JP2013236767A - 椅子 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】背面に外装材32を設けた背凭れ3に持ち手5を設けたものであって、持ち手5が、水平面に沿って後方に延出させた上面を有し前記背凭れの背面に突設された左右対をなす突部55と、これら突部55間に架設されその上面を前記両突部55の上面に連続させた把持部材53とを備えた。
【選択図】図1
Description
以下、本発明をシンクロチルト式の事務用回転椅子1に適用した場合の一実施形態につき、図1〜図17を参照して説明する。
椅子本体2は、図1、図2、図4、図5、図7及び図10〜図17に示すように、脚体21に支持された支持基部22と、この支持基部22に支持されて後傾動作可能な背支持用構造体23と、前記支持基部22の上方に配された座支持用構造体24と、前記支持基部22、前記背支持用構造体23及び前記座支持用構造体24をリンク要素254として備えたシンクロロッキング機構25とを具備してなる。この椅子本体2は、前記背支持用構造体23に支持された背凭れ3が後傾動作した場合に、前記座支持用構造体24に支持された座4が同期して傾動するように構成されたものである。すなわち、座4が背凭れ3の後傾動作に対して一定の角度比率をもって沈み込む動作、換言すれば、シンクロチルト動作が実現されるようになっている。そして、前記シンクロロッキング機構25に関連させて、背凭れ3を初期位置に自己復帰させるための反力機構26と、背凭れ3を所定の傾動位置に係止するための係止機構27を設けている。
脚体21は、図1及び図10に示すように、キャスタ211を有した脚羽根タイプの脚ベース212と、この脚ベース212の中心部に立設した脚支柱213とを具備してなる。前記脚支柱213は、ガススプリングを主体に構成された通常のもので、この脚支柱213の上端部に前記支持基部22が取り付けられている。
支持基部22は、図2、図4、図5、図7及び図11〜図17に示すように、前記脚体21によって水平旋回可能に支持されたもので、前記脚支柱213に装着された主ハウジング221と、この主ハウジング221に剛結された副ハウジング222とを備えてなる。主ハウジング221は、金属製のもので、前記脚支柱213の上端が嵌合するボス部228を有した底壁223と、この底壁223の左右両側縁から起立させた左右の側壁224とを備えたもので、前後及び上方に開放されている。副ハウジング222は、金属製のもので、基端部が前記主ハウジング221内に配され先端側を前方に延出させた底壁225と、この底壁225の左右両側縁から起立させた左右の側壁226と、これら両側壁226の上縁から外側方に延出させた鍔227とを備えたものである。この副ハウジング222は、前記両鍔227の下面を前記主ハウジング221の左右の側壁224の上縁に当接させるとともに、前記左右の側壁226を前記主ハウジング221の左右の側壁224内面に密着させた状態で、溶接等により前記主ハウジング221と一体化されている。
背支持用構造体23は、図5〜図7及び図10〜図17に示すように、いわゆる背支桿としての機能を有するもので、例えば、支持基部22の両側に配される対をなす背フレーム231と、これら左右の背フレーム231を接続する複数の横架材234、235、236とを具備してなる。背フレーム231は、基端部237を前記主軸28に支持させて後方に延出する下部フレーム要素232と、この下部フレーム要素232の後端部から上方に屈曲して延びる上部フレーム要素233とを備えたもので、側面視L字状をなしている。これら下部フレーム要素232及び上部フレーム要素233は、パイプ素材を屈曲させることにより一体に形成されている。下部フレーム要素232は下横架材234により、上部フレーム要素233は中間横架材235及び上横架材236により、それぞれ連結されている。下横架材234は、下方に開口されたチャンネル状をなすもので、両側部を下部フレーム要素234の内側にそれぞれ溶接継ぎ手を介して結合されたものである。中間横架材235及び上横架材236は、前方に開口されたチャンネル状をなすもので、前記上部フレーム要素233の背面側にそれぞれ溶接継ぎ手を介して結合されたものである。中間横架材235及び上横架材236の両結合部の外側には、ボルト孔238a、230aを有した板状の取付ブラケット238、230を備えている。
座支持用構造体24は、図5、図7及び図11〜図16に示すように、いわゆる座受けとしての機能を有するもので、盤状をなしている。この座支持用構造体24の前端部には、下方に垂下する左右対をなす前ブラケット241が設けられており、これら両前ブラケット241を前記前連結軸29の両端部に取り付けることにより、この座支持用構造体24を支持基部22に回転かつスライド移動可能に支持させている。座支持用構造体24の後端部には、下方に垂下する左右対をなす後ブラケット242が設けられており、これら両後ブラケット242を後連結軸20を介して背支持用構造体23の左右の背フレーム231に回転可能に支持させている。この座支持用構造体24の下面には、肘掛け取付用の構造体243が取り付けられている。肘掛け取付用の構造体243の両端部は、座支持用構造体24の左右両端部よりも外方に延出させてあり、その両端部に図示しない肘掛けを着脱可能に取り付けることができるようにしてある。
シンクロロッキング機構25は、図5、図7及び図11〜図16に示すように、前記支持基部22と、この支持基部22に第1の軸着部251を介して支持された前記背支持用構造体23と、前側を前記支持基部22に第2の軸着部252を介して支持させるとともに、後側を前記背支持用構造体23に第3の軸着部253を介して支持させた前記座支持用構造体24とを備えたものである。第1の軸着部251は、前記主軸28を主体に構成されたもので、前記背支持用構造体23を前記支持基部22に対して回転可能に軸着している部分である。第2の軸着部252は、前記前連結軸29を主体に構成されたもので、前記座支持用構造体24を前記支持基部22に対して回転かつ前後スライド動作可能に軸着している部分である。第3の軸着部253は、前記後連結軸20を主体に構成されたもので、前記座支持用構造体24を前記背支持用構造体23に対して回転可能に軸着している部分である。換言すれば、前記シンクロロッキング機構25は、前記支持基部22と、前記座支持用構造体24と、前記背支持用構造体23という3つのリンク要素254を第1、第2、第3の軸着部251、252、253を介して軸着することにより構成されたものである。
反力機構26は、図1、図2、図4、図5、図7及び図10〜図16に示すように、背支持用構造体23を後傾動作前の初期位置に自己復帰させるためのもので、前記支持基部22の外部に設けられている。詳述すれば、この反力機構26は、前記座支持用構造体24と、前記シンクロロッキング機構25を構成する当該座支持用構造体24以外のリンク要素254との間に設けられたものである。この実施形態においては、反力機構26は、前記座支持用構造体24と背支持用構造体23との間に設けられたもので、一端264を座支持用構造体24に支持させるとともに、前記座支持用構造体24以外のリンク要素254、すなわち背支持用構造体23を貫通させて他端265側を外部に延出させたロッド261と、このロッド261の他端265に設けた受け部材262と、この受け部材262と前記座支持用構造体24以外のリンク要素254、すなわち背支持用構造体23との間に設けられた弾性体263とを備えたものである。
係止機構27は、図5、図7及び図11〜図17に示すように、前記背支持用構造体23を所定の傾動位置に係止するためのもので、前記支持基部22の外側近傍において前記両背フレーム231同士を剛結する連結部材271と、前記支持基部22に操作軸272を介して前後方向に回動可能に支持されこの連結部材271の所定箇所に係合可能な係合部材273と、この係合部材273を前記連結部材271に係合する係合位置(B)と前記連結部材271に係合し得ない退避位置(A)との間で作動させる操作手段274と、前記係合部材273を前記係合位置(B)と退避位置(A)とのいずれかに選択的に保持するための節度機構275とを備えたものである。
背凭れ3は、図1〜図10に示すように、前記椅子本体2の背支持用構造体23に支持されたもので、外装材32と、この外装材32を保持する背保形用構造体31とを具備してなる。
座4は、図1〜図5、図7及び図10に示すように、前記椅子本体2の座支持用構造体24に支持されたもので、外装材42と、この外装材42を保持する座保形用構造体41とを具備してなる。座保形用構造体41は、いわゆるインナーシェルと称される形態のもので、ナイロン等の合成樹脂により一体に成形されている。外装材42は、前記座保形用構造体41の上面に添接されるクッション43と、このクッション43及び前記座保形用構造体41の周縁を覆う張地44とを備えている。
持ち手5は、図1〜図6及び図8〜図10に示すように、前記背保形用構造体31に設けられたもので、左右の取付部51と、これら両取付部51から後方に延出させたアーム部52と、これらアーム部52の先端間に架設された把持部材53と、前記アーム部52の基端間に架設された目隠し部材54とを備えたものであり、合成樹脂により一体に成形されている。
次いで、この椅子1の作動を図12〜図17を用いて説明する。
この椅子1は、背凭れ3の背面に持ち手5を備えているため、その持ち手5に手を掛けて自由に移動させることが可能である。そのため、背凭れ3の上縁に手を掛けて椅子1を移動させる場合に比べて、背凭れ3が汚れたり傷んだりすることを抑制することができる。すなわち、本実施形態に示したような背支持用構造体23がクッション37やアウターシェル39等の外装材32によって内部に隠れている椅子1では、外側から背支持用構造体23をつかんで椅子1を移動させることができないため、従来これらの外装材32に接触せざるを得なかったという不具合を好適に解消できる。
次に、本発明をシンクロチルト式の事務用回転椅子1に適用した場合の他の実施形態につき、図18〜図24を参照して説明する。
椅子本体2は、図18〜図22に示すように、脚体21に支持された支持基部22と、この支持基部22に支持されて後傾動作可能な背支持用構造体23と、前記支持基部22の上方に配された座支持用構造体24と、前記支持基部22、前記座支持用構造体24、前リンクメンバ294及び後リンクメンバ295をリンク要素254として備えたロッキング機構9とを具備してなる。この椅子本体2は、前記背支持用構造体23に支持された背凭れ3が後傾動作した場合に、前記座支持用構造体24に支持された座4が同期して傾動するように構成されたものである。以下、第1実施形態の椅子1と同一またはこれに準ずる部分には、第1実施形態と同一の符号を付して、詳細な説明を省略する。
支持基部22は、図18、図19、図21及び図22に示すように、脚体21によって水平旋回可能に支持されたもので、脚支柱213に取付けられる金属製のハウジング291と、このハウジング291に取付けられた前リンク軸292及び支軸293を具備してなるものである。前リンク軸292は、前リンクメンバ294を介して座支持用構造体24の前端部を支持するためのものである。支軸293は、前記背支持用構造体23を支持するとともに後リンクメンバ295を介して座支持用構造体24の略中間部を支持するためのものである。ハウジング291には、背凭れ3を前方に付勢する傾動反力発生機構296が組み込まれている。傾動反力発生機構296は、コイルスプリングやガススプリング等を用いて前記支軸293に力を付与して前記背凭れ3の傾動動作に対して弾性反発力を付与し得るように構成されたものであるが、通常のものであるため説明を省略する。このようにしてなる支持基部22に、前リンクメンバ294及び後リンクメンバ295を介して座支持用構造体24を支持させている。なお、図22は、支持基部22を覆うカバーのみを切断して示し、支持基部22は切断していない状態で示している。
座支持用構造体24は、図22に示すように、いわゆる座受けとしての機能を有するもので、この実施形態においては板金素材により一体に成形されている。座支持用構造体24の下面には、前連結軸244を介して前リンクメンバ294の回動端を取付けるための前リンク取付部245と、後連結軸246を介して後リンクメンバ295の回動端を取付けるための後リンク取付部247が設けられている。前記前リンク取付部245及び後リンク取付部247は、座支持用構造体24に一体に設けられている。この座支持用構造体24の下面には、肘掛け8の基端部237を取り付けるための肘掛け取付部248が設けられている。
背支持用構造体23は、図19、図21及び図22に示すように、前記支持基部22から後上方に延出させた合成樹脂製の左右の背フレーム255と、これら左右の背フレーム255の上端部同士を連結する図示しない上横架材と、トルク伝達用のブラケット297の基端から一体に後上方に向けて延設され前記背フレーム255の基端部内側面に添接する左右の背支持ブラケット256と、これら左右の背支持ブラケット256の後端を連結する図示しない下横架材とを具備してなる。背支持ブラケット256と下横架材は、それぞれ板状をなす金属製のものであり、下横架材の左右両端部において左右の背支持ブラケット256の内側面側に剛結されている。なお、図22は、支持基部22を覆うカバーのみを切断して示し、背支持ブラケット256及びトルク伝達用のブラケット297を切断していない状態で示している。
ロッキング機構9は、図19、図21及び図22に示すように、背凭れ3の後傾動作に伴わせて座4を傾動させつつ上動させるようにした体重感知式のものである。詳述すれば、このロッキング機構9は、前側に前リンク軸292を保持するとともに後側に支軸293を保持する支持基部22と、下端部を前記前リンク軸292を介して前記支持基部22に回動可能に支持させた前リンクメンバ294と、下端部を前記支軸293に支持された背フレーム255の軸装部に一体化させてなる後リンクメンバ295と、前リンク取付部245を前連結軸244を介して前記前リンクメンバ294の回動端に連結するとともに後リンク取付部247を後連結軸246を介して後リンクメンバ295の回動端に連結してなる座支持用構造体24とを主体に構成されたものである。すなわち、このロッキング機構9は、座4を支持する座支持用構造体24を同一方向に傾斜する前リンクメンバ294と後リンクメンバ295とによって支持基部22に支持させ、その支持基部22に支持された背フレーム255の後傾動作に伴わせて、前記前リンクメンバ294及び後リンクメンバ295を起立方向に回動させて前記座支持用構造体24を上方に持ち上げるように構成した体重感知式のものであり、前記背凭れ3の後傾時に、前記座4の前部を座4の後部に比べてより多く持ち上げるように構成されたものである。すなわち、第1実施形態に示すような背凭れ3及び座4のシンクロロッキング機構25では、背凭れ3の後傾動作に伴わせて座4を下方側にのみ傾動させるものであるが、本実施形態に示すような体重感知式のロッキング機構9は、通常のロッキング機構とは異なり、背凭れ3の後傾動作に伴わせて座4を傾動させつつ着座者の荷重に抗して座4を持ち上げるように構成している。
背凭れ3は、図18〜図24に示すように、前記椅子本体2の背支持用構造体23に支持されたもので、外装材32と、この外装材32を保持する背保形用構造体31とを具備してなる。背保形用構造体31は、いわゆるインナーシェルと称される形態のもので、ナイロン等の合成樹脂により一体に成形されており、第1実施形態の背凭れ3に準じた構造をなしている。アウターシェル39は、合成樹脂製のもので、本実施形態においては、前記持ち手5と一体に成形されている。このアウターシェル39は、前記インナーシェルの背面に装着されたものであり、前記背保形用構造体31の背面側に設けられた図示しないアウターシェル取付部に取り付けられている。
座4は、図18〜図22に示すように、前記椅子本体2の座支持用構造体24に支持されたもので、外装材42と、この外装材42を保持する座保形用構造体41とを具備してなる。座保形用構造体41は、いわゆるインナーシェルと称される形態のもので、ナイロン等の合成樹脂により一体に成形されており、第1実施形態の座4に準じた構造をなしている。
持ち手5は、図18〜図24に示すように、前記背保形用構造体31に設けられたもので、アウターシェル39と一体化された左右の取付部51と、これら取付部51の後端間に架設された把持部材53と、前記左右の取付部51を前記インナーシェルに止着するための止着具を隠すためのカバー部56とを備えたものである。換言すれば、持ち手5は、左右の取付部51と把持部材53とが合成樹脂によりアウターシェル39と一体に形成されているとともに、前記取付部51の外面側に合成樹脂製のカバー部56が取り付けられている。
以上に述べたように、本実施形態に係る椅子1は、上述した構成をなしているので、第1実施形態で述べたのと同様またはこれに準じた効果を得ることができる。
3…背凭れ
32…外装材
39…アウターシェル
5…持ち手
53…把持部材
55…突部
7…空洞
Claims (5)
- 背面に外装材を設けた背凭れに持ち手を設けたものであって、
持ち手が、水平面に沿って後方に延出させた上面を有し前記背凭れの背面に突設された左右対をなす突部と、これら突部間に架設されその上面を前記両突部の上面に連続させた把持部材とを備えたものであることを特徴とする椅子。 - 前記突部が、後方への突出寸法を外側方に向かって漸次小さくした形状をなすものである請求項1記載の椅子。
- 前記把持部材が、上下方向寸法を中央から外側方に向かって漸次大きくした形状をなすものである請求項1または2記載の椅子。
- 前記把持部材が、平面視における曲率を平面視における背凭れ上縁の曲率よりも大きくしたものである請求項1、2または3記載の椅子。
- 前記把持部材と背凭れとの間に上下に連通する空洞が形成されており、把持部材よりも下方における背凭れの背面が、アウターシェルにより覆われている請求項1、2、3または4記載の椅子。
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