JP2013234500A - 建設機械、及び建設機械の運転動作の良否報知方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】複数の作業モードを設定可能とされた建設機械は、建設機械の作業モードを設定する作業モード設定手段59と、作業モード設定手段59で設定可能な複数の作業モードのうち、いずれかの作業モードに固定する作業モード固定手段64と、建設機械の運転動作がエネルギー浪費運転となっているか否かを判定するエネルギー浪費運転動作判定手段60と、判定結果を外部に報知する判定結果報知手段61と、作業モードが固定されているときに、エネルギー浪費運転動作判定手段60の判定結果に基づく、判定結果報知手段61による判定結果の報知を規制する報知規制手段62とを備えている。
【選択図】図4
Description
例えば、特許文献1に記載の技術は、ホイールローダーにおいて、アクセルの開度及びエンジンの実回転数が省エネ運転条件を満たすか否かによって、ランプを点消灯させ、オペレーターに省エネルギー運転を促す技術が開示されている。
このような作業モードを固定する機能は、オペレーターの熟練度、作業環境等に応じて、作業の管理者、監督者が予め作業モードを固定しておくことにより、建設機械の操作中に、勝手に作業モードを変更できなくすることで、これらの条件に即して作業をさせることができるという効果がある。
すなわち、作業モードが固定されている場合、オペレーターはこれを変更することができないため、作業機の作業負荷によっては、省エネルギー運転を促すような報知が行われてしまい、オペレーターにとって煩わしいという問題がある。
複数の作業モードを設定可能とされた建設機械であって、
前記建設機械の作業モードを設定する作業モード設定手段と、
前記作業モード設定手段で設定可能な作業モードのうち、いずれかの作業モードに固定する作業モード固定手段と、
前記建設機械の運転動作がエネルギー浪費運転となっているか否かを判定するエネルギー浪費運転動作判定手段と、
前記エネルギー浪費運転動作判定手段の判定結果を外部に報知する判定結果報知手段と、
前記作業モード固定手段により、作業モードが固定されているときに、前記エネルギー浪費運転動作判定手段の判定結果に基づく、前記判定結果報知手段による判定結果の報知を規制する報知規制手段とを備えていることを特徴とする。
前記エネルギー浪費動作判定手段が浪費運転動作と判定し、前記作業モード固定手段により作業モードが固定されているときに、前記報知規制手段が前記判定結果報知による判定結果の報知を規制することを特徴とする。
前記エネルギー浪費運転動作判定手段は、前記作業モード設定手段により、負荷の大きな作業モードに設定されているにもかかわらず、負荷の小さな作業モードで作業が可能であるときに、エネルギー浪費運転動作であると判定し、
前記報知規制手段は、作業モードの設定によりエネルギー浪費運転動作であると判定した場合に、前記判定結果報知手段による判定結果の報知を規制することを特徴とする。
複数の作業モードを設定可能とされた建設機械において、前記建設機械の運転動作が、エネルギー浪費運転動作となっているか否かを外部に報知する建設機械の運転動作の良否報知方法であって、
複数の作業モードのうち、いずれかの作業モードに固定されているときに、エネルギー浪費運転動作となっているかの報知を規制することを特徴とする。
エネルギー浪費運転動作であると判定され、作業モードが固定されているときに、エネルギー浪費運転動作となっているかの報知を規制することを特徴とする。
第3発明によれば、作業モード固定手段により、オペレーターは作業モードを変更することができないので、このような場合に報知が規制されれば、煩わしく感じることがない。
第4発明及び第5発明によれば、第1発明及び第2発明と同様の作用及び効果を享受できる。
[第1実施形態]
[1]全体構成
図1には、本発明の第1実施形態に係る建設機械としての油圧ショベル1が示されている。
この油圧ショベル1は、下部走行体2と、下部走行体2の上部に旋回機構3を介して旋回可能に装着される上部旋回体4と、上部旋回体4に連設されている作業機5とを備える。
作業機5は、その基部が上部旋回体4に揺動可能に連結されているブーム6と、ブーム6の先端に揺動可能に連結されているアーム7と、アーム7の先端に揺動可能に連結されているバケット8とを備える。
上部旋回体4は、油圧ショベル1を運転するオペレーターが乗り込む運転室10を備える。
本実施形態の油圧ショベル1においては、走行レバー13、14を前方に押すと下部走行体2が前進し、走行レバー13、14を後方に引くと下部走行体2が後進するようになっている。また、運転席11の右側の側方窓18側には、計器盤19が設けられている。
ここで、ロックレバー22とは、作業機5の操作、上部旋回体4の旋回、及び下部走行体2の走行等の機能を停止させるためのものである。すなわち、ロックレバー22の引き上げ操作を行うことによって、作業機5等の動きをロックすることができ、この状態では、操作レバー20、21等を操作しても、作業機5等が動作しないようになっている。
モニタ装置23は、運転室10の前方窓24と一方の側方窓18とを仕切る縦枠25の下部に設けられている。モニタ装置23の外装ケース28の前面には、モニタ画面29と操作入力部である操作用スイッチ30が設けられている。モニタ画面29は、例えば、液晶パネルによって構成されている。尚、本実施形態では、操作用スイッチ30はモニタ装置23に一体的に設けられているが、操作用スイッチが運転室内の計器盤19等に設けられるなど、モニタ装置と別体であってもよい。
一方、油圧ショベル1の運転動作が、燃費に悪いエネルギー浪費運転動作である場合には、効率表示ランプ30Aは点灯し、油圧ショベル1が燃費悪化動作状態にあることをオペレーターに報知する。
尚、本実施形態では、油圧ショベル1の運転動作が、燃費に悪いエネルギー浪費運転動作ではなく、燃費によい運転動作である場合に効率表示ランプ30Aが消灯し、悪いときには点灯するようにしていたが、これに限られない。
例えば、効率表示ランプに緑色LEDを内蔵しておき、油圧ショベル1の運転動作が燃費に悪いエネルギー浪費運転動作である場合に、表示ランプが消灯し、燃費に悪い運転動作がエネルギー浪費運転動作ではなく、燃費によい運転動作である場合には効率表示ランプが点灯することにより、オペレーターに燃費悪化動作状態であることをオペレーターに報知するようにしてもよい。
さらに、表示ランプに緑色LED及び赤色LEDを内蔵しておき、運転動作が、燃費に悪いエネルギー浪費運転動作ではなく、燃費によい運転動作である場合には効率表示ランプの緑色LEDが点灯し、運転動作が燃費に悪いエネルギー浪費運転動作であるときには効率表示ランプの赤色LEDが点灯することによりオペレーターに運転動作がエネルギー浪費運転となっているか否かを報知するようにしてもよい。
なお、効率表示ランプの表示は、点灯と消灯、異なる色の組み合わせに限らず、点滅と消灯、点灯と点滅等の表示によってもよい。また、効率表示ランプの変わりに、モニタ装置のモニタ画面上に文字やランプ等のマークの画像を表示するようにしてもよい。
図3には、油圧ショベル1の制御システムが示されている。
油圧ショベル1の制御システムは、エンジン31、油圧ポンプ32、及び排気ガス浄化装置33を制御するシステムであり、エンジンコントローラ34と、ポンプコントローラ35とを備える。また、前述のモニタ装置23、エンジンコントローラ34、及びポンプコントローラ35は、互いにCAN(Controller Area Network)で通信可能に接続されている。
また、油圧ポンプ32には、パイロット圧生成用の油圧ポンプ32Aが接続され、油圧ポンプ32Aの吐出側は、パイロット管路を介して、操作レバー20、21、走行レバー13、14に接続されている。そして、操作レバー20、21、走行レバー13、14を操作すると、パイロット管路を介してコントロールバルブ39の吐出圧が変化し、作業機5の油圧アクチュエータ40が動作する。エンジン31、及び油圧ポンプ32は、上部旋回体4に設けられている。
フィルター41は、セラミック等の材料からなり、排気ガス中に含まれるPMを捕捉する。
酸化触媒42は、排気ガス中の窒素酸化物(NOx)のうち一酸化窒素(NO)を低減させて二酸化窒素(NO2)を増加させる機能を備える。また、この酸化触媒42は、酸化触媒42より排気ガス流れの上流側に設けられる燃料噴射インジェクタ43から噴射された炭化水素(ハイドロカーボン)を酸化させ、酸化反応により生じた反応熱により、フィルター41で捕捉されたPMを燃焼させるフィルター41の再生処理を行う機能も備える。尚、燃料噴射インジェクタ43から噴射される炭化水素としては、例えば燃料である軽油を用いることができる。
また、本実施形態では、エンジン31と酸化触媒42との間の排気経路途中に燃料噴射インジェクタ43を設ける構成としているが、これに限られず、エンジン31の燃焼室への燃料噴射のタイミングをエンジン31の排気行程で行い、未燃焼の燃料を排気ガス浄化装置33に供給するポスト噴射であってもよい。
また、本実施形態の排気ガス浄化装置33は、フィルター41の上流側に酸化触媒42を配置した構成であるが、これに限られない。すなわち、排気ガス浄化装置としては、フィルター内に直接酸化触媒を担持させた構成を採用してもよく、さらには、フィルターに直接酸化触媒を担持させつつ、フィルターの上流側に別の酸化触媒を配置してもよい。
尚、本実施形態では、差圧センサ44は単体の差圧センサであるが、フィルター41の入口側及び出口側のそれぞれに圧力センサを設け、それぞれで検出された圧力をエンジンコントローラ34に電気信号として出力し、その差を得るような構成としてもよい。
また、詳しくは後述するが、エンジンコントローラ34は、排気ガス浄化装置33の差圧センサ44からの電気信号に基づいて、排気ガス浄化装置33の再生処理を行うべきか否かを判定する。
尚、本実施形態では圧力によってフィルター41の再生処理が必要か否かを判定しているが、これに限らず、回転センサ、負荷センサ、温度センサを用い、PMの排出量、PM燃焼量を算出し、この差分をとってPM堆積量を求め、これを時系列的に蓄積することにより、フィルター41の目詰まりが生じているかどうか、再生処理が必要か否かを判定することも可能である。
図4には、CANを介して電気的に接続されるエンジンコントローラ34、ポンプコントローラ35、及びモニタ装置23の機能ブロック図が示されている。
エンジンコントローラ34は、ダイヤル設定検出部52、エンジン制御部53、再生処理判定部54、及びDPF制御部55を備える。
ダイヤル設定検出部52は、燃料ダイヤル48で設定された回転数を検出し、電気信号としてエンジン制御部53に出力する。
エンジン制御部53は、設定された回転数に基づいて、エンジン31の回転数の制御を行うとともに、実際のエンジン回転数、エンジン水温等の情報をエンジン31の稼働状態としてモニタ装置23に出力する。
また、再生処理判定部54は、図示を略したが、運転室10内に設けられた再生処理開始スイッチを監視しており、オペレーターがこの再生処理開始スイッチを操作した場合も再生処理を行うべきと判定する(手動再生)。
そして、再生処理判定部54が再生処理を行うべきと判定したら、DPF制御部55にその旨を出力し、DPF制御部55は、制御信号を燃料噴射インジェクタ43に出力し、排気ガス浄化装置33内に燃料を噴射し、排気ガス浄化装置33の再生処理を開始する。また、再生処理判定部54は、再生処理を行うべきか否かの判定結果を電気信号としてモニタ装置23に出力する。
モニタ装置23は、再生処理判定部54から送られる情報に基づき、排気ガス浄化装置33の再生処理を促す表示をモニタ画面29に表示させる。なお、再生処理を促す表示は、モニタ画面29上ではなく、計器盤等に設けたランプであってもよい。
油圧ショベル1のオペレーターは、再生処理を促す表示によって油圧ショベルを平坦な地面に停止させ、作業機等のレバー13、14、20、21にさわらないか、ロックレバー22をロック側に操作して、エンジン31を所定の回転数(例えば、ローアイドル)の状態とする。
排気ガス浄化装置33の再生処理が開始されると、モニタ画面29上に、再生処理中であることを表す表示がされる。なお、再生処理中の表示は、モニタ画面29上ではなく、計器盤19等に設けたランプであってもよい。
排気ガス浄化装置33の再生処理が終了すると、再生処理中の表示が消え、再生処理の終了をオペレーターに知らせる。
稼働状態取得部57は、操作用スイッチ30の状態や、エンジンコントローラ34、ポンプコントローラ35からCANを介して出力された種々の検出値を取得し、油圧ショベル1の状態を表示制御部58に出力する。
表示制御部58は、稼働状態取得部57で取得された冷却水温、燃料残量や、後述する作業管理者あるいはオペレーターによって設定された作業モード(後述する図14の表示画面の右上に示されている重掘削モードを表すPの表示)等をモニタ画面29上に画像表示する。
オペレーターは、カーソルダウンアイコンのダウン操作に対応づけられたF3の操作用スイッチ30、あるいは、カーソルアップアイコンのアップ操作に対応づけられたF4の操作用スイッチ30を操作して、いずれかの作業モードを選択し、確定アイコンの確定操作に対応づけられたF6の操作用スイッチ30を操作することで作業モードを設定する。
なお、本実施形態では、選択された作業モードは、網掛け等によって選択されていない作業モードと識別できるような表示形態で画面上に表示しているが、これに限られない。
また、作業モードの選択は、作業モードの設定画面を用いず、作業モード選択操作用スイッチの操作により、直接的に作業モードを重掘削モードから省燃費モードへ、あるいは省燃費モードから重掘削モードへと切り換えるようにしてもよい。この場合、図14の右上に表示された作業モードの表示や、作業モード選択用操作スイッチの操作位置等によって、選択された作業モードを把握することができる。
作業モード設定部59で設定された作業モードは、ポンプコントローラ35に出力され、ポンプコントローラ35は、設定された作業モードに基づいて、油圧ポンプ32の吸収トルク制御を行う。
また、作業モード設定部59で設定された作業モードは、エネルギー浪費運転動作判定部60にも出力される。
「重掘削モード」は、負荷が大きい掘削作業を行うための作業モード(作業量を重視)であり、エンジン31の回転及び出力トルクが比較的高い領域でエンジン31の出力トルクと油圧ポンプ32の吸収トルクとがマッチングされるモードである。
「省燃費モード」は、重掘削モードより負荷の小さい掘削作業や、スキ取り作業などの軽作業を行うための作業モード(燃費を重視)であり、重掘削モードの場合と比較してより低いエンジン出力トルク特性が設定されるモードである。
具体的には、エネルギー浪費運転動作判定部60は、以下の基準に基づいて、エネルギー浪費運転動作であるか否かを判定する。
「長時間アイドリング」は、エンジン31が稼働している状態において、作業機5等の油圧アクチュエータが全て動作されていない状態(レバー13、14、20、21が全て操作されない場合、あるいはロックレバー22がロック状態)が、所定時間継続している場合をいう。尚、判定条件の対象となるレバーは、ホイールローダー等車両の種類に応じて適宜決定すればよいが、作業機を操作するレバーが条件の対象となっていることが好ましい。
(2)動作を示す項目名:省燃費モード推奨
「省燃費モード推奨」は、作業モード設定部59での設定が省燃費モードではなく、省燃費モードよりも燃料消費が多くなるモード、例えば重掘削モードに設定された状態で、実際に発生している発生馬力がEモード範囲内である場合をいう。
なお、発生馬力の算出は、エンジンコントローラ34からのエンジン回転数とエンジン出力トルクの値を積算して求められる。
このように、「長時間アイドリング」、「省燃費モード推奨」の条件を満たす場合、燃費の悪化をもたらすエネルギー浪費運転動作と判定されることになる。
報知規制部62は、エンジンコントローラ34の再生処理判定部54から出力された再生処理を行うべきか否かの判定結果、又は、後述する作業モード固定部64で作業モードが固定されているか否かに基づいて、エネルギー浪費運転動作判定部60の判定結果に基づく、効率表示制御部61による効率表示ランプ30Aの表示制御を規制する部分である。
作業管理者が、モニタ装置23の数字、アルファベットの文字等を入力することができる操作用スイッチ30を操作して、正しいパスワードを入力すると、作業モード固定部64は、作業モード固定の機能を使用すると判定し、モニタ装置の画面に図7に示される作業モード固定設定画面G3を表示する。
なお、作業モード固定設定画面G3の表示は、いくつかの操作用スイッチ30を同時に操作することや、ある決められた順序で操作するなどの特定の操作によって表示させるようにしてもよい。
作業管理者が作業モードを重掘削モードに固定する場合、作業モード固定設定画面G4内で前述したF3、F4の操作用スイッチ30により、カーソルを上下させ重掘削モードを選択し、F6の操作スイッチにて選択を確定する。
これにより、図8に示される作業モード固定設定画面G4に示されるように、重掘削モード(P)の表示が網掛けとなり、重掘削モード(P)に作業モードが固定されたことが識別できる。一方、作業モードの固定として選択されなかった省燃費モードの表示は選択不可能であることをオペレーターに認識させるよう、図8に示すように、例えば表示の濃淡が、通常の作業モード選択画面の時よりも薄くなる。
尚、作業管理者が上述した手順により、作業モードの固定を行った場合、油圧ショベル1のキーをオフしてもその設定は記憶保存され、次に油圧ショベル1のキーをオンにしても、作業モードの固定状態も保持される。
このように、作業モード固定処理を行う機能を備えているため、オペレーターが設定可能な作業モードに予め制限を加えておくことができる。この結果、作業モードが固定された油圧ショベル1に対し、オペレーターは、制限された範囲内でしか作業モードの選択を行うことができない。
なお、図8は、作業モード固定処理が行われている場合の作業モード選択画面の表示の一例であり、図5は、作業モード固定処理が行われていない場合の作業モード選択画面の表示の一例である。
以上のようなエンジンコントローラ34、ポンプコントローラ35、及びモニタ装置23の作用を図9及び図10に示すフローチャートに基づいて説明する。
なお、本実施形態では、作業モード設定部59による作業モードが重掘削モード(P)に設定されているにもかかわらず、作業機5による作業が省燃費モード(E)で実施可能な場合について説明する。
図9に示されるように、エネルギー浪費運転動作判定部60は、ポンプコントローラ35の操作検出部56、エンジン制御部53等から油圧ショベル1の各種稼働情報を取得する(ステップS1)。
次に、エネルギー浪費運転動作判定部60は、作業モード設定部59で設定された作業モードでの油圧ショベル1による実際の作業が、設定された作業モード(この例では重掘削モード)よりも、燃料の消費が少ない作業モード(この例では省燃費モード)でも可能であるか、すなわち適正な作業モードに設定されているかどうかを判定する。
上述の省燃費モード推奨の判定では、作業モードが重掘削モードに設定された状態で、実際に建設機械が発生している発生馬力が省燃費モード範囲内である場合、エネルギー浪費運転動作であるとされ、設定された作業モードが適正でないと判定される。
また、実際に発生している発生馬力が省燃費モード範囲内より大きい場合、エネルギー浪費運転動作でないとされ、設定された作業モードは適正であると判定される(ステップS2)。
なお、燃費に良い運転動作であるか否かの判定に際しての発生馬力の閾値は、省燃費モードの発生馬力の上限値でもよく、また上限値より小さな所定の値を判定値として判断するようにしてもよい。
作業モードの設定が適正でないと判定された場合、報知規制部62は、作業モード固定部64によって作業モードが固定されているか否かを判定する(ステップS3)。
一方、作業モードが固定されている場合、報知規制部62は、エネルギー浪費運転動作判定部60の判定結果によらず、効率表示制御部61による効率表示ランプ30Aの点消灯制御を規制し、効率表示ランプ30Aの点灯の表示を規制し、現在の消灯状態を維持する(ステップS5)。
作業モードの設定が適正であると判定された場合、効率表示制御部61は、効率表示ランプ30Aを消灯する制御を行う(ステップS6)
なお、省燃費モード推奨の場合の判定は、燃料ダイヤル48で設定されたエンジン回転数と作業時のエンジントルクとの交点の位置が、燃料ダイヤル48で設定されたエンジン回転数とエンジントルクとの関係に基づき、予め設定された燃費のよい領域の範囲内に含まれる運転動作であるか否かを判定するものでもよい。
すなわち、図10に示されるように、エネルギー浪費運転動作判定部60は、ポンプコントローラ35の操作検出部56、エンジン制御部53等から油圧ショベル1の各種稼働情報を取得する(ステップS7)。
次に、エネルギー浪費運転動作判定部60は、レバー20、21、13、14の操作状態を監視し、所定時間の間、継続的にレバー操作がないかどうかを判定する(ステップS8)。
所定時間内にレバー操作があったと判定された場合は、効率表示制御部61は、効率表示ランプ30Aを消灯する制御を行う(ステップS9)。
ここで、再生処理を行う必要ありとの判定は、既に、排気ガス浄化装置33が再生処理中である場合も含む。
再生処理判定部54での判定が再生処理の必要なしの場合、報知規制部62による報知規制を行わず、エネルギー浪費運転動作判定部60の判定結果に基づいて、効率表示制御部61は、効率表示ランプ30Aを点灯する制御を行う(ステップS11)
再生処理判定部54での判定が再生処理の必要ありの場合、報知規制部62は、エネルギー浪費運転動作判定部60の判定結果によらず、効率表示制御部61による効率表示ランプ30Aの点消灯制御を規制し、効率表示ランプ30Aの点灯の表示を規制し、現在の消灯状態を維持する(ステップS12)。
作業モード固定処理によって、重掘削モードに固定されている場合、オペレーターによって作業モードを燃費の良いモードである省燃費モードに変更することは困難であり、作業の内容等によっては、エネルギー浪費運転動作であることを示す表示や音声が発せられることになるという問題が生じる。しかしながら、本実施形態によれば、このような場合であっても、作業モードが固定されている場合には、エネルギー浪費運転動作であることを示す表示がされたり、音声が発せられることがないので、油圧ショベル1を操作するオペレーターが不必要なこれらの発報に煩わされることがない。
また、固定モード機能の設定は作業管理者の例で述べたが、建設機械の管理者であってもよく、またサービスマンであってもよい。なお、油圧ショベル1のオペレーター自身が固定モード機能の設定を行うことを妨げるものではない。この場合、オペレーターに対し、予めパスワード等を教えておく。
また、固定モードの設定方法は、パスワード入力に限らず、使用者の特定が可能なIDキーをキーシリンダに差し込むことでおこなうようにしてもよい。
さらには、作業モードは重掘削モード、省燃費モードに限られるものではなく、微操作が必要となる技操作モードや、吊り荷作業用の吊りモードなどをさらに選択することができるようにしてもよい。
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
前記第1実施形態では、判定結果報知手段は、効率表示ランプ30Aの点消灯によって行ってきた。
これに対して第2実施形態に係るモニタ装置70は、図11に示すように、ガイダンス出力制御部71、スピーカー72、及びメモリ73を備え、エネルギー浪費運転動作判定部60によって運転動作が燃費に悪いと判定された場合、スピーカー72からガイダンスの一例としての音声が出力されることにより、オペレーターに報知する点が相違する。
例えば、操作レバーが操作されない状態が一定時間継続され、長時間アイドリングであるとエネルギー浪費運転動作判定部60が判定した場合、ガイダンス出力制御部71は、メモリ73に記憶された「長時間のアイドリングを控えましょう」という音声情報を読み出し、スピーカー72から音声ガイダンスとして出力させる。
また、作業モード設定部59における作業モードが重掘削モードに設定されているにもかかわらず、実際の作業機5による作業が省燃費モードで動作可能である、とエネルギー浪費運転動作判定部60で判定された場合、ガイダンス出力制御部71は、メモリ73に記憶された「省燃費モードの利用をお勧めします」という音声情報を読み出し、スピーカー72から音声出力する。
次に、本発明の第3実施形態について説明する。
前記第1実施形態では、判定結果報知手段は、効率表示ランプ30Aの点消灯によって行ってきた。
これに対して第3実施形態に係るモニタ装置80は、図12に示すように、長時間アイドリングや、省燃費モード(Eモード)推奨のガイダンスをモニタ画面29上に表示させるようにしている点が相違する。
本実施形態に係るモニタ装置80には、メモリ81を備え、図13に示されるような燃費悪化運転となる動作項目と、各動作項目の判定条件と、モニタ画面29上に表示させるガイダンスとが記憶されている。
但し、作業モード設定部59による作業モードの設定が、作業モード固定部64によって固定されている場合、報知規制部62は、ガイダンスG5のモニタ画面29上の表示を規制する。
さらに、第3実施形態によれば、第1実施形態で述べた効果に加え、画面上に表示される車両の状態を表すエンジン水温計、燃料量等の表示の視認性の低下を抑制する効果をもたらす。
前記エネルギー浪費運転動作判定手段が浪費運転動作と判定し、前記作業モード固定手段により作業モードが固定されているときに、前記報知規制手段が前記判定結果報知による判定結果の報知を規制することを特徴とする。
Claims (5)
- 複数の作業モードを設定可能とされた建設機械であって、
前記建設機械の作業モードを設定する作業モード設定手段と、
前記作業モード設定手段で設定可能な作業モードのうち、いずれかの作業モードに固定する作業モード固定手段と、
前記建設機械の運転動作がエネルギー浪費運転となっているか否かを判定するエネルギー浪費運転動作判定手段と、
前記エネルギー浪費動作判定手段の判定結果を外部に報知する判定結果報知手段と、
前記作業モード固定手段により、作業モードが固定されているときに、前記エネルギー浪費運転動作判定手段の判定結果に基づく、前記判定結果報知手段による判定結果の報知を規制する報知規制手段とを備えていることを特徴とする建設機械。 - 請求項1に記載の建設機械において、
前記エネルギー浪費動作判定手段が浪費運転動作と判定し、前記作業モード固定手段により作業モードが固定されているときに、前記報知規制手段が前記判定結果報知による判定結果の報知を規制することを特徴とする建設機械。 - 請求項1又は請求項2に記載の建設機械において、
前記エネルギー浪費運転動作判定手段は、前記作業モード設定手段により、負荷の大きな作業モードに設定されているにもかかわらず、負荷の小さな作業モードで作業が可能であるときに、エネルギー浪費運転動作であると判定し、
前記報知規制手段は、作業モードの設定によりエネルギー浪費運転動作であると判定した場合に、前記判定結果報知手段による判定結果の報知を規制することを特徴とする建設機械。 - 複数の作業モードを設定可能とされた建設機械において、前記建設機械の運転動作が、エネルギー浪費運転動作となっているか否かを外部に報知する建設機械の運転動作の良否報知方法であって、
複数の作業モードのうち、いずれかの作業モードに固定されているときに、エネルギー浪費運転動作となっているかの報知を規制することを特徴とする建設機械の運転動作の良否報知方法。 - 請求項4に記載の建設機械の運転動作の良否報知方法において、
エネルギー浪費運転動作であると判定され、作業モードが固定されているときに、エネルギー浪費運転動作となっているかの報知を規制することを特徴とする建設機械の運転動作の良否報知方法。
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