JP2014119406A - 柱状構造物の異常検知システムおよび異常検知方法 - Google Patents

柱状構造物の異常検知システムおよび異常検知方法 Download PDF

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Abstract

【課題】設計荷重が大きく架渉物が多数架渉されている揺れにくく、柱長や設計荷重が異なる、地際の検知が困難な柱状構造物の損傷を検知する柱状構造物の異常検知システムおよび異常検知方法を提供する。
【解決手段】異常管理システムは、柱状構造物を円周方向に多方向から打撃して得られた打撃角度毎の加速度波形をフーリエ変換し、得られたフーリエスペクトルを対数表示に変換し抽出した谷の振動数から複数の固有振動モードに対応する解析帯域と一定時間シフトさせた2つの解析時間範囲を抽出し、抽出した解析帯域内でウェーブレット変換し得られたスカログラムを2つの解析時間範囲内毎に時間積分して得られた2つの波形の差分をとった波形から固有振動モード毎に卓越振動数を抽出し、抽出した各打撃角度別の各固有振動モードの卓越振動数が所定値以上の差異を有する場合に異常と判定する。
【選択図】図15

Description

本発明は、振動を用いた構造物診断法に関するものである。さらに詳しくは、本発明は設計荷重が大きく架渉物が多数架渉されている揺れにくく、柱長や設計荷重が異なる、地際の検知が困難な柱状構造物の損傷を、リサージュ解析と、フーリエ変換とウェーブレット変換を用いた振動数解析によって検知する方法に関するものである。
柱状構造物、例えばコンクリート柱は、送電、通信等の社会基盤を支える構造物として、膨大な数が布設されている。これらコンクリート柱の異常検知を目的とした簡易点検については、主に目視による確認が行われている。また、従来のコンクリート柱の損傷検知方法として、渦流探傷法を用いた方法等、コンクリート柱における、補強鋼材の破断等の劣化機構に依存する精度の高い損傷検知方法の応用も進んでいる。
しかし、前者の目視点検においては、損傷の有無について定量的判断が困難であり、長期供用中に損傷の見落としにより、劣化が進行する場合も存在する。また、渦流探傷法を用いた方法では、センサの取り付け位置をコンクリート柱全体に渡って一定間隔毎にずらして計測する必要があり、例えば、コンクリート柱の先端部では高所の作業が必要となり、作業性の面で問題がある。更に、渦流探傷法を用いた方法は、コンクリート柱全体に及ぶ確認についての高度な専門知識、装置が必要であり、時間的、経済的制約が強く、膨大なコンクリート柱を短時間で簡易に点検する方法として応用することが困難である。ゆえに近年では、地際を打撃した際に発生する弾性波振動モードを利用してコンクリート柱の損傷を検知するというアプローチが有力視されている(非特許文献1、特許文献1参照)。
また、非特許文献1や特許文献1の一方向打撃による固有振動数の変化を利用した損傷を診断する方法の場合には、柱状構造物の製造過程における厚みや弾性係数の差異、また、建柱時に生じる根入れ長の差異により、弾性波振動モードにばらつきが生じ、劣化状態の弾性波振動モードと比較するための健全状態の弾性波振動モードを定量的に求めることは困難である。ゆえに、円周方向打撃による打撃方向別の固有振動数の変化を利用することで、製造過程における厚みや弾性係数のばらつきや建柱時に生じる根入れ長のばらつきに依存することなく損傷の有無、損傷程度および損傷方向を検知する(特許文献2参照)といった応用が進められている。
特開2010−071748号公報 特開2011−021974号公報 特開2011−257261号公報 特開2012−004775号公報
成松勇樹、菊地真人、矢部明人、牛島雅史,「固有振動を用いたコンクリート柱劣化に関する基礎的検討」,土木学会第65回年次学術講演会,2010.9
さて、弾性波振動モードを利用して柱長構造物の損傷を診断するアルゴリズムは、既にいくつか提案されているが、これら既存のアルゴリズムは、次の理由から実用化課題を抱えている。
以下、柱状構造物(コンクリート柱)を例に挙げて従来の技術と課題を説明する。図1は、損傷検知測定で用いるコンクリート柱供試体(柱状構造物モデル)の概要図と、主鉄配筋図と、A−A’線に沿う断面図と、B−B’線に沿う断面図を示している。コンクリート柱42は、緊張鉄筋および非緊張鉄筋を有する。コンクリート柱41を元口から2.2m(2200mm)付近まで埋設し、コンクリート柱41への鉄球や加振ハンマーによる打撃位置は、元口から3.9m(3900mm)とした。図1は、13m柱の例であるが、10m、11m、12m、14m、15m、16m、17mも例に挙げて説明する。
まず、1点目として、現場では、柱長や設計荷重が異なる多種多様な柱状構造物が存在していることが問題となる。非特許文献1のフーリエ変換により柱長の異なる柱状構造物のフーリエスペクトルをプロットした図2を例に説明する。図2は、柱長を10mから1m刻みで17mまで、地盤支持をASと表記したアスファルトと土で設定した図1の柱状構造物モデルにおいて、フーリエスペクトルを構造計算にて計算した結果である。横軸が振動数、縦軸がフーリエスペクトル強度を示している。図2より、固有振動モードが発現している帯域が柱長により異なっていることがわかる。ここで、固有振動の卓越振動数差異を用いた劣化診断においては、非特許文献1および特許文献1のフーリエ変換、特許文献3のウェーブレット変換に関わらず、ある特定の振動数帯域を指定し、その帯域の卓越振動数を抽出する必要がある。しかしながら、図2のような状況においては、一意に抽出振動数帯域を設定することができないため、振動数解析が困難となり、柱種ごとに適切な解析範囲を設定する方法が必要となる。
ここで、柱種ごとに適切な解析範囲を設定する手法の1つとして、フーリエスペクトルから自動で解析帯域を抽出する方法が考えられるが、図3に示す問題点を抱えている。図3(a)は、健全でかつ架渉物が無い場合におけるフーリエスペクトルであり、横軸は振動数、縦軸はフーリエスペクトル強度を示している。図3(a)の場合、1と2の谷の間で解析帯域を設定することで、3の柱状構造物の固有振動を示す山を抽出することができる。図3(b)は、健全でかつ架渉物が有る場合におけるフーリエスペクトルであり、横軸は振動数、縦軸はフーリエスペクトル強度を示している。図3(b)においても、図3(a)と同様に1と2の谷の間に所望する固有振動が存在しているが、架渉物の影響により4の山が新規で発生したことに伴い、5の谷も2と同じ程度の深さで発生している。この場合、柱状構造物と架渉物の振動数を判別することが困難となり、例えば5と2の間といった柱状構造物の固有振動が存在していない帯域を抽出してしまうことが考えられる。
次に、2点目として、現場には、設計荷重が大きく、かつ、ケーブル等の架渉物が多く添架されている揺れにくい柱状構造物が多数存在していることが問題となる。揺れにくい構造物に対しては、より大きい打撃力で加振すれば良いが、例えばハンマー等で作業者が打撃する場合、打撃力を強くするには限界がある。仮に機械等でより大きい打撃力を与えるにしても、安全面からは柱状構造物の表面や内部を破壊してしまう危険性が高くなり、作業面からも作業帯の確保や設置コストの観点から、現場においては、揺れにくい柱状構造物に対してある一定以上の打撃力を加えることは困難である。
よって、小さい揺れを解析する必要性があるが、ここで、揺れが小さいときの、非特許文献1と特許文献1のフーリエ変換を用いた固有振動解析法における問題点を図4に示す。図4は、実供用柱を打撃した際の加速度をフーリエ変換して得られたフーリエスペクトルであり、横軸は振動数、縦軸はフーリエスペクトル強度を示している。固有振動の卓越振動数を求めるためにはフーリエスペクトルの山を抽出する方法が一般的であるが、この図4の中で、B次となっている固有振動帯域では減衰が大きく(高次になるほど減衰が大きい)、A次で発現しているような山が発現していないため、フーリエスペクトルの山から卓越振動数を抽出することは困難である。このような、山が発現しない現象が、現場においてはしばしばある。ゆえに、フーリエスペクトルの山を使用する方法以外の特徴を用いて卓越振動数を抽出する必要がある。
また、特許文献3のウェーブレット変換を用いた卓越振動数を抽出する手法の問題点を図5〜8に示す。図5は、柱状構造物を打撃した際の加速度波形であり、横軸は時間、縦軸は加速度を示している。図6は、図5の波線枠で囲った加速度波形をウェーブレット変換して得られたスカログラムを示している。横軸は時間であり、縦軸は振動数であり、高さ方向軸は振動の尤もらしさを示す尤度である。図7は、図6のスカログラムを時間毎に振動数―尤度グラフをプロットしたものであり、横軸は振動数、縦軸は尤度を示している。図8は、図7の時間毎に最大尤度を持つ振動数を抽出しプロットしたもので、卓越振動数の時間変化を示している。横軸は時間であり、縦軸は振動数である。しかしながら、図8では、卓越振動数のばらつきが大きく、卓越振動数の抽出が困難であり、このような場合において卓越振動数を優位に抽出する手法が必要となる。
最後に、3点目として、振動数解析において地際付近では損傷による卓越振動数差異が地際以外と比較して小さくなることが問題となる。図10は、図1の13m柱モデルにおいて非特許文献1と特許文献1のフーリエ変換により3次から5次までの固有振動モードの円周方向振動数差異と損傷高さの関係をプロットしたグラフである。図9に示すように、柱状構造物断面の損傷方向に対して直角方向に打撃した際の固有振動数をf、損傷方向に打撃した際の固有振動数をfと定義する。図10は、損傷高さと3次、4次、5次の振動モードにおける円周方向振動数差異|f−f|をプロットした結果である。横軸が円周方向振動数差異、縦軸が損傷高さを示している。図10より固有振動モードごとに損傷高さに対する円周方向振動数差異の大きさが異なっていることがわかる。ここで、健全時の振動数差異は理論的には0であるが、実供用環境においては製造誤差や設置環境により振動数のばらつきがあることから、損傷検知の閾値は、0よりも大きくなければならない。よって、振動数差異が小さくなっている高さにおいては何らかの対策が必要となり、図10においては、損傷による振動数差異が1Hz以下の高さを、対策が必要となる不感帯と定義する。まず、地際以外において振動数差異が小さくなっている高さがあるが、こちらは3次以上の複数の固有振動モードを組み合わせて使用することにより補完することができる。それに対し、地際については3次から5次までの固有振動モードのいずれにおいても振動数差異が小さくなっており、固有振動モードの組み合わせにより補完することは困難である。ここで、図11は、図10における地際の振動数差異を拡大表示したものであるが、地際の傾向として低次になるほど振動数差異が大きくなることがわかる。よって、より低次の2次モード以下を使用すると問題を解決できる可能性がある。
しかしながら、低次の振動モードを使用する際には、図13に示す問題点がある。図13は、柱状構造物の固有振動解析における架渉物の影響を示したものである。図12に示すような金物やケーブル等の架渉物が柱状構造物に架渉されている場合を架渉有りとして、架渉無しと有りの場合でフーリエ変換をした結果、得られたフーリエスペクトルが図13となる。図13の横軸は振動数、縦軸はフーリエスペクトル強度を示している。図13によると、低次になるにつれ、架渉物の有無による固有振動数の差異が大きくなっており、振動数差異が損傷によるものか、架渉物によるものか判別することが困難となる。よって、特に図10、11で示した低次の振動モードを使用する場合においては、架渉物の影響を考慮した解析手法が必要となる。
したがって、上述した3点の課題を解決しない限り、弾性波振動モードを利用した柱状構造物の損傷を診断する手法は、現場運用に供することができない。
以上のような理由から、弾性波振動モードを利用した柱状構造物の損傷を診断するアルゴリズムが望まれている反面、これまでの技術では実現困難である。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、設計荷重が大きく架渉物が多数架渉されている揺れにくく、柱長や設計荷重が異なる、地際の検知が困難な柱状構造物の損傷を検知する柱状構造物の異常検知システムおよび異常検知方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明は、柱状構造物の損傷に起因する異常を検知する異常検知システムであって、前記柱状構造物を円周方向に多方向から打撃して得られた打撃角度毎の加速度波形をフーリエ変換し、得られたフーリエスペクトルを対数表示に変換し抽出した谷の振動数から複数の固有振動モードに対応する解析帯域と一定時間シフトさせた2つの解析時間範囲を抽出する手段と、抽出した解析帯域内でウェーブレット変換し得られたスカログラムを前記2つの解析時間範囲内毎に時間積分して得られた2つの波形の差分をとった波形から固有振動モード毎に卓越振動数を抽出する手段と、抽出した各打撃角度別の各固有振動モードの卓越振動数が所定値以上の差異を有する場合に異常と判定する手段とを備えることを特徴とする。
また、本発明は、柱状構造物の損傷に起因する異常を検知する異常検知システムであって、前記柱状構造物を円周方向に多方向から打撃して得られた打撃方向の加速度と打撃直角方向の加速度を基に、打撃角度毎にリサージュを描き、得られた前記打撃方向と前記打撃直角方向の最大加速度の比が所定値より大きい場合に架渉物の影響があると判定し、所定値以下である場合に影響がないと判定する手段と、前記架渉物の影響がないと判定した場合に、加速度波形をフーリエ変換し得られたフーリエスペクトルを対数表示に変換し抽出した谷の振動数から複数の固有振動モードに対応する解析帯域と解析時間範囲を抽出し、抽出した解析帯域内でウェーブレット変換し得られたスカログラムを前記解析時間範囲内で時間積分して得られた波形より固有振動モード毎に卓越振動数を抽出する手段と、前記架渉物の影響があると判定した場合に、加速度波形をフーリエ変換し得られたフーリエスペクトルを対数表示に変換し抽出した谷の振動数から複数の固有振動モードに対応する解析帯域と一定時間シフトさせた2つの解析時間範囲を抽出し、抽出した解析帯域内でウェーブレット変換し得られたスカログラムを前記2つの解析時間範囲内毎に時間積分して得られた2つの波形の差分をとった波形から固有振動モード毎に卓越振動数を抽出する手段と、抽出した各打撃角度別の各固有振動モードの卓越振動数が所定値以上の差異を有する場合に異常と判定する手段とを備えることを特徴とする。
また、本発明は、柱状構造物の損傷に起因する異常を検知する異常検知システムであって、前記柱状構造物を円周方向に多方向から打撃して得られた打撃方向の加速度と打撃直角方向の加速度を基に、打撃角度毎にリサージュを描き、得られた前記打撃方向と前記打撃直角方向の最大加速度の比が所定値より大きい場合に架渉物の影響があると判定し、所定値以下である場合に影響がないと判定する架渉物影響判定部と、前記架渉物影響判定部にて架渉物の影響がないと判定された場合に、加速度波形をフーリエ変換し得られたフーリエスペクトルを対数表示に変換し抽出した谷の振動数から複数の固有振動モードに対応する解析帯域と解析時間範囲を抽出する振動解析パラメータ抽出部と、前記架渉物影響判定部にて架渉物の影響があると判定された場合に、加速度波形をフーリエ変換し得られたフーリエスペクトルを対数表示に変換し抽出した谷の振動数から複数の固有振動モードに対応する解析帯域と一定時間シフトさせた2つの解析時間範囲を抽出する差分振動解析パラメータ抽出部と、前記振動解析パラメータ抽出部にて抽出した解析帯域内でウェーブレット変換し得られたスカログラムを前記解析時間範囲内で時間積分して得られた波形より固有振動モード毎に卓越振動数を抽出する振動数解析部と、前記差分振動解析パラメータ抽出部にて抽出した解析帯域内でウェーブレット変換し得られたスカログラムを前記2つの解析時間範囲内毎に時間積分して得られた2つの波形の差分をとった波形から固有振動モード毎に卓越振動数を抽出する差分振動数解析部と、前記振動数解析部もしくは前記差分振動数解析部で得られた各打撃角度別の各固有振動モードの卓越振動数が所定値以上の差異を有する場合に異常と判定する振動数判定部とを備えることを特徴とする。
また、本発明は、柱状構造物の損傷に起因する異常を検知する異常検知システムにおける異常検知方法であって、前記異常管理システムは、前記柱状構造物を円周方向に多方向から打撃して得られた打撃角度毎の加速度波形をフーリエ変換し、得られたフーリエスペクトルを対数表示に変換し抽出した谷の振動数から複数の固有振動モードに対応する解析帯域と一定時間シフトさせた2つの解析時間範囲を抽出するステップと、抽出した解析帯域内でウェーブレット変換し得られたスカログラムを前記2つの解析時間範囲内毎に時間積分して得られた2つの波形の差分をとった波形から固有振動モード毎に卓越振動数を抽出するステップと、抽出した各打撃角度別の各固有振動モードの卓越振動数が所定値以上の差異を有する場合に異常と判定するステップとを実行することを特徴とする。
また、本発明は、柱状構造物の損傷に起因する異常を検知する異常検知システムにおける異常検知方法であって、前記異常管理システムは、前記柱状構造物を円周方向に多方向から打撃して得られた打撃方向の加速度と打撃直角方向の加速度を基に、打撃角度毎にリサージュを描き、得られた前記打撃方向と前記打撃直角方向の最大加速度の比が所定値より大きい場合に架渉物の影響があると判定し、所定値以下である場合に影響がないと判定するステップと、前記架渉物の影響がないと判定した場合に、加速度波形をフーリエ変換し得られたフーリエスペクトルを対数表示に変換し抽出した谷の振動数から複数の固有振動モードに対応する解析帯域と解析時間範囲を抽出し、抽出した解析帯域内でウェーブレット変換し得られたスカログラムを前記解析時間範囲内で時間積分して得られた波形より固有振動モード毎に卓越振動数を抽出するステップと、前記架渉物の影響があると判定した場合に、加速度波形をフーリエ変換し得られたフーリエスペクトルを対数表示に変換し抽出した谷の振動数から複数の固有振動モードに対応する解析帯域と一定時間シフトさせた2つの解析時間範囲を抽出し、抽出した解析帯域内でウェーブレット変換し得られたスカログラムを前記2つの解析時間範囲内毎に時間積分して得られた2つの波形の差分をとった波形から固有振動モード毎に卓越振動数を抽出するステップと、抽出した各打撃角度別の各固有振動モードの卓越振動数が所定値以上の差異を有する場合に異常と判定するステップとを実行することを特徴とする。
本発明によれば、設計荷重が大きく架渉物が多数架渉されている揺れにくく、柱長や設計荷重が異なる、地際の検知が困難な柱状構造物の損傷を検知することが可能となる。
損傷検知測定で用いるコンクリート柱供試体を説明する図である。 柱長の異なる柱状構造物のフーリエ解析結果を示す図である。 フーリエスペクトルから解析帯域を抽出する際の問題点を説明する図である。 柱状構造物のフーリエ解析における問題点を説明する図である。 柱状構造物を打撃した際の加速度波形を示す図である。 加速度波形をウェーブレット変換して得られたスカログラムを示す図である。 時間毎に振動数―尤度グラフをプロットした図である。 時間毎に最大尤度を持つ振動数を抽出しプロットした図である。 損傷方向に対して直角方向に打撃した際の固有振動数と、損傷方向に打撃した際の固有振動数とを定義する図である。 3次から5次までの固有振動モードの円周方向振動数差異と損傷高さの関係をプロットした図である。 地際の振動数差異を拡大表示した図である。 架渉物の例を示す図である。 柱状構造物の固有振動解析における架渉物の影響を示す図である。 本発明の実施の形態に係る異常検知システムを構成するアルゴリズムの機能ブロックを示す図である。 解析条件抽出部と振動解析判定部を構成するアルゴリズムの機能ブロックを示す図である。 架渉物影響判定部における処理の概要を示す図である。 振動解析パラメータ抽出部における処理の詳細を示す図である。 柱種識別テーブルの例を示す図である。 振動解析パラメータ抽出部における処理のフローチャートである。 差分振動解析パラメータ抽出部における処理の詳細を示す図である。 加速度波形をウェーブレット変換して得られたスカログラムを示す図である。 スカログラムを時間積分して得られたスカログラムを示す図である。 柱状構造物を打撃した際の加速度波形を示す図である。 A次の固有振動帯域においてウェーブレット変換を行い、スカログラム積分から時間毎の振動数−尤度グラフをプロットした図である。 B次の固有振動帯域においてウェーブレット変換を行い、スカログラム積分から各時間の振動数−尤度グラフをプロットした図である。 振動数解析部における処理のフローチャートである。 差分振動数解析部における処理の概要を示す図である。 架渉物無しのときの差分振動数解析部における処理例を示す図である。 架渉物有りのときの差分振動数解析部における処理例を示す図である。 差分振動数解析部における処理のフローチャートである。 振動数判定部における処理の概要を示す図である。
本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図14は、柱状構造物の損傷を検知する、本発明の実施の形態に係る異常検知システムを構成するアルゴリズムの機能ブロックを示す図である。図14に示す柱状構造物の異常検知システム1は、例えば、パーソナルコンピュータ等で構成され、解析条件抽出部10と、振動解析判定部20と、表示部30とから成る。
異常検知システム1は、図1に示す柱状構造物(コンクリート柱)に配置された受信センサ42に有線または無線で接続され、受信センサ42から振動信号(振動波形)を受信する。受信センサ42は、打撃位置と略180度反対方向の位置に配置され、打撃による振動を検知して振動信号(振動波形)を出力する。受信センサ42としては、例えば、加速度計(加速度センサ)が用いられる。
図15は、解析条件抽出部10と振動解析判定部20を構成するアルゴリズムの機能ブロックを示す図である。解析条件抽出部10は、異常検知の対象となる設計荷重が大きく架渉物が多数架渉されている揺れにくく、柱長や設計荷重が異なる、地際の検知が困難な柱状構造物の異常判定をするための解析に用いる解析条件を抽出するものであり、架渉物影響判定部11と、振動解析パラメータ抽出部12と、差分振動解析パラメータ抽出部13から成る。振動解析判定部20は、解析条件抽出部10において抽出されたパラメータを用いて振動数解析を行い、異常を判定するものであり、振動数解析部21と、差分振動数解析部22と、振動数判定部23から成る。表示部30は、異常検知結果を表示する。
架渉物影響判定部11は、柱状構造物を円周方向に多方向から打撃して得られた打撃方向の加速度と打撃直角方向の加速度を基に、打撃角度毎にリサージュを描き、得られた前記打撃方向と前記打撃直角方向の最大加速度の比が所定値より大きい場合に架渉物の影響があると判定し、所定値以下である場合に影響がないと判定する。振動解析パラメータ抽出部12は、架渉物影響判定部11にて架渉物の影響がないと判定された場合に、加速度波形をフーリエ変換し得られたフーリエスペクトルを対数表示に変換し抽出した谷の振動数から複数の固有振動モードに対応する解析帯域と解析時間範囲を抽出する。差分振動解析パラメータ抽出部13は、架渉物影響判定部11にて架渉物の影響があると判定された場合に、加速度波形をフーリエ変換し得られたフーリエスペクトルを対数表示に変換し抽出した谷の振動数から複数の固有振動モードに対応する解析帯域と一定時間シフトさせた2つの解析時間範囲を抽出する。
振動数解析部21は、振動解析パラメータ抽出部12にて抽出した解析帯域内でウェーブレット変換し得られたスカログラムを解析時間範囲内で時間積分して得られた波形より固有振動モード毎に卓越振動数を抽出する。差分振動数解析部22は、差分振動解析パラメータ抽出部13にて抽出した解析帯域内でウェーブレット変換し得られたスカログラムを2つの解析時間範囲内毎に時間積分して得られた2つの波形の差分をとった波形から振固有動モード毎に卓越振動数を抽出する。振動数判定部23は、振動数解析部21もしくは差分振動数解析部22で得られた各打撃角度別の各固有振動モードの卓越振動数が所定値以上の差異を有する場合に異常と判定する。
図16は、架渉物影響判定部11における処理の概要を示している。架渉物影響判定部11では、特許文献4のリサージュ解析を使用する。まず、柱状構造物を特許文献1のように円周方向に打撃し、得られた各打撃角度の加速度波形ごとに打撃方向の最大加速度imp_maxrと、打撃直角方向の最大加速度imp_maxiを抽出し、数1の式を用いてlissajous_ratio(リサージュ比)を算出する。
次に、lissajous_ratioが、lissajous_thresh(閾値)より大きい場合においては架渉物の影響有りと判定し、それ以外であれば架渉物の影響無しと判定する。
図17は、振動解析パラメータ抽出部12における処理の詳細を示している。架渉物を設置している柱状構造物のフーリエスペクトルを例に説明する。図17(a)は、非特許文献1、特許文献1の手法で得られたフーリエスペクトルであり、横軸が振動数、縦軸がフーリエスペクトル強度を示している。図17(a)に対し、本発明の手法では、図17(b)に示すように、非特許文献1、特許文献1で得られたフーリエスペクトルを対数表示に変換して解析帯域を抽出する。図17(b)は、横軸が振動数、縦軸がフーリエスペクトル強度の対数比を示している。ここで、図17(a)と図17(b)を比較すると、図17(a)では、添架物を設置したことで5の谷が2の谷と同じ程度の深さで発生しているが、図17(b)では、対数表示にすることで5の谷が小さくなり、図18のテーブルで振動数帯域を設定するために必要な1と2の谷を抽出することが可能となる。
図18も、振動解析パラメータ抽出部12における処理の詳細を示している。図18は、柱種識別テーブルの例を示している。図18に示す柱種識別テーブルは、図17(b)で抽出した固有振動の谷から振動数解析部21で使用する振動数帯域と抽出時間を決定するために用いる。図17(b)のフーリエスペクトルを例に手順を説明する。3の山をA次の固有振動モードにおける山と仮定すると、A次の固有振動モードの開始範囲にあたる1の谷は約34Hzとなり、A次の固有振動モードの終了範囲にあたる2の谷は約68Hzとなる。柱種識別テーブルを参照すると、これら両方の範囲に該当する識別種別(柱種)は13mとなる。次の振動数解析部21で使用するパラメータは、A次振動数帯域が30Hzから70Hz、A次抽出時間が0.08sから0.18s、B次振動数帯域が70Hzから100Hz、B次抽出時間が、0〜0.08sとなる。C次以降の固有振動モードのパラメータも必要に応じテーブルに追加する。
図19は、振動解析パラメータ抽出部12における処理のフローチャートを示している。まず、加速度波形をフーリエ変換し、フーリエスペクトルを生成する(S1)。次に、フーリエスペクトルを対数表示に変換し(S2)、対数表示のフーリエスペクトルから谷の振動数を抽出する(S3)。最後に、抽出した谷の振動数が柱種識別テーブルの谷抽出結果突合列の範囲に該当する柱種を探索し(S4)、探索された柱種に対応した振動数解析にて使用されるパラメータを抽出する(S5)。
図20は、差分振動解析パラメータ抽出部13における処理の詳細を示している。差分振動解析パラメータ抽出部13は、振動解析パラメータ抽出部12と同様に、探索された識別種別に対して振動数帯域と抽出時間を抽出することに加えて、差分振動数解析部22にて使用する差分計算用の時間パラメータを追加で抽出する。その他の処理の詳細、フローチャートは、振動解析パラメータ抽出部12と同様である。
図21、22は、振動数解析部21における処理の詳細を示している。図21は、加速度波形をウェーブレット変換して得られたスカログラムであり、横軸は時間、縦軸は振動数、高さ方向軸は尤度を示している。図22は、図21のスカログラムを時間積分して得られたスカログラムであり、横軸は積分時間、縦軸は振動数、高さ方向軸は積分尤度を示している。図22に示すように、図21のスカログラムを打撃より一定時間後から遡って時間積分することで、図21と比較してばらつきが抑えることができる。
図23〜25も、振動数解析部21における処理の詳細を示している。図23は、柱状構造物を打撃した際の加速度波形を示しており、横軸は時間、縦軸は加速度を示している。図24は、図23の波形よりA次の固有振動帯域において実線枠で囲った時間にウェーブレット変換を行い、図22のスカログラム積分から時間毎の振動数−尤度グラフをプロットしたもので、山の頂点がA次の卓越振動数となる。図25は、図23の波形よりB次の固有振動帯域において破線枠で囲った時間にウェーブレット変換を行い、図22のスカログラム積分から各時間の振動数−尤度グラフをプロットしたもので、山の頂点がB次の卓越振動数となる。
図26は、振動数解析部21における処理のフローチャートを示している。図21〜25の処理をまとめたものである。まず、振動モード毎に設定した時間範囲で振動波形を抽出する(S11)。次に振動モード毎に抽出された振動波形に対し、振動モード毎に設定した解析振動数帯域内でウェーブレット変換を行ってスカログラムを生成し(S12)、生成したスカログラムを時間積分してスカログラムを平滑化する(S13)。最後に、時間積分したスカログラムから時間毎に振動数―尤度グラフを抽出し(S14)、山を卓越振動数として抽出する(S5)。
図27は、差分振動数解析部22における処理の概要を示している。図13で示したように、振動数差異が架渉物の影響で発生している柱状構造物においては、振動数差異が損傷によるものか、架渉物によるものか判別することが困難となるため、架渉物の影響を取り除く必要がある。特に低次においては架渉物の影響を受けやすいため対策が必須となる。差分振動数解析部22では、架渉物と柱状構造物の材料の違いに着目し、架渉物の影響を取り除いている。架渉物の影響を受けている計測データは、架渉物の振動と柱状構造物の振動の和となるが、例えば、金物のような架渉物は、コンクリート柱のような柱状構造物より、材料が異なることで揺れが長く続くという特徴を持っている。よって、実線枠で示した架渉物と柱状構造物の揺れが同時に発生している時間から破線枠で示した架渉物のみが存在する揺れの時間の差をとることで、柱状構造物のみの揺れのデータを抽出することが可能となる。
図28、29は、差分振動数解析部22における処理例を示している。図28、29の波形は、それぞれ図21〜26で示した振動解析部21の処理により生成されたものである。図28は、架渉物無しの場合であるが、0.2s〜0.3sと0.25s〜0.35sの2つの解析時間で算出した振動数―尤度グラフの差分をとると24Hz付近で卓越振動数を抽出できる。図29は、架渉物有りの場合であるが、差分前に振動数―尤度グラフでは卓越振動数が11Hz付近にあることがわかる。ここで、図28と同様に振動数―尤度グラフの差分をとると、図28と同じ24Hz付近で卓越振動数を抽出することができる。
図30は、差分振動数解析部22における処理のフローチャートを示している。まず、差分振動解析パラメータ抽出部13にて抽出した時間範囲と差分時間分シフトさせた時間範囲で2つの振動波形を抽出し(S21)、2つの時間範囲で抽出された振動波形それぞれに対し、差分解析振動数帯域内でウェーブレット変換を行い、スカログラムを生成する(S22)。生成した2つのスカログラムをそれぞれ時間積分し、スカログラムを平滑化し(S23)、2つの時間積分スカログラムから時間毎に振動数―尤度グラフをそれぞれ抽出する(S24)。最後に、2つの振動数―尤度グラフの差分をとり(S25)、差分後の振動数―尤度グラフの山を卓越振動数として抽出する(S26)。
図31は、振動数判定部23における処理の概要を示している。図31は、n方向から打撃した例を示しており、n方向から円周方向に打撃した場合においては、A次やB次といった振動モード毎にn個の卓越振動数が得られる。次に、振動モード毎に数2の式を用いて全打撃角度の組み合わせで振動数差を計算し、一番大きい差の振動数をfA_dif、fB_dif等のように定義する。
最後に、数3の式を用いて、振動モード毎に閾値fA_thresh、fB_threshと比較し、閾値より少なくとも1つ以上の振動モードにおいて大きい場合が存在した際に損傷ありと判定する。
A,B・・・:固有振動モード(A次、B次、・・・)
なお、上述した実施の形態において、架渉物影響判定部11、振動解析パラメータ抽出部12、振動数解析部21を省略して、差分振動解析パラメータ抽出部13、差分振動数解析部22、振動数判定部23のみを使用して柱状構造物の損傷を検知するようにしてもよい。
以上に示した通り、本発明の方法を用いれば、設計荷重が大きく架渉物が多数架渉されている揺れにくく、柱長や設計荷重が異なる、地際の検知が困難な柱状構造物の損傷を検知することが可能となる。
1 異常検知システム
10 解析条件抽出部
11 架渉物影響判定部
12 振動解析パラメータ抽出部
13 差分振動解析パラメータ抽出部
20 振動解析判定部
21 振動数解析部
22 差分振動数解析部
23 振動数判定部
30 表示部
41 コンクリート柱
42 受信センサ

Claims (5)

  1. 柱状構造物の損傷に起因する異常を検知する異常検知システムであって、
    前記柱状構造物を円周方向に多方向から打撃して得られた打撃角度毎の加速度波形をフーリエ変換し、得られたフーリエスペクトルを対数表示に変換し抽出した谷の振動数から複数の固有振動モードに対応する解析帯域と一定時間シフトさせた2つの解析時間範囲を抽出する手段と、
    抽出した解析帯域内でウェーブレット変換し得られたスカログラムを前記2つの解析時間範囲内毎に時間積分して得られた2つの波形の差分をとった波形から固有振動モード毎に卓越振動数を抽出する手段と、
    抽出した各打撃角度別の各固有振動モードの卓越振動数が所定値以上の差異を有する場合に異常と判定する手段と、
    を備えることを特徴とする柱状構造物の異常検知システム。
  2. 柱状構造物の損傷に起因する異常を検知する異常検知システムであって、
    前記柱状構造物を円周方向に多方向から打撃して得られた打撃方向の加速度と打撃直角方向の加速度を基に、打撃角度毎にリサージュを描き、得られた前記打撃方向と前記打撃直角方向の最大加速度の比が所定値より大きい場合に架渉物の影響があると判定し、所定値以下である場合に影響がないと判定する手段と、
    前記架渉物の影響がないと判定した場合に、加速度波形をフーリエ変換し得られたフーリエスペクトルを対数表示に変換し抽出した谷の振動数から複数の固有振動モードに対応する解析帯域と解析時間範囲を抽出し、抽出した解析帯域内でウェーブレット変換し得られたスカログラムを前記解析時間範囲内で時間積分して得られた波形より固有振動モード毎に卓越振動数を抽出する手段と、
    前記架渉物の影響があると判定した場合に、加速度波形をフーリエ変換し得られたフーリエスペクトルを対数表示に変換し抽出した谷の振動数から複数の固有振動モードに対応する解析帯域と一定時間シフトさせた2つの解析時間範囲を抽出し、抽出した解析帯域内でウェーブレット変換し得られたスカログラムを前記2つの解析時間範囲内毎に時間積分して得られた2つの波形の差分をとった波形から固有振動モード毎に卓越振動数を抽出する手段と、
    抽出した各打撃角度別の各固有振動モードの卓越振動数が所定値以上の差異を有する場合に異常と判定する手段と、
    を備えることを特徴とする柱状構造物の異常検知システム。
  3. 柱状構造物の損傷に起因する異常を検知する異常検知システムであって、
    前記柱状構造物を円周方向に多方向から打撃して得られた打撃方向の加速度と打撃直角方向の加速度を基に、打撃角度毎にリサージュを描き、得られた前記打撃方向と前記打撃直角方向の最大加速度の比が所定値より大きい場合に架渉物の影響があると判定し、所定値以下である場合に影響がないと判定する架渉物影響判定部と、
    前記架渉物影響判定部にて架渉物の影響がないと判定された場合に、加速度波形をフーリエ変換し得られたフーリエスペクトルを対数表示に変換し抽出した谷の振動数から複数の固有振動モードに対応する解析帯域と解析時間範囲を抽出する振動解析パラメータ抽出部と、
    前記架渉物影響判定部にて架渉物の影響があると判定された場合に、加速度波形をフーリエ変換し得られたフーリエスペクトルを対数表示に変換し抽出した谷の振動数から複数の固有振動モードに対応する解析帯域と一定時間シフトさせた2つの解析時間範囲を抽出する差分振動解析パラメータ抽出部と、
    前記振動解析パラメータ抽出部にて抽出した解析帯域内でウェーブレット変換し得られたスカログラムを前記解析時間範囲内で時間積分して得られた波形より固有振動モード毎に卓越振動数を抽出する振動数解析部と、
    前記差分振動解析パラメータ抽出部にて抽出した解析帯域内でウェーブレット変換し得られたスカログラムを前記2つの解析時間範囲内毎に時間積分して得られた2つの波形の差分をとった波形から固有振動モード毎に卓越振動数を抽出する差分振動数解析部と、
    前記振動数解析部もしくは前記差分振動数解析部で得られた各打撃角度別の各固有振動モードの卓越振動数が所定値以上の差異を有する場合に異常と判定する振動数判定部と、
    を備えることを特徴とする柱状構造物の異常検知システム。
  4. 柱状構造物の損傷に起因する異常を検知する異常検知システムにおける異常検知方法であって、
    前記異常管理システムは、
    前記柱状構造物を円周方向に多方向から打撃して得られた打撃角度毎の加速度波形をフーリエ変換し、得られたフーリエスペクトルを対数表示に変換し抽出した谷の振動数から複数の固有振動モードに対応する解析帯域と一定時間シフトさせた2つの解析時間範囲を抽出するステップと、
    抽出した解析帯域内でウェーブレット変換し得られたスカログラムを前記2つの解析時間範囲内毎に時間積分して得られた2つの波形の差分をとった波形から固有振動モード毎に卓越振動数を抽出するステップと、
    抽出した各打撃角度別の各固有振動モードの卓越振動数が所定値以上の差異を有する場合に異常と判定するステップと、
    を実行することを特徴とする柱状構造物の異常検知方法。
  5. 柱状構造物の損傷に起因する異常を検知する異常検知システムにおける異常検知方法であって、
    前記異常管理システムは、
    前記柱状構造物を円周方向に多方向から打撃して得られた打撃方向の加速度と打撃直角方向の加速度を基に、打撃角度毎にリサージュを描き、得られた前記打撃方向と前記打撃直角方向の最大加速度の比が所定値より大きい場合に架渉物の影響があると判定し、所定値以下である場合に影響がないと判定するステップと、
    前記架渉物の影響がないと判定した場合に、加速度波形をフーリエ変換し得られたフーリエスペクトルを対数表示に変換し抽出した谷の振動数から複数の固有振動モードに対応する解析帯域と解析時間範囲を抽出し、抽出した解析帯域内でウェーブレット変換し得られたスカログラムを前記解析時間範囲内で時間積分して得られた波形より固有振動モード毎に卓越振動数を抽出するステップと、
    前記架渉物の影響があると判定した場合に、加速度波形をフーリエ変換し得られたフーリエスペクトルを対数表示に変換し抽出した谷の振動数から複数の固有振動モードに対応する解析帯域と一定時間シフトさせた2つの解析時間範囲を抽出し、抽出した解析帯域内でウェーブレット変換し得られたスカログラムを前記2つの解析時間範囲内毎に時間積分して得られた2つの波形の差分をとった波形から固有振動モード毎に卓越振動数を抽出するステップと、
    抽出した各打撃角度別の各固有振動モードの卓越振動数が所定値以上の差異を有する場合に異常と判定するステップと、
    を実行することを特徴とする柱状構造物の異常検知方法。
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