JP2013234403A - 重量物運搬に適した衣類 - Google Patents

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哲弥 宮川
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聖 斎藤
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Abstract

【課題】
作業着、介護服、看護服などとして、大型ダンボール箱、タイヤ、家具などを持ち上げて運んだり、要介護者の歩行、排泄、入浴などを介助する際に着用する衣類を提供する。
【解決手段】
長袖の前腕部および上腕部の少なくともいずれかの表側に滑り止め面を有し、滑り止め面は着用者の腕の動きに追随できる柔軟な樹脂薄層からなり、該滑り止め面を融着または縫着によって長袖表側の所定個所に貼り付けることにより、重量物を運搬する際に該重量物の表面を長袖の滑り止め面に接触させて滑落を防止する。
【選択図】図1

Description

本発明は、作業着、介護服、看護服などとして、大型ダンボール箱、タイヤ、家具などを持ち上げて運んだり、要介護者の歩行、排泄、入浴などを介助する際に着用すると好適な衣類に関する。
作業着は、労働作業用に特化した衣類を意味し、作業内容に対応させて形状や寸法などについて種々の変形を施していても、作業着の主たる機能は、あくまでデザイン性を含めての着心地、作業容易性および安全性の維持などに存する。既存の作業着では、ごく一部の特殊用途品を除いて、大型ダンボール箱を持ち上げて運搬する場合および要介護者の動作を介助する場合に特化したものは存在しない。
商品運搬に適した特殊衣類として、実開昭63−167119号では、上着のヨーク部において、ゴムのスポット加工によって滑り止め手段を形成している。実開平3−11008号では、布製エプロンの前面において、滑り止めになる複数のゴム突起を設けている。実用新案登録第3053219号では、衣服の肩ヨーク部と前胸部付近にかけて肉厚のメッシュパッドを装着し、該メッシュパッドによって荷作業者が大型荷物を肩に担いだ際に該大型荷物の重さの負担を和らげる。また、特開2009−197337号では、衣服の腹部表面に滑り止めパッドをリベットで固定することにより、荷物を運搬する際に手や腕の負担を軽減する。
実開昭63−167119号明細書 実開平3−11008号明細書 実用新案登録第3053219号公報 特開2009−197337号公報
衣類が商品運搬に適するといっても、実開昭63−167119号および実用新案登録第3053219号は、衣服の肩ヨーク部付近にゴムのスポットまたは肉厚のメッシュパッドを設けることにより、荷作業者が大型荷物を肩に担いだ際にその負担を和らげるだけであり、荷物を肩に担がない時や荷物を持ち上げる時には、負担軽減効果は全く存在しない。また、実開平3−11008号および特開2009−197337号は、衣類の前表面において滑り止めゴム突起または滑り止めパッドを設けることにより、荷作業者が大型荷物を腹部まで持ち上げてそのまま運ぶ際には多少有効であっても、荷物を持ち上げる時の容易化については効果が無く、荷物持ち上げの状態の維持効果もあまり存在しない。
商品運搬に適した商品として、滑り止め用のゴムスポットを設けた軍手などの作業用手袋が一般的ではあるが、大きな荷物を運ぶ場合に、手袋だけの滑り止めでは手に負荷が掛かり過ぎてしまう。作業着に関しては、大型荷物を持ち上げる時が容易になり、その大型荷物を持った状態で支えるための機能が付加されているものは現状では殆ど無い。
本発明は、作業着に関する前記の問題点を改善するために提案されたものであり、長袖に滑り止め加工を施すことにより、重量物を運搬する際に、該重量物の持ち上げに過度の力を入れる必要がなく、持ち上げた状態を維持しやすい衣類を提供することを目的としている。本発明の他の目的は、長袖の滑り止め面がクッション性を有することにより、大型荷物を手で持ち上げて保持する時に、その手に掛かる負担を軽減できる作業着を提供することである。本発明の別の目的は、要介護者が歩行や起居を行う際にその動作を容易に介助でき、要介護者に苦痛を与えることが少ない介護服を提供することである。
本発明に係る重量物の運搬に適した衣類は、長袖の前腕部および上腕部の少なくともいずれかの表側に滑り止め面を有する。この衣類では、滑り止め面は着用者の腕の動きに追随できる柔軟な樹脂薄層からなり、該滑り止め面を融着または縫着によって長袖表側の所定個所に貼り付けることにより、重量物を運搬する際に該重量物の表面が長袖の滑り止め面に接触することで滑落の防止が可能である。
本発明に係る衣類において、凸状の滑り止め面は、抗滑り性を有する可撓性の表面層と、表面層の下側で該表面層に接着した補強用の繊維生地と、繊維生地の下側に接着した可撓性の弾性芯材とを積層した所定の平面形状の滑り止め素材からなると好ましい。この滑り止め素材をそのまままたはさらに裏面に熱融着性の接着シートを重ね合わて積層し、全体を抜き加工することにより、凸状の滑り止め片はその周辺において縁取り部を有する。
前記の滑り止め面について、好ましくは、裏面接着層を有する凸状の滑り止め片は、抜き加工の後に、加熱・加圧によって裏面接着層を溶融して滑り止め面を衣類の所定個所に取り付ける。裏面接着層を有しない凸状の滑り止め片は、抜き加工の後に、裏側の弾性芯材を表面溶融してから加圧するか、またはホットメルト樹脂の付与ないしホットメルト接着シートの重ね合わせの後に加熱・加圧することによって滑り止め面を衣類の所定個所に取り付けてもよい。また、裏面接着層を有しない滑り止め面は、その周囲を縫着することによって衣類の所定個所に貼着してもよい。
本発明に係る衣類において、他の滑り止め面として、ベースシート上に、抗滑り性を有する図柄層と、該図柄層の下側に配置する中間層と、裏面に形成する接着層とを設けた所定の平面形状の転写シートを用いてもよく、該転写シートを衣類の所定個所に熱転写する。別の滑り止め面として、抗滑り性を有する可撓性のテープ生地を用いてもよく、該テープ生地を所定の平面形状に裁断し、この裁断テープ片についてその周囲を縫着するか、またはホットメルト樹脂の散布や塗布ないしホットメルト接着シートの重ね合わせの後に加熱・加圧することによって衣類の所定個所に貼り付ける。さらに別の滑り止め面として、抗滑り性を有するラバー系インクを用いてもよく、該インクをスクリーン印刷法によって衣類の所定個所に印刷して乾燥する。
本考案に係る大型荷物の運搬用作業着は、長袖の前腕部および上腕部の少なくともいずれかの表側に滑り止め面を有する.この作業着では、滑り止め面は着用者の腕の動きに追随できる柔軟な樹脂薄層からなり、該滑り止め面を融着または縫着によって長袖表側の所定個所に取り付けることにより、大型荷物を運搬する際に該重量物の表面が長袖の滑り止め面に接触することで滑落の防止が可能である。
本考案に係る介護服は、長袖の前腕部および上腕部の少なくともいずれかの表側に滑り止め面を有する。この介護服では、滑り止め面は着用者の腕の動きに追随できる柔軟な樹脂薄層からなり、該滑り止め面を融着または縫着によって長袖表側の所定個所に取り付けることにより、要介護者が歩行や起居を行う際にその着衣または肌の表面が長袖の滑り止め面に接触することで動作の介助が容易である。
本発明に係る衣類は、作業着、介護服、看護服などに採用されると、重量物を運搬する際に、該重量物の持ち上げに過度の力を入れなくてもよく、持ち上げた状態を容易に維持してそのまま運びやすくなる。本発明の衣類は、長袖において柔軟な滑り止め面を設けるだけであるから、着用者が本来の動きを妨げられることがなく、衣類の通気性や長袖の曲げ易さなどの着心地が低下することも少ない。本発明の衣類は、長袖の滑り止め面の平面形状、模様と着色を適宜選択することにより、デザイン性に優れたものにすることが可能である。
本発明に係る衣類において、長袖における滑り止め面には、抗滑り性以外にクッション性を付与することも可能であり、該滑り止め面で重量物の重さと衝撃を吸収できる。クッション性を有する滑り止め面を衣類の長袖に設けると、大型荷物を運ぶ際に該荷物を損傷することが少なくなり、衣類着用者の腕や腹部への痛みや圧迫感を軽減できる。
本発明に係る衣類は、介護施設、老人ホームや病院における介護服、白衣、看護服に採用すると、要介護者が歩行や起居を行う際にその着衣または肌の表面が滑り止め面に接触することで、着用者が要介護者の動作を介助することが容易になる。本発明の衣類により、介助を行う福祉従事者、介護士、医師、看護師だけでなく、介助を受ける要介護者や患者などについても、介助を受けて歩行や起居を行う際に擦過傷を負ったり転倒することが少なくなるので有益である。
本発明に係る衣類の一例である作業着を示す概略正面図である。 衣類の他の例である看護服ないし白衣を示す概略正面図である。 図1の作業着の着用者が大型荷物を持ち上げている状態を部分的に示す概略側面図である。 衣類の所定個所に取り付けた凸状の滑り止め面の一例を示す縦断面図である。 衣類の所定個所に取り付けた滑り止め面の他の例を示す縦断面図である。 衣類の所定個所に取り付けた滑り止め面の別の例を示す縦断面図である。 衣類の所定個所に取り付けた滑り止め面のさらに別の例を示す縦断面図である。 凸状の滑り止め面の製造に用いる多層シートの縦断面図である。 図8の多層シートを弾性芯材とともに立体成形した状態を示す凹状金型の縦断面図である。 凸状の滑り止め素材に裏面接着層を積層した状態を示す凹状金型の縦断面図である。 滑り止め面として用いる転写シートの縦断面図である。
本発明に係る衣類は、図1に例示するように、その長袖3,3の前腕部5や上腕部6の表側に滑り止め面7を有する。この衣類は、図3に示すように、その着用者8が大型荷物33などの重量物を持ち上げたり持ち運びする際に、該重量物の側面が滑り止め面7と接触して滑り難くなり、持ち上げた状態を維持して運びやすくなる。本発明の衣類は、長袖において柔軟な滑り止め面7を設けるだけであるから、着用者8が本来の動きを妨げられることがなく、着心地やデザイン性が低下することも少ない。
本発明に係る衣類は、重量物を運搬する際に使用する長袖の衣類であればよく、具体的には、作業着1(図1)、ワークシャツ、医療や介護用の白衣2(図2)ないし介護服、看護服などが例示でき、市販の長袖Tシャツ、カジュアルシャツ、ポロシャツ、学生服などにも採用可能である。本明細書において、介護服とは、介護施設、老人ホームや病院で介護従事者が着用する衣類を意味し、服装分類としてはTシャツ、作業着(図1)、白衣(図2)、看護服に近似するものも包含する。
作業着1などの衣類では、長袖3の前腕部5および上腕部6の少なくともいずれかの表側にほぼ平らな滑り止め面7を貼り付けて固着し、前腕部5と上腕部6は、ほぼ図1の一点鎖線において長袖3を分割した位置に相当する。滑り止め面7は、着用者8(図3)の腕の動きに追随でき且つ屈曲などを阻害しない柔軟な樹脂薄層からなると好ましい。滑り止め面7の取付位置は、重量物を持ち上げ且つ持ち運ぶ際に、該重量物の側面と接触する衣類個所に定めることを要する。
滑り止め面7は、長袖ごとに単体ないし複数の平行短片10または点状模様などで構成し、衣類に応じて、その平面形状、模様と着色を適宜選択することにより、衣類本来の着心地やファッション性を損なわないように配慮する。滑り止め面7は、衣類の通気性や長袖の曲げ易さなども考慮して、その平面形状および模様を定め、例えば、該滑り止め面を前腕部5および上腕部6に亘って貼り付けるならば、少なくともそれぞれに分離配置する。図1に例示するように、滑り止め面7は、長袖3の前腕部5および上腕部6において、重量物と接触可能な表側全体に亘っていると好ましい。
滑り止め面7は、接触した重量物が滑落しないように、その表面が高い抗滑り性を有することを要する。このため、その表面層の形成にはシリコンインクやラバー系インクなどを適用し、これらのインクが衣類の生地や織物生地12に接着しにくい場合には、両者の相互接着を促進するためのプライマー層を介在させると好ましい
この滑り止め面は、長袖3の前腕部5や上腕部6に加えて、図1の滑り止め面35のように、衣類の前身頃下方つまり着用者8の腹部に取り付けてもよい。図1の滑り止め面35は、図3に示すように、着用者8が大型荷物33などの重量物を持ち運ぶ際に、該着用者の腹部が該重量物の後側面と広範囲に接触するから、該重量物の持ち上げ状態を維持した運搬がいっそう容易になる。
滑り止め面7は、例えば、図4から図7に示すように、柔軟性やクッション性が異なる各種の樹脂薄層からなり、これらは衣類の種類および衣類用途に応じて適宜選択すればよい。図4に示す凸状の滑り止め面7は、抗滑り性を有する表面層16によって重量物をグリップし、ポリウレタンなどの弾性芯材22の介在によってクッション性を有する。凸状の滑り止め面7は、豊かなクッション性によって、重量物を運ぶ際に着用者8(図3)の腕や腹部の痛みや圧迫感を軽減することができる。滑り止め面7は、一般に、縫製後の衣類に熱圧着などで取り付ければよい。
図4に示す滑り止め面7について、補強用の織物生地12は、表面層16と同じ平面形状を有し、可撓性の表面層16の引裂き耐性を高めて立体成形時に裂けることを防止し、且つ滑り止め面7の機械的強度を増大させ、衣類への取付け後に洗濯耐性を付与する。この繊維生地は、表面層16が高伸縮性であるうえに特定の予熱温度および立体成形時の加圧・加熱を設定した場合には省略することも可能である。織物生地12は、一般に、ポリエステル、ナイロン、アクリル繊維などの比較的厚い織編物である。好ましくは、織物生地12は、比較的伸縮性が高いポリエステル天竺またはこれと同等品、スムースニット、2WAYトリコットなどである。
また、可撓性の弾性芯材22は、厚さが1〜10mmであり、表面層16と同じ平面形状を有する。弾性芯材22は、硬質や軟質の発泡ポリウレタン、ニードルフェルト、縮充フェルト、不織布、発泡ポリエチレンまたは発泡EVAであり、用途に応じて種類および厚みを選択すればよい。弾性芯材22が発泡ポリウレタンである場合には、その種類はGLタイプ(ハードタイプでローコスト)、USWタイプ(ソフトタイプ)などであり、その厚さは3mm、5mm、7mmなどである。
図4の凸状滑り止め面7は、例えば、各平行短辺10(図1)に相当する平面形状を有し、表面層16では部分的に上方へ浅く突き出ており、この突出中央から周辺の縁取り部32へなだらかに下降するのが一般的な断面形態である。凸状滑り止め面7において、表面層16、織物生地12および弾性芯材22は、少なくとも全周辺において相互密着の縁取り部32を有し、該縁取り部は、例えば幅1〜5mmで厚みが0.3〜1.0mmであると好ましい。
図5に示す滑り止め面37を形成するには、抗滑り性を有する図柄層を設けた多層転写シート39(図11)を使用する。転写シート39は、衣類の所定個所において熱転写すればよい。この滑り止め面は、一般に、縫製前の裁断布片に転写加工するが、縫製後の衣類への転写加工も可能である。
図6に示す滑り止め面を形成するには、抗滑り処理を施したテープ生地またはシームテープを使用する。裁断テープ片50は、ホットメルト樹脂の付与ないしホットメルト接着シートの重ね合わせによる融着または縫着すればよい。、その後にテープ片全体を加熱・加圧することにより、滑り止め面48を形成する。この滑り止め面は、一般に、縫製前の裁断布片に取り付けるが、縫製後の衣類への取り付けも可能である。
図6に示す滑り止め面は、抗滑り性を有するラバー系インクをダイレクトスクリーン印刷法によって形成する。この滑り止め面は、一般に、縫製前の裁断布片にプリント加工すればよい。
次に、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。図1の作業着1において、長袖3,3の前腕部5および上腕部6の表側に平らな滑り止め面7を貼り付けて固着する。滑り止め面7は、前腕部5と上腕部6において、それぞれ2本の細長い平行短片10,10の組で構成し、各平行短片は長袖3の表側全体に亘っている。滑り止め面7は、図4に示すような断面形状を有する立体ウレタン成形品タイプである。
滑り止め面7(図4)を製造するには、ポリエステル天竺などの織物生地12を用いる。図8において、長寸の織物生地12の表面には、まずシリコンインクと相性の良い2液型溶剤タイプのウレタンインクをスクリーン印刷法によってプライマー層14を形成し、この印刷には200〜300メッシュのスクリーン板を用いる。このプライマー層は、多色刷などによって意匠性を高めることもできる。
次に、抗滑り性の表面層16として、シランカップリング剤を添加したシリコンインクを用い、該表面層をスクリーン印刷法によってプライマー層14上に積層し、この印刷には70〜100メッシュのスクリーン板を用いる。シリコンインクは2液性であり、乾燥温度80℃〜120℃、1分〜5分で指触乾燥が完了する。シリコンインクの抗滑り層16は、プライマー層14の介在によって織物生地12との接合力が強い。
一方、織物生地12の裏面には、ホットメルト接着樹脂をスクリーン印刷法によって一次接着層18を形成し、この印刷には70メッシュのスクリーン版を用いる。一次接着層18は、通常、シリコンインクを生地表面に印刷する前に形成するけれども、その印刷の後に形成することも可能である。後者の場合には、ホットメルト接着シートをシリコンインクの印刷後の織物生地12に転写すればよい。層14,16,18を積層した織物生地12は、100℃〜120℃のオーブンで4時間から6時間の乾燥を行い、多層シート20を得る。
長寸の多層シート20は、発泡ポリウレタンフォームである可撓性の平坦な弾性芯材22(図9)とともに、凹状金型24の凹型部25の平面形状に合わせて矩形状に裁断する。裁断した多層シート20および弾性芯材22は、図9に示すように裏返し、凹状金型24において加熱・加圧で立体成形され、一次接着層18を溶融させて相互に接着する。接着時のプレス条件は、温度200℃〜250℃、圧力3〜6kg/cmで30〜60秒間プレスする。この結果、矩形状の凸状の滑り止め素材26を得る。
次に、離型紙付きのホットメルト接着シートを、滑り止め素材26と同様の平面形状に裁断する。図10において、滑り止め素材26を再び凹状金型24内に載せて馴染ませ、その裏面に前記の接着シートを重ねてプレスで一体化させて裏面接着層28を形成する。このプレス条件は、温度90℃〜130℃、圧力3〜6kg/cmで5秒〜15秒間である。この結果、凸状の滑り止め素材26の裏面に離型紙付きの感熱接着層28が積層され、最後に平行短片10の平面形状に合わせた抜き型(図示しない)によって縁取り付きの抜き加工を行い、凸状の滑り止め片30(図10)を完成する。
得た凸状の滑り止め片30は、その裏面において感熱接着層28を有する。凸状の滑り止め片30は、抗滑り性の表層層16、繊維生地12、弾性芯材22および裏面接着層28で構成し、その全周辺において2mm幅の縁取り部32(図4)を有し、該縁取り部の厚みは0.8mmである。
凸状の滑り止め片30は、離型紙を剥がしてから、熱転写機やアイロンなどを用いて、感熱接着層28によって長袖3の前腕部5および上腕部6の表側に熱圧着すると、所定の滑り止め面7を形成する。この熱圧着条件は、温度150℃〜180℃・圧力1〜3kg/cmで時間10〜30秒である。各滑り止め面7は、全体がソフトな感触であるうえに豊かな立体感がある。
作業着1において、滑り止め面7の取付位置は、長袖前腕部5と上腕部6に分け、滑り止め面7を有する作業着1は、図3に示すように、ダンボール箱、タイヤ、家具などの大型荷物33を持ち上げたり、該荷物を持ち運ぶ際に、該荷物の側面が滑り止め面7と接触して滑り難くなる。凸状の滑り止め面7は、着用者8(図3)の腕の動きに追随できる柔軟で凸状の樹脂薄層であり、クッション性があるので、荷物を運ぶ際に着用者8の腕や腹部の痛みや圧迫感を軽減することができる。
実施例1で成形した矩形状の凸状の滑り止め素材26は、そのまま滑り止め面の平面形状に合わせた抜き型によって縁取り付きの抜き加工を行うと、接着層を有しない凸状の滑り止め片(図示しない)を製造できる。この凸状の滑り止め片は、ミシン縫製によって長袖白衣2(図2)の所定個所に縫着し、該白衣の長袖34において滑り止め面36を所定の位置に形成できる。
白衣2は、病院や老人ホームにおける医療白衣として、さらに介護施設における介護服などとしても使用できる。白衣2を着用すると、要介護者が歩行や起居を行う際にその着衣または肌の表面が滑り止め面36に接触することで、着用者が要介護者の動作を容易に介助するができる。
実施例2で製造した接着層を有しない凸状の滑り止め片を、接着樹脂ラミネート加工法によって衣類の所定個所に熱圧着する。接着樹脂ラミネート加工法では、この凸状の滑り止め片を裏返し、弾性芯材22の表面に接着樹脂を散布または塗布してから、加熱・加圧によって衣類の所定個所に接着する。接着樹脂ラミネート加工法は、弾性芯材22の発泡ウレタン中で熱に対する反応が鈍いものについて、実施例5のフレームラミネート加工法が実施できない場合に選択する。例えば、連続気泡の発泡ウレタンを接着樹脂ラミネート加工法によって被着体に接着すると、凸状の滑り止め片の通気性を維持できる。
実施例2で製造した接着層を有しない凸状の滑り止め片を、スパンファブラミネート加工法によって衣類の所定個所に熱圧着する。スパンファブラミネート加工法は、弾性芯材22が不織布または発泡EVAである場合に適用する。スパンファブラミネート加工法では、目付12g/m±10%のクモの巣状の熱融着性不織布を使用し、被着体である織編物生地に接着する際に、この薄い不織布を間に挟み込んで加熱・加圧し、該不織布を溶かして貼り合わせる。スパンファブラミネート加工法は、全体が軽量であり、通気性を保持できる。
実施例2で製造した接着層を有しない凸状の滑り止め片を、弾性芯材22の発泡ウレタン中で熱と反応するものについて、フレームラミネート加工法によって衣類の所定個所に熱圧着する。フレームラミネート加工法では、この凸状の滑り止め片において、裏側の弾性芯材22である発泡ポリウレタンの表皮0.5mmをバーナーで炙って溶かし、そのまま衣類に熱圧着する。このフレームラミネート加工法は低コストであり、融着用樹脂などを使用しないので、滑り止め面がごわつかず、樹脂の染み出しなどが発生しないという利点がある。
図5に示す滑り止め面37として、図11に示す多層転写シート39を採用する。転写シート39は、離形層を全面に施した100μのポリエステルフィルムのベースシート38の上に、抗滑り性を有する図柄層40、バックアップ層42、プライマー層44、接着層46を有し、これらの層はスクリーン印刷法によって順次積層される。転写シート39は、衣類の所定個所において熱転写され、滑り止め面37を形成する。
図6に示す滑り止め面48として、抗滑り性を有する可撓性のテープ生地を採用し、該テープ生地を所定の平面形状に裁断する。このテープ生地には、表面においてシリコン樹脂による抗滑り層51が形成されている。裁断テープ片50の裏面にホットメルト樹脂の散布や塗布ないしホットメルト接着シートの重ね合わせ、その後にテープ片全体を加熱・加圧することにより、滑り止め面48を形成する。前記の裁断テープ片は、その周囲を衣類に直接縫着することも可能である。
図7に示す滑り止め面52として、抗滑り性を有するラバー系インクを採用し、該インクをスクリーン印刷法によって衣類の所定個所に印刷して乾燥し、抗滑り性のインク層54によって滑り止め面52を形成する。
1 作業着
2 白衣
3 長袖
5 前腕部
6 上腕部
7 滑り止め面
12 織物生地
16 抗滑り性の表面層
22 弾性芯材
26 凸状の滑り止め素材
30 凸状の滑り止め片

Claims (10)

  1. 長袖の前腕部および上腕部の少なくともいずれかの表側に滑り止め面を有する衣類であって、滑り止め面は着用者の腕の動きに追随できる柔軟な樹脂薄層からなり、該滑り止め面を融着または縫着によって長袖表側の所定個所に貼り付けることにより、重量物を運搬する際に該重量物の表面が長袖の滑り止め面に接触することで滑落の防止が可能である重量物の運搬に適した衣類。
  2. 凸状の滑り止め面は、抗滑り性を有する可撓性の表面層と、表面層の下側で該表面層に接着した補強用の繊維生地と、繊維生地の下側に接着した可撓性の弾性芯材とを積層した所定の平面形状の滑り止め素材からなり、該滑り止め素材をそのまままたはさらに裏面に熱融着性の接着シートを重ね合わて積層し、全体を抜き加工することにより、凸状の滑り止め片はその周辺において縁取り部を有する請求項1記載の衣類。
  3. 裏面接着層を有する凸状の滑り止め片は、抜き加工の後に、加熱・加圧によって裏面接着層を溶融して滑り止め面を衣類の所定個所に取り付ける請求項2記載の衣類。
  4. 裏面接着層を有しない凸状の滑り止め片は、抜き加工の後に、裏側の弾性芯材を表面溶融してから加圧するか、またはホットメルト樹脂の付与ないしホットメルト接着シートの重ね合わせの後に加熱・加圧することによって滑り止め面を衣類の所定個所に取り付ける請求項2記載の衣類。
  5. 裏面接着層を有しない凸状の滑り止め面は、その周囲を縫着することによって滑り止め面を衣類の所定個所に取り付ける請求項2記載の衣類。
  6. 滑り止め面として、ベースシート上に、抗滑り性を有する図柄層と、該図柄層の下側に配置する中間層と、裏面に形成する接着層とを設けた所定の平面形状の転写シートを用い、該転写シートを衣類の所定個所に熱転写する請求項1記載の衣類。
  7. 滑り止め面として、抗滑り性を有する可撓性のテープ生地を用い、該テープ生地を所定の平面形状に裁断し、この裁断テープ片についてその周囲を縫着するか、またはホットメルト樹脂の付与ないしホットメルト接着シートの重ね合わせの後に加熱・加圧することによって衣類の所定個所に貼り付ける請求項1記載の衣類。
  8. 滑り止め面として、抗滑り性を有するラバー系インクを用い、該インクをスクリーン印刷法によって衣類の所定個所に印刷して乾燥する請求項1記載の衣類。
  9. 長袖の前腕部および上腕部の少なくともいずれかの表側に滑り止め面を有する作業着であって、滑り止め面は着用者の腕の動きに追随できる柔軟な樹脂薄層からなり、該滑り止め面を融着または縫着によって長袖表側の所定個所に取り付けることにより、大型荷物を運搬する際に該重量物の表面が長袖の滑り止め面に接触することで滑落の防止が可能である大型荷物の運搬用作業着。
  10. 長袖の前腕部および上腕部の少なくともいずれかの表側に滑り止め面を有する介護服であって、滑り止め面は着用者の腕の動きに追随できる柔軟な樹脂薄層からなり、該滑り止め面を融着または縫着によって長袖表側の所定個所に取り付けることにより、要介護者が歩行や起居を行う際にその着衣または肌の表面が長袖の滑り止め面に接触することで動作の介助が容易である介護服。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2021085117A (ja) * 2019-11-27 2021-06-03 倉敷紡績株式会社 作業服

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