JP2013236592A - 動物皮膚組織損傷後の再生上皮評価のための実験用デバイスおよび実験用デバイスを用いた皮膚組織損傷モデル動物 - Google Patents
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Abstract
【課題】ヒトの創傷治癒を再現するための実験用デバイス、ならびにこのデバイスを用いた、特に難治性の創傷部を有する動物モデルの提供。
【解決手段】実験用動物の皮膚組織損傷後の再生上皮の増殖を評価するための実験用デバイスであって、前記実験用デバイスは:(1)中心に円又は楕円状の創観察孔を有する、円又は楕円状の薄い円盤状の形状であり、(2)シリコン等の生体反応性の低い素材からなり、(3)実験用動物の皮膚組織損傷部位において、前記皮膚組織損傷部位周辺の皮下に挿入され、糸等により固定・留置されて装着される、ことを特徴とする実験用デバイス。
【選択図】図2
【解決手段】実験用動物の皮膚組織損傷後の再生上皮の増殖を評価するための実験用デバイスであって、前記実験用デバイスは:(1)中心に円又は楕円状の創観察孔を有する、円又は楕円状の薄い円盤状の形状であり、(2)シリコン等の生体反応性の低い素材からなり、(3)実験用動物の皮膚組織損傷部位において、前記皮膚組織損傷部位周辺の皮下に挿入され、糸等により固定・留置されて装着される、ことを特徴とする実験用デバイス。
【選択図】図2
Description
本発明は,動物皮膚組織損傷後の再生上皮評価のための実験用デバイスおよび動物モデル等に関する。さらに詳しくは,損傷した動物組織の治癒過程で起こる創の収縮を防止することにより,ヒトの創傷治癒を再現可能な実験用デバイス,およびこの実験用デバイスを用いた皮膚組織損傷モデル動物等に関する。
老齢化社会の進行に伴い,褥瘡など難治性皮膚潰瘍を有する患者の増加が懸念されている。しかしながら,この難治性皮膚潰瘍を適切に評価できる動物モデルは,未だ無いのが現状である。そのため,このことは,創傷治癒やそれに関連する薬剤などの正確な効果判定が困難という技術的な障害となっている。
褥瘡などにより皮膚表皮組織に損傷を受けると,創周囲の上皮の増殖と創自体の収縮により,皮膚表皮組織の損傷は治癒していく。
ヒトにおける治癒では,創自体の収縮に比して,上皮の再生力が損傷組織の治癒にとって最も重要な要因となる。一方,動物における治癒では,創周囲の上皮の増殖に比して,創の収縮が主体となる治癒過程が見られ,極めて速く創が治癒する。
このように,動物における治癒過程は,ヒトの治癒過程とは大きく異なる。その理由として,動物の表皮組織は皮下組織との結合がゆるく,創周囲の上皮の下にできた肉芽の収縮の力で,容易に創部は収縮するからである。このことから,単に動物の皮膚表皮組織に損傷を形成しただけでは,ヒトでの治癒過程を正確に再現することが出来ない。
このような事情から,ヒトと同様の治癒過程を動物で再現するための表皮の収縮を抑制するための方法として,円盤状にくりぬいた型(スプリント)を用いた技術が開示されている(非特許文献1)。
GalianoRD et al. Wound Repair Regen. 2004Jul-Aug;12(4):485-92.
非特許文献1には,損傷皮膚の表面に円盤状にくりぬいた型(スプリント)を置き,そのスプリントを創周囲の表皮と縫合糸などで固定化することにより,創周囲の皮膚の収縮を防止する技術が開示されている。この技術では,創周囲の皮膚の収縮が防止されることにより皮膚上皮の増殖を引き出し,人と同様な治癒過程を再現することが可能となる。
しかしながら,この技術では,どこが上皮再生の起点であるかが不明であるため,再生上皮の長さを測定することができず,増殖能の程度を正確に評価できない。そのため,治癒能力の判定や,薬剤効果を科学的,客観的に判断できないという欠点を有する。
また,寝たきりや糖尿病などによる病態下では,循環不全や代謝障害などにより,損傷組織の細胞活性は低下する。このため,創は難治性となり,治癒遅延を引き起こすことが知られている。この病態を再現する動物モデルとして糖尿病モデル動物などがあり,特にレプチンレセプター欠損の肥満型2型糖尿病マウスであるdb/dbマウスが広く用いられている。発明者がこのdb/dbマウスについて調べたところ,肥満を呈するdb/dbマウスは皮下組織に多量の脂質蓄積を有するとともに,真皮内にも脂質沈着があることを確認した。発明者は,この脂質沈着等が原因で表皮の皮下組織への接着が阻害されると考え,その物理的要因により,個体間での損傷の治癒に大きなばらつきが生じ,治癒遅延因子の特定が難しくなっていることを発見した。
一方,正常動物を用いて褥瘡などの難治性創傷病態を作製する試みが行われているものの,活動性の高い動物に安定化した難治性創傷病態を作ることは困難なのが現状である。
一方,正常動物を用いて褥瘡などの難治性創傷病態を作製する試みが行われているものの,活動性の高い動物に安定化した難治性創傷病態を作ることは困難なのが現状である。
上記事情を背景として,本発明では,ヒトの創傷治癒を再現するための実験用デバイス,ならびにこのデバイスを用いた動物モデルの提供を第一の課題とする。加えて,難治性の創傷部を有する動物モデルの提供を第二の課題とする。
発明者は鋭意研究の結果,ヒトの創傷治癒を再現するための実験用デバイス,および実験用デバイスを用いた皮膚組織損傷モデル動物にかかる発明を完成させた。すなわち,正常動物に損傷作製後,本発明にかかる実験用デバイスを皮下に挿入し皮膚に固定することで,再生上皮の増殖を促すことが可能となる。加えて,増殖した再生上皮の長さの正確な測定も可能となり,増殖した再生上皮の客観的な評価も可能となる。
加えて,皮膚損傷組織モデル動物の損傷部位について,上皮組織,皮下組織の細胞活性を低下させることにより創部を難治性にできることを見出し,難治性の損傷部位を有する皮膚損傷組織モデル動物の発明を完成させた。
加えて,皮膚損傷組織モデル動物の損傷部位について,上皮組織,皮下組織の細胞活性を低下させることにより創部を難治性にできることを見出し,難治性の損傷部位を有する皮膚損傷組織モデル動物の発明を完成させた。
本発明は,以下から構成される。
本発明の第一の構成は,実験用動物の皮膚組織損傷後の再生上皮の増殖を評価するための実験用デバイスであって,前記実験用デバイスは,
(1) 中心に円又は楕円状の創観察孔を有する,円又は楕円状の薄い円盤状の形状であり,
(2) シリコン等の生体反応性の低い素材からなり,
(3) 実験用動物の皮膚組織損傷部位において,前記皮膚組織損傷部位周辺の皮下に挿入され,糸等により固定・留置されて装着されることを特徴とする実験用デバイスである。
(1) 中心に円又は楕円状の創観察孔を有する,円又は楕円状の薄い円盤状の形状であり,
(2) シリコン等の生体反応性の低い素材からなり,
(3) 実験用動物の皮膚組織損傷部位において,前記皮膚組織損傷部位周辺の皮下に挿入され,糸等により固定・留置されて装着されることを特徴とする実験用デバイスである。
本発明において「生体反応性の低い」とは,実験用動物の恒常性に影響を及ぼすことが少ないこととして定義され,例えば,細胞接着性や抗原性が低いことをいう。
本発明の第二の構成は,第一の構成に記載の実験用デバイスを装着して,皮膚組織損傷後の再生上皮の増殖を評価可能としたことを特徴とする皮膚組織損傷モデル動物である。
本発明の第三の構成は,前記実験用動物として糖尿病モデル動物を用いて,皮膚組織損傷部位を難治性としたことを特徴とする第二の構成に記載の皮膚組織損傷モデル動物である。
本発明の第四の構成は,前記皮膚組織損傷部位の創に,細胞活性遅延を引き起こす液体を定期的に塗布することにより,皮膚組織損傷部位を難治性としたことを特徴とする第二又は第三の構成に記載の皮膚組織損傷モデル動物である。
本発明の第五の構成は,前記細胞活性遅延を引き起こす液体が,有機溶媒であることを特徴とする第四の構成に記載の皮膚組織損傷モデル動物である。
本発明の第五の構成は,前記細胞活性遅延を引き起こす液体が,有機溶媒であることを特徴とする第四の構成に記載の皮膚組織損傷モデル動物である。
本発明により,ヒトの創傷治癒を再現するための実験用デバイスならびにこの実験用デバイスを用いた皮膚組織損傷モデル動物の提供が可能となった。加えて,難治性の創傷部を有する皮膚組織損傷モデル動物の提供が可能となった。
以下,本発明の実験用デバイス,皮膚組織損傷モデル動物等について,図面を例にとって説明を行う。
実験用デバイスの典型例を図1に示す。実験用デバイス1は,中心部には創傷を観察するための創観察孔10,皮膚組織損傷部周辺の皮下に挿入する辺縁部20から構成され,全体として円または楕円の形状を有する。
実験用デバイスならびに創観察孔の形状や大きさは,皮膚組織損傷部の形状や大きさ,動物種により適宜選択することができる。実験用デバイスの形状は,損傷部形状の再現性や実験用デバイスの取扱い等の観点から,円状または楕円状の形状とすることが好ましい。
また,辺縁部20の幅についても,動物種や皮膚組織損傷部の大きさ,実験動物の血流等の観点から,適宜選択することが可能である。ただし,辺縁部20の幅が太すぎると,後述する実施例11に示すとおり,固定した糸部分の皮膚が裂けてしまい,実験動物の恒常性に影響を及ぼす可能性が出てくることから,好ましくない。
また,辺縁部20の幅についても,動物種や皮膚組織損傷部の大きさ,実験動物の血流等の観点から,適宜選択することが可能である。ただし,辺縁部20の幅が太すぎると,後述する実施例11に示すとおり,固定した糸部分の皮膚が裂けてしまい,実験動物の恒常性に影響を及ぼす可能性が出てくることから,好ましくない。
実験用デバイスの厚さについては,皮膚組織損傷部の皮下に挿入可能であり,かつ,動物の活動性に障害を及ぼさない限り特に限定する必要はなく,薄いものとすればよい。例えば,マウスなどの小動物の場合,500μm程度の厚さとすればよい。
実験用デバイスの素材は,生体反応性が低く,動物の体型や皮膚組織損傷部に合った柔軟性のある素材である限り,特に限定する必要はない。ここで生体反応性が低いとは,実験用動物の恒常性に影響を及ぼすことが少ないこととして定義され,例えば,細胞接着性や抗原性が低いことをいう。このように生体反応性が低い素材として,シリコンやポリ塩化ビニール,ポリスチレン,ポリエチレン,ポリプロピレン等が挙げられる。
本発明の実験用デバイスは,皮膚組織損傷部周辺の皮下に挿入を行い,糸等で固定・留置して用いる。図2は,本発明の実験用デバイスが,実験用動物に固定・留置されている例である。図2の上段は,実験用動物としてマウスを用いて,本発明の実験用デバイスが固定・留置されている様子を示す。図2の下段は,この皮膚組織損傷モデルマウスの,損傷部位の横断面の模式図を示す。実験用デバイス(スプリント)は,図2下段に示すように皮膚下に挿入されており,図2上段に示すように縫合糸により縫いつけられることにより,固定されている。その後,創表面はポリウレタンフィルム・ドレッシング材などで被覆し,創を湿潤環境に保つ。このように,実験動物の創部周辺の組織内にスプリントが留置されることで,創収縮を遅延させることが可能となる。これにより,再生上皮の増殖が促され,ヒトの治癒過程と類似した損傷病態を作製することが可能となる。
この皮膚組織損傷モデルマウスの評価は,例を挙げると,以下の手順で行うことができる。
まず,実験終了後,皮膚組織損傷モデルマウスを屠殺し,スプリントを留置したまま背部組織を摘出する。摘出された背部組織をホルマリン固定後,スプリントを除去してから病理切片を作製し,作製した病理切片の観察を,顕微鏡を用いて行う。観察される病理切片では,スプリントが留置されていた部分が空洞となることから,スプリントが留置されていた位置を確認することが可能である。そのため,スプリントが留置されていた場所を指標として,再生上皮の長さを正確かつ客観的に測定することが可能となる。
まず,実験終了後,皮膚組織損傷モデルマウスを屠殺し,スプリントを留置したまま背部組織を摘出する。摘出された背部組織をホルマリン固定後,スプリントを除去してから病理切片を作製し,作製した病理切片の観察を,顕微鏡を用いて行う。観察される病理切片では,スプリントが留置されていた部分が空洞となることから,スプリントが留置されていた位置を確認することが可能である。そのため,スプリントが留置されていた場所を指標として,再生上皮の長さを正確かつ客観的に測定することが可能となる。
本発明の実験用デバイスを用いる際の実験用動物については,糖尿病モデルとすることができる。これにより,皮膚組織損傷部の治癒遅延が引き起こされ,創傷部を難治性とすることができるという効果を有する。この糖尿病モデル動物として,例えば,db/dbマウスを用いることができる。
本発明の実験用デバイスを装着した皮膚組織損傷モデル動物において,皮膚組織損傷部位の創に細胞活性遅延を引き起こす液体を定期的に塗布することができる。これにより,皮膚組織損傷部の治癒遅延が引き起こされ,創傷部を難治性とすることができる。なお,本発明において,「細胞活性遅延」とは,核酸合成やタンパク合成などの阻害や遅延を引き起こすことにより,細胞の正常な増殖が遅延することをいう。このような細胞活性遅延を引き起こす液体としては,核酸合成阻害剤などの薬剤を溶解させた溶液を用いればよい。
また,細胞活性遅延を引き起こす液体としてアルコール等の有機溶媒を用いることができる。有機溶媒については,細胞活性遅延を引き起こし,かつ,塗布や塗布に伴う生体への摂取により生体への影響を及ぼさない限り特に限定する必要はないが,好ましくはアルコールを用いることができ,最も好ましくはエチルアルコールを用いることができる。
細胞活性遅延を引き起こす液体の塗布の量や頻度については,動物種や損傷部の大きさ,液体の種類などによって適宜選択することができる。エチルアルコールを例に挙げると,実験動物としてマウスを用いた場合は,1日1回の頻度で,綿に100%エチルアルコールを染みこませたもの(アルコール綿)で損傷部位を拭くことにより,エチルアルコールを塗布すればよい。
また,細胞活性遅延を引き起こす液体としてアルコール等の有機溶媒を用いることができる。有機溶媒については,細胞活性遅延を引き起こし,かつ,塗布や塗布に伴う生体への摂取により生体への影響を及ぼさない限り特に限定する必要はないが,好ましくはアルコールを用いることができ,最も好ましくはエチルアルコールを用いることができる。
細胞活性遅延を引き起こす液体の塗布の量や頻度については,動物種や損傷部の大きさ,液体の種類などによって適宜選択することができる。エチルアルコールを例に挙げると,実験動物としてマウスを用いた場合は,1日1回の頻度で,綿に100%エチルアルコールを染みこませたもの(アルコール綿)で損傷部位を拭くことにより,エチルアルコールを塗布すればよい。
以上,本発明の実験用デバイス,皮膚組織損傷モデル動物等について説明を行った。
本発明の実験用デバイスを用いて実験用動物の損傷部周囲の皮下にスプリントを留置することにより,創の収縮を防止でき,かつ再生上皮の増殖の程度を正確な長さとして評価することが可能となる。また,スプリントが上皮組織と皮下組織の中間に介在することにより,上皮と創面への接着の調節,上皮および創面の組織を,個々にまたは両方を薬物などで障害できることから,正常動物にも難治性の損傷病態を惹起することができる。したがって,本発明の方法は,様々な病態下での難治性創傷の治療薬剤の開発や基礎実験領域等に有用な手段となりうる。スプリントを用いない場合,再生上皮の増殖・伸長はあまり見られないものの,創の収縮は速い。
組織内のスプリントを用いることで実験的創傷治癒の進行の程度を把握でき,皮膚断端部からの上皮再生の程度を正確に測れるようになる。
褥瘡など難治性潰瘍は創表面に組織活性の低い肉芽の存在が考えられるが,現在までそのような状態を作りだすための器具はない。本発明では,スプリントが上皮組織と上皮下組織の間に介在することを利用し,スプリント幅を大きくすることにより再生上皮と皮下組織上に形成される肉芽への接着を物理的に阻害し,正常組織を物理的に治癒遅延状態にすることができる。また,損傷後に形成される再生上皮や皮下組織上に形成される肉芽を,細胞障害性のある薬剤で同時または個々に障害することも可能で,人で見られる難治性組織を作製でき,より人に近い難治性モデルを作製することも可能となる。
本発明の実験用デバイスを用いて実験用動物の損傷部周囲の皮下にスプリントを留置することにより,創の収縮を防止でき,かつ再生上皮の増殖の程度を正確な長さとして評価することが可能となる。また,スプリントが上皮組織と皮下組織の中間に介在することにより,上皮と創面への接着の調節,上皮および創面の組織を,個々にまたは両方を薬物などで障害できることから,正常動物にも難治性の損傷病態を惹起することができる。したがって,本発明の方法は,様々な病態下での難治性創傷の治療薬剤の開発や基礎実験領域等に有用な手段となりうる。スプリントを用いない場合,再生上皮の増殖・伸長はあまり見られないものの,創の収縮は速い。
組織内のスプリントを用いることで実験的創傷治癒の進行の程度を把握でき,皮膚断端部からの上皮再生の程度を正確に測れるようになる。
褥瘡など難治性潰瘍は創表面に組織活性の低い肉芽の存在が考えられるが,現在までそのような状態を作りだすための器具はない。本発明では,スプリントが上皮組織と上皮下組織の間に介在することを利用し,スプリント幅を大きくすることにより再生上皮と皮下組織上に形成される肉芽への接着を物理的に阻害し,正常組織を物理的に治癒遅延状態にすることができる。また,損傷後に形成される再生上皮や皮下組織上に形成される肉芽を,細胞障害性のある薬剤で同時または個々に障害することも可能で,人で見られる難治性組織を作製でき,より人に近い難治性モデルを作製することも可能となる。
以下,実施例を踏まえ,本発明にかかる実験用デバイス等の詳細な説明を行うが,当然のことながら,本発明の内容は下記に限定されるものではない。
<<実施例1>>
<実験方法>
(1) 実験用デバイス(スプリント)は,ポリスチレン製の大塚製薬株式会社製の生食25mL注射液アンプル容器を円形ドーナツ状に切り抜いたものを用いた。スプリントの外径は26mm,内径16mm,幅5mmとし,厚さは500〜600μmであった(図3)。
(2) 実験用動物として,C57BL/6マウスを用いた。C57BL/6マウスの背部皮膚に,直径10mmの円形の創を作製した。作製した創周囲の皮下に,スプリントを挿入し,皮下の筋膜上に密着させた後,周囲皮膚とスプリントを縫合糸で固着させた(スプリント装着皮膚組織損傷モデルマウス,実施例1,n=5)。その後,創表面はテガダーム(ポリウレタンフィルム・ドレッシング材)で被覆した。また,比較対照として,実施例と同様の創を作製し,スプリントを挿入しないスプリント非装着皮膚組織損傷モデルマウスの作製を合わせて行った(比較例1,n=5)。
(3) 実施例1および比較例1については,作製から所定日数経過後,脱血により屠殺を行い,実施例1についてはスプリントを留置したまま,実施例1および比較例1の背部組織の摘出を行った。摘出された背部組織はホルマリンにて固定した後,実施例1についてはスプリントを除去した後,HE染色により病理切片の作製を行った。作製した病理切片の観察は,顕微鏡を用いて観察し,評価を行った。
<実験方法>
(1) 実験用デバイス(スプリント)は,ポリスチレン製の大塚製薬株式会社製の生食25mL注射液アンプル容器を円形ドーナツ状に切り抜いたものを用いた。スプリントの外径は26mm,内径16mm,幅5mmとし,厚さは500〜600μmであった(図3)。
(2) 実験用動物として,C57BL/6マウスを用いた。C57BL/6マウスの背部皮膚に,直径10mmの円形の創を作製した。作製した創周囲の皮下に,スプリントを挿入し,皮下の筋膜上に密着させた後,周囲皮膚とスプリントを縫合糸で固着させた(スプリント装着皮膚組織損傷モデルマウス,実施例1,n=5)。その後,創表面はテガダーム(ポリウレタンフィルム・ドレッシング材)で被覆した。また,比較対照として,実施例と同様の創を作製し,スプリントを挿入しないスプリント非装着皮膚組織損傷モデルマウスの作製を合わせて行った(比較例1,n=5)。
(3) 実施例1および比較例1については,作製から所定日数経過後,脱血により屠殺を行い,実施例1についてはスプリントを留置したまま,実施例1および比較例1の背部組織の摘出を行った。摘出された背部組織はホルマリンにて固定した後,実施例1についてはスプリントを除去した後,HE染色により病理切片の作製を行った。作製した病理切片の観察は,顕微鏡を用いて観察し,評価を行った。
<結果と考察>
1.スプリント処置が及ぼす実験動物への影響
(1) スプリント装着後の体重変動の結果を図4に示す。縦軸が皮膚組織損傷モデルマウスの体重を,横軸がスプリント装着からの経過日数を示す。
(2) 皮膚組織損傷モデルマウスの体重は,12日の間,大きな変動は見られなかった。
(3) また,皮膚組織損傷モデルマウスの様子を観察したところ,比較例1と比べてその運動性に差は無かったことから,スプリント処置は運動性にも影響を及ぼさなかった。
(4) これらの結果から,スプリント装着が及ぼす実験用動物へのストレスは,最小限と考えられた。
1.スプリント処置が及ぼす実験動物への影響
(1) スプリント装着後の体重変動の結果を図4に示す。縦軸が皮膚組織損傷モデルマウスの体重を,横軸がスプリント装着からの経過日数を示す。
(2) 皮膚組織損傷モデルマウスの体重は,12日の間,大きな変動は見られなかった。
(3) また,皮膚組織損傷モデルマウスの様子を観察したところ,比較例1と比べてその運動性に差は無かったことから,スプリント処置は運動性にも影響を及ぼさなかった。
(4) これらの結果から,スプリント装着が及ぼす実験用動物へのストレスは,最小限と考えられた。
2.病理組織評価
(1) 図5に,実施例1の病理組織像の一例を示す。
(2) スプリントが留置されていた場所は,染色で全く染まらない空洞として確認された。
(3) 再生上皮は,創部肉芽上で,増殖・伸長していることが確認された。
(4) 再生上皮の伸長した長さは,スプリント挿入部位からの長さとして測定が可能であり,1つの割面(病理切片)から,創部左右の2か所で,再生上皮の長さの測定が可能であった。
(1) 図5に,実施例1の病理組織像の一例を示す。
(2) スプリントが留置されていた場所は,染色で全く染まらない空洞として確認された。
(3) 再生上皮は,創部肉芽上で,増殖・伸長していることが確認された。
(4) 再生上皮の伸長した長さは,スプリント挿入部位からの長さとして測定が可能であり,1つの割面(病理切片)から,創部左右の2か所で,再生上皮の長さの測定が可能であった。
3.創面積変化の推移
(1) 実施例1ないし比較例1において,創面積の経時的変化の様子を,定量的に調べた。すなわち,モデル作製2日後(スプリント挿入当日)の創面積を100%とし,その後の創面積の面積比率を調べた。その結果を図6に示す。図6のグラフにおいて,横軸がスプリント挿入からの経過日数を示し,縦軸がスプリント挿入当日の創面積を100%とした場合の面積比率を示す。
(2) スプリント挿入9日後,比較例1での創面積は,約20%程度と大きく縮小していた。これに対し実施例1では,創面積の縮小は約75%ほどに留まっていた。これらより,比較例1と比べて,実施例1の創縮小は,約3倍遅かったといえる。
(3) また,病理組織像を比較しても,比較例1と比べて,実施例1のほうが,再生上皮の増殖・伸長は明らかに良好な結果であった(図7)。
(1) 実施例1ないし比較例1において,創面積の経時的変化の様子を,定量的に調べた。すなわち,モデル作製2日後(スプリント挿入当日)の創面積を100%とし,その後の創面積の面積比率を調べた。その結果を図6に示す。図6のグラフにおいて,横軸がスプリント挿入からの経過日数を示し,縦軸がスプリント挿入当日の創面積を100%とした場合の面積比率を示す。
(2) スプリント挿入9日後,比較例1での創面積は,約20%程度と大きく縮小していた。これに対し実施例1では,創面積の縮小は約75%ほどに留まっていた。これらより,比較例1と比べて,実施例1の創縮小は,約3倍遅かったといえる。
(3) また,病理組織像を比較しても,比較例1と比べて,実施例1のほうが,再生上皮の増殖・伸長は明らかに良好な結果であった(図7)。
<<実施例2,3>>
<実験方法>
(1) 実施例1と同様の方法で,スプリント装着皮膚組織損傷モデルマウスの作製を行った。
(2) このスプリント装着皮膚組織損傷モデルマウスにおいて,1日毎に合計7日間,100%エチルアルコールを含んだ綿を損傷部位に1分間あてたものを,実施例2とした(n=5)。比較対照として,生理食塩液を含んだ綿を用いて同様の操作を行って作製したスプリント装着皮膚組織損傷モデルマウスを実施例3とした(n=5)。
(3) 実施例1と同様の操作により,創面積の経時的変化の評価,および病理評価を行った。
<実験方法>
(1) 実施例1と同様の方法で,スプリント装着皮膚組織損傷モデルマウスの作製を行った。
(2) このスプリント装着皮膚組織損傷モデルマウスにおいて,1日毎に合計7日間,100%エチルアルコールを含んだ綿を損傷部位に1分間あてたものを,実施例2とした(n=5)。比較対照として,生理食塩液を含んだ綿を用いて同様の操作を行って作製したスプリント装着皮膚組織損傷モデルマウスを実施例3とした(n=5)。
(3) 実施例1と同様の操作により,創面積の経時的変化の評価,および病理評価を行った。
<結果>
(1) 図8と図9に結果を示す。図8は創面積の変化を,図9は再生上皮が伸長した長さを示す。
(2) 実施例2では,合計7日間のアルコール曝露が終了してから5日後(術後12日),創面積の減少は見られなかった。一方,実施例3では,同様のスケジュールで生食暴露を行ったもので,創面積は約60%にまで減少していた。これらの結果から,アルコール曝露により,創部分の回復が遅延していることが確認された。
(3) 再生上皮の伸長についても,実施例3では約5000μmであったのに対し,実施例2では約3000μmと,約6割の伸長度合いであった。この結果から,アルコール曝露により,再生上皮の伸長についても抑制されていることが確認された。
(4) これらの結果は,アルコール曝露で創表面近くの細胞に脱水による細胞傷害を与えることで,再生上皮の増殖阻害と,創部の治癒による縮小をほぼ完全に阻止できたことを示すものである。よって,スプリントを用い,かつ,アルコール曝露を行うことにより,正常動物の創部を容易に難治性の損傷とすることが可能であることが確認された。
(1) 図8と図9に結果を示す。図8は創面積の変化を,図9は再生上皮が伸長した長さを示す。
(2) 実施例2では,合計7日間のアルコール曝露が終了してから5日後(術後12日),創面積の減少は見られなかった。一方,実施例3では,同様のスケジュールで生食暴露を行ったもので,創面積は約60%にまで減少していた。これらの結果から,アルコール曝露により,創部分の回復が遅延していることが確認された。
(3) 再生上皮の伸長についても,実施例3では約5000μmであったのに対し,実施例2では約3000μmと,約6割の伸長度合いであった。この結果から,アルコール曝露により,再生上皮の伸長についても抑制されていることが確認された。
(4) これらの結果は,アルコール曝露で創表面近くの細胞に脱水による細胞傷害を与えることで,再生上皮の増殖阻害と,創部の治癒による縮小をほぼ完全に阻止できたことを示すものである。よって,スプリントを用い,かつ,アルコール曝露を行うことにより,正常動物の創部を容易に難治性の損傷とすることが可能であることが確認された。
<<実施例4〜6>>
<実験方法>
実施例1と同様の方法で,スプリント装着皮膚組織損傷モデルマウスの作製を行った(実施例4,n=5)。これとは別に,実験動物として肥満型糖尿病(db/db)マウスを用いたものの作製を行った(実施例5,n=5)。
<実験方法>
実施例1と同様の方法で,スプリント装着皮膚組織損傷モデルマウスの作製を行った(実施例4,n=5)。これとは別に,実験動物として肥満型糖尿病(db/db)マウスを用いたものの作製を行った(実施例5,n=5)。
<結果>
(1) 図10に結果を示す。
(2) 実施例4と実施例5で治癒の程度を比較すると,実施例4では経時的に創が縮小していた。これに対し実施例5では,術後12日でも全く治癒していない個体も含まれ,概して,難治性の損傷を示した。
(3) この実施例5においては,創縮小の程度が大きくばらついていた。この要因を検討したところ,皮下組織に多量の脂質蓄積があるとともに,真皮内にも脂質沈着があり,動物が動くたびに皮下組織とは独立して表皮が動くことで,さらに表皮と皮下組織への接着が阻害されたままとなり,この物理的因子が治癒遅延の主たる原因であると考えられた。この検討結果を踏まえて,術後7日にdb/dbマウスにスプリント処置を行い,皮膚および皮下組織である筋肉までを同時に縫い,上皮を固定したモデルの作製を行った(実施例6,n=5)。
(4) 図11に結果を示す。
(5) 実施例6では,上皮の接着不全を改善でき,ばらつきなく上皮の伸長反応が開始され,その縮小率も野生型(C57BL/6)と同程度まで改善された。この実施例6で行ったモデル作製手法により,表皮断端部を固定化することで,治癒の起点となる表皮と皮下組織の接着が確保され,上皮増殖とともに創縮小が開始されたことから,糖尿病性のみならず難治性創傷に対する様々な治療実験が可能となる。
(1) 図10に結果を示す。
(2) 実施例4と実施例5で治癒の程度を比較すると,実施例4では経時的に創が縮小していた。これに対し実施例5では,術後12日でも全く治癒していない個体も含まれ,概して,難治性の損傷を示した。
(3) この実施例5においては,創縮小の程度が大きくばらついていた。この要因を検討したところ,皮下組織に多量の脂質蓄積があるとともに,真皮内にも脂質沈着があり,動物が動くたびに皮下組織とは独立して表皮が動くことで,さらに表皮と皮下組織への接着が阻害されたままとなり,この物理的因子が治癒遅延の主たる原因であると考えられた。この検討結果を踏まえて,術後7日にdb/dbマウスにスプリント処置を行い,皮膚および皮下組織である筋肉までを同時に縫い,上皮を固定したモデルの作製を行った(実施例6,n=5)。
(4) 図11に結果を示す。
(5) 実施例6では,上皮の接着不全を改善でき,ばらつきなく上皮の伸長反応が開始され,その縮小率も野生型(C57BL/6)と同程度まで改善された。この実施例6で行ったモデル作製手法により,表皮断端部を固定化することで,治癒の起点となる表皮と皮下組織の接着が確保され,上皮増殖とともに創縮小が開始されたことから,糖尿病性のみならず難治性創傷に対する様々な治療実験が可能となる。
<<実施例7から10>>
<実験方法>
(1) 実施例1と同様の方法で,スプリント装着皮膚組織損傷モデルマウスの作製を行った。この作製したスプリント装着皮膚組織損傷モデルマウスに対し,リコンビナントヒトG-CSFをコラーゲン溶液で溶解したものを投与し,12日後の創面積と再生上皮の長さの検討を行った。投与量はそれぞれ,実施例7は0μg/100μL,実施例8は5μg/100μL,実施例9は25μg/100μL,実施例10は50μg/100μLとした。各実施例の例数は,n=4又は5で行った。
(2) 実施例1と同様の操作により,創面積の評価,および再生上皮の長さの評価を行った。
<実験方法>
(1) 実施例1と同様の方法で,スプリント装着皮膚組織損傷モデルマウスの作製を行った。この作製したスプリント装着皮膚組織損傷モデルマウスに対し,リコンビナントヒトG-CSFをコラーゲン溶液で溶解したものを投与し,12日後の創面積と再生上皮の長さの検討を行った。投与量はそれぞれ,実施例7は0μg/100μL,実施例8は5μg/100μL,実施例9は25μg/100μL,実施例10は50μg/100μLとした。各実施例の例数は,n=4又は5で行った。
(2) 実施例1と同様の操作により,創面積の評価,および再生上皮の長さの評価を行った。
<結果>
(1) 図12から図15に結果を示す。
(2) G-CSFを投与していない実施例7と比較して,G-CSFを投与している実施例8から10は,創面積の縮小は早く,再生上皮の伸長も大きいものであった(図12,図13,図14)。
(3) 実施例の各結果から,創面積と再生上皮の伸長についてそれぞれプロットすると,良好な相関が確認された(図15)。
(4) これらから,G-CSF治療により,創の縮小と再生上皮の増殖が認められ,明らかな治療効果が示された。これらマウスには,図15で示す通り,創の縮小率と増殖した再生上皮の長さに有意な正の相関性が示され,再生上皮の増殖と創の治癒には明らかな関連性があることが示されている。このことは,本発明の皮膚組織損傷モデルマウスを用いることにより,G-CSF治療の効果を客観的に評価することが可能であることを示すものである。よって,本発明の皮膚組織損傷モデルマウスが,損傷の治療効果の評価に有用であることが示された。
(1) 図12から図15に結果を示す。
(2) G-CSFを投与していない実施例7と比較して,G-CSFを投与している実施例8から10は,創面積の縮小は早く,再生上皮の伸長も大きいものであった(図12,図13,図14)。
(3) 実施例の各結果から,創面積と再生上皮の伸長についてそれぞれプロットすると,良好な相関が確認された(図15)。
(4) これらから,G-CSF治療により,創の縮小と再生上皮の増殖が認められ,明らかな治療効果が示された。これらマウスには,図15で示す通り,創の縮小率と増殖した再生上皮の長さに有意な正の相関性が示され,再生上皮の増殖と創の治癒には明らかな関連性があることが示されている。このことは,本発明の皮膚組織損傷モデルマウスを用いることにより,G-CSF治療の効果を客観的に評価することが可能であることを示すものである。よって,本発明の皮膚組織損傷モデルマウスが,損傷の治療効果の評価に有用であることが示された。
<<実施例11,12>>
実施例1と同様の方法で,スプリント装着皮膚組織損傷モデルマウスの作製を行った。実施例11は実施例1と同じスプリントを用いて作製を行い,実施例12では外形を22mmとし辺縁部の厚さを6mmとしたスプリントを用いた。
実施例1と同様の方法で,スプリント装着皮膚組織損傷モデルマウスの作製を行った。実施例11は実施例1と同じスプリントを用いて作製を行い,実施例12では外形を22mmとし辺縁部の厚さを6mmとしたスプリントを用いた。
<結果>
(1) 図16にスプリント装着のモデル作製12日後の背部の様子を示す。
(2) 図16に示すとおり,実施例11では縫合した糸部分で皮膚が裂ける現象が観察された。一方,実施例12では,そのような現象は観察されなかった。
(3) これらの結果より,適正なサイズでない場合や観察期間が長くなる場合,糸裂けが起きることが確認された。これにより,実験動物種や観察期間等により,スプリント幅を狭くするなどして糸裂けを防止することが望ましい。
(1) 図16にスプリント装着のモデル作製12日後の背部の様子を示す。
(2) 図16に示すとおり,実施例11では縫合した糸部分で皮膚が裂ける現象が観察された。一方,実施例12では,そのような現象は観察されなかった。
(3) これらの結果より,適正なサイズでない場合や観察期間が長くなる場合,糸裂けが起きることが確認された。これにより,実験動物種や観察期間等により,スプリント幅を狭くするなどして糸裂けを防止することが望ましい。
Claims (5)
- 実験用動物の皮膚組織損傷後の再生上皮の増殖を評価するための実験用デバイスであって,前記実験用デバイスは,
(1) 中心に円又は楕円状の創観察孔を有する,円又は楕円状の薄い円盤状の形状であり,
(2) シリコン等の生体反応性の低い素材からなり,
(3) 実験用動物の皮膚組織損傷部位において,前記皮膚組織損傷部位周辺の皮下に挿入され,糸等により固定・留置されて装着される,
ことを特徴とする実験用デバイス
- 請求項1に記載の実験用デバイスを装着して,皮膚組織損傷後の再生上皮の増殖を評価可能としたことを特徴とする皮膚組織損傷モデル動物
- 前記実験用動物として糖尿病モデル動物を用いて,皮膚組織損傷部位を難治性としたことを特徴とする請求項2に記載の皮膚組織損傷モデル動物
- 前記皮膚組織損傷部位の創に,細胞活性遅延を引き起こす液体を定期的に塗布することにより,皮膚組織損傷部位を難治性としたことを特徴とする請求項2又は3に記載の皮膚組織損傷モデル動物
- 前記細胞活性遅延を引き起こす液体が,有機溶媒であることを特徴とする請求項4に記載の皮膚組織損傷モデル動物
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012112048A JP2013236592A (ja) | 2012-05-16 | 2012-05-16 | 動物皮膚組織損傷後の再生上皮評価のための実験用デバイスおよび実験用デバイスを用いた皮膚組織損傷モデル動物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012112048A JP2013236592A (ja) | 2012-05-16 | 2012-05-16 | 動物皮膚組織損傷後の再生上皮評価のための実験用デバイスおよび実験用デバイスを用いた皮膚組織損傷モデル動物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2013236592A true JP2013236592A (ja) | 2013-11-28 |
Family
ID=49762240
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2012112048A Pending JP2013236592A (ja) | 2012-05-16 | 2012-05-16 | 動物皮膚組織損傷後の再生上皮評価のための実験用デバイスおよび実験用デバイスを用いた皮膚組織損傷モデル動物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2013236592A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20160006858A (ko) | 2014-07-09 | 2016-01-20 | 계명대학교 산학협력단 | 만성 창상용 동물 모델 |
JP2016029890A (ja) * | 2014-07-25 | 2016-03-07 | 大日本印刷株式会社 | 拘縮防止具及び創傷治癒評価方法 |
CN109994031A (zh) * | 2019-04-25 | 2019-07-09 | 四川大学 | 一种新型研究皮肤伤口愈合的动物模型装置 |
-
2012
- 2012-05-16 JP JP2012112048A patent/JP2013236592A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20160006858A (ko) | 2014-07-09 | 2016-01-20 | 계명대학교 산학협력단 | 만성 창상용 동물 모델 |
JP2016029890A (ja) * | 2014-07-25 | 2016-03-07 | 大日本印刷株式会社 | 拘縮防止具及び創傷治癒評価方法 |
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