推測されており、未反応のモノマーを除去する方法として、特許文献1には、ポリエチレンペレットの造粒に用いる押出機にベント部を設置し、造粒時に前記ベント部から、未反応モノマーを排気する方法や、ポリエチレンペレットを収納したホッパー内へ、空気または窒素等の不活性ガスを吹き込み、ペレットから放出される未反応モノマーを除去する方法が記載されている。また、特許文献2には、ポリエチレンと未反応モノマーとを分離する高圧分離機を複数配列し、多段で高圧分離する方法が記載されている。しかし、いずれも設備の大幅な改造を必要とし、また、得られたポリエチレンの臭気の低減も十分ではなかった。
特公昭52−31271号公報 WO2007/134670A1
そこで、本発明の目的は臭気の少ないフィルムを得ることができる低密度ポリエチレン、臭気の少ないフィルム、および臭気の少ない多層フィルムを製造する方法を提供することにある。
すなわち本発明は、メルトフローレートが1〜15g/10分であり、320℃で測定したスウェル比が1.75〜2.00であり、数平均分子量(Mn)に対する重量平均分子量(Mw)の比である分子量分布(Mw/Mn)が4.0〜8.5であり、重量平均分子量(Mw)に対するZ平均分子量(Mz)の比である分子量分布(Mz/Mw)が2.5〜3.8である低密度ポリエチレンに係るものである。
本発明により、臭気が少ないフィルムを得ることができる低密度ポリエチレン、臭気の少ないフィルム、および臭気の少ない多層フィルムを製造する方法を提供することが出来る。
〔低密度ポリエチレン〕
本発明の低密度ポリエチレンの密度は、910〜930kg/m3であり、好ましくは912〜928kg/m3である。なお、該密度は、JIS K6760−1995に記載のアニーリングを行った後、JIS K7112−1980のうち、A法に規定された方法に従って測定される。
本発明の低密度ポリエチレンのメルトフローレートは、1〜15g/10分である。該メルトフローレートは、ラミネート加工時により高速で引き取ることができるという観点から、好ましくは2g/10分以上である。また、押出ラミネート加工時の溶融樹脂のネックインを小さくする観点から、好ましくは10g/10分以下であり、より好ましくは8g/10分以下であり、更に好ましくは6g/10分以下である。該メルトフローレートは、JIS K7210−1995に規定された方法において、温度190℃、荷重21.18Nの条件で、A法により測定される値である。なお、該メルトフローレートの測定では、通常、低密度ポリエチレンに予め酸化防止剤を1000ppm程度配合したものを用いる。
本発明の低密度ポリエチレンの320℃で測定したスウェル比(以下、「SR」と記載する。)は、1.75〜2.00である。ラミネート加工時に、より高速で引き取ることができるという観点から、好ましくは1.95以下である。また、押出ラミネート加工時の溶融樹脂のネックインを小さくする観点から、好ましくは1.77以上である。該SRは、東洋精機製メルトテンションテスター3型を用いて、下記の方法により測定される値である。下端にオリフィス(1.0mmφ、長さ8.0mm)が設けられた垂直の金属バレルを320℃に温度調整し、低密度ポリエチレンを前記バレル内へ入れ3分間保持する。その後、プランジャーを30mm/分の速度で降下させ、バレル内の前記低密度ポリエチレンをオリフィスからストランドとして押出す。このとき、プランジャーにかかる圧力をセルにより測定する。プランジャーにかかる圧力が一定になったところで一度ストランドを切断し、その後、新たに押出されるストランドはエタノールを入れたビーカーで受け、冷却する。ビーカーをバレル下部に接触させ、バレル下部からエタノール液面までの距離を16mm、オリフィス下部面からエタノール液面までの距離を約28mmに固定する。新たに押し出されたストランドの長さが4〜5cmとなったところで、ストランドを切断し、得られたストランドを評価サンプルとする。エタノール中で冷却され、固化した評価サンプルについて、押出し下流側先端から約1〜2mmの位置でのストランドの直径D(単位:mm)を測定し、その直径Dをオリフィス径1.0mm(D0)で除した値(D/D0)をSRとする。
本発明のる低密度ポリエチレンの数平均分子量(以下、「Mn」と記載する。)に対する重量平均分子量(以下、「Mw」と記載する。)の比(以下、「Mw/Mn」と記載する。)は、4.0〜8.5であり、重量平均分子量(Mw)に対するZ平均分子量(以下、「Mz」と記載する。)の比(以下、「Mz/Mw」と記載する。)は、2.5〜3.8である。押出ラミネート加工時のネックインが小さくなるという観点から、Mw/Mnは、好ましくは4.5以上であり、より好ましくは5.5以上であり、さらに好ましくは6以上であり、特に好ましくは7以上である。押出ラミネート加工時のネックインが小さくなるという観点から、Mz/Mwは、好ましくは3.0以上である。押出ラミネート加工時により高速で引き取ることができるという観点から、Mw/Mnは、好ましくは8.4以下である。押出ラミネート加工時により高速で引き取ることができるという観点から、Mz/Mwは、好ましくは3.5以下である。なお、該Mw/Mnと該Mz/Mwとは、GPC法により、Mn、MwおよびMzを測定し、MwをMnで除し、MzをMwで除すことにより求められる。
本発明の低密度ポリエチレンのn−ヘプタン抽出物の含有量は1.1質量%以下であることが、押出ラミネート加工時の発煙量の低減の観点から好ましく、より好ましくは1.0質量%以下であり更に好ましくは0.95質量%以下である(ただし、低密度ポリエチレンの質量を100質量%とする)。n−ヘプタン抽出物の含有量は、低密度ポリエチレン100gを250mlのn−ヘプタンに30℃、90時間浸漬した後、ろ紙で濾過し、ろ液であるn−ヘプタン抽出液をロータリーエバポレーターで濃縮後、ウォーターバス上で乾固させ、重量を測定することにより求められる。
押出ラミネート加工時の発煙量の低減の観点から、本発明の低密度ポリエチレンのn−ヘプタン抽出物が、ゲル・パーミエイション・クロマトグラフ法により測定される分子量分布曲線において、1つのピークを示すものであることが好ましい。
n−ヘプタン抽出物が、ゲル・パーミエイション・クロマトグラフ法により測定される分子量分布曲線において、1つのピークを示すものである低密度ポリエチレンは、後述する低密度ポリエチレンの製造方法において、重合開始剤の溶媒として、炭素原子数が6〜9であるn−アルカンを用いることにより得られる。重合開始剤の溶媒であるn−アルカンとしては、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、n−ノナンが挙げられ、好ましくは、n−ヘキサン、n−ヘプタンである。
〔低密度ポリエチレンの製造方法〕
本発明の低密度ポリエチレンは、管型反応器を用いた高圧ラジカル重合法により製造することができる。
好ましくは、管型反応器へエチレンモノマーを連続的に供給し、管型反応器中の複数の箇所から重合開始剤を供給することにより、低密度ポリエチレンを製造する。
重合開始剤の供給箇所は3箇所〜5箇所であることが好ましい。
重合開始剤としては、酸素または有機過酸化物が挙げられ、好ましくは有機過酸化物である。
有機過酸化物を重合開始剤として用いる場合は、通常、n−アルカンを溶媒とした溶液として用いる。
SRを大きくするために、最初に重合開始剤が供給される直前のエチレンモノマーガスの温度は160〜180℃とすることが好ましい。
反応温度の最大値は230〜300℃が好ましい。重合開始剤を複数の箇所から供給する場合は、通常、反応温度が複数の極大値を示すので、複数の極大値の平均が230〜300℃であることが好ましく、SRを大きくするために、より好ましくは270〜300℃である。
重合開始剤を3箇所以上の箇所から供給する場合は、通常、反応温度が複数の極小値を示す。最初の極小値は215℃〜230℃であることが好ましく、2つ目以降の極小値は230〜240℃であることが好ましい。
反応温度は、供給するエチレンモノマーガスの温度、反応器外壁の冷却温度等により、調整することができる。
反応器入口圧力は、SRを大きくするために、160〜300MPaであることが好ましく、より好ましくは160〜190MPaである。
管型反応器内で製造された低密度ポリエチレンは、管型反応器から排出された後に高圧分離器により、重合体(低密度ポリエチレン)からモノマーガスを分離する。高圧分離器の温度は、200〜235℃であることが好ましい。
〔フィルム〕
本発明の低密度ポリエチレンは、溶融押出し、フィルムとすることができる。
本発明の低密度ポリエチレンを含有するフィルムは、必要に応じ、前記低密度ポリエチレンとは異なる熱可塑性樹脂を含有してもよい。該熱可塑性樹脂としては、本発明の低密度ポリエチレンとは異なる高圧法低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、エチレン−α−オレフィン共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体の金属塩、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートおよびポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル類、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン6・66などのポリアミド類などが挙げられる。
本発明の低密度ポリエチレンを含有するフィルムは、必要に応じて、添加剤を含有させてもよい。添加剤としては、例えば、酸化防止剤、耐候剤、滑剤、抗ブロッキング剤、帯電防止剤、防曇剤、顔料、フィラー等があげられる。
本発明のフィルムは、低密度ポリエチレンを含有する層のみからなる単層フィルムであってもよく、低密度ポリエチレンを含有する層と基材とを有する多層フィルムであってもよい。
基材を構成する原料としては、樹脂、紙、金属などが挙げられる。該樹脂としては、例えばポリエステル系樹脂、ナイロン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、セロハン、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリウレタン、フッ素樹脂、ポリアクリロニトリル、ポリブテン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアリレート樹脂、アセチルセルロースなどがあげられる。
基材はフィルムなどの形状で用いられ、単層であっても、多層であってもよい。該基材の厚さは好ましくは1〜300μm、より好ましくは5〜250μm、さらに好ましくは8〜200μmである。
〔多層フィルムを製造する方法〕
本発明の多層フィルムは、前記低密度ポリエチレンをTダイから溶融押出し、前記溶融押出された低密度ポリエチレンと基材とを一対のロール間で圧着して製造することができる。前記方法は、一般に、押出ラミネート加工と称される方法である。
Tダイから押出された直後の樹脂温度は、基材と溶融押出された低密度ポリエチレンとの接着性を高める観点から250℃以上とすることが好ましい。また、樹脂の劣化を抑制する観点、発煙成分による冷却ロール汚染を低減する観点から330℃以下とすることが好ましく、320℃以下とすることがより好ましい。
基材と溶融押出された低密度ポリエチレンとの接着性を高めるために、基材にアンカーコート処理、電子線照射処理、プラズマ処理、コロナ放電処理または火炎処理、オゾン処理等の表面処理を行ってもよく、溶融押出された低密度ポリエチレンにオゾン処理等の表面酸化処理を行ってもよい。
押出しラミネート用Tダイから押出しした溶融状フィルムは、基材とともにチルロールとニップロールによって圧着される。Tダイから押出された溶融状フィルムが最初にチルロールと接するまでの距離、いわゆるエアギャップは、ネックインを小さくする観点から、250mm以下とすることが好ましい。また、溶融状フィルム表面を酸化させ、基材との接着強度を高める観点から、100mm以上とすることが好ましい。
上記の通り、本発明のフィルムは、臭気が少ないため、食品包装などの種々な用途に用いられる。
以下、実施例および比較例により本発明を説明する。
実施例および比較例での物性は、次の方法に従って測定した。
(1)低密度ポリエチレンの密度(d、単位:kg/m3
JIS K7112−1980のうち、A法に規定された方法に従ってエチレン−α−オレフィン共重合体の密度を測定した。なお、試料には、JIS K6760−1995に記載のアニーリングを行った。
(2)低密度ポリエチレンのメルトフローレート(MFR、単位:g/10分)
JIS K7210−1995に規定された方法において、荷重21.18N、温度190℃の条件で、A法によりエチレン−α−オレフィン共重合体のメルトフローレートを測定した。
(3)低密度ポリエチレンのメルトフローレート比(MFRR)
JIS K7210−1995に規定された方法において、試験荷重211.82N、測定温度190℃の条件で測定されるメルトフローレート(H−MFR)と、JIS K7210−1995に規定された方法において、荷重21.18Nおよび温度190℃の条件で測定されるメルトフローレート(MFR)とを測定し、H−MFRをMFRで除した値として求めた。
(4)低密度ポリエチレンの320℃で測定したスウェル比(SR)
東洋精機製メルトテンションテスター3型を用いて、下記の方法によりSRを測定した。
下端にオリフィス(1.0mmφ、長さ8.0mm)が設けられた垂直の金属バレルを320℃に温度調整し、低密度ポリエチレンを前記バレル内へ入れ3分間保持した。その後、プランジャーを30mm/分の速度で降下させ、バレル内の前記低密度ポリエチレンをオリフィスからストランドとして押出した。このとき、プランジャーにかかる圧力をセルにより測定した。プランジャーにかかる圧力が一定になったところで一度ストランドを切断し、その後、新たに押出されるストランドはエタノールを入れたビーカーで受け、冷却した。ビーカーをバレル下部に接触させ、バレル下部からエタノール液面までの距離を16mm、オリフィス下部面からエタノール液面までの距離を約28mmに固定した。新たに押し出されたストランドの長さが4〜5cmとなったところで、ストランドを切断し、得られたストランドを評価サンプルとした。エタノール中で冷却され、固化した評価サンプルについて、押出し下流側先端から約1〜2mmの位置でのストランドの直径D(単位:mm)を測定し、その直径Dをオリフィス径1.0mm(D0)で除した値(D/D0)を求めた。同様の操作でストランドを8本採取し、8本のD/D0の平均値をSRとした。
(5)低密度ポリエチレンのMw/Mn、Mz/Mw
ゲル・パーミエイション・クロマトグラフ(GPC)法を用いて、下記の条件(1)〜(8)により、z平均分子量(Mz)、重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)を測定し、Mw/MnとMz/Mwを求めた。クロマトグラム上のベースラインは、試料溶出ピークが出現するよりも十分に保持時間が短い安定した水平な領域の点と、溶媒溶出ピークが観測されたよりも十分に保持時間が長い安定した水平な領域の点とを結んでできる直線とした。
(1)装置:東ソー製HLC-8121GPC/HT
(2)分離カラム:TOSOH TSKgelGMH6−HT
(3)測定温度:140℃
(4)キャリア:オルトジクロロベンゼン
(5)流量:1.0mL/分
(6)注入量:300μL
(7)検出器:示差屈折
(8)分子量標準物質:標準ポリスチレン
(6)n−ヘプタン抽出物の含有量(単位:質量%)
n−ヘプタン抽出量は、低密度ポリエチレン100gを250mlのn−ヘプタンに30℃、90時間浸漬した後、ろ紙で濾過し、ろ液であるn−ヘプタン抽出液をロータリーエバポレーターで濃縮後、ウォーターバス上で乾固させ、重量を測定することにより求めた。
(7)n−ヘプタン抽出物の分子量分布曲線
ゲル・パーミエイション・クロマトグラフ(GPC)法を用いて、下記の条件(1)〜(8)により、分子量分布曲線を測定し、得られた分子量分布曲線のピーク数を求めた。クロマトグラム上のベースラインは、試料溶出ピークが出現するよりも十分に保持時間が短い安定した水平な領域の点と、溶媒溶出ピークが観測されたよりも十分に保持時間が長い安定した水平な領域の点とを結んでできる直線とした。
(1)装置:東ソー製HLC-8121GPC/HT
(2)分離カラム:TOSOH TSKgelGMH6−HTL
(3)測定温度:140℃
(4)キャリア:オルトジクロロベンゼン
(5)流量:1.0mL/分
(6)注入量:300μL
(7)検出器:示差屈折
(8)分子量標準物質:標準ポリスチレン
(8)多層フィルムの臭気官能試験
作製した多層フィルムを20cm×5cmに切り出し、1000ml広口瓶に入れ、50℃で1時間加熱後、放冷した。それぞれのフィルムが入った瓶の臭気を複数の8名のパネリストで官能評価し、臭いが強い(2)、弱い(1)で点数化した。合計点数の高い方が臭気が強いという結果となる。臭気差の感度を上げるため、1対1でフィルム臭気比較を行った。
実施例1
(1)低密度ポリエチレンの重合
管型反応器を用いて、下記条件で、エチレンの高圧ラジカル重合を行った。重合開始剤は、管型反応器中の4箇所から供給した。重合開始剤は、n−ヘプタンを溶媒とした溶液で管型反応器へ供給した。
最初に重合開始剤が供給される直前のエチレンモノマーガスの温度は、171℃、反応温度の極大値の平均は274℃、反応器入口圧力は167MPaであった。高圧分離器の温度は229℃とした。
得られた低密度ポリエチレンの物性評価の結果を表1に示した。
(2)多層フィルムの作製
65mmφ(L/D=32)の押出機の先端に、800mm幅のTダイ(ストレートマニホールド)を備えた押出装置を用いた。該押出装置に住友重機械モダン(株)社製 共押出ラミネーターを接続し、押出ラミネーションを行った。基材には、厚み12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡績製(株)東洋紡エステルフィルムE5100)を用いた。
押出機の温度を300℃に設定して、前記樹脂を溶融押出した。加工速度を100m/分、エアギャップを130mmとし、基材に押出ラミネーションした樹脂の平均厚みが30μmである多層フィルムを得た。得られた多層フィルムを、比較例1の多層フィルムと比較した臭気官能試験結果を表2に、比較例2の多層フィルムと比較した臭気官能試験結果を表3に示した。
比較例1
(1)低密度ポリエチレンの重合
槽型反応器2基を直列につないだ反応器を用いて、下記の条件で、エチレンの高圧ラジカル重合を行った。重合開始剤は、反応器中の5箇所から供給した。重合開始剤はn−ヘプタンを溶媒とした溶液で反応器へ供給した。
最初に重合開始剤が供給される直前のエチレンガス温度は30℃、平均反応温度は253℃、平均反応圧力は146MPaであった。高圧分離器の温度は219℃とした。
得られた低密度ポリエチレンの物性評価の結果を表1に示した。
(2)多層フィルムの作製
実施例1と同様にして、多層フィルムを得た。得られた多層フィルムを実施例1の多層フィルムと比較した臭気官能試験結果を表2に示した。
比較例2
(1)低密度ポリエチレンの重合
槽型反応器2基を直列につないだ反応器を用いて、下記の条件で、エチレンの高圧ラジカル重合を行った。重合開始剤は、反応器中の5箇所から供給した。重合開始剤はn−ヘプタンを溶媒とした溶液で反応器へ供給した。
最初に重合開始剤が供給される直前のエチレンガス温度は30℃、平均反応温度は248℃、平均反応圧力は168MPaであった。高圧分離器の温度は217℃とした。
得られた低密度ポリエチレンの物性評価の結果を表1に示した。
(2)多層フィルムの作製
実施例1と同様にして、多層フィルムを得た。得られた多層フィルムを実施例1の多層フィルムと比較した臭気官能試験結果を表3に示した。
Figure 2013237791
Figure 2013237791
Figure 2013237791

Claims (5)

  1. メルトフローレートが1〜15g/10分であり、320℃で測定したスウェル比が1.75〜2.00であり、数平均分子量(Mn)に対する重量平均分子量(Mw)の比である分子量分布(Mw/Mn)が4.0〜8.5であり、重量平均分子量(Mw)に対するZ平均分子量(Mz)の比である分子量分布(Mz/Mw)が2.5〜3.8である低密度ポリエチレン。
  2. 請求項1に記載の低密度ポリエチレンのn−ヘプタン抽出物の含有量が1.1質量%以下である低密度ポリエチレン(ただし、低密度ポリエチレンの質量を100質量%とする)。
  3. 請求項1または請求項2に記載の低密度ポリエチレンのn−ヘプタン抽出物が、ゲル・パーミエイション・クロマトグラフ法により測定される分子量分布曲線において、1つのピークを示すものである低密度ポリエチレン。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の低密度ポリエチレンを含有するフィルム。
  5. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の低密度ポリエチレンをTダイから溶融押出し、前記溶融押出された低密度ポリエチレンと基材とを一対のロール間で圧着して、
    低密度ポリエチレンを含有する層と基材とを有する多層フィルムを製造する方法。
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