JP2013234338A - 油圧作動油組成物 - Google Patents

油圧作動油組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP2013234338A
JP2013234338A JP2013177359A JP2013177359A JP2013234338A JP 2013234338 A JP2013234338 A JP 2013234338A JP 2013177359 A JP2013177359 A JP 2013177359A JP 2013177359 A JP2013177359 A JP 2013177359A JP 2013234338 A JP2013234338 A JP 2013234338A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hydraulic fluid
fluid composition
composition according
weight
amine
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2013177359A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5503066B2 (ja
Inventor
Katsumi Hashimoto
勝美 橋本
Akira Sasaki
章 佐々木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Idemitsu Kosan Co Ltd
Original Assignee
Idemitsu Kosan Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Idemitsu Kosan Co Ltd filed Critical Idemitsu Kosan Co Ltd
Priority to JP2013177359A priority Critical patent/JP5503066B2/ja
Publication of JP2013234338A publication Critical patent/JP2013234338A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5503066B2 publication Critical patent/JP5503066B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Lubricants (AREA)

Abstract

【課題】高圧化に伴う作動油の早期劣化やスラッジ発生などが効果的に防止され、長期間にわたって使用できる油圧作動油組成物を提供すること。
【解決手段】40℃の動粘度が10〜100mm2/secであるポリオレフィンに対し、組成物全量に基づき、(A)アミン系酸化防止剤0.01〜5重量%、(B)フェノール系酸化防止剤0.01〜5重量%、及び(C)リン酸エステル0.01〜5重量%を配合してなる油圧作動油組成物である。
【選択図】なし

Description

本発明は、油圧作動油組成物に関し、さらに詳しくは、高圧下での酸化安定性及び潤滑性能に優れ、長期間使用可能である油圧作動油組成物に関するものである。
油圧作動油は、油圧機器や装置などの油圧システムにおける動力伝達,力の制御,緩衝などの作動に用いられる動力伝達流体であり、また、摺動部分を潤滑する機能も果たしている。
ところで、最近の油圧機器は小型化かつ高出力化が進んでおり、それに伴い、作動圧力は一段と高圧となり(例えば、従来14〜20MPaであったものが、現在では30MPa以上となる。)、一方油タンクは小容量となってきている。そのため、作動油が受ける熱負荷はこれまで以上に厳しくなり、早期劣化,スラッジ発生,異臭,シリンダーのビビリ現象,作動不良などが問題となってきた。
従来、油圧作動油には、酸化防止能と潤滑性能を合わせもつアルキルジチオリン酸亜鉛(ZnDTP)が使用されてきた。しかしながら、このような油圧作動油においては、該ZnDTPが高圧化に伴って気泡の圧縮熱により生じる局部的高温部で熱分解し、その結果、スラッジの発生、このスラッジによる作動不良、あるいは異臭などを引き起こすという問題があった。
そこで、このような問題を解消するために、ZnDTPと金属系清浄剤との併用が検討されたが、寿命の点で充分ではなく、また、高圧化による作動時のシリンダーのビビリ現象の問題も未解決であった。
本発明は、このような状況下で、高圧化に伴う作動油の早期劣化やスラッジ発生などが効果的に防止され、長期間にわたって使用できる油圧作動油組成物を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、前記の好ましい性質を有する油圧作動油組成物を開発すべく鋭意研究を重ねた。その結果、特定の性状の基油に対し、アミン系酸化防止剤,フェノール系酸化防止剤,及びリン酸エステルを、それぞれ所定の割合で配合することにより、高圧下での酸化安定性及び潤滑性能が向上し、その目的を達成しうることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明は、下記(1)〜(10)に関する。
(1)40℃の動粘度が10〜100mm2/secであるポリオレフィンに対し、組成物全量に基づき、(A)アミン系酸化防止剤0.01〜5重量%、(B)フェノール系酸化防止剤0.01〜5重量%、及び(C)リン酸エステル0.01〜5重量%を配合してなる油圧作動油組成物。
(2)前記ポリオレフィンが、α−オレフィン単独重合体である、上記(1)に記載の油圧作動油組成物。
(3)(A)アミン系酸化防止剤と(B)フェノール系酸化防止剤との含有割合((A):(B)(重量比))が、1:9〜1:1である、上記(1)又は(2)に記載の油圧作動油組成物。
(4)アルキルジチオリン酸亜鉛(ZnDTP)を含有しない、上記(1)〜(3)のいずれかに記載の油圧作動油組成物。
(5)(C)成分のリン酸エステルが、炭素数3〜30のアルキル基もしくはアルケニル基を有する脂肪族リン酸エステル、もしくはそれらのアミン塩、及び炭素数6〜30のアリール基を有する芳香族リン酸エステルから選ばれる一種又は二種以上である、上記(1)〜(4)のいずれかに記載の油圧作動油組成物。
(6)前記ポリオレフィンの粘度指数が100以上である、上記(1)〜(5)のいずれかに記載の油圧作動油組成物。
(7)(A)成分のアミン系酸化防止剤が、炭素数3〜20のアルキル基を有するアルキル化ジフェニルアミンである、上記(1)〜(6)のいずれかに記載の油圧作動油組成物。
(8)(B)成分のフェノール系酸化防止剤が単環フェノール類である、上記(1)〜(7)のいずれかに記載の油圧作動油組成物。
(9)(C)成分のリン酸エステルが芳香族リン酸エステルである、上記(1)〜(8)のいずれかに記載の油圧作動油組成物。
(10)作動圧力が30MPa以上の油圧機器に使用されるものである、上記(1)〜(9)のいずれかに記載の油圧作動油組成物。
また、本発明の関連発明としては、下記(1A)〜(7A)が挙げられる。
(1A)%CA 5以下の基油に対し、組成物全量に基づき、(A)アミン系酸化防止剤0.01〜5重量%、(B)フェノール系酸化防止剤0.01〜5重量%、及び(C)リン酸エステル0.01〜5重量%を配合してなる油圧作動油組成物。
(2A)(C)成分のリン酸エステルが、炭素数3〜30のアルキル基もしくはアルケニル基を有する脂肪族リン酸エステル、もしくはそれらのアミン塩、及び炭素数6〜30のアリール基を有する芳香族リン酸エステルから選ばれる一種又は二種以上である上記(1A)記載の油圧作動油組成物。
(3A)基油が、40℃における動粘度2〜500mm2/secであり、かつ粘度指数100以上のものである上記(1A)又は(2A)記載の油圧作動油組成物。
(4A)(A)成分のアミン系酸化防止剤が炭素数3〜20のアルキル基を有するアルキル化ジフェニルアミンである上記(1A)〜(3A)のいずれかに記載の油圧作動油組成物。
(5A)(B)成分のフェノール系酸化防止剤が単環フェノール類である上記(1A)〜(4A)の油圧作動油組成物。
(6A)(C)成分のリン酸エステルが芳香族リン酸エステルである上記(1A)〜(5A)の油圧作動油組成物。
(7A)作動圧力が30MPa以上の油圧機器に使用される上記(1A)〜(6A)の油圧作動油組成物。
本発明の油圧作動油組成物は、高圧下での酸化安定性及び潤滑性能に優れることから、高圧化に伴う作動油の早期劣化やスラッジ発生などを効果的に防止して、長期間にわたって使用できる。
したがって、本発明の油圧作動油組成物は、例えば建設機械や一般産業機械の油圧装置、あるいは水門,水力発電機等の油圧機器などの作動油として好適に用いられる。
本発明の組成物においては、基油として、%CA 5以下のものが用いられる。この%CA が5を超えるものでは、酸化安定性、特に瞬時の局部的高温熱履歴に対する安定性が悪い。このような酸化安定性の面から、特に%CA 3以下のものが好ましい。なお、この%CA はn−d−M環分析法により測定した値である。
また、この基油は、40℃における動粘度2〜500mm2/secの範囲にあるものが好ましい。この動粘度が2mm2/sec未満では潤滑性能に劣り、異常摩耗や焼付が生じるおそれがあり、また火災の危険性が高い。一方、500mm2/secを超えると低温時における粘性抵抗が大きくなり、ポンプへの吸込みが困難となって機械の作動不良をもたらすおそれがある。潤滑性能,火災の危険性及び低温時の粘性抵抗などの面から、より好ましい動粘度は10〜100mm2/secの範囲である。
本発明の組成物においては、基油として、%CA 及び40℃における動粘度が上記条件を満たすとともに、粘度指数100以上のものを用いるのが、作動油組成物の性能の点から特に好ましい。粘度指数100未満では高温時に粘度が低くなり、潤滑性能が低下し、一方低温時には粘度が高くなり、ポンプの吸込み不良をもたらす。粘度指数100以上では温度による粘度変化が少なく、特に低温から高温までの使用可能温度領域が広くなる。この効果は粘度指数110以上の基油で顕著に認められる。通常の基油にポリマーを配合して高粘度指数化したものは、使用中にポリマーが切断されて粘度指数が低下するが、上記基油には、このような現象は全く認められない。
このような基油としては、例えば常圧蒸留残油や燃料油の脱硫工程で得られる残油を原料とし、減圧蒸留,溶剤脱れき,脱ろう処理を行い、さらに水素化仕上げ,水素化改質、場合によっては溶剤抽出,硫酸処理,白土処理などして得られるパラフィン系基油又はパラフィン系高粘度指数基油、さらにはスラックワックス分の水素化分解によって得られるパラフィン系高粘度指数基油などを挙げることができる。
本発明の組成物においては、上記鉱油系の基油以外にも、合成油系の基油を用いることができる。この合成油としては、例えば、ポリブテン,ポリオレフィン〔α−オレフィン単独重合体や共重合体(例えばエチレン−α−オレフィン共重合体)など〕,各種のエステル(例えば、ポリオールエステル,二塩基酸エステルなど),各種のエーテル,ポリグリコールなどが挙げられる。これらのうち、特にポリオレフィン,ポリオールエステルが好ましい。
これらの基油は一種のみ用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の組成物における(A)成分のアミン系酸化防止剤については特に制限はなく、従来公知のものを用いることができる。このアミン系酸化防止剤としては、例えばジフェニルアミン系のもの、具体的にはジフェニルアミンや、モノオクチルジフェニルアミン;モノノニルジフェニルアミン;4,4’−ジブチルジフェニルアミン;4,4’−ジヘキシルジフェニルアミン;4,4’−ジオクチルジフェニルアミン;4,4’−ジノニルジフェニルアミン;テトラブチルジフェニルアミン;テトラヘキシルジフェニルアミン;テトラオクチルジフェニルアミン;テトラノニルジフェニルアミンなどの炭素数3〜20のアルキル基を有するアルキル化ジフェニルアミンなど、及びナフチルアミン系のもの、具体的にはα−ナフチルアミン;フェニル−α−ナフチルアミン、さらにはブチルフェニル−α−ナフチルアミン;ヘキシルフェニル−α−ナフチルアミン;オクチルフェニル−α−ナフチルアミン;ノニルフェニル−α−ナフチルアミンなどの炭素数3〜20のアルキル置換フェニル−α−ナフチルアミンなどが挙げられる。
これらの中で、ナフチルアミン系よりジフェニルアミン系の方が瞬時の高温熱履歴に対して効果が高く、特に炭素数3〜20のアルキル基を有するアルキル化ジフェニルアミン、とりわけ4,4’−ジ(C3〜C20アルキル)ジフェニルアミンが好適である。
これらのアミン系酸化防止剤は単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。また、その配合量は、組成物全量に基づき、0.01〜5重量%の範囲で選定される。この量が0.01重量%未満では該酸化防止剤を配合した効果が充分に発揮されないおそれがあり、一方5重量%を超えるとその量の割には効果の向上が認められず、むしろ低温時にこのものが析出することがあり、また経済的にも不利である。酸化防止剤としての効果、低温時での析出抑制及び経済性などの面から、このアミン系酸化防止剤の好ましい配合量は、組成物全量に基づき、0.1〜2重量%の範囲である。
本発明の組成物における(B)成分のフェノール系酸化防止剤については特に制限はなく、従来公知のものを用いることができる。このフェノール系酸化防止剤としては、例えば2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール;2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノール;2,4,6−トリ−tert−ブチルフェノール;2,6−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシメチルフェノール;2,6−ジ−tert−ブチルフェノール;2,4−ジメチル−6−tert−ブチルフェノール;2,6−ジ−tert−ブチル−4−(N,N−ジメチルアミノメチル)フェノール;2,6−ジ−tert−アミル−4−メチルフェノール;n−オクタデシル−3−(4’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェニル)プロピオネートなどの単環フェノール類、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール);4,4’−イソプロピリデンビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール);2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール);4,4’−ビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール);4,4’−ビス(2−メチル−6−tert−ブチルフェノール);2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール);4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール);2,2’−チオビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール);4,4’−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)などの多環フェノール類などが挙げられる。
これらの中で、高圧下での瞬時の高温熱履歴に対して効果が高い点から、単環フェノール類が好適である。
これらのフェノール系酸化防止剤は単独で用いてもよく、二種以上を組み合せて用いてもよい。また、その配合量は、組成物全量に基づき、0.01〜5重量%の範囲で選定される。この量が0.01重量%未満では該酸化防止剤を配合した効果が充分に発揮されないおそれがあり、一方5重量%を超えるとその量の割には効果の向上が認められず、むしろ低温時にこのものが析出することがあり、また経済的にも不利である。酸化防止剤としての効果、低温時での析出抑制及び経済性などの面から、このフェノール系酸化防止剤の好ましい配合量は、組成物全量に基づき、0.1〜2重量%の範囲である。
本発明においては、上記のアミン系酸化防止剤とフェノール系酸化防止剤とを併用することが必要であり、これにより、高圧下での瞬時の高温熱安定性が飛躍的に向上する。該アミン系酸化防止剤とフェノール系酸化防止剤との使用割合は、重量比1:9ないし9:1の範囲で適宜選定するのがよい。
本発明の組成物においては、(C)成分としてリン酸エステルが用いられる。このリン酸エステルは、潤滑性能を向上させるためのものであり、その種類については特に制限はなく、従来、極圧剤などとして使用されている公知のものを用いることができる。このようなものとしては、例えばトリイソプロピルホスフェート,トリブチルホスフェート,トリヘキシルホスフェート,トリ−2−エチルヘキシルホスフェート,トリラウリルホスフェート,トリステアリルホスフェート,トリオレイルホスフェートなどの炭素数3〜30のアルキル基もしくはアルケニル基を有する脂肪族リン酸エステル、もしくはそれらのアミン塩、さらにはトリフェニルホスフェート,トリクレジルホスフェート,トリキシレニルホスフェートなどの炭素数6〜30のアリール基を有する芳香族リン酸エステルなどが挙げられる。
これらの中で、特に芳香族リン酸エステルが、高温熱安定性及び摩耗防止効果に優れるなどの点から好適である。
このリン酸エステルは単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。また、その配合量は、組成物全量に基づき、0.01〜5重量%の範囲で選ばれる。この量が0.01重量%未満では焼付防止や摩耗防止効果が充分に発揮されないおそれがあり、また、5重量%を超えるとその量の割には効果の向上が認められず、むしろ経済的に不利となる。焼付防止や摩耗防止効果及び経済性などの面から、このリン酸エステルの好ましい配合量は、組成物全量に基づき、0.1〜2重量%の範囲である。
本発明の組成物においては、必要に応じて、さらに、(D)成分として、脂肪酸アミド及び/又は多価アルコールエステルを用いてもよい。この(D)成分は、主としてシリンダーのビビリ現象を防止する作用を有するものであり、脂肪酸アミドとしては、例えばイソステアリン酸トリエチレンテトラミド,イソステアリン酸テトラエチレンペンタミド,オレイン酸ジエチレントリアミド,オレイン酸ジエタノールアミドなど、炭素数1〜24の飽和若しくは不飽和脂肪酸と脂肪族アミン,芳香族アミン,ポリアルキレンポリアミンなどとの反応物が挙げられる。一方、多価アルコールエステルとしては、例えばトリメチロールプロパンモノオレエート,トリメチロールプロパンジオレエート,ペンタエリスリトールモノオレエート,ペンタエリスリトールテトラオレエート,オレイン酸モノグリセリド,ソルビタンモノオレエート,ソルビタンセスキオレエートなど、ネオペンチルグリコール,トリメチロールプロパン,ペンタエリスリトール,ジペンタエリスリトール,ソルビタン,ソルビトール,グリセリンなどの多価アルコールと炭素数1〜24の飽和若しくは不飽和脂肪酸との完全又は部分エステルなどを挙げることができる。
本発明の組成物においては、この(D)成分として、上記の脂肪酸アミドを単独で用いても、二種以上を組み合せて用いてもよく、また、多価アルコールエステルを単独で用いても、二種以上を組み合わせて用いてもよい。さらには、脂肪酸アミド一種以上と多価アルコールエステル一種以上とを併用してもよい。
この(D)成分の配合量は、組成物全量に基づき、0.001〜5重量%の範囲で選定される。この量が0.001重量%未満ではシリンダーのビビリ現象防止効果が充分に発揮されないおそれがあり、一方5重量%を超えるとその量の割には効果の向上が認められず、むしろ酸化安定性が低下するとともに、経済的にも不利となる。シリンダーのビビリ現象防止効果、酸化安定性及び経済性などの面から、この(D)成分の好ましい配合量は、組成物全量に基づき、0.01〜2重量%範囲である。また、(D)成分として、脂肪酸アミドと多価アルコールエステルとの併用がシリンダーのビビリ現象防止の点で好ましい。この際、脂肪酸アミドと多価アルコールエステルとの使用割合は、重合比5:95ないし95:5の範囲で適宜選ぶのがよい。
本発明の油圧作動油組成物には、本発明の目的が損なわれない範囲で、必要に応じてその他の添加剤、例えばポリメタクリレートやα−オレフィン系共重合体などの粘度指数向上剤、ポリメタクリレートや、塩素化パラフィンとナフタレンとの縮合物などの流動点降下剤、各種脂肪酸類,アルコール類,エステル類など油性剤、アルカリ金属又はアルカリ土類金属のスルホネート,フェネート,ホスフォネート,サリチレートなどの金属系清浄剤、コハク酸イミド類,ホウ素含有コハク酸イミド類,ベンジルアミン類,ホウ素含有ベンジルアミン類などの無灰系分散剤、硫化油脂,ポリスルフィド,アルキルリン酸エステルアミン塩,塩素化パラフィンなどの極圧剤、アルケニルコハク酸エステルやスルホネート類などの防錆剤、ベンゾトリアゾール誘導体やチアジアゾール誘導体などの金属不活性化剤、シリコーンオイル,ポリアクリレート,有機フッ素化合物などの消泡剤などを適宜配合することができる。
各添加剤の配合量は、通常組成物全量に基づき0.01〜5重量%、好ましくは0.01〜2重量%の範囲である。
本発明の油圧作動油組成物は、高圧下での酸化安定性及び潤滑性能に優れ、特に作動圧力が30MPa以上の油圧機器に好適に用いられる。そして、高圧化に伴う作動油の早期劣化やスラッジ発生などを効果的に防止して長期間にわたって使用することができる。
次に、本発明を実施例によりさらに詳しく説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
実施例1〜5及び比較例1〜4
基油として、以下に示す性状を有する基油I〜IIIを用いた。
基油I:水素化改質油;40℃動粘度46mm2/sec,粘度指数120,%CA 0.1
基油II:水素化仕上げ油;40℃動粘度46mm2/sec,粘度指数105,%C A 2.5
基油III:溶剤精製油;40℃動粘度46mm2/sec,粘度指数98,%CA 7.0
(%CA:n−d−M環分析法による)
第1表に示す組成の油圧作動油を調製し、その性能を以下に示す方法に従って評価した。結果を第1表に示す。
<性能評価>
(1)高圧熱安定性試験
高圧用ポンプを用いた油圧回路において、タンクに空気を吹込み、気泡を含んだ油を瞬時に35MPaまで昇圧して気泡の圧縮熱で局部的に熱履歴を与えた。そして、作動油の高圧時の熱安定性を、720時間後に油中に発生したスラッジ量(ミリポア値)を測定することで評価した。
(2)ポンプの摩耗試験
ベーンポンプ(ビッカース社製,V−104C)を用いて、14MPa,250時間後のベーンとカムリングの摩耗量を測定した。
Figure 2013234338
Figure 2013234338
〔注〕
アミン系酸化防止剤:4,4’−ジオクチルジフェニルアミン
フェノール系酸化防止剤:2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール
リン酸エステル:トリクレジルホスフェート
脂肪酸アミド:イソステアリン酸トリエチレンテトラミド
多価アルコールエステル:ソルビタンモノオレエート
その他:防錆剤,金属不活性化剤,粘度指数向上剤,無灰分散剤など
第1表から、以下に示すことが分かる。すなわち、実施例1〜5は、比較例1,2及び3と比べて、高圧熱安定性に優れており(低スラッジ量)、かつ、耐摩耗性も良好である。比較例4は、ポンプの耐摩耗性が不良である。
実施例5は%CA 2.5の基油を使用したものであるが、高圧熱安定性は比較的良好である。これに対し、%CA 7.0の基油を使用した比較例1は、高圧熱安定性が著しく劣っている。
比較例5
市販のZnDTP系耐摩耗性作動油について、上記と同様にして性能を評価した。その結果、高圧熱安定性試験におけるスラッジ量は300mg/100ミリリットル,ポンプ摩耗試験における摩耗量は5mgであった。すなわち、この作動油は、高圧熱安定性試験でZnDTPが熱分解して、スラッジ量が特に多くなったことが分かる。

Claims (10)

  1. 40℃の動粘度が10〜100mm2/secであるポリオレフィンに対し、組成物全量に基づき、(A)アミン系酸化防止剤0.01〜5重量%、(B)フェノール系酸化防止剤0.01〜5重量%、及び(C)リン酸エステル0.01〜5重量%を配合してなる油圧作動油組成物。
  2. 前記ポリオレフィンが、α−オレフィン単独重合体である、請求項1に記載の油圧作動油組成物。
  3. (A)アミン系酸化防止剤と(B)フェノール系酸化防止剤との含有割合((A):(B)(重量比))が、1:9〜1:1である、請求項1又は2に記載の油圧作動油組成物。
  4. アルキルジチオリン酸亜鉛(ZnDTP)を含有しない、請求項1〜3のいずれかに記載の油圧作動油組成物。
  5. (C)成分のリン酸エステルが、炭素数3〜30のアルキル基もしくはアルケニル基を有する脂肪族リン酸エステル、もしくはそれらのアミン塩、及び炭素数6〜30のアリール基を有する芳香族リン酸エステルから選ばれる一種又は二種以上である、請求項1〜4のいずれかに記載の油圧作動油組成物。
  6. 前記ポリオレフィンの粘度指数が100以上である、請求項1〜5のいずれかに記載の油圧作動油組成物。
  7. (A)成分のアミン系酸化防止剤が、炭素数3〜20のアルキル基を有するアルキル化ジフェニルアミンである、請求項1〜6のいずれかに記載の油圧作動油組成物。
  8. (B)成分のフェノール系酸化防止剤が単環フェノール類である、請求項1〜7のいずれかに記載の油圧作動油組成物。
  9. (C)成分のリン酸エステルが芳香族リン酸エステルである、請求項1〜8のいずれかに記載の油圧作動油組成物。
  10. 作動圧力が30MPa以上の油圧機器に使用されるものである、請求項1〜9のいずれかに記載の油圧作動油組成物。
JP2013177359A 2013-08-28 2013-08-28 油圧作動油組成物 Expired - Lifetime JP5503066B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013177359A JP5503066B2 (ja) 2013-08-28 2013-08-28 油圧作動油組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013177359A JP5503066B2 (ja) 2013-08-28 2013-08-28 油圧作動油組成物

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012104035A Division JP2012140642A (ja) 2012-04-27 2012-04-27 油圧作動油組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013234338A true JP2013234338A (ja) 2013-11-21
JP5503066B2 JP5503066B2 (ja) 2014-05-28

Family

ID=49760681

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013177359A Expired - Lifetime JP5503066B2 (ja) 2013-08-28 2013-08-28 油圧作動油組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5503066B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019073628A (ja) 2017-10-16 2019-05-16 出光興産株式会社 油圧作動油組成物

Citations (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5859293A (ja) * 1981-10-02 1983-04-08 Sumitomo Chem Co Ltd 潤滑油用液状酸化防止剤
JPS61201960A (ja) * 1985-02-28 1986-09-06 Aisin Warner Ltd 自動変速機用油圧ポンプの駆動装置
JPS63280797A (ja) * 1987-05-14 1988-11-17 Idemitsu Kosan Co Ltd オリフィス機構を有する機械装置用潤滑油基油および組成物
JPS63303262A (ja) * 1987-06-03 1988-12-09 Honda Motor Co Ltd トラクタにおけるミッションケ−スの給油構造
JPH01275698A (ja) * 1988-04-27 1989-11-06 Idemitsu Kosan Co Ltd 潤滑油組成物
JPH0336876B2 (ja) * 1985-08-09 1991-06-03 Idemitsu Kosan Co
JPH04202398A (ja) * 1990-11-30 1992-07-23 Tonen Corp 潤滑油組成物
JPH0570788A (ja) * 1991-02-15 1993-03-23 Tonen Corp 油圧作動油
JPH05179275A (ja) * 1990-10-04 1993-07-20 Tonen Corp 潤滑油組成物
JPH0587119B2 (ja) * 1988-07-05 1993-12-15 Idemitsu Kosan Co
JPH0711279A (ja) * 1993-06-24 1995-01-13 Idemitsu Kosan Co Ltd 潤滑油組成物
JPH07150175A (ja) * 1993-11-30 1995-06-13 Tonen Corp 潤滑油組成物

Patent Citations (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5859293A (ja) * 1981-10-02 1983-04-08 Sumitomo Chem Co Ltd 潤滑油用液状酸化防止剤
JPS61201960A (ja) * 1985-02-28 1986-09-06 Aisin Warner Ltd 自動変速機用油圧ポンプの駆動装置
JPH0336876B2 (ja) * 1985-08-09 1991-06-03 Idemitsu Kosan Co
JPS63280797A (ja) * 1987-05-14 1988-11-17 Idemitsu Kosan Co Ltd オリフィス機構を有する機械装置用潤滑油基油および組成物
JPS63303262A (ja) * 1987-06-03 1988-12-09 Honda Motor Co Ltd トラクタにおけるミッションケ−スの給油構造
JPH01275698A (ja) * 1988-04-27 1989-11-06 Idemitsu Kosan Co Ltd 潤滑油組成物
JPH0587119B2 (ja) * 1988-07-05 1993-12-15 Idemitsu Kosan Co
JPH05179275A (ja) * 1990-10-04 1993-07-20 Tonen Corp 潤滑油組成物
JPH04202398A (ja) * 1990-11-30 1992-07-23 Tonen Corp 潤滑油組成物
JPH0570788A (ja) * 1991-02-15 1993-03-23 Tonen Corp 油圧作動油
JPH0711279A (ja) * 1993-06-24 1995-01-13 Idemitsu Kosan Co Ltd 潤滑油組成物
JPH07150175A (ja) * 1993-11-30 1995-06-13 Tonen Corp 潤滑油組成物

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
JPN6011051946; 臼井 右史: 油圧技術 26(1), 1987, pp.52-57, 日本工業出版 *

Also Published As

Publication number Publication date
JP5503066B2 (ja) 2014-05-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3935982B2 (ja) 油圧作動油組成物
JP5952846B2 (ja) 潤滑油組成物
JP5324748B2 (ja) 潤滑油組成物
JP6255265B2 (ja) 油圧作動油組成物
JP2013079406A (ja) 内燃機関用潤滑油組成物
KR102372804B1 (ko) 폴리알킬렌 글리콜계 윤활 조성물
KR20090057991A (ko) 유압 작동유 조성물
KR102075820B1 (ko) 내연 기관용 윤활유 조성물
JP2011162652A (ja) 潤滑油組成物
JP2017527664A (ja) ポリアルキレングリコール系工業用潤滑剤組成物
JP2016190918A (ja) 潤滑油組成物
JP2015172165A (ja) 農業機械用潤滑油組成物
JP6736037B2 (ja) 内燃機関用潤滑油組成物
JP5503066B2 (ja) 油圧作動油組成物
JP4689583B2 (ja) 油圧作動油組成物
JP6512683B2 (ja) 工業用油圧作動油組成物
US11492566B2 (en) Ether-based lubricant compositions, methods and uses
JP2012140642A (ja) 油圧作動油組成物
JP2008195953A (ja) 油圧作動油組成物
EP3555248B1 (en) Ether-based lubricant compositions, methods and uses
JP5698470B2 (ja) 潤滑油組成物
WO2018186283A1 (ja) 油圧装置及び油圧作動油組成物
JP2016089044A (ja) 工業用油圧作動油組成物
WO2014157200A1 (ja) 油圧作動油組成物
JP2015174983A (ja) 変速機用潤滑油組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20130918

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130924

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20131024

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20131112

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20131212

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20140107

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140127

A911 Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20140131

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140218

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140313

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5503066

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

EXPY Cancellation because of completion of term