JP2013235262A - 表示媒体、および表示装置 - Google Patents

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奈実 徳永
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弘朗 森山
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力 真鍋
Yoshinori Machida
義則 町田
Tadanobu Sato
忠伸 佐藤
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Abstract

【課題】基板対向面に対する粒子の固着を抑制し得る表示媒体の提供。
【解決手段】電極を有し、少なくとも一方が透光性を有し且つ間隙をもって配置された一対の基板20,22と、一対の基板20,22間に封入された分散媒50と、分散媒50中に分散され、一対の基板20,22間に形成された電界に応じて分散媒50中を移動する粒子群34と、少なくとも10モル%以上90モル%以下の(1)(メタ)アクリル系モノマー、1モル%以上50モル%以下の(2)シリコーンマクロマー、および2モル%以上70モル%以下の(3)架橋性モノマーに由来する高分子化合物(但し前記比率は、前記(1)、(2)および(3)の成分の合計量を基準(100モル%)とした場合の比率である)が、一対の基板20,22の対向面の少なくとも一方に設けられた表面層21,23と、を有する表示媒体10。
【選択図】図1

Description

本発明は、表示媒体、および表示装置に関するものである。
従来、繰り返し書き換えし得る表示媒体として、粒子を用いた表示媒体が知られている。この表示媒体は、例えば一対の基板と、一対の基板間に形成された電界に応じて基板間を移動し得るよう該基板間に封入された粒子群と、を含んで構成されている。また、基板間には、粒子が基板内の特定の領域に偏るのを防ぐため等の理由により、基板間を複数のセルに仕切るための間隙部材が設けられる場合もある。
ここで、基板の表面に処理層を形成した態様として、特許文献1には、電極を有する一対の基板であって、少なくとも一方が透光性を有すると共に間隙をもって配置された一対の基板と、この一対の基板間に封入された分散媒と、この分散媒中に分散され一対の基板間に形成された電界に応じて該分散媒中を移動する粒子群と、を有する表示媒体の、この一対の基板の対向面の少なくとも一方に、シリコーン鎖を持つ高分子化合物により形成された処理層を形成する態様が開示されている。
また、粒子群における粒子の表面を処理した態様として、特許文献2には、情報表示用パネルに用いる帯電性を有する表示媒体用粒子であって、樹脂からなる母粒子の表面に外添剤を付与してなる表示媒体用粒子において、メタノール濡れ試験で測定した外添剤表面疎水度が25%以上40%以下である外添剤を用いることが開示されている。
特開2010−078826号公報 特開2010−262066号公報
本発明の課題は、基板対向面に対する粒子の固着を抑制し得る表示媒体を提供することにある。
上記課題は、以下の手段により解決される。
<1> 電極を有し、少なくとも一方が透光性を有し且つ間隙をもって配置された一対の基板と、
前記一対の基板間に封入された分散媒と、
前記分散媒中に分散され、前記一対の基板間に形成された電界に応じて該分散媒中を移動する粒子群と、
少なくとも10モル%以上90モル%以下の(1)(メタ)アクリル系モノマー、1モル%以上50モル%以下の(2)シリコーンマクロマー、および2モル%以上70モル%以下の(3)架橋性モノマーに由来する高分子化合物(但し前記比率は、前記(1)、(2)および(3)の成分の合計量を基準(100モル%)とした場合の比率である)が、前記一対の基板の対向面の少なくとも一方に設けられた表面層と、
を有する表示媒体である。
<2> 前記表面層の表面の濡れ張力(JIS−K6768/1999年)が35mN/m以下である前記<1>に記載の表示媒体である。
<3> 前記高分子化合物が、前記シリコーンマクロマーとして下記構造式で示される化合物から選択される少なくとも1種に由来する構成単位を有する前記<1>または<2>に記載の表示媒体である。

〔上記構造式中、Rは、水素原子またはメチル基を示す。R’は、水素原子または炭素数1以上4以下のアルキル基を示す。nは自然数を示す。xは1以上3以下の整数を示す。〕
<4> 前記分散媒は、水を除く極性成分の含有量が0.01質量%以下である前記<1>から<3>のいずれか一項に記載の表示媒体である。
<5> 前記<1>から<4>のいずれか一項に記載の表示媒体と、
前記一対の基板間に電圧を印加する電圧印加手段と、
を備えた表示装置である。
前記<1>に係る発明によれば、基板対向面に少なくとも10モル%以上90モル%以下の(1)(メタ)アクリル系モノマー、1モル%以上50モル%以下の(2)シリコーンマクロマー、および2モル%以上70モル%以下の(3)架橋性モノマーに由来する高分子化合物が結合されて形成された表面層を有さない場合に比べ、基板対向面に対する粒子の固着を抑制し得る表示媒体が提供される。
前記<2>に係る発明によれば、表面層の表面の濡れ張力が35mN/m以下でない場合に比べ、基板対向面に対する粒子の固着を抑制し得る表示媒体が提供される。
前記<3>に係る発明によれば、シリコーンマクロマーとして前記構造式で示される化合物から選択される少なくとも1種を用いない場合に比べ、基板対向面に対する粒子の固着を抑制し得る表示媒体が提供される。
前記<4>に係る発明によれば、分散媒が水を除く極性成分を上記範囲を超えて含む場合に比べ、表示の繰り返し安定性が維持される表示媒体が提供される。
前記<5>に係る発明によれば、基板対向面に少なくとも10モル%以上90モル%以下の(1)(メタ)アクリル系モノマー、1モル%以上50モル%以下の(2)シリコーンマクロマー、および2モル%以上70モル%以下の(3)架橋性モノマーに由来する高分子化合物の表面層を有する表示媒体を備えない場合に比べ、基板対向面に対する粒子の固着を抑制し得る表示装置が提供される。
第1実施形態に係る表示装置の概略構成図である。 第1実施形態に係る表示装置の表示媒体の基板間に電圧を印加したときの粒子群の移動態様を模式的に示す説明図である。 第1実施形態に係る表示装置の表示媒体の基板間に電圧を印加したときの粒子群の移動態様を模式的に示す説明図である。 第2実施形態に係る表示装置の概略構成図である。 第2実施形態に係る表示装置における、印加する電圧と粒子の移動量(表示濃度)との関係を模式的に示す線図である。 表示媒体の基板間へ印加する電圧態様と、粒子の移動態様との関係を模式的に示す説明図である。
以下、本発明に係る表示媒体および表示装置の実施形態について説明する。
<表示媒体および表示装置>
本実施形態に係る表示媒体は、電極を有し、少なくとも一方が透光性を有し且つ間隙をもって配置された一対の基板と、前記一対の基板間に封入された分散媒と、前記分散媒中に分散され、前記一対の基板間に形成された電界に応じて該分散媒中を移動する粒子群と、少なくとも下記(1)、(2)および(3)の成分に由来する高分子化合物が、前記一対の基板の対向面の少なくとも一方に設けられた表面層と、を有する。
(1)(メタ)アクリル系モノマー:10モル%以上90モル%以下
(2)シリコーンマクロマー:1モル%以上50モル%以下
(3)架橋性モノマー:2モル%以上70モル%以下
(但し前記比率は、前記(1)、(2)および(3)の成分の合計量を基準(100モル%)とした場合の比率である)
少なくとも上記(1)乃至(3)の化合物が上記の量比にて重合されてなる上記高分子化合物が基板の対向面に設けられた表面層を有することで、基板対向面に対する前記粒子群の粒子の固着が抑制される。
尚、(1)(メタ)アクリル系モノマーの量比が上記下限値未満であると、表面層が白化したり、上記高分子化合物がゲル化して成膜が困難となることがあり、一方上記上限値を超えると、成膜し得るものの粒子の固着が発生するようになる。
(メタ)アクリル系モノマーの量比は、40モル%以上70モル%以下がより好ましい。
また、(2)シリコーンマクロマーの量比が上記下限値未満であると、粒子固着の抑制の効果が得られず、一方上記上限値を越えると、高分子化合物がゲル化してしまい表面層の成膜が困難となる。
シリコーンマクロマーの量比は、2モル%以上40モル%以下がより好ましい。
また、(3)架橋性モノマーの量比が上記下限値未満であると、粒子固着の抑制の効果が得られず、一方上記上限値を越えると、表面層の白化が発生する。
架橋性モノマーの量比は、5モル%以上40モル%以下がより好ましい。
なお、この割合は、前記高分子化合物を合成する際の仕込み量の割合である。
・濡れ張力
また、前記表面層の表面の濡れ張力は35mN/m以下であることが好ましい。濡れ張力が上記範囲であることにより、基板対向面に対する粒子の固着がより効果的に抑制される。
上記濡れ張力は、30mN/m以下が好ましく、小さい程より好ましい。
上記濡れ張力は、JIS−K6768(1999年)に準じて測定される。具体的には、濡れ張力試験用混合液(例えば22.6mN/mから73mN/mの範囲のもの/数値が大きいほど親密性が向上する)に綿棒を浸し、それを被験体(表面層)の表面に塗布し、この際に撥水すること無くベッタリと濡れる試験用混合液の番号の最小値を濡れ性指数として算出される。
表面層の表面の濡れ張力は、前記(メタ)アクリル系モノマー,シリコーンマクロマーおよび架橋性モノマーの種類と量を調整することで制御され、更にはシリコーンマクロマーおよび架橋性モノマーの種類と量が大きく寄与する。特に濡れ張力を上記範囲とする観点から、シリコーンマクロマーの量を前記下限値以上とし、且つ架橋性モノマーの量を前記下限値以上とすることが好ましい。
次いで、本実施形態に係る表示媒体および表示装置の構成について説明する
以下、本実施形態について図面を参照しつつ説明するが、作用および機能が同じ働きを担う部材には、全図面を通して同じ符合を付与し、重複する説明を省略する場合がある。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る表示装置の概略構成図である。図2Aおよび図2Bは、第1実施形態に係る表示装置の表示媒体の基板間に電圧を印加したときの粒子群の移動態様を模式的に示す説明図である。
第1実施形態に係る表示装置10は、図1に示すように、表示媒体12と、表示媒体12に電圧を印加する電圧印加部16(電圧印加手段の一種)と、制御部18と、を含んでいる。
表示媒体12は、画像表示面とされる表示基板20、表示基板20に間隙をもって対向する背面基板22、これらの基板間を定められた間隔に保持すると共に、表示基板20と背面基板22との間を複数のセルに区画する間隙部材24、各セル内に封入された粒子群34、および粒子群34とは異なる光学的反射特性を有する着色浮遊粒子群36を含んでいる。
上記セルとは、表示基板20と、背面基板22と、間隙部材24と、によって囲まれた領域を示している。このセル中には、分散媒50が封入されている。粒子群34(詳細後述)は、複数の粒子を含み、この分散媒50中に分散され、セル内に形成された電界強度に応じて表示基板20と背面基板22との基板間を着色浮遊粒子群36の間隙を通じて移動する。
なお、本実施形態では、1つのセル内に封入されている粒子群34は、定められた色を有すると共に、正または負に帯電処理されて予め調製されているものとして説明する。
なお、この表示媒体12に画像を表示したときの各画素に対応するように間隙部材24を設け、各画素に対応するようにセルを形成することで、表示媒体12を、画素毎の表示をしてもよい。
また、本実施形態では、説明を簡易化するために、1つのセルに注目した図を用いて本実施形態を説明する。以下、各構成について詳細に説明する。
・基板
まず、一対の基板について説明する。表示基板20は、支持基板38上に、表面電極40を積層している。背面基板22は、支持基板44上に、背面電極46を積層している。
表示基板20、または表示基板20と背面基板22との双方は、透光性を有している。ここで、本実施形態における透光性とは、可視光の透過率が60%以上であることを示している。
支持基板38および支持基板44としては、ガラス、またはプラスチック(例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂)等が挙げられる。
・電極
表面電極40および背面電極46には、インジウム、スズ、カドミウム、アンチモン等の酸化物、ITO等の複合酸化物、金、銀、銅、ニッケル等の金属、ポリピロールやポリチオフェン等の有機材料等が使用される。これらは単層膜、混合膜あるいは複合膜として使用され、蒸着法、スパッタリング法、塗布法等で形成される。また、その厚さは、蒸着法、スパッタリング法によれば、通常100Å以上2000Å以下である。背面電極46および表面電極40は、従来の液晶表示媒体あるいはプリント基板のエッチング等従来公知の手段により、所望のパターン、例えば、マトリックス状、またはパッシブマトリックス駆動を行い得るストライプ状に形成してもよい。
また、表面電極40を支持基板38に埋め込んでもよい。また、背面電極46を支持基板44に埋め込んでもよい。この場合、支持基板38および支持基板44の材料を粒子群34の各粒子の組成等に応じて選択する。
なお、背面電極46および表面電極40各々を表示基板20および背面基板22と分離させ、表示媒体12の外部に配置してもよい。
なお、上記では、表示基板20と背面基板22の双方に電極(表面電極40および背面電極46)を備える場合を説明したが、何れか一方にだけ設けて、アクティブマトリクス駆動させてもよい。
また、アクティブマトリックス駆動を行い得る構成とするために、支持基板38および支持基板44は、画素毎にTFT(薄膜トランジスタ)を備えていてもよい。配線の積層化および部品実装が容易であることから、TFTは表示基板ではなく背面基板22に形成することが望ましい。
・表面層
次に、表面層について説明する。表示基板20と背面基板22の対向面には、各々、表面層21および表面層23が設けられている。そして、間隙部材24の表面(セル内側表面)にも、表面層25が設けられている。
なお、本実施形態では、表示基板20と背面基板22の対向面の双方に表面層(表面層21および表面層23各々)が設けられている場合を説明するが、表示基板20と背面基板22の対向面の何れか一方にのみ設けられていてもよく、少なくとも表示基板20側の対向面に表面層21が設けられていることが粒子の固着に起因する画像欠陥が抑制される観点から望ましい。また、間隙部材24の表面(セル内側表面)にも表面層25を設けると、間隙部材24に表面層が設けられていない場合に比べ、間隙部材24に対する粒子の固着も抑制され、結果表示に寄与しない粒子の増加が抑制される。つまり、少なくとも表示基板20の対向面に表面層を設けることがよいが、一対の基板および間隙部材の全て(即ち、これらで囲まれるセル内壁)に表面層が配設されていることが最もよい。
表面層21、表面層23および表面層25の各々は、少なくとも下記(1)乃至(3)に由来する高分子化合物(以下単に「特定の高分子化合物」とも称す)が前記表示基板20や背面基板22の対向面、間隙部材24の表面に設けられ、更に結合されて形成されることが好ましい。
(1)(メタ)アクリル系モノマー:10モル%以上90モル%以下
(2)シリコーンマクロマー:1モル%以上50モル%以下
(3)架橋性モノマー:2モル%以上70モル%以下
(但し前記比率は、前記(1)、(2)および(3)の成分の合計量を基準(100モル%)とした場合の比率である)
表面層21、表面層23および表面層25の各々は、前記特定の高分子化合物を含んでいる。具体的には、例えば、表示基板20と背面基板22各々の対向面や間隙部材24同士の対向面に対して、前記特定の高分子化合物を化学的に結合させる処理、または前記特定の高分子化合物を被覆(塗布)させる処理(つまり高分子化合物を成膜する処理)によって、前記特定の高分子化合物を当該面に形成して、表面層21、表面層23および表面層25の各々を構成している。
(1)(メタ)アクリル系モノマー
(メタ)アクリル系モノマーとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸アルキルエステル、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレートなどのアルキルオキシオリゴエチレングリコールの(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールの片末端(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、N,N−ジアルキルアミノ(メタ)アクリレート等が挙げられ、中でもヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレートが好ましい。
ここで、「(メタ)アクリル」とは、「アクリル」および「メタクリル」の双方を含むことを意味する。
(2)シリコーンマクロマー
マクロマーとは、分子中にポリマー構造を有するモノマーを指し、シリコーンマクロマーとはシリコーン鎖成分を有するマクロマーを表す。
該シリコーンマクロマーとしては、片末端に(メタ)アクリレート基を持つジメチルシリコーンマクロマー、片末端にエポキシ基を持つジメチルシリコーンマクロマー等が挙げられる。
片末端にエポキシ基を持つジメチルシリコーンマクロマーとしては、例えば下記構造式1で示されるシリコーン化合物が好適なものとして挙げられる。下記構造式1で示されるシリコーン化合物の例としては、例えば信越化学工業社製:X−22−173DX等が挙げられる。

〔構造式1中、R’は、水素原子または炭素数1以上4以下のアルキル基を示す。nは自然数を示し、例えば3以上100以下である。xは1以上3以下の整数を示す。〕
片末端に(メタ)アクリレート基を持つジメチルシリコーンマクロマーとしては、例えば下記構造式2で示されるシリコーン化合物が好適なものとして挙げられる。下記構造式2で示されるシリコーン化合物の例としては、例えば、JNC社製:サイラプレーン:FM−0711,FM−0721,FM−0725等、信越化学工業社製:X−22−174DX,X−22−2426,X−22−2475等が挙げられる。

〔構造式2中、Rは、水素原子またはメチル基を示す。R’は、水素原子または炭素数1以上4以下のアルキル基を示す。nは自然数を示し、例えば3以上100以下である。xは1以上3以下の整数を示す。〕
片末端に(メタ)アクリレート基を持つジメチルシリコーンマクロマーとしては、例えば下記構造式3、構造式4で示される分岐構造を有するシリコーン化合物も好適なものとして挙げられる。

〔構造式3、構造式4中、R、R、R、R、R、R、R、RおよびR10はそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1以上4以下のアルキル基、または炭素数1以上4以下のフルオロアルキル基を表す。Rは、水素原子、またはメチル基を表す。p、qおよびrはそれぞれ独立に、1以上1000以下の整数を表す。xは、1以上3以下の整数を表す。〕
上記構造式3で示されるシリコーン化合物の例としては、例えば、Gelest社製のMCS−M11等が挙げられる。上記構造式4で表されるシリコーン化合物としては、例えば、Gelest社製のRTT−1011、信越化学工業社製のX−22−2404等が挙げられる。以下にこれらのシリコーン化合物の構造式を示す。

MCS−M11は、上記の構造式においてmおよびlがそれぞれ独立に2以上4以下の整数であり、その分子量が800以上1000以下である。

RTT−1011は、上記の構造式で表わされる化合物である。

X−22−2404は、上記の構造式で表わされる化合物である。
(3)架橋性モノマー
架橋性モノマーとは、架橋構造を形成し得る基を有する重合性のモノマー、構造が変化することで架橋構造を形成し得る基となる基を有する重合性のモノマー、または、分子内に複数の反応性基を有する重合性のモノマーを表す。
架橋性モノマーとしては、例えば片末端に(メタ)アクリレート基を持ち且つ加熱により活性なイソシアネート基となるイソシアネートブロック体を有するイソシアネート系モノマー(例えば昭和電工社製:カレンズMOI−BP)が挙げられる。
また、片末端に(メタ)アクリレート基を持ち且つイソシアネート基を有するイソシアネート系モノマー(例えば昭和電工社製:カレンズAOI、カレンズMOI)、エポキシ基を有するグリシジル(メタ)アクリレートなども挙げられる。
また、ジイソシアネート化合物およびトリイソシアネート化合物(トルエンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、トリフェニルメタンイソシアネート(例えば三井化学社製:タケネートD−160N)等)、ジエポキシ化合物(1,7−オクタジエンジエポキシド、ジシクロペンタジエンジエポキシド等)なども挙げられる。
また、分子内に官能基としてイミノ基、メチロール基およびメトキシメチル基等を有するアルキル化メラミン化合物やアルキル化尿素化合物(例えば三和ケミカル社製:ニカラックMX−270等)なども挙げられる。
これらの中でも、特に片末端に(メタ)アクリレート基を持ち且つ加熱により活性なイソシアネート基となるイソシアネートブロック体を有するイソシアネート系モノマーが好ましい。
(4)その他の重合成分
また、前記特定の高分子化合物は、更にその他の重合成分を含んだ共重合体であってもよい。
その他の重合成分としては、例えば、ジメチルアミノスチレン、ジエチルアミノスチレン、ジメチルアミノメチルスチレン、ジオクチルアミノスチレン等の含窒素基を有する芳香族置換エチレン系単量体類;ビニル−N−エチル−N−フェニルアミノエチルエーテル、ビニル−N−ブチル−N−フェニルアミノエチルエーテル、トリエタノールアミンジビニルエーテル、ビニルジフェニルアミノエチルエーテル、N−ビニルヒドロキシエチルベンズアミド、m−アミノフェニルビニルエーテル等の含窒素ビニルエーテル単量体類;N−ビニルピロール等のピロール類;N−ビニル−2−ピロリン、N−ビニル−3−ピロリン等のピロリン類;N−ビニルピロリジン、ビニルピロリジンアミノエーテル、N−ビニル−2−ピロリドン等のピロリジン類;N−ビニル−2−メチルイミダゾール等のイミダゾール類;N−ビニルイミダゾリン等のイミダゾリン類;N−ビニルインドール等のインドール類;N−ビニルインドリン等のインドリン類;N−ビニルカルバゾール、3,6−ジブロム−N−ビニルカルバゾール等のカルバゾール類;2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、2−メチル−5−ビニルピロジン等のピリジン類;(メタ)アクリルピペリジン、N−ビニルピペリドン、N−ビニルピペラジン等のピペリジン類;2−ビニルキノリン、4−ビニルキノリン等のキノリン類;N−ビニルピラゾール、N−ビニルピラゾリン等のピラゾール類;2−ビニルオキサゾール等のオキサゾール類;4−ビニルオキサジン、モルホリノエチル(メタ)アクリレート等のオキサジン類;クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマール酸、シトラコン酸、またはそれらの無水物およびそのモノアルキルエステルやカルボキシエチルビニルエーテル、カルボキシプロピルビニルエーテルの如きカルボキシル基を有するビニルエーテル類;スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホニックアシッド、3−スルホプロピル(メタ)アクリックアシッドエステル、ビス−(3−スルホプロピル)−イタコニックアシッドエステル等およびその塩;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリル酸の硫酸モノエステルおよびその塩;ビニルホスホン酸、ビニルホスフェート、アシッドホスホキシエチル(メタ)アクリレート、アシッドホスホキシプロピル(メタ)アクリレート、ビス(メタクリロキシエチル)ホスフェート、ジフェニル−2−メタクリロイロキシエチルホスフェート、ジフェニル−2−アクリロイロキシエチルホスフェート、ジブチル−2−メタクリロイロキシエチルホスフェート、ジブチル−2−アクリロイロキシエチルホスフェート、ジオクチル−2−(メタ)アクリロイロキシエチルホスフェート;スチレンやビニルナフタレン等の芳香族ビニル化合物類等が挙げられる。
また、上記その他の重合成分として、極性基を持つ重合成分を用いてもよい。
極性基を持つ重合成分としては、塩基(カチオン性基)を持つ重合成分、酸基(アニオン性基)を持つ重合成分、水酸基(ヒドロキシル基)を持つ重合成分等が挙げられる。
なお、極性基としての塩基(カチオン性基)は、例えば、アミノ基、4級アンモニウム基が挙げられる(これら基の塩も含む)。
極性基としての酸基(アニオン性基)は、例えば、フェノール基、カルボキシル基、カルボン酸塩基、スルホン酸基、スルホン酸塩基、リン酸基、リン酸塩基およびテトラフェニルボロン基が挙げられる。
塩基(カチオン性基)を持つ重合成分としては、例えば、以下のものが挙げられる。具体的には、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ヒドロキシエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−エチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−オクチル−N−エチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジヘキシルアミノエチル(メタ)アクリレート等の脂肪族アミノ基を持つ(メタ)アクリレート類;、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−オクチル(メタ)アクリルアミド、N−フェニルメチル(メタ)アクリルアミド、N−シクロヘキシル(メタ)アクリルアミド、N−フェニル(メタ)アクリルアミド、N−p−メトキシ−フェニル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジブチル(メタ)アクリルアミド、N−メチル−N−フェニル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド類;、ジメチルアミノスチレン、ジエチルアミノスチレン、ジメチルアミノメチルスチレン、ジオクチルアミノスチレン等の含窒素基を持つ芳香族置換エチレン系単量体類;、ビニル−N−エチル−N−フェニルアミノエチルエーテル、ビニル−N−ブチル−N−フェニルアミノエチルエーテル、トリエタノールアミンジビニルエーテル、ビニルジフェニルアミノエチルエーテル、N−ビニルヒドロキシエチルベンズアミド、m−アミノフェニルビニルエーテル等の含窒素ビニルエーテル単量体類;、ビニルアミン、N−ビニルピロール等のピロール類;、N−ビニル−2−ピロリン、N−ビニル−3−ピロリン等のピロリン類;、N−ビニルピロリジン、ビニルピロリジンアミノエーテル、N−ビニル−2−ピロリドン等のピロリジン類;、N−ビニル−2−メチルイミダゾール等のイミダゾール類;、N−ビニルイミダゾリン等のイミダゾリン類;、N−ビニルインドール等のインドール類;、N−ビニルインドリン等のインドリン類;、N−ビニルカルバゾール、3,6−ジブロム−N−ビニルカルバゾール等のカルバゾール類;、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、2−メチル−5−ビニルピリジン等のピリジン類;、(メタ)アクリルピペリジン、N−ビニルピペリドン、N−ビニルピペラジン等のピペリジン類;、2−ビニルキノリン、4−ビニルキノリン等のキノリン類;、N−ビニルピラゾール、N−ビニルピラゾリン等のピラゾール類;、2−ビニルオキサゾール等のオキサゾール類;、4−ビニルオキサジン、モルホリノエチル(メタ)アクリレート等のオキサジン類;などが挙げられる。
なお、塩基(カチオン性基)を持つ重合成分は、重合前または重合後に4級アンモニウム塩化して塩構造を形成してもよい。4級アンモニウム塩化は、例えば、カチオン性基をアルキルハライド類やトシル酸エステル類と反応させることで実現される。
酸基(アニオン性基)を持つ重合成分としては、例えば、以下のものが挙げられる。
カルボン酸基を持つ重合成分としては、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマール酸、シトラコン酸、それらの無水物、そのモノアルキルエステルやカルボキシエチルビニルエーテル、カルボキシプロピルビニルエーテルの如きカルボキシル基を持つビニルエーテル類、およびその塩等が挙げられる。
スルホン酸基を持つ重合成分としては、例えば、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、3−スルホプロピル(メタ)アクリックアシッドエステル、ビス−(3−スルホプロピル)−イタコニックアシッドエステル等およびその塩が挙げられる。また、スルホン酸基を持つ重合成分としては、その他2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリル酸の硫酸モノエステルおよびその塩も挙げられる。
リン酸基を持つ重合成分としては、例えば、ビニルホスホン酸、ビニルホスフェート、アシッドホスホキシエチル(メタ)アクリレート、アシッドホスホキシプロピル(メタ)アクリレート、ビス(メタクリロキシエチル)ホスフェート、ジフェニル−2−メタクリロイロキシエチルホスフェート、ジフェニル−2−アクリロイロキシエチルホスフェート、ジブチル−2−メタクリロイロキシエチルホスフェート、ジブチル−2−アクリロイロキシエチルホスフェート、ジオクチル−2−(メタ)アクリロイロキシエチルホスフェート等が挙げられる。
なお、酸基(アニオン性基)を持つ重合成分は、重合前若しくは重合後にアンモニウム塩化して塩構造を形成させてもよい。アンモニウム塩化は、例えば、アニオン性基を3級アミン類若しくは4級アンモニウムハイドロオキサイド類と反応させることで実現される。
水酸基(ヒドロキシル基)を持つ重合成分としては、例えば、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート(例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等)、アリルアルコール、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等が挙げられ、その他、グリシジル基を持つモノマーを共重合させたのち開環させたもの、t−ブトキシキなどを持つモノマーを重合したのち加水分解させることでOH基を導入したものも挙げられる。
また更に、上記で列挙したもの以外の重合成分としては、例えば、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリルアミド、エチレン、プロピレン、ブタジエン、イソプレン、イソブチレン、N−ジアルキル置換(メタ)アクリルアミド、ビニルカルバゾール、塩化ビニル、塩化ビニリデン、イソプレン、ブタジエン、ビニルピロリドン、等が挙げられる。
また、「その他の重合成分」として挙げた重合成分は、全重合成に対して占める質量比で0質量%以上74質量%以下が望ましく、より望ましくは25質量%以上70質量%以下である。
前記特定の高分子化合物は、架橋体として表面層を構成してもよく、当該架橋体とするには、例えば、重合成分として反応性基(架橋性基)を持つ重合成分を重合させ、樹脂を架橋させる方法、高分子化合物とは別途、架橋剤を添加して、架橋させる方法が挙げられる。なお、架橋剤としては、例えば、イソシアネート等の周知の架橋剤が挙げられる。
但し、前記特定の高分子化合物が上述したその他の重合成分を原料として含む場合、該その他の重合成分の比率は、前述の(1)、(2)および(3)の成分の合計量(100モル%)に対し900モル%以下とすることが望ましく、より望ましくは300モル%以下である。
前記特定の高分子化合物の重量平均分子量としては、100以上100万以下が望ましく、より望ましくは400以上100万以下であり、500以上100万以下が更に望ましく、更に望ましくは1000以上50万以下である。
なお、重量平均分子量は静的光散乱法またはサイズ排除カラムクロマトグラフィーにより測定され、本明細書に記載の数値は当該方法によって測定されたものである。
前記特定の高分子化合物を用いた表面層の形成は、基板や間隙部材が前記架橋性モノマーにおける架橋基と反応する官能基を持つ材料を含む場合、当該基板および間隙部材に直接反応させ結合させる処理を行うことで行われる。一方、特定の高分子化合物を用いた表面層の形成は、基板や間隙部材が前記架橋性モノマーにおける架橋基と反応する官能基を持つ材料を含まない場合、基板や間隙部材の表面を処理剤(例えば、シランカップリング剤)により処理した後、特定の高分子化合物を、当該基板や間隙部材に反応させる処理を行うことで行われる。
ここで、上記処理剤としては、シランカップリング剤が望ましく、例えば、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシランおよびγ−クロロプロピルトリメトキシシラン等、(b)γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランおよびγ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン等、(c)N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、またはγ−アミノプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
特定の高分子化合物による表面層の厚みとしては、望ましくは0.001μm以上10μm以下、より望ましくは0.01μm以上1μm以下である。なお、表面層の厚みはDektak 6M 段差計(Veeco製)にて測定した。
・間隙部材
次に、間隙部材について説明する。表示基板20と背面基板22との基板間の隙を保持するための間隙部材24は、表示基板20の透光性を損なわないよう形成され、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、電子線硬化樹脂、光硬化樹脂、ゴム、金属等で形成される。
間隙部材24は表示基板20および背面基板22の何れか一方と一体化されてもよい。この場合には、支持基板38または支持基板44をエッチングするエッチング処理、レーザー加工処理、予め作製した型を使用してプレス加工処理または印刷処理等を行うことによって作製する。
この場合、間隙部材24は、表示基板20側、背面基板22側のいずれか、または双方に作製する。
間隙部材24は有色でも無色でもよいが、表示媒体12に表示される表示画像に悪影響を及ぼさないよう無色透明であることが望ましく、その場合には、例えば、ポリスチレンやポリエステルやアクリルなどの透明樹脂等が使用される。
また、粒子状の間隙部材24もまた透明であることが望ましく、ポリスチレン、ポリエステルまたはアクリル等の透明樹脂粒子の他、ガラス粒子も使用される。
なお、「透明」とは、可視光に対して、透過率60%以上有することを示している。
・分散媒
次に、分散媒について説明する。粒子群34が分散される分散媒50としては、絶縁性液体であることが望ましい。ここで、「絶縁性」とは、体積固有抵抗が1011Ωcm以上であることを示している。以下同義である。
分散媒50としては、特に制限はないが、低誘電溶媒(例えば誘電率5.0以下、望ましくは3.0以下)が選択されることがよい。分散媒は、低誘電溶媒以外の溶媒を併用してもよいが、50体積%以上の低誘電溶媒を含むことがよい。なお、低誘電率の誘電率は、誘電率計(日本ルフト製)により求められる。
上記絶縁性液体として具体的には、ヘキサン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、デカン、ヘキサデカン、ケロセン、パラフィン、イソパラフィン、シリコーンオイル、ジククロロエチレン、トリクロロエチレン、パークロロエチレン、高純度石油、エチレングリコール、アルコール類、エーテル類、エステル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、2−ピロリドン、N−メチルホルムアミド、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ベンジン、ジイソプロピルナフタレン、オリーブ油、イソプロパノール、トリクロロトリフルオロエタン、テトラクロロエタン、ジブロモテトラフルオロエタンなど、およびそれらの混合物が好適に使用される。これらの中でも、シリコーンオイルを適用することがよい。
また、下記体積抵抗値となるよう不純物を除去することで、水(所謂、純水)も、分散媒50として好適に使用される。該体積抵抗値としては、10Ωcm以上であることが望ましく、10Ωcm以上1019Ωcm以下であることがより好適であり、さらに1010Ωcm以上1019Ωcm以下であることがより良い。
なお、絶縁性液体には、酸、アルカリ、塩、分散安定剤、酸化防止や紫外線吸収などを目的とした安定剤、抗菌剤、防腐剤などを添加してもよいが、上記で示した特定の体積抵抗値の範囲となるよう添加することが望ましい。
また、絶縁性液体には、帯電制御剤として、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、金属石鹸、アルキルリン酸エステル類、コハク酸イミド類等を添加して使用してもよい。
イオン性および非イオン性の界面活性剤としては、より具体的には以下が挙げられる。ノニオン界面活性剤としては、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸アルキロールアミド等が挙げられる。アニオン界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルフェニルスルホン酸塩、アルキルナフタリンスルホン酸塩、高級脂肪酸塩、高級脂肪酸エステルの硫酸エステル塩、高級脂肪酸エステルのスルホン酸等がある。カチオン界面活性剤としては、第一級ないし第三級のアミン塩、第四級アンモニウム塩等があげられる。これら帯電制御剤は、粒子固形分に対して0.01質量%以上20質量%以下が望ましく、特に0.05質量%以上10質量%以下の範囲が望ましい。
なお、分散媒50は、前記絶縁性液体と共に高分子樹脂を併用してもよい。この高分子樹脂としては、高分子ゲル、高分子ポリマー等であることも望ましい。
この高分子樹脂としては、アガロース、アガロペクチン、アミロース、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、イソリケナン、インスリン、エチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、カードラン、カゼイン、カラギーナン、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルデンプン、カロース、寒天、キチン、キトサン、絹フィブロイン、クアーガム、クインスシード、クラウンゴール多糖、グリコーゲン、グルコマンナン、ケラタン硫酸、ケラチン蛋白質、コラーゲン、酢酸セルロース、ジェランガム、シゾフィラン、ゼラチン、ゾウゲヤシマンナン、ツニシン、デキストラン、デルマタン硫酸、デンプン、トラガカントゴム、ニゲラン、ヒアルロン酸、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、プスツラン、フノラン、分解キシログルカン、ペクチン、ポルフィラン、メチルセルロース、メチルデンプン、ラミナラン、リケナン、レンチナン、ローカストビーンガム等の天然高分子由来の高分子ゲルが挙げられる他、合成高分子の場合にはほとんどすべての高分子ゲルが挙げられる。
更に、アルコール、ケトン、エーテル、エステル、およびアミドの官能基を繰り返し単位中に含む高分子等が挙げられ、例えば、ポリビニルアルコール、ポリ(メタ)アクリルアミドやその誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキシドやこれら高分子を含む共重合体が挙げられる。これら中でも、ゼラチン、ポリビニルアルコール、ポリ(メタ)アクリルアミド等が望ましく用いられる。
また、この分散媒50に下記着色剤を混合することで、表示媒体12に粒子群34の色とは異なる色を表示させてもよい。例えば、着色剤として白色を示す着色剤を混合することにより、粒子群34の色が黒色の場合には、表示媒体12において白色と黒色とが表示される。
この分散媒50に混合する着色剤としては、カーボンブラック、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、フタロシアニン銅系シアン色材、アゾ系イエロー色材、アゾ系マゼンタ色材、キナクリドン系マゼンタ色材、レッド色材、グリーン色材、ブルー色材等の公知の着色剤が挙げられる。具体的には、アニリンブルー、カルコイルブルー、クロムイエロー、ウルトラマリンブルー、デュポンオイルレッド、キノリンイエロー、メチレンブルークロリド、フタロシアニンブルー、マラカイトグリーンオキサレート、ランプブラック、ローズベンガル、C.I.ピグメント・レッド48:1、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド57:1、C.I.ピグメント・イエロー97、C.ブルー15:1、C.I.ピグメント・ブルー15:3、等が代表的なものとして挙げられる。
分散媒50はその中で粒子群34が移動することから、分散媒50の粘度が定められた値以上であると、背面基板22および表示基板20への力のばらつきが大きく、電界に対する粒子移動の閾値がとれないことから、分散媒50の粘度についても、調整することがよい。
分散媒50の粘度は、温度20℃の環境下において、0.1mPa・s以上100mPa・s以下であることが粒子の移動速度、すなわち、表示速度の観点から望ましく、0.1mPa・s以上50mPa・s以下であることがより望ましく、0.1mPa・s以上20mPa・s以下であることが更に望ましい。
分散媒50の粘度の調整は、分散媒の分子量、構造、組成等を調整することによって行われる。なお、この粘度の測定には、東京計器製B−8L型粘度計を用いる。
・粒子群(泳動粒子群)
粒子群(泳動粒子群)34は、複数の泳動粒子を含み、例えば、各泳動粒子は正または負に帯電されており、表面電極40と背面電極46との電極間に(すなわち、表示基板20と背面基板22と基板間に)、予め定められた電圧が印加されて表示基板20と背面基板22との間に、予め定められた電界強度以上の電界が形成されることで分散媒50中を移動するものである。
表示媒体12における表示色の変化は、この泳動粒子群34に含まれる各泳動粒子の分散媒50中の移動によって生じる。
泳動粒子群34の泳動粒子は、例えば、着色した芯材粒子(以下、「コア粒子」と称する)と、コア粒子を被覆する被覆層と、を有している。
−コア粒子−
コア粒子は、例えば、樹脂(以下、「コア粒子の樹脂」と称する)と着色剤とを含む組成物を含む。
コア粒子の樹脂は、非架橋の樹脂であってもよいが、樹脂架橋体であることがよい。コア粒子の樹脂を樹脂架橋体とするには、例えば、樹脂の重合成分として反応性基(架橋性基)を持つ重合成分を重合させ、樹脂を架橋させる方法、樹脂とは別途、架橋剤を添加して、樹脂を架橋させる方法が挙げられる。
コア粒子の樹脂(架橋前の樹脂)としては、電気泳動粒子の製法上の観点から、水溶性樹脂またはアルコール可溶性樹脂であることがよい。なお、水溶性、アルコール可溶性とは、25℃において、対象物質が水またはアルコールに対して1質量%以上溶解することを意味する。
コア粒子の樹脂は、帯電性樹脂(帯電性基を有する樹脂)であっても、非帯電性樹脂(帯電性基を有していない樹脂)であってもよいが、帯電量向上の観点から、帯電性樹脂であることがよい。
帯電性樹脂としては、例えば、帯電性基を持つ重合成分の単独重合体、帯電性基を持つ重合成分と帯電性基を持たない重合成分との共重合体等が挙げられる。
一方、非帯電性樹脂としては、例えば、帯電性基を持たない重合成分の単独重合体が挙げられる。
これら共重合体は、樹脂架橋体とする場合、反応性基(架橋性基)を持つ重合成分がさらに共重合されていてもよい。
なお、これら各重合成分は、1種単独でも、2種以上併用してもよい。
ここで、帯電性基(例えば極性基;分極性の官能基)としては、塩基または酸基が挙げられる。
帯電性基としての塩基(カチオン性基)は、例えば、アミノ基、4級アンモニウム基が挙げられる(これら基の塩も含む)。これら塩基(カチオン性基)は、例えば、粒子に正帯電極性を付与する傾向がある。
帯電性基としての酸基(アニオン性基)は、例えば、フェノール基、カルボキシル基、カルボン酸塩基、スルホン酸基、スルホン酸塩基、リン酸基、リン酸塩基およびテトラフェニルボロン基が挙げられる。これら酸基(アニオン性基)は、例えば、粒子に負帯電極性を付与する傾向がある。
以下、各重合成分について説明する。
なお、以下の説明において、「(メタ)アクリレート」等の記述は、「アクリレート」および「メタクリレート」等のいずれをも含む表現である。
塩基(カチオン性基)を持つ重合成分としては、例えば、表面層に含まれる特定の高分子化合物の重合成分として説明した塩基(カチオン性基)を持つ重合成分と同様なものが挙げられる。
酸基(アニオン性基)を持つ重合成分としては、例えば、表面層に含まれる特定の高分子化合物の重合成分として説明した酸基(アニオン性基)を持つ重合成分と同様なものが挙げられる。
帯電性基を持たない重合成分としては、非イオン性重合成分(ノニオン性重合成分)が挙げられ、例えば、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリルアミド、エチレン、プロピレン、ブタジエン、イソプレン、イソブチレン、N−ジアルキル置換(メタ)アクリルアミド、ビニルカルバゾール、塩化ビニル、塩化ビニリデン、イソプレン、ブタジエン、ビニルピロリドン、等が挙げられる。
反応性基(架橋性基)を持つ重合成分としては、例えば、エポキシ基を有するグリシジル(メタ)アクリレート、イソシアネート基を有するイソシアネート系モノマー(例えば、昭和電工:カレンズAOI(2−イソシアナトエチルアクリラート)、カレンズMOI(2−イソシアナトエチルメタクリレート))、ブロックされたイソシアネート基を有するイソシアネート系モノマー(例えば、昭和電工:カレンズMOI−BM(メタクリル酸2−(0−[1’−メチルプロピリデンアミノ]カルボキシアミノ)エチル)、カレンズMOI−BP(2−[(3,5−ジメチルピラゾリル)カルボニルアミノ]エチルメタクリレート))等が挙げられる。
なお、ブロックされたイソシアネート基とは、例えば、イソシアネート基が置換基と反応した状態となっており、イソシアネート基が加熱によって脱離する置換基と反応しない状態となっているものである。これにより、イソシアネート基の反応性が抑制され、加熱により置換基が離脱すると反応する状態となる。
このようなコア粒子の樹脂の重合成分として反応性基を持つ重合成分を用いると、コア粒子の樹脂自体が架橋し、コア粒子が樹脂架橋体となる。
コア粒子の樹脂において、帯電性基を持つ重合成分は、例えば、全重合成分に対して占める質量比で0.1質量%以上90質量%以下が望ましく、より望ましくは0.5質量%以上70質量%以下である。
また、反応性基を持つ重合成分は、全重合成分に対して占める質量比で1質量%以上80質量%以下が望ましく、より望ましくは3質量%以上60質量%以下である。
ここで、樹脂架橋体を得るための架橋剤としては、例えば、エポキシ化合物、カルボキシイミド化合物、ブロックイソシアネート等の架橋剤が挙げられる。
エポキシ化合物としては、グリシジル(メタ)アクリレート,イタコン酸ジグリシジルエステル,ブテントリカルボン酸トリグリシジルエステル,p−スチレンカルボン酸グリシジルエステル等の不飽和カルボン酸グリシジルエステル,ビニルグリシジルエーテル,アリルグリシジルエーテル,2−メチルアリルグリシジルエーテル,メタクリルグリシジルエーテル,スチレン−p−グリシジルエーテル等の不飽和グリシジルエーテル等が挙げられる。
カルボキシイミド化合物としては、サッカリン,こはく酸イミド,フタル酸イミド等が挙げられる。
ブロックイソシアネートとしては、例えば、上記例示したブロックされたイソシアネート基を有するイソシアネート系モノマーが挙げられる。
樹脂架橋体を得るための架橋剤の使用量は、例えば、コア粒子の樹脂に対して、1質量%以上80質量%以下が望ましく、より望ましくは3質量%以上60質量%以下である。
コア粒子の樹脂の重量平均分子量としては、1000以上100万以下が望ましく、より望ましくは1万以上20万以下である。
着色剤としては、有機若しくは無機の顔料、油溶性染料等が挙げられ、例えば、マグネタイト、フェライト等の磁性紛、カーボンブラック、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、フタロシアニン銅系シアン色材、アゾ系イエロー色材、アゾ系マゼンタ色材、キナクリドン系マゼンタ色材、レッド色材、グリーン色材、ブルー色材等の公知の着色剤が挙げられる。具体的には、着色剤としては、アニリンブルー、カルコイルブルー、クロムイエロー、ウルトラマリンブルー、デュポンオイルレッド、キノリンイエロー、メチレンブルークロリド、フタロシアニンブルー、マラカイトグリーンオキサレート、ランプブラック、ローズベンガル、C.I.ピグメント・レッド48:1、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド57:1、C.I.ピグメント・イエロー97、C.I.ピグメント・ブルー15:1、C.I.ピグメント・ブルー15:3、等が代表的なものとして例示される。
着色剤の配合量としては、コア粒子の樹脂に対して10質量%以上99質量%以下が望ましく、望ましくは30質量%以上99質量%以下である。
コア粒子には、その他の配合材料を含んでいてもよい。
その他配合材料としては、例えば帯電制御材料、磁性材料が挙げられる。
帯電制御材料としては、電子写真用トナー材料に使用される公知のものが使用でき、例えば、セチルピリジルクロライド、BONTRON P−51、BONTRON P−53、BONTRON E−84、BONTRON E−81(以上、オリエント化学工業社製)等の第4級アンモニウム塩、サリチル酸系金属錯体、フェノール系縮合物、テトラフェニル系化合物、酸化金属粒子、各種カップリング剤により表面処理された酸化金属粒子を挙げられる。
磁性材料としては、必要に応じてカラーコートした無機磁性材料や有機磁性材料を使用する。また、透明な磁性材料、特に、透明有機磁性材料は着色顔料の発色を阻害し難く、比重も無機磁性材料に比べて小さく、より望ましい。
着色した磁性材料(カラーコートした材料)として、例えば、特開2003−131420公報記載の小径着色磁性粉が挙げられる。核となる磁性粒子と該磁性粒子表面上に積層された着色層とを備えたものが用いられる。そして、着色層としては、顔料等により磁性粉を不透過に着色する等選定して差し支えないが、例えば光干渉薄膜を用いるのが好ましい。この光干渉薄膜とは、SiOやTiO等の無彩色材料を光の波長と同等な厚みを有する薄膜にしたものであり、薄膜内の光干渉により光の波長を選択的に反射するものである。
−被覆層−
被覆層は、例えば、樹脂(以下、「被覆層の樹脂」と称する)を含む。
被覆層の樹脂は、非架橋の樹脂であってもよいが、樹脂架橋体であることがよい。被覆層の樹脂を樹脂架橋体とするには、例えば、樹脂の重合成分として反応性基(架橋性基)を持つ重合成分を重合させ、樹脂を架橋させる方法、樹脂とは別途、架橋剤を添加して、樹脂を架橋させる方法が挙げられる。
被覆層の樹脂は、電気泳動粒子の分散性向上の観点から、樹脂の重合成分としてシリコーン鎖を持つ重合成分が共重合されていることがよい。
被覆層の樹脂として具体的には、例えば、シリコーン鎖を持つ重合成分と、反応性基を持つ重合成分と、必要に応じて、帯電性基を持つ重合成分や、その他の重合成分と、の共重合体からなる樹脂が挙げられる。
シリコーン鎖を持つ重合成分(シリコーン鎖を持つ単量体)としては、例えば、表面層に含まれる特定の高分子化合物の重合成分として説明したシリコーン鎖を持つ重合成分(つまりシリコーンマクロマー)と同様なものが挙げられる。
反応性基(架橋性基)を持つ重合成分としては、コア粒子の樹脂の重合成分として説明した反応性基(架橋性基)を持つ重合成分と同様である。
なお、このような被覆層の樹脂の重合成分として反応性基を持つ重合成分を用いると、被覆層の樹脂自体が架橋し、被覆層が樹脂架橋体となる。また、被覆層の樹脂の反応性基がコア粒子の表面の官能基と結合した状態で、被覆層がコア粒子に被覆されることなる。
帯電性基を持つ重合成分としては、コア粒子の樹脂の重合成分として説明した帯電性基を持つ重合成分と同様なものが挙げられる。
その他重合成分としては、帯電性基を持たない重合成分が挙げられる。
帯電性基を持たない重合成分としては、コア粒子の樹脂の重合成分として説明した帯電性基を持たない重合成分と同様である。
被覆層の樹脂において、シリコーン鎖を持つ重合成分(つまりシリコーンマクロマー)は、全重合成分に対して占める質量比で1質量%以上90質量%以下が望ましく、より望ましくは2質量%以上80質量%以下である。
また、反応性基を持つ重合成分は、全重合成分に対して占める質量比で3質量%以上80質量%以下が望ましく、より望ましくは5質量%以上60質量%以下である。
ここで、樹脂架橋体を得るための架橋剤としては、例えば、コア粒子の樹脂を架橋体とするための架橋剤と同様に、エポキシ化合物、カルボキシイミド化合物、ブロックイソシアネート等の架橋剤が挙げられる。
樹脂架橋体を得るための架橋剤の使用量は、例えば、被覆層の樹脂に対して、1質量%以上80質量%以下が望ましく、より望ましくは3質量%以上60質量%以下である。
被覆層の樹脂の重量平均分子量としては、500以上100万以下が望ましく、より望ましくは1000以上100万以下である。
被覆層には、その他配合材料を含んでもよい。
その他配合材料としては、例えば、スチレン,クロロスチレン等のスチレン類,エチレン,プロピレン,ブチレン,イソプレン等のモノオレフィン,酢酸ビニル,プロピオン酸ビニル,安息香酸ビニル,酪酸ビニル等のビニルエステル、アクリル酸メチル,アクリル酸エチル,アクリル酸ブチル,アクリル酸ドデシル,アクリル酸オクチル,アクリル酸フェニル,メタクリル酸メチル,メタクリル酸エチル,メタクリル酸ブチル,メタクリル酸ドデシル等のα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類,ビニルメチルエーテル,ビニルエチルエーテル,ビニルブチルエーテル等のビニルエーテル類,ビニルメチルケトン,ビニルヘキシルケトン,ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類,ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート,ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート,テトラエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレートなどのアルキルオキシオリゴエチレングリコールの(メタ)アクリレート,ポリエチレングリコールの片末端(メタ)アクリレート,(メタ)アクリル酸およびその塩,ビニルスルホン酸およびその塩,ビニルピロリドン等周知の単量体の重合体、またはこれらの共重合体が挙げられる。
被覆層は、コア粒子の表面に対する被覆量が、例えば、コア粒子に対して、0.4質量%以上15質量%以下、望ましくは0.4質量%以上6質量%以下である。
−泳動粒子の特性−
泳動粒子の平均粒径(体積平均粒径)は、例えば、0.1μm以上10μm以下であるが、用途に応じて選択され、これに限定されない。
平均粒径は、大塚電子株式会社製Photal FPAR−1000(動的光散乱式粒径分布測定装置)を用いて測定され、MARQUARDT法により解析が行われる。
−泳動粒子の製造方法−
泳動粒子の製造方法の一例としては、例えば、次の製法が挙げられるが、これに限られるわけではない。
まず、コア粒子の樹脂、着色剤、およびその他配合材料を、第1溶媒に混合し、コア粒子の樹脂が溶解した混合液を調製する。
ここで、第1溶媒は、後述する第2溶媒(連続相を形成し得る貧溶媒)中で分散相を形成し得る良溶媒であり、第2溶媒よりも沸点が低く且つ、コア粒子の樹脂を溶解する溶媒から選択する。
第1溶媒としては、例えば、水、イソプロピルアルコール(IPA)、メタノール、エタノール、ブタノール、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、酢酸ブチルなどが挙げられる。
次に、得られた混合液を、第2溶媒と混合し、攪拌して、第2溶媒を連続相として混合液を乳化させ、乳化液を調製する。
そして、加熱等により、乳化液中の第1溶媒を除去(乾燥)して、コア粒子の樹脂を析出させ、これらと共に着色剤およびその他配合材料を含む粒状物として、コア粒子(第2溶媒に分散されたコア粒子)を得る。
ここで、第2溶媒は、分散相となる第1溶媒に対して連続相を形成し得る貧溶媒であり、第1溶媒よりも沸点が高く且つ、コア粒子の樹脂が不溶な溶媒から選択する。
第2溶媒としては、例えば、得られる電気泳動粒子を分散させるための分散媒が挙げられる。
次に、被覆層の樹脂とその他配合材料を、第3溶媒に混合し、被覆層の樹脂が溶解した混合液を調整する。
ここで、第3溶媒も、第2溶媒(連続相を形成し得る貧溶媒)中で分散相を形成し得る良溶媒であり、第2溶媒よりも沸点が低く且つ、被覆層の樹脂を溶解する溶媒から選択する。また、第3溶媒は、コア粒子の樹脂が不溶な溶媒から選択することがよい。
第3溶媒としても、例えば、水、イソプロピルアルコール(IPA)、メタノール、エタノール、ブタノール、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、酢酸ブチルなどが挙げられる。
次に、得られた混合液を、コア粒子が分散した第2溶媒と混合し、攪拌して、第2溶媒を連続相として混合液を乳化させ、乳化液を調製する。
そして、加熱等により、乳化液中の第3溶媒を除去(乾燥)して、コア粒子の表面に被覆層の樹脂を析出させ、これと共にその他配合材料を含む被覆層をコア粒子の表面に形成する。
その後、コア粒子および被覆層に含まれる樹脂を架橋させる場合、樹脂を架橋化させるための加熱処理を行う。
このようにして、コア粒子の表面に被覆層が形成された泳動粒子を得る。
−泳動粒子の含有量−
泳動粒子(泳動粒子群34)の含有量(セル中の全質量に対する含有量(質量%))は、所望の色相が得られる濃度であれば特に限定されるものではなく、セルの厚さ(すなわち、表示基板20と背面基板との基板間の距離)により含有量を調整することが、表示媒体12としては有効である。即ち、所望の色相を得るために、セルが厚くなるほど含有量は少なくなり、セルが薄くなるほど含有量を多くなる。一般的には、0.01質量%以上50質量%以下である。
・着色浮遊粒子群
次に、着色浮遊粒子群について説明する。着色浮遊粒子群36は、帯電されていない粒子群であり、粒子群34とは異なる光学的反射特性を有する着色粒子を含み、粒子群34とは異なる色を表示する反射部材として機能するものである。
着色浮遊粒子群36は、具体的には、例えば、粒子群34の色とは異なる色に着色されており、粒子群34による色とは異なる色を表示媒体12に表示させるための部材である。本実施形態では、着色浮遊粒子群36は白色である場合を説明するが、この色に限定されることはない。
着色浮遊粒子群36は、例えば、酸化チタンや酸化ケイ素、酸化亜鉛などの白色顔料を、ポリスチレンやポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、PMMA、アクリル樹脂、フェノール樹脂、ホルムアルデヒド縮合物などに分散した粒子が使用される。また、白色以外の粒子を適用する場合、例えば、所望の色の顔料、あるいは染料を内包した前記した樹脂粒子を使用してもよい。顔料や染料は、例えばRGBやYMC色であれば、印刷インキやカラートナーに使用されている一般的な顔料あるいは染料を使用してもよい。
着色浮遊粒子群36を基板間へ封入するには、例えば、インクジェット法などにより行う。
表示媒体12における上記セルの大きさとしては、表示媒体12の解像度と密接な関係にあり、セルが小さいほど高解像度な画像を表示し得る表示媒体12が作製され、通常、表示媒体12の表示基板20の板面方向の長さが10μm以上1mm以下である。
上記表示基板20および背面基板22を、間隙部材24を介して互いに固定するには、ボルトとナットの組み合わせ、クランプ、クリップ、基板固定用の枠等の固定手段を使用する。また、接着剤、熱溶融、超音波接合等の固定手段を使用してもよい。
表示媒体12は、例えば、画像の保存および書換えを行い得る掲示板、回覧版、電子黒板、広告、看板、点滅標識、電子ペーパー、電子新聞、電子書籍、および複写機、プリンタと共用するドキュメントシート等に使用する。
上記に示した、本実施形態に係る表示装置10は、表示媒体12と、表示媒体12に電圧を印加する電圧印加部16(電圧印加手段の一種)と、制御部18とを含んでいる(図1参照)。
電圧印加部16は、表面電極40および背面電極46に電気的に接続されている。なお、本実施形態では、表面電極40および背面電極46の双方が、電圧印加部16に電気的に接続されている場合を説明するが、表面電極40および背面電極46の一方が、接地されており、他方が電圧印加部16に接続されていてもよい。
電圧印加部16は、制御部18に信号を授受し得るよう接続されている。
制御部18は、装置全体の動作を司るCPU(中央処理装置)と、各種データを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)と、装置全体を制御する制御プログラム等の各種プログラムが予め記憶されたROM(Read Only Memory)と、を含むマイクロコンピュータとしてもよい。
電圧印加部16は、表面電極40および背面電極46に電圧を印加するための電圧印加装置であり、制御部18の制御に応じた電圧を表面電極40および背面電極46間に印加する。
次に、表示装置10の作用を説明する。この作用は制御部18の動作に従って説明する。
ここで、表示媒体12に封入されている粒子群34は、黒色であり且つ負極性に帯電されている場合を説明する。また、分散媒50は透明であり、着色浮遊粒子群36が白色であるものとして説明する。すなわち、本実施形態では、表示媒体12は、粒子群34の移動によって黒色または白色を表示する場合を説明する。
まず、電圧を、定められた時間、表面電極40が負極となり背面電極46が正極となるよう印加することを示す初期動作信号を、電圧印加部16へ出力する。基板間に負極で且つ濃度変動が終了する閾値電圧以上の電圧が印加されると、負極に帯電している粒子群34が背面基板22側へと移動して、背面基板22に到る(図2A参照)。
このとき、表示基板20側から視認される表示媒体12の色は、着色浮遊粒子群36の色としての白色として視認される。
この定められた時間は、初期動作における電圧印加における電圧印加時間を示す情報として、予め制御部18内の図示を省略するROM等のメモリ等に記憶しておけばよい。そして、処理実行のときに、この定められた時間を示す情報を読み取ればよい。
次に、表面電極40と背面電極46との電極間に、基板間に印加した電圧とは極性を反転させて、表面電極40を正極とし背面電極46を負極として電圧を印加すると、図2Bに示すごとく、粒子群34は表示基板20側へと移動して表示基板20側に到達し、粒子群34による黒表示がなされる。
こうして、本実施形態に係る表示装置10では、粒子群34が表示基板20または背面基板22に到達して、付着することで表示が行われる。そして、表示基板20と背面基板22の対向面が、前記特定の高分子化合物による表面層21、23(表面層)を有することで、粒子群34が当該対向面に移動し付着しても粒子群34の各粒子の固着が抑制される。結果、色再現性や、高いコントラストが実現される。
以上説明した本実施形態に係る表示装置10(表示媒体12)では、表示基板20と背面基板22において、支持基板38および支持基板44の対向面が、上記特定の高分子化合物であって且つ極性基を有する重合成分を重合してなる高分子化合物を含んで構成された表面層21、表面層23を有することが好ましい。
これにより、繰り返し表示を行っても、泳動粒子群34が当該対向面に移動し付着した状態が維持され、表示のメモリ性が付与される一方で、泳動粒子群34の各泳動粒子の当該対向面に対する固着も抑制される。
この理由は定かではないが、表面層に含まれる高分子化合物として前記特定の高分子化合物を適用することから、シリコーン鎖により泳動粒子群34に対する離形性を発現し、表示基板20と背面基板22の対向面において泳動粒子群34の各泳動粒子の固着が抑制される一方で、極性基が泳動粒子群34を吸着する官能基(吸着性官能基)として機能して、表示基板20と背面基板22の対向面において泳動粒子群34の付着した状態が維持され易くなるためと考えられる。
しかしながら、泳動粒子群34を分散する分散媒50中に、水を除く極性成分が多く含まれていると、経時で、表示基板20と背面基板22の対向面において泳動粒子群34の各泳動粒子の固着が発生して、各基板から離脱させる電圧が上昇し、表示の繰り返し安定性が低下することがある。
この理由も定かではないが、分散媒50中に、水を除く極性成分が、表示基板20と背面基板22の対向面である表面層21および表面層23に吸着されると考えられるためである。
そこで、本実施形態に係る表示装置10(表示媒体12)では、分散媒50中に含まれる水を除く極性成分の含有量を0.01質量%以下望ましくは0.005質量%以下とすることが好ましい。
これにより、本実施形態に係る表示装置10(表示媒体12)は、表示の繰り返し安定性が維持される。
ここで、表示の繰り返し安定性を低下させる原因となる「水を除く極性成分」とは、例えば、分散媒50に接する部材(例えば、表面層21、表面層23、表面層25、泳動粒子)に含まれる樹脂(高分子)中に含まれる未反応の極性基を持つ重合成分が分散媒50へ溶出した成分である。つまり、「水を除く極性成分」とは、機能性官能基(例えば吸着性官能基や帯電性基)として働かせるために配合した極性基を持つ重合成分のうち未反応で残存した低分子量成分が、分散媒50に接する部材から分散媒50へ溶出した成分である。
また、「水を除く極性成分」とは、その他、泳動粒子を構成する樹脂(高分子)以外に含まれる極性成分が分散媒50へ溶出した成分、残留溶媒等である。
なお、極性成分のうち「水」は、通常の使用条件ではシリコーンオイル中に140ppm前後の水分が含まれており、ほぼ飽和しているため、表示の繰り返し安定性を低下させる原因とはならないことから、その含有量については考慮する必要はない。
そして、この水を除く極性成分を上記範囲内と低減する構成としては、例えば、以下の構成が挙げられる。
1)分散媒50に接する部材に含まれる樹脂(高分子)を高分子量化(例えば重量平均分子量100,000以上)した構成。この構成では、分散媒50が接する部材に含まれる樹脂自体において、未反応の極性基を持つ重合成分が低減され易くなり、その結果、分散媒50が接する部材から分散媒50へ溶出する極性成分が低減されると考えられる。
2)分散媒50に接する部材に含まれる樹脂(高分子)を架橋体とした構成。この構成では、樹脂(高分子)の高分子鎖が3次元的に連結した所謂3次元網目構造を取ることから、分散媒50が接する部材から分散媒50へ溶出する極性成分が低減されると考えられる。
3)分散媒50に接する部材に含まれる樹脂(高分子)において、当該樹脂(高分子)が持つ極性基を分散媒50と接する側に配向させた構成。この構成では、樹脂(高分子)において、機能性官能基(例えは吸着性官能基や帯電性基)として機能させる極性基を持つ重合成分自体の量の低減が実現され、つまり、未反応の極性基を持つ重合成分も低減され易くなり、その結果、分散媒50が接する部材から分散媒50へ溶出する極性成分が低減されると考えられる。
なお、樹脂(高分子)が持つ極性基を分散媒50と接する側に配向する方法としては、例えば、電場や磁場などにより配向する方法、気液、または2液界面に樹脂を展開させておき、基盤上に層を形成する方法等が挙げられる。
4)その他、再沈殿、再結晶等の方法により、分散媒50自体を精製し、基板間に封入する前の分散媒50に含まれる水を除く極性成分を低減させた構成。
「水を除く極性成分」の含有量の測定は、次の通りに行う。
まず、作製した表示装置10(表示媒体12)から、分散媒50の一部を採取し、測定試料とする。
採取した測定試料を用いて、遠心分離等の操作により固体と液体とを分離する。分離した液体に対して電流測定を実施し、あらかじめ作成していた検量線と比較して、水を除く極性成分の含有量を測定する。
ここで、表示装置10(表示媒体12)の作製過程(製造方法)において、最終完成品の良品または不良品の判別工程として、水を除く極性成分の含有量の測定を行い、分散媒50に含まれる水を除く極性成分の含有量が上記範囲内か否かの判別を行ってもよい。
(第2実施形態)
図3は、第2実施形態に係る表示装置の概略構成図である。図4は、第2実施形態に係る表示装置における、印加する電圧と粒子の移動量(表示濃度)との関係を模式的に示す線図である。図5は、第2実施形態に係る表示装置における、表示媒体の基板間へ印加する電圧態様と、粒子の移動態様との関係を模式的に示す説明図である。
第2実施形態に係る表示装置10は、2種類以上の粒子群を適用した形態である。なお、2種類以上の粒子群は、全て同じ極性で帯電されている。
本実施形態に係る表示装置10は、図3に示すごとく、表示媒体12と、表示媒体12に電圧を印加する電圧印加部16と、制御部18と、を含んでいる。
なお、本実施形態に係る表示装置10は、上記第1実施形態で説明した表示装置10と略同一の構成であるため、同一構成には同一符号を付与して詳細な説明を省略する。
表示媒体12は、画像表示面とされる表示基板20、表示基板20に間隙をもって対向する背面基板22、これらの基板間を定められた間隔に保持すると共に、表示基板20と背面基板22との基板間を複数のセルに区画する間隙部材24、各セル内に封入された粒子群34、および粒子群34とは異なる光学的反射特性を有する着色浮遊粒子群36を含んでいる。
表示基板20および背面基板22の対向面は、第1実施形態に記載のごとく帯電処理されており、この対向面上には、表面層21および表面層23各々が設けられている。
本実施形態では、粒子群34として、互いに色の異なる複数種の粒子群34が分散媒50に分散されている。
なお、本実施形態では3種類の粒子群34として、イエロー色のイエロー粒子群34Y、マゼンタ色のマゼンタ粒子群34M、およびシアン色のシアン粒子群34Cが分散されているとして説明するが、3種類に限られない。
この複数種類の粒子群34は、基板間を電気泳動する粒子群であり、電界に応じて移動するために必要な電圧の絶対値が各色の粒子群でそれぞれ異なる。すなわち、各色の粒子群34(イエロー粒子群34Y、マゼンタ粒子群34M、およびシアン粒子群34C)は、色毎に各色の粒子群34を移動させるために必要な電圧範囲を有し、当該電圧範囲がそれぞれ異なる。
この電界に応じて移動するために必要な電圧の絶対値が異なる複数種の粒子群34の各粒子としては、上記第1実施形態で説明した粒子群34に含まれる材料の内の、例えば、帯電制御剤や磁性粉の量、粒子を構成する樹脂の種類や濃度等を換える等して、帯電量の異なる粒子を含む粒子分散液をそれぞれ作製し、これを混合することで得られる。
ここで、上述のごとく、本実施形態に係る表示媒体12には3種類の粒子群34として、互いに色の異なるイエロー粒子群34Y、マゼンタ粒子群34M、およびシアン粒子群34Cが分散されており、これらの複数種類の粒子群34は、電界に応じて移動するために必要な電圧の絶対値が各色の粒子群でそれぞれ異なる。
なお、本実施形態では、マゼンタ色のマゼンタ粒子群34M、シアン色のシアン粒子群34C、およびイエロー色のイエロー粒子群34Yの3色の粒子群各々が移動を開始するときの電圧の絶対値として、マゼンタ色のマゼンタ粒子群34Mが|Vtm|、シアン色のシアン粒子群34Cが|Vtc|、イエロー色のイエロー粒子群34Yが|Vty|であるとして説明する。また、各色粒子群34のゼンタ色のマゼンタ粒子群34M、シアン色のシアン粒子群34C、およびイエロー色のイエロー粒子群34Yの3色の粒子群各々をほぼ全て移動させるための最大電圧の絶対値として、マゼンタ色のマゼンタ粒子群34Mが|Vdm|、シアン色のシアン粒子群34Cが|Vdc|、イエロー色のイエロー粒子群34Yが|Vdy|であるとして説明する。
なお、以下で説明するVtc、−Vtc、Vdc、−Vdc、Vtm、−Vtm、Vdm、−Vdm、Vty、−Vty、Vdy、および−Vdyの絶対値は、|Vtc|<|Vdc|<|Vtm|<|Vdm|<|Vty|<|Vdy|の関係であるとして説明する。
具体的には、図4に示すごとく、例えば、3種類の粒子群34は、全て同極性に帯電された状態で分散媒50内に分散され、シアン粒子群34Cを移動させるために必要な電圧範囲の絶対値|Vtc≦Vc≦Vdc|(VtcからVdcの間の値の絶対値)、マゼンタ粒子群34Mを移動させるために必要な電圧範囲の絶対値|Vtm≦Vm≦Vdm|(VtmからVdmの間の値の絶対値)、およびイエロー粒子群34Yを移動させるために必要な電圧範囲の絶対値|Vty≦Vy≦Vdy|(VtyからVdyの間の値の絶対値)が、この順で重複することなく、大きくなるよう設定されている。
また、各色の粒子群34を独立駆動するために、シアン粒子群34Cをほぼ全て移動させるための最大電圧の絶対値|Vdc|が、マゼンタ粒子群34Mを移動させるために必要な電圧範囲の絶対値|Vtm≦Vm≦Vdm|(VtmからVdmの間の値の絶対値)、およびイエロー粒子群34Yを移動させるために必要な電圧範囲の絶対値|Vty≦Vy≦Vdy|(VtyからVdyの間の値の絶対値)よりも小さく設定されている。また、マゼンタ粒子群34Mをほぼ全て移動させるための最大電圧の絶対値|Vdm|が、イエロー粒子群34Yを移動させるために必要な電圧範囲の絶対値|Vty≦Vy≦Vdy|(VtyからVdyの間の値の絶対値)よりも小さく設定されている。
即ち、本実施形態では、各色の粒子群34を移動させるために必要な電圧範囲が重ならないよう設定することによって、各色の粒子群34を独立駆動している。
なお、「粒子群34を移動させるために必要な電圧範囲」とは、粒子が移動開始するために必要な電圧と移動開始からさらに電圧および電圧印加時間を増加させても、表示濃度の変化が生じなくなり、表示濃度が飽和するまでの電圧範囲を示す。
また、「粒子群34をほぼ全て移動させるために必要な最大電圧」とは上記の移動開始からさらに電圧および電圧印加時間を増加させても、表示濃度の変化が生じなくなり、表示濃度が飽和する電圧を示す。
また、「ほぼ全て」とは、各色の粒子群34の特性ばらつきがあるため、一部の粒子群34の特性が表示特性に寄与しない程に異なるものがあることを表す。すなわち上述した移動開始からさらに電圧および電圧印加時間を増加させても、表示濃度の変化が生じなくなり、表示濃度が飽和した状態である。
また、「表示濃度」は、表示面側における色濃度を光学濃度(Optical Density=0D)の反射濃度計X−rite社の反射濃度計で測定しながら、表示面側と背面側との間に電圧を印加して且つこの電圧を測定濃度が増加する方向に徐々に変化(印加電圧を増加または減少)させて、単位電圧あたりの濃度変化が飽和し、且つその状態で電圧および電圧印加時間を増加させても濃度変化が生じず、濃度が飽和したときの濃度を示している。
そして、本実施形態に係る表示媒体12では、表示基板20と背面基板22との間に0Vから電圧を印加して除々に印加電圧の電圧値を上昇させて、基板間に印加された電圧が+Vtcを超えると、表示媒体12においてシアン粒子群34Cの移動により表示濃度に変化が現れ始める。さらに、電圧値を上昇させて、基板間に印加された電圧が+Vdcとなると、表示媒体12においてシアン粒子群34Cの移動による表示濃度の変化が止まる。
さらに電圧値を上昇させて、表示基板20と背面基板22との間に印加された電圧が+Vtmを超えると、表示媒体12においてマゼンタ粒子群34Mの移動による表示濃度の変化が現れ始める。さらに電圧値を上昇させて、表示基板20と背面基板22との間に印加された電圧が+Vdmとなると、表示媒体12においてマゼンタ粒子群34Mの移動による表示濃度の変化が止まる。
さらに、電圧値を上昇させて、基板間に印加された電圧が+Vtyを超えると、表示媒体12においてイエロー粒子群34Yの移動による表示濃度の変化が現れ始める。さらに電圧値を上昇させて、基板間に印加された電圧が+Vdyとなると、表示媒体12においてイエロー粒子群34Yの移動による表示濃度の変化が止まる。
反対に、表示基板20と背面基板22との間に0Vからマイナス極の電圧を印加して除々に電圧の絶対値を上昇させ、基板間に印加された電圧−Vtcの絶対値を超えると、表示媒体12においてシアン粒子群34Cの基板間の移動により表示濃度に変化が現れ始める。さらに、電圧値の絶対値を上昇させ、表示基板20と背面基板22との間に印加された電圧が−Vdc以上となると、表示媒体12においてシアン粒子群34Cの移動による表示濃度の変化が止まる。
さらに電圧値の絶対値を上昇させてマイナス極の電圧を印加し、表示基板20と背面基板22との基板間に印加される電圧が−Vtmの絶対値を超えると、表示媒体12においてマゼンタ粒子群34Mの移動による表示濃度の変化が現れ始める。さらに電圧値の絶対値を上昇させて、表示基板20と背面基板22との間に印加された電圧が−Vdmとなると、表示媒体12においてマゼンタ粒子群34Mの移動による表示濃度の変化が止まる。
さらに電圧値の絶対値を上昇させてマイナス極の電圧を印加し、表示基板20と背面基板22との間に印加される電圧が−Vtyの絶対値を超えると、表示媒体12においてイエロー粒子群34Yの移動により表示濃度に変化が現れ始める。さらに電圧値の絶対値を上昇させて、基板間に印加された電圧が−Vdyとなると、表示媒体12においてイエロー粒子群34Yの移動による表示濃度の変化が止まる。
すなわち、本実施形態では、図4に示すごとく、基板間に印加される電圧が−Vtcから+Vtcの範囲内(電圧範囲|Vtc|以下)となる電圧が表示基板20と背面基板22との間に印加された場合には、表示媒体12の表示濃度に変化が発生する程の粒子群34(シアン粒子群34C、マゼンタ粒子群34M、およびイエロー粒子群34Y)の粒子の移動は生じていないといえる。そして、基板間に、電圧+Vtcおよび電圧−Vtcの絶対値より高い電圧が印加されると、3色の粒子群34の内のシアン粒子群34Cについて表示媒体12の表示濃度に変化が発生する程の粒子の移動が生じはじめて表示濃度に変化が生じはじめ、電圧−Vdcおよび電圧Vdcの絶対値|Vdc|以上の電圧が印加されると、単位電圧あたりの表示濃度に変化は生じなくなる。
さらに、基板間に印加される電圧が−Vtmから+Vtmの範囲内(電圧範囲|Vtm|以下)となる電圧が表示基板20と背面基板22との間に印加された場合には、表示媒体12の表示濃度に変化が発生する程のマゼンタ粒子群34Mおよびイエロー粒子群34Yの粒子の移動は生じていないといえる。そして、基板間に、電圧+Vtmおよび電圧−Vtmの絶対値より高い電圧が印加されると、マゼンタ粒子群34Mおよびイエロー粒子群34Yの内のマゼンタ粒子群34Mについて、表示媒体12の表示濃度に変化が発生する程の粒子の移動が生じはじめて単位電圧あたりの表示濃度に変化が生じはじめ、電圧−Vdmおよび電圧Vdmの絶対値|Vdm|以上の電圧が印加されると、表示濃度に変化は生じなくなる。
さらに、基板間に印加する電圧が−Vtyから+Vtyの範囲内(電圧範囲|Vty|以下)となる電圧が表示基板20と背面基板22との間に印加された場合には、表示媒体12の表示濃度に変化が発生する程のイエロー粒子群34Yの粒子の移動は生じていないといえる。そして、基板間に、電圧+Vtyおよび電圧−Vtyの絶対値より高い電圧が印加されると、イエロー粒子群34Yについて、表示媒体12の表示濃度に変化が発生する程の粒子の移動が生じ始めて表示濃度に変化が生じはじめ、電圧−Vdyおよび電圧Vdyの絶対値|Vdy|以上の電圧が印加されると、表示濃度に変化は生じなくなる。
次に、図5を参照して、表示媒体12に画像を表示するときの粒子移動のメカニズムを説明する。
例えば、表示媒体12に、複数種類の粒子群34として、図4を用いて説明したイエロー粒子群34Y、マゼンタ粒子群34M、シアン粒子群34Cが封入されているとして説明する。
また、以下では、イエロー粒子群34Yを構成する粒子が移動開始するために必要な電圧の絶対値より大きく、且つイエロー粒子群34Yの上記最大電圧以下で基板間に印加する電圧を「大電圧」と称し、マゼンタ粒子群34Mを構成する粒子が移動開始するために必要な電圧の絶対値より大きく、且つマゼンタ粒子群34Mの上記最大電圧以下で基板間に印加する電圧を「中電圧」と称し、シアン粒子群34Cを構成する粒子が移動開始するために必要な電圧の絶対値より大きく、且つシアン粒子群34Cの上記最大電圧以下で基板間に印加する電圧を「小電圧」と称して説明する。
また、表示基板20側に背面基板22側より高い電圧を印加する場合には、各々の電圧を、「+大電圧」、「+中電圧」、および「+小電圧」各々と称する。また、背面基板22側に表示基板20側より高い電圧を印加する場合には、各々の電圧を、「−大電圧」、「−中電圧」、および「−小電圧」各々と称して説明する。
図5(A)に示すごとく、初期状態では全ての粒子群としてのマゼンタ粒子群34M、シアン粒子群34C、およびイエロー粒子群34Yの全てが背面基板22側に位置されるとすると(白色表示状態)、この初期状態から、表示基板20と背面基板22との間に「+大電圧」を印加させると、全ての粒子群として、マゼンタ粒子群34M、シアン粒子群34C、およびイエロー粒子群34Yが表示基板20側に移動する。この状態で、電圧印加を解除しても、各粒子群各々は表示基板20側に付着したまま移動せずに、マゼンタ粒子群34M、シアン粒子群34C、およびイエロー粒子群34Yによる減色混合(マゼンタと、シアンと、イエロー色の減色混合)により黒色を表示したままの状態となる。(図5(B)参照)。
次に、図5(B)の状態から、表示基板20と背面基板22との間に「−中電圧」を印加させると、全ての色の粒子群34の内、マゼンタ粒子群34Mと、シアン粒子群34Cと、が背面基板22側に移動する。このため、表示基板20側にはイエロー粒子群34Yのみが付着した状態となることから、イエロー色表示がなされる(図5(C)参照)。
さらに、図5(C)の状態から、表示基板20と背面基板22との間に「+小電圧」を印加させると、背面基板22側に移動したマゼンタ粒子群34Mおよびシアン粒子群34Cの内、シアン粒子群34Cが表示基板20側に移動する。このため、表示基板20側には、イエロー粒子群34Yおよびシアン粒子群34Cが付着した状態となり、イエローとシアンとの減色混合による緑色が表示される(図5(D)参照)。
また、上記図5(B)の状態から、表示基板20と背面基板22との間に「−小電圧」を印加させると、全ての粒子群34の内、シアン粒子群34Cが背面基板22側に移動する。このため、表示基板20側にはイエロー粒子群34Yとマゼンタ粒子群34Mが付着した状態となることから、シアンとマゼンタの加色混合による赤色表示がなされる(図5(I)参照)。
一方、図5(A)に示す上記初期状態から、表示基板20と背面基板22との間に「+中電圧」を印加させると、全ての粒子群34(マゼンタ粒子群34M、シアン粒子群34C、およびイエロー粒子群34Y)の内、マゼンタ粒子群34Mとシアン粒子群34Cとが表示基板20側に移動する。このため、表示基板20側には、マゼンタ粒子群34Mとシアン粒子群34Cとが付着するので、マゼンタとシアンの減色混合による青色が表示される(図5(E)参照)。
この図5(E)の状態から、表示基板20と背面基板22との間に「−小電圧」を印加させると、表示基板20側に付着しているマゼンタ粒子群34Mとシアン粒子群34Cの内の、シアン粒子群34Cが背面基板22側に移動する。
このため、表示基板20側には、マゼンタ粒子群34Mのみが付着した状態となるので、マゼンタ色が表示される(図5(F)参照)。
この図5(F)の状態から、表示基板20と背面基板22との間に「−大電圧」を印加させると、表示基板20側に付着しているマゼンタ粒子群34Mが背面基板22側に移動する。
このため、表示基板20側には、何も付着しない状態となるため、着色浮遊粒子群36の色としての白色が表示される(図5(G)参照)。
また、上記図5(A)に示す上記初期状態から、表示基板20と背面基板22との間に「+小電圧」を印加させると、全ての粒子群34(マゼンタ粒子群34M、シアン粒子群34C、およびイエロー粒子群34Y)の内、シアン粒子群34Cが表示基板20側に移動する。このため、表示基板20側には、シアン粒子群34Cが付着するので、シアン色が表示される(図5(H)参照)。
さらに、上記図5(I)に示す状態から、表示基板20と背面基板22との間に「−大電圧」を印加させると、図5(G)に示すごとく全ての粒子群34が背面基板22側に移動して白色表示がなされる。
同様に、上記図5(D)に示す状態から、表示基板20と背面基板22との間に「−大電圧」を印加させると、図5(G)に示すごとく全ての粒子群34が背面基板22側に移動して白色表示がなされる。
本実施形態では、各粒子群34に応じた電圧を基板間に印加することで、当該電圧による電界に応じて選択的に所望の粒子を移動させるので、所望の色以外の色の粒子が分散媒50中を移動することが抑制され、所望の色以外の色が混じる混色が抑制されて、カラー表示がなされる。なお、各粒子群34は、互いに電界に応じて移動するために必要な電圧の絶対値が異なれば、互いに電界に応じて移動するために必要な電圧範囲が重なっていても、鮮明なカラー表示が実現されるが、当該電圧範囲が互いに異なるほうが、より混色を抑制してカラー表示が実現される。
また、シアン、マゼンタ、イエローの3色の粒子群34を分散媒50中に分散することによって、シアン、マゼンタ、イエロー、青色、赤色、緑色、および黒色を表示するとともに、白色の着色浮遊粒子群36によって白色を表示し、特定のカラー表示を行うことが実現される。
こうして、本実施形態に係る表示装置10でも、上記第1実施形態で説明した表示装置10に示すごとく、粒子群34が表示基板20または背面基板22に到達して、付着することで表示が行われる。そして、表示基板20と背面基板22の対向面が、前記特定の高分子化合物による表面層21、23(表面層)を有することで、粒子群34が当該対向面に移動し付着しても粒子群34の各粒子の固着が抑制される。結果、色再現性や、高いコントラストが実現される。
以下に本発明を実施例を挙げてより詳細に説明するが、本発明は以下の実施例にのみ限定されるものではない。
[測定方法]
−粒子の体積平均一次粒径の測定−
粒子の体積平均一次粒径は、コールターマルチサイザー−II型(ベックマン−コールター社製)を用いて、50μmのアパーチャー径で測定した。この時、測定は粒子を電解質水溶液(アイソトン水溶液、ベックマン−コールター社製)に分散させ、超音波により30秒以上分散させた後に行う。
測定法としては、分散剤として界面活性剤、望ましくはアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムの5%水溶液2ml中に、測定試料を0.5乃至50mg加え、これを前記電解液100乃至150ml中に添加する。この測定試料を懸濁させた電解液を超音波分散器で1分間分散処理を行い、粒子の粒度分布を測定する。測定する粒子数は50,000である。
測定された粒度分布を、分割された粒度範囲(チャンネル)に対し、体積について小径側から累積分布を描き、累積50%となる粒径を体積平均一次粒径と定義する。
−粒子に含まれる樹脂のガラス転移温度の測定−
ガラス転移温度は、示差走査熱量計(島津製作所製のDSC−50)を用い、JIS 7121−1987に準拠して測定した。この装置の検出部の温度補正にはインジウムと亜鉛との混合物の溶融温度を用い、熱量の補正にはインジウムの融解熱を用いた。
粒子をそのままアルミニウム製パンに入れ、粒子の入ったアルミニウム製パンと対照用の空のアルミニウム製パンとをセットし、昇温速度10℃/minで測定を行った。
測定により得られたDSC曲線の吸熱部におけるベースラインと立ち上がりラインとの延長線の交点の温度をもってガラス転移温度とした。
≪実施例A≫
[着色浮遊粒子群(白色粒子群)の調製]
1)コア粒子の作製
−連続相の調製−
以下の材料を混合し、ラジカル溶液重合(55℃/6時間)にて高分子分散剤E1を合成した。
・サイラプレーンFM−0711(JNC社製、重量平均分子量Mn=1,000):36g
・メタクリル酸(アルドリッチ社製):0.35g
・シリコーンオイルKF−96L−2CS(信越化学工業社製):40g
・重合開始剤V−65(和光純薬工業社製):0.06g
重合反溶成分が3gになるようにシリコーンオイルKF−96L−2CS(信越化学工業社製)を用いて希釈し、高分子分散剤E1を含む溶液A1(連続相)を調製した。
−分散相の調製−
スチレンアクリル系樹脂X−1202L(星光PMC社製)10g、二酸化チタンTTO−55A(石原産業社製)10g、および蒸留水90gを混合したものにジルコニアビーズを加え、ロッキングミルで1時間分散処理を行い、溶液B1(分散相)とした。
−乳化および液中乾燥工程−
溶液A1(連続相)80gと、溶液B1(分散相)20gとを混合して、オムニホモジナイザーGLH−115を用いて20,000rpmで10分間乳化を行い乳化液を調製した。
次に、得られた乳化液をナスフラスコに入れ、攪拌しながらエバポレーターにて65℃、10mPaに加熱減圧することで水を除去し、二酸化チタン粒子がシリコーンオイル中に分散された粒子分散液を得た。得られた分散液を遠心分離を用いて沈降させ、上澄みを除去し、トルエンを加えて粒子固形分濃度20質量%となるように調製し、粒子トルエン分散液C1を得た。
2)シェル化工程
−シェル樹脂の合成−
・スチレン(和光純薬工業社製):70g
・サイラプレーンFM−0721(JNC社製、重量平均分子量Mw=5000):25g
・メタクリル酸(東京化成工業社製):5g
・ラウロイルパーオキサイド(アルドリッチ社製):1g
・トルエン(関東化学社製):100g
上記組成で各材料を混合し、75℃で6時間加熱した後、イソプロピルアルコール(関東化学社製)中に滴下し、再沈殿法により精製し、白色の固体(シェル樹脂)を得た。得られたシェル樹脂の重量平均分子量Mw=30000であった。
−シェル化工程−
酸化チタン粒子分散液の作製
・シェル樹脂:10g
・粒子トルエン分散液C1(粒子固形分濃度20質量%):50g
上記組成で各材料を混合し、それにシリコーンオイルKF−96L−2CS(信越化学工業社製)を200g滴下しシェル樹脂を析出させた。その後、エバポレーターを用いて60℃、20mbar下でトルエンを除去することで、シェル樹脂で被覆された酸化チタンよりなる、着色浮遊粒子群(白色粒子群)の分散液を得た。
[シアン粒子群の調製]
1)コア粒子の作製
−分散相の調製−
下記成分を60℃に加温しながら混合し、インク固形分濃度が15質量%、乾燥後の顔料濃度が50質量%となるように分散相を調製した。
・スチレンアクリル系ポリマーX345(星光PMC社製):7.2g
・シアン顔料PB15:3の水分散液Emacol SF Blue H524F(山陽色素社製、固形分26質量%):18.8g
・蒸留水:24.1g
−連続相の調製−
下記成分を混合して連続相を準備した。
・界面活性剤KF−6028(信越化学工業社製):3.5g
・シリコーンオイルKF−96L−2CS(信越化学工業社製):346.5g
−粒子作製−
上記分散相50gと、上記連続相350gと、を混合し内歯式卓上分散機ROBOMICS(特殊機化工業社製)を用い回転数10,000rpm、温度30℃で10分間乳化を行った。その結果、乳化液滴径が2μmの乳化液を得た。これをロータリーエバポレーターを用いて真空度20mbar、水浴温度40℃で18時間乾燥を行った。
得られた粒子懸濁液を6,000rpmで15分間遠心分離し、上澄み液を除去した後、シリコーンオイルKF−96L−2CSを用いて再分散させる洗浄工程を3回繰り返した。こうしてコア粒子6gを得た。SEM画像解析した結果、平均粒径は0.6μmであった。
2)シェル形成(コアセルベーション法)
−シェル樹脂の合成−
下記成分を混合し、窒素下で70℃、6時間重合を行なった。
・サイラプレーンFM−0721(JNC社製):50g
・ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA/アルドリッチ社製):32g
・フェノキシ基を含むモノマーAMP−10G(新中村化学社製):18g
・ブロックイソシアネート基を含むモノマー・カレンズMOI−BP(昭和電工社製):2g
・イソプロピルアルコール(関東化学社製):200g
・重合開始剤AIBN(2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、アルドリッチ社製):0.2g
生成物をシクロヘキサンを再沈殿溶媒として精製、乾燥しシェル樹脂を得た。このシェル樹脂2gをt−ブタノール溶媒20gに溶解し、シェル樹脂溶液を作製した。
−シェル樹脂による粒子被覆−
上記コア粒子1gを200mLのナスフラスコに取り、シリコーンオイルKF−96L−2CSを15g加え、超音波を加えながら攪拌分散した。これに、t−ブタノール7.5g、上記シェル樹脂溶液22g、シリコーンオイルKF−96L−2CS12.5gを順次加えた。投入速度は全て2mL/sとした。上記ナスフラスコをロータリーエバポレーターに接続し、真空度20mbar、水浴温度50℃で1時間、t−ブタノール除去を行った。
これをさらに攪拌しながらオイルバス中で加温した。まず100℃で1時間加温し、残留水分と残留するt−ブタノールを除いた後、続けて130℃で1.5時間の加熱を行い、ブロックイソシアネート基のブロック基を脱離させ、シェル材料の架橋反応を行った。
冷却後、得られた粒子懸濁液を6,000rpmで15分間遠心分離し、上澄み液を除去した後、シリコーンオイルKF−96L−2CSを用いて再分散させる洗浄工程を3回繰り返した。こうしてシアン(C)粒子群0.6gを得た。
[赤色粒子群の調製]
−分散液A−1Aの調製−
下記成分を混合し、10mmΦのジルコニアボールにてボールミル粉砕を20時間実施して分散液A−1Aを調製した。
・メタクリル酸メチル(アルドリッチ社製):53質量部
・メタクリル酸2−(ジエチルアミノ)エチル(アルドリッチ社製):0.3質量部
・赤色顔料Red3090(山陽色素社製):1.5質量部
−分散液A−1Bの調製−
下記成分を混合し、上記分散液A−1Aに記載の方法によりボールミルにて粉砕して炭酸カルシウム分散液A−1Bを調製した。
・炭酸カルシウム:40質量部
・水:60質量部
−混合液A−1Cの調製−
下記成分を混合し、超音波機で脱気を10分間行い、ついで乳化機で攪拌して混合液A−1Cを調製した。
・炭酸カルシウム分散液A−1B:4g
・20%食塩水:60g
−着色粒子の調製−
下記成分を混合後、超音波機で脱気を10分行った。
・分散液A−1A:20g
・ジメタクリル酸エチレングリコール:0.6g
・重合開始剤V601(Dimethyl 2,2’−azobis(2−methylpropionate):和光純薬工業社製):0.2g
これを前記混合液A−1Cに加え、乳化機で乳化を実施した。次にこの乳化液をフラスコにいれ、減圧脱気を充分行い、窒素ガスで封入した。次に65℃で15時間反応させ粒子を調製した。冷却後、粒子を濾過し、得られた粒子粉をイオン交換水中に分散させ、塩酸水で炭酸カルシウムを分解させ、ろ過を行った。充分な蒸留水で洗浄し、目開き:15μm、10μmのナイロン篩にかけ、粒度を揃えた。得られた粒子は、体積平均一次粒径13μmであった。
−4級アンモニウム化処理−
得られた粒子をシリコーンオイルKF−96L−1CS(信越化学工業社製)に分散し、臭化ドデシル(4級化剤)を、粒子の調整に用いたメタクリル酸2−(ジエチルアミノ)エチルと等モル量加え、90℃で6時間加熱した。
冷却後、この分散液を多量のシリコーンオイルにて洗浄し、減圧乾燥させることにより赤色(R)粒子群を得た。この赤色(R)粒子群に含まれる樹脂のガラス転移温度は145℃であった。
[シアン・赤・白混合液の調製]
上記白色(W)粒子群と、シアン(C)粒子群と、赤色(R)粒子群と、を固形分でC粒子群が0.1g、R粒子群が1.3g、W粒子群が2.0gとなるように秤量して混合し、液量が10gとなるようにシリコーンオイルKF−96L−2CS(信越化学工業社製)を加え、超音波攪拌して表示用分散液を得た。
<実施例A1>
(表面層および表示媒体の作製)
−高分子化合物A1の合成−
・(メタ)アクリル系モノマー1(ヒドロキシエチルメタクリレート、HEMA、和光純薬工業社製):23質量部
・(メタ)アクリル系モノマー2(メタクリル酸、MAA、和光純薬工業社製)13質量部
・シリコーンマクロマー(サイラプレーンFM−0711、JNC社製、重量平均分子量Mw=1000):25質量部
・架橋性モノマー(ブロックイソシアネート基を含むモノマー、カレンズMOI−BP、昭和電工社製):38質量部
・イソプロピルアルコール(和光純薬工業社製):45質量部
・重合開始剤(アゾビスバレロニトリル、和光純薬製:V−65):0.1質量部
上記組成物を混合して、55℃10時間重合を実施した後、得られた生成物を、ヘキサンを再沈殿溶媒として精製、乾燥し、高分子化合物A1を調製した。重量平均分子量は45,000であった。そして、イソプロピルアルコール(和光純薬工業社製)に溶解することで高分子化合物A1の4質量%イソプロピルアルコール溶液を準備した。
−表示媒体の作製−
以下のごとく、表示媒体を作製した。
厚さ0.7mmのガラスからなる支持基板上に電極としてITOをスパッタリング法により50nmの厚さで成膜した。このITO/ガラス基板で構成された背面基板の電極面をγ−アミノプロピルトリエトキシシランの2質量%水溶液に15分間浸漬し、純水でリンスした後、120℃30分間の乾燥を行った。その後、上記高分子化合物A1の4質量%イソプロピルアルコール溶液を用いてスピン塗布法により薄膜を形成後、120℃60分間の加熱を行った。これにより、表面層を形成した。この表面層の膜厚は100nmであり、ジメチルシリコーンオイル(信越化学工業社製KF−96L−1CS)、アセトン、テトラヒドロフラン(THF)の各種有機溶媒には不溶であった。なお、表面層の厚みはDektak 6M 段差計(Veeco製)にて測定した。
その後、感光性ポリイミドワニス(富士ハントエレクトロニクステクノロジー社製、PROBIMIDE 7005)を用いて層を塗布した後、露光、およびウエットエッチングを行うことにより高さ100μm、幅20μmの間隙部材を形成した。この間隙部材の表面(セル側表面)に対しても、背面基板と同じ方法により表面層を形成した。
間隙部材の上部に熱融着性の接着層を形成し、上記表示用分散液(C粒子群、R粒子群、およびW粒子群の混合分散液)を充填した後、背面基板と同じ方法により作製したITO/ガラスで構成され、且つ表面層の形成された表示基板を、互いの表面層の形成された側の面(電極面)が対向するように背面基板に張り合わせて熱をかけて表示媒体を作製した。
−表面層の濡れ張力の測定−
形成された表面層の濡れ張力を、JIS−K6768(1999年)に準じて測定した。結果を下記表1に示す。
−粒子の固着評価試験−
前記作製した表示媒体を用いて、表面基板の電極がマイナスとなるように電極間に15Vの電位差を5秒間印加した。分散された正帯電のシアン粒子群と正帯電の赤色粒子群はマイナス側電極、すなわち表面電極側へ移動し、表示基板側から観察すると黒色が観察された。
その後、表面電極がプラスとなるように電極間に15Vの電位差を5秒間印加したところ、正帯電のシアン粒子群と正帯電の赤色粒子群はマイナス側電極、すなわち背面電極側へ移動し、表示基板側から観察すると白色が観察された。
ここで、粒子群の表面層への固着の程度を、前記の黒色表示と白色表示を100回繰り返した後の白反射率の低下分によって評価した。具体的には、分光輝度計 CM−2022(ミノルタ社製)を使って、1回目の白色表示の際の白反射率Y1と、100回駆動後の白反射率Y100と、を測定し、固着の程度αを「α(%)=(Y1−Y100)/Y1×100」で定義し評価の指標とした。尚、反射率は視感反射率を用いた。結果を下記表1に示す。
<実施例A2>
実施例A1にて用いた高分子化合物の組成を、下記高分子化合物A2の組成に変更した以外は、実施例A1に記載の方法により表面層を形成し評価を行なった。
−高分子化合物A2の合成−
・(メタ)アクリル系モノマー1(ヒドロキシエチルメタクリレート、HEMA、和光純薬工業社製):65質量部
・シリコーンマクロマー(サイラプレーンFM−0711、JNC社製、重量平均分子量Mw=1000):28質量部
・架橋性モノマー(ブロックイソシアネート基を含むモノマー、カレンズMOI−BP、昭和電工社製):7質量部
・イソプロピルアルコール(和光純薬工業社製):45質量部
・重合開始剤(アゾビスバレロニトリル、和光純薬工業社製:V−65):0.1質量部
<実施例A3>
実施例A1にて用いた高分子化合物の組成を、下記高分子化合物A3の組成に変更した以外は、実施例A1に記載の方法により表面層を形成し評価を行なった。
−高分子化合物A3の合成−
・(メタ)アクリル系モノマー1(ヒドロキシエチルメタクリレート、HEMA、和光純薬社製):17質量部
・(メタ)アクリル系モノマー2(メタクリル酸、MAA、和光純薬工業社製)6質量部
・シリコーンマクロマー(サイラプレーンFM−0711、JNC社製、重量平均分子量Mw=1000):22質量部
・架橋性モノマー(ブロックイソシアネート基を含むモノマー、カレンズMOI−BP、昭和電工社製):55質量部
・イソプロピルアルコール(和光純薬工業社製):45質量部
・重合開始剤(アゾビスバレロニトリル、和光純薬工業社製:V−65):0.1質量部
<実施例A4>
実施例A1にて用いた高分子化合物の組成を、下記高分子化合物A4の組成に変更し、表示媒体の作製の方法を変更した以外は、実施例A1に記載の方法により表面層を形成し評価を行なった。
−高分子化合物A4の合成−
・(メタ)アクリル系モノマー1(ヒドロキシエチルメタクリレート、HEMA、和光純薬工業社製):4質量部
・(メタ)アクリル系モノマー3(メチルメタクリレート、MMA、和光純薬工業社製):3質量部
・シリコーンマクロマー(サイラプレーンFM−0711、JNC社製、重量平均分子量Mw=1000):3質量部
・1−メトキシ−2−プロパノール(和光純薬工業社製):30質量部
・重合開始剤(アゾビスバレロニトリル、和光純薬工業社製:V−65):0.2質量部
−表示媒体の作製−
実施例A1の「−表示媒体の作製−」において、表面層の形成方法を以下の方法に変更した以外は、実施例A1に記載の方法により表示媒体を作製した。
表面層は、上記高分子化合物A4が4質量%、架橋性モノマーとしてタケネートD−160N(三井化学社製)が2質量%となるようシクロヘキサノン溶液を調製し、スピン塗布法により薄膜を形成後、0Pa100℃60分間の加熱を行って形成した。この表面層の膜厚は100nmであり、ジメチルシリコーンオイル(信越化学工業社製KF−96L−1CS)、アセトン、テトラヒドロフラン(THF)の各種有機溶媒には不溶であった。
<実施例A5>
実施例A1にて用いた高分子化合物の組成を、下記高分子化合物A5の組成に変更した以外は、実施例A1に記載の方法により表面層を形成し評価を行った。
−高分子化合物A5の合成−
・(メタ)アクリル系モノマー1(ヒドロキシエチルメタクリレート、HEMA、和光純薬工業社製):58質量部
・(メタ)アクリル系モノマー2(メタクリル酸、MAA、和光純薬工業社製):18質量部
・シリコーンマクロマー(サイラプレーンFM−0711、JNC社製、重量平均分子量Mw=1000):14質量部
・架橋性モノマー(ブロックイソシアネート基を含むモノマー、カレンズMOI−BP、昭和電工社製):9質量部
・イソプロピルアルコール(和光純薬工業社製):45質量部
・重合開始剤(アゾビスバレロニトリル、和光純薬工業社製:V−65):0.1質量部
<実施例A6>
実施例A1にて用いた高分子化合物の組成を、下記高分子化合物A6の組成に変更した以外は、実施例A1に記載の方法により表面層を形成し評価を行った。
−高分子化合物A6の合成−
・(メタ)アクリル系モノマー1(ヒドロキシエチルメタクリレート、HEMA、和光純薬工業社製):31質量部
・シリコーンマクロマー(VTT106、Gelest社製、重量平均分子量Mw=550):30質量部
・架橋性モノマー(ブロックイソシアネート基を含むモノマー、カレンズMOI−BP、昭和電工社製):51質量部
・イソプロピルアルコール(和光純薬工業社製):45質量部
・重合開始剤(アゾビスバレロニトリル、和光純薬工業社製:V−65):0.1質量部
<実施例A7>
実施例A1にて用いた高分子化合物の組成を、下記高分子化合物A7の組成に変更した以外は、実施例A1に記載の方法により表面層を形成し評価を行った。
−高分子化合物A7の合成−
・(メタ)アクリル系モノマー1(ヒドロキシエチルメタクリレート、HEMA、和光純薬工業社製):52質量部
・シリコーンマクロマー(VTT106、Gelest社製、重量平均分子量Mw=550):68質量部
・架橋性モノマー(ブロックイソシアネート基を含むモノマー、カレンズMOI−BP、昭和電工社製):6質量部
・イソプロピルアルコール(和光純薬工業社製):45質量部
・重合開始剤(アゾビスバレロニトリル、和光純薬工業社製:V−65):0.1質量部
<実施例A8>
実施例A1にて用いた高分子化合物の組成を、下記高分子化合物A8の組成に変更した以外は、実施例A1に記載の方法により表面層を形成し評価を行った。
−高分子化合物A8の合成−
・(メタ)アクリル系モノマー2(メタクリル酸、MAA、和光純薬工業社製):3.6質量部
・シリコーンマクロマー(サイラプレーンFM−0711、JNC社製、重量平均分子量Mw=1000):4.1質量部
・その他の重合成分(スチレン、和光純薬工業社製):2.9質量部
・架橋性モノマー(グリシジルメタクリレート、GMA、和光純薬工業社製:2.6質量部
・イソプロピルアルコール(和光純薬工業社製):40質量部
・重合開始剤(アゾビスバレロニトリル、和光純薬工業社製:V−65):0.3質量部
<比較例A1>
実施例A1にて用いた高分子化合物の組成を、下記高分子化合物B1の組成に変更した以外は、実施例A1に記載の方法により表面層を形成し評価を行なった。
−高分子化合物B1の合成−
・(メタ)アクリル系モノマー1(ヒドロキシエチルメタクリレート、HEMA、和光純薬工業社製):71質量部
・シリコーンマクロマー(サイラプレーンFM−0711、JNC社製、重量平均分子量Mw=1000):29質量部
・イソプロピルアルコール(和光純薬工業社製):45質量部
・重合開始剤(アゾビスバレロニトリル、和光純薬工業社製:V−65):0.1質量部
<比較例A2>
実施例A1にて用いた高分子化合物の組成を、下記高分子化合物B2の組成に変更した以外は、実施例A1に記載の方法により表面層を形成し評価を行なった。
−高分子化合物B2の合成−
・(メタ)アクリル系モノマー1(ヒドロキシエチルメタクリレート、HEMA、和光純薬工業社製):66質量部
・(メタ)アクリル系モノマー2(メタクリル酸、MAA、和光純薬工業社製):20質量部
・シリコーンマクロマー(サイラプレーンFM−0711、JNC社製、重量平均分子量Mw=1000):4質量部
・架橋性モノマー(ブロックイソシアネート基を含むモノマー、カレンズMOI−BP、昭和電工社製):10質量部
・イソプロピルアルコール(和光純薬工業社製):45質量部
・重合開始剤(アゾビスバレロニトリル、和光純薬工業社製:V−65):0.1質量部
<比較例A3>
実施例A1にて用いた高分子化合物の組成を、下記高分子化合物B3の組成に変更した以外は、実施例A1に記載の方法により表面層を形成した。
−高分子化合物B3の合成−
・(メタ)アクリル系モノマー1(ヒドロキシエチルメタクリレート、HEMA、和光純薬工業社製):19質量部
・シリコーンマクロマー(サイラプレーンFM−0711、JNC社製、重量平均分子量Mw=1000):49質量部
・架橋性モノマー(ブロックイソシアネート基を含むモノマー、カレンズMOI−BP、昭和電工社製):33質量部
・イソプロピルアルコール(和光純薬工業社製):45質量部
・重合開始剤(アゾビスバレロニトリル、和光純薬工業社製:V−65):0.1質量部
しかし比較例A3では、上記高分子化合物B3がゲル化してしまい、表面層の成膜ができなかった。そのため、「表面層の濡れ張力の測定」および「粒子の固着評価試験」は行えなかった。
<比較例A4>
実施例A1にて用いた高分子化合物の組成を、下記高分子化合物B4の組成に変更した以外は、実施例A1に記載の方法により表面層を形成した。
−高分子化合物B4の合成−
・(メタ)アクリル系モノマー1(ヒドロキシエチルメタクリレート、HEMA、和光純薬工業社製):10質量部
・シリコーンマクロマー(サイラプレーンFM−0711、JNC社製、重量平均分子量Mw=1000):19質量部
・架橋性モノマー(ブロックイソシアネート基を含むモノマー、カレンズMOI−BP、昭和電工社製):71質量部
・イソプロピルアルコール(和光純薬工業社製):45質量部
・重合開始剤(アゾビスバレロニトリル、和光純薬工業社製:V−65):0.1質量部
しかし比較例A4では、表面層の白化が発生した。そのため、「表面層の濡れ張力の測定」および「粒子の固着評価試験」は行わなかった。
<実施例A9〜A26、比較例A5、A6>
[基板表面層材料]
−基板表面層材料a1〜a19の作製−
表2および表3に従った組成のシリコーン鎖を持つ高分子化合物をラジカル溶液重合で合成し、これらを基板表面層材料a1〜a19とした。
[基板]
−表面層付き基板b1〜b18、比較用表面層付き基板bb1、bb2の作製−
表2および表3に従った基板表面層材料を混合溶媒(トルエン/テトラヒドロフラン=25/75質量比の溶媒)に溶解して、基板表面層材料の4質量%溶液を準備し、この溶液4質量部に、表2および表3に示す割合で架橋性モノマー(後添加)剤を混合した。
一方、厚さ0.7mmのガラス基板上に電極としてITO(酸化スズインジウム)をスパッタリング法により50nmの厚さで成膜し、ITO電極基板を準備した。
そして、得られた溶液を、ITO電極基板の電極面にスピンコート(2000rpm×30sec,3500rpm×2sec)にて塗布し、130℃にて1時間焼成して、膜厚100nmの表面層を形成し、表面層付き基板b1〜b18、比較用表面層付き基板bb1、bb2を得た。
実施例A1の表示媒体の作製において、用いる表示基板を上記表面層付き基板b1〜b18、比較用表面層付き基板bb1、bb2に変更した以外は、実施例A1と同様にして表示媒体を作製し、実施例A1と同様に評価を行った。結果を表4に示す。
なお、表2および表3中の略称等の詳細は、以下の通りである。
・FM−0711:「サイラプレーンFM−0711(JNC社製)」、重量平均分子量Mw=1,000
・X−22−2404:「X−22−2404(信越化学工業社製)」
・HEMA:2−ヒドロキシエチルメタクリレート
・MAA:メタクリル酸
・MMA:メタクリル酸メチル
・CXMA:メタクリル酸シクロヘキシル
・DEAEMA:N,N−ジエチルアミノエチルメタクリレート
・A−SA:2−アクリロイルオキシエチルサクシネート(新中村化学社製)
・MOI−BP:ブロック化されたイソシアネート基を有するイソシアネート系モノマー:2−[(3,5−ジメチルピラゾリル)カルボニルアミノ]エチルメタクリレート「カレンズMOI−BP(昭和電工社製)」
・D−160N:イソシアネート化合物「タケネートD−160(三井化学社製)」
・MX−270:メチル化尿素化合物「ニカラックMX−270(三和ケミカル社製)」
上記結果から、本実施例Aでは、比較例Aに比べ、粒子の固着が抑制されることがわかる。
≪実施例B≫
[基板表面層材料]
−基板表面層材料A1〜A17の作製−
表5および表6に従った組成のシリコーン鎖を持つ高分子化合物をラジカル溶液重合で合成し、これらを基板表面層材料A1〜A17とした。
[基板]
−表面層付き基板B1〜B17の作製−
表5および表6に従った基板表面層材料を混合溶媒(トルエン/テトラヒドロフラン=25/75質量比の溶媒)に溶解して、基板表面層材料の4質量%溶液を準備し、この溶液4質量部に,トリイソシアネート系架橋剤(「タケネートD160N(タケダ薬品工業社製)」)2質量部を混合した。
一方、厚さ0.7mmのガラス基板上に電極としてITO(酸化スズインジウム)をスパッタリング法により50nmの厚さで成膜し、ITO電極基板を準備した。
そして、得られた溶液を、ITO電極基板の電極面にスピンコート(2000rpm×30sec,3500rpm×2sec)にて塗布し,130℃にて1時間焼成して,膜厚100nmの表面層を形成し、表面層付き基板B1〜B17を得た。
−比較用表面層付き基板BB1の作製−
フッ素樹脂を希釈用フッ素溶媒に溶解して、フッ素樹脂の33質量%溶液を準備した。
得られた溶液を、表面層付き基板B1と同様のITO電極基板の電極面にスピンコート(500rpm×20sec,2500rpm×10sec)にて塗布し,130℃にて1時間焼成して,膜厚100nmの表面層を形成し、比較用表面層付き基板BB1を得た。
[泳動粒子(その分散液)]
−シアン粒子C1(その分散液C1)の作製−
コア粒子の樹脂としてスチレン/アクリル樹脂A45質量部と、架橋剤としてメチル化メラミン樹脂(「MX−035(三和ケミカル社製)」)5質量部と,着色剤としてシアン顔料PB15:3を26質量%含む水分散液Emacol SF Blue H524F (山陽色素社製)50質量部と、蒸留水24.1質量部とを、60℃に加温しながら混合し、インク固形分濃度が15%、乾燥後の顔料濃度が50%となるように分散相を調製した。
次に、界面活性剤KF−6028(信越化学工業社製)3.5質量部をシリコーンオイルKF−96L−2cs (信越化学工業社製)に溶解して連続相350質量部を調製し、これに上記分散相50質量部を加えて内歯式卓上分散機ROBOMICS(特殊機化工業社製)を用い回転数10000rpm、温度30℃で10分間乳化を行った。その結果、乳化液滴径が約2μmの乳化液を得た。これをロータリーエバポレーターを用いて真空度20mbar、水浴温度40℃で18時間乾燥を行った。
次に、このシリコーンオイル中粒子分散液を遠心分離器を用いた沈降工程と、超音波洗浄機を用いた再分散工程を3回繰り返し、過剰な界面活性剤KF−6028を除き濃縮してコア粒子6質量部を得た。なお、遠心分離の条件は6000rpmで15分である。
得られた粒子をSEM観察して、画像解析した結果、平均粒径は0.6μm、C.V.値(単分散性を示す指標:Coefficient of Variation:CV[%] = (σ/D)×100(σ:標準偏差,D:平均粒径))は25%であった。
次に,各重合成分として、サイラプレーンFM−0721(JNC社製)1.7質量部と、サイラプレーンFM−0725(JNC社製)0.2質量部、ヒドロキシエチルメタクリレート59.8質量部と、AMP−10G(新中村化学工業社製)6.5質量部と、カレンズMOI−BP(昭和電工社製)21.8質量部と、をイソプロピルアルコール200質量部に混合して溶解した。これに重合開始剤としてAIBN(2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル))0.2質量部を溶解し、窒素下で70℃、6時間重合を行なった。生成物をシクロヘキサンを再沈殿溶媒として精製、乾燥し、被覆層の樹脂(シェル樹脂)を得た。この被覆層の樹脂2質量部をt-ブタノール溶媒20質量部に溶解し、被覆層形成用溶液(シェル溶液)を作製した。
次に、上記コア粒子1質量部を200mLのナスフラスコに取り、シリコーンオイルKF−96L−2csを15質量部加え、25℃でコア粒子分散液に超音波を加えながら撹拌分散した。これに、t−ブタノール7.5質量部、上記被覆層形成用溶液(シェル溶液)22質量部、シリコーンオイル「KF−96L−2cs(信越化学工業社製)」12.5質量部を順次加えた。投入速度は全て2mL/sで行った。上記ナスフラスコをロータリーエバポレーターに接続し、真空度20mbar、水浴温度50℃で1時間、t−ブタノール除去を行った。
これを、さらに撹拌しながらオイルバス中で加温した。まず100℃で1時間加温し、残留水分と残留するt−ブタノールを除いた後、続けて130℃で1.5時間の加熱を行い、ブロックイソシアネート基のブロック基を脱離させ、被覆層の樹脂(シェル樹脂)の架橋反応を行った。
冷却後、シリコーンオイル粒子分散液を、遠心分離機を用いた沈降工程と、超音波洗浄機を用いた再分散工程を3回繰り返し、過剰な被覆層の樹脂(シェル樹脂)を除去した。最終的に得られた粒子は0.6質量部であった。
以上の工程を経て、コア粒子の表面に被覆層を形成したシアン粒子(泳動粒子)C1の分散液を得た。
なお、液中に分散されたシアン粒子(泳動粒子)C1は、遠心分離機を用いてシリコーンオイルで洗浄し、シリコーンオイルに分散されたシアン粒子分散液C1(粒子固形分5質量%)として得た。
作製したシアン粒子分散液中のシアン粒子(泳動粒子)の平均粒径を測定した結果、600nmであった。
また、シアン粒子分散液中のシアン粒子(泳動粒子)の帯電極性を、2枚の電極基板間に該分散液を封入し、直流電圧を印加して泳動方向を評価した結果、正帯電であった。
−シアン粒子C2〜C6(その分散液C2〜C6)の作製−
表7および表8に従って、コア粒子および被覆層の組成を変更した以外は、シアン粒子C1(その分散液C1)と同様にしてシアン粒子(泳動粒子)C2〜C6(その分散液C2〜C6)を得た。
作製したシアン粒子分散液中のシアン粒子(泳動粒子)の帯電極性を、2枚の電極基板間に該分散液を封入し、直流電圧を印加して泳動方向を評価した結果、シアン粒子C5は負帯電で、シアン粒子C1〜C4、C6は正帯電であった。
−比較用シアン粒子CC1(その分散液CC1)の作製−
シリコーン変性ポリマーKP−545(信越化学工業社製)3質量部をジメチルシリコーンオイル(信越化学工業社製KF−96L−2CS)97質量部に溶解して溶液Aを調製した。
次に、ジメチルアミン・エピクロロヒドリンポリマー10質量部、水分散顔料溶液(Ciba社製ユニスパース・シアン色、顔料濃度20質量%)5質量部、純水85質量部を混合して溶液Bを調整した。
次に、得られた溶液Aと溶液Bを混合し、超音波破砕機(エスエムテー社製UH−600S)にて分散し乳化を行った。
次に、この懸濁液を減圧(2KPa)、加熱(70℃)して水分を除去し、濃度を調整することにより、シリコーンオイル中に比較用シアン粒子(泳動粒子)CC1が分散した比較用シアン粒子分散液CC1(粒子固形分5質量%)を得た。
作製したシアン粒子分散液中のシアン粒子(泳動粒子)の平均粒径を測定した結果、290nmであった。
また、シアン粒子分散液中のシアン粒子(泳動粒子)の帯電極性を、2枚の電極基板間に該分散液を封入し、直流電圧を印加して泳動方向を評価した結果、正帯電であった。
[白色粒子W1]
−分散液AA1の調製−
下記成分を混合し、10mmΦのジルコニアボールにてボールミル粉砕を20時間実施して分散液AAを調製した。
<組成>
・メタクリル酸シクロヘキシル: 53質量部
・酸化チタン: 45質量部
(白色顔料:一次粒子径0.3μm、タイペークCR63:石原産業社製)
・シクロヘキサン: 5質量部
−炭カル分散液ABの調製−
下記成分を混合し、上記と同様にボールミルにて微粉砕して炭カル分散液ABを調製した。
<組成>
・炭酸カルシウム: 40質量部
・水: 60質量部
−混合液ACの調製−
下記成分を混合し、超音波機で脱気を10分間おこない、ついで乳化機で攪拌して混合液ACを調製した。
<組成>
・2%セロゲン 4.3質量部
・炭カル分散液AB: 8.5質量部
・20%食塩水: 50質量部
次に、分散液AA35質量部、ジビニルベンゼン1質量部、および重合開始剤AIBN(アゾビスイソブチロニトリル)0.35質量部を計り取り、これらを混合し、超音波機で脱気を10分おこなった。これを混合液ACに加え、乳化機で乳化を実施した。
次に、この乳化液をビンに入れ、シリコーン詮をし、注射針を使用し、減圧脱気を充分行い、窒素ガスで封入した。
次に、65℃で15時間反応させ粒子を調製した。冷却後、この分散液を凍結乾燥機により−35℃、0.1Paの下で2日間でシクロヘキサンを除去した。得られた粒子粉をイオン交換水中に分散させ、塩酸水で炭酸カルシウムを分解させ、ろ過を行った。その後充分な蒸留水で洗浄し、目開き:20μm、25μmのナイロン篩にかけ、粒度を揃えた。これを乾燥させ、平均粒子径20μmの白色粒子W1を得た。
[実施例B1〜B22、比較例B1〜B4]
表9に従って、2枚の同じ表面層付き基板を準備し、これを第1基板、および第2基板とした。そして、50μmのテフロン(登録商標)シートをスペーサーとして、第1基板上に第2基板を互いの表面層を対向させるようにして重ね合わせて、クリップにて固定した。
次に、表9に従って、白色粒子10質量部およびシアン粒子5質量部となるように、シアン粒子分散液に白色粒子を混合し、これを上記基板間の間隙に注入した後、封止して、評価用セルを作製した。
評価用セルを作製し、12時間経過した後、当該評価用セルからシリコーンオイル(分散媒)の一部を採取し、これを測定試料として、既述の方法に従って、シリコーンオイル(分散媒)の水を除く極性成分の含有量を測定した。
次に、作製した評価用セルを用いて、第1基板を表示基板とし、その表示面がシアン色となるように(つまり、第1基板側にシアン粒子が泳動するように)、第1基板および第2基板の互いの電極に15Vの電圧を印加した。
その後、第1基板を表示基板とし、その表示面が白色となるように(つまり、第2基板側にシアン粒子が泳動するように)、第1基板および第2基板の互いの電極に15Vの電圧を印加した。
このとき第1基板側から観察した白色の白色濃度を、X−Rite404にて測定して、白色反射率に換算した。このときの白色反射率を「初期白色反射率」とした。
そして、同様の操作を100回繰り返した後、同様に、白色反射率を測定し、このときの白色反射率を「経時白色反射率」とした。
その後、再び、第1基板を表示基板とし、その表示面が白色となるように(つまり、第2基板側にシアン粒子が泳動するように)、第1基板および第2基板の互いの電極に15Vの電圧を印加した。
上記結果から、実施例Bでは、比較例Bに比べ、経時白色反射率の低下が抑制されていることがわかる。
なお、表5〜表8中の略称等の詳細は、以下の通りである。
・FM−0711:「サイラプレーンFM−0711(JNC社製)」、重量平均分子量Mw=1,000
・FM−0721:「サイラプレーンFM−0721(JNC社製)」、重量平均分子量Mw=5,000
・FM−0725:「サイラプレーンFM−0725(JNC社製)」、重量平均分子量Mw=10,000
・X−22−2404:「X−22−2404(信越化学工業社製)」
・HEMA:2−ヒドロキシエチルメタクリレート
・MAA:メタクリル酸
・MMA:メタクリル酸メチル
・CXMA:メタクリル酸シクロヘキシル
・DMAPAA:ジメチルアミノプロピルアクリルアミド
・A−SA:2−アクリロイルオキシエチルサクシネート(新中村化学社製)
・MOI−BP:ブロック化されたイソシアネート基を有するイソシアネート系モノマー:2−[(3,5−ジメチルピラゾリル)カルボニルアミノ]エチルメタクリレート「カレンズMOI−BP(昭和電工社製)」
・D−160N:イソシアネート化合物「タケネートD−160(三井化学社製)」
・MX−270:メチル化尿素化合物「ニカラックMX−270(三和ケミカル社製)」
・スチレン/アクリル樹脂A:「X−345(星光PMC社製)」(アクリル部位のカルボン酸が2−ヒドロキシエチルジメチルアンモニウムによりアンモニウム塩化)
・アクリル樹脂B:アクリル系化合物の重合体「AW−36H(星光PMC社製)」(アクリル部位のカルボン酸がアンモニア水によりアンモニウム塩化)
・スチレン/マレイン酸樹脂C:スチレン系化合物とマレイン酸系化合物の共重合体「X−1202L(星光PMC社製)」(マレイン酸がアンモニア水によりアンモニウム塩化)
・スルホン酸樹脂D:2−アクリルアミド−2−メチルプパンスルホン酸を含む重合物
・CTX−809M:フッ素樹脂「CTX−809M(AGC社製)」
・AMP−10G:フェノキシ化合物の重合体
・MX−035:メチル化メラミン樹脂「MX−035(三和ケミカル社製)」
・H525F:シアン顔料(「H525F(山陽色素社製)」)
また、前記実施例B1〜B22において用いた白色粒子W1を、下記白色粒子W2に変更した以外は同様にして、実施例および比較例を実施した。
白色粒子W2を用いた実施例でも、前記実施例B1〜B22と同等の効果が得られた。
[白色粒子W2]
・4−ビニルビフェニル(新日鉄住金化学社製) :1質量部
・サイラプレーンFM−0721(JNC社製、重量平均分子量Mw=5000、構造(構造式2においてR=メチル基、R’=ブチル基、n=68、x=3)) :1質量部
・ラウロイルパーオキサイド(アルドリッチ社製):0.03質量部
・アイソパーM(Isopar M:登録商標、エクソンモービル社製) :10質量部
・ヘキサン(関東化学社製) :2質量部
・トルエン(関東化学社製) :2質量部
上記組成で各材料を混合し、65℃で18時間加熱した後、ジメチルシリコーンオイル(信越化学工業社製KF−96L−2cs、粘度2cs)で溶媒置換を行った。これにより、4−ビニルビフェニルを重合成分として含む共重合体で構成された樹脂粒子分散液を得た。樹脂粒子の体積平均粒径は0.53μmであった。得られた樹脂粒子分散液を、白色粒子W2分散液とした。
10 表示装置
12 表示媒体
16 電圧印加部
18 制御部
20 表示基板
21 表面層
22 背面基板
23 表面層
24 間隙部材
25 表面層
34 粒子群
34Y イエロー粒子群
34C シアン粒子群
34M マゼンタ粒子群
36 着色浮遊粒子群
38 支持基板
40 表面電極
44 支持基板
46 背面電極
50 分散媒

Claims (5)

  1. 電極を有し、少なくとも一方が透光性を有し且つ間隙をもって配置された一対の基板と、
    前記一対の基板間に封入された分散媒と、
    前記分散媒中に分散され、前記一対の基板間に形成された電界に応じて該分散媒中を移動する粒子群と、
    少なくとも10モル%以上90モル%以下の(1)(メタ)アクリル系モノマー、1モル%以上50モル%以下の(2)シリコーンマクロマー、および2モル%以上70モル%以下の(3)架橋性モノマーに由来する高分子化合物(但し前記比率は、前記(1)、(2)および(3)の成分の合計量を基準(100モル%)とした場合の比率である)が、前記一対の基板の対向面の少なくとも一方に設けられた表面層と、
    を有する表示媒体。
  2. 前記表面層の表面の濡れ張力(JIS−K6768/1999年)が35mN/m以下である請求項1に記載の表示媒体。
  3. 前記高分子化合物が、前記シリコーンマクロマーとして下記構造式で示される化合物から選択される少なくとも1種に由来する構成単位を有する請求項1または請求項2に記載の表示媒体。


    〔上記構造式中、Rは、水素原子またはメチル基を示す。R’は、水素原子または炭素数1以上4以下のアルキル基を示す。nは自然数を示す。xは1以上3以下の整数を示す。〕
  4. 前記分散媒は、水を除く極性成分の含有量が0.01質量%以下である請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の表示媒体。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の表示媒体と、
    前記一対の基板間に電圧を印加する電圧印加手段と、
    を備えた表示装置。
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