JP2013237425A - 開閉ボート - Google Patents

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Abstract

【課題】平常時にはコンパクトに小型化することができ、使用時には従来よりも多くの人員や用具類を収納することができるとともに、安定航行能力を向上させることのできる折りたたみ型ボートを提供する。
【解決手段】形状と寸法を同じくした一対のボート単体100a、100bを、同一方向に向けて並べた状態で隣り合う舷側110間で軸着して、両ボート単体100a、100bが閉じて両ボート単体100a、100bの上面どうしが向き合い、両ボート単体の内部空間が両ボート単体100a、100bにより囲まれているカプセル状態と、両ボート単体100a、100bが開いて両ボート単体100a、100bが平行に並んで上方を向いた双胴状態との間で開閉自在に連結するとともに、カプセル状態を固定する閉じ留め具160a、160bと、双胴状態を固定する開き留め具とを設ける。
【選択図】図1

Description

本発明はボートに関し、特に折りたたんで小型化可能な開閉ボートに関する。
従来より、釣り等のレジャー用途や、水難救助用途などに用いられるような比較的小型の折りたたみ式ボートが知られている。こうしたボートは、航行に使用しない平常時には折りたたまれて小型化され、運搬性や保管性において優れている。
こうした折りたたみ式ボートとしては、例えば船体を前後方向で船首側の部分と船尾側の部分に二分割するものがある。そしてこの分割された各部分をヒンジで連結することで、運搬時や保管時には分割された一方を他方の上に折りたたむとともに、使用時には展開して1艘のボート形態にして用いる技術(特許文献1参照)がある。また同様に分割した上で、運搬時や保管時には分割された一方を他方の内部に収納するとともに、使用時にはこれら二つの部分を接合させて1艘のボート形態に組み立てて用いる技術(特許文献2参照)がある。
特表2003−511297号公報 特開2010−280249号公報
特許文献1に開示された技術では、開いてボートとして使用する状態と折りたたまれて保管する状態を、ヒンジ構造により容易に切り替えることができる。しかし分割して折りたたむのはあくまで一般的な形状を有する1艘のボートであるため、折りたたみ時におけるボート内部の収容力は、比較的少量にならざるを得ない。
また特許文献2に開示された技術では、船首側の部分と船尾側の部分を一旦完全に分離した上で、船首側の部分を船尾側の部分の内部に収納することで、ボートを小型化することができる。しかしボートとして使用する状態に切り替えるときに、各部分を取り出して組み立てなくてはならないため、別途、その作業負担が生じてしまう。
加えて、こうしたボートを水難救助等で用いる場合、ボート内にいる救助者が水中にいる要救助者を引き上げる際に、両者の重量がボートの船縁にかかる。そのため比較的小型のボートの場合、ロール方向におけるボートの安定性が大きく失われることになる。このことは救助時のみならず、遊泳中の者をボートに引き上げる場合も同様である。しかし上記特許文献1及び2に開示された技術では、この点に対する解決手段としても必ずしも十分ではなかった。
また上記特許文献1及び2に開示された技術では、ボートを構成する前記各部分はいずれも形状が異なるため、各部分の成型にあたっては、いずれも別々の型が必要になる。そのため製造コストが嵩むという不具合も生じていた。
本発明は上記の諸問題に鑑みてなされたものであって、閉じてコンパクトに小型化された状態から開いて使用する状態へと、容易に切り替えることができる開閉ボートであって、水上における船体の安定性を向上させることができ、且つボートを形成するために折りたたまれる複数の部分を、同一の型を用いて製造することのできるボートを提供することを目的とする。
本発明は上記の目的を達成するために、本発明に係るボートを次のように構成したことを特徴とする。
即ち、本発明の第一の態様は、形状と寸法を同じくした一対のボート単体を、同一方向に向けて並べた状態で隣り合う舷側間で軸着して、両ボート単体が閉じて両ボート単体の上面どうしが向き合い両ボート単体の内部空間が両ボート単体により囲まれているカプセル状態と、両ボート単体が開いて両ボート単体が平行に並んで上方を向いた双胴状態との間で開閉自在に連結するとともに、カプセル状態を固定する閉じ留め具と、双胴状態を固定する開き留め具とを設けたことを特徴とする。
本発明の第二の態様は、前記第一の態様の開閉ボートにおいて、ボート単体は、少なくとも舷側の厚みを船底の厚みよりも大にして、その内部に補強部材を配設することにより舷側を補強し、双胴状態の両ボート単体間の隣り合う舷側間に開き留め具を施すものとしてもよい。
本発明の第三の態様は、前記第一又は第二の態様の開閉ボートにおいて、両ボート単体のうち少なくとも一方の船縁に、この船縁よりも上に出たガスケットを設けて、カプセル状態における両ボート単体間を密接させたものとしてもよい。
従って本発明の第一の態様では、2つのボート単体の一方を他方の上に対向させて折りたたむので、両ボート単体によりカプセル状態となり、両ボート単体の合計2組の舷側及び船底部が開閉ボートの外表面となる。よってカプセル状態となった開閉ボートを物置きとして使用することができ、その内部に収納した用具類へのホコリ等の付着を防止することができる。また同時に、これら用具類を風雨や汚れ等から適切に保護することができる。
また両ボート単体の一方を他方に対して回動させるだけで、カプセル状態と双胴状態の二つの状態を容易に切り替えできるので、この状態切替作業の負担を軽減することができる。
また使用時には開閉ボートは双胴状態となるので、双胴船特有の直進安定性を得ることができる。同時に開き留め具によってボート単体2つ分を幅方向に一体化して双胴状態を固定するので、ロール方向の安定性を向上させることができる。
また2つのボート単体を一体化して使用するので、ボート単体の場合と比較して約2倍の人員を収容できるとともに約2倍の用具類を収納することができる。
また両ボート単体を同一の形状と大きさとしているため、各ボート単体を同一の型を用いて成型することができるので、製造コストを低減することができる。
本発明の一つの実施形態の開閉ボートを示す斜視図である。 双胴状態における図1のA−A線断面図である。 双胴状態における図1のB−B線断面図である。 双胴状態で開き留め具により固定した部位を示す断面斜視図である。 カプセル状態を正面視で船央部付近を縦断した場合の断面図である。
以下、本発明の実施の形態について図面に基づいて説明する。
本発明に係る開閉ボート100は、形状と寸法を同じくした一対のボート単体100a、100bを、上下方向に折りたたんで運搬及び保管可能なものである。開閉ボート100は、水上で航行させることができる使用状態から、後述のように折りたたんでカプセル状態にすることにより小型化し、容易に運搬したり保管したりすることができるように構成されている。開閉ボート100は、例えばオールを取り付けて、乗員が自らボートを漕ぎ、航行することができるように構成されている。また船外機を取り付けて、その船外機による推力によって航行することができるようにも構成されている。本実施形態において、開閉ボート100は4〜6人程度が乗船可能な、比較的小型で運搬や保管が容易なものであるので、レジャーや人員の輸送といった多様な目的に用いることが可能である。さらに、例えば水難救助などの用途に特に好適なものである。
(全体の構成)
図1を参照して、開閉ボート100は全体として、同一の形状及び寸法の2つのボート単体100a、100bを一対とし、これら2つを同一方向に向けて並べた状態で、隣り合う舷側110間でヒンジ300を介して軸着している。以下、図1を参照して一方のボート単体100aの構成を説明するが、これら2つのボート単体100a、100bの構造はヒンジ300の軸対称に形成されている。よって他方のボート単体100bの構成の説明に関しては、一方のボート単体100aと共通する構成部分は説明を省略するとともに、相違する部分の構成に関しては都度説明を付加するものとする。
ボート単体100aは概略で、船首部120と、船央部130と、船尾部140とに分かれている。
ボート単体100aの内部において、船首部120と船央部130、また船央部130と船尾部140は各々椅子150によって区分けされている。ボート単体100aの舷側外壁面には後述するカプセル状態を固定する閉じ留め具160の留め金160bが2箇所備えられている。またこの留め金160bに対応して、他方のボート単体100bの舷側外壁面には、閉じ留め具160のフック160aが2箇所備えられている。舷側内壁面にはオールクラッチ(図示しない)を取り付けるソケット170が備えられている。
船尾部140において、トランサムモール180は、船尾部140の幅方向全体に亘って船底から立ち上がるように形成されている。また、ここには船外機(図示しない)を取り付け可能になっている。
ボート単体100aの舷側110と船底部190との間にはチャイン200が設けられており、開閉ボート100の安定航行能力を高めている。
ボート単体100aの外縁は、平面視で、左右の舷側110が略平行に形成されている。
舷側110の上縁は平坦とされ、ボート単体100aを水上に浮かべて側面視した状態で、舷側上縁全部が一つの水平面上に配置されるように形成されている。尚、この舷側110の上縁が平坦である場合、舷側上縁全部が一つの平面上に配置されていればよく、必ずしも一つの水平面上に限定されなくてもよい。
ボート単体100aの船底部190には、センターキール210及びストライプ220が形成されている。センターキール210は、ボート単体100aの幅方向略中央部に、ボート単体100aの前後方向に沿い、船首部120から船尾部140に亘って、船底面195から隆起する形状で形成されている。このセンターキール210は、船内床230を外側へ向かって凸状に突出させて形成されているため、船内床230の上には一本の凹状溝が形成される。
ストライプ220は、センターキール210の左右に一本ずつ、ボート単体100aの前後方向に沿いかつ船首部120から船尾部140に亘って、船底面195から隆起する形状で形成されている。このストライプ220もセンターキール210と同様に船内床230を外側へ向かって凸状に突出させて形成されている。
このようにボート単体100aの船底部190にセンターキール210及びストライプ220が形成されているので、一対のボート単体100a、100bから構成される開閉ボート100は、適度な直進性能を有している。
本実施形態において、開閉ボート100を構成するボート単体100aは、主としてガラス繊維を用いたFRP(Fiber Reinforced Plastics)により形成されているが、炭素繊維等他の材料或いはこれらが合成された材料を用いて構成されてもよい。
前記ヒンジ300は、2つのボート単体100a、100bを同一方向に向けて並べた状態で、隣り合う舷側110どうしを軸着している。ヒンジ300は、図1中、2つの椅子150が舷側110に接する位置と略同じ位置において、全部で2箇所取り付けられているが、隣り合う舷側110の任意の位置に複数設けられてよい。ヒンジ300は、ボート単体100aを支えながら回動させることのできる強度を有するものであれば、金属等から成る一般的なものであってよい。
椅子150は、図1に示すように、船首部120と船央部130及び船央部130と船尾部140を各々区分けするように、ボート単体100aの内部の前後方向2箇所に設けられている。椅子150は船内床230から略チャイン200の高さまでの高さを有し、腰掛ける面は平坦に形成されている。椅子150は、例えばボート単体100aの船体と同様に、FRPを用いて船体と一体的に形成されてよい。また椅子150の内部に発泡スチロール等の浮力材151が充填されており、開閉ボート100が浸水しても沈没しないように構成されている。
閉じ留め具160は、2つのボート単体100a、100bの軸着していない側の舷側110において、一方の舷側110に閉じ留め具160の留め金160b、他方の舷側110に閉じ留め具160のフック160aが設けられており、これらはボート単体100aをボート単体100bの上に折りたたんだ際に隣接する位置とされている。後述するカプセル状態とした際に、閉じ留め具160の留め金160bを閉じ留め具160のフック160aに係合させることで、2つのボート単体100a、100bのカプセル状態を固定する。前記閉じ留め具160は、2つの部材を固定するための慣用の金具を用いるものとする。
ソケット170はオールクラッチ(図示しない)を取り付けるものであり、図1中、船央部130における舷側110内側面の船縁と同じ高さに取り付けられている。ソケット170は船首部120、船央部130、船尾部140いずれの場所でかつ任意の位置に複数取り付けられてよい。オール(図示しない)及びオールクラッチは、航行に使用する時以外はソケット170から取り外され、後述する本発明のカプセル状態における内部空間に収納される。
なお、本実施形態において、船首部120から船尾部140にかけて、船内床230は略平坦に形成されている。これにより乗員はより安定姿勢で乗船することができる。なお、船内床230の形状はこれに限らず、例えばV型等他の形状であってもよく、全体として略同一の厚みを有するように船底部190に沿って形成されてもよい。このようにすることで、航行の安定性をより向上させることができる。
以上、図1に基づいて本実施形態に係る開閉ボート100の構成を説明してきたが、開閉ボート100には、図3に示すように、舷側110の上縁全体に亘ってガスケット240を配設してもよい。本実施形態では、ヒンジ300以外の部分にガスケット240を配設している。ガスケット240はゴム等の弾性素材を用いて形成されている。
このガスケット240は、カプセル状態において両ボート単体100a、100bを封止してゴミ、ホコリ、雨水等が内部に侵入することを抑制するものである。また後述するように、ボート単体100aがボート単体100bの上に折りたたまれる際、力がかかりすぎたりした場合に舷側110どうしが衝突してその上縁に損傷が生じることを、防止することができる。
(連結部の構成)
図2は、図1におけるA−A線断面図であり、一対のボート単体100a、100bが双胴状態においてヒンジ300により連結されている部位を示す。ヒンジ300は2枚の板310、320とこれらの端部にそれぞれ同軸に固着された円管311、321と、両円管311、321を貫通する一本の軸330で構成されている。2枚の板310、320は、2つのボート単体100a、100bの隣り合う舷側110の内壁面を支持している。
ボート単体100aは、隣り合う舷側110の外壁面において、双胴状態で互いに圧接し合う圧接面部112を有している。この圧接面部112は垂直な平面をなす。図2に示すように、これら圧接面部112が互いに圧接し合った状態で、一対のボート単体100a、100bが連結されることとなる。この圧接面部112における舷側110の厚みは、船底部190の厚みよりも大きくされている。つまり船底部190と同一厚みの板材が、内部空間を介してボックス状に形成されている。そして、その内部空間にハニカム材等の補強材114が充填されている。なお、このボックス状の部位の下面にチャイン200が形成されている。ボート単体100aの舷側110をこのように構成することによって、圧接面部112を有する舷側110を補強し、後述する双胴状態に耐えられるようになっている。
なお図3に示すように、補強された圧接面部112が、2つのボート単体100a、100bの軸着していない側の舷側110に同様に設けられていてもよい。この場合、2つのボート単体100a、100bの構造を共通化することができるので、成型のための型を共通化することができる。よって開閉ボート100の製造ラインにおいて、取り扱う部品点数を減らすことができる。
(双胴状態固定部の構成)
図4は、2つのボート単体100a、100bを固定した部位を示す断面斜視図である。
この固定部は、概略で、2つのボート単体100a、100bの舷側110を同時に上方から挟み込む開き留め具250と、その開き留め具250に対応して舷側110に設けられるロックピン116との係合によって構成される。
開き留め具250は、平板状の部材の両端を各々同一方向に屈曲させて側面視で略U字型とされている。開き留め具250には、双胴状態において両ボート単体100a、100b間に相対的な動きを発生させる力が作用しても、常に両ボート単体100a、100bを一体にしておくための強度が確保されている。
開き留め具250は、両端部を除いて略同じ厚さとされている。両端部の一部には、後述する舷側110の内壁面に設けられたロックピン116と係合する係合部252が形成されている。係合部252は開き留め具250の幅方向全体に亘り、U字の内側に向かって突出して形成されており、他の部位より大きい厚さとされている。
ロックピン116は、2つのボート単体100a、100bの隣り合う舷側110の内壁面に各々固着されている。ロックピン116は、開き留め具250を両ボートの舷側110に押し込んだ位置であって、係合部252と係合する高さに突出して配設されている。また図4に示すように、ガスケット240が舷側110の上縁に取り付けられている場合には、ガスケット240の高さも考慮して、舷側110の内壁面に取り付けられるロックピン116の高さを調整することになる。このように取り付けられるロックピン116の位置は、図4に示される位置に限定されるものではなく、開閉ボート100の双胴状態を固定できる設計の下で適宜決められてよい。
開き留め具250と舷側110とを係合させる組み合わせは、こうした係合部252とロックピン116の組み合わせに限らない。例えば、ロックピン116を用いることなく、上述した平板状の部材による開き留め具250のみによって係合させてもよい。この場合、開き留め具250に係合部252を設けないでU字の内面を一様に平坦とした上で、舷側110の外壁面と面接触させることによって、開き留め具250と舷側110とを係合させてもよい。このようにするとロックピン116が不要となることから、開閉ボート100の部品点数を減らすことができる。
また開き留め具250の係合部252と嵌合させる溝状の部位を舷側110の外壁面に設けて、開き留め具250と舷側110とを係合させてもよい。このようにすると開き留め具250をより簡易に製造することができる。
また開き留め具250は、1枚の平板状の部材から形成されたものでなくてもよく、複数の適当な部材を組み合わせて形成されたものであってもよい。例えば棒状の部材を用いて、その両端の2箇所を各々略90度に屈曲させることで略U字型とし、この棒状の開き留め具250を複数用意することができる。この場合、棒状の開き留め具250の両端部を挿入して固定する受部材を、2つの船体の舷側110の内壁面に各々配設するようにしてもよい。こうすると棒状の開き留め具250を開閉ボート100の内部に収納しておく際に、平板状の開き留め具250の場合よりも嵩張らずに収納することができる。
(動作)
本発明に係る開閉ボート100は、図1中の略半円矢印Lで示すように、ボート単体100aをボート単体100bの上に折りたたんだカプセル状態と、両ボート単体100a、100bが並行に並んだ双胴状態との2つを切り替えて用いることができる。以下、2つの状態の切替動作について説明する。
図2は、図1におけるA−A線断面図であり、一対のボート単体100a、100bが双胴状態において軸着している部位を示す。
初めに、双胴状態からカプセル状態への切替動作を説明する。
まず、両ボート単体100a、100bが平行に並んで上方を向いた双胴状態を固定している開き留め具250を、両舷側110から取り外す。これと前後して、ボート推進のためのオールや船外機といった器具や、ボートの使用目的に沿う用具類、例えば救命具といった用具類をボート単体100bの内部に入れる。
次に図2中の矢印L1のとおり、両ボート単体100a、100bの間の角度が略90度になるまで一方のボート単体100aを持ち上げて回動すると、図1と同様の状態となる。
さらに続けて矢印L2のとおり、両ボート単体100a、100bの間の角度が略180度になるまでボート単体100aを持ち上げて回動すると、図5に示すように、両ボート単体100a、100bの上面どうしが向き合い両ボート単体100a、100bの内部空間が両船体に囲まれたカプセル状態となる。最後に、閉じ留め具160の留め金160bを閉じ留め具160のフック160aに係合させて、このカプセル状態を固定することになる。そして、このカプセル状態における内部空間に、開き留め具250、オール、救命具といった用具類を収納することができることとなる。そしてガスケット240によって両ボート単体100a、100bを封止するので、ゴミ、ホコリ、雨水等が内部に侵入することを抑制する。
続いて、カプセル状態から双胴状態への切替動作を説明する。この動作は通常、開閉ボート100を使用する場所又はその近くで行う。
両ボート単体100a、100bが、上下に重ねて折りたたまれているカプセル状態を固定している閉じ留め具160の留め金160bを、閉じ留め具160のフック160aから外す。次に上側のボート単体100aを持ち上げて回動させ、両両ボート単体100a、100bの間の角度が略90度となると、図1と同様の状態となる。
さらに続けて、両ボート単体100a、100bの間の角度が略180度になるまでボート単体100aを持ち上げて回動すると、両ボート単体100a、100bの、互いに隣接する舷側110の圧接面部112どうしが互いに圧接し合った状態となる。これが両ボート単体100a、100bが平行に並んで上方を向いた双胴状態となる。
そして開き留め具250の係合部252がロックピン116と係合するまで、互いに隣接する舷側110の上方から開き留め具250を差し込む。このようにして開き留め具250が、互いに隣接する舷側110どうしを挟み込むことで、双胴状態が強固に固定され、本実施形態に係る開閉ボート100が航行に使用されることとなる。
ここで、本実施形態に係る開閉ボート100に用いられるボート単体100aの全長・最大幅・高さのサイズは、使用目的や保管場所に合わせて適宜選択されてよいが、以下の理由により、ボート単体100aの最大幅を900mm以下にすることを一例として提案する。
すなわち、一般的な日本家屋は引き戸やドアの幅が3尺(約90cm)となっている。よってカプセル状態の開閉ボート100を、家屋内から家屋外へ搬出する場合、カプセル状態の開閉ボート100の幅が前記の3尺より小さいときに、スムーズに搬出することができる。このことは、家屋外から家屋内にカプセル状態の開閉ボート100を搬入する場合も同様である。
そして、仮にボート単体100aの最大幅を900mmとすると、双胴状態における開閉ボート100の最大幅は、ボート単体100aの2倍として、船体全体で1800mmとなる。よってカプセル状態では、開閉ボート100をスムーズに搬出入することができるとともに、双胴状態では、船体全体として比較的幅広となるので、ロール方向の安定性を向上させることができる。
なお、開閉ボート100の幅寸法は条件に応じて他のものとすることができるのは勿論である。
(効果)
以上のように構成された開閉ボート100では、以下のような効果を有する。
2つのボート単体100a、100bを一体化して使用するので、使用時には、ボート単体100aの場合と比較して約2倍の数の人員を収容することが可能となる。また保管時には、ボート単体100aの場合と比較して約2倍の量の用具類を収納することができる。これにより、特に水難救助時においては、従来よりも多くの人命を効率的に救助することが可能となる。
使用時には双胴状態として航行させることにより、船体全体が比較的幅広となる。よってボート内にいる救助者が水中にいる要救助者を引き上げる際、一方のボート単体100aの船縁に前記両者の重量がかかっても、ボート単体100aよりも安定した救助作業が可能となる。また高波や強風の中での航行の安定性を向上させることができる。
ヒンジ300だけでなく、開き留め具250によって両ボート単体の双胴状態を強固に固定し一体化するので、使用時におけるボートの安定性をさらに向上させることができる。
2つのボート単体100a、100bを隣り合う舷側110間で軸着しているので、ボート単体100aを回動させるだけで、カプセル状態と双胴状態とを容易に切り替えることができる。加えて、開き留め具250をシンプルな形状としたので、開き留め具250の取り扱いは、挟み込んだり引き抜くといった作業だけとなる。よって開閉ボート100の二つの状態を切り替える作業の負担を軽減することができる。
カプセル状態から双胴状態への切替作業をする場合には、上方のボート単体100aを回動させて、折りたたまれている開閉ボート100を開いた後、2つのボート単体100a、100bの隣り合う2つの舷側110に開き留め具250を上方から挟み込むだけでよい。これにより2つのボート単体100a、100bを双胴状態として強固に固定することができる。また双胴状態からカプセル状態への切替作業をする場合には、この開き留め具250を上方へと引き抜くだけでよい。
その後、ボート単体100aをボート単体100bの上に折りたたむので、2組の舷側110及び船底部190が開閉ボート100の外表面となる。その上、さらに閉じ留め具160によって舷側110を上下方向で固定して、開閉ボート100のカプセル状態を強固に固定する。よって開閉ボート100を物置として使用することができるほか、その内部に収納した用具類へのホコリ等の付着を防止することができる。また同時に、これら用具類を風雨や汚れ等から適切に保護することができる。このため保管場所を屋内に限定することなく、屋外においても保管可能となる。また開閉ボート100は浮力を有するので、開閉ボート100を水上に浮上させた状態で保管可能となる。よってカプセル状態の開閉ボート100を保管する場所の条件を問わない。
100 開閉ボート
100a、100b ボート単体
110 舷側
112 圧接面部
114 補強材
116 ロックピン
160 閉じ留め具
160a フック
160b 留め金
240 ガスケット
250 開き留め具
252 係合部
300 ヒンジ
310、320 板
311、321 円管
330 軸

Claims (3)

  1. 形状と寸法を同じくした一対のボート単体を、同一方向に向けて並べた状態で隣り合う舷側間で軸着して、前記両ボート単体が閉じて前記両ボート単体の上面どうしが向き合い前記両ボート単体の内部空間が前記両ボート単体により囲まれているカプセル状態と、前記両ボート単体が開いて両ボート単体が平行に並んで上方を向いた双胴状態との間で開閉自在に連結するとともに、前記カプセル状態を固定する閉じ留め具と、前記双胴状態を固定する開き留め具とを設けたことを特徴とする開閉ボート。
  2. 前記ボート単体は、少なくとも舷側の厚みを船底の厚みよりも大にして、その内部に補強部材を配設することにより前記舷側を補強し、前記双胴状態の両ボート単体間の隣り合う舷側間に前記開き留め具を施すものとしたことを特徴とする請求項1に記載の開閉ボート。
  3. 前記両ボート単体のうち少なくとも一方の船縁に、この船縁よりも上に出たガスケットを設けて、前記カプセル状態における前記両ボート単体間を密接させたことを特徴とする請求項1又は2に記載の開閉ボート。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104943815A (zh) * 2014-03-25 2015-09-30 上海珐伊玻璃钢船艇有限公司 模块化二体船
KR101606737B1 (ko) * 2015-01-07 2016-03-28 한옥철 쌍동선
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