JP3143115U - ポケット係合部材 - Google Patents

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Abstract

【課題】ポケットから物が落ちないよう確実な係合を保持する一方、ポケットの開閉の煩わしさを解消し、加熱プレスによっても損傷しないポケット係合部材を提供する。
【解決手段】衣服のポケット40とフラップ50、又は衣服のポケットと背面部材を係合する係合部材10であって、基材1の表面に雌雄の係合素子2,3が隔離されて形成され、裏面の一部を衣服に貼着する第1の部材20と、基材の表面に雌の係合素子2が形成され、裏面全体を衣服に貼着する第2の部材30と、を有し、非係合状態と係合状態にすることができる。
【選択図】図4

Description

本考案は、衣服のポケットとフラップ、又は衣服のポケットと背面部材を係合する係合部材に関するものである。
従来から、衣服を構成する布、革などの接合部にはファスナが用いられている。しかし、昨今は、基材表面に形成された多数のループを係合素子とする雌面ファスナと、多数のフック又はキノコを係合素子とする雄面ファスナとからなり、雌面ファスナと雄面ファスナとを接触させて押圧すると、それらのループとフック又はキノコが強固に係合するとともに、雌面ファスナと雄面ファスナを剥離すると容易に分離する面ファスナが、取り付けの容易性、使用の簡便性から多用されつつある。
特に、衣服の分野においては、インフォーマルな衣服、ジャンパ、防寒着、作業衣、スポーツ用衣服、シャツなどのポケットの係合に、ボタンにかえて、面ファスナを用いることが一般化している(例えば、特許文献1参照)。
また、ポケットに収容する物の大きさに応じて4つの面ファスナを用いてポケットを分割する方法(特許文献2参照)や、安全帯を着用する作業に使用する作業衣の前身頃と後身頃との間にスリットを設け、そのスリットを経由して安全帯を締め、スリットは面ファスナで係合する方法(特許文献3参照)なども提案されている。
一方、面ファスナを取り付けた衣服を、洗濯し、加熱プレスすると雄面ファスナを損傷させることから、係合させる布地双方に雌面ファスナを取り付け、双方を両面雄ファスナを介して係合させる一方、洗濯したり、加熱プレス際には、両面雄ファスナを取り外して雌面ファスナ付の布地のみとすることにより加熱プレス可能とした結合構造(特許文献4参照)が提案されている。
実録3044888号 特開2000−16622号 実録3059056号 実公平6−37716号
しかしながら、衣服のポケットとフラップ、又は衣服のポケットと背面部材を係合する場合には、特許文献4で提案されている方法は適用できない。また、特許文献1などで提案されている、雌雄の面ファスナで係合する方法は、着用時に、雌雄の面ファスナが接触して容易に係合する反面、ポケットを使用するときには、その都度力を入れて雌雄の面ファスナを剥離する必要がある。このため、開閉する機会が多い場合や片手に物を持っていたり、手袋をしている場合などには、開閉が容易でなく、ポケットの開閉を煩わしく感じることが多い。
本考案は、上記事情に鑑み、ポケットから物が落ちないよう確実な係合を保持する一方、ポケットの開閉の煩わしさを解消し、しかも加熱プレスによっても損傷しないポケット係合部材を提供することを目的とする。
本考案のポケット係合部材は、衣服のポケットとフラップ、又は衣服のポケットと背面部材を係合する係合部材であって、基材の表面に雌雄の係合素子が隔離されて形成され、裏面の一部を衣服に貼着する第1の部材と、基材の表面に雌の係合素子が形成され、裏面全体を衣服に貼着する第2の部材と、を有することを特徴とする。
このように、ポケット係合部材の一方を、雌雄の係合素子を隔離して形成し、裏面の一部のみを衣服に貼着すれば、裏面の他の部分をフリーにすることができる。
したがって、上記第1の部材の上記雌雄の係合素子相互を係合させる非係合状態と、該雌雄の係合素子のうちの雄の係合素子を上記第2の部材の雌の係合素子に係合させる係合状態と、を有することができるので、選択によりポケットの開閉を自由にすることができる。
ここで、上記第1の部材は、基材を谷折りする折り目の両側に雌雄の係合素子が対称に形成され、該雌雄の係合素子のうちの少なくとも雄の係合素子が形成された部分の裏面を衣服に貼着しているので、上記雌雄の係合素子相互を係合させ、非係合状態にすることができる。そうすれば、衣服を洗濯し、アイロンなどで加熱、加圧しても、雄の係合素子の損傷は防止できる。
また、上記第1の部材及び第2の部材は、両面粘着テープ又は熱融着テープにより衣服に貼着することにすれば、衣服に容易に取り付けることができる。
さらに上記第1の部材の雌雄の係合素子のうちの雌の係合素子は、基材の端縁から所定距離隔てた位置に形成すれば、非係合状態の雌雄の係合素子を剥離する際にそこをつかむことができるので、便利である。
本考案のポケット係合部材は、係合状態にすることによりポケットから物が落下等するのを防止できる一方、容易に非係合状態にすることができるので、ポケットを頻繁に開閉する際の煩わしさが解消できる。また、非係合状態にすれば、雄の係合素子が保護されるので、加圧、加熱する際の損傷を防止できる。また、裏面に両面粘着テープ又は熱融着テープを予め接着しておけば、衣服への取り付けが容易になる。
以下に、本考案のポケット係合部材の実施形態について説明する。
図1〜図3は、本実施形態のポケット係合部材を示す図であり、図1は、第1の部材及び第2の部材それぞれを係合素子側から見たときの平面図、図2は、第1の部材及び第2の部材それぞれの側面図、図3は、第2の部材の雌雄の係合素子相互を係合させた非係合状態の側面図を示す。
図1〜図3に示すように、本実施形態の係合部材10は、第1の部材20と第2の部材30とを有する。
第2の部材30は、基材1と、基材1の表面全体に帯状に形成された雌の係合素子2と、基材1の裏面全体に接着された、両面粘着テープ4と、で構成されている。なお、両面粘着テープ4のうちの基材1に接着されていない面は、シリコン処理された紙などで保護されており、衣服に貼着するときに、その紙を剥離する。
第1の部材20は、基材1と、基材1の表面の一方の側に帯状に形成された雄の係合素子3と、基材1の他方の側に帯状に形成された雌の係合素子2と、基材1を谷折りする、雌雄何れの係合素子も形成されていない領域6、7と、雄の係合素子3が形成された帯状の領域の裏側のみに接着された両面粘着テープ4と、で構成されている。なお、両面粘着テープ4のうちの基材1に接着されていない面は、シリコン処理された紙などで保護されており、衣服に貼着するときに、その紙を剥離する。
このように、第1の部材20は、雌の係合素子2が帯状に形成された領域と雌雄何れの係合素子も形成されていない領域6の双方の裏側には、両面粘着テープ4が接着されていないので、自由に谷折りすることができる。
また、第1の部材20は、雌雄何れの係合素子も形成されていない領域6の両側の対称な位置に雌の係合素子2と雄の係合素子3が形成されているので、図3に示すように、第1の部材20を谷折りしたときに、雌の係合素子2と雄の係合素子3相互が係合し、ポケット係合部材10を非係合状態にすることができる。
さらに、本実施形態のポケット係合部材10のように、第2の部材20の雌の係合素子2が、基材1の端縁から少し離れた位置に形成され、基材1の端縁との間に雌雄何れの係合素子も形成されていない領域7を有するので、雌の係合素子2を雄の係合素子3から容易に剥離することが可能となり、図3に示す非係合状態から図1又は図2に示す係合状態に容易に移行させることができる。
ここで、本実施形態の基材1には、裏面に両面粘着テープ4が接着されているが、両面粘着テープ4に代えて、熱融着テープとすることもできる。また、両面粘着テープ4や熱融着テープは必ずしも必要ではなく、接着剤により衣服に貼着してもよいし、ミシンなどで衣服に縫着してもよい。さらに、本実施形態のポケット係合部材10は、雌の係合素子2、雄の係合素子3それぞれが帯状に形成されているが、必ずしも帯状である必要はない。
図4〜図5は、本実施形態の係合部材が貼着された作業衣のポケットのフラップをあげた状態を一例として示す平面図であり、図4は、係合状態を示す図であり、図5は、非係合状態を示す図である。
図4に示すように、ポケット40の上部には帯状の雌の係合素子2が形成された第2の部材30が粘着テープなどで貼着されている。また、フラップ50をあげたフラップ裏面には、帯状の雌の係合素子2と雄の係合素子3とが形成された第1の部材20が粘着テープなどで貼着されている。第1の部材20は、基材1の裏面のうち、雄の係合素子3が形成された帯状の領域の裏面がフラップ50に貼着され、雌の係合素子2が形成された帯状の領域と、雌雄何れの係合素子も形成されていない領域6、7とは、フリーになっている。
第1の部材20と第2の部材30は、フラップ50を下げたときに、第1の部材20の雄の係合素子3が、第2の部材30の雌の係合素子2に係合するそれぞれの位置に貼着されているので、ポケット係合部材10は、係合状態になる。
図5に示すように、第1の部材20の雌雄何れの係合素子も形成されていない領域6で折り曲げ、雌の係合素子2が形成された帯状の領域を雄の係合素子3が形成された帯状の領域に重ね合わせ、雌雄の係合素子相互を係合させると、ポケット係合部材10は、非係合状態になる。その結果、第1の部材20と第2の部材30とは、互いに係合することができないので、ポケットの開閉がフリーになる。
本実施形態の第1の部材20は、フラップ50を下げた状態のとき、上部側に雄の係合素子3が、下部側に雌の係合素子2が、配置されるようにフラップ50裏面に貼着されるが、必ずしもこの配置である必要はなく、下部側に雄の係合素子3が、上部側に雌の係合素子2が、配置されるように貼着してもよいし、雌雄の係合素子が、左右に配置されるように貼着してもよい。ただし、いずれの場合であっても、フラップ50を下げたときに第1の部材20の雄の係合素子3が、第2の部材30の雌の係合素子2係合する位置及び向きにポケット係合部材10を貼着する必要がある。
図6〜図8は、本実施形態の係合部材が貼着されたシャツのポケットを一例として示す平面図であり、図6は、シャツのポケット裏面に貼着された第2の部材を示し、図7は、ポケットの背面部材に貼着された第1の部材の係合状態を示し、図8は、ポケットの背面部材に貼着された第1の部材の非係合状態を示している。
図6に示すように、シャツのポケット裏面60の上部には、第2の部材30が、基材1の裏面全体で貼着されている。
図7に示すように、ポケットの背面部材には、基材1の一方の側に矩形に形成された雄の係合素子3と、他方の側に矩形に形成された雌の係合素子2と、雌雄何れの係合素子も形成されていない領域6、7とを有する第1の部材20が、横方向に貼着されている。この第1の部材20は、雄の係合素子3が形成された帯状の領域の裏側のみで貼着され、雌の係合素子2が形成された領域や雌雄何れの係合素子も形成されていない領域6、7はフリーになっている。
図8に示すように、第1の部材20の雌雄何れの係合素子も形成されていない領域6を谷折りして、雌の係合素子2が形成された矩形の領域を、雄の係合素子3が形成された矩形の領域に重ね合わせる。雌雄の係合素子相互が係合するので、第1の部材20と第2の部材30とは非係合状態になり、ポケットの開閉はフリーになる。
本実施形態のポケット係合部材10は、雌の係合素子2、雄の係合素子3共に矩形をなしているが、必ずしも矩形である必要はない。また、第2の部材30は、雌雄の係合素子が、左右に配置されるようにして貼着されているが、必ずしもこの配置である必要はなく、上下に配置されるようにして貼着してもよい。ただし、いずれの場合であっても、第1の部材20の雄の係合素子3が、第2の部材30の雌の係合素子2と係合する位置及び向きに第1の部材20及び第2の部材30を貼着する必要がある。
衣料品のほか、シート、カーテン、小間物入れ、かばんなどの係合部材としても利用できる。
図1は、本実施形態のポケット係合部材の第1の部材及び第2の部材それぞれを係合素子側から見たときの平面図である。 図2は、本実施形態のポケット係合部材の第1の部材及び第2の部材それぞれの側面図である。 図3は、本実施形態のポケット係合部材の第2の部材の雌雄の係合素子相互を係合させた非係合状態の側面図である。 本実施形態の係合部材が貼着された作業衣のポケットのフラップをあげた、係合状態を示す平面図である。 本実施形態の係合部材が貼着された作業衣のポケットのフラップをあげた、非係合状態を示す平面図である。 図6は、シャツのポケット裏面に貼着された本実施形態の第2の部材を一例として示す平面図である。 図7は、ポケットの背面部材に貼着された本実施形態の第1の部材の係合状態を一例として示す平面図である。 図8は、ポケットの背面部材に貼着された第1の部材の非係合状態を一例として示す平面図である。
符号の説明
1 基材
2 雌の係合素子
3 雄の係合素子
4 両面粘着テープ
6、7 雌雄何れの係合素子も形成されない領域
10 ポケット係合部材
20 第1の部材
30 第2の部材
40 ポケット
50 フラップ
60 シャツのポケット裏面

Claims (5)

  1. 衣服のポケットとフラップ、又は衣服のポケットと背面部材を係合する係合部材であって、基材の表面に雌雄の係合素子が隔離されて形成され、裏面の一部を衣服に貼着する第1の部材と、基材の表面に雌の係合素子が形成され、裏面全体を衣服に貼着する第2の部材と、を有することを特徴とするポケット係合部材。
  2. 前記第1の部材の前記雌雄の係合素子相互を係合させる非係合状態と、該雌雄の係合素子のうちの雄の係合素子を前記第2の部材の雌の係合素子に係合させる係合状態と、を有することを特徴とする請求項1記載のポケット係合部材。
  3. 前記第1の部材は、基材を谷折りする折り目の両側に雌雄の係合素子が対称に形成され、該雌雄の係合素子のうちの少なくとも雄の係合素子が形成された部分の裏面を衣服に貼着することを特徴とする請求項1又は2記載のポケット係合部材。
  4. 前記第1の部材及び第2の部材は、両面粘着テープ又は熱融着テープにより衣服に貼着されることを特徴とする請求項1乃至3記載のポケット係合部材。
  5. 前記第1の部材の雌雄の係合素子のうちの雌の係合素子は、基材の端縁から所定距離隔てた位置に形成されたものであることを特徴とする請求項1乃至4記載のポケット係合部材。
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