JP2013235289A - 光ファイバ端部へのコネクタ取付け構造 - Google Patents

光ファイバ端部へのコネクタ取付け構造 Download PDF

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Abstract

【課題】高NA光の伝搬に伴う光ファイバ端部で起こる発熱を効率よくかつ速やかに放熱して、光ファイバの劣化を抑制することができる、光ファイバ端部へのコネクタの取付け構造を提供する。
【解決手段】コア1A及びクラッド1Bからなる裸光ファイバ1を樹脂層2で被覆した光ファイバ10における、先端から樹脂層2及びクラッド1Bを除去してコア露出部11を形成した光ファイバ端部へのコネクタ取付け構造であり、コネクタは、内面31が蛇腹状の光ファイバ保持構造部32を有する光ファイバ挿通孔33を形成してなる光ファイバ保持手段34を備え、前記光ファイバ端部のコア露出部11に隣接する樹脂層2の末端2Aが、前記光ファイバ保持構造部32内に配置されて、該樹脂層2に光ファイバ保持構造部32の蛇腹状の内面31の凸部31Aが食い込んで光ファイバが保持されてなる、光ファイバ端部へのコネクタ取付け構造。
【選択図】図1

Description

本発明は光ファイバの端部でのコネクタ取付け構造に関し、詳しくは、高NA(Numerical Aperture)光の伝搬及び放射に伴う光ファイバの端部での発熱による劣化を抑制することができる光ファイバ端部へのコネクタの取付け構造に関する。
従来から、光ファイバは、通信、計測をはじめとして種々の用途に用いられており、例えば、光ファイバをレーザ媒質として利用するファイバレーザ装置がある(特許文献1)。ファイバレーザ装置は、一般に希土類元素を添加した光ファイバを用い、光ファイバの一方の端部から励起光を入射させ、光ファイバ内での光増幅作用とファイバ端部に形成された共振器の作用でレーザ発振を起こし、光ファイバの他方の端部から出射させるものであり、高品質で高パワーのレーザ光を出射することができることから、例えば、切断、溶接などの加工手段として用いられている。
ファイバレーザ装置等に使用される光ファイバとしては、クラッド、さらにはコアへの外部からの圧力に対する保護等のために、一般に、コア及びクラッドからなる裸光ファイバの外周を樹脂層で被覆した樹脂被覆光ファイバが使用される。
また、光ファイバをファイバレーザ装置等の種々の装置や機器に組み込む場合、光ファイバ同士の接続や他の部品との接続を手作業または簡易的な工具を用いた作業で容易に行なえるように、通常、光ファイバの端部にコネクタが取付けられる。
例えば、YAGレーザ等により高出力のレーザ光を用いて金属を溶接や切断する等、被加工物に対し各種の加工を行うようにしたレーザ加工装置における光ファイバにおいては、高出力レーザ光を入射した際の端面の損傷を防ぐ等の観点から、光ファイバの端部に対して、入射端または出射端を含む光ファイバ先端部を挿通させる光ファイバ挿通孔を有する金属スリーブを備えたコネクタを取付けることがある。図13はかかる金属製スリーブを具備するコネクタの金属スリーブ内での光ファイバの保持構造を示した断面図である。ここで、コアは石英、クラッドは樹脂であり、樹脂クラッドに、直接レーザ光が当たると、炭化、発熱を生じやすくなるため、先端部のクラッド1Bと樹脂層(被覆層、保護層)2は除去されており、コア露出部11とそれに続く樹脂層2を有する樹脂被覆部12をスリーブ20の光ファイバ挿通孔22に挿入させて、光ファイバ挿通孔22内の蛇腹状の内面21を樹脂層2に圧接させることで(すなわち、蛇腹状の内面21の凸部が樹脂層2に食い込むことで)、光ファイバ10の端部を保持している。
特開2005−79177号公報
しかしながら、上記のような従来の構造に於いても、ファイバレーザ装置等において、高NA光を伝搬させると、クラッド及び樹脂層が始まる部分(すなわち、クラッド及び樹脂層の剥き際)で発熱が起こり、光ファイバが劣化してしまうという問題を生じることが分かった。また、石英コア及び石英クラッドからなる裸光ファイバは、外傷保護等の目的から、樹脂層で被覆することがあり、このような光ファイバでは、通常、被覆樹脂に、直接レーザ光が当たると、炭化、発熱を生じやすくなるため、光ファイバ端部の樹脂層を除去して(クラッド露出部を形成して)使用されるが、高NA光が入射された場合等に、光ファイバ端部で発熱することがあり、この発熱も、被覆樹脂層が始まる部分(すなわち、樹脂層の剥き際)にて、生じていることがわかった。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、高NA光の伝搬に伴う、光ファイバ端部で生じる発熱を効率よくかつ速やかに放熱して、光ファイバの劣化を抑制することである。
本発明者等は、上記の課題を解決するために、光ファイバ端部で起こる発熱による劣化の原因について調査したところ、図14に示されるように、光ファイバの端面13から入射された高NA成分の光3は、クラッド1Bが除去されたコア1Aのみの領域11を伝搬していくが、クラッド1Bが現れた部分で、クラッド1Bへの放射モードになり、この放射モードのエネルギーがクラッド1B及び樹脂層2に吸収されることによって発熱が生じていることがわかった。また、光ファイバの出射端においても、光ファイバ端面から出射された光が外部から反射光として戻ってきた際にも高NA成分が含まれることが多いので、これらの光が入射される光ファイバの出射端側のコネクタ付近で生じていた発熱も同じ原因であることがわかった。また、石英コア及び石英クラッドからなる裸光ファイバを樹脂層で被覆した樹脂被覆石英光ファイバの端部の発熱は、コアに閉じ込められない大きなNAを持つ光が石英クラッドをコアとして伝搬し、被覆部分が現れたところ(クラッド露出部に隣接する樹脂層の端部)で樹脂層への放射モードとなり、この放射モードのエネルギーが樹脂層に吸収されることによって生じていることがわかった。
そこで、コア露出部を伝搬して放射モードとして吸収される光が引き起こすクラッド及び樹脂層の剥き際での発熱を放熱させる、また、石英光ファイバ(石英コア及び石英クラッド)での石英クラッドを伝搬して放射モードとして吸収される光が引き起こす樹脂層の剥き際での発熱を放熱させるという観点から、研究を進めた結果、コネクタおよびその取付け構造を工夫することで、かかる放熱を極めて効率よく成し得ることが可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の通りである。
(1)コア及びクラッドからなる裸光ファイバを樹脂層で被覆した樹脂被覆光ファイバにおける、先端から樹脂層及びクラッドを除去してコア露出部を形成するか、或いは、先端から樹脂層を除去してクラッド露出部を形成した光ファイバ端部へのコネクタの取付け構造であって、
コネクタが、内面を蛇腹状に形成した光ファイバ保持構造部を含む光ファイバ挿通孔が形成された光ファイバ保持手段を有し、
前記光ファイバ端部のコア露出部、或いは、クラッド露出部に隣接する樹脂層の末端を、前記コネクタの光ファイバ保持構造部内に配置して、該樹脂層に光ファイバ保持構造部の蛇腹状の内面の凸部を食い込ませて、光ファイバを保持する構成としたことを特徴とする、光ファイバ端部へのコネクタ取付け構造。
(2)前記光ファイバ保持構造部の蛇腹状の内面と光ファイバの樹脂層との間の隙間に金属材料または熱伝導性樹脂をさらに充填してなる、上記(1)記載のコネクタ取付け構造。
(3)前記金属材料が、前記樹脂層を包囲する金属箔、金属テープ若しくは金属円筒管、又は、低融点金属である、上記(2)記載のコネクタ取付け構造。
(4)コア及びクラッドからなる裸光ファイバを樹脂層で被覆した樹脂被覆光ファイバにおける、先端から樹脂層及びクラッドを除去してコア露出部を形成するか、或いは、先端から樹脂層を除去してクラッド露出部を形成した光ファイバ端部へのコネクタの取付け構造であって、
コネクタが、内径を縮径させた光ファイバ保持構造部を含む光ファイバ挿通孔が形成された光ファイバ保持手段を有し、
前記光ファイバ端部のコア露出部、或いは、クラッド露出部に隣接する樹脂層の末端を、前記コネクタの光ファイバ保持構造部内に配置して、該樹脂層に光ファイバ保持構造部内面の縮径による凸部を押接して、光ファイバを保持する構成としたことを特徴とする、光ファイバ端部へのコネクタ取付け構造。
(5)コア及びクラッドからなる裸光ファイバを樹脂層で被覆した樹脂被覆光ファイバにおける、先端から樹脂層及びクラッドを除去してコア露出部を形成するか、或いは、先端から樹脂層を除去してクラッド露出部を形成した光ファイバ端部へのコネクタの取付け構造であって、
コネクタが、内径を縮径させた光ファイバ保持構造部を含む光ファイバ挿通孔が形成された光ファイバ保持手段を有し、
前記光ファイバ端部のコア露出部、或いは、クラッド露出部に隣接する樹脂層の末端を、前記コネクタの光ファイバ保持構造部内に配置するとともに、該樹脂層と光ファイバ保持構造部の内面との間に金属薄肉部材を介在させ、該金属薄肉部材に光ファイバ保持構造部の内面の縮径による凸部を押接させることで、光ファイバが拘持されてなることを特徴とする、光ファイバ端部へのコネクタ取付け構造。
(6)前記金属薄肉部材が金属箔若しくは金属テープ、又は、金属円筒管である、上記(5)記載のコネクタ取付け構造。
(7)樹脂被覆光ファイバが、石英コア及び石英クラッドからなる裸光ファイバを樹脂層で被覆した光ファイバであって、その端部にクラッド露出部を形成したものである、上記(1)〜(6)のいずれかに記載のコネクタ取付け構造。
(8)樹脂被覆光ファイバが、石英コアと、石英コアの外周を覆う第1石英クラッドと、該第1石英クラッドの外周を覆う、該第1石英クラッドの屈折率よりもその屈折率が低い第2石英クラッドとからなる裸光ファイバを樹脂層で被覆した光ファイバであって、その端部に第2石英クラッドが露出したクラッド露出部を形成したものである、上記(1)〜(6)のいずれかに記載のコネクタ取付け構造。
(9)コアと、コアの外周を覆うクラッドと、クラッドの外周を覆うサポートとを有し、該サポートを樹脂層で被覆した樹脂被覆光ファイバにおける、先端から樹脂層を除去してサポート露出部を形成した光ファイバ端部へのコネクタの取付け構造であって、
コネクタが、内面を蛇腹状に形成した光ファイバ保持構造部を含む光ファイバ挿通孔が形成された光ファイバ保持手段を有し、
前記光ファイバ端部のサポート露出部に隣接する樹脂層の末端を、前記コネクタの光ファイバ保持構造部内に配置して、該樹脂層に光ファイバ保持構造部の蛇腹状の内面の凸部を食い込ませて、光ファイバを保持する構成としたことを特徴とする、光ファイバ端部へのコネクタ取付け構造。
(10)前記光ファイバ保持構造部の蛇腹状の内面と光ファイバの樹脂層との間の隙間に金属材料または熱伝導性樹脂をさらに充填してなる、上記(9)記載のコネクタ取付け構造。
(11)前記金属材料が、前記樹脂層を包囲する金属箔、金属テープ若しくは金属円筒管、又は、低融点金属である、上記(10)記載のコネクタ取付け構造。
(12)コアと、コアの外周を覆うクラッドと、クラッドの外周を覆うサポートとを有し、該サポートを樹脂層で被覆した樹脂被覆光ファイバにおける、先端から樹脂層を除去してサポート露出部を形成した光ファイバ端部へのコネクタの取付け構造であって、
コネクタが、内径を縮径させた光ファイバ保持構造部を含む光ファイバ挿通孔が形成された光ファイバ保持手段を有し、
前記光ファイバ端部のサポート露出部に隣接する樹脂層の末端を、前記コネクタの光ファイバ保持構造部内に配置して、該樹脂層に光ファイバ保持構造部内面の縮径による凸部を押接して、光ファイバを保持する構成としたことを特徴とする、光ファイバ端部へのコネクタ取付け構造。
(13)コアと、コアの外周を覆うクラッドと、クラッドの外周を覆うサポートとを有し、該サポートを樹脂層で被覆した樹脂被覆光ファイバにおける、先端から樹脂層を除去してサポート露出部を形成した光ファイバ端部へのコネクタの取付け構造であって、
コネクタが、内径を縮径させた光ファイバ保持構造部を含む光ファイバ挿通孔が形成された光ファイバ保持手段を有し、
前記光ファイバ端部のサポート露出部に隣接する樹脂層の末端を、前記コネクタの光ファイバ保持構造部内に配置するとともに、該樹脂層と光ファイバ保持構造部の内面との間に金属薄肉部材を介在させ、該金属薄肉部材に光ファイバ保持構造部の内面の縮径による凸部を押接させることで、光ファイバが拘持されてなることを特徴とする、光ファイバ端部へのコネクタ取付け構造。
(14)前記金属薄肉部材が金属箔若しくは金属テープ、又は、金属円筒管である、上記(13)記載のコネクタ取付け構造。
(15)樹脂被覆光ファイバが、石英コア、石英コアの外周を覆う石英からなる第1クラッド、第1クラッドの外周を覆う空気層からなる第2クラッド、及び第2クラッドの外周を覆う石英からなるサポートを有し、該サポートを樹脂層で被覆した光ファイバであって、その端部にサポート露出部を形成したものである、上記(8)〜(13)のいずれかに記載のコネクタ取付け構造。
(16)樹脂被覆光ファイバが、石英コア、石英コアの外周を覆う石英からなる第1クラッド、第1クラッドの外周を覆う石英からなる第2クラッド、及び第2クラッドの外周を覆う石英からなるサポートを有し、該サポートを樹脂層で被覆した光ファイバであって、その端部にサポート露出部を形成したものである、上記(8)〜(13)のいずれかに記載のコネクタ取付け構造。
(17)前記光ファイバ保持手段が金属製スリーブである、上記(1)〜(16)のいずれかに記載のコネクタ取付け構造。
本発明によれば、樹脂被覆光ファイバのコア露出部を設けた端部における、放射モードとして吸収される光が引き起こすクラッド及び樹脂層での発熱を効率よく速やかに放熱でき、これらの層の劣化を抑制することができる。従って、長期信頼性に優れるコネクタ付樹脂被覆光ファイバを得ることができる。
また、樹脂被覆石英光ファイバのクラッド露出部を設けた端部における、石英クラッドを伝搬して放射モードとして吸収される光が引き起こす樹脂層での発熱を効率よく速やかに放熱でき、該樹脂層の劣化を抑制することができる。従って、長期信頼性に優れるコネクタ付樹脂被覆石英光ファイバを得ることができる。
また、樹脂被覆ダブルクラッド石英光ファイバのクラッド露出部を設けた端部における、第2クラッドを伝搬する高NA成分の光が引き起こす樹脂層での発熱を効率よく速やかに放熱でき、該樹脂層の劣化を抑制することができる。
さらに、本発明によれば、サポートを有する樹脂被覆ダブルクラッド光ファイバのサポート露出部を設けた端部における、サポートを伝搬する高NA成分の光が引き起こす樹脂層での発熱を効率よく速やかに放熱でき、該樹脂層の劣化を抑制することができる。従って、長期信頼性に優れる、コネクタ付の、サポートを有する樹脂被覆ダブルクラッド光ファイバを得ることができる。
図1は本発明における第1態様のコネクタを取付けた光ファイバ端部の模式断面図である。 図2は図1中のコネクタ内部の要部を拡大して示した図である。 図3(A)〜(D)はコネクタにおける光ファイバ保持構造部の蛇腹状の内面の開始形状と、光ファイバ端部へのコネクタの取付け位置の変更例を示す図である。 図4(A)、(B)は光ファイバ保持構造部の蛇腹状の内面が断面が台形状の凸部により形成されたコネクタを取付けた光ファイバ端部の模式断面図である。 図5は本発明における第2態様の光ファイバ用コネクタを取付けた光ファイバ端部の要部拡大断面図である。 図6は光ファイバ保持構造部の開始端の配置位置を図5のそれよりもコア露出部側に移動させた図である。 図7(A)〜(C)は、それぞれ、コネクタの光ファイバ保持構造部の内面と光ファイバの被覆樹脂層との間に金属材料(金属製薄肉部材)介在させた光ファイバ端部の要部拡大断面図である。 図8は本発明における第1態様の光ファイバ用コネクタをその端部に取付けた樹脂被覆石英光ファイバの当該端部の模式断面図である。 図9は本発明における第2態様の光ファイバ用コネクタをその端部に取付けた樹脂被覆石英光ファイバの当該端部の模式断面図である。 図10は樹脂被覆ダブルクラッド石英光ファイバの模式断面図(図10(A))と、当該光ファイバの端部に本発明における第1態様のコネクタを取付けた状態の要部の模式断面図(図10(B))である。 図11はダブルクラッド(外側層がブリッジ部を有する空気クラッド)の外周を覆うサポートを有し、該サポートを樹脂層で被覆した樹脂被覆ダブルクラッド光ファイバの模式断面図(図11(A))と、当該光ファイバの端部に本発明における第1態様のコネクタを取付けた状態の要部の模式断面図(図11(B))である。 図12はダブルクラッド(外側層が石英クラッド)の外周を覆うサポートを有し、該サポートを樹脂層で被覆した樹脂被覆ダブルクラッド光ファイバの模式断面図(図12(A))と、当該光ファイバの端部に本発明における第1態様の光ファイバ用コネクタを取付けた状態の要部の模式断面図(図12(B))である。 図13は従来の光ファイバの端部へのコネクタの取付け構造を示す模式断面図である。 図14は従来の光ファイバの端部で起こる問題点の説明図である。
以下、本発明をその好適な実施形態に即して説明する。
本発明で使用する、光ファイバの端部へ取付けるコネクタは、光ファイバ挿通孔に内面が蛇腹状の光ファイバ保持構造部を形成した光ファイバ保持手段を具備する第1態様のコネクタと、光ファイバ挿通孔に内径を縮径させた光ファイバ保持構造部を形成した光ファイバ保持手段を具備する第2態様のコネクタがある。
図1は本発明の第1態様のコネクタを取付けた光ファイバ端部の模式断面図であり、図2は図1中のコネクタ内部の要部拡大図である。これらの図において、図13、14と同一符号は同一または相当する部分を示す。
本発明の第1態様のコネクタは、当該一例のコネクタ35に示されるように、内面31が蛇腹状の光ファイバ保持構造部32を含む光ファイバ挿通孔33を形成した光ファイバ保持手段(金属製スリーブ)34を具備し、かかる光ファイバ保持手段にて、樹脂被覆光ファイバ10のコア露出部11を含む光ファイバ端部を保持することで、光ファイバに取付けられている。すなわち、図2に示されるように、光ファイバの先端部の樹脂層2及びクラッド1Bが除去されたコア露出部11に隣接する樹脂層2の末端2Aが、光ファイバ保持手段(金属製スリーブ)の光ファイバ挿通孔33における内面31が蛇腹状の光ファイバ保持構造部32内に配置されるように位置合わせされ、この状態で、樹脂層2に光ファイバ保持構造部32の蛇腹状の内面31の凸部31Aを食い込ませることで、光ファイバ10が保持されている。
本例のコネクタ35は、枠体(筐体)36に光ファイバ保持手段としての金属スリーブ34を内嵌して構成されており、金属スリーブに形成された光ファイバ挿通孔33に樹脂被覆光ファイバ10の端部を挿通し、先端のコア露出部11を貫孔部30内に配置し、コア露出部11に続く樹脂被覆部(樹脂層2)を光ファイバ保持構造部32内に位置させて、金属製スリーブ34をカシメることによって、蛇腹状の内面31の凸部31Aを樹脂層2に食い込ませている。なお、図1中の符号37は金属スリーブ34に外嵌させたキャップナットであり、本コネクタを挿入するレセプタクル(図示せず)に嵌合して、コネクタを固定させるために使用される。
本発明の第1態様のコネクタ35では、上記のように、光ファイバの先端のコア露出部11に続く樹脂層2の末端2Aを、光ファイバ保持手段(金属製スリーブ)34の光ファイバ挿通孔33に形成された内面31が蛇腹状の光ファイバ保持構造部32内に配置させて、樹脂層2に蛇腹状の内面31の複数の凸部31Aを食い込ませているので(図2参照)、コア露出部11を伝搬してきた高NA成分の光が樹脂層2の下のクラッド層1Bで放射モードになり(図13、14参照)、クラッド層1B及び樹脂層2に発熱が生じても、その熱は樹脂層2に食い込んだ凸部31Aを有する光ファイバ保持手段(金属スリーブ)34によって効率よく、かつ、速やかに放熱される。よって、クラッド層1B及び樹脂層2の熱劣化が抑制され、長期信頼性に優れるコネクタ付き光ファイバを実現することができる。
かかる本発明の第1態様のコネクタにおいて、光ファイバ保持構造部32における蛇腹状の内面31の凸部31Aの樹脂層2への食い込み深さ(図2中の符号d)は、樹脂層2の厚さをtとしたとき、1μm<d<t、の関係にあることが好ましく、かかる食い込み深さdが1μm以下では、高い放熱効果が得られにくく、かかる食い込み深さdが樹脂層2の厚さtと同じになると、裸光ファイバを損傷させてしまう。なお、樹脂被覆光ファイバ10における樹脂層2の厚みは樹脂の種類、裸光ファイバの構成材料や光ファイバの機能(目的)等に応じて適宜設定されるが、一般的には30〜100μmの範囲内で設定される。
光ファイバ保持構造部32の蛇腹状の内面31における複数の凸部31Aは周期的に形成されていても非周期的に形成されていてもよいが、光ファイバの樹脂層の保持性及び放熱性をともに満足するためには、各隣接する凸部間の間隔が0.1〜5.0mmの範囲内にあるのが好ましく、かかる範囲内から選ばれる一定の間隔で凸部が周期的に形成されているのがより好ましい。
また、複数の凸部31Aは断続して形成されていてもよいが、放熱性の観点から、図1に示されるように、光ファイバ保持構造部32全体に連続的に形成されているのが好ましい。
また、複数の凸部31Aの断面形状(光ファイバ挿通孔33の軸線を含む平面を断面としたときの断面形状)は各凸部の形状が同一でも異なっていてもよく、三角状、鋸歯状、台形状、半円状等の種々の形状を採用できるが、放熱性、樹脂層の保持性及び形成のしやすさから、各凸部が同一形状であるのが好ましく、一般的には、同一形状かつ同じ高さの三角状、台形状、鋸歯状等が好ましい。
図3(A)〜(D)に示されるように、光ファイバ10の樹脂層2の末端2Aが、光ファイバ保持構造部32内に配置されていれば、光ファイバ保持構造部32の蛇腹状の内面31の開始形状(すなわち、コア露出部11に最も近接する凸部31Aの形状)や、光ファイバ10の樹脂層2の末端2Aと光ファイバ保持構造部32の開始端32Aとの光ファイバ挿通孔33の軸線方向における相対的な位置は適宜変更することができる。また、図4(A)、(B)は、共に、光ファイバ保持手段(金属スリーブ)34の光ファイバ挿通孔33における光ファイバ保持構造部32の蛇腹状の内面31の複数の凸部31Aをその断面が略同じ大きさの台形状に形成した例であるが、図4(A)は、光ファイバの樹脂層2の末端2Aと光ファイバ保持構造部32の開始端32Aの光ファイバ挿通孔33の軸線方向における位置を略同じ位置にし、図4(B)では、光ファイバ保持構造部32の開始端32Aを光ファイバの樹脂層2の末端2Aよりもコア露出部11側に位置させている。なお、蛇腹状の内面31の複数の凸部31Aをこのような断面が台形状の凸部とする場合、図4(A)、(B)に示されるように、凸部31Aと樹脂層2とが歯合状態に圧接していれば、凸部が樹脂層2に裂目を形成して侵入した状態でなくてもよい。なお、かかる歯合状態も、本発明では「凸部の食い込み」と呼ぶこととする。
上述の具体例に示すとおり、本発明の第1態様のコネクタを使用した光ファイバ端部へのコネクタ取付け構造において、「光ファイバの樹脂層の末端が、光ファイバ保持構造部内に配置される」とは、光ファイバ挿通孔33の軸線方向において、光ファイバ保持構造部32の開始端32Aと光ファイバの樹脂層の末端2Aとが同じ位置に配置されるか、或いは、光ファイバ保持構造部32の開始端32Aが光ファイバの樹脂層の末端2Aそれよりもコア露出部11側に配置されていることを意味する。なお、光ファイバ保持構造部32の開始端32Aが、極端にコア露出部11側に位置すると、相対的に光ファイバを保持する能力が失われる傾向となるため、光ファイバ保持構造部32の開始端32Aと光ファイバの樹脂層2の末端2Aが同じ位置でない場合、それらの離間距離は、光ファイバ保持構造32の全長にも依るが、好ましくは10mm以内であり、より好ましく2mm以内である。
なお、コネクタにおける光ファイバ保持手段34に形成される光ファイバ挿通孔33(図1参照)の全長(光ファイバの軸線方向の長さ)は、保持する光ファイバ10の材質、用途、太さ等によっても異なり、特に限定はされないが、一般的には20〜100mm程度であり、光ファイバ保持構造部32の長さ(光ファイバの軸線方向の長さ)は、光ファイバ10の樹脂層2を安定に保持するために、通常、5〜50mm程度に設定される。
また、光ファイバ保持構造部32の蛇腹状の内面31の凸部31Aが周期的に形成されている場合、図2及び図3(A)〜(D)に示されるように、光ファイバの樹脂層2の末端2Aと光ファイバ保持構造部32の開始端32Aは、それらの離間距離が蛇腹状の内面31の凸部31Aの1周期(隣接する凸部間の離間距離)以内となる位置関係とするのが好ましく、そうすることで、より有効な放熱性が確保される。
図5は本発明の第2態様のコネクタを取付けた光ファイバ端部を模式的に示した要部拡大断面図であり、図2に対応する図である。当該図5において、図1、2と同一符号は同一または相当する部分を示している。すなわち、本発明の第2態様のコネクタ35’は、金属スリーブからなる光ファイバ保持手段34’の光ファイバ挿通孔33’に、貫孔部30よりも内径を縮径させた光ファイバ保持構造部32’を形成したものであり、該光ファイバ保持構造部32’の内面、すなわち、内径の縮径により形成された単一の凸部31Bを光ファイバの樹脂層2に押接させて、光ファイバ10を保持する構成としたものである。
なお、かかる図5の例では、光ファイバ保持構造部32’の開始端32A’と光ファイバの樹脂層2の末端2Aとが光ファイバ挿通孔33’の軸線方向における同じ位置に配置されているが、当該第2態様のコネクタにおいても、図6のように、光ファイバ保持構造部32’の開始端32A’を光ファイバの樹脂層の末端2Aそれよりもコア露出部11側に位置させてもよい。
すなわち、本発明の第2態様のコネクタを使用した光ファイバ端部へのコネクタ取付け構造においても、第1態様のコネクタを使用する場合と同様に「光ファイバの樹脂層2の末端2Aがコネクタの光ファイバ保持構造部32’内に配置される」ように、光ファイバとコネクタが位置決めされる。
本発明のコネクタの取付け構造において、光ファイバ挿通孔33に内面31が蛇腹状の光ファイバ保持構造部32を形成した第1態様のコネクタ(図2〜図4)は、凸部が樹脂層に食い込むことで、樹脂層との界面の面積が広くなることから、放熱性の点で特に有利である。一方、光ファイバ挿通孔33’に内径の縮径による単一の凸部31Bを形成した第2態様のコネクタ(図5、6)は、光ファイバの被覆樹脂(樹脂層2)が比較的硬質な樹脂からなり、樹脂層に第1態様のコネクタの蛇腹状の内面の凸部を食い込ませることが困難な場合でも、使用できる点で有利である。すなわち、光ファイバの被覆樹脂(樹脂層2)が比較的硬質な樹脂であっても、樹脂層2にその単一の凸部31Bを押接させることで該単一の凸部31Bが樹脂層2に面接触することから、放熱性を高めることができる。
第1態様のコネクタを使用した上述の例(図2〜4)では、光ファイバ保持構造部(スリーブ)32の蛇腹状の内面31と被覆樹脂層2との間に隙間(図3(A)中の符号S)が存在するが、図7(A)、(B)に示すように、当該隙間に金属材料4を充填してもよく、こうすることで、放熱効果及びコネクタの保持能力がさらに向上する。金属材料4としては、例えば、アルミ、銅、金、インジウム等からなる薄い金属箔やテープ、或いは、光ファイバの外面に沿うアルミニウムや銅製の円筒部材等の金属製薄肉部材が挙げられ、かかる金属製薄肉部材を光ファイバ保持構造部(スリーブ)32の蛇腹状の内面31と光ファイバの被覆樹脂層2との間に介在させて、光ファイバ保持構造部32をカシメることにより、図7(A)、(B)に示す構造を形成することができる。また、金属材料4には、InGa合金、Ga等の低融点金属を使用してもよく、この場合、樹脂層2に光ファイバ保持構造部(スリーブ)32の蛇腹状の内面31の凸部31Aを食い込ませた後、蛇腹状の内面31と被覆樹脂層2との間の隙間にそれを充填することで、図7(A)、(B)に示す構造を形成することができる。なお、InGa合金、Ga等の低融点金属の代わりに、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂等の樹脂に銀、金、アルミニウム、銅等の金属粒子を分散させた熱伝導性樹脂を使用してもよい。なお、図7(B)のように、金属材料4を被覆樹脂層2だけでなく、コア露出部11の端部も包囲するように設けることで、放熱効果がより向上する。また、金属材料4が金属製薄肉部材である場合、その厚み(スリーブのカシメを行う前の厚み)は、蛇腹状の内面31の凸部31Aが食い込んだ際に発生する樹脂層と蛇腹状の内面の谷部との間に発生する空間を埋めるのに必要な厚さであるが、凸部が食い込んだ領域の樹脂は、この空間部分に寄せられるので、上記金属製箔肉部材の必要な厚さは、食い込み量に対して、適宜求めることになる。
なお、第2態様によるコネクタを光ファイバ端部に取付ける際に、前述の金属製薄肉部材にて光ファイバの被覆樹脂層2の周囲を包囲しておくことで、図7(C)に示されるように、光ファイバ保持構造部32’の内径の縮径により形成された単一の凸部31Bが金属製薄肉部材4aを押接することでコネクタが固定された、コネクタの取付け構造を形成することができる。こうすることで、より効率よく放熱がなされる。なお、金属製薄肉部材4aの厚み(スリーブのカシメを行う前の厚み)は、特に限定はされないが、20〜100μm程度が好適である。
本発明のコネクタ取付け構造は、上述の樹脂被覆光ファイバのコア露出部を形成した光ファイバ端部で起こる発熱を放熱させるためだけでなく、樹脂被覆光ファイバのクラッド露出部を形成した光ファイバ端部で起こる発熱を放熱させる目的で使用することもできる。
図8は本発明の第1態様のコネクタを、樹脂被覆石英光ファイバのクラッド露出部を形成した光ファイバ端部に取付けた構造を模式的に示した断面図であり、図において、図1、2と同一符号は同一または相当する部分を示す。
樹脂被覆石英光ファイバ10’の光ファイバ端部におけるクラッド露出部15と隣接する樹脂層2の末端2Aを、コネクタ35の光ファイバ保持手段(金属スリーブ)34の光ファイバ保持構造部32内に配置し、樹脂層2に光ファイバ保持構造部32の蛇腹状の内面31の凸部31Aを食い込ませて、光ファイバを保持している。
すなわち、本発明の第1態様のコネクタを樹脂被覆石英光ファイバ10’のクラッド露出部を形成した光ファイバ端部に取付ける場合も、光ファイバの樹脂層2の末端2Aを、光ファイバ保持構造部32内に配置させる(すなわち、光ファイバ挿通孔33の軸線方向において、光ファイバ保持構造部32の開始端32Aと光ファイバの樹脂層の末端2Aとが同じ位置に配置させるか、或いは、光ファイバ保持構造部32の開始端32Aが光ファイバの樹脂層の末端2Aそれよりもクラッド露出部15側に配置させる)ことで、コア1Aに入りきらない大きなNAを持つ光3が入射された場合や、出射端で出力光の反射光が石英クラッドに結合した場合等において、大きなNAを持つ光が石英クラッド1Bを伝搬して、被覆部分(樹脂層2)が現れたところ(クラッド露出部15に隣接する樹脂層2の端部(終端部))で吸収されて、樹脂層2に発熱が生じても、その熱は樹脂層2に食い込んだ凸部31Aを有する光ファイバ保持手段(金属スリーブ)34によって効率よく、かつ、速やかに放熱される。よって、樹脂層2の熱劣化が抑制され、長期信頼性に優れるコネクタ付き光ファイバを実現することができる。
なお、本例のように、樹脂被覆石英光ファイバのクラッド露出部を形成した光ファイバ端部に本発明の第1態様のコネクタ35を取付ける場合のコネクタの詳細は、基本的に、前述のコア露出部を形成した光ファイバの端部に第1態様のコネクタを取付ける場合のそれが踏襲される。また、本例のように、樹脂被覆石英光ファイバのクラッド露出部を形成した光ファイバ端部に本発明の第1態様のコネクタ35を取付ける場合も、光ファイバ保持構造部(スリーブ)32の蛇腹状の内面31と被覆樹脂層2との間の隙間に金属材料や熱伝導性樹脂を充填することができ、それによって放熱効率を高めることができる。なお、金属材料や導電性樹脂の詳細は、基本的に、前述のコア露出部を形成した光ファイバの端部に第1態様のコネクタを取付ける場合のそれと同じである。
図9は本発明の第2態様のコネクタを樹脂被覆石英光ファイバのクラッド露出部を形成した光ファイバ端部に取付けた構造の模式断面図であり、図において、図1、2、5と同一符号は同一または相当する部分を示す。
図9に示されるように、本発明の第2態様のコネクタ35’も、樹脂被覆石英光ファイバ10’のクラッド露出部15を形成した光ファイバ端部に取付けることができ、光ファイバの樹脂層2の末端2Aを、光ファイバ保持構造部32’内に配置させる(すなわち、光ファイバ挿通孔33’の軸線方向において、光ファイバ保持構造部32’の開始端32Aと光ファイバの樹脂層の末端2Aとが同じ位置に配置させる、或いは、光ファイバ保持構造部32’の開始端32Aが光ファイバの樹脂層2の末端2Aよりもクラッド露出部15側に配置させる)ことで、石英コア1Aに入りきらない大きなNAを持つ光が石英クラッド1Bを伝搬して、被覆部分(樹脂層2)が現れたところ(クラッド露出部15に隣接する樹脂層2の端部(終端部))で光が吸収されて、樹脂層2に発熱が生じても、その熱は樹脂層2に食い込んだ凸部31Bを有する光ファイバ保持手段(金属スリーブ)34’によって効率よく、かつ、速やかに放熱される。よって、樹脂層2の熱劣化が抑制され、長期信頼性に優れるコネクタ付き光ファイバを実現することができる。
また、コネクタの取付けに先立って、光ファイバ10’の被覆樹脂層2の周囲を金属製薄肉部材で包囲しておくことで、光ファイバ保持構造部32’の内径の縮径により形成された単一の凸部31Bが金属製薄肉部材に圧接した状態で固定される、コネクタの取付け構造を形成することができる。なお、ここでの金属製薄肉部材の詳細も、前述のコア露出部を形成した光ファイバの端部に金属製薄肉部材を介して第1態様のコネクタを取付ける場合のそれが踏襲される。
本発明における樹脂被覆光ファイバ(クラッドが単層)の種類としては、コアがゲルマニウムをドープした石英からなり、クラッドがノンドープの石英からなる裸光ファイバに樹脂被覆を施した樹脂被覆石英光ファイバ、コアがエルビウム(Er)などの希土類元素がドープされた石英からなり、クラッドがノンドープの石英からなる裸光ファイバに樹脂被覆を施した樹脂被覆石英光ファイバ、コアがノンドープの石英からなり、クラッドが例えばアクリル系等の樹脂からなる裸光ファイバ(ポリマークラッドファイバ素線)に樹脂被覆を施したポリマークラッド樹脂被覆光ファイバ(ポリマークラッドファイバ心線)を挙げることができる。
また、本発明の樹脂被覆光ファイバ(クラッドが単層)における樹脂層2は、光ファイバの用途機能、裸光ファイバの材料等に応じて、適宜決定され、例えば、ファイバレーザ装置用途でコアが石英系の裸光ファイバである場合、機械的強度の確保という観点からは、樹脂層2には、アクリル系樹脂(例えば、ウレタンアクリレート系紫外線硬化型樹脂等)、フッ素樹脂(例えば、四フッ化エチレン樹脂、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)等)等が使用される。また、例えば、エネルギー伝送用途でコア及びクラッドが石英系の裸光ファイバである場合、樹脂層として、アクリル系樹脂(例えば、ウレタンアクリレート系紫外線硬化型樹脂等)、フッ素樹脂(例えば、四フッ化エチレン樹脂、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)等)等が使用される。
なお、図8及び9の例では、樹脂被覆石英光ファイバ10’の樹脂層2が第1層2aと第2層2bを含む積層構成になっているが、好ましい積層の態様としては、(1)第1層2a:シリコーン樹脂(厚み50〜150μm程度)/第2層2b:ウレタンアクリレート系紫外線硬化型樹脂(厚み50〜150μm程度)、(2)第1層2a:ウレタンアクリレート系紫外線硬化型樹脂(厚み30〜50μm程度)/第2層2b:ウレタンアクリレート系紫外線硬化型樹脂(厚み50〜100μm程度)等が挙げられる。(1)の態様は、外部から石英光ファイバに加えられる機械的衝撃を緩和し、光ファイバを守る観点で好ましい。また、(2)の態様は光ファイバの製造効率、端末加工性等に優れる点で好ましい。
図10は本発明の第1態様のコネクタを樹脂被覆ダブルクラッド石英光ファイバの端部に取付けた構造の要部の模式断面図であり、図において、図1、2と同一符号は同一または相当する部分を示す。
樹脂被覆ダブルクラッド石英光ファイバ50は、例えば、コア51をイッテリビウム(Yb)等の希土類元素をドープした石英で形成し、第1クラッド52を石英で形成し、第2クラッド53をボロン(B)やフッ素元素(F)をドープした石英で形成して、第2クラッド53の屈折率を第1クラッド52よりも低くする構成とすることにより、第1クラッド52に希土類元素の励起光(例えば、Ybの励起光(波長915nm))を入射させると、コア51内の希土類元素(例えばYb)がこれを吸収して励起状態になり、ファイバ両端に光共振器が構成されることでレーザ発振を生じる。なお、かかる樹脂被覆ダブルクラッド石英光ファイバ50は励起光がコアに吸収されやすいようにするために、横断面が正六角形の第1クラッド52を使用している。
この種の光ファイバでは、一般に励起用光源には、複数の半導体レーザが用いられ、これらはコンパイナーにより合波されて、ポンプガイドに結合されるため、入射光にはポンプガイドのNAを超える成分が含まれる可能性がある。従って、ポンプガイド(第1クラッド52)に閉じ込められない大きなNAを持つ光(高NA光)は、第2クラッド53をコアとして伝搬し、被覆部分が現れたところ(第2クラッド53の露出部54に隣接する樹脂層2の端部2A)で樹脂層2への放射モードとなり、この放射モードのエネルギーが樹脂層2に吸収されることで発熱が生じることとなる。しかし、図10に示すように、本発明の第1態様のコネクタを光ファイバ50の端部に取り付け、光ファイバの樹脂層2の末端2Aを、コネクタの光ファイバ保持手段(金属スリーブ)34の光ファイバ保持構造部32内に配置させる(すなわち、光ファイバ挿通孔33の軸線方向において、光ファイバ保持構造部32の開始端32Aと光ファイバの樹脂層の末端2Aとが同じ位置に配置させるか、或いは、光ファイバ保持構造部32の開始端32Aが光ファイバの樹脂層の末端2Aそれよりも第2クラッド53露出部54側に配置させる)ことで、樹脂層2に発熱が生じても、その熱は樹脂層2に食い込んだ凸部31Aを有する光ファイバ保持手段(金属スリーブ)34によって効率よく、かつ、速やかに放熱される。従って、樹脂層2の熱劣化が抑制され、長期信頼性に優れるコネクタ付き光ファイバを実現することができる。
なお、本例のように、樹脂被覆ダブルクラッド石英光ファイバ50における第2クラッド53の露出部54を形成した光ファイバ端部に本発明の第1態様のコネクタを取付ける場合のコネクタの詳細は、基本的に、前述のコア露出部を形成した光ファイバの端部に第1態様のコネクタを取付ける場合のそれが踏襲される。また、本例のように、樹脂被覆ダブルクラッド石英光ファイバ50における第2クラッド53の露出部54を形成した光ファイバ端部に本発明の第1態様のコネクタ34を取付ける場合も、光ファイバ保持構造部(スリーブ)32の蛇腹状の内面31と被覆樹脂層2との間の隙間に金属材料や熱伝導性樹脂を充填することができ、それによって放熱効率を高めることができる。なお、金属材料や熱導電性樹脂の詳細は、基本的に、前述のコア露出部を形成した光ファイバの端部に第1態様のコネクタを取付ける場合のそれと同じである。
また、図10に示す樹脂被覆ダブルクラッド石英光ファイバ50における第2クラッド53の露出部54を形成した光ファイバ端部には、本発明の第2態様のコネクタ(図5、6、9参照)を取付けることができる。すなわち、光ファイバの樹脂層2の末端2Aを、第2態様のコネクタの光ファイバ保持構造部32’内に配置させる(すなわち、光ファイバ挿通孔の軸線方向において、光ファイバ保持構造部の開始端と光ファイバの樹脂層の末端とが同じ位置に配置させる、或いは、光ファイバ保持構造部の開始端が光ファイバの樹脂層の末端よりもクラッド露出部側に配置させる)ことで、ポンプガイド(第1クラッド52)に閉じ込められない大きなNAを持つ光(高NA光)に起因する発熱が樹脂層2に生じても、その発熱は速やかに放熱されて、樹脂層2の熱劣化が抑制され、長期信頼性に優れるコネクタ付き光ファイバを実現することができる。なお、コネクタの取付けに先立って、光ファイバ50の被覆樹脂層2の周囲を金属製薄肉部材で包囲しておくことができる。
図10に示す樹脂被覆ダブルクラッド石英光ファイバ50は樹脂層2が第1層2aと第2層2bを含む積層構成になっているが、好ましい積層の態様としては、例えば、第1層2a:シリコーン樹脂(厚み50〜150μm)/第2層2b:エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)(厚み100〜200μm)が挙げられる。
本発明のコネクタ取付け構造は、以上説明したサポートを有していない樹脂被覆光ファイバにおけるコア露出部やクラッド露出部を形成した光ファイバの端部で起こる発熱の放熱に使用されるだけでなく、以下に示すように、ダブルクラッドの外周をサポートが被覆し、サポートの外周を樹脂層で被覆した樹脂被覆ダブルクラッド光ファイバにおけるサポート露出部を形成した光ファイバの端部で起こる発熱の放熱にも適用できる。
図11はダブルクラッド(外側層がブリッジを有する空気クラッド)の外周を覆うサポートを有し、該サポートを樹脂層で被覆した樹脂被覆ダブルクラッド光ファイバを示す模式断面図(図11(A))と、当該光ファイバの端部に本発明の第1態様の光ファイバ用コネクタを取付けた状態を示す模式断面図(図11(B))であり、図において、図1、2と同一符号は同一または相当する部分を示している。
ここで、サポートを有する樹脂被覆ダブルクラッド光ファイバ101は、第1クラッド62とサポート64の間に介在する空気層からなる第2クラッド63内に、一端が第1クラッド62の外面を支持し、他端がサポート64の内面を支持する複数のブリッジ66が放射状に配置されている。複数のブリッジ66はコアが内在する第1クラッドを支持し、かつ、第1クラッドの入射NAを大きくするために設けられている。複数のブリッジ66は例えば石英でできており、ブリッジのサイズは幅(厚み)が0.3〜0.5μm程度、長さ(高さ)が10〜30μm程度である。
図11(B)に示されるように、光ファイバ101の端部におけるサポート露出部65と隣接する樹脂層2の末端2Aが、コネクタ35の光ファイバ保持手段(金属スリーブ)34の光ファイバ保持構造部32内に配置されており(すなわち、光ファイバ保持構造部32の開始端32Aが光ファイバの樹脂層2の末端2Aよりもサポート露出部65側に配置されており)、樹脂層2に光ファイバ保持構造部32の蛇腹状の内面31の凸部31Aを食い込ませて、光ファイバ101が保持されている。なお、光ファイバ保持構造部32の開始端32Aと光ファイバの樹脂層2の末端2Aとが光ファイバ挿通孔33の軸線方向において同じ位置に配置されるように、コネクタ35と光ファイバ101の樹脂層2の末端2Aとの位置決めを行ってもよい。
樹脂被覆ダブルクラッド光ファイバ101の動作は、例えば、コア61をイッテリビウム(Yb)等の希土類元素をドープした石英で形成し、第1クラッド62及びサポート64を石英で形成することで、第1クラッド62が所謂ポンプガイドとなって、該第1クラッド62に希土類元素の励起光(例えば、Yb元素の波長915nm)を入射させると、コア61内の希土類元素(例えば、Yb元素)がこれを吸収して励起状態になり、ファイバ両端に光共振器が構成されることでレーザ発振を生じる。しかし、ポンプガイド(第1クラッド62)に閉じ込められない大きなNAを持つ光(高NA光)が、第2クラッド(空気層)63を超えてサポート64をコアとして伝搬するため、サポート露出部65に隣接する樹脂層2の端部で放射モードとなり、この放射モードのエネルギーが樹脂層2に吸収されることで発熱が生じるが、光ファイバ101の端部に取り付けた本発明の第1態様のコネクタにより、樹脂層2に発熱が生じても、その熱は樹脂層2に食い込んだ凸部31Aを有する光ファイバ保持手段(金属スリーブ)34によって効率よく、かつ、速やかに放熱される。
図12はダブルクラッドの外周を覆うサポートを有し、該サポートを樹脂層で被覆した樹脂被覆ダブルクラッド石英光ファイバを示す模式断面図(図12(A))と、当該光ファイバの端部に本発明の第1態様の光ファイバ用コネクタを取付けた状態を示す模式断面図(図12(B))であり、図において、図1、2と同一符号は同一または相当する部分を示している。
サポートを有する樹脂被覆ダブルクラッド光ファイバ102は第2クラッド63’が石英クラッドからなる。
図12(B)に示されるように、光ファイバ102の端部におけるサポート露出部65と隣接する樹脂層2の末端2Aが、コネクタの光ファイバ保持手段(金属スリーブ)34の光ファイバ保持構造部32内に配置されており(すなわち、光ファイバ保持構造部32の開始端32Aが光ファイバの樹脂層2の末端2Aよりもサポート露出部65側に配置されており)、樹脂層2に光ファイバ保持構造部32の蛇腹状の内面31の凸部31Aを食い込ませて、光ファイバ102が保持されている。なお、光ファイバ保持構造部32の開始端32Aと光ファイバの樹脂層2の末端2Aとが光ファイバ挿通孔33の軸線方向において同じ位置に配置されるように、コネクタ35と光ファイバ101の樹脂層2の末端2Aとの位置決めを行ってもよい。
樹脂被覆ダブルクラッド光ファイバ102では、例えば、コア61をイッテリビウム(Yb)等の希土類元素をドープした石英で形成し、第1クラッド62及びサポート64を石英で形成し、第2クラッド63’をボロン(B)やフッ素元素(F)をドープした石英で形成して、第2クラッド63’の屈折率を第1クラッド62よりも低くする構成とすることにより、第1クラッド62に希土類元素の励起光(例えば、Ybの励起光(波長915nm))を入射させると、コア61内の希土類元素(例えばYb)がこれを吸収して励起状態になり、ファイバ両端に光共振器が構成されることでレーザ発振を生じる。しかし、一般に励起用光源には、複数の半導体レーザが用いられ、これらはコンパイナーにより合波されて、ポンプガイドに結合されるため、入射光にはポンプガイドのNAを超える成分が含まれる可能性がある。従って、ポンプガイド(第1クラッド62)に閉じ込められない大きなNAを持つ光(高NA光)は、第2クラッド63’を超えてサポート64をコアとして伝搬し、被覆部分が現れたところ(サポート露出部65に隣接する樹脂層2の端部)で樹脂層2への放射モードとなり、この放射モードのエネルギーが樹脂層2に吸収されることで発熱が生じることとなる。しかし、光ファイバ102の端部に取り付けた本発明の第1態様のコネクタにより、樹脂層2に発熱が生じても、その熱は樹脂層2に食い込んだ凸部31Aを有する光ファイバ保持手段(金属スリーブ)34によって効率よく、かつ、速やかに放熱される。従って、樹脂層2の熱劣化が抑制され、長期信頼性に優れるコネクタ付き樹脂被覆ダブルクラッド光ファイバを実現することができる。
なお、図11、12に示すサポート付き樹脂被覆ダブルクラッド石英光ファイバ101、102のサポート露出部を形成した光ファイバ端部に本発明の第1態様のコネクタを取付ける場合のコネクタの詳細は、基本的に、前述のコア露出部やクラッド露出部を形成した光ファイバの端部に第1態様のコネクタを取り付ける場合のそれが踏襲される。また、図11、12に示すサポート付き樹脂被覆ダブルクラッド光ファイバのサポート露出部を形成した光ファイバ端部に本発明の第1態様のコネクタを取付ける場合も、光ファイバ保持構造部(スリーブ)2の蛇腹状の内面31と被覆樹脂層2との間の隙間に金属材料や熱伝導性樹脂を充填することができ、それによって放熱効率を高めることができる。なお、金属材料や熱伝導性樹脂の詳細は、基本的に、前述のコア露出部やクラッド露出部を形成した光ファイバの端部に第1態様のコネクタを取付ける場合でのそれと同じである。
また、図11、12に示すサポート付き樹脂被覆ダブルクラッド光ファイバのサポート露出部を形成した光ファイバ端部には、本発明の第2態様のコネクタ(図5、6、9参照)を取付けることができる。すなわち、光ファイバの樹脂層2の末端2Aを、第2態様のコネクタ35’の光ファイバ保持構造部32’内に配置させる(すなわち、光ファイバ挿通孔の軸線方向において、光ファイバ保持構造部の開始端と光ファイバの樹脂層の末端とが同じ位置に配置させる、或いは、光ファイバ保持構造部の開始端が光ファイバの樹脂層の末端よりもサポート露出部側に配置させる)ことで、ポンプガイド(第1クラッド62)に閉じ込められない大きなNAを持つ光(高NA光)に起因する発熱が樹脂層2に生じても、その発熱は速やかに放熱されて、樹脂層2の熱劣化が抑制され、長期信頼性に優れるコネクタ付き光ファイバを実現することができる。なお、コネクタの取付けに先立って、光ファイバ101、102の被覆樹脂層2の周囲を金属製薄肉部材で包囲しておくことができる。
なお、図11、12のサポート付き樹脂被覆ダブルクラッド光ファイバ101、102では、樹脂層2が第1層2aと第2層2bを含む積層構成になっているが、好ましい積層の態様としては、例えば、第1層2a:シリコーン樹脂(厚み50〜150μm)/第2層2b:エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)(厚み100〜200μm)が挙げられる。
以下、本発明を実施例によって更に具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
実施例1
光ファイバとして、ポリマークラッド樹脂被覆光ファイバ(コア:ノンドープの石英(コア径:400μm)、クラッド:ウレタンアクリレート系紫外線硬化型樹脂(クラッド径:460μm)、樹脂層(被覆層):ウレタンアクリレート系紫外線硬化型樹脂(被覆径:560μm))を用い、先端から長さ16mmの部分のクラッド層と樹脂層(被覆層)を除去してコア露出部を形成した。なお光ファイバの先端部は事前の端面研磨により平滑な面が形成されている。
一方、コネクタとして、ステンレス製の枠体に、リン青銅製の全長が25mmのスリーブ(光ファイバ挿通孔の先端から15mmまでの長さ部分が内面に凹凸がない貫孔部であり、該15mmの長さ部分から後段に、頂角が60度、高さが300μmの二等辺三角形からなる断面形状の凸部を連続的に形成した蛇腹状の内面からなる光ファイバ保持構造部を形成したもの)を嵌入する構成のものを用いた。すなわち、枠体(筐体)にはスリーブの光ファイバ保持構造部を包囲する部分がテーパ状に縮径した形状のスリーブ受承孔が形成される一方、スリーブにはその外壁に切れ目(所謂“割り”)が形成されており、枠体(筐体)のスリーブ受承孔にスリーブをねじ込む際にスリーブが締め付けられてカシメられ、光ファイバが保持される構造のものを使用した。
そして、スリーブの光ファイバ保持構造部の端部(内面に凹凸がない貫孔部側の端部)と光ファイバの樹脂層の末端とが同一位置となるように、スリーブに光ファイバを挿通し、スリーブを枠体に嵌入することで、コネクタを光ファイバ端部に取付けた。
比較例1
光ファイバの樹脂層のその末端(コア露出部側の末端)から光ファイバの軸線方向に5mm離れた位置に、金属製スリーブの光ファイバ保持構造部の端部(内面に凹凸がない貫孔部側の端部)が配置されるようにした以外は、実施例1と同様にして、コネクタを光ファイバ端部に取付けた。
実施例1と比較例1の光ファイバについて、光ファイバの端面から出力3Wのレーザ光を10時間、連続入射させて、コネクタの温度上昇を観察した。その結果、比較例1の光ファイバではコネクタの温度上昇が観察されたが、実施例1の光ファイバではコネクタの温度上昇は観測されなかった。
実施例2
光ファイバとして、ポリマークラッド樹脂被覆光ファイバ(コア:ノンドープの石英(コア径:400μm)、クラッド:ウレタンアクリレート系紫外線硬化型樹脂(クラッド径:460μm)、樹脂層:フッ素樹脂(被覆径:600μm))を用い、先端から長さ16mmの部分のクラッド層と樹脂層(被覆層)を除去してコア露出部を形成した。なお、光ファイバの先端部は事前の端面研磨により平滑な面を形成した。
一方、コネクタとして、ステンレス製の枠体に、リン青銅製の全長が25mmのスリーブ(光ファイバ挿通孔の先端から15mmまでの長さ部分が内面に凸部がない貫孔部(内径が一定の貫孔部)であり、該15mmの長さ部分から後段に、高さが250μmの台形の単一凸部(内径の縮径により形成された単一の凸部)からなる光ファイバ保持構造部を形成したもの)を嵌入する構成のものを用いた。すなわち、枠体(筐体)にはスリーブの光ファイバ保持構造部を包囲する部分がテーパ状に縮径した形状のスリーブ受承孔が形成される一方、スリーブにはその外壁に切れ目(所謂“割り”)が形成されており、枠体(筐体)のスリーブ受承孔にスリーブをねじ込む際にスリーブが締め付けられてカシメられ、光ファイバが保持される構造のものを使用した。
そして、スリーブの光ファイバ保持構造部の端部(内面に凸部がない貫孔部側の端部)と光ファイバの樹脂層の末端とが同一位置となるように、スリーブに光ファイバを挿通し、スリーブを枠体に嵌入することで、コネクタを光ファイバ端部に取付けた。
実施例1と同様に、光ファイバの端面から出力3Wのレーザ光を10時間、連続入射させて、コネクタの温度上昇を観察した。その結果、コネクタの温度上昇は観測されなかった。
実施例3
実施例1と同様の構造のコネクタを使用し、光ファイバとして、実施例1で使用したコア露出部を形成したポリマークラッド樹脂被覆光ファイバの樹脂層にさらに金属製箔肉部材としてインジウム箔(厚さ20ミクロン)を3回巻き付けたものを使用し、コネクタの光ファイバ保持構造部の端部(内面に凹凸がない貫孔部側の端部)と、光ファイバにおける樹脂層の末端とが同一位置となるように、スリーブに光ファイバを挿通し、スリーブを枠体に嵌入することで、コネクタを光ファイバ端部に取付けた。そして、実施例1と同様に、光ファイバの端面から出力3Wのレーザ光を10時間、連続入射させて、コネクタの温度上昇を観察した。その結果、コネクタの温度上昇は観測されなかった。
実施例4
光ファイバとして、樹脂被覆石英光ファイバ(コア:ノンドープの石英(コア径:400μm)、クラッド:ボロン、フッ素共ドープの石英(クラッド径:440μm)、樹脂層(第一の被覆層:シリコーン樹脂(被覆径:540μm)、第2の被覆層:ナイロン(被覆径:650μm))を用い、先端から長さ16mmの部分の樹脂層(被覆層)を除去してクラッド露出部を形成した。なお光ファイバの先端部は事前の端面研磨により平滑な面を形成した。
一方、コネクタは実施例1と同様の構造のものを用いた。そして、スリーブの光ファイバ保持構造部の端部(内面に凹凸がない貫孔部側の端部)と光ファイバの樹脂層の末端とが同一位置となるように、スリーブに光ファイバを挿通し、スリーブを枠体に嵌入することで、コネクタを光ファイバ端部に取付けた。実施例1と同様に、光ファイバの端面から出力3Wのレーザ光を10時間、連続入射させて、コネクタの温度上昇を観察した。その結果、コネクタの温度上昇は観察観測されなかった。
実施例5
光ファイバとして、コア(石英、Ybドープ)(コア径:40μm)、第1クラッド(石英)(クラッド径:600μm)、第2クラッド(空気層内に石英からなるブリッジをコアを中心として放射状に90個配置)(クラッド径:660μm)、サポート(石英)(サポート径:1000μm)、第1被覆(シリコン、厚さ150μm、外径1.3mm)、第2被覆(ETFE、厚さ200μm、外径1.7mm)の樹脂被覆ダブルクラッド光ファイバを用い、先端から16mmの樹脂層を除去してサポート層の露出部を形成した。光ファイバ先端は、端面封止を行った後に、対面研磨により平滑な面を形成し、さらにレーザー発振用ミラー(波長915nmでの反射率の反射率:0.5%以下、波長1080nmでの反射率:99%以上)を形成した。コネクタは、光ファイバ保持構造部の内径が異なる点を除き、実施例1と同様の構造のものを用い、スリーブの光ファイバ保持構造部の端面(内面に凹凸がない貫孔部側の端部)を光ファイバの樹脂層の末端とが同一位置になるように、スリーブに光ファイバを挿通し、スリーブを枠内に嵌入することで、コネクタを光ファイバ端部に取り付けた。光ファイバ端部から、波長915nm、光出力100Wの励起光を入射して、レーザー発振動作を10時間行い、コネクタ部分の温度上昇を確認したが、急激な温度上昇は観測されなかった。
実施例6
光ファイバとして、第2クラッドが、BFドープ(B(ボロン)とF(フッ素)の共ドープ)の石英(クラッド径:660μm)である以外は、実施例5と同じ構成の樹脂被覆ダブルクラッド光ファイバを用い先端から16mmの樹脂層を除去してサポート層の露出部を形成した。その他は、実施例5と同様にして、コネクタを光ファイバ端部に取り付け、光ファイバ端部から、波長915nm、光出力100Wの励起光を入射して、レーザー発振動作を10時間行い、コネクタ部分の温度上昇を確認したが、急激な温度上昇は観測されなかった。
1 裸光ファイバ
1A コア
1B クラッド
10 光ファイバ
11 コア露出部
2 樹脂層
2A 樹脂層の末端
35 コネクタ
31 蛇腹状の内面
31A 凸部
32 光ファイバ保持構造部
33 光ファイバ挿通孔
34 光ファイバ保持手段(金属製スリーブ)

Claims (6)

  1. コア及びクラッドからなる裸光ファイバを樹脂層で被覆した樹脂被覆光ファイバにおける、先端から樹脂層及びクラッドを除去してコア露出部を形成するか、或いは、先端から樹脂層を除去してクラッド露出部を形成した光ファイバ端部か、または、コアと、コアの外周を覆うクラッドと、クラッドの外周を覆うサポートとを有し、該サポートを樹脂層で被覆した樹脂被覆光ファイバにおける、先端から樹脂層を除去してサポート露出部を形成した光ファイバ端部へのコネクタの取付け構造であって、
    コネクタが、内径を縮径させた光ファイバ保持構造部を含む光ファイバ挿通孔が形成された光ファイバ保持手段を有し、
    前記光ファイバ端部のコア露出部、クラッド露出部またはサポート露出部に隣接する樹脂層の末端を、前記コネクタの光ファイバ保持構造部内に配置して、該樹脂層に光ファイバ保持構造部内面の縮径による凸部を押接して、光ファイバを保持する構成としたことを特徴とする、光ファイバ端部へのコネクタ取付け構造。
  2. コア及びクラッドからなる裸光ファイバを樹脂層で被覆した樹脂被覆光ファイバにおける、先端から樹脂層及びクラッドを除去してコア露出部を形成するか、或いは、先端から樹脂層を除去してクラッド露出部を形成した光ファイバ端部か、または、コアと、コアの外周を覆うクラッドと、クラッドの外周を覆うサポートとを有し、該サポートを樹脂層で被覆した樹脂被覆光ファイバにおける、先端から樹脂層を除去してサポート露出部を形成した光ファイバ端部へのコネクタの取付け構造であって、
    コネクタが、内径を縮径させた光ファイバ保持構造部を含む光ファイバ挿通孔が形成された光ファイバ保持手段を有し、
    前記光ファイバ端部のコア露出部、クラッド露出部またはサポート露出部に隣接する樹脂層の末端を、前記コネクタの光ファイバ保持構造部内に配置するとともに、該樹脂層と光ファイバ保持構造部の内面との間に金属薄肉部材を介在させ、該金属薄肉部材に光ファイバ保持構造部の内面の縮径による凸部を押接させることで、光ファイバが拘持されてなることを特徴とする、光ファイバ端部へのコネクタ取付け構造。
  3. 前記金属薄肉部材が金属箔若しくは金属テープ、又は、金属円筒管である、請求項2記載のコネクタ取付け構造。
  4. 前記コア及びクラッドからなる裸光ファイバを樹脂層で被覆した樹脂被覆光ファイバが、石英コア及び石英クラッドからなる裸光ファイバを樹脂層で被覆した光ファイバであって、その端部にクラッド露出部を形成したものである、請求項1〜3のいずれか1項記載のコネクタ取付け構造。
  5. 前記コア及びクラッドからなる裸光ファイバを樹脂層で被覆した樹脂被覆光ファイバが、石英コアと、石英コアの外周を覆う第1石英クラッドと、該第1石英クラッドの外周を覆う、該第1石英クラッドの屈折率よりもその屈折率が低い第2石英クラッドとからなる裸光ファイバを樹脂層で被覆した光ファイバであって、その端部に第2石英クラッドが露出したクラッド露出部を形成したものである、請求項1〜3のいずれか1項記載のコネクタ取付け構造。
  6. 前記コアと、コアの外周を覆うクラッドと、クラッドの外周を覆うサポートとを有し、該サポートを樹脂層で被覆した樹脂被覆光ファイバが、石英コア、石英コアの外周を覆う石英からなる第1クラッド、第1クラッドの外周を覆う空気層からなる第2クラッド、及び第2クラッドの外周を覆う石英からなるサポートを有し、該サポートを樹脂層で被覆した光ファイバであって、その端部にサポート露出部を形成したものである、請求項1〜3のいずれか1項記載のコネクタ取付け構造。
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