JP2013234945A - 鉄塔健全性評価装置及び鉄塔健全性評価方法 - Google Patents

鉄塔健全性評価装置及び鉄塔健全性評価方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 この発明は、風荷重の影響を排除し、鉄塔の健全性を簡易に診断することができる鉄塔健全性評価装置を提供する。
【解決手段】 鉄塔健全性評価装置10は、鉄塔100に生じる常時微動の加速度を互いに直交する3軸方向でそれぞれ測定する第1の加速度センサ1と、第1の加速度センサ1から出力される各軸方向の加速度データと当該加速度データの時間間隔をおいた各軸方向の加速度データとの差分をそれぞれ演算する第1の加速度差分演算部3と、第1の加速度差分演算部3により算出された各軸方向の差分値の標準偏差をそれぞれ演算し、算出した各軸方向の標準偏差値における全軸方向の平均を演算する第1の標準偏差演算部4と、第1の標準偏差演算部4により算出された標準偏差値の平均値を鉄塔100の健全性の評価として出力する出力部6と、を備える。
【選択図】 図1

Description

この発明は、常時微動測定により得られた振動特性を用いて、鉄塔の健全性を診断する鉄塔健全性評価装置及び鉄塔健全性評価方法に関する。
常時微動は、地盤又は構造物中を伝搬する人工的若しくは自然現象による種々の振動のうち、特定の振動源から直接的に影響を受けない状態で、様々な振動によって誘起される微小な振動である。
また、常時微動測定は、この微小な振動を測定して、地盤の振動特性の推定、構造物の固有周期や減衰特性などの振動特性の推定、又は、地盤種別の評価などに利用するために行われる。
この常時微動測定を用いたものとしては、測定周波数範囲を直流(DC)から100Hz(最大値:300Hz)までとし、平均フーリエスペクトル密度の値によるトンネル覆工の健全度評価手法が提案されている(例えば、非特許文献1)。
また、従来の構造物の健全度評価装置は、複数の振動受振器とその増幅器から構成される振動測定部と、その振動波形データを周波数分析してフーリエスペクトルを演算する回路とフーリエスペクトル比を演算する回路からなるデータ処理部と、時間領域の振動波形データ、周波数領域の振動波形データ、フーリエスペクトル比の曲線をグラフ化する表示部からなり、自然に存在する常時微動をある距離をおいた複数の点で測定して、測定した常時微動の時間領域の振動波形データをフーリエ変換して、周波数領域の振動波形データであるフーリエスペクトルを求め、さらに各測定箇所のフーリエスペクトル比の曲線をグラフ表示することによって評価する(例えば、特許文献1)。
特開平05−281082号公報
蒋 宇静、外4名、「常時微動測定に基づくトンネル覆工の健全度評価手法の提案」、トンネル工学報告集/土木学会トンネル工学委員会編、公益社団法人土木学会、2010年11月25日、第20巻、pp205−209
しかしながら、トンネル覆工の健全度評価手法や従来の構造物の健全度評価装置は、鉄塔の健全性の評価に応用する場合に、鉄塔が上空からの風荷重の影響を多大に受けるため、風荷重の影響を排除する必要があり、鉄塔自身に起因する常時微動特性のみを把握することが困難であるという課題がある。
また、トンネル覆工の健全度評価手法や従来の構造物の健全度評価装置は、高速フーリエ変換(Fast Fourier Transform:FFT)による各周波数のスペクトル密度を求める必要がある。すなわち、スペクトル密度がgal*secの単位を有する値であるため、地盤の種別により値が異なる場合があると共に、FFT解析の計算手法が多種多様で複雑であり、更に一般的及び簡易的な手法の開発が望まれている。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたものであり、風荷重の影響を排除し、鉄塔の健全性を簡易に診断することができる鉄塔健全性評価装置及び鉄塔健全性評価方法を提供するものである。
この発明に係る鉄塔健全性評価装置においては、鉄塔に生じる常時微動の加速度を互いに直交する3軸方向でそれぞれ測定する第1の加速度センサと、第1の加速度センサから出力される各軸方向の加速度データと当該加速度データの時間間隔をおいた各軸方向の加速度データとの差分をそれぞれ演算する第1の加速度差分演算部と、第1の加速度差分演算部により算出された各軸方向の差分値の標準偏差をそれぞれ演算し、算出した各軸方向の標準偏差値における全軸方向の平均を演算する第1の標準偏差演算部と、第1の標準偏差演算部により算出された標準偏差値の平均値を鉄塔の健全性の評価として出力する出力部と、を備えるものである。
開示の鉄塔健全性評価装置は、風荷重の影響を排除し、地盤種別や鉄塔の種類などの各鉄塔の特徴に影響を受けることなく、鉄塔の健全性を簡易に評価することができるという効果を奏する。
(a)は第1の実施形態に係る鉄塔健全性評価装置の概略構成を示すブロック図であり、(b)は鉄塔健全性評価装置を鉄塔に設置した状態を説明するための説明図である。 評価対象の鉄塔のA脚のx軸方向における10分割した加速度データの波形図である。 評価対象の鉄塔のA脚のy軸方向における10分割した加速度データの波形図である。 評価対象の鉄塔のA脚のz軸方向における10分割した加速度データの波形図である。 (a)は評価対象の鉄塔のA脚のx軸方向における加速度データの差分値のヒストグラムであり、(b)は評価対象の鉄塔のA脚のy軸方向における加速度データの差分値のヒストグラムであり、(c)は評価対象の鉄塔のA脚のz軸方向における加速度データの差分値のヒストグラムである。 (a)は評価対象の鉄塔のA脚のx軸方向における10分割した加速度データの差分値の標準偏差値を示すグラフであり、(b)は評価対象の鉄塔のB脚のx軸方向における10分割した加速度データの差分値の標準偏差値を示すグラフであり、(c)は評価対象の鉄塔のC脚のx軸方向における10分割した加速度データの差分値の標準偏差値を示すグラフであり、(d)は評価対象の鉄塔のD脚のx軸方向における10分割した加速度データの差分値の標準偏差値を示すグラフである。 (a)は評価対象の鉄塔のA脚のy軸方向における10分割した加速度データの差分値の標準偏差値を示すグラフであり、(b)は評価対象の鉄塔のB脚のy軸方向における10分割した加速度データの差分値の標準偏差値を示すグラフであり、(c)は評価対象の鉄塔のC脚のy軸方向における10分割した加速度データの差分値の標準偏差値を示すグラフであり、(d)は評価対象の鉄塔のD脚のy軸方向における10分割した加速度データの差分値の標準偏差値を示すグラフである。 (a)は評価対象の鉄塔のA脚のz軸方向における10分割した加速度データの差分値の標準偏差値を示すグラフであり、(b)は評価対象の鉄塔のB脚のz軸方向における10分割した加速度データの差分値の標準偏差値を示すグラフであり、(c)は評価対象の鉄塔のC脚のz軸方向における10分割した加速度データの差分値の標準偏差値を示すグラフであり、(d)は評価対象の鉄塔のD脚のz軸方向における10分割した加速度データの差分値の標準偏差値を示すグラフである。 (a)は評価対象の鉄塔の各脚の各軸方向における加速度データの差分値の標準偏差値を示す表であり、(b)は図9(a)に示す各鉄塔の標準偏差値の平均値を示すグラフである。 第2の実施形態に係る鉄塔健全性評価装置の概略構成を示すブロック図である。 評価対象の鉄塔のA脚のx軸方向におけるフーリエスペクトル密度のスペクトル図である。 評価対象の鉄塔のA脚のy軸方向におけるフーリエスペクトル密度のスペクトル図である。 評価対象の鉄塔のA脚のz軸方向におけるフーリエスペクトル密度のスペクトル図である。 (a)は評価対象の鉄塔のA脚のx軸方向における平均フーリエスペクトル密度のスペクトル図であり、(b)は評価対象の鉄塔のA脚のy軸方向における平均フーリエスペクトル密度のスペクトル図であり、(c)は評価対象の鉄塔のA脚のz軸方向における平均フーリエスペクトル密度のスペクトル図である。 第3の実施形態に係る鉄塔健全性評価装置の概略構成を示すブロック図である。 第4の実施形態に係る鉄塔健全性評価装置の概略構成を示すブロック図である。
(本発明の第1の実施形態)
鉄塔健全性評価装置10は、図1に示すように、鉄塔100に生じる常時微動の加速度を互いに直交する3軸方向でそれぞれ測定する第1の加速度センサ1と、鉄塔100の健全性を評価しようとする者(以下、評価者と称す)が鉄塔健全性評価装置10を起動して評価の開始を指示するための入力部2と、第1の加速度センサ1から出力される各軸方向の加速度データと当該加速度データの時間間隔をおいた各軸方向の加速度データとの差分をそれぞれ演算する第1の加速度差分演算部3と、第1の加速度差分演算部3により算出された各軸方向の差分値の標準偏差をそれぞれ演算し、算出した各軸方向の標準偏差値における全軸方向の平均を演算する第1の標準偏差演算部4と、第1の標準偏差演算部4により算出された標準偏差値の平均値に基づいて鉄塔100の健全・不健全を評価する第1の健全性評価部5と、第1の健全性評価部5により評価された評価結果を外部に出力する出力部6と、を備える。
なお、本実施形態に係る第1の健全性評価部5は、第1の標準偏差演算部4により算出された標準偏差値の平均値が予め設定された閾値(以下、第1の閾値と称す)を越える場合に、鉄塔100が不健全であると評価する。
また、第1の閾値は、評価対象の鉄塔100(の脚部101)に対して上部構造物(鉄塔部材)及び基礎構造物(鉄塔100の主柱材を地中に定着させている構造)が同一の構造であると共に上部構造物及び基礎構造物の腐食やボルトの緩み等の不具合がない又は少ない健全な鉄塔(例えば、設置当初の鉄塔100の対応する脚部)における常時微動の加速度データを予め測定し、加速度データの差分値、差分値の標準偏差値及び標準偏差値の平均値を予め算出することにより得られる標準偏差値の平均値である。
また、鉄塔健全性評価装置10は、第1の加速度センサ1で測定された加速度データを格納する第1の加速度データ格納部1aと、第1の加速度差分演算部3により算出された加速度データの差分値を格納する第1の加速度差分値格納部3aと、第1の標準偏差演算部4により算出された標準偏差値及び標準偏差値の平均値を格納する第1の標準偏差値格納部4aと、第1の閾値を格納する閾値格納部5aと、を備える。
なお、本実施形態に係る第1の加速度センサ1は、データ処理手段であるパソコン10a(personal computer:PC)に接続される。また、入力部2は、キーボード又はポインティングデバイス等であり、出力部6は、液晶ディスプレイ又はCRT(Cathode-Ray Tube)等の表示装置やプリンターやスピーカ等である。また、第1の加速度データ格納部1a、入力部2、第1の加速度差分演算部3、第1の加速度差分値格納部3a、第1の標準偏差演算部4、第1の標準偏差値格納部4a、第1の健全性評価部5、閾値格納部5a及び出力部6は、パソコン10aに具備される。
また、本実施形態に係る第1の加速度センサ1は、鉄塔100の一又は複数の脚部(アングル材)101のうち少なくとも一の脚部101に万力を用いて密着して固定され、鉄塔100に架設された送電線102の線路方向に略平行な方向(以下、x軸方向と称す)と、当該x軸方向に垂直かつ地面に対して略水平な方向(以下、y軸方向と称す)と、当該x軸方向及びy軸方向に垂直な方向(以下、z軸方向と称す)とにおける、鉄塔100に生じる常時微動の加速度をそれぞれ測定する。
つぎに、本実施形態に係る鉄塔健全性評価装置10の処理動作について説明する。
まず、鉄塔100の脚部101(例えば、A脚101a)に固定された第1の加速度センサ1は、x軸方向、y軸方向及びz軸方向の各軸方向における鉄塔100(A脚101a)に生じる常時微動の加速度を測定し、パソコン10aに出力する。
パソコン10aの第1の加速度データ格納部1aは、第1の加速度センサ1から入力された加速度の時間的変化を加速度データとして格納する。
なお、本実施形態においては、常時微動の加速度の測定時間が200秒間で、サンプリング間隔を1000Hzとし、各軸に対して2万個のデータをそれぞれ取得しており、図2乃至図4に示すような加速度データ(加速度波形)が得られる。なお、図2乃至図4においては、200秒間の加速度データを20秒毎に10分割して表示している。
そして、第1の加速度差分演算部3は、入力部2からの起動信号に基づき、第1の加速度データ格納部1aに格納された加速度データを抽出する。また、第1の加速度差分演算部3は、抽出した加速度データと当該加速度データの時間間隔をおいた加速度データとの差分を演算し、x軸方向、y軸方向及びz軸方向の各軸方向における加速度データの差分値を第1の加速度差分値格納部3aに格納する。
なお、本実施形態においては、差分値を算出するための時間間隔を1/1000秒として、各軸に対して差分値を取得しており、加速度データの差分値の分布は、図5に示すように、中央値0で標準偏差σの標準正規分布になった。
そして、第1の標準偏差演算部4は、第1の加速度差分演算部3からの入力信号に基づき、第1の加速度差分値格納部3aに格納された加速度データの差分値を抽出する。また、第1の標準偏差演算部4は、抽出した加速度データの差分値の標準偏差を演算し、x軸方向、y軸方向及びz軸方向の各軸方向における加速度データの差分値の標準偏差値を第1の標準偏差値格納部4aに格納する。また、第1の標準偏差演算部4は、算出した各軸方向の標準偏差値における全軸方向の平均を演算し、全軸方向の標準偏差値の平均値を第1の標準偏差値格納部4aに格納する。
なお、本実施形態においては、200秒間の加速度データを20秒毎に10分割した加速度データに対する各差分値の標準偏差値を演算しており、次表1に示すように、加速度データの差分値の基本統計量のうちの標準偏差値及び標準偏差値の平均値を取得した。
Figure 2013234945
そして、第1の健全性評価部5は、第1の標準偏差演算部4からの入力信号に基づき、第1の標準偏差値格納部4aに格納された全軸方向の標準偏差値の平均値(ここでは、766.4566)を抽出し、閾値格納部5aに格納された第1の閾値を抽出する。また、第1の標準偏差演算部4は、抽出した全軸方向の標準偏差値の平均値と第1の閾値とを比較し、全軸方向の標準偏差値の平均値が第1の閾値を越える場合に、鉄塔100が不健全であると評価すると共に、全軸方向の標準偏差値の平均値が第1の閾値を越えない場合に、鉄塔100が健全であると評価する。
なお、本実施形態に係る第1の閾値は、評価対象の鉄塔100の脚部101(ここでは、A脚101a)に対応する健全な鉄塔の脚部における全軸方向の標準偏差値の平均値(例えば、164.12)である。このため、第1の健全性評価部5は、抽出した全軸方向の標準偏差値の平均値766.4566が第1の閾値164.12を越えるために、鉄塔100が不健全であると評価する。
そして、出力部6は、第1の健全性評価部5からの評価結果に基づき、鉄塔100の健全性評価の評価結果を外部に出力して、評価者に報知する。なお、本実施形態においては、出力部6がパソコン10aのディスプレイであり、評価結果を表示画面に表示することになる。
ここで、本実施形態に係る鉄塔健全性評価装置10による鉄塔100の健全性評価の正否を以下のように検証した。
まず、評価対象の鉄塔100の上部構造物を目視により観察したところ、顕著な腐食などは見られなかった。
つぎに、鉄塔100の基礎構造物を地中から掘り出して、A脚101aの基礎構造物を目視により観察したところ、腐食度合いが高く、鋼材が減肉している箇所も見られた。
すなわち、鉄塔健全性評価装置10による鉄塔100(A脚101aの基礎構造物)の健全性の評価結果と目視観察による鉄塔100(A脚101aの基礎構造物)の健全性の評価結果とが一致しており、鉄塔健全性評価装置10は、鉄塔100の健全性の評価を行なううえで有効であることを確認することができた。
以上のように、本実施形態に係る鉄塔健全性評価装置10は、鉄塔100の上部構造物に腐食やボルトの緩み等の不具合がない(目視観察により上部構造物に不具合が見つからない)場合に、地中に埋設された基礎構造物を地中から掘り出すことなく、非破壊測定により、基礎構造物の腐食の有無を評価することができるという作用効果を奏する。
また、本実施形態に係る鉄塔健全性評価装置10は、上部構造物及び基礎構造物に腐食がない場合に、目視観察によることなく上部構造物のボルトの緩みの有無を評価することができるという作用効果を奏する。
また、本実施形態に係る鉄塔健全性評価装置10は、基礎構造物に中空鋼管が使用されており、上部構造物に腐食やボルトの緩み等の不具合がなく(目視観察により上部構造物に不具合が見つからず)、基礎構造物の外部に腐食が見られない場合に、基礎構造物の中空鋼管内の腐食の有無を評価することができるという作用効果を奏する。
特に、本実施形態に係る鉄塔健全性評価装置10は、加速度データの差分値を演算することにより、各鉄塔100の特徴(地盤種別、鉄塔100の種類など)に影響を受け難く、風荷重の影響による各データの影響を除去すると共に、加速度の時刻暦応答の差分値のばらつきである標準正規分布(白色雑音:white noise)により、鉄塔100の健全性を評価することができる。
なお、本実施形態に係る鉄塔健全性評価装置10においては、評価対象の鉄塔100の一又は複数の脚部101のうち少なくとも一の脚部101における健全性評価を行なう場合について説明したが、評価対象の鉄塔100の全脚部101に対して常時微動の加速度を測定し、鉄塔100全体として健全性評価を行なってもよい。
この場合に、第1の加速度センサ1は、鉄塔100の各脚部101に万力を用いて密着してそれぞれ固定され、鉄塔100の各脚部101におけるx軸方向とy軸方向とz軸方向との各軸方向の常時微動の加速度をそれぞれ検出することになる。
また、第1の加速度差分演算部3は、第1の加速度センサ1から出力される各脚部101の各軸方向の加速度データと当該加速度データの時間間隔をおいた加速度データとの差分値をそれぞれ算出することになる。
また、第1の標準偏差演算部4は、第1の加速度差分演算部3により算出された各脚部101の各軸方向の差分値の標準偏差値をそれぞれ算出し、当該各脚部101の各軸方向の標準偏差値における全脚部101の全軸方向の平均値を算出することになる。
また、第1の健全性評価部5は、第1の標準偏差演算部4により算出された全脚部101の全軸方向の標準偏差値の平均値が閾値格納部5aに予め設定された閾値(以下、第2の閾値と称す)を越える場合に、鉄塔100が不健全であると評価することになる。
なお、第2の閾値は、評価対象の鉄塔100に対して上部構造物及び基礎構造物が同一の構造であると共に上部構造物及び基礎構造物の腐食やボルトの緩み等の不具合がない又は少ない健全な鉄塔(例えば、設置当初の鉄塔100の対応する各脚部101)における常時微動の加速度データを予めそれぞれ測定し、各加速度データの差分値、各差分値の標準偏差値、各標準偏差値の平均値及び全脚部101の全軸方向の標準偏差値の平均値を予めそれぞれ算出することにより得られる全脚部101の全軸方向の標準偏差値の平均値である。
ここで、図6乃至図9に示すように、実際に運用されていた4基の鉄塔100(No.30、No.31、No.33、No.34)の全脚部101(A脚101a、B脚101b、C脚101c、D脚101d)に対して、各軸方向の常時微動の加速度を測定し、各軸方向の加速度データの差分値、各軸方向の標準偏差値及び全脚部101の全軸方向の標準偏差値の平均値を算出した結果について説明する。
なお、No.30、No.31及びNo.33の鉄塔100は、全ての基礎構造物が同一の寸法及び規格であり、全ての上部構造物に腐食やボルトの緩み等の不具合はない。
また、No.34の鉄塔100は、No.30、No.31及びNo.33の鉄塔100と異なり、逆T型コンクリート基礎であり、基礎構造物の鋼材がコンクリートで被覆されているため、基礎構造物の腐食がなく、基礎が安定し、鉄塔100の全脚部101における全軸方向の標準偏差値の平均値が小さいと考えられる。
鉄塔100の全脚部101における全軸方向の標準偏差値の平均値は、図9に示すように、No.34、No.30、No.31、No.33の順に大きくなっており、鉄塔健全性評価装置10により、No.34及びNo.30の鉄塔100が健全であり、No.31及びNo.33の鉄塔100が不健全であるという評価結果が得られた。
実際には、No.30、No.31、No.33及びNo.34の鉄塔100の基礎構造物を地中から掘り出して、基礎構造物を目視により観察したところ、No.30の鉄塔100は腐食度合いが比較的小さく、No.31の鉄塔100は腐食度合いが中程度であり、No.33の鉄塔100は腐食度合いが大きく、No.34の鉄塔100はほぼ設計書通りの寸法であり腐食がなかった。
すなわち、鉄塔100の全脚部101における全軸方向の標準偏差値の平均値の大小関係は、基礎構造物の撤去後の目視観察による基礎構造物の腐食度合いに一致している。
このことは、鉄塔100の全脚部101における全軸方向の標準偏差値の平均値が大きいほど、鉄塔100の健全性が低い傾向にあると評価することができることを意味している。
このため、本実施形態に係る鉄塔健全性評価装置10は、鉄塔100の健全又は不健全を評価する指標として1つの閾値(第1の閾値、第2の閾値)を設定しているが、段階的な複数の閾値を閾値格納部5aに予め設定し、第1の健全性評価部5が各閾値との比較に基づいて鉄塔100の不健全(健全)の度合いを評価してもよい。
なお、本実施形態に係る鉄塔健全性評価装置10は、第1の健全性評価部5により標準偏差値の平均値と閾値とを比較して鉄塔100の健全性を評価しているが、第1の標準偏差演算部4により算出した標準偏差値の平均値を出力部6に出力し、第1の健全性評価部5の評価結果に代え又は第1の健全性評価部5の評価結果と共に出力部6により標準偏差値の平均値を鉄塔100の健全性の評価として外部に出力して、評価者に報知(評価者が標準偏差値の平均値に基づいて鉄塔100の健全性を評価)する構成であってもよい。
(本発明の第2の実施形態)
図10は第2の実施形態に係る鉄塔健全性評価装置の概略構成を示すブロック図である。図11は評価対象の鉄塔のA脚のx軸方向におけるフーリエスペクトル密度のスペクトル図である。図12は評価対象の鉄塔のA脚のy軸方向におけるフーリエスペクトル密度のスペクトル図である。図13は評価対象の鉄塔のA脚のz軸方向におけるフーリエスペクトル密度のスペクトル図である。図14(a)は評価対象の鉄塔のA脚のx軸方向における平均フーリエスペクトル密度のスペクトル図であり、図14(b)は評価対象の鉄塔のA脚のy軸方向における平均フーリエスペクトル密度のスペクトル図であり、図14(c)は評価対象の鉄塔のA脚のz軸方向における平均フーリエスペクトル密度のスペクトル図である。図10〜図14において、図1〜図9と同じ符号は、同一又は相当部分を示し、その説明を省略する。
本実施形態に係る鉄塔健全性評価装置10は、第1の実施形態で前述した、第1の加速度センサ1、第1の加速度データ格納部1a、入力部2、第1の加速度差分演算部3、第1の加速度差分値格納部3a、第1の標準偏差演算部4、第1の標準偏差値格納部4a、第1の健全性評価部5、閾値格納部5a及び出力部6に加えて、第1のフーリエスペクトル密度演算部7と、第1のフーリエスペクトル密度格納部7aと、第1の平均フーリエスペクトル密度演算部8と、第1の平均フーリエスペクトル密度格納部8aと、をパソコン10aに具備する。
第1のフーリエスペクトル密度演算部7は、第1の加速度センサ1から出力される各軸方向の加速度データを所定時間毎にそれぞれ分割し、当該各軸方向の各加速度データをフーリエ変換してフーリエスペクトル密度をそれぞれ演算する。
なお、第1のフーリエスペクトル密度演算部7は、加速度データを所定時間毎に分割することにより、加速度データに含む不要なノイズを各フーリエスペクトル密度に分散させ、さらに、第1のフーリエスペクトル密度演算部8がフーリエスペクトル密度の合成値の平均を演算することで、後述する平均フーリエスペクトル密度の合成値に含むノイズの割合を削減することができる。
また、第1のフーリエスペクトル密度格納部7aは、第1のフーリエスペクトル密度演算部7により算出されたフーリエスペクトル密度を格納する。
第1の平均フーリエスペクトル密度演算部8は、第1のフーリエスペクトル密度演算部7により算出された各軸方向の各フーリエスペクトル密度に基づき、周波数毎に各軸方向の各フーリエスペクトル密度のベクトル合成を演算し、フーリエスペクトル密度の合成値の平均を演算する。
また、第1の平均フーリエスペクトル密度格納部8aは、第1の平均フーリエスペクトル密度演算部8により算出された平均フーリエスペクトル密度の合成値を格納する。
第1の健全性評価部5は、第1の標準偏差演算部4により算出された標準偏差値と、第1の平均フーリエスペクトル密度演算部8により算出された平均フーリエスペクトル密度の合成値と、に基づいて、鉄塔100の健全・不健全を評価する。
なお、本実施形態に係る第1の健全性評価部5は、第1の標準偏差演算部4により算出された標準偏差値が閾値格納部5aに予め設定された閾値(第1の閾値、第2の閾値)を越え、第1の平均フーリエスペクトル密度演算部8により算出された平均フーリエスペクトル密度の合成値が閾値格納部5aに予め設定された閾値(以下、第3の閾値と称す)を越える場合に、鉄塔100が不健全であると評価する。
また、第3の閾値は、評価対象の鉄塔100(の脚部101)に対して上部構造物及び基礎構造物が同一の構造であると共に上部構造物及び基礎構造物の腐食やボルトの緩み等の不具合がない又は少ない健全な鉄塔(例えば、設置当初の鉄塔100の対応する脚部)における常時微動の加速度データを予め測定し、加速度データのフーリエスペクトル密度、フーリエスペクトル密度の合成値及び平均フーリエスペクトル密度の合成値を予め算出することにより得られる平均フーリエスペクトル密度の合成値である。
つぎに、本実施形態に係る鉄塔健全性評価装置10の処理動作について説明する。
なお、以下の説明においては、第1の実施形態において評価対象とした鉄塔100の脚部101(A脚101a)を、第2の実施形態に係る鉄塔健全性評価装置10の評価対象にする場合について説明する。
また、本実施形態に係る第1の加速度センサ1、第1の加速度差分演算部3及び第1の標準偏差演算部4の処理動作については、第1の実施形態と同様であるので、説明を省略する。
第1のフーリエスペクトル密度演算部7は、入力部2からの起動信号に基づき、第1の加速度データ格納部1aに格納された加速度データを抽出する。また、第1のフーリエスペクトル密度演算部7は、抽出したx軸方向、y軸方向及びz軸方向の各軸方向の加速度データを所定時間毎にそれぞれ分割し、当該各軸方向の各加速度データをフーリエ変換してフーリエスペクトル密度をそれぞれ演算し、各軸方向における所定時間毎のフーリエスペクトル密度を第1のフーリエスペクトル密度格納部7aに格納する。
なお、本実施形態においては、200秒間の加速度データに対して所定時間を20秒として10ブロックに分割し、図11乃至図13に示すように、各ブロックのフーリエスペクトル密度を算出している。
そして、第1の平均フーリエスペクトル密度演算部8は、第1のフーリエスペクトル密度演算部7からの入力信号に基づき、第1のフーリエスペクトル密度格納部7aに格納された各軸方向の各フーリエスペクトル密度を抽出する。また、第1の平均フーリエスペクトル密度演算部8は、抽出した各軸方向の各フーリエスペクトル密度に基づき、周波数毎に各軸方向の各フーリエスペクトル密度のベクトル合成を演算し、フーリエスペクトル密度の合成値の平均を演算して、平均フーリエスペクトル密度の合成値を第1の平均フーリエスペクトル密度格納部8aに格納する。
なお、平均フーリエスペクトル密度は、例えば、図14に示すように、スペクトルの鋭いピークが200Hzより低い周波数で表れており、この鋭いピークは、鉄塔100の上部構造物が風を受けたことによる雑音である。また、鉄塔100の固有の常時微動特性が200Hz以上で顕著になる。このため、平均フーリエスペクトル密度は、風荷重の影響を排除するうえで、200Hz以上の周波数における各軸方向の全フーリエスペクトル密度の平均値であることが好ましい。
また、平均フーリエスペクトル密度は、例えば、図14に示すように、200Hzをピークにして周波数が高くなるにつれて値が減少し、500Hzでほぼ0[mgal*sec]になる。このため、平均フーリエスペクトル密度は、第1の平均フーリエスペクトル密度演算部8による処理を削減して鉄塔健全性評価装置10の負荷を軽減させるうえで、500Hz以下の周波数における各軸方向の全フーリエスペクトル密度の平均値であることが好ましい。
なお、本実施形態においては、200Hz以上かつ500Hzの周波数におけるフーリエスペクトル密度の合成値の平均を演算し、平均フーリエスペクトル密度の合成値(ここでは、20.6[mgal*sec])を取得した。
そして、第1の健全性評価部5は、第1の標準偏差演算部4からの入力信号に基づき、第1の標準偏差値格納部4aに格納された全軸方向の標準偏差値の平均値を抽出し、閾値格納部5aに格納された第1の閾値を抽出して、抽出した全軸方向の標準偏差値の平均値と第1の閾値とを比較する。
また、第1の健全性評価部5は、第1の平均フーリエスペクトル密度演算部8からの入力信号に基づき、第1の平均フーリエスペクトル密度格納部8aに格納された平均フーリエスペクトル密度の合成値を抽出し、閾値格納部5aに格納された第3の閾値を抽出して、抽出した平均フーリエスペクトル密度の合成値と第3の閾値とを比較する。
そして、第1の健全性評価部5は、全軸方向の標準偏差値の平均値が第1の閾値を越え、平均フーリエスペクトル密度の合成値が第3の閾値を越える場合に、鉄塔100が不健全であると評価すると共に、全軸方向の標準偏差値の平均値が第1の閾値を越えず、平均フーリエスペクトル密度の合成値が第3の閾値を越えない場合に、鉄塔100が健全であると評価する。
そして、出力部6は、第1の健全性評価部5からの評価結果に基づき、鉄塔100の健全性評価の評価結果を外部に出力して、評価者に報知する。
なお、この第2の実施形態に係る鉄塔健全性評価装置10においては、第1のフーリエスペクトル密度演算部7(第1のフーリエスペクトル密度格納部7a)及び第1の平均フーリエスペクトル密度演算部8(第1の平均フーリエスペクトル密度格納部8a)を更に備えているところのみが第1の実施形態と異なるところであり、第1のフーリエスペクトル密度演算部7(第1のフーリエスペクトル密度格納部7a)及び第1の平均フーリエスペクトル密度演算部8(第1の平均フーリエスペクトル密度格納部8a)による作用効果以外は、第1の実施形態と同様の作用効果を奏する。
本実施形態に係る鉄塔健全性評価装置10は、全軸方向の標準偏差値の平均値による鉄塔100の健全性評価に加えて、平均フーリエスペクトル密度の合成値による鉄塔100の健全性評価を行なうことにより、鉄塔健全性評価装置10による評価精度を向上し、鉄塔健全性評価装置10の信頼性の向上を図ることができるという作用効果を奏する。
なお、本実施形態に係る鉄塔健全性評価装置10においては、評価対象の鉄塔100の一又は複数の脚部101のうち少なくとも一の脚部101における健全性評価を行なう場合について説明したが、評価対象の鉄塔100の全脚部101に対して常時微動の加速度を測定し、鉄塔100全体として健全性評価を行なってもよい。
この場合に、第1の加速度センサ1は、鉄塔100の各脚部101に万力を用いて密着してそれぞれ固定され、鉄塔100の各脚部101におけるx軸方向とy軸方向とz軸方向との各軸方向の常時微動の加速度をそれぞれ検出することになる。
また、第1のフーリエスペクトル密度演算部7は、第1の加速度センサ1から出力される各脚部101の各軸方向の加速度データを所定時間毎にそれぞれ分割し、当該各脚部101の各軸方向の各加速度データをフーリエ変換してフーリエスペクトル密度をそれぞれ演算することになる。
また、第1の平均フーリエスペクトル密度演算部8は、第1のフーリエスペクトル密度演算部7により算出された各脚部101の各軸方向の各フーリエスペクトル密度に基づき、周波数毎に各脚部101の各軸方向の各フーリエスペクトル密度のベクトル合成を演算する。そして、第1の平均フーリエスペクトル密度演算部8は、200Hz以上かつ500Hz以下の周波数における各脚部101のフーリエスペクトル密度の合成値の平均を演算し、当該各脚部101の平均フーリエスペクトル密度の合成値における全脚部101の平均値を算出することになる。
また、第1の健全性評価部5は、第1の平均フーリエスペクトル密度演算部8により算出された全脚部101の平均フーリエスペクトル密度の合成値の平均値が予め設定された閾値(以下、第4の閾値と称す)を越える場合に、鉄塔100が不健全であると評価することになる。
なお、第4の閾値は、評価対象の鉄塔100に対して上部構造物及び基礎構造物が同一の構造であると共に上部構造物及び基礎構造物の腐食やボルトの緩み等の不具合がない又は少ない健全な鉄塔(例えば、設置当初の鉄塔100の対応する各脚部101)における常時微動の加速度データを予めそれぞれ測定し、加速度データのフーリエスペクトル密度、フーリエスペクトル密度の合成値、平均フーリエスペクトル密度の合成値及び全脚部101の平均フーリエスペクトル密度の合成値の平均値を予め算出することにより得られる全脚部101の平均フーリエスペクトル密度の合成値の平均値である。
ここで、実際に運用されていた4基の鉄塔100(No.30、No.31、No.33、No.34)の全脚部101(A脚101a、B脚101b、C脚101c、D脚101d)に対して、各軸方向の常時微動の加速度を測定し、各軸方向の加速度データのフーリエスペクトル密度、フーリエスペクトル密度の合成値、平均フーリエスペクトル密度の合成値及び全脚部101の平均フーリエスペクトル密度の合成値の平均値を算出した結果について説明する。
鉄塔100の全脚部101における平均フーリエスペクトル密度の合成値の平均値は、次表2に示すように、No.34、No.30、No.31、No.33の順に大きくなっており、鉄塔健全性評価装置10により、No.34及びNo.30の鉄塔100が健全であり、No.31及びNo.33の鉄塔100が不健全であるという評価結果が得られた。
Figure 2013234945
このため、鉄塔100の全脚部101における平均フーリエスペクトル密度の合成値の平均値の大小関係は、基礎構造物の撤去後の目視観察による基礎構造物の腐食度合いに一致している。
このことは、鉄塔100の全脚部101における平均フーリエスペクトル密度の合成値の平均値が大きいほど、鉄塔100の健全性が低い傾向にあると評価することができることを意味している。
このため、本実施形態に係る鉄塔健全性評価装置10は、鉄塔100の健全又は不健全を評価する指標として1つの閾値(第1の閾値、第2の閾値、第3の閾値、第4の閾値)を設定しているが、段階的な複数の閾値を閾値格納部5aに予め設定し、第1の健全性評価部5が各閾値との比較に基づいて鉄塔100の不健全(健全)の度合いを評価してもよい。
なお、本実施形態に係る鉄塔健全性評価装置10は、第1の健全性評価部5により標準偏差値の平均値及び平均フーリエスペクトル密度の合成値と閾値とを比較して鉄塔100の健全性を評価しているが、第1の標準偏差演算部4により算出した標準偏差値の平均値及び第1の平均フーリエスペクトル密度演算部8により算出した平均フーリエスペクトル密度の合成値を出力部6に出力し、第1の健全性評価部5の評価結果に代え又は第1の健全性評価部5の評価結果と共に出力部6により標準偏差値の平均値及び平均フーリエスペクトル密度の合成値を鉄塔100の健全性の評価として外部に出力して、評価者に報知(評価者が標準偏差値の平均値及び平均フーリエスペクトル密度の合成値に基づいて鉄塔100の健全性を評価)する構成であってもよい。
(本発明の第3の実施形態)
図15は第3の実施形態に係る鉄塔健全性評価装置の概略構成を示すブロック図である。図15において、図1〜図14と同じ符号は、同一又は相当部分を示し、その説明を省略する。
本実施形態に係る鉄塔健全性評価装置10は、第1の実施形態で前述した第1の加速度センサ1に加えて、第2の加速度センサ11を備え、第1の実施形態で前述した、第1の加速度データ格納部1a、入力部2、第1の加速度差分演算部3、第1の加速度差分値格納部3a、第1の標準偏差演算部4、第1の標準偏差値格納部4a、閾値格納部5a及び出力部6に加えて、第2の加速度データ格納部11aと、第2の加速度差分演算部13と、第2の加速度差分値格納部13aと、第2の標準偏差演算部14と、第2の標準偏差値格納部14aと、をパソコン10aに具備する。
また、本実施形態に係る鉄塔健全性評価装置10は、第1の実施形態で前述した第1の健全性評価部5に代えて、第2の健全性評価部15を備える。
第2の加速度センサ11は、パソコン10aに接続され、評価対象の鉄塔100近傍(例えば、評価対象の鉄塔100の全脚部101から等距離にある地点)の地盤に配設され、当該地盤に生じる常時微動の加速度を互いに直交する3軸方向でそれぞれ測定する。なお、本実施形態に係る第2の加速度センサ11は、不陸(地面の凹凸)の影響を排除するために、一部を地盤に埋設して固定され、第1の加速度センサ1で測定する3軸方向と同一の3軸方向(x軸方向、y軸方向、z軸方向)における、地盤に生じる常時微動の加速度をそれぞれ測定する。
また、第2の加速度データ格納部11aは、第2の加速度センサ11で測定された加速度データを格納する。
第2の加速度差分演算部13は、第2の加速度センサ11から出力される各軸方向の加速度データと当該加速度データの時間間隔をおいた各軸方向の加速度データとの差分をそれぞれ演算する。
また、第2の加速度差分値格納部13aは、第2の加速度差分演算部13により算出された加速度データの差分値を格納する。
第2の標準偏差演算部14は、第2の加速度差分演算部13により算出された各軸方向の差分値の標準偏差をそれぞれ演算し、算出した各軸方向の標準偏差値における全軸方向の平均を演算する。
また、第2の標準偏差値格納部14aは、第2の標準偏差演算部14により算出された標準偏差値及び標準偏差値の平均値を格納する。
標準偏差差分演算部9は、第1の標準偏差演算部4により算出された標準偏差値の平均値と、第2の標準偏差演算部14により算出された標準偏差値の平均値との差分を演算する。
また、標準偏差差分値格納部9aは、標準偏差差分演算部9により算出された標準偏差値の平均値の差分値を格納する。
第2の健全性評価部15は、標準偏差差分演算部9により算出された標準偏差値の平均値の差分値に基づいて、鉄塔100の健全・不健全を評価する。
出力部6は、第2の健全性評価部15により評価された評価結果を外部に出力する。
なお、本実施形態に係る第2の健全性評価部15は、標準偏差差分演算部9により算出された標準偏差値の平均値の差分値が予め設定された閾値(以下、第5の閾値と称す)を越える場合に、鉄塔100が不健全であると評価する。
また、第5の閾値は、評価対象の鉄塔100近傍の地盤における常時微動の加速度データを予め測定し、加速度データの差分値、差分値の標準偏差値及び標準偏差値の平均値を予め算出することにより得られる標準偏差値の平均値を、第1の閾値(一の脚部101に基づく鉄塔100の健全性評価の場合)又は第2の閾値(全脚部101に基づく鉄塔100の健全性評価の場合)から減算して得られる標準偏差値の平均値の差分値である。
つぎに、本実施形態に係る鉄塔健全性評価装置10の処理動作について説明する。
なお、本実施形態に係る第1の加速度センサ1、第1の加速度差分演算部3及び第1の標準偏差演算部4の処理動作については、第1の実施形態と同様であるので、説明を省略する。
また、本実施形態に係る第2の加速度センサ11、第2の加速度差分演算部13及び第2の標準偏差演算部14の処理動作については、測定対象が地盤である点を除き、第1の加速度センサ1、第1の加速度差分演算部3及び第1の標準偏差演算部4の処理動作と同様であるので、説明を省略する。
標準偏差差分演算部9は、第1の標準偏差演算部4からの入力信号に基づき、第1の標準偏差値格納部4aに格納された全軸方向の標準偏差値の平均値を抽出し、第2の標準偏差演算部14からの入力信号に基づき、第2の標準偏差値格納部14aに格納された全軸方向の標準偏差値の平均値を抽出する。
また、標準偏差差分演算部9は、第1の標準偏差値格納部4aから抽出した全軸方向の標準偏差値の平均値から、第2の標準偏差値格納部14aから抽出した全軸方向の標準偏差値の平均値を減算して、標準偏差値の平均値の差分値を算出し、標準偏差差分値格納部9aに標準偏差値の平均値の差分値を格納する。
そして、第2の健全性評価部15は、標準偏差差分演算部9からの入力信号に基づき、標準偏差差分値格納部9aに格納された標準偏差値の平均値の差分値を抽出し、閾値格納部5aに格納された第5の閾値を抽出して、抽出した標準偏差値の平均値の差分値と第5の閾値とを比較する。
また、第2の健全性評価部15は、標準偏差値の平均値の差分値が第5の閾値を越える場合に、鉄塔100が不健全であると評価すると共に、標準偏差値の平均値の差分値が第5の閾値を越えない場合に、鉄塔100が健全であると評価する。
そして、出力部6は、第2の健全性評価部15からの評価結果に基づき、鉄塔100の健全性評価の評価結果を外部に出力して、評価者に報知する。
なお、本実施形態に係る鉄塔健全性評価装置10は、第2の健全性評価部15により標準偏差値の平均値の差分値と閾値とを比較して鉄塔100の健全性を評価しているが、標準偏差差分演算部9により算出した標準偏差値の平均値の差分値を出力部6に出力し、第2の健全性評価部15の評価結果に代え又は第2の健全性評価部15の評価結果と共に出力部6により標準偏差値の平均値の差分値を鉄塔100の健全性の評価として外部に出力して、評価者に報知(評価者が標準偏差値の平均値の差分値に基づいて鉄塔100の健全性を評価)する構成であってもよい。
また、この第3の実施形態に係る鉄塔健全性評価装置10においては、標準偏差差分演算部9(標準偏差差分値格納部9a)、第2の加速度センサ11(第2の加速度データ格納部11a)、第2の加速度差分演算部13(第2の加速度差分値格納部13a)、第2の標準偏差演算部14(第2の標準偏差値格納部14a)及び第2の健全性評価部15を備えているところのみが第1の実施形態と異なるところであり、標準偏差差分演算部9(標準偏差差分値格納部9a)、第2の加速度センサ11(第2の加速度データ格納部11a)、第2の加速度差分演算部13(第2の加速度差分値格納部13a)、第2の標準偏差演算部14(第2の標準偏差値格納部14a)及び第2の健全性評価部15による作用効果以外は、第1の実施形態と同様の作用効果を奏する。
本実施形態に係る鉄塔健全性評価装置10は、鉄塔特有の振動と地盤特有の振動とに基づく標準偏差値の平均値から、地盤特有の振動に基づく標準偏差値の平均値を減算して、鉄塔特有の振動のみに基づく標準偏差値の平均値の差分値を算出し、この標準偏差値の平均値の差分値による鉄塔100の健全性評価を行なうことにより、評価対象の鉄塔100近傍の地盤種別に依存せず、鉄塔健全性評価装置10による評価精度を向上し、鉄塔健全性評価装置10の信頼性の向上を図ることができるという作用効果を奏する。
(本発明の第4の実施形態)
図16は第4の実施形態に係る鉄塔健全性評価装置の概略構成を示すブロック図である。図16において、図1〜図15と同じ符号は、同一又は相当部分を示し、その説明を省略する。
本実施形態に係る鉄塔健全性評価装置10は、第1の実施形態乃至第3の実施形態で前述した、第1の加速度センサ1、第1の加速度データ格納部1a、入力部2、第1の加速度差分演算部3、第1の加速度差分値格納部3a、第1の標準偏差演算部4、第1の標準偏差値格納部4a、閾値格納部5a、出力部6、第1のフーリエスペクトル密度演算部7、第1のフーリエスペクトル密度格納部7a、第1の平均フーリエスペクトル密度演算部8、第1の平均フーリエスペクトル密度格納部8a、標準偏差差分演算部9、標準偏差差分値格納部9a、第2の加速度センサ11、第2の加速度データ格納部11a、第2の加速度差分演算部13、第2の加速度差分値格納部13a、第2の標準偏差演算部14、第2の標準偏差値格納部14a及び第2の健全性評価部15に加えて、第2のフーリエスペクトル密度演算部17と、第2のフーリエスペクトル密度格納部17aと、第2の平均フーリエスペクトル密度演算部18と、第2の平均フーリエスペクトル密度格納部18aと、平均フーリエスペクトル密度差分演算部19と、平均フーリエスペクトル密度差分値格納部19aと、を備える。
第2のフーリエスペクトル密度演算部17は、第2の加速度センサ11から出力される各軸方向の加速度データをそれぞれ分割し、当該各軸方向の各加速度データをフーリエ変換してフーリエスペクトル密度をそれぞれ演算する。
また、第2のフーリエスペクトル密度格納部17aは、第2のフーリエスペクトル密度演算部17により算出されたフーリエスペクトル密度を格納する。
第2の平均フーリエスペクトル密度演算部18は、第2のフーリエスペクトル密度演算部17により算出された各軸方向の各フーリエスペクトル密度に基づき、周波数毎に各軸方向の各フーリエスペクトル密度のベクトル合成を演算し、フーリエスペクトル密度の合成値の平均を演算する。なお、平均フーリエスペクトル密度の合成値は、200Hz以上の周波数におけるフーリエスペクトル密度の合成値の平均であることが好ましく、200Hz以上かつ500Hz以下の周波数におけるフーリエスペクトル密度の合成値の平均であることがより好ましい。
また、第2の平均フーリエスペクトル密度格納部18aは、第2の平均フーリエスペクトル密度演算部18により算出された平均フーリエスペクトル密度の合成値を格納する。
平均フーリエスペクトル密度差分演算部19は、第1の平均フーリエスペクトル密度演算部8により算出された平均フーリエスペクトル密度の合成値と、第2の平均フーリエスペクトル密度演算部18により算出された平均フーリエスペクトル密度の合成値との差分を演算する。
また、平均フーリエスペクトル密度差分値格納部19aは、平均フーリエスペクトル密度差分演算部19により算出された平均フーリエスペクトル密度の合成値の差分値を格納する。
第2の健全性評価部15が、平均フーリエスペクトル密度差分演算部19により算出された平均フーリエスペクトル密度の合成値の差分値に基づいて、鉄塔100の健全・不健全を評価する。
なお、本実施形態に係る第2の健全性評価部15は、平均フーリエスペクトル密度差分演算部19により算出された平均フーリエスペクトル密度の合成値の差分値が予め設定された閾値(以下、第6の閾値と称す)を越える場合に、鉄塔100が不健全であると評価する。
また、第6の閾値は、評価対象の鉄塔100近傍の地盤における常時微動の加速度データを予め測定し、加速度データのフーリエスペクトル密度、フーリエスペクトル密度の合成値及び平均フーリエスペクトル密度の合成値を予め算出することにより得られる平均フーリエスペクトル密度の合成値を、第3の閾値(一の脚部101に基づく鉄塔100の健全性評価の場合)又は第4の閾値(全脚部101に基づく鉄塔100の健全性評価の場合)から減算して得られる平均フーリエスペクトル密度の合成値の差分値である。
つぎに、本実施形態に係る鉄塔健全性評価装置10の処理動作について説明する。
なお、本実施形態に係る第1の加速度センサ1、第1の加速度差分演算部3、第1の標準偏差演算部4、第1のフーリエスペクトル密度演算部7、第1の平均フーリエスペクトル密度演算部8、標準偏差差分演算部9、第2の加速度センサ11、第2の加速度差分演算部13及び第2の標準偏差演算部14の処理動作については、第2の実施形態又は第3の実施形態と同様であるので、説明を省略する。
また、本実施形態に係る第2のフーリエスペクトル密度演算部17、第2の平均フーリエスペクトル密度演算部18の処理動作については、第2の加速度センサ11の測定対象が地盤である点を除き、第1のフーリエスペクトル密度演算部7及び第1の平均フーリエスペクトル密度演算部8の処理動作と同様であるので、説明を省略する。
平均フーリエスペクトル密度差分演算部19は、第1の平均フーリエスペクトル密度演算部8からの入力信号に基づき、第1の平均フーリエスペクトル密度格納部8aに格納された平均フーリエスペクトル密度の合成値を抽出し、第2の平均フーリエスペクトル密度演算部18からの入力信号に基づき、第2の平均フーリエスペクトル密度格納部18aに格納された平均フーリエスペクトル密度の合成値を抽出する。
また、平均フーリエスペクトル密度差分演算部19は、第1の平均フーリエスペクトル密度格納部8aから抽出した平均フーリエスペクトル密度の合成値から、第2の平均フーリエスペクトル密度格納部18aから抽出した平均フーリエスペクトル密度の合成値を減算して、平均フーリエスペクトル密度の合成値の差分値を算出し、平均フーリエスペクトル密度差分値格納部19aに平均フーリエスペクトル密度の合成値の差分値を格納する。
そして、第2の健全性評価部15は、標準偏差差分演算部9からの入力信号に基づき、標準偏差差分値格納部9aに格納された標準偏差値の平均値の差分値を抽出し、閾値格納部5aに格納された第5の閾値を抽出して、抽出した標準偏差値の平均値の差分値と第5の閾値とを比較する。
また、第2の健全性評価部15は、平均フーリエスペクトル密度差分演算部19からの入力信号に基づき、平均フーリエスペクトル密度差分値格納部19aに格納された平均フーリエスペクトル密度の合成値の差分値を抽出し、閾値格納部5aに格納された第6の閾値を抽出して、抽出した平均フーリエスペクトル密度の合成値の差分値と第6の閾値とを比較する。
そして、第2の健全性評価部15は、標準偏差値の平均値の差分値が第5の閾値を越え、平均フーリエスペクトル密度の合成値の差分値が第6の閾値を越える場合に、鉄塔100が不健全であると評価すると共に、標準偏差値の平均値の差分値が第5の閾値を越えず、平均フーリエスペクトル密度の合成値の差分値が第6の閾値を越えない場合に、鉄塔100が健全であると評価する。
そして、出力部6は、第2の健全性評価部15からの評価結果に基づき、鉄塔100の健全性評価の評価結果を外部に出力して、評価者に報知する。
なお、本実施形態に係る鉄塔健全性評価装置10は、第2の健全性評価部15により標準偏差値の平均値の差分値及び平均フーリエスペクトル密度の合成値の差分値と閾値とを比較して鉄塔100の健全性を評価しているが、標準偏差差分演算部9により算出した標準偏差値の平均値の差分値及び平均フーリエスペクトル密度差分演算部19により算出した平均フーリエスペクトル密度の合成値の差分値を出力部6に出力し、第2の健全性評価部15の評価結果に代え又は第2の健全性評価部15の評価結果の評価結果と共に出力部6により標準偏差値の平均値の差分値及び平均フーリエスペクトル密度の合成値の差分値を鉄塔100の健全性の評価として外部に出力して、評価者に報知(評価者が標準偏差値の平均値の差分値及び平均フーリエスペクトル密度の合成値の差分値に基づいて鉄塔100の健全性を評価)する構成であってもよい。
また、この第3の実施形態に係る鉄塔健全性評価装置10においては、第2のフーリエスペクトル密度演算部17(第2のフーリエスペクトル密度格納部17a)、第2の平均フーリエスペクトル密度演算部18(第2の平均フーリエスペクトル密度格納部18a)、平均フーリエスペクトル密度差分演算部19(平均フーリエスペクトル密度差分値格納部19a)を備えているところのみが第1の実施形態乃至第3の実施形態と異なるところであり、第2のフーリエスペクトル密度演算部17(第2のフーリエスペクトル密度格納部17a)、第2の平均フーリエスペクトル密度演算部18(第2の平均フーリエスペクトル密度格納部18a)、平均フーリエスペクトル密度差分演算部19(平均フーリエスペクトル密度差分値格納部19a)による作用効果以外は、第1の実施形態乃至第3の実施形態と同様の作用効果を奏する。
本実施形態に係る鉄塔健全性評価装置10は、標準偏差値の平均値の差分値による鉄塔100の健全性評価に加えて、鉄塔特有の振動と地盤特有の振動とに基づく平均フーリエスペクトル密度の合成値から、地盤特有の振動に基づく平均フーリエスペクトル密度の合成値を減算して、鉄塔特有の振動のみに基づく平均フーリエスペクトル密度の合成値の差分値を算出し、この平均フーリエスペクトル密度の合成値の差分値による鉄塔100の健全性評価を行なうことにより、評価対象の鉄塔100近傍の地盤種別に依存せず、鉄塔健全性評価装置10による評価精度を向上し、鉄塔健全性評価装置10の信頼性の向上を図ることができるという作用効果を奏する。
1 第1の加速度センサ
1a 第1の加速度データ格納部
2 入力部
3 第1の加速度差分演算部
3a 第1の加速度差分値格納部
4 第1の標準偏差演算部
4a 第1の標準偏差値格納部
5 第1の健全性評価部
5a 閾値格納部
6 出力部
7 第1のフーリエスペクトル密度演算部
7a 第1のフーリエスペクトル密度格納部
8 第1の平均フーリエスペクトル密度演算部
8a 第1の平均フーリエスペクトル密度格納部
9 標準偏差差分演算部
9a 標準偏差差分値格納部
10 鉄塔健全性評価装置
11 第2の加速度センサ
1a 第2の加速度データ格納部
13 第2の加速度差分演算部
13a 第2の加速度差分値格納部
14 第2の標準偏差演算部
14a 第2の標準偏差値格納部
15 第2の健全性評価部
17 第2のフーリエスペクトル密度演算部
17a 第2のフーリエスペクトル密度格納部
18 第2の平均フーリエスペクトル密度演算部
18a 第2の平均フーリエスペクトル密度格納部
19 平均フーリエスペクトル密度差分演算部
19a 平均フーリエスペクトル密度差分値格納部
10a パソコン
100 鉄塔
101 脚部
101a A脚
101b B脚
101c C脚
101d D脚
102 送電線

Claims (9)

  1. 鉄塔の脚部に配設され、当該鉄塔に生じる常時微動の加速度を互いに直交する3軸方向でそれぞれ測定する第1の加速度センサと、
    前記第1の加速度センサから出力される各軸方向の加速度データと当該加速度データの時間間隔をおいた各軸方向の加速度データとの差分をそれぞれ演算する第1の加速度差分演算部と、
    前記第1の加速度差分演算部により算出された各軸方向の差分値の標準偏差をそれぞれ演算し、算出した各軸方向の標準偏差値における全軸方向の平均を演算する第1の標準偏差演算部と、
    前記第1の標準偏差演算部により算出された標準偏差値の平均値を前記鉄塔の健全性の評価として出力する出力部と、
    を備えることを特徴とする鉄塔健全性評価装置。
  2. 前記請求項1に記載の鉄塔健全性評価装置において、
    前記第1の加速度センサが、前記鉄塔の各脚部にそれぞれ配設され、前記鉄塔の各脚部における前記各軸方向の加速度をそれぞれ測定し、
    前記第1の加速度差分演算部が、前記各脚部における前記各軸方向の差分値をそれぞれ算出し、
    前記第1の標準偏差演算部が、前記各脚部における前記各軸方向の標準偏差値をそれぞれ算出し、当該各脚部の各軸方向の標準偏差値における全脚部の全軸方向の平均値を算出することを特徴とする鉄塔健全性評価装置。
  3. 前記請求項1又は2に記載の鉄塔健全性評価装置において、
    前記第1の標準偏差演算部により算出された標準偏差値の平均値に基づいて、前記鉄塔の健全・不健全を評価する第1の健全性評価部を備え、
    前記出力部が、前記第1の健全性評価部の評価結果を、前記第1の標準偏差演算部により算出された標準偏差値の平均値に代え又は当該標準偏差値の平均値と共に出力することを特徴とする鉄塔健全性評価装置。
  4. 前記請求項1又は2に記載の鉄塔健全性評価装置において、
    前記鉄塔近傍の地盤に配設され、当該地盤に生じる常時微動の加速度を互いに直交する3軸方向でそれぞれ測定する第2の加速度センサと、
    前記第2の加速度センサから出力される各軸方向の加速度データと当該加速度データの時間間隔をおいた各軸方向の加速度データとの差分をそれぞれ演算する第2の加速度差分演算部と、
    前記第2の加速度差分演算部により算出された各軸方向の差分値の標準偏差をそれぞれ演算し、算出した各軸方向の標準偏差値における全軸方向の平均を演算する第2の標準偏差演算部と、
    前記第1の標準偏差演算部により算出された標準偏差値の平均値と、前記第2の標準偏差演算部により算出された標準偏差値の平均値との差分を演算する標準偏差差分演算部と、
    を備え、
    前記出力部が、前記標準偏差差分演算部により算出された標準偏差値の平均値の差分値を、前記第1の標準偏差演算部により算出された標準偏差値の平均値に代えて出力することを特徴とする鉄塔健全性評価装置。
  5. 前記請求項1乃至4のいずれかに記載の鉄塔健全性評価装置において、
    前記第1の加速度センサから出力される各軸方向の加速度データをそれぞれ分割し、当該各軸方向の各加速度データをフーリエ変換してフーリエスペクトル密度をそれぞれ演算する第1のフーリエスペクトル密度演算部と、
    前記第1のフーリエスペクトル密度演算部により算出された各軸方向の各フーリエスペクトル密度に基づき、周波数毎に各軸方向の各フーリエスペクトル密度のベクトル合成を演算し、200Hz以上の周波数におけるフーリエスペクトル密度の合成値の平均を演算する第1の平均フーリエスペクトル密度演算部と、
    を備え、
    前記出力部が、前記第1の平均フーリエスペクトル密度演算部により算出された平均フーリエスペクトル密度の合成値を前記鉄塔の健全性の評価として出力することを特徴とする鉄塔健全性評価装置。
  6. 前記請求項5に記載の鉄塔健全性評価装置において、
    前記第1の平均フーリエスペクトル密度演算部が、500Hz以下の周波数におけるフーリエスペクトル密度の合成値の平均を演算することを特徴とする鉄塔健全性評価装置。
  7. 前記請求項5又は6に記載の鉄塔健全性評価装置において、
    前記第1の健全性評価部が、前記第1の平均フーリエスペクトル密度演算部により算出された平均フーリエスペクトル密度の合成値に基づいて、前記鉄塔の健全・不健全を評価し、
    前記出力部が、前記第1の健全性評価部の評価結果を、前記第1の平均フーリエスペクトル密度演算部により算出された平均フーリエスペクトル密度の合成値に代え又は当該平均フーリエスペクトル密度の合成値と共に出力することを特徴とする鉄塔健全性評価装置。
  8. 前記請求項5又は6に記載の鉄塔健全性評価装置において、
    前記第2の加速度センサから出力される各軸方向の加速度データをそれぞれ分割し、当該各軸方向の各加速度データをフーリエ変換してフーリエスペクトル密度をそれぞれ演算する第2のフーリエスペクトル密度演算部と、
    前記第2のフーリエスペクトル密度演算部により算出された各軸方向の各フーリエスペクトル密度に基づき、周波数毎に各軸方向の各フーリエスペクトル密度のベクトル合成を演算し、200Hz以上の周波数におけるフーリエスペクトル密度の合成値の平均を演算する第2の平均フーリエスペクトル密度演算部と、
    前記第1の平均フーリエスペクトル密度演算部により算出された平均フーリエスペクトル密度の合成値と、前記第2の平均フーリエスペクトル密度演算部により算出された平均フーリエスペクトル密度の合成値との差分を演算する平均フーリエスペクトル密度差分演算部と、
    を備え、
    前記出力部が、前記平均フーリエスペクトル密度差分演算部により算出された平均フーリエスペクトル密度の合成値の差分値を、前記第1の平均フーリエスペクトル密度演算部により算出された平均フーリエスペクトル密度の合成値に代えて出力することを特徴とする鉄塔健全性評価装置。
  9. 鉄塔に生じる常時微動の加速度を第1の加速度センサで互いに直交する3軸方向でそれぞれ測定する加速度測定ステップと、
    前記加速度測定ステップにより測定された各軸方向の加速度データと当該加速度データの時間間隔をおいた各軸方向の加速度データとの差分をそれぞれ演算する差分演算ステップと、
    前記差分演算ステップにより算出された各軸方向の差分値の標準偏差をそれぞれ演算し、算出した各軸方向の標準偏差値における全軸方向の平均を演算する標準偏差演算ステップと、
    前記標準偏差演算ステップにより算出された標準偏差値の平均値を前記鉄塔の健全性の評価として出力する出力ステップと、
    を含むことを特徴とする鉄塔健全性評価方法。
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