JP2013235458A - 検品システム、検品装置、検品方法、およびプログラム - Google Patents

検品システム、検品装置、検品方法、およびプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】検品処理を行う場合、検品センサーのデバイス特性および印刷時の網点処理に依存して、入稿画像と読み取り画像との濃度値には差異が発生する。そのため、印刷後の用紙データの濃度値の検査を正しく行えず、検品処理の品質低下を招く。
【解決手段】印刷対象の画像データから、検品の対象となる第一の領域を判定する第一の領域判定手段と、前記第一の領域における濃度値の分布の傾向を算出する第一の濃度値算出手段と、前記印刷物から読み取った画像データから、前記第一の領域判定手段にて判定した領域に対応する第二の領域を判定する第二の領域判定手段と、前記第二の領域における濃度値の分布の傾向を算出する第二の濃度値算出手段と、前記第一の濃度値算出手段にて算出した濃度値の分布の傾向と、前記第二の濃度値算出手段にて算出した濃度値の分布の傾向とを比較し、印刷品質を判定する比較手段とを備える。
【選択図】 図6

Description

本発明は、検品システム、検品装置、検品方法、およびプログラムに関する。特に印刷された用紙上の画像を読み取り、所定の印刷品位であるかどうかを判定する印刷画像の検品システムに関する。
従来、POD(Print On Demand)機等の印刷システムにおいては、印刷後の用紙などの記録媒体上に形成された画像品位が所望の品質となっているかを検査する仕組みが形成されている。この仕組みを備えるシステムは検品システムと称され、実施形態として、オフライン検品システムとインライン検品システムが存在する。オフライン検品システムは、用紙上に形成された画像データ(印刷後の用紙データ)を一度、画像形成装置の外部に出力し、別途画像品質を検査する検査装置を通す形態である。一方、インライン検品システムは、画像形成装置によって用紙上に形成された画像データを、装置内部に構成した検品センサーによって読み取り、印刷対象となる画像データ(入稿画像データ)と比較することで検品を行う形態である。
特許文献1には、入稿画像データと、検品センサーによって読み取られた画像データ(読み取り画像データ)との濃度値を比較し、画像の差異を求めることで、検品を行う形態を取っている。その際に、入稿画像データと読み取り画像データ内にある網点領域を検出し、検出された網点領域に対しては、画像の比較を行わないことが開示されている。
特開2008−219296号公報
検品処理(検品判定)を行う場合、入稿画像データと読み取り画像データとの濃度値には差異が発生する。検品システムで使用している検品センサーの読み取りに関係するデバイス特性により、読み取り画像データの画素の濃度値は、入稿画像データのそれに対応する画素の濃度値とは一致しない。これは、検品センサーで読み取られた強度と、読み取られた画素の濃度値とは線形関係とはならず、検品センサーの受光量とそれに対する電気信号の出力電圧との光電変換特性に依存するためである。
また、入稿画像データに網点部がある場合には、網点部に対する検品処理の解像度に依存して、入稿画像データの網点部の濃度と読み取り画像データの網点部の濃度値とに差異が発生する。入稿画像データの網点部のスクリーン線数が、検品センサーで読み取れる解像度を超えた高解像度の場合には、入力画像データの網点部を、正確に検品センサーで読み取ることができない。そのため、印刷時の印刷解像度特性と、検品システムの検品センサーの解像度特性との差により、読み取り画像データの濃度値は入稿画像データの濃度値と一致せず、正確な濃度値の検査を行うことが困難である。
例えば、入稿画像データ中に含まれる網点を印刷した箇所が105lpi(line per inch)のスクリーン線数で処理されたもので、検品センサーの読み取り解像度が300dpi(dot per inch)の場合を考える。この場合、検品センサーでは入稿画像データ中の網点部の印刷ドットを読み取れる箇所と読み取れない箇所が発生する。そのため、印刷時の濃度ムラや濃度不良を、入稿画像と比較して印刷品質を検査する手段がない。したがって、入稿画像データに対して、印刷後の用紙データを検査する検査品質を低下させてしまう。
上記課題を解決するために本願発明は以下の構成を有する。すなわち、画像形成装置が印刷対象の画像データを用いて印刷した印刷物を読み取り、前記印刷物の印刷品質を判定する検品装置であって、前記印刷対象の画像データから、検品の対象となる第一の領域を判定する第一の領域判定手段と、前記第一の領域における濃度値の分布の傾向を算出する第一の濃度値算出手段と、前記印刷物から読み取った画像データから、前記第一の領域判定手段にて判定した領域に対応する第二の領域を判定する第二の領域判定手段と、前記第二の領域における濃度値の分布の傾向を算出する第二の濃度値算出手段と、前記第一の濃度値算出手段にて算出した濃度値の分布の傾向と、前記第二の濃度値算出手段にて算出した濃度値の分布の傾向とを比較し、前記印刷物の印刷品質を判定する比較手段とを備える。
本発明は、印刷後の記録媒体を読み取るデバイスの特性による読み取り画像データの濃度変化の検品処理への影響を抑制しつつ、入稿画像データと読み取り画像データとを比較することで、デバイス特性に起因する検品処理精度の低下を抑制する。
システム構成図。 画像形成装置内のプリンタ制御部ブロック図。 画像形成装置内のプリンタ部内構成図。 検品装置を説明する図。 用紙の斜行検出処理アルゴリズムを説明する図。 検品処理に係る画像濃度比較部の構成図。 画像濃度比較部の制御を示すフローチャート。 検品エラー処理の制御を示すフローチャート。 画像濃度の相対比較を行う差異の画像データ構成図。 入稿画像データに対する濃度分布例を示す図。 読み取り画像データに対する濃度分布の例を示す図。 濃度比較方法を示す図。 網点領域のある画像データに対する濃度分布処理を説明するための図。 第2の実施例に係る画像濃度比較部の構成図。 第2の実施例に係る画像濃度比較部の制御を示すフローチャート。 第2の実施例に係る矩形分割する処理を示すフローチャート。 第2の実施例に係る矩形分割した際の矩形画像を説明する図。 第2の実施例に係るハーフトーン処理による濃度値範囲の決定のフローチャート。
<第1実施例>
以下、本発明を実施するための形態について図面を用いて説明する。図1は、本発明の実施形態に係る検品装置を含むシステム構成例である。画像形成装置101は、各種の入力データを処理し、印刷用出力を行う画像形成装置を示す。検品装置102は、画像形成装置101から出力される印刷物を受け取って出力内容を検査する検品装置である。
フィニッシャ103は、検品装置102で検査された印刷物を受け取るフィニッシャである。画像形成装置101は、ネットワーク104を介して外部のプリントサーバー105やクライアントPC106へと接続されている。本実施例においては画像形成、画像検品、フィニッシングまでを一貫して行うインライン検品方式に基づく装置を示している。
なお、図1に示したシステム構成は一例であり、他の構成を有していてもよい。例えば、ネットワーク104は、インターネット等の外部ネットワークを介していてもよいし、LAN(Local Area Network)などの内部ネットワークにて構成されていてもよい。また、図1において、プリントサーバー105は1台のみを示しているが、物理的に複数の装置にて構成するようにしても構わない。また、画像形成装置および連結された検品装置とフィニッシャは1台のみ示しているが、複数の画像形成装置がネットワークに接続されていてもよい。また、オフライン検品システムとして構成しても構わない。
[画像形成装置の構成]
図2を用いて画像形成装置101の構成について説明する。本実施例の画像形成装置101は以下で説明する各処理部を有し、これらの各処理部を有する画像形成装置101は、図2の画像形成装置制御部203によって統括的に制御される。図2において、入力画像処理部201は、紙原稿などをスキャナなどの画像読み取り装置で読み取り、読み取られた画像データを画像処理する。インタフェース部202は、NIC(Network Interface Card)部、およびRIP(Raster Image Processor)部により構成される。NIC部は、ネットワーク104を利用して入力された画像データ(主に、PDLデータ:Page Description Language)を受信する。また、NIC部は、画像形成装置101内部の画像データや装置情報をネットワーク104経由で外部に送信する。RIP部は、入力されたPDLデータを解読し、印刷や表示が可能なビットマップデータに展開する。
次に、入力された画像データは、画像形成装置制御部203に送られる。画像形成装置制御部203は、入力されるデータや出力するデータを制御する役割を果たし、CPU(Central Processing Unit:不図示)による制御が行われる。画像形成装置制御部203に入力された画像データは、メモリ部204に一旦格納される。格納された画像データは、一時的に保持され、必要に応じて呼び出される。出力画像処理部205は、印刷対象となる画像データに対して、ハーフトーン処理などの印刷するための画像処理を施し、プリンタ部206に送る。出力画像処理部205で処理された画像データは、検品装置102にも送信され、検品処理を行う時に使用される。
プリンタ部206では、用紙を給紙し、出力画像処理部205で作られた画像データをその用紙上に順次印刷していく。本実施例では、記録媒体のことを用紙と呼ぶが、OHPシート等でも良く、記録媒体の種類は用紙に限定されない。印刷された用紙は、検品装置102に搬送される。操作部207は、ユーザーに上記の様々なフローや機能を選択したり、検品処理の結果を確認したり、操作指示したりするためのものである。操作部207は、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)や静電容量方式等によるタッチパネルなどにより構成される。
図3は、画像形成装置101内のプリンタ部206内部のハード構成を示している。画像形成装置101は、スキャナ部301、レーザ露光部302、感光ドラム303、作像部304、定着部305、給紙/搬送部306、及び、これらを制御する図2で説明した画像形成装置制御部203により構成される。スキャナ部301は、原稿台に置かれた原稿に対して、照明を当てて原稿画像を光学的に読み取り、その像を電気信号に変換して画像データを作成する。レーザ露光部302は、画像データに応じて変調されたレーザ光などの光線を等角速度で回転する回転多面鏡(ポリゴンミラー)307に入射させ、反射走査光として感光ドラム303に照射する。
作像部304は、感光ドラム303を回転駆動し、帯電器によって帯電させ、レーザ露光部302によって感光ドラム303上に形成された潜像をトナーによって現像する。そのトナー像を用紙に転写し、その際に転写されずに感光ドラム上に残った微小トナーを回収するといった一連の電子写真プロセスの現像ユニット(現像ステーション)を4つ備えることで実現する。シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の順に並べられた4連の現像ユニットは、シアンステーションの作像開始から所定時間経過後に、マゼンタ、イエロー、ブラックの作像動作を順次実行していく。このタイミング制御によって、用紙上に色ずれのない、フルカラートナー像が転写される。本実施例は上記4色のプロセスカラーによるカラープリンタを想定しているが、これに限定されるものではなく、例えば白黒プリンタの場合にはブラックの現像ユニットのみが搭載される。
定着部305は、ローラーやベルトの組み合わせによって構成され、ハロゲンヒータなどの熱源を内蔵し、作像部304によってトナー像が転写された用紙上のトナーを、熱と圧力によって溶解、定着させる。給紙/搬送部306は、用紙カセットやペーパーデッキに代表される用紙収納庫307を一つ以上持っており、画像形成装置制御部203の指示に応じて用紙収納庫307に収納された複数の用紙の中から一枚分離し、作像部304、定着部305へ搬送する。
搬送された用紙は、前述の各現像ステーションによって、各色(各プロセスカラー)のトナー像が転写される。そして、最終的にフルカラートナー像が用紙上に形成される。また、用紙の両面に画像形成する場合は、定着部305を通過した用紙を作像部304へ搬送する搬送経路を再度通るように制御する。画像形成装置101全体を制御する画像形成装置制御部203は、図2に示した各処理部と通信し、その指示に応じて制御を実行する。また、前述のスキャナ、レーザ露光、作像、定着、給紙/搬送の各処理部の状態を管理し、全体が調和を保って円滑に動作できるよう指示を行う。
[検品装置部の内部構成]
図4(a)は、検品装置102の概略内部構成図を示している。画像形成装置101により印刷された用紙は、給紙ローラー401によって検品装置102に引き込まれる。その後、用紙は搬送ベルトA402上を搬送され、読取位置A403にて、検品センサーA404により、用紙上の画像の読み取りが行われる。印刷された用紙が、両面印刷である場合、他方の面は、読取位置B405にて、検品センサーB406で用紙上の画像の読み取りが行われる。検品センサーB406を通過した用紙は、搬送ベルトB407により搬送される。検品センサーA404および検品センサーB406により読み取られた画像データは、濃度比較部600に送られる。濃度比較部600は、検品センサーA404、および検品センサーB406から送られてきた画像データを元に、画像の濃度値を算出し、評価を行う。濃度比較部600の詳細は、図6以降の図面を用いて後述する。
濃度比較部600で評価された画像濃度結果は、検品処理部409で用紙の最終的な検品判定にて用いられる。なお、検品装置102による検品処理が完了した用紙は、排紙ローラー408から出力される。
検品処理部409は、濃度比較部600からの画像濃度結果の情報を受けて検品エラーと判定された用紙に対しては、フィニッシャ103に検品エラーの結果を通知し、フィニッシャ103にて別トレーに出力させることもできる。且つ、検品処理部409は、検品エラーと判定された用紙に対して、画像形成装置101内の画像形成装置制御部203に検品エラー結果を通知する。画像形成装置制御部203は、その検品エラー結果を受けて操作部207で検品エラーの用紙結果をユーザーに通知することもできる。
図4(b)は、搬送ベルトA402の部分を上面視した例を示す図である。ここで、検品センサーA404は、図示したように搬送されてきた用紙410の全面の画像を、読取位置A403において、ライン毎に読み取るラインセンサーである。なお、検品センサーA404は上述したラインセンサーの構成に限定されるものではなく、ディジタルカメラ等に使用されている面レベルの撮像形態であっても良い。つまり、搬送ベルトA402上を搬送されてくる画像データを読み取ることが可能な装置/機構を持つものであれば他の構成であっても良い。
用紙照明装置411は、検品センサーA404で読み取る際に用紙を照射する画像読み取り用の用紙照射装置である。用紙照射装置412は、用紙が搬送ベルトA402上を搬送される際に用紙搬送方向に対して斜行しているかどうかを読み取るための斜行検知用の用紙照射装置である。斜行検知用の用紙照射装置412が搬送される用紙に対して斜め方向から照射することで、用紙の端部の影の画像を読み取り、用紙の斜行を検知する。
検品センサーA404で読み取った印刷物の読み取り画像は、電気信号に変換され、用紙斜行補正などの補正処理が施される。ただし、検品センサーA404で変換された電気信号の強度は、検品センサーA404の受光量の強度に対する出力電圧の変換特性に依存する。
なお、本実施例において用紙斜行補正処理は以下のような手法で行う。搬送ベルトA402上を搬送される用紙に対して、斜行検知用の用紙照射装置412によって照射された際にできる用紙端部の影を検品センサーA404にて読み取り、所定の角度との差分を検出する。図5(a)を用いて、画像の斜行の検知及び判定について説明する。搬送ベルトA402上を搬送される用紙410は、用紙搬送方向に対して斜め方向且つ、搬送ベルトA402に対して上方向に配置された斜行検知用の用紙照射装置412により、照射される。照射された際に、用紙410の端部付近に用紙端部影501が発生する。
この用紙端部影501を検品センサーA404にて読み取る。読み取られた影画像は、二値化及びエッジ検出処理等を行い、影画像の傾きを検出する。この際、傾き検知に用いられる用紙端部影501は、用紙搬送方向/用紙搬送方向と直交する方向のいずれかを用いても良いし、両方を求めて平均を取るなどしても良い。傾き検知については、例えば、検品センサーA404によって読み取られた画像データを二値化及びエッジ検出処理等を行った後の画像が図5(b)のようになっていた場合、基準座標511を決定する。次に読み取り画像510上に所定の始点座標512と終点座標513を決定し、基準座標511と各座標とのそれぞれの相対座標を決定する。
読み取り画像510上において、基準座標511の座標(0,0)、始点座標512の座標(300,245)、終点座標513の座標(235,3885)である場合、始点座標512と終点座標513の傾きθ(deg)は、
である。
上記式により、用紙410は用紙搬送方向に対して時計回り方向に1.023度傾斜していると検出される。ここで、算出値が正の値である場合には用紙搬送方向に対して反時計回りに傾いており、負の値である場合には用紙搬送方向に対して時計周りに傾いていることを示す。
ここで検出された傾斜角度及び傾斜回転方向情報を用いて、検品センサーA404で読み取られた画像データ全体に対して回転処理を行う。回転処理が行われた画像データは、後段の検品処理時の比較対象データとなる。なお、上記の説明においては、搬送ベルトA402上を搬送される用紙を、検品センサーA404を用いて装置上面から読み取る場合について述べた。しかし、両面印刷時の背面の読取構成に関しても、同様である。即ち、検品センサーB406によって読み取られた画像データが後段の検品処理時の比較対象データとなる。
また、斜行の角度の検出に関しては、検品センサーA404の位置、および検品センサーB406の位置、各々で行わなくても良い。つまり、先行する検品センサーA404の位置で検出した斜行の角度を、検品センサーB406で読み取った画像データに対して適用して回転処理を行えば良い。但し、検品センサーA404と検品センサーB406の位置が、例えば、搬送ベルトA402、あるいは搬送ベルトB407を挟むように配置される場合においては、搬送中での斜行角度が変わる可能性がある。そのため、各検品センサーの位置においてそれぞれ斜行角度を検知する構成とすることが望ましい。
[検品装置における画像濃度比較処理]
図6を用いて、検品処理に関して説明する。検品装置102内にある濃度比較部600は、検品センサーA404または検品センサーB406で読み取られ、斜行補正された読み取り画像データに対して濃度評価を行う。
以下、搬送ベルトA402上を搬送される用紙を検品センサーA404によって装置上面から読み取る場合に関して、読み取られた画像の濃度評価を行う構成について説明を行う。両面印刷時の背面の読取構成に関しても同様である。即ち、この場合には検品センサーB406によって読み取られた画像データが後段の検品処理時の画像濃度を評価する比較対象データとなる。
検品装置102内の濃度比較部600の構成を図6に示す。読み取り画像領域判定部601は、検品センサーA404で読み取られた画像データに対して、検品を行う画像領域(第一の領域)の判定を行う(図7のS101)。これにより、第一の領域判定を実現する。検品センサーA404で読み取られた画像データ(読み取り画像データ)の領域全面に対して、予め検査対象の領域が決められている場合には、その検査対象の領域を、読み取り画像データから特定する。
読み取り画像領域判定部601で特定された読み取り画像データは、読み取り画像濃度値算出部603に送られ、読み取り画像濃度値算出部603にて画像濃度値が算出される(図7のS102)。これにより第一の濃度値算出を実現する。
次段の読み取り画像濃度分布部605は、先の読み取り画像濃度値算出部603で算出された画像濃度値を用いて、読み取り画像の一面の面内(主走査方向および副走査方向)の濃度分布(面内分布とも言う)を算出する(図7のS103〜S105)。なお、濃度分布を算出する場合に、読み取り画像濃度値算出部603で算出された画像濃度値をすべて用いてもよいし、サンプリングした一部の画像濃度値を用いてもよい。
続いて、リファレンス画像領域判定部602は、出力画像処理部205から出力された画像データ(入稿画像データ)を受け取り、その入稿画像データに対して検査対象の領域(第二の領域)を判定する(図7のS106)。これにより第二の領域判定を実現する。
リファレンス画像領域判定部602で判定された入稿画像データは、リファレンス画像濃度値算出部604に送られる。そして、リファレンス画像濃度値算出部604は、入稿画像データの画像濃度値を算出する(図7のS107)。これにより第二の濃度値算出を実現する。
次段のリファレンス画像濃度分布部606は、先のリファレンス画像濃度値算出部604で算出された画像濃度値を用いて、入稿画像データの一面の面内(主走査方向および副走査方向)の濃度分布(面内分布とも言う)を算出する(図7のS108〜S110)。なお、濃度分布を算出する場合に、リファレンス画像濃度値算出部604で算出された画像濃度値をすべて用いてもよいし、サンプリングした一部の画像濃度値を用いてもよい。サンプリングした画像濃度値を用いる場合、リファレンス画像濃度分布部606は、読み取り画像濃度分布部605にて用いる画像濃度値との条件が一致するように処理する。
読み取り画像データおよび入稿画像データのそれぞれから算出された面内分布は、画像濃度相対比較部607に送られる。画像濃度相対比較部607は、読み取り画像(読み取り画像データ)の面内分布と入稿画像(入稿画像データ)の面内分布とに基づいて、それぞれの画像の面内の濃度分布の分布曲線を算出し、相対的な相関を求める。この濃度分布の分布曲線のことを濃度の分布の傾向と言い換えることもできる。なお、本明細書において、各画像データにおける濃度分布の分布曲線を比較し、相対的な関係性の判定を行う処理を「相対比較」と記載する。この相対比較に係る具体的な処理については、後述する。読み取り画像の濃度分布と入稿画像の濃度分布の相関が低い場合には、相違のある濃度分布上の位置を検出し、それを検品エラーと判定し、検品処理部409に通知する(図7のS114)。
[画像濃度比較処理の制御フロー]
本実施例における検品装置102における画像濃度比較の制御フローに関して更に詳細に説明する。
図7は、検品装置102の濃度比較部600の制御を説明するフローチャートであって、この濃度比較部600で実行される。この濃度比較部600には、それぞれの処理を実行する制御ブロックと、その制御ブロックで実行されるプログラム及びプログラムで処理した画像データを格納しているROM、RAM(不図示)とを有する。このプログラムを制御ブロックにて実行することで、濃度比較部600の処理が実現される。
なお、濃度比較部600は、以下で説明する各処理の前に、入稿画像および読み取り画像の各画素位置が対応するように、位置合わせ処理を行っている。この位置合わせ処理は、各画像から抽出されるエッジ位置を合わせるなど、公知の方法によって行われる。
検品装置102を操作するユーザーにより、操作部207を介して検品実行が指示されると、濃度比較部600の各処理部は検品処理を開始する。検品処理を行う読み取り画像データの検品領域の判定を、読み取り画像領域判定部601にて行う(S101)。
次に、S101で判定された画像領域に対して、読み取り画像データの濃度値の算出を読み取り画像濃度値算出部603にて実行する(S102)。ここで、検品センサーA404は、読み取り画像データに対して1画素単位もしくは注目する画素を中心とした複数画素で構成される矩形単位での濃度値を電気信号に変換する。この処理について以下で説明する。
読み取り画像濃度値算出部603は、用紙に対して主走査の各画素位置もしくは先の複数画素で構成される矩形位置に対する濃度値を算出する。ここで算出される濃度値は、例えば、0〜255の256段階の値をもち、濃度に応じた数値が割り当てられる。S102では、読み取り画像濃度値算出部603は、主走査方向における各画素位置もしくは先の複数画素で構成される矩形位置に対する濃度値を算出する。
次に、S102にて取得された各画素位置もしくは先の複数画素で構成される矩形位置に対する濃度値に基づいて、読み取り画像濃度分布部605で読み取り画像の用紙に対して主走査方向のラインにおける濃度値の分布を求める(S103)。S102で取得された濃度値を元に主走査方向のラインに対する濃度分布が算出された後、読み取り画像濃度値算出部603は次のラインに対する濃度分布を算出するために次のラインに遷移する(S104)。そして、濃度比較部600は、S102〜S104の処理を読み取り画像データの検査対象の領域全て(主走査方向および副走査方向)の濃度分布を抽出するまで繰り返す(S105にてNO)。上記の処理により、濃度比較部600は、読み取り画像データの検査対象の領域面内の濃度分布を算出することができる。
読み取り画像に対する濃度分布の算出が終了した後(S105にてYES)、リファレンス画像領域判定部602にて入稿画像データに対する濃度分布の算出を行う(S106)。入稿画像データに対しても先の読み取り画像データの濃度値算出と同様に処理を行う。まず、リファレンス画像領域判定部602は、入稿画像に対して検品処理を行う検品領域の判定を行う。次に、S106で判定された画像領域に対し、入稿画像データの濃度値の算出をリファレンス画像濃度値算出部604にて実行する(S107)。読み取り画像データに対する濃度値の算出方法と同様に、リファレンス画像濃度値算出部604は、1画素単位もしくは注目する画素を中心とした複数画素で構成される矩形単位での濃度値を算出する。
ただし、本実施例において、1画素単位もしくは注目する画素を中心とした複数画素で構成される矩形単位の濃度値算出の選択は、読み取り画像に対しての濃度値の算出方法と同じ単位面積(サイズ)を選択する。
S107にて取得された各画素位置もしくは先の複数画素で構成される矩形位置に対する濃度値に基づき、リファレンス画像濃度分布部606は、入稿画像の用紙における主走査方向のラインにおける濃度値の分布を求める(S108)。S107で取得された濃度値を元に主走査方向のラインに対する濃度分布が算出された後、リファレンス画像濃度分布部606は次のラインに対する濃度分布を算出するために次のラインに遷移する(S109)。そして、濃度比較部600は、S107〜S109の処理を入稿画像データの検査対象の領域全ての濃度分布を抽出するまで繰り返す(S110にてNO)。以上の処理により、濃度比較部600は、入稿画像データの検査対象の領域における領域面内の濃度分布を算出することができる。
リファレンス画像に対する濃度分布の算出が完了した後(S110にてYES)、画像濃度相対比較部607は、算出した濃度値の分布に対して、相対比較を行う。(S111)。ここで画像濃度相対比較部607は、読み取り画像における一面の濃度分布の結果と入稿画像における一面の濃度分布とから、一面内の各画素位置に対する周辺画素の濃度値の分布傾向が、類似しているか否かを判定する。すなわち、画像濃度相対比較部607は、入稿画像データおよび読み取り画像データの面内の濃度分布の分布傾向に差異がある(類似性が低い)か否かを判定する。例えば、入稿画像と読み取り画像において、同じ位置にある注目画素に対し、主走査方向にて右に位置する画素(周辺画素)の濃度値の大小関係(増減関係)を求める。そして、入稿画像と読み取り画像との間で濃度値の分布を比較した場合に、濃度値の分布傾向に差異があれば、相対的に画像差異があると判定できる。この濃度分布の類似性の判定については、図11を用いてより詳細に説明する。
注目画素を濃度分布の一面分において順次シフトしながら周辺画素の大小関係を比較していくことで、一面の濃度分布を相対的に比較する。なお、本実施例においては、濃度分布の相対比較方法を限定せず、入稿画像と読み取り画像とにおける各画素の濃度分布の相対的な差異を判定できれば良い。
比較の結果、面内の濃度分布の類似性が低い場合には(S112にてYES)、画像濃度相対比較部607は、類似性が低いと判定された画素位置の情報と、検品エラーの判定情報を画像形成装置101及びフィニッシャ103に出力する(S114)。検品エラー処理に関しては、図8を用いて後述する。比較の結果、濃度分布の類似性が高い場合には(S112にてNO)、画像濃度相対比較部607は、読み取り画像は良好に印刷されたと判定し、次の画像データの濃度比較の処理に移る(S113にてYES)。次の濃度比較する画像データが無い場合には(S113にてNO)、画像濃度相対比較部607は、検品処理が終了したものと判定し、画像濃度比較の処理を終了する。
濃度分布の類似性が低いと判定された場合には(S112にてYES)、検品処理部409にて、検品エラー処理が実行される(S114)。検品エラー処理の実行後、濃度比較部600は、検品処理を再開するか否かの判定情報を出力画像処理部205より受け取る(S115)。検品処理の再開をしない場合(S115にてNO)、検品処理を終了する。検品処理を再開する場合(S115にてYES)、S101の処理に移行し、濃度比較部600は、画像濃度の比較の処理を再開する。
なお、読み取り画像データに対する濃度値の分布を算出する処理(S101〜S105)と、入稿画像データに対する濃度値の分布を算出する処理(S106〜S110)とは、いずれを先に実行しても構わないし、並行して行っても構わない。
図7のS114における検品エラー処理について、図8を用いて説明する。本処理は、検品処理部409にて実行される。検品処理部409は、検品エラーの時の検品エラー時の画像情報の内容を画像濃度相対比較部607より取得する(S201)。このとき、取得した画像情報の中には、相対比較した結果、類似性が低いと判定された画像位置、濃度値の情報が含まれる。
次に、検品処理部409は、検品エラーの画像情報と共に検品エラーが発生したことを出力画像処理部205及びフィニッシャ103に出力する(S202)。その後、検品処理部409は、その検品エラー結果に対して検品処理の実行命令を待つ(S203)。出力画像処理部205はS114において画像濃度相対比較部607から受信した検品エラーの判定情報に基づいて実行命令を送信するか否かを判定し、この判定の結果に応じて検品の実行命令を送信する。そして、その検品処理の実行命令に従って、検品処理部409は検品を実行するか、終了するかを判定する。検品処理部409は、検品処理の実行命令を受けた後、検品エラー処理を終了させる。
[画像濃度の相対比較の説明]
次に、上記、検品処理を入稿画像データ、読み取り画像データを用いて説明する。図9(a)は、入稿画像データ701を示している。図9(a)において、入稿画像データ701は、テキスト文書(テキストオブジェクト)702と図形(グラフィックオブジェクト)703とにより構成されている。検品センサーA404によって、読み取られた読み取り画像データ704を図9(b)に示す。図9(b)において、テキスト文書705はテキスト文書702に対応する読み取り画像データであり、図形706はグラフィックオブジェクト703に対応する読み取り画像データである。なお、印刷不良部分707は、印刷時に用紙に付着した印刷の不良部分を示すものとする。
検品処理は、入稿画像データ701と検品センサーA404による読み取り画像データ704との比較を行う処理である。したがって、入稿画像データ701と読み取り画像データ704との比較処理を行う。図9に示す例において、入稿画像データ701に存在しないデータは印刷不良部分707である。したがって、入稿画像データ701と読み取り画像データ704との差分画像データは図9(c)になる。
入稿画像データ701に対して、リファレンス画像濃度分布部606のS107〜S110の処理で算出した濃度分布のうち、主走査ラインAに対する濃度分布を図10に示す。同様に、読み取り画像データ704に対して、読み取り画像濃度分布部605のS102〜S105の処理で算出した濃度分布のうち、先の入稿画像データ701と同じ主走査ラインAの位置に対する濃度分布を図11に示す。
図10および図11それぞれに示す注目画素に対し、入稿画像データ701と読み取り画像データ704それぞれで注目画素とその隣接画素の濃度値の大小関係を比較していくことで各画像データ間の濃度分布の比較を行う。
図12(a)は、入稿画像データ701の注目画素に対して主走査方向に8画素分の濃度値の比較を示した例を示す。ここでは、注目画素を画素Aとし、左から画素B、画素Cと並び、8画素目が画素Hとする。例えば、画素Aに対しての濃度比較の判定は、画素Aと画素Bの濃度大小関係を見て、隣接する画素Bの方が大きければ“+”に、小さければ“−”にフラグを立てる。このとき、差異が無ければ、“0”とする。
次に、画素Bを注目画素とし、画素Bと画素Cの濃度値の大小関係を見て、同様にフラグを立てる。図12(b)のフラグ結果に例を示す。読み取り画像データ704に対しても同様の処理を行う。図12(c)のフラグ結果に例を示す。この各画素に対するフラグの結果を図12(b)と図12(c)とで比較し、対応する画素において不一致が存在すれば、その画素が不良画素であると判定される。図12に示す例では、画素Dが不一致と判定される。この画素Dが、図9(b)における印刷不良部分707に相当する。
ここで、入稿画像データ701と読み取り画像データ704との間において大小関係が一致しない画素位置がある場合には、画像の濃度値の分布に異常があると判定し、検品エラーとする。これはすなわち、相対比較の結果、入稿画像と読み取り画像との面内の濃度分布の類似性が低いと判定されたことになる(S112でYESに相当)。大小関係が一致していれば、検品エラーと判定しない。これはすなわち、相対比較の結果、入稿画像と読み取り画像の面内の濃度分布の類似性が高いと判定されたことになる(S112でNOに相当)。
以上により、入稿画像データの印刷濃度を濃度分布で評価することで、用紙上の画像の良否の検品処理において、読み取り光の強度などの読み取りデバイスの特性の影響を抑えて検品することができる。なお、本実施例においては、読み取り画像データおよび入稿画像データの濃度値からそれぞれの濃度分布を算出したが、写真やグラフィックオブジェクトなどの網点領域を考慮して、それぞれの画像データ一面の濃度値を平滑化したうえで濃度分布を算出してもよい。或いは網点領域のみを平滑化して網点を潰したうえで濃度分布を算出してもよい。またこの平滑化は、網点領域を複数の矩形領域に分割したうえで各矩形領域の平均濃度値を各矩形領域内の濃度値として用いることで濃度分布を算出してもよい。矩形領域への分割を行う際には本実施例の濃度比較部600は、網点領域を複数の矩形領域に分割する手段を有し、この手段によって網点領域の画像を分割することとなる。
<第2実施例>
以下、本発明を実施するための第2実施例について説明する。第1実施例は、入稿画像データと読み取り画像データとの濃度分布を濃度値の大小関係に基づく分布傾向を用いて相対的に比較することで、検品するものである。これに対し、第2実施例では、その中で、特に画像内に、写真やグラフィックオブジェクトなどの網点画像の領域があった場合に、その網点画像を領域分割し、その分割した領域ごとに濃度分布の比較を行うことで検品する。
なお、本実施例では、説明を簡単に行うために、画像形成装置101の印刷後の用紙データは、片面のみの印刷とする。なお、印刷後の用紙に両面印刷されている構成でも構わない。その場合、裏面の印刷後の用紙データに対しては、検品センサーB406からの読み取り画像データとして、表面の印刷後の用紙データと同様の処理を行う。また、第1実施例と重複する個所については、説明を省略する。
[網点領域での濃度値の差異についての説明]
網点領域を含む画像に対しての濃度分布の算出方法に関して説明する。図13(a)にハーフトーン処理によって生成される網点領域を含む入稿画像データ801を示す。図13(a)に示す網点領域は、画像形成装置101における出力画像処理部205の処理によって、印刷された後の画像データの網点領域の濃度は異なってくる。これは、出力画像処理部205にて、網点領域の画像へハーフトーン処理を行っており、ハーフトーン処理のスクリーン線数によって網点のドットの再現性が異なるからである。ハーフトーン処理により、スクリーン線数が低い低線数ディザマトリクス(例えば100lpi)を用いて処理された場合には、網点領域の画像のドット間隔およびドット形状は大きくなる。そのため、ドットは安定的に形成される。
一方でハーフトーン処理においてスクリーン線数が高い高線数ディザマトリクス(例えば200lpi)を用いて処理された場合には、網点領域の画像のドット間隔およびドット形状は低線数ディザマトリクスに比べ小さくなる。そのため、高線数ディザマトリクスを用いて生成されるドットの安定性は、低線数ディザマトリクスを用いて生成されるドットよりも低く、濃度も小さくなる。また、ハーフトーン処理のスクリーン線数によってドット間隔が異なるため、検品センサーA404の読み取り位相によってはドットが読み取られたり読み取られなかったりして、読み取られる画素の濃度値は異なってくる。
また、検品センサーA404で読み取ることが可能な画素の解像度と印刷処理される印刷解像度とが異なる場合、解像度の違いが原因で、読み取り画像データの画素の濃度値と入稿画像データの画素の濃度値が大きく異なることがある。例えば、検品センサーA404で読み取られる解像度は300dpiで、印刷解像度が1200dpiの場合には、300dpiの読み取り画像データから算出した画素毎の濃度値は、1200dpiの入稿画像データから算出した画素毎の濃度値と大きく異なることがある。
これらの場合に、第1実施例の検品装置では、特に網点領域の画像に関して、読み取り画像データと入稿画像データの濃度分布を適切に相対比較することができずに誤判定してしまう可能性がある。
[網点領域に対する濃度値の比較方法]
そこで、入稿画像データと読み取り画像データとの比較において、網点領域以外の画像に対して第1実施例のように相対比較を行い、網点領域の画像に対して網点を平滑化した上で入稿画像データの画素と読み取り画像データの画素との濃度値の比較を行う。この網点領域に対する入稿画像データと読み取り画像データとの濃度値の比較方法の概要について以下で説明する。
図13(b)に入稿画像データの網点領域に対して、矩形に分割した例を示す。この分割する矩形の大きさは入稿画像データおよび読み取り画像データにおいて同じにする。つまり、入稿画像データと読み取り画像データとの対応する位置にある矩形は、同じ大きさにする必要がある。図13(c)に、図13(b)の分割した入稿画像データの各矩形に対して、矩形それぞれの平均濃度値を算出した結果の画像例を示す。同様に、読み取り画像データの各矩形に対して、矩形それぞれの平均濃度を算出する。
図13(d)は、入稿画像データの網点領域における、それぞれの矩形とそれぞれの矩形の平均濃度値を示したテーブルである。また、図13(e)は、読み取り画像データの網点領域における、それぞれの矩形とそれぞれの矩形の平均濃度値を示したテーブルである。
次に入稿画像データの注目矩形の平均濃度値と、対応する読み取り画像データの矩形の平均濃度値とを比較する。この平均濃度値の比較処理は、後述するように、ハーフトーン処理のスクリーン線数に基づく許容誤差の範囲を考慮した処理である。例えばスクリーン処理に高線数スクリーンが用いられた場合、読み取り画像データにおいて平均濃度値が小さくなりやすいので、読み取り画像データの平均濃度値に対して許容誤差をオフセットした値と、入稿画像データの平均濃度値とを比較する。そして比較の結果、許容誤差の範囲を考慮したうえでも平均濃度値の差が有意であると判定された場合、その矩形領域は検品エラーであるとみなされる。平均濃度値の差が有意であるか否かは平均濃度値の差が閾値より大きいか否かで判定される。
ハーフトーン処理に高線数スクリーンが用いられた場合にスクリーン線数による許容誤差が考慮されない比較処理について図13(d)の矩形領域Aを例にとって説明する。なお説明を簡潔にするためここでの許容誤差のオフセット値は「4」、閾値は「6」として説明する。例えば、入稿画像データの平均濃度値「128」と読み取り画像データの平均濃度値「120」との差分は「8」となる。この差分「8」は、閾値「6」を超えているため、人間の見た目には問題ない場合であっても、平均濃度値の差が有意であると判定されて検品エラーであるとみなされる。一方、比較処理にスクリーン線数による誤差が考慮される場合、読み取り画像データの平均濃度値「120」にオフセット値「4」が加算される。そしてこの加算後の値「124」と、入稿画像データの平均濃度値「128」とが比較され、差分「4」が求められる。そしてこの差分「4」は、閾値「6」よりも小さいため、平均濃度値の差は有意でないと判定されて検品エラーではないと判定される。
このように、ハーフトーン処理のスクリーン線数を考慮して濃度値の比較を行うので、スクリーン線数の違いに起因した検品エラーの誤判定を抑制できる。なお、上記において許容誤差のオフセット値は低線数スクリーンの場合は高線数スクリーンのものとは異なった値となる。また、許容誤差のオフセット値および閾値は、経験的に求められてもよいし、所定の算出式にて求めるようにしても構わない。矩形領域は矩形の大きさによって、平均濃度値の精度は異なってくるが、濃度比較の処理速度、検品センサーA404での読み取り解像度、印刷解像度等によって、適切な矩形サイズ(面積)に分割してもよい。例えば、プリンタ部206で実行される印刷解像度の情報を読み取り、その情報に従って、矩形サイズを決定するようにしてもよい。
[検品装置における網点領域の画像濃度比較処理]
図13(a)の網点領域に対する濃度分布の比較は、検品装置102内の濃度比較部600にて行う。第2実施例における濃度比較部600の構成を図14に示す。読み取り画像領域判定部1101は、検品センサーA404で読み取られた画像データに対して、検品を行う画像領域の判定と、網点領域の判定を行う(図15のS1101)。検品センサーA404で読み取られた画像データ領域全面に対して、予め検査対象の領域が決められている場合や、網点処理された画像領域など、その検査対象の領域を、読み取り画像データから特定する。
同様に、リファレンス画像領域判定部1102は、出力画像処理部205から出力された画像データ(入稿画像データ)を受け取り、その入稿画像データに対して検査対象の領域を判定する(図15のS1107)。
ここでは、特に、網点領域と判定された画像領域に対して濃度値の比較を行う例を説明する。
次に、読み取り画像領域判定部1101で判定された読み取り画像データは、読み取り画像矩形分割部1103に送られ、そこで検査対象と判定された網点領域を矩形に分割する(図15のS1102)。ここでは、矩形は一定サイズで分割され、サイズは検品センサーA404で読み取られる解像度の情報とプリンタ部206の印刷解像度の情報とから決定される。矩形の分割処理に関しては、図16を用いて後述する。
読み取り画像矩形分割部1103で分割された画像領域に対して、読み取り画像濃度値算出部1105にて、矩形に対する平均濃度値が算出される。それぞれの矩形に対して算出した平均濃度値を用いて、次段の読み取り画像濃度分布部1107は、読み取り画像の網点領域に対する面内の濃度分布を算出する(図15のS1103〜S1106)。なお、ここで、読み取り画像濃度値算出部1105にて算出された平均濃度値をすべて用いて濃度分布を求めてもよいし、サンプリングした一部の平均濃度値を用いてもよい。
同様に、リファレンス画像領域判定部1102で判定された入稿画像データは、リファレンス画像矩形分割部1104に送られ、そこで検査対象と判定された網点領域が矩形に分割される(図15のS1107〜S1108)。
そして、リファレンス画像矩形分割部1104にて分割された矩形領域それぞれに対して、リファレンス画像濃度値算出部1106にて、矩形に対する平均濃度値が算出される。次段のリファレンス画像濃度分布部1108は、それぞれの矩形に対して算出した平均濃度値を用いて、リファレンス画像の網点領域に対する面内の濃度分布を算出する(図15のS1109〜S1112)。
読み取り画像データおよび入稿画像データに対して算出されたそれぞれの濃度分布の結果は、画像濃度相対比較部1109に送られる。そして、画像濃度相対比較部1109は、読み取り画像データの濃度分布と入稿画像データの濃度分布の結果から、ぞれぞれの画像データの平均濃度値の比較を行うことで、濃度分布の相関を求める(図15のS1113)。読み取り画像データの平均濃度値と入稿画像データの平均濃度値との差が有意である場合には、濃度分布の相関がとれないとして、画像濃度相対比較部1109は、差が有意である矩形領域の位置を検出する。そして、画像濃度相対比較部1109は、検出した位置について、検品エラーと判定し、検品処理部409に通知する(図15のS1115)。
なお、平均濃度値の比較を行う際には、出力画像処理部205でのハーフトーン処理のスクリーン線数情報に基づいて、矩形に対する平均濃度値の比較範囲(誤差範囲)を設ける。この矩形に対する平均濃度値の比較範囲内であれば、濃度分布の相関が取れていると判断する。この矩形に対する平均濃度値の比較範囲の設ける処理に関しては、図18を用いて後述する。
[網点領域に対する濃度値の比較制御フロー]
次に、先に説明した網点領域に対する平均濃度値の比較制御に関して説明する。
図15は、検品装置102の濃度比較部600の制御フローを説明するフローチャートである。濃度比較部600には、それぞれの処理を実行する制御ブロックと、制御ブロックで実行されるプログラム及びプログラムで処理した画像データを格納しているROM、RAMを有する。このプログラムを制御ブロックから実行することで、濃度比較部600の処理が実現される。
検品装置102を操作するユーザーにより、操作部207を介して検品の指示が行われると、濃度比較部600の処理部は検品処理を開始する。検品処理を行う読み取り画像データの検品領域の判定を、読み取り画像領域判定部1101にて行う(S1101)。ここでは、網点領域が検品領域に相当する。次に、検品領域として判定された網点領域に対し、読み取り画像矩形分割部1103にて所定サイズの矩形に分割する(S1102)。矩形分割の処理については、図16を用いて詳述する。
分割処理が終了した後、読み取り画像濃度値算出部1105にて、分割された矩形毎に、読み取り画像データの平均濃度値の算出を行う(S1103)。算出した平均濃度値は、例えば、0〜255の256段階の値をもち、濃度の強度に応じた数値が割り当てられる。S1103で算出する平均濃度値は、S1102で分割された矩形領域にある画素の濃度値を用いて、その濃度値を矩形領域内にある画素数で割った値を平均濃度値として計算する。ここで平均濃度値を算出する際に用いられる濃度値は、算出された値すべてを用いてもよいし、サンプリングした一部の濃度値を用いてもよい。
次に、S1103で算出した平均濃度値を元に、読み取り画像濃度分布部1107にて、読み取り画像の網点領域一面に対する矩形毎の平均濃度値の分布を算出する。ここでは、読み取り画像濃度分布部1107は、S1103で算出した各矩形の平均濃度値を用い、読み取り画像に含まれる矩形領域の主走査方向のラインそれぞれに対して算出する(S1104)。主走査方向のラインの平均濃度値の分布の算出が完了したら、読み取り画像濃度分布部1107は、さらに次の矩形領域における主走査方向のラインの平均濃度値の分布を算出するために、次の矩形領域へ遷移する(S1105)。そして、読み取り画像濃度分布部1107は、着目矩形領域における濃度分布の処理が完了したら、未処理の分割された矩形領域に対象を移す。そして読み取り画像濃度分布部1107は、全ての矩形領域における濃度分布を求めて、読み取り画像データの網点領域一面の濃度分布を算出するまでS1103〜S1105を繰り返す(S1106にてNO)。
読み取り画像一面内において未処理の網点領域が無い場合には(S1106にてYES)、読み取り画像一面内での、網点領域での濃度分布算出の処理は終了し、入力画像データに対する濃度分布算出の処理に移る。
入稿画像データに対する濃度分布の算出のフローを説明する。入稿画像データに対しても読み取り画像の濃度値算出と同様に、まず、入稿画像データに対して検品処理の対象となる検品領域の判定を、リファレンス画像領域判定部1102にて行う(S1107)。ここでは、網点領域が検品領域に相当する。次に、リファレンス画像矩形分割部1104にて、検品領域を所定サイズの矩形に分割する(S1108)。ここでの処理は、読み取り画像に対する分割処理と同等であり、また、分割サイズも同じである。
分割処理が終了した後、リファレンス画像濃度値算出部1106にて、分割された矩形毎に、入稿画像データの平均濃度値の算出を行う(S1109)。算出した平均濃度値は、例えば、0〜255の256段階の値をもち、濃度の強度に応じた数値が割り当てられる。S1109で算出する平均濃度値は、S1108で分割処理された矩形領域にある画素の濃度値を用いて、その濃度値を矩形領域内にある画素数で割った値を平均濃度値として計算される。ここで、読み取り画像データと同様に、平均濃度値を算出する際に用いられる濃度値は、算出された値すべてを用いてもよいし、サンプリングした一部の濃度値を用いてもよい。このとき、読み取り画像データと対応するように処理する必要がある。
次に、S1109で算出した平均濃度値を元に、リファレンス画像濃度分布部1108にて、入稿画像の網点領域一面に対する矩形毎の平均濃度値の分布を算出する。ここでは、リファレンス画像濃度分布部1108は、S1109で算出した各矩形の平均濃度値を用い、入稿画像データに含まれる矩形領域の主走査方向のラインそれぞれに対して算出する(S1110)。主走査方向のラインの平均濃度値の分布の算出が完了したら、リファレンス画像濃度分布部1108は、さらに次の矩形領域における主走査方向のラインの平均濃度値の分布を算出するために、次の矩形領域へ遷移する(S1111)。そして、リファレンス画像濃度分布部1108は、着目矩形領域における濃度分布の処理が完了したら、未処理の分割された矩形領域に対象を移す。そして読み取り画像濃度分布部1107は、全ての矩形領域における濃度分布を求め、入稿画像データの網点領域一面の濃度分布を算出するまでS1109〜S1111を繰り返す(S1112にてNO)。
入稿画像一面内において未処理の網点領域が無い場合には(S1112にてYES)、入稿画像一面内での、網点領域での濃度分布算出の処理は終了し、濃度分布比較の処理に移る。読み取り画像データ及び入稿画像データに対して算出した網点領域の平均濃度値の比較を画像濃度相対比較部1109で行う(S1113)。
画像濃度相対比較部1109は、先の読み取り画像データにおける網点領域の濃度分布結果と入稿画像データの網点領域の濃度分布結果とを取得し、対応する網点領域内の矩形毎の平均濃度値を比較する。なお、第1実施例で説明した相対比較を、上記で求めた読み取り画像データおよび入稿画像データにおける網点領域の濃度分布に対して行い、検品エラーと判定された箇所について、S1113の平均濃度値の比較処理を行ってもよい。矩形毎の平均濃度値の比較は、前述のようにハーフトーン処理のスクリーン線数を考慮する。
比較の結果、平均濃度値の差が有意である場合には(S1114にてYES)、画像濃度相対比較部1109は、差異のあった矩形位置の情報と、検品エラーの判定情報を出力し、検品エラー処理を開始する(S1115)。S1115での検品エラー処理は、検品処理部409にて開始される。検品エラー処理については、第1実施例にて述べた図8の処理と同じであるため、説明を省略する。
検品エラー処理が実行された後、濃度比較部600は、検品処理を再開するか否かの判定情報を出力画像処理部205より受け取る。そして、検品処理の再開がない場合には(S1116にてNO)、検品処理を終了する。検品処理が再開の場合には(S1116にてYES)、S1101に移行し、濃度比較部600は、画像濃度の比較の処理を再開する。この場合の処理に関しては、図8に示すような第1実施例と同様の処理となる。
S1114で比較した結果、平均濃度値の差が有意でない場合には(S1114にてNO)、画像濃度相対比較部1109は、当該網点領域における印刷品質には問題がないと判定し、未処理の網点領域があるかを確認する(S1117)。未処理の網点領域がある場合には(S1117にてYES)、S1101へ戻り、処理を継続する。未処理の網点領域が無い場合には(S1117にてNO)、次に濃度比較を行う画像データがあるかを確認する(S1118)。次の濃度比較する画像データが無い場合には(S1118にてNO)、画像濃度相対比較部1109は検品処理が終了したものと判定し、本処理フローを終了する。次の画像データがある場合には(S1118にてYES)、S1101に戻り処理を継続する。
[網点領域に対する矩形分割のサイズ判定]
読み取り画像矩形分割部1103およびリファレンス画像矩形分割部1104で実行される網点領域に対する矩形の分割処理における矩形のサイズ判定について説明する。
読み取り画像矩形分割部1103およびリファレンス画像矩形分割部1104では、網点領域に対して、一定のサイズで矩形分割を行う。予め、検出された網点領域のサイズに応じた矩形サイズを規定しておく。網点領域のサイズの所定の範囲毎に、それに対する矩形サイズを定めておく。矩形サイズは、網点領域に対して、濃度分布比較を処理する処理方法によって定める。
例えば、濃度比較部600内の画像濃度比較の処理が最大32並列で処理が可能である構成の場合、網点領域に対して、32分割した矩形を定めることで、濃度比較部600内の処理速度を高速化することも可能である。ただし、矩形のサイズは、検品センサーA404で読み取られる解像度の情報に基づいて、分割された矩形内に検品センサーA404で読み取った複数の画素が存在することのできるサイズ以上となるように決定する。且つ、矩形のサイズは、プリンタ部206の印刷解像度の情報に基づき、低解像度での印刷処理における矩形サイズの方が、高解像度の印刷処理における矩形サイズより大きくなるように決定する。
読み取り画像矩形分割部1103およびリファレンス画像矩形分割部1104で実行される網点領域に対する矩形の分割処理フローを図16に示す。以下、処理の主体を便宜上、まとめて画像矩形分割部と記載する。
S2001で、画像矩形分割部は、矩形分割する対象の網点領域のサイズを特定する。次に、画像矩形分割部は、特定された網点領域のサイズに対して、予め規定した矩形サイズを選択する(S2002)。そして、画像矩形分割部は、選択した矩形サイズで、対象の網点領域を左端から等矩形サイズで分割していく(S2003)。このとき、網点領域を全て含む形で、矩形分割する。なお、矩形分割した際に、網点領域を超えた画素が存在する場合には、網点領域を超えた領域の画素も含めて、その矩形内の画素として扱う。
画像矩形分割部は、読み取り画像データ及び入稿画像データ内に存在する網点領域に対して全て矩形分割が終了したかを判定する(S2004)。対象の網点領域に対して、矩形分割が終了すると(S2004にてNO)、画像矩形分割部は、矩形分割処理を終了する。矩形分割を行う網点領域が残っていれば(S2004にてYES)、S2001に戻り、画像矩形分割部は、処理を繰り返す。
分割した矩形内において、網点領域を超えた領域の画素が含まれる場合の例を図17に示す。この場合、図17内の網点領域2000に対して矩形2001内の画素には、網点でない画像領域2002も含まれる。網点領域のサイズによっては、この例のように網点領域のみ含む矩形で分割できない場合がある。上述したように、網点領域に対する分割のサイズは、解像度の情報などによって決定される。
[網点領域の平均濃度値の範囲の決定処理]
平均濃度値の比較(S1113)を画像濃度相対比較部1109にて行う際に、出力画像処理部205でのハーフトーン処理のスクリーン線数の情報から、対象の矩形に対する平均濃度値の比較範囲を設ける。ハーフトーン処理内のスクリーン線数によって、網点領域の画素のドット形状が異なってくる。ドット形状は、スクリーン線数に応じて、印刷時のドットの大きさも異なり、ドットの打たれる間隔(画素ドット間の距離)も異なる。その結果、矩形領域に対する平均濃度値は、矩形領域内に存在する画素のドットの数やドットの間隔によって異なってくる。
そのため、検品センサーA404および検品センサーB406で予め決められた解像度で読み取られた読み取り画像データと、スクリーン線数によって画素ドット形状の異なる入稿画像データとの矩形内の平均濃度値に差が出てしまう。つまり、出力画像処理部205にて実行されるハーフトーン処理のスクリーン線数によって、矩形の平均濃度値が異なり、濃度比較が適切にできない。
画像形成装置101の機能に応じて出力画像処理部205で実行されるハーフトーン処理のスクリーン線数が、予め複数用意され、その中でハーフトーン処理の内容に応じて1つのスクリーン線数が選択される。出力画像処理部205で選択されたスクリーン線数の情報から、読み取り画像データの濃度値の取りうる範囲が算出できる。この幅のある読み取り画像データの平均濃度値と入稿画像データの平均濃度値とを比較する。
図18にハーフトーン処理にて用いられたスクリーン線数の情報からの平均濃度値の範囲を判定するフローを示す。この平均濃度値の範囲を判定する処理は、画像濃度相対比較部1109にて実行される。
画像濃度相対比較部1109は、出力画像処理部205で選択されるスクリーン線数の情報を取得し、いずれのスクリーン線数が用いられたか判定する(S3001)。画像濃度相対比較部1109は、読み取り画像矩形分割部1103及びリファレンス画像矩形分割部1104にて決定された矩形サイズの情報を取得する(S3002)。画像濃度相対比較部1109は、検品センサーで読み取られる解像度と、S3002にて決定された矩形のサイズの情報とを元に、S3001で選択されたスクリーン線数で印刷した際に読み取られる画素の濃度値の誤差の範囲を決定する(S3003)。ここで、矩形ごとに異なる誤差の範囲が決定されることとなる。
例えば、スクリーン線数に応じて、矩形領域に対して検品センサーで読み取られる画素数が10%多く(もしくは少なく)取得される可能性があるとする。この場合には、画像濃度相対比較部1109は、着目矩形領域の平均濃度値に対して±10%の範囲を有するように誤差の範囲を決定する。
次に、画像濃度相対比較部1109は、他の未処理の矩形領域が存在するかを判定する(S3004)。矩形領域が存在すれば(S3004にてYES)、画像濃度相対比較部1109は、S3001〜S3003の処理を繰り返す。全ての網点領域の矩形に対しての濃度値の誤差範囲が決定された後(S3004にてNO)、画像濃度相対比較部1109は、処理を終了する。
例えば、ハーフトーン処理でのスクリーン線数が175lpiである場合、そのスクリーン線数(175lpi)での読み取り画像データの濃度値を基準値に定める。もし、ハーフトーン処理のスクリーン線数が200lpiで印刷された場合には、矩形に対する平均濃度値の基準値に対して誤差の範囲を±10%と定め、その範囲を矩形に対する平均濃度値の範囲とする。そして、読み取り画像データに対して矩形の平均濃度値を算出し、その算出された平均濃度値に対して、±10%の範囲を含めた値を平均濃度値として、入稿画像データとの濃度分布の比較を行う。
上記処理により、読み取り画像データの各矩形領域に対する平均濃度値に幅を持たせる。これにより、ハーフトーン処理時のスクリーン線数に起因する平均値の誤差によって生じる入稿画像データとの分布傾向の判定に対する誤った結果を防止する。以上により、印刷時の品質評価を行える検品処理を提供する。
なお、本実施例においては、扱う色(プロセスカラー)の数に関係なく、1の矩形における平均濃度値に対して、誤差の範囲を設けた。しかし、複数の色を扱う画像形成装置においては、各矩形領域にて出力される各色に対して平均濃度値を求め、さらに各色の平均濃度値それぞれに対して誤差の範囲を算出するようにしてもよい。これにより、さらに検品処理の精度を向上させることができる。
また、本実施例においては、誤差の範囲をスクリーン線数と矩形領域のサイズとから決定しているが、画像形成装置のユーザーにより、誤差の範囲(例えば、±20%)を指定するように構成してもよい。
また、読み取り画像データに対して画像形成装置内で実行されたハーフトーン処理の種類に応じて、エラーとみなす範囲を変更してもよい。
また、印刷処理の解像度に応じて、矩形領域の分割数を決定してもよい。このとき、解像度が大きくなった場合には、分割数を増やすことが考えられる。また、画像形成装置の動作モードに応じて領域の分割数を決定してもよい。また、読み取りデバイス(検品センサー)の特性(例えば、解像度)に応じて領域の分割数を決定してもよい。
<その他の実施形態>
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。

Claims (13)

  1. 画像形成装置が印刷対象の画像データを用いて印刷した印刷物を読み取り、前記印刷物の印刷品質を判定する検品装置であって、
    前記印刷対象の画像データから、検品の対象となる第一の領域を判定する第一の領域判定手段と、
    前記第一の領域における濃度値の分布の傾向を算出する第一の濃度値算出手段と、
    前記印刷物から読み取った画像データから、前記第一の領域判定手段にて判定した領域に対応する第二の領域を判定する第二の領域判定手段と、
    前記第二の領域における濃度値の分布の傾向を算出する第二の濃度値算出手段と、
    前記第一の濃度値算出手段にて算出した濃度値の分布の傾向と、前記第二の濃度値算出手段にて算出した濃度値の分布の傾向とを比較し、前記印刷物の印刷品質を判定する比較手段と
    を備えることを特徴とする検品装置。
  2. 前記第一および第二の領域それぞれにおける前記濃度値の分布の傾向は、前記第一および第二の領域それぞれにおいて、順次、隣接する画素の濃度値を比較した際の濃度値の増減によって求めることを特徴とする請求項1に記載の検品装置。
  3. 前記第一の領域は、網点領域を含むことを特徴とする請求項1に記載の検品装置。
  4. 前記第一の領域が網点領域を含む場合、前記第一および前記第二の領域それぞれを、所定の面積を有する対応する矩形領域に分割する分割手段を更に有し、
    前記第一および第二の濃度値算出手段は、前記分割した矩形領域それぞれの平均濃度値を算出し、
    前記比較手段は、前記分割した矩形領域ごとの前記平均濃度値を用いて分布の傾向を求めることを特徴とする請求項3に記載の検品装置。
  5. 前記比較手段は、前記第一の濃度値算出手段にて算出した濃度値の分布の傾向と、前記第二の濃度値算出手段にて算出した濃度値の分布の傾向とを比較し、濃度値の分布の傾向に差異がある場合には、前記印刷物において印刷不良が発生したと判定することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の検品装置。
  6. 前記印刷対象の画像データが網点領域を含む場合、前記画像形成装置により印刷処理において行われる前記網点領域に対するハーフトーン処理の情報を取得し、当該ハーフトーン処理の情報から、前記網点領域における算出された濃度値の誤差の範囲を決定する決定手段を更に有し、
    前記比較手段は、比較を行う際に、前記決定手段にて決定した濃度値の誤差の範囲を用いて、分布の傾向を比較することを特徴とする請求項3に記載の検品装置。
  7. 前記ハーフトーン処理の情報は、網点領域に対するハーフトーン処理を行う際のスクリーン線数の情報を含み、
    前記決定手段は、前記スクリーン線数の情報を用いて、前記ハーフトーン処理による解像度と、前記印刷物を読み取る際の解像度との差異に起因して発生する濃度値の誤差の範囲を決定することを特徴とする請求項6に記載の検品装置。
  8. 前記第一および第二の濃度値算出手段は、前記矩形領域に含まれる色ごとに平均濃度値を求めることを特徴とする請求項4に記載の検品装置。
  9. 前記分割手段は、前記画像形成装置における印刷処理の解像度に従って、前記矩形領域の分割数を決定することを特徴とする請求項4に記載の検品装置。
  10. 前記分割手段は、前記印刷物から画像データを読み取るデバイスの解像度に従って、前記矩形領域の分割数を決定することを特徴とする請求項4に記載の検品装置。
  11. 請求項1乃至10のいずれか一項に記載の検品装置と、画像形成装置とを含む検品システム。
  12. 画像形成装置が印刷対象の画像データを用いて印刷した印刷物を読み取り、前記印刷物の印刷品質を判定する検品方法であって、
    第一の領域判定手段が、印刷対象の画像データから、検品の対象となる第一の領域を判定する第一の領域判定工程と、
    第一の濃度値算出手段が、前記第一の領域における濃度値の分布の傾向を算出する第一の濃度値算出工程と、
    第二の領域判定手段が、前記印刷物から読み取った画像データから、前記第一の領域判定工程にて判定した領域に対応する第二の領域を判定する第二の領域判定工程と、
    第二の濃度値算出手段が、前記第二の領域における濃度値の分布の傾向を算出する第二の濃度値算出工程と、
    比較手段が、前記第一の濃度値算出工程にて算出した濃度値の分布の傾向と、前記第二の濃度値算出工程にて算出した濃度値の分布の傾向とを比較し、前記印刷物の印刷品質を判定する比較工程と
    を有することを特徴とする検品方法。
  13. コンピュータを、
    印刷対象の画像データから、検品の対象となる第一の領域を判定する第一の領域判定手段、
    前記第一の領域における濃度値の分布の傾向を算出する第一の濃度値算出手段、
    画像形成装置が前記印刷対象の画像データを用いて印刷した印刷物から読み取った画像データから、前記第一の領域判定手段にて判定した領域に対応する第二の領域を判定する第二の領域判定手段、
    前記第二の領域における濃度値の分布の傾向を算出する第二の濃度値算出手段、
    前記第一の濃度値算出手段にて算出した濃度値の分布の傾向と、前記第二の濃度値算出手段にて算出した濃度値の分布の傾向とを比較し、印刷品質を判定する比較手段
    として機能させるためのプログラム。
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