JP2013234034A - 画像形成装置およびシート材の再搬送可否判別方法 - Google Patents

画像形成装置およびシート材の再搬送可否判別方法 Download PDF

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Abstract


【課題】通常印刷中に搬送するシート材と一旦ジャム停止で搬送を停止後、自動排紙のために搬送するシート材のそれぞれについて、適切にジャム検知を行い、ジャム後のシート材の搬送可否を有効に判断する技術を提供する。
【解決手段】集音装置340で収集した音の特徴を解析して用紙搬送可否判別を行う。通常印刷中のジャム時の用紙搬送可否判別では、第1の用紙搬送可否判別条件として90%という閾値を用い、この閾値では搬送可能として自動排紙した後のジャム時の用紙搬送可否判別では、第2の用紙搬送可否判別条件として70%という閾値を用い、搬送不可能になりやすくする。
【選択図】図7

Description

本発明は、複写機や複合機のような画像形成装置に関する。特に、画像形成装置において使用される用紙等のシート材に、詰まり(以下、ジャムという)が発生した際の、シート材の搬送可否を判別する技術に関する。
画像形成装置において、搬送ローラの滑り等に起因して、シート材のジャムが発生することがある。そのような場合に、画像形成装置でシート材の自動搬送による排出が不可能であれば、ユーザが手動で用紙の除去を行わなければならない。
従来の画像形成装置の中には、シート材のジャムの発生を検知し、ジャム後のシート材の搬送可否を判断するものがある。例えば、特許文献1では、画像形成装置の内部に音センサを設け、用紙を搬送中の音センサの検知結果から、搬送用紙のジャムを判断する。音センサに入力された信号は、AD(アナログ・ディジタル)変換されて、判断回路に入力される。判断回路では、用紙に応じて音スペクトルの分析を行い、用紙の種類に応じて着目した周波数帯の強度をもとに、ジャムが発生したか否かを判断する。ジャムを検知した場合、制御手段(CPU)は、用紙の搬送を停止させ、用紙詰まりしている用紙を無理に搬送することによるダメージの発生を防止する。
また、特許文献2では、手動による除去が困難なジャムの発生を防止しながら、ユーザビリティを向上するための自動排紙動作を行っている。その中で、センサによってジャムの位置と種類を判別し、判別したジャムの位置と種類に基づいて、自動排紙動作を行うか行わないかの判断をしている。
特開2001−302021号公報 特開2010−276930号公報
しかし、一旦ジャムが検知された後にもジャム検知が継続され、自動排紙中の用紙に再度のジャムの発生が検知されることがある。そのような再度のジャムが発生した場合にも、自動排紙の可否を判断することとなる。その際に、正常に搬送されていたシート材と、一旦ジャムにより搬送を停止した後、自動排紙により搬送されていたシート材とでは、シート材の状態が違っているのが一般的である。そのため、画像形成装置に自動排紙を行わせるか否かを、正常に搬送されていたシート材にジャムが発生したときと、自動搬送中のシート材にジャムが発生したときで同じ条件で判別すると不都合を生じる場合がある。
すなわち、ジャムにより搬送を一旦停止した後に搬送させるシート材は、搬送ローラおよび駆動モータ等の緊急停止状況によって、しわが発生したり、斜行した状態となっている場合がある。このような状態のままで無理に自動排紙させると、次の搬送ローラでひっかかり、挫屈の状態が悪化し易くなる。その結果、ジャム処理性が低下する。
また、シート材の除去を誤ると紙片が残り、次の用紙搬送時にジャムを引き起こすという問題も新たに生じる。例えば、自動排紙は、搬送路に詰まったシート材を搬送して装置外へ排紙する動作であるが、ジャム停止時のシート材の状態が悪く、搬送ローラの駆動によって用紙が詰まって、挫屈がよりひどくなった状態で停止することがある。この状態でユーザが無理に用紙を引っ張ると、搬送ローラに噛んだシート材の端が破れ、これが紙片として残ることがある。
上記のような不都合を防ぐためには、自動排紙の動作を適正に中断する必要がある。
本発明の課題は、上記背景のもと、搬送されるシート材の状態に応じて、ジャムが発生したときのシート材の搬送可否を適切に判別することができる画像形成装置を提供することにある。
本発明の他の課題は、搬送されるシート材の状態に応じて、ジャムが発生したときのシート材の搬送可否を適切に判別することができる、再搬送可否判別方法を提供することにある。
上記の課題を解決する本発明の画像形成装置は、搬送路におけるシート材のジャムを検知するジャム検知手段と、前記シート材の搬送により発生する音を収集する集音手段を備える。また、この画像形成装置は、収集した音の特徴を解析することにより前記シート材の状態を表す定量化データを生成する処理手段と、制御手段を備える。この制御手段は、前記ジャム検知手段でジャムが検知された場合、前記定量化データと第1の判別条件を比較することにより、ジャムが発生したシート材の搬送可否の判別を行う。また、この制御手段は、前記第1の判別条件で搬送可能と判別されたシート材についてさらに搬送可否の判別を行う場合、前記第1の判別条件に代えて、前記第1の判別条件よりも搬送可能と判別されにくい第2の判別条件を用いることを特徴とする。
また、本発明の再搬送可否判別方法は、搬送路上でジャムが発生したシート材を停止させた後に再搬送する機構を備えた画像形成装置で実行される。この方法では、前記シート材で発生する音を収集し、収集した音の特徴を解析することにより当該シート材の状態を定量化した定量化データを生成する。また、この方法では、前記定量化データと、第1の判別条件とを比較することにより、ジャムが発生したシート材の搬送可否を判別する。さらに、この方法では、前記定量化データと、前記第1の判別条件よりも搬送可能と判別されにくい第2の判別条件とを比較することにより、ジャムが発生したシート材の搬送可否を判別することを特徴とする。
本発明では、収集した音の特徴を解析することによりシート材の状態を表す定量化データを生成する。そして、ジャムの検知時に生成された定量化データが予め定めた第1の判別条件を満たすときはジャムにより停止したシート材を排出するための再搬送を許可する。また、前記第1の判別条件で搬送可能と判別されたシート材についても搬送可否の判別を行う。その場合、前記第1の判別条件に代えて、第2の判別条件で判別を行う。そのため、例えば通常印刷中に搬送するシート材と、一旦ジャム停止で搬送を停止後、再搬送されるシート材のそれぞれについて、適切にジャム検知を行い、ジャム後のシート材の搬送可否を有効に判断することができる。
画像形成装置の断面図。 画像形成装置の機能ブロック図。 滞留ジャム発生時の用紙状態を示した図であり、(a)は挫屈のない場合の例、(b)は挫屈が発生している場合の例。 遅延ジャム発生時の用紙状態を示した図であり、(a)は挫屈のない場合の例、(b)は挫屈が発生している場合の例。 画像形成装置におけるジャム検知手法の説明図。 画像形成装置の断面図。 用紙搬送処理の全体フローチャート。 自動排紙時の用紙搬送処理のフローチャート。 音解析処理のフローチャート。 (a)は生成スペクトルデータ、(b)は用紙状態判別データ、(c)は適合度合いを表すデータの例示図。 搬送可否判別処理のフローチャート。 判別条件比較処理の詳細フローチャート。 生成スペクトルデータと用紙状態判別データの比較を表す概念図。 生成スペクトルデータおよび用紙状態判別データの例示図。 生成スペクトルデータと用紙状態判別データの比較を表す概念図。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
[第1実施形態]
図1は、本実施形態の画像形成装置の断面図である。まず、この画像形成装置の基本的な構成および動作を説明する。
<画像形成>
画像形成装置は、リーダ100で読み取った画像に応じてレーザスキャナユニット122がレーザ光をプロセスユニット120へ照射する。プロセスユニット120は、4つの感光ドラム、現像器、帯電ローラ、感光ドラムクリーナを含み、レーザ光に応じた画像を形成する。すなわち、感光ドラムの表面が帯電された後、レーザ光により、感光ドラム上に潜像を形成する。形成された潜像は、現像剤ユニット110内の4色(イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の現像剤(トナー)により感光ドラム上に現像される。これにより、トナー画像が形成される。このトナー画像は、一次転写部121において一次転写電圧を印加することにより、画像転写ベルト130に転写される。転写ベルト130へ転写されたトナー像は、画像転写ベルト130が回転することで、二次転写部140へと至る。
この画像形成における適度のタイミングで、給紙ピックアップローラ151によって、用紙が、給紙カセット150から搬送ローラ153へ供給される。実際に供給されたかどうかは、給紙ピックアップセンサ152により検知される。この用紙は、搬送ローラ153,154,155,レジストレーションローラ161を介して二次転写部140へ供給される。レジストレーションセンサ160は、搬送される用紙を検知するセンサである。なお、用紙は、別の給紙カセット210からレジストレーションローラ161を介して二次転写部140へ供給される場合もある。
二次転写部140は、画像転写ベルト130に転写された画像を用紙に転写する。この用紙は、定着器170で加熱定着される。定着後の用紙の先端が用紙搬送センサ171で検知されると、搬送ローラ162を経た用紙は、用紙搬送センサ171でその存在が確認された後、搬送フラッパ172により、用紙搬送路230と用紙搬送路231のいずれか一方に搬送される。両面プリントの場合は、用紙搬送路230へ搬送され、用紙の表裏面が逆となって再びレジストレーションローラ161を介して二次転写部140へ搬送される。
他方、片面プリントあるいは両面プリントの裏面の場合には、用紙搬送路231へ搬送される。用紙搬送路231へ搬送された用紙は、搬送ローラ232により、さらに下流へ搬送される。ここでも、先の切り替えと同様に、搬送フラッパ190により、用紙が、用紙搬送路180あるいは用紙搬送路181へ搬送される。排紙指定先が排紙トレイ200の場合は、用紙搬送路180へ搬送される。排紙指定先が排紙トレイ196の場合は、用紙搬送路181へ搬送される。用紙搬送センサ195は、排紙トレイ196から排紙される用紙を検知するセンサである。
搬送ローラ162の近傍には、集音装置340が配備される。集音装置340は、用紙の搬送の際に生じる音を収集して電子化し、音データとして出力する。なお、図1における集音装置340の配備箇所は例示であり、ジャムが発生する可能性がある他の箇所であっても良い。
<機能ブロック>
本実施形態の画像形成装置の機能ブロックは、図2にようになる。画像形成部320は、図1に示した構成のうち搬送系を除く部分である。すなわち、プロセスユニット120、レーザスキャナユニット122、現像剤ユニット110、一次転写部121、画像転写ベルト130、二次転写部140、定着器170等が画像形成部320に相当する。画像形成部320は、制御部300により、その動作が制御される。
制御部300は、CPU(Central Processing Unit)301、ROM(Read Only Memory)302、RAM(Random Access Memory)303を含んで構成される。ROM302には、画像形成、特徴的な用紙排紙処理等を行うための制御プログラムのほか、後述する用紙状態判別データ、1又は複数の閾値その他のパラメータが記憶される。RAM303は、CPU301のワークエリアが形成される。CPU301は、ROM302に記憶された制御プログラムおよびパラメータおよび各種センサの検知情報に基づいて、ジャム検知手段、処理手段、制御手段として機能する。
各種センサとは、I/Oインタフェース310を介して入力された各種センサ給紙ピックアップセンサ152、レジストレーションセンサ160、用紙搬送センサ171等である。
制御部300(CPU301)には、ユーザに操作環境、例えば動作開始の指示等の入力環境を提供するUI(User Interface)330と集音装置340とが接続されている。制御部300(CPU301)には、また、I/O(Input/output)インタフェース310を介して、搬送系を駆動するための定着前搬送モータ145および定着後搬送モータ146も接続されている。
定着前搬送モータ145は、図1に示した給紙ピックアップローラ151、レジストレーションローラ161、搬送ローラ153,154,155等、定着前の用紙の搬送系ローラを駆動するモータである。定着後搬送モータ146は、搬送ローラ162,232等、定着後の用紙の搬送系ローラを駆動するモータである。
画像形成時のCPU301の動作は、以下のようになる。
UI330あるいは外部装置からプリント動作開始の指示が入力されると、CPU301は、画像形成部320に画像を形成させる。また、給紙カセット150からの用紙の給紙動作を開始させる。具体的には、定着前搬送モータ145を駆動させ、給紙ピックアップローラ151を駆動させる。これにより、給紙カセット150内の用紙が1枚ずつ搬送路に給紙される。このとき、用紙の給紙が正常に行えたかどうかを、給紙ピックアップセンサ152の検知信号に基づいて監視する。
CPU301は、用紙の先端(用紙先端)をレジストレーションセンサ160で検知すると、その用紙先端と転写ベルト130上のトナー像の先端とが二次転写部140で一致するように、レジストレーションローラ161の駆動タイミングを制御する。例えばトナー像に対して用紙が相対的に早く到着しそうな場合は、レジストレーションローラ161で用紙を一旦停止させた後に、再度搬送を再開させる。このようにしてタイミング調整を行った後、二次転写部140で二次転写電圧を印加させることにより、トナー像が用紙に転写される。
トナー像が転写された用紙は、定着器170で定着された後、画像形成装置の下流部へと搬送される。定着後の用紙の先端が、用紙搬送センサ171に到達したことを検知すると、CPU301は、予めUI330等から指定された指示に従い、搬送フラッパ172を制御して、用紙の搬送先を切り替える。両面プリント指示の場合には、用紙搬送路230へ搬送させる。片面プリントあるいは両面プリントの裏面の場合には、用紙搬送路231へ搬送させる。各搬送路230,231に搬送された後の用紙の動きについては、上述したとおりである。
なお、上記の基本的な画像形成の際の制御動作は一例であり、本発明は上記制御動作例に限定されるものではない。
<ジャム検知時の制御例>
次に、画像形成装置(CPU301)におけるジャム検知時の制御例について説明する。
画像形成時にジャムが発生した場合の用紙の状態例を図3および図4に示す。
図3は、いわゆる滞留ジャムの例である。用紙は、レジストレーションセンサ160およびレジストレーションローラ161、定着器170を経て、用紙搬送センサ171に到達する。滞留ジャムは、例えば定着器170や搬送ローラ162で用紙スリップ等が起きた場合に発生する。この場合、用紙401の後端が規定のタイミングまでに用紙搬送センサ171を通過できないために、滞留ジャムと判定される。しかし、用紙先端がどこかに衝突しているわけではないため、挫屈が無い状態で用紙が停止する。図3(a)はこの状態を示している。
図3(b)は、挫屈が生じた状態の例である。この状態は、用紙402の先端が搬送フラッパ172近傍を搬送中に、例えば搬送フラッパ172が故障した場合等に生じる。搬送フラッパ172が用紙搬送方向を塞ぐため、用紙402の先端が搬送フラッパ172に衝突して挫屈が始まる。用紙402の後端も既定のタイミングまでに用紙搬送センサ171を通過できないため、滞留ジャムと判定される。この状態では、用紙402は、その先端に挫屈がある状態で停止する。
このように、滞留ジャムには、挫屈がない状態での用紙停止(図3(a))と挫屈がある状態で用紙停止(図3(b))とがある。しかし、用紙搬送センサ171の用紙検出状態を見た場合、両状態ともに用紙検出状態になっているため、CPU301では、挫屈の有無を判別することはできない。
図4は、いわゆる遅延ジャムの例である。用紙の搬送過程は図3と同じである。遅延ジャムは、例えば、図4(a)のように、レジストレーションローラ161や定着器170による搬送時の「すべり」により発生する。用紙403の先端が定着器170を通過した後、規定のタイミングまでに用紙搬送センサ171に到達できなかった場合に遅延ジャムと判定される。このとき、用紙403は、その先端がどこかに衝突しているわけではないため、挫屈が無い状態で停止する。
図4(b)は、挫屈が生じた状態の例である。用紙404の先端が、定着器170を通過後に、上カールする場合がある。この場合、用紙404の先端が定着器170の下流側のガイドに接触することで挫屈が始まる。用紙404は、それ以上下流に搬送することができず、規定のタイミングまでに用紙搬送センサ171に到達することができないために、遅延ジャムと判定される。このとき、用紙404の先端が定着器170下流側のガイドに接触し、挫屈がある状態で停止する。
このように、遅延ジャムにも、挫屈がない状態での用紙停止(図4(a))と、挫屈がある状態での用紙停止(図4(b))とがある。しかし、用紙搬送センサ171の用紙検出状態を見た場合、両状態ともに用紙検出状態になっているため、CPU301では、挫屈の有無を判別することはできない。
そこで、本実施形態では、以下のような特徴的なジャム検知の手法を採用する。
図5は、レジストレーションセンサ160および用紙搬送センサ171のそれぞれの検出結果のタイミングを示すタイミングチャートである。図5(a)は、ジャムが発生していない正常搬送の場合と、滞留ジャムが発生した場合の例、同(b)はジャムが発生していない正常搬送の場合と、遅延ジャムが発生した場合の例である。
図5(a)を参照すると、滞留ジャム検知は、CPU301が用紙搬送中にレジストレーションセンサ160による用紙後端の通過を検知したことをトリガとする。そして、レジストレーションセンサ160と用紙搬送センサ171の距離と用紙搬送速度から、用紙後端がレジストレーションセンサ160を通過してから用紙搬送センサ171を通過するまでの所要時間t1を計算することができる。このとき、搬送ローラの耐久や搬送機構自体の構成により、搬送効率が低下することがある。その分を考慮した時間を搬送マージンm1とすると、用紙後端がレジストレーションセンサ160を通過してから用紙搬送センサ171を通過するまで、最大t1+m1時間かかることになる。よって、t1+m1時間経過したにも関わらず、用紙搬送センサ171における用紙後端の通過を検知できない場合、滞留ジャムが発生したと判断することができる。
図5(b)を参照すると、遅延ジャム検知は、CPU301が用紙搬送中にレジストレーションセンサ160による用紙先端の通過を検知したことをトリガとする。そして、レジストレーションセンサ160と用紙搬送センサ171の距離と用紙搬送速度から、用紙先端がレジストレーションセンサ160を通過してから用紙搬送センサ171を通過するまでの所要時間t2が計算できる。このとき、搬送ローラの耐久や搬送機構自体の構成により搬送効率が低下することがある。その分を考慮した時間を搬送マージンm2とすると、レジストレーションセンサ160から用紙搬送センサ171の用紙先端の到達には、最大t2+m2時間かかる。よって、t2+m2時間経過したにも関わらず、用紙搬送センサ171における用紙先端の到達を検知できない場合、遅延ジャムと判断することができる。
なお、図5(a)(b)のジャム検知判断は一例であり、本発明は上記のジャム検知方法に限定されるものではない。
このようにジャムが検知され、用紙搬送が停止した場合、ユーザがその用紙(ジャム紙)を取り除く手間を省くために、再度、用紙搬送に関わるローラを一定時間駆動して、用紙搬送路内に残留した用紙を装置外へ自動的に排出する自動排紙が行われる場合がある。
ジャム発生後の自動排紙を行う場合、挫屈していない用紙(図3(a)および図4(a)参照)は、搬送路上に引っ掛かる可能性が少ないと考えられる。そのため、自動排紙のための搬送が可能な状態であるといえる。
一方、挫屈の度合いが大きい用紙(図3(b)および図4(b)参照)は、用紙先端が、搬送フラッパ172や定着器170の下流側のガイドに衝突して挫屈しており、自動排紙のための搬送を行うことができない。このように用紙の挫屈度合いが大きいときに無理に自動排紙のために搬送を行うと、搬送路上の他のガイドやフラッパ、分岐点等に接触することにより、さらなるジャムを発生する可能性もある。
そこで、本実施形態では、挫屈の少ない用紙(図3(a)および図4(a)参照)だけを自動排紙の対象とするために、CPU301で、用紙の挫屈の度合いを含む用紙の状態に基づいて、用紙搬送可否を判別することとした。
<自動排紙処理>
図6は、ジャム検知後の用紙の自動排紙処理の概念を示した画像形成装置の断面図である。図6(a)は、定着器170および集音装置340付近の搬送ローラ162で用紙Aが滞留ジャムとなって停止した状態である。
用紙Aよりも下流(搬送路において排紙側)の用紙(図示せず)がある場合、その用紙は停止させることなく、そのまま搬送を継続して排出させる。上流(搬送路において給紙側)の用紙(用紙B、用紙C)については、搬送を停止させる。この結果、用紙搬送路内には、用紙Aの他、用紙B、用紙Cが残留した状態となる。このとき、用紙Aの搬送可否判別を行い、搬送可能である場合、用紙Aの自動排紙処理を実行して、排紙トレイ200へ排紙させる。
図6(b)は、用紙Aの排紙トレイ200への自動排紙が完了した状態である。後続の用紙B、用紙Cは、停止位置で待機している。これらの用紙B、用紙Cを、排紙処理する状態を示したのが、図6(c)である。図6(c)を参照すると、用紙B、用紙Cは、図の矢印の方向へ搬送され、排紙される。なお、このときの用紙の排出先は、予め設定された残留用紙排出指定のトレイであっても良い。
図7は上記の自動排紙処理を伴う、用紙搬送処理の全体フローチャートである。図7のフローチャートはCPU301により実行される。CPU301は、プリント動作の指示に応じて用紙搬送の開始に伴い、ジャム検知を開始する(ステップS601)。次にCPU301は、第1の用紙搬送可否判別条件を設定する(ステップS602)。第1の用紙搬送可否判別条件は、ジャムが発生した場合に、用紙を自動排紙可能な状態であるか、手動で排出すべきかを判別するための判別条件である。その内容については、後述する。
CPU301は、また、用紙搬送の開始に伴い、集音装置340から収集した音データに基づく音解析処理を開始する(ステップS603)。この音解析処理については後述するが、この音解析処理により、生成スペクトルデータを得、これをRAM303に保存しておく。
CPU301は、また、搬送路に配置された各センサ(用紙搬送センサ171等)によりジャム検知を行う(ステップS604)。具体的には、搬送される用紙の搬送タイミングを測定し、遅延ジャム、滞留ジャムの検知を行う。これらのジャムが検知されなければ(ステップS604:No)、最終紙の排出の終了を待つ(ステップS609)。排出が終了したら(ステップS609:Yes)、ジャム検知、音解析処理を終了する(ステップS610)。一方、最終紙の排出が終了していなければ(ステップS609:No)、ステップS604に戻り、ジャム検知を継続する。
ジャムが検知された場合(ステップS604:Yes)、CPU301は、ジャムの要因となった用紙及びそれより上流の用紙の搬送を停止させ(ステップS605)、ジャム検知、音解析処理を終了する(ステップS606)。その後、CPU301は、第1の用紙搬送可否判別条件に基づき、用紙搬送可否判別処理を行う(ステップS607)。CPU301は、この判別処理で用紙搬送可能であると判別すると(ステップS607:Yes)、CPU301は、用紙搬送路内に停止している用紙の自動排紙を開始する(ステップS611)。一方、CPU301は、この時点で用紙搬送不可能と判別した場合は(ステップS607:No)、ユーザに対して用紙搬送路内の残留紙を取り除くことを促すジャム表示を行う(ステップS608)。
ステップS611の自動排紙処理は、図8に示すフローチャートに従って実行される。すなわち、CPU301は、自動排紙のための用紙搬送の開始に伴い(ステップS701)、各種センサ(センサ用紙搬送センサ171等)により搬送される用紙のタイミングを測定し、さらなるジャム検知を開始する(ステップS702)。また、第2の用紙搬送可否判別条件を設定する(ステップS703)。第2の用紙搬送可否判別条件については後述するが、例えば、上述した第1の用紙搬送可否判別条件よりも自動排紙が行われにくい条件とする。
次に、CPU301は、自動排紙時の音解析処理を開始する(ステップS704)。この音解析処理により、生成スペクトルデータを得、これをRAM303に保存する。
CPU301は、自動排紙中に再度ジャムを検知した場合(ステップS705:Yes)、用紙搬送を停止し(ステップS706)、ジャム検知、音解析処理を終了する(ステップS707)。また、CPU301は、ユーザに対して用紙搬送路内の残留紙を取り除くことを促すジャム表示を行う(ステップS708)。一方、CPU301は、ジャムを検知しなければ(ステップS705:No)、用紙搬送可否判別処理を行う(ステップS709)。CPU301はここでは第2の用紙搬送可否判別条件に基づき、判別処理を行う。
第2の用紙搬送可否判別条件により用紙搬送不可とされた場合(ステップS709:Yes)、CPU301は、ジャムの要因となった用紙及びそれより上流の用紙の搬送を停止させ(ステップS706)、ジャム検知および音解析処理を終了する(ステップS707)。また、ユーザに対して用紙搬送路内の残留紙を取り除くことを促すジャム表示を行う(ステップS708)。
一方、用紙搬送可能と判別した場合(ステップS709:Yes)、CPU301は、用紙搬送を再開し、自動排紙終了を待つ(ステップS710)。用紙搬送路内の残留紙が全て排出された場合(ステップS710:Yes)、CPU301はジャム検知、音解析処理を終了する(ステップS711)。残留紙の自動排紙が終了していなければ(ステップS710:No)、CPU301は自動排紙中の用紙のジャム検知を継続する。
<音解析処理>
ここで、上記ステップS603およびステップS704における音解析処理の手順を説明する。図9は、音解析処理のフローチャートである。
用紙の搬送中は、正常搬送のときでも音が発生するが、用紙のすべり、挫屈等、特殊な状態になったときは、正常搬送時と異なる特徴的な周波数成分の音が発生する。本実施形態では、集音装置340でこのような音(音データ)を収集し、音解析処理により、用紙搬送可否の判別に用いる。
CPU301は、まず、用紙の搬送中に集音装置340から伝達された音データのサンプリングを行う(ステップS801)。CPU301は、例えば、サンプリング周期100[μsec](サンプリング周波数が10k[Hz])で512回サンプリングし、サンプリングされた音データを時系列の音波形データとしてRAM303に逐次保存する。
そして、CPU301は、このRAM303に保存した音波形データに対して周波数解析を行う(ステップS802)。周波数解析は、例えば高速フーリエ変換(FFT:Fast Fourier Transform)により、音波形データを周波数成分毎の強さ(Hz)に変換することで行われる。これにより、低周波数から高周波数に至る周波数スペクトルが得られる。周波数スペクトルは、例えば周波数を横軸とし、各周波数成分の強さを縦軸で表したものである。この周波数スペクトルが、上述した生成スペクトルデータである。
CPU301は、この生成スペクトルデータを解析結果としてRAM303に格納し(ステップS803)、終了指示があれば、音解析処理を終了する(ステップS804:Yes)。終了指示がなければ(ステップS804:No)、ステップS801に戻り、CPU301は音解析処理を継続する。終了指示は、前述した図7のステップS606、ステップS610、および図8のステップS707、ステップS711の処理によりなされる。
なお、高速フーリエ変換は周波数解析の手法の一例であり、本発明は、この手法に限定されるものではない。例えば、自己回帰型のMEM (最大エントロピー法:Maximum Entropy Method) 、AR (自己回帰:AutoRegressive) モデル、ARMA (自己回帰−移動平均:AutoRegressive-Moving Average) モデル等を用いても良い。
また、音解析処理を、CPU301でなく、集音装置340側で実行しても良い。この場合、CPU301には、音解析処理の結果が伝達されることになる。
このような音解析処理により生成される生成スペクトルデータの例を図10(a)に示す。ここでは、100〜5000[Hz]までの周波数スペクトルが示されている。欄1001には周波数、欄1002には周波数に対応した強さ(Hz)が、それぞれ示されている。周波数は、100[Hz]単位となっているが、この周波数幅は例示である。
本実施形態では、RAM303に保存される生成スペクトルデータとは別に、製品出荷前に予め上記の音解析処理を実行することで、自動排紙処理時の搬送可否判別に用いられる用紙状態判別データが予めROM302に記憶されている。用紙状態判別データは、用紙が挫屈しているか挫屈していないかの判別に用いられる。
用紙状態判別データを生成するためには、画像形成装置が調整モードに設定され、用紙が搬送される。CPU301は、用紙搬送中に、搬送フラッパ172に意図的に用紙を衝突させるように画像形成装置を制御する。CPU301は、その際の集音装置340から用紙が挫屈する際の音データを取得し、周波数解析を行う。音データのばらつきを考慮し、上記の音データのサンプリングは30回試行される。CPU301は、この30回の音データに対して、それぞれ周波数解析を行い、算出された周波数スペクトルにおける各周波数の出現回数を抽出する。CPU301は、その中で、出現回数が20回以上出ている周波数を高頻度な周波数成分であるとして、特徴的な周波数とする。
次に、CPU301は、周波数成分の強さの特徴を抽出するために、上記の音データの30回のサンプリングにおいて、周波数スペクトルの周波数毎の強さのヒストグラムを生成する。
各周波数における周波数成分の強さには周波数同様のばらつきがあるため、CPU301は、周波数成分の強さの最大値(上限値)と最小値(下限値)とを算出し、周波数成分の強さの特徴とする。
用紙状態判別データの例を示したのが図10(b)である。欄1003には周波数、欄1004には判別のための閾値として用いる周波数成分の強さの下限値、欄1005には判別のための閾値として用いる強さの上限値がそれぞれ示されている。用紙状態判別データは、特徴的な周波数成分の数だけ存在する。図示の例の場合、用紙状態判別データは10点(周波数A〜J)である。用紙状態判別データの先頭の周波数(A:400[Hz])の強さの下限値は60[Hz]であり、上限値は100[Hz]である。他の周波数についても、図示のように、下限値と上限値とが算出される。
図10(c)に示される適合数1006および適合率[%]1007については、後述する。
<用紙搬送可否判別処理>
次に、ステップS607(図7)およびステップS709(図8)における用紙搬送可能か否かを判別する搬送可否判別処理の手順を説明する。図11は、この搬送可否判別処理のフローチャート、図12は、図11における判別条件比較処理の詳細フローチャートである。
CPU301は、判別条件の比較、すなわちROM302から読み出した用紙状態判別データと、音解析処理の結果である生成スペクトルデータとを、図12の手順で比較する(ステップS901)。
図12を参照し、CPU301は、まず、適合数を0に初期化する(ステップS111)。CPU301は、次に、用紙状態判別データ数のカウントに用いる変数iを1に初期化する(ステップS112)。
CPU301は、次に、用紙状態判別データの周波数(HERTZ[i])における周波数成分の強さの上限値(MAX[i])と下限値(MIN[i])とを参照する。そして、CPU301は、上記周波数(HERTZ[i])に対応する生成スペクトルデータの周波数成分の強さ(FFT[HERTZ[i]])と比較する(ステップS113)。
生成スペクトルデータの周波数成分の強さ(FFT[HERTZ[i]])が、用紙状態判別データの周波数成分の強さの上限値(MAX[i])と下限値(MIN[i])の範囲内のとき(ステップS113:Yes)、CPU301は適合数を1加算する(ステップS114)。一方、範囲外であれば(ステップS113:No)、適合数の加算は行われない。
その後、データ数iが用紙状態判別データの全データ数Nに達していれば(ステップS115:Yes)、CPU301は比較処理を終了する。達していなければ(ステップS115:No)、CPU301はデータ数iを1加算し(ステップS116)、処理を繰り返す。CPU301は、上記の比較処理を用紙状態判別データの全データ数N分行うことで、適合数を算出する。
図10(b)の用紙状態判別データの場合、データ数Nが10点(周波数A〜J)である。用紙状態判別データの先頭の周波数(A:400[Hz])について見ると、生成スペクトルデータの周波数成分の強さ(88[Hz])が、用紙状態判別データの下限値(60[Hz])と上限値(100[Hz])の間にあるため、上記の周波数Aは適合しているとして、適合点数を1加算する。同様に、用紙状態判別データのデータ数(NはA〜Jの10点)分、つまり用紙状態判別データの最後まで処理を繰り返す。これにより、図10(c)のように、最終的に算出される適合数は8、適合率は80%となる。適合数および適合率は、RAM303に保存される。
この生成スペクトルデータと用紙状態判別データの比較を表す概念図を図13に示す。横軸は周波数、縦軸は強さを示す。用紙状態判別データ1201は、下限値、上限値によって限定される強さの変動範囲として表される。生成スペクトルデータ1202は、当該周波数に対応する強さをもつ定量化データで表される。適合点1203は、当該周波数の用紙状態判別データの変動範囲に生成スペクトルデータの強さが含まれていることを示している。図13において表れる適合点の数が適合数となる。
図11に戻り、CPU301は、適合率の算出を行う(ステップS902)。適合率(%)は、下記式により算出される。
適合率=適合数÷データ数×100
図10(b),(c)の例では、8÷10×100=80[%]となる。
CPU301は、算定した適合率が、所定の閾値以上であれば(ステップS903:Yes)、用紙の挫屈の度合いが大きいと判別して、自動排紙不可能と決定する(ステップS904)。他方、適合率が上記閾値未満であれば(ステップS903:No)、CPU301は、用紙の挫屈度合いが小さいと判別して自動排紙可能と決定して、処理を終了する(ステップS905)。
本実施形態では、上記適合率の閾値を、上述した第1の用紙搬送可否判別条件(図7:ステップS602)および第2の用紙搬送可否判別条件(図8:ステップS703)としてROM302に設定するものである。
例えば、第1の用紙搬送可否判別条件を、閾値90%として設定した場合、図10(c)の例では、適合率が80%であるため、CPU301は、用紙の挫屈の度合いが小さいとして用紙搬送可能と判別し、自動排紙処理を実行する。
また、第1の用紙搬送可否判別条件よりも厳しい第2の用紙搬送可否判別条件として、閾値70%を設定した場合、例えば、図10(c)の例では80%なので、CPU301は、ジャム後の用紙の挫屈の度合いが高いとして、用紙搬送不可能と判別し、その後の用紙搬送を停止する。
また、測定者が、CPU301とは別に測定装置を用いて、用紙状態判別データを生成させてもよい。
このように、本実施形態によれば、通常印刷中にジャムが発生したときよりもジャム後の自動排紙中の搬送可否の条件が厳しくなる。そのため、通常印刷中に搬送する用紙と、一旦ジャム停止で搬送を停止した後、自動排紙のために搬送する用紙のそれぞれについて、適切な搬送可否を判別することができる。
これにより、通常印刷中にジャムが発生した場合、自動排紙のための再搬送を実行する確率を高めることができ、ジャムが発生した際に、ユーザがジャム紙の処理をする手間を省くことができる。また、自動排紙時の用紙搬送中に、再度用紙の挫屈度合いが大きいジャムが発生してユーザのジャム処理性が低下することが防止される。
[第2実施形態]
第2実施形態では、第1の用紙搬送可否判別条件および第2の用紙搬送可否判別条件として、適合率の閾値ではなく、2つの用紙状態判別データを設定する。すなわち、第1の用紙搬送可否判別条件として第1の用紙状態判別データを設定し、第2の用紙搬送可否判別条件として第2の用紙状態判別データを設定する。
画像形成、機能ブロック、用紙搬送処理の手順は、第1実施形態とほぼ共通するので、本実施形態では、第1実施形態と異なる部分について説明する。
第2実施形態では、第1実施形態と同様の手順で、図10(b)のような用紙状態判別データを生成し、これを第1の用紙状態判別データとする。
次に、図10(b)の強さの下限値1004を小さくし、上限値1005を大きくして用紙の挫屈度合いが大きいと判別できる範囲を拡げた第2の用紙状態判別データを作成する。図10(b)との比較では、周波数Aの強さの下限値1004の値から「5」を減算し、強さの上限値1005の値に「5」を加算して、図14(a)のような第2の用紙状態判別データを生成する。他の周波数についても同様とする。図14(a)のデータ構造は図10(b)に示したものと同じである。すなわち欄1301は周波数、欄1302は判別のための閾値として用いる周波数成分の強さの下限値、欄1303は上限値である。
これらの用紙状態判別データが予めROM302に設定されており、CPU301が、図11の判別条件比較処理を行う際に読み込むことができるようにする。なお、適合率の閾値については、共通の値がROM302に設定されている。
次に、第2実施形態における用紙搬送可否判別処理について説明する。
第1の用紙状態判別データを図10(b)の内容の第1の用紙搬送可否判別条件として用いた場合において、生成スペクトルデータが図10(a)の内容のものであったとする。この場合、適合率は、図10(c)と同様、80[%]となる。その結果、共通の閾値90[%]未満となり、用紙の挫屈の度合いが小さいとして用紙搬送可能と判別される。
他方、図14(a)の内容の第2の用紙搬送可否判別条件を第2の用紙搬送可否判別条件として用いた場合、図10(a)の内容の生成スペクトルデータとの比較の結果、図14(b)に示されるように、適合度は10、適合率は100[%]となる。つまり、図15に示すように、すべての周波数で、生成スペクトルデータと用紙状態判別データの適合点が存在する。その結果、共通の閾値90[%]以上となり、用紙の挫屈の度合いが大きいとして、用紙搬送不可能と判別される。
このように、第2実施形態によっても、通常印刷中のジャム時の搬送可否判断よりも自動排紙中の搬送可否判断の条件が厳しくなり、搬送不可能となる。これにより、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
<まとめ>
以上、各実施形態は、搬送路におけるシート材、例えば用紙のジャムを検知するとともに、シート材から発生する音を収集し、収集した音の特徴を解析する。これによりシート材の状態を表す定量化データ(生成スペクトルデータ)を生成する。そして、CPU301で、ジャムの検知時に生成された定量化データが予め定めた判別条件を満たすかどうかを判別し、満たすときはジャムにより停止したシート材を排出するための再搬送を許可する。さらに、再搬送後の判別条件を現在よりも満たしにくい内容に変更する。
これにより、搬送されるシート材の状態に応じて、ジャムが発生したときのシート材の搬送可否を適切に判別することができる。
また、CPU301は、ジャムが検知されたときの音の特徴を周波数解析して周波数スペクトルに変換し、この周波数スペクトルにおける各周波数の出現回数が基準回数以上となる特徴周波数とその特徴周波数の強さとを特定する。これにより、定量化データを生成する。これにより、ジャムが発生したときのシート材の状態を適切に把握することができる。
CPU301は、また、自動排紙処理のための再搬送が不可能なジャムを複数回にわたって強制的に発生させたときに抽出される特徴周波数と当該特徴周波数の強さの変動範囲とを特定する。そして、特定した特徴周波数および強さの変動範囲を、再搬送可否を判別するための状態判別データとしてROM302に記憶しておく。これにより、再現性良く、再搬送が不可能なレベルのジャムを検出することができる。
さらにCPU301は、ジャムの検知時に定量化した定量化データと、予め記憶されている状態判別データとの適合度を算定し、この適合度が判別条件を満たすときにだけ再搬送を許可する。これにより、ジャムの再発生を抑制することができる。
なお、判別条件は、適合度が第1閾値以上であることを内容とする第1の判別条件と、適合度が前記第1閾値よりも低い第2閾値以上であることを内容とする第2の判別条件とを含む。そして、CPU301は、第1の判別条件のもとで再搬送を許可した後は、第1の判別条件に代えて第2の判別条件を判別に用いる。
あるいは、判別条件は、定量化データとの適合度が算定される状態判別データにおける変動範囲が第1範囲であることを内容とする第1の判別条件と、変動範囲が第1範囲よりも広い第2範囲であることを内容とする第2の判別条件とを含む。そして、CPU301は、第1の判別条件のもとで再搬送を許可した後は、第1の判別条件に代えて第2の判別条件を判別に用いる。これにより、第1判別条件を満たすジャムの場合には、自動搬送処理が可能となるので、ジャムの発生により直ちに操作者がメインテナンスする必要がなくなり、画像形成装置の稼働率を高めることができる。
145・・・定着前搬送モータ、146・・・定着後搬送モータ、150,210・・・給紙カセット、151・・・給紙ピックアップローラ。152・・・給紙ピックアップセンサ、153〜155,162,232・・・搬送ローラ、160・・・レジストレーションセンサ、161・・・レジストレーションローラ、170・・・定着器。171,195・・・用紙搬送センサ、172,190・・・搬送フラッパ、180,181,230,231・・・用紙搬送路、196,200・・・排紙トレイ、300・・・制御部、301・・・CPU、302・・・ROM、303・・・RAM、320・・・画像形成部、330・・・UI、340・・・集音装置。

Claims (5)

  1. 搬送路におけるシート材のジャムを検知するジャム検知手段と、
    前記シート材の搬送により発生する音を収集する集音手段と、
    収集した音の特徴を解析することにより前記シート材の状態を表す定量化データを生成する処理手段と、
    前記ジャム検知手段でジャムが検知された場合、前記定量化データと第1の判別条件を比較することにより、ジャムが発生したシート材の搬送可否の判別を行い、前記第1の判別条件で搬送可能と判別されたシート材についてさらに搬送可否の判別を行う場合、前記第1の判別条件に代えて、前記第1の判別条件よりも搬送可能と判別されにくい第2の判別条件を用いる制御手段と、
    を備えることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記制御手段は、前記第1の判別条件及び第2の判別条件として、シート材にジャムが発生したときの音の特徴を解析することにより生成された定量化データを用いる、
    請求項1記載の画像形成装置。
  3. 前記制御手段は、前記第1の判別条件及び第2の判別条件として、シート材にジャムが発生したときの音の特徴を解析することにより生成された定量化データと前記処理手段で生成された前記定量化データとの適合度に関する閾値を用いる、
    請求項1記載の画像形成装置。
  4. 前記処理手段は、前記ジャムが検知されたときの音の特徴を周波数解析して周波数スペクトルに変換し、この周波数スペクトルにおける各周波数の出現回数が基準回数以上となる特徴周波数とその特徴周波数の強さとを特定することにより、前記定量化データを生成することを特徴とする、
    請求項1記載の画像形成装置。
  5. 搬送路上でジャムが発生したシート材を停止させた後に再搬送する機構を備えた画像形成装置で実行する方法であって、
    前記シート材で発生する音を収集し、収集した音の特徴を解析することにより当該シート材の状態を定量化した定量化データを生成する過程と、
    前記定量化データと、第1の判別条件とを比較することにより、ジャムが発生したシート材の搬送可否を判別する過程と、
    前記定量化データと、前記第1の判別条件よりも搬送可能と判別されにくい第2の判別条件とを比較することにより、ジャムが発生したシート材の搬送可否を判別する過程と、を含むことを特徴とする、
    画像形成装置におけるシート材の再搬送可否判別方法。
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