JP2013233901A - エアバッグ装置 - Google Patents

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直樹 山路
Tomoji Yamashita
智司 山下
Kazuto Tokura
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Abstract

【課題】折畳まれたエアバッグをシート状部材によって構成されたアウターバッグで覆う場合に、折畳まれたエアバッグの周囲を囲む箇所で縫合箇所をなるべく少なくすることができ、かつ、その軽量化を図ることを目的とする。
【解決手段】エアバッグ装置20は、インフレータ22と、エアバッグ30と、アウターバッグ40とを備える。アウターバッグ40は、環状をなすように両端部が接合された一対の分割外周シート部42と、一対の分割外周シート部42のそれぞれの一側部の一部に連設された底シート部44とを含む。インフレータ22が底シート部44に取付けられた状態で、一対の分割外周シート部42が折畳まれたエアバッグ30の外周を囲む。
【選択図】図2

Description

この発明は、車両の衝突時等に膨張展開して乗員を保護するエアバッグ装置に関する。
特許文献1及び2は、布等を直方体形状に縫製してアウターバッグを形成し、このアウターバッグによって、折畳んだエアバッグの一部分又は全体を覆う構成を開示している。この構成によると、折畳まれたエアバッグを取り囲むプレートを省略し或は小型化することができ、エアバッグ装置の軽量化を図ることができる。
特表2008−544920号公報 特開2011−93446号公報
しかしながら、特許文献1及び2に開示の技術では、布等を直方体形状に縫製する際、直方体形状において隣合う側面の側縁部同士を縫い合せる必要がある。エアバッグを取り囲む部分では、ある程度の強度を確保する必要があるため、この部分での縫い合せ箇所はなるべく少なくすることが好ましい。
ここで、シート状部材を中間部で折返して袋状に形成すれば、エアバッグを取り囲む部分で縫い合せ箇所を少なくすることもできる。しかしながら、この場合、最終形態を直方体状等にしようとすると、余剰部分が多く生じてしまう。
そこで、本発明は、折畳まれたエアバッグをシート状部材によって構成されたアウターバッグで覆う場合に、折畳まれたエアバッグの周囲を囲む箇所で縫合箇所をなるべく少なくすることができ、かつ、その軽量化を図ることを目的とする。
上記課題を解決するため、第1の態様は、割開き可能なリッドを有するエアバッグ組込パネルに組込まれるエアバッグ装置であって、前記リッドの内側でガスを発生可能なインフレータと、前記リッドの内側に配設可能な状態に折畳まれ、前記インフレータから導入されるガスによって袋状に膨張展開可能なエアバッグと、環状をなすように両端部が接合された一対の分割外周シート部と、前記一対の分割外周シート部のそれぞれの一側部の一部に連設された底シート部とを含み、前記インフレータが前記底シート部に取付けられた状態で、前記一対の分割外周シート部が折畳まれた前記エアバッグの外周を囲むアウターバッグとを備える。
第2の態様は、第1の態様に係るエアバッグ装置であって、前記底シート部は、インフレータ取付孔が形成され、前記一対の分割外周シート部を繋ぐシート状部分である。
第3の態様は、第2の態様に係るエアバッグ装置であって、前記底シート部は、方形状に形成され、前記一対の分割外周シート部は、前記底シート部の外周部に沿った方形環状形態で、折畳まれた前記エアバッグの外周を囲む。
第4の態様は、第2又は第3の態様に係るエアバッグ装置であって、前記底シート部の外周部と前記一対の分割外周シート部の一側部とが、互いの連設箇所以外で接合されている。
第5の態様は、第2〜第4のいずれか1つの態様に係るエアバッグ装置であって、前記底シート部の外周部と前記一対の分割外周シート部の一側部とのうち互いの連設箇所以外の少なくとも一部に塞ぎ部が設けられている。
第6の態様は、第2〜第5のいずれか1つの態様に係るエアバッグ装置であって、前記アウターバッグが前記エアバッグに取付けられている。
第7の態様は、第6の態様に係るエアバッグ装置であって、前記底シート部が前記エアバッグに取付けられている。
第8の態様は、第7の態様に係るエアバッグ装置であって、前記インフレータ取付孔周りで前記アウターバッグが前記エアバッグに取付けられている。
第9の態様は、第8の態様に係るエアバッグ装置であって、前記インフレータ取付孔を囲む円状の接合部分を介して、前記アウターバッグが前記エアバッグに取付けられている。
第10の態様は、第7の態様に係る前記底シート部が方形状に形成され、前記底シート部の外周部に沿った方形状の接合部分を介して、前記アウターバッグが前記エアバッグに取付けられている。
第11の態様は、第1の態様に係るエアバッグ装置であって、前記底シート部は、一対の分割底シート部を含み、前記一対の分割底シート部のそれぞれが前記一対の分割外周シート部のそれぞれの前記一側部の一部に連設されると共に、前記一対の分割底シート部のそれぞれが前記インフレータに取付けられる。
第12の態様は、第11の態様に係るエアバッグ装置であって、前記一対の分割外周シート部のそれぞれの他側部の一部に連設され、前記一対の分割外周シート部を繋ぐ天井シート部をさらに備える。
第13の態様は、第12の態様に係るエアバッグ装置であって、前記天井シート部の外周部と前記一対の分割外周シート部の他側部とが、互いの連設箇所以外で接合されている。
第14の態様は、第9〜第13のいずれか1つの態様に係るエアバッグ装置であって、前記アウターバッグが前記エアバッグに取付けられている。
第15の態様は、第14の態様に係るエアバッグ装置であって、前記一対の分割底シート部のうちの少なくとも一方が前記エアバッグに取付けられている。
第16の態様は、第11の態様に係るエアバッグ装置であって、前記一対の分割外周シート部の一方の他側部に、エアバッグの膨張展開により破断可能な破断部が形成された延出包囲部が延設され、前記延出包囲部が折畳まれた前記エアバッグを覆った状態で前記インフレータに固定されている。
第17の態様は、第16の態様に係るエアバッグ装置であって、前記アウターバッグが前記エアバッグに取付けられている。
第18の態様は、第1〜第17のいずれか1つの態様に係るエアバッグ装置であって、前記一対の分割外周シート部の一側部のうち前記底シート部の外周部への連設箇所以外の少なくとも一部に、前記インフレータに固定されるインフレータ固定片が設けられている。
第19の態様は、第1〜第18のいずれか1つの態様に係るエアバッグ装置であって、前記アウターバッグの内側で折畳まれた前記エアバッグを覆い、前記エアバッグの膨張展開時に破断可能な補助ラップ部材をさらに備える。
第1の態様に係るエアバッグ装置によると、折畳まれたエアバッグの外周を、環状をなすように両端部が接合された一対の分割外周シート部で囲むため、折畳まれたエアバッグの周囲を囲む箇所で接合箇所をなるべく少なくすることができる。また、底シート部は、前記一対の分割外周シート部のそれぞれの一側部の一部に連設されているため、一対の分割外周シート部が折畳まれたエアバッグの外周を囲んだ状態で、底シート部の余剰部分を少なくできる。このため、アウターバッグの軽量化も可能となる。
第2の態様によると、一対の分割外周シート部が底シート部で繋がる一枚のシート状部材によって、アウターバッグを形成することができる。
第3の態様によると、アウターバッグの最終形態を直方体状にすることができる。
第4の態様によると、エアバッグの展開動作をより安定化させることができる。
第5の態様によると、塞ぎ部によって、前記底シート部の外周部と前記一対の分割外周シート部の一側部との間を塞ぐことができ、エアバッグの展開動作をより安定化させることができる。
第6の態様によると、前記アウターバッグが前記エアバッグに取付けられているため、エアバッグ装置の製造途中において、アウターバッグとエアバッグとを一体的な構成部品として取扱うことができる。
第7の態様によると、インフレータが取付けられる底シート部をエアバッグに取付けているため、エアバッグを円滑に膨張展開させることができる。
第8の態様によると、前記インフレータ取付孔の周縁部で前記アウターバッグが前記エアバッグに取付けられているため、取付け後のアウターバッグの加工が容易である。また、インフレータ取付孔の周囲でエアバッグがアウターバッグに取付けられているため、エアバッグが安定して膨張展開する。
第9の態様によると、前記インフレータ取付孔を囲む円状の接合部分を介して、前記アウターバッグが前記エアバッグに取付けられているため、エアバッグの膨張展開時に接合部分にかかる力が分散され、アウターバッグとエアバッグとが外れ難くなる。
第10の態様によるとアウターバッグが直方体箱状を維持し易くなる。
第11の態様によると、一対の分割底シート部を容易にインフレータに取付けることができる。
第12の態様によると、一対の分割外周シート部が天井シート部によって繋がる一枚のシート状部材によってアウターバッグを形成することができる。
第13の態様によると、前記天井シート部の外周部と前記一対の分割外周シート部の他側部とが、互いの連設箇所以外で接合されているため、エアバッグの展開をより効果的に規制できる。
第14の態様によると、前記アウターバッグが前記エアバッグに取付けられているため、エアバッグ装置の製造途中において、アウターバッグとエアバッグとを一体的な構成部品として取扱うことができる。
第15の態様によると、前記一対の分割底シート部のうちの一方が前記エアバッグに取付けられていると、事前の接合箇所を少なくしつつ、アウターバッグとエアバッグとを一体的な構成部品として取扱うことができる。
第16の態様によると、延出包囲部によってアウターバッグ内に折畳まれたエアバッグを収容した状態を維持できる。
第17の態様によると、前記アウターバッグが前記エアバッグに取付けられているため、エアバッグ装置の製造途中において、アウターバッグとエアバッグとを一体的な構成部品として取扱うことができる。
第18の態様によると、前記一対の分割外周シート部の一側部のうち前記底シート部の外周部への連設箇所以外の少なくとも一部が、インフレータ固定片を介してインフレータに固定されているため、エアバッグがインフレータ側に膨張展開することをより確実に抑制することができる。
第19の態様によると、折畳んだエアバッグの形態をより確実に維持できるので、アウターバッグを覆う作業を、容易に行うことができる。
第1実施形態に係るエアバッグ装置の全体構成を示す断面図である。 同上のエアバッグ装置を示す斜視図である。 同上のエアバッグ装置のアウターバッグの組立手順を示す説明図である。 同上のアウターバッグの組立手順を示す説明図である。 同上のアウターバッグの組立手順を示す説明図である。 同上のアウターバッグの組立手順を示す説明図である。 第1実施形態に係るエアバッグ装置の展開動作を示す説明図である。 同上のエアバッグ装置の展開動作を示す説明図である。 同上のエアバッグ装置の展開動作を示す説明図である。 同上のエアバッグ装置の展開動作を示す説明図である。 同上のエアバッグ装置の展開動作を示す説明図である。 同上のエアバッグ装置の展開動作を示す説明図である。 第1変形例に係るエアバッグ装置を示す説明図である。 第1変形例に係るエアバッグ装置を示す斜視図である。 第2変形例に係るエアバッグ装置を示す斜視図である。 第2変形例に係るアウターバッグの組立手順を示す説明図である。 第2変形例に係るアウターバッグの組立手順を示す説明図である。 第2変形例に係るアウターバッグの組立手順を示す説明図である。 第2変形例に係るアウターバッグの組立手順を示す説明図である。 第2変形例に係るエアバッグ装置の展開動作を示す説明図である。 第2変形例に係るエアバッグ装置の展開動作を示す説明図である。 第2変形例に係るエアバッグ装置の展開動作を示す説明図である。 第2変形例に係るエアバッグ装置の展開動作を示す説明図である。 第2変形例に係るエアバッグ装置の展開動作を示す説明図である。 第2変形例に係るエアバッグ装置の展開動作を示す説明図である。 第3変形例に係るアウターバッグを示す斜視図である。 第3変形例に係るアウターバッグの組立手順を示す説明図である。 第3変形例に係るアウターバッグの組立手順を示す説明図である。 第3変形例に係るアウターバッグの組立手順を示す説明図である。 第3変形例に係るアウターバッグの組立手順を示す説明図である。 第4変形例に係るエアバッグ装置を示す斜視図である。 第4変形例に係るアウターバッグの組立手順を示す説明図である。 第4変形例に係るアウターバッグの組立手順を示す説明図である。 第4変形例に係るアウターバッグの組立手順を示す説明図である。 第4変形例に係るアウターバッグの組立手順を示す説明図である。 第5変形例に係るエアバッグ装置を示す斜視図である。 第5変形例に係るアウターバッグの組立手順を示す説明図である。 第5変形例に係るアウターバッグの組立手順を示す説明図である。 第5変形例に係るアウターバッグの組立手順を示す説明図である。 第5変形例に係るアウターバッグの組立手順を示す説明図である。 第6変形例に係るエアバッグ装置を示す斜視図である。 第6変形例に係るアウターバッグの組立手順を示す説明図である。 第6変形例に係るアウターバッグの組立手順を示す説明図である。 第6変形例に係るアウターバッグの組立手順を示す説明図である。 第6変形例に係るアウターバッグの組立手順を示す説明図である。 第7変形例に係るエアバッグとアウターバッグとの取付例を示す説明図である。 第8変形例に係るエアバッグとアウターバッグとの取付例を示す説明図である。 第9変形例に係るエアバッグ装置を示す断面図である。 第9変形例に係るエアバッグ装置を示す斜視図である。 第9変形例に係るエアバッグ装置とリッドとリッド側周壁部と概略的な関係を示す図である。 第10変形例に係るエアバッグ装置とリッドとリッド側周壁部と概略的な関係を示す図である。 第11変形例に係るエアバッグ装置とリッドとリッド側周壁部と概略的な関係を示す図である。 第2実施形態に係るエアバッグ装置を示す斜視図である。 第2実施形態に係るアウターバッグの組立手順を示す説明図である。 第2実施形態に係るアウターバッグの組立手順を示す説明図である。 第2実施形態に係るアウターバッグの組立手順を示す説明図である。 第2実施形態に係るアウターバッグの組立手順を示す説明図である。 第12変形例に係るエアバッグ装置を示す斜視図である。 第12変形例に係るアウターバッグの組立手順を示す説明図である。 第12変形例に係るアウターバッグの組立手順を示す説明図である。 第12変形例に係るアウターバッグの組立手順を示す説明図である。 第12変形例に係るアウターバッグの組立手順を示す説明図である。 第13変形例に係るアウターバッグの組立手順を示す説明図である。 第13変形例に係るアウターバッグの組立手順を示す説明図である。 第13変形例に係るアウターバッグの組立手順を示す説明図である。 第14変形例に係るエアバッグ装置を示す斜視図である。 第14変形例に係るエアバッグ装置を底側から見た斜視図である。 第14変形例に係るアウターバッグの組立手順を示す説明図である。 第14変形例に係るアウターバッグの組立手順を示す説明図である。 第14変形例に係るアウターバッグの組立手順を示す説明図である。 第14変形例に係るアウターバッグの組立手順を示す説明図である。 第14変形例に係るアウターバッグの組立手順を示す説明図である。 第14変形例に係るエアバッグとアウターバッグとの取付例を示す説明図である。 第16変形例に係るエアバッグとアウターバッグとの取付例を示す説明図である。 第3実施形態に係るエアバッグ装置を示す斜視図である。 第3実施形態に係るアウターバッグの組立手順を示す説明図である。 第3実施形態に係るアウターバッグの組立手順を示す説明図である。 第3実施形態に係るアウターバッグの組立手順を示す説明図である。 第3実施形態に係るアウターバッグの組立手順を示す説明図である。 第17変形例に係るアウターバッグの組立手順を示す説明図である。 第17変形例に係るアウターバッグの組立手順を示す説明図である。 第17変形例に係るアウターバッグの組立手順を示す説明図である。 第17変形例に係るアウターバッグの組立手順を示す説明図である。 第17変形例に係るアウターバッグの組立手順を示す説明図である。 第18変形例に係るエアバッグとアウターバッグとの取付例を示す説明図である。
以下、実施形態に係るエアバッグ装置について説明する。
はじめに、下記の第1〜第3実施形態に共通する実施形態について説明しておく。
すなわち、エアバッグ装置は、割開き可能なリッドを有するエアバッグ組込パネルに組込まれるエアバッグ装置であり、インフレータと、エアバッグと、アウターバッグとを備える。インフレータは、ガスを発生可能に構成されている。エアバッグは、通常状態では折畳まれており、インフレータから導入されるガスによって袋状に膨張展開可能に構成されている。
アウターバッグは、通常状態では、折畳まれたエアバッグの周囲を囲んでおり、エアバッグの膨張展開時にエアバッグがラジアル方向に展開することを抑制する。本実施形態では、アウターバッグは、一対の分割外周シート部と、底シート部とを備える。
一対の分割外周シート部の両端部が接合され、一対の分割外周シート部が環状をなしている。一対の分割外周シート部は、相互に繋がっていてもよいし、別々の部材であってもよい。前者の場合、一対の分割外周シート部は、底シート部を介して繋がっていてもよいし、インフレータとは反対側の天井シート部を介して繋がっていてもよい。これらの各構成については、下記の各実施形態でより具体的に説明する。
また、一対の分割外周シート部のそれぞれの一側部の一部に底シート部が連設されている。底シート部は、1つのシート状部分として構成されていてもよいし、複数のシート部分によって構成されていてもよい。
底シート部がインフレータに取付けられた状態で、一対の分割外周シート部が折畳まれたエアバッグの外周を囲んでいる。
上記エアバッグ装置によると、折畳まれたエアバッグの外周を、環状をなすように両端部が接合された一対の分割外周シート部で囲むため、折畳まれたエアバッグの周囲を囲む箇所で縫合箇所をなるべく少なくすることができる。また、底シート部は、前記一対の分割外周シート部のそれぞれの一側部の一部に連設されているため、一対の分割外周シート部が折畳まれたエアバッグの外周を囲んだ状態で、底シート部の余剰部分を少なくできる。このため、アウターバッグの軽量化も可能となる。
以下、より具体的な実施形態について説明する。
{第1実施形態}
以下、第1実施形態に係るエアバッグ装置について説明する。第1実施形態では、一対の分割外周シート部が底シート部を介して繋げられている例を説明する。図1は本実施形態に係るエアバッグ装置20の全体構成を示す断面図であり、図2はエアバッグ装置20を示す斜視図である。なお、図1では、エアバッグ装置20をインストルメントパネル10に組込んだ状態を示している。また、図1は、車両の前後方向に沿った面における断面を示している。
このエアバッグ装置20は、車両の助手席前方にあるインストルメントパネル10に組込まれ、車両衝突時等に助手席乗員前方に膨張展開して、助手席乗員を受止めて衝撃を吸収する装置として構成されている。
すなわち、車両の助手席の車両前方には、エアバッグ組込パネルとしてインストルメントパネル10が配設されている。インストルメントパネル10には、割開き可能なリッド12が形成されている。ここでは、インストルメントパネル10は、樹脂により形成されている。また、インストルメントパネル10の内周面には、その略方形状の領域を3方(ここでは、車両後方及び両側方向)から囲むようにして溝状のティアライン13が形成されており、そのティアライン13によって囲まれる領域がリッド12とされている。エアバッグ装置20は、本リッド12の内側に組込まれている。そして、エアバッグ装置20の作動時には、インストルメントパネル10がティアライン13に沿って裂けることにより、リッド12が割開かれて開口が形成されるようになっている。また、インストルメントパネル10の内面には、上記リッド12の外周囲に立設されたリッド側周壁部14が形成されている。リッド側周壁部14は、ティアライン13よりも外周側にあり、リッド12を外周囲全体に亘って囲っている。なお、ティアライン13の形成例は上記例に限られない。例えば、インストルメントパネルにH字状又は放射状にティアラインが形成され、インストルメントパネルが複数の部分に分れて割開かれてもよい。要するに、ティアラインは、エアバッグ装置20の作動時にエアバッグ展開用の開口を形成可能な態様で形成されていればよい。また、リッド側周壁部14が形成されていることも必須ではない。
また、インストルメントパネル10の内側には、車両のボディに固定された部材である車体側部材18が配設されている。ここでは、車体側部材18として、ボディに固定され、インストルメントパネル10内で車幅方向に沿って配設された部材(いわゆるリーンホースと呼ばれる部材)を想定している。上記インストルメントパネル10は、周知構造を含む取付構造によって車両のボディに固定され、また、本体側部材も車両のボディに固定されているので、インストルメントパネル10と車体側部材18とは一定の位置関係に保たれている。従って、車体側部材18にエアバッグ装置20を取付けることで、エアバッグ装置20もインストルメントパネル10に対して一定の位置に配設される。
なお、エアバッグ装置20は、上記リッド12に対して取付固定されていてもよい。そのような構成例については後述する変形例で説明する。この場合、エアバッグ装置20は、車体側部材18に取付けられていなくてもよい。また、この場合、リッド12は、インストルメントパネル10とは別部材として構成されていてもよい。
本エアバッグ装置20は、上記のようなインストルメントパネル10に組込まれる。なお、ここで、エアバッグ装置20がインストルメントパネル10に組込まれるとは、エアバッグ装置20がインストルメントパネル10から膨張展開可能な位置に配設される場合を含み、エアバッグ装置20がインストルメントパネル10に対して物理的機械的に固定されていることは必須ではない。
本エアバッグ装置20は、インフレータ22と、エアバッグ30と、アウターバッグ40とを備えている。
インフレータ22は、点火装置及びガス発生剤等を有しており、上記リッド12の内側に配設されている。このインフレータ22は、車両自体に設置された衝撃検知部等からの点火命令信号を受けて前記点火装置によりガス発生剤を燃焼させ、これによりガスを発生可能に構成されている。ここでは、インフレータ22は、短円柱状に形成されており、その外周に金属板等でつば部24が形成されている。ここでは、つば部24は、方形状に形成されている。また、つば部24の一主面にネジ部25が突設されており、このネジ部25を利用して、インフレータ22とエアバッグ30、アウターバッグ40等との取付がなされる。
エアバッグ30は、布等でガス導入口を有する袋状に形成されている。上記インフレータ22は、ガス導入口を介してエアバッグ30内にガスを導入可能な位置及び姿勢で、エアバッグ30に取付けられている。このエアバッグ30は、通常状態では、折畳まれてリッド12の内側、ここでは、リッド12とインフレータ22との間に配設されている。エアバッグ30の折畳み構成は、予め決定された折り線に沿って折られる構成であっても、くしゃくしゃに丸めるように折畳まれる構成であってもよい。もっとも、エアバッグ30は、直方体箱形状をなすように折畳まれていることが好ましい。そして、車両衝突時等の膨張展開時には、エアバッグ30は、インフレータ22よりガス導入口を介して導入されるガスによって、リッド12を割開いてインストルメントパネル10の外方に突出するように膨張して、車室内側である助手席乗員側に向けて袋状に膨張展開する。
アウターバッグ40は、折畳み可能でかつ接合可能な柔軟なシート状部材41(布或は樹脂シート等)を縫製することにより構成されている。接合は、縫製によって行われることが好ましく、ここでも縫製した例で説明するが、これは必須ではない。
アウターバッグ40は、一対の分割外周シート部42と、底シート部44とを含む。
一対の分割外周シート部42の両端部は縫合等によって接合され、一対の分割外周シート部42が全体として環状をなしている。また、一対の分割外周シート部42のそれぞれの一側部である底側の側部(図2ではインフレータ22側の側部)の一部に底シート部44が連設されている。ここで、あるシート状部分と別のシート状部分とが連設されているとは、当初から一枚のシート状部材によって一体化されており、縫合等によって後から接合された構成ではないことをいう。
上記底シート部44は、一対の分割外周シート部42を繋ぐシート状部分に形成されている。すなわち、底シート部44は、方形状をなす一枚のシート状部分として形成されており、当該1つのシート状部分が一対の分割外周シート部42のそれぞれに接合されている。よって、一対の分割外周シート部42と1つの底シート部44は、全体で1つのシート状部分によって構成されている。また、底シート部44の中間部(ここでは中央部)には、インフレータ取付孔40hが形成されている。
インフレータ22は、エアバッグ30と共にインフレータ取付孔40hの周縁部に取付けられている。この状態で、一対の分割外周シート部42は、折畳まれたエアバッグ30の外周を囲んでいる。特に、ここでは、一対の分割外周シート部42は、方形状の底シート部44の外周部に沿った方形環状形態をなして、折畳まれたエアバッグ30の外周を囲んでいる。もっとも、底シート部44が方形状をなしていることは必須ではないし、一対の分割外周シート部42が方形環状をなしていることも必須ではない。例えば、一対の分割外周シート部42が円環状をなして折畳まれたエアバッグ30の外周を囲んでいてもよい。
上記アウターバッグ40の一製造例について具体的に説明する。
上記アウターバッグ40を製造するにあたって、まず、図3及び図4に示すシート状部材41を準備する。図3はシート状部材41の平面展開図であり、図4は図3に示すシート状部材41の展開図において縫合ラインS、折りラインF及び仮折ラインFtを示した図である。
シート状部材41は、方形状の底シート部44の一対の長辺側部分のそれぞれに分割外周シート部42を連設した形状、ここでは、H字状に広がる形状に形成されている。各分割外周シート部42は底シート部44の外周長の半分程度の長さ寸法の細長帯状に形成されている。各分割外周シート部42の一側部の長手方向中間部に底シート部44が連設されている。
なお、底シート部44の中央部にはインフレータ取付孔40hが形成され、このインフレータ取付孔40hの周縁部に固定孔40haが(ここでは4つ)形成されている。
上記シート状部材41は、図4における仮折ラインFtで二つ折りされ、図5に示すように、一対の分割外周シート部42同士が重ね合される。そして、一対の分割外周シート部42の長手方向における両端部同士が縫合ラインSに沿って縫合される。
上記仮折ラインFtは、一対の分割外周シート部42の長手方向に沿って延びるラインであり、底シート部44を、一対の分割外周シート部42が連設された2つの部分に2分する線である。アウターバッグ40の最終形態では、後述するように底シート部44は平面状に展開した状態となるため、仮折ラインFtは実際に折られた部分ではなくなる。また、仮折ラインFtは、インフレータ取付孔40hを横切る線でもある。この仮折ラインFtに対して、シート状部材41の縫合ラインSは直交している。縫合ラインSの延在方向は、エアバッグ30の主膨張展開方向(つまり、リッド12に向う方向)に沿った方向でもある。
そして、上記のようにシート状部材41を縫合した後、一対の分割外周シート部42を環状に開くと、その一方側開口である底側に底シート部44が配設されると共に、その反対側には開口40Xが形成された、アウターバッグ40が形成される。
なお、アウターバッグ40は、強度上の必要性等に応じて、全体的或は部分的に複数の布等が重ね合されていてもよい。また、上記アウターバッグ40が上記形状をなすのと無関係な箇所等で、補充的な縫合箇所等があってもよい。なお、シート状部材41の大きさ、特に、一対の分割外周シート部42の幅等を適宜調整することで、アウターバッグ40の高さ調整を行うことができる。
上記アウターバッグ40は、図6に示すように、直方体箱状をなすように折られていることが好ましい。ここでは、アウターバッグ40は、一対の分割外周シート部42が、底シート部44の方形状の外周部に沿って方形環状に配設されている。
この形態に折ることを想定すると、底シート部44の大きさは、折畳まれたエアバッグ30の平面視の大きさとほぼ同じであることが好ましい。また、一対の分割外周シート部42の幅は、折畳まれたエアバッグ30の高さ寸法(エアバッグ30の膨張展開方向)の寸法と同じかそれよりも大きい寸法に設定するとよい。一対の分割外周シート部42の幅を調整することで、アウターバッグ40の高さ(深さ)の調整を簡単に行える。
また、上記形態では、一対の分割外周シート部42の一側部(インフレータ22側の側部)のうち底シート部44が連設された箇所以外の部分と、底シート部44の外周部との間には細長い隙間が空いている。この隙間については、このまま放置しておいてもよいし、別途接合により、又は、他のシート状部分によって塞ぐようにしてもよい。これらの例については後述する。
もっとも、アウターバッグ40が直方体箱状をなしていることは必須ではなく、円筒状、球状等の外観形状を呈していてもよい。
エアバッグ30及びインフレータ22は、次のようにしてアウターバッグ40に取付固定されている。
すなわち、図1及び図2に示すように、インフレータ22のつば部24に突設されたネジ部25をアウターバッグ40のインフレータ取付孔40hの周縁部の固定孔40haに挿通させた状態で、インフレータ22の一部がインフレータ取付孔40h内に配設される。なお、インフレータ22のつば部24に突設されたネジ部25は、エアバッグ30のガス導入口の周縁部に形成された固定孔に挿通されており、当該エアバッグ30に対して取付(仮固定)されている。
上記インフレータ22のつば部24に対しては、アウターバッグ40の外側から固定ブラケット28が重ね合される。固定ブラケット28には、ネジ部25に対応する孔が形成されており、当該孔から突出するネジ部25にナット29が螺合締結される。これにより、つば部24と固定ブラケット28との間に、エアバッグ30のうちガス導入口の周縁部及びアウターバッグ40のうちインフレータ取付孔40hの周縁部が挟込み固定される。これにより、エアバッグ30及びインフレータ22がアウターバッグ40に対して取付固定される。
なお、エアバッグ30を折畳む作業、アウターバッグ40を直方体箱状に折る作業は、いずれの段階で行われてもよい。
また、インフレータ22には、インフレータ固定部材46が固定されている(図1参照)。インフレータ固定部材46は、金属板等によって形成された部材であり、ここでは、略L字状に曲る形状に形成されている。そして、ここでは、上記ネジ部25がインフレータ固定部材46の一端部に挿通された状態でネジ部25にナット29が螺合締結されることで、インフレータ固定部材46の一端部が上記固定ブラケット28の外面とナット29との間で締付け固定され、もって、インフレータ固定部材46がインフレータ22に固定されている。また、インフレータ固定部材46の他端部は、車体側部材18に固定可能な形状に形成されている、ここでは、車体側部材18に突設された固定ボルト18Bを、前記インフレータ固定部材46の他端部に挿通して、当該固定ボルト18Bにナット18Nを螺合締結することにより、インフレータ固定部材46が車体側部材18に対して固定される。そして、本インフレータ固定部材46が車体側部材18に固定されることで、インフレータ22がリッド12の内側の一定位置に固定されている。
本実施形態では、エアバッグ装置20は車体側部材18に固定されており、インストルメントパネル10には固定されていないため、エアバッグ装置20の組付を簡単に行える。
なお、インフレータ22或は車体側部材18に対するインフレータ固定部材46の固定は、上記例に限られず、カシメ或は溶接、嵌め込み構造、或はこれらの複合構成であってもよい。
なお、上記例では、シート状部材41を縫合してアウターバッグ40を形成した後、そのままのアウターバッグ40内に折畳まれたエアバッグ30を収容すると説明したが必ずしもその必要はない。シート状部材を縫合して袋状に形成した後、その袋状のシート状部材を反転させてアウターバッグを構成してもよい。
図7〜図9は、上記エアバッグ装置20の展開動作を示す説明図である。なお、これらの展開動作を示す説明図では、説明の便宜上簡略化して記載されている。
まず、展開動作前の通常状態では、図7に示すように、折畳まれたエアバッグ30は、リッド12とインフレータ22との間に配設されている。この状態では、リッド側周壁部14は、折畳まれたエアバッグ30を周囲四方から取囲んでいる。また、アウターバッグ40の一対の分割外周シート部42は環状をなして、折畳まれたエアバッグ30を周囲四方から取囲んでいる。
この状態で、インフレータ22から発生したガスがエアバッグ30内に導入されると、図8に示すように、エアバッグ30は、リッド12とリッド側周壁部14とインフレータ22とで囲まれる空間内で膨張を開始する。
この際、エアバッグ30の主膨張展開方向(インフレータ22からリッド12に向う方向)では、インフレータ固定部材46によりインフレータ22はリッド12に対して一定距離離れた位置で固定されているため、エアバッグ30の突出方向の膨張展開力は、リッド12のティアライン13を分断する力として作用する。これにより、リッド12が割開かれ、インストルメントパネル10に開口が形成される。
この際、エアバッグ30は、その主膨張展開方向(インフレータ22からリッド12に向う方向)を中心としてその周囲に向うラジアル方向にも膨張展開しようとする。ところが、エアバッグ30の外周は一対の分割外周シート部42によって囲まれているため、エアバッグ30がリッド側周壁部14とインフレータ22との間でラジアル方向に広がるように外方に膨張展開してしまうことを抑制することができる。
特に、リッド側周壁部14が存在する部分では、膨張展開しようとするエアバッグ30は、リッド側周壁部14の内面に向けて押付けられるので、エアバッグ30とリッド側周壁部14との間で一対の分割外周シート部42の一部分(開口40Xに近い部分)が挟込まれるように保持される。これにより、一対の分割外周シート部42のうちリッド側周壁部14とインフレータ22との間に介在する部分が、膨張展開しようとするエアバッグ30のうちのインフレータ22近傍部分を周囲全体に亘ってより確実に受止めることになり、エアバッグ30がリッド側周壁部14とインフレータ22との間でラジアル方向に広がるように外方に膨張展開してしまうことをより確実に抑制することができる。
そして、リッド12が割開かれると、図9に示すように、エアバッグ30がインストルメントパネル10の開口を通って外方に膨張展開する。この際にも、一対の分割外周シート部42が、エアバッグ30がラジアル方向に膨張展開することを受止める上記構成が維持され、エアバッグ30がラジアル方向に広がることを抑制する。
リッド12が割開かれた状態で、アウターバッグ40のうち開口40Xに近い部分が、インストルメントパネル10の開口周縁部とエアバッグ30との間に挟まれることが好ましい。さらには、リッド12が割開かれた状態で、アウターバッグ40のうち開口40Xに近い部分が、インストルメントパネル10の開口周縁部を越えてインストルメントパネル10の表面側に延出することが好ましい。
そして、エアバッグ30がインストルメントパネル10と助手席乗員との間に膨張展開することで、助手席乗員を受止めて衝撃を吸収する。
図10〜図12は、リッド側周壁部14を省略した場合における、エアバッグ装置20の展開動作を示す説明図である。
この場合、展開動作前の通常状態では、図10に示すように、折畳まれたエアバッグ30は、リッド12とインフレータ22との間に配設されている。この状態では、アウターバッグ40の一対の分割外周シート部42は環状をなして、折畳まれたエアバッグ30を周囲四方から取囲んでいる。
この状態で、インフレータ22から発生したガスがエアバッグ30内に導入されると、図11に示すように、エアバッグ30は、リッド12とリッド側周壁部14とインフレータ22とで囲まれる空間内で膨張を開始する。
この際、エアバッグ30は、その主膨張展開方向(インフレータ22からリッド12に向う方向)を中心としてその周囲に向うラジアル方向にも膨張展開しようとする。ところが、エアバッグ30の外周は一対の分割外周シート部42によって囲まれているため、エアバッグ30がリッド側周壁部14とインフレータ22との間でラジアル方向に広がるように外方に膨張展開してしまうことを抑制することができる。この状態で、アウターバッグ40のうち開口40Xに近い部分が、エアバッグ30とリッド12との間に挟まれていることが好ましい。
そして、リッド12が割開かれると、図12に示すように、エアバッグ30がインストルメントパネル10の開口を通って外方に膨張展開する。この際にも、一対の分割外周シート部42が、エアバッグ30がラジアル方向に膨張展開することを受止める上記構成が維持され、エアバッグ30がラジアル方向に広がることを抑制する。
リッド12が割開かれた状態で、アウターバッグ40のうち開口40Xに近い部分が、インストルメントパネル10の開口周縁部とエアバッグ30との間に挟まれることが好ましい。さらには、リッド12が割開かれた状態で、アウターバッグ40のうち開口40Xに近い部分が、インストルメントパネル10の開口周縁部を越えてインストルメントパネル10の表面側に延出することが好ましい。
そして、エアバッグ30がインストルメントパネル10と助手席乗員との間に膨張展開することで、上記と同様に、助手席乗員を受止めて衝撃を吸収する。
以上のように構成されたエアバッグ装置によると、折畳まれたエアバッグ30の外周を、環状をなすように両端部が接合された一対の分割外周シート部42で囲むため、折畳まれたエアバッグ30の周囲を囲む箇所で接合箇所をなるべく少なくすることができる。なお、ここでの利点は、エアバッグ30のラジアル方向への膨張展開を受止める部分、即ち、折畳まれたエアバッグ30の外周を囲う部分での縫合箇所を問題としているため、底シート部44と分割外周シート部42との間等の他の部分等で接合がなされていてもよい。
また、底シート部44は、一対の分割外周シート部42のそれぞれの一側部の一部に連設されているため、一対の分割外周シート部42が折畳まれたエアバッグ30の外周を囲んだ状態で、底シート部44の余剰部分を少なくすることができる。このため、アウターバッグ40の軽量化も可能となる。
特に、一対の分割外周シート部42が底シート部44を介して繋がっているため、全体として一枚のシート状部材41によってアウターバッグ40を容易に形成することができる。
また、エアバッグ30が膨張展開する際には、アウターバッグ40によって、インストルメントパネル10の内側でエアバッグ30がラジアル方向に展開することを有効に抑制することができる。また、そのための構成を主としてシート状部材41で構成されたアウターバッグ40によって実現できるため、部品点数の削減、軽量化、コスト削減が可能となる。
また、リッド側周壁部14とインフレータ22との間では、アウターバッグ40によってエアバッグ30のラジアル方向への広がりが抑制されているため、リッド側周壁部14の高さ寸法を低くすることができ、或は、別例で述べたように、リッド側周壁部14自体を無くすることも可能となり、インストルメントパネルの構成の簡易化、軽量化も実現可能となる。
また、アウターバッグ40が直方体箱状をなすように折られているため、折畳まれたエアバッグ30及びそれを覆うアウターバッグ40が、直方体外観をなすようにすることができる。これにより、折畳まれたエアバッグ30及びアウターバッグ40の形状安定化及び収容作業の容易化を図り易い。
また、底シート部44に形成されたインフレータ取付孔40hに対向する位置に開口40Xが形成されているため、インフレータ22の前方側に、開口40Xを通じてエアバッグ30を円滑に膨張展開させることができる。
また、インフレータ22がインフレータ固定部材46を介して車体側部材18に固定されているため、インフレータ22とインストルメントパネル10との固定構造を簡略化或は省略することができる。
結果、リッド側周壁部14を設けた場合であっても、リッド側周壁部14にエアバッグ装置20を固定するための構成(取付用の孔)等を設けなくてもよくなる。このため、リッド側周壁部14に着目すると、そのような観点からも構成の簡易化が図られる。
本第1実施形態を前提として、各種変形例について説明する。
まず、図13及び図14に示す第1変形例のように、上記エアバッグ装置20Bが、アウターバッグ40の内側で折畳まれたエアバッグ30を覆う補助ラップ部材(ラッピングクロス)60を備えていてもよい。ここでは、補助ラップ部材60は、長方形状に形成されており、その両端部に弧状に凹むインフレータ嵌込凹部62が形成されると共に、当該インフレータ嵌込凹部62の周縁部にネジ部25を挿通可能な取付孔62aが形成されている。また、その長手方向中間部に、その幅方向に沿って、エアバッグ30の膨張展開によって破断可能な破断部64が形成されている。ここでは、破断部64は、補助ラップ部材60をその幅方向において部分的に切込むことにより形成されている。
上記補助ラップ部材60は、折畳まれたエアバッグ30を覆うように装着され、その両端部がインフレータ22まで引出されている。そして、インフレータ22のネジ部25が取付孔62aに挿通されており、インフレータ22とエアバッグ30、アウターバッグ40との取付構造部分を利用して、補助ラップ部材60がインフレータ22に取付固定されている。このように補助ラップ部材60がエアバッグ30を覆う状態で、破断部48Gaは折畳まれたエアバッグ30の上部の略中央部に配設される。
この補助ラップ部材60によって、エアバッグ30がより確実に折畳まれた形態に維持される。特に、折畳まれたエアバッグ30をアウターバッグ40内に入れる前の状態で、補助ラップ部材60を装着して、エアバッグ30を折畳んだ状態に維持し、かつ、折畳まれたエアバッグ30からインフレータ22が分離し難いようにすることによって、当該エアバッグ30を容易にアウターバッグ40内に入れることができる。
なお、補助ラップ部材60は、上記形状に限られない。例えば、補助ラップ部材60は、折畳まれたエアバッグ30の天井部分から4方の側方部分に沿って延びる十字形状に形成されていてもよい。
また、図15に示す第2変形例に係るエアバッグ装置20Cは、インフレータ22と、エアバッグ30と、アウターバッグ40Cとを備えている。インフレータ22及びエアバッグ30は、上記したものと同じである。
アウターバッグ40Cは、上記アウターバッグ40に対して、その開口40Xを囲む周縁部に、膨張展開中のエアバッグ30とリッド12の開口外側周縁部との間に挟込み可能な第1延設片50、第2延設片52を設けた構成とされている(図16〜図19も参照)。
より具体的には、アウターバッグ40Cは、上記アウターバッグ40と同様に一対の分割外周シート部42と、底シート部44とを含む。
一対の分割外周シート部42を底シート部44の外周部に沿って方形環状に配設した状態で、分割外周シート部42のうち、底シート部44の一組の対辺(ここでは一対の長辺)に連設された部分を一対の第1側壁部40b1とする。また、分割外周シート部42のうち、第1側壁部40b1の両端にある部分を、それぞれ第2側壁部分40b2とする。一対の分割外周シート部42の一端にある2つの第2側壁部分40b2が、底シート部44の他の一組の対辺(ここでは一対の短辺)に対応する位置に配設される。
上記第1側壁部40b1の先端部(開口40X側部分)に第1延設部50が設けられ、第2側壁部40b2の先端部(開口40X側部分)に第2延設部52が設けられている。第1延設部50は、先端側に向けて順次幅狭となる略台形状に形成され、隣接する2つの第2延設部52は、接した状態で先端側に向けて順次幅狭となる略台形状に形成されている。これら第1延設部50及び第2延設部52は、折畳まれたエアバッグ30の上部を、それぞれの大部分を重複させないで覆えるようになっている。
上記第1延設部50及び第2延設部52は、エアバッグ30の膨張展開時において、膨張展開中のエアバッグ30とインストルメントパネル10のうちリッド12の外周面との間に挟込み可能に構成されている(図22、図25参照)。つまり、第1延設部50及び第2延設部52は、エアバッグ30の膨張展開時において、インストルメントパネル10に形成された開口を通って外方に延出可能な程度の寸法に設定されている。
なお、本変形例においても、インストルメントパネル10に形成されたリッド側周壁部14を省略してもよく、以下では、リッド側周壁部14が省略されているという前提で説明する。
上記アウターバッグ40Cは、アウターバッグ40と同様手順で製造することができる。
すなわち、アウターバッグ40Cを製造するにあたって、まず、図16及び図17に示すシート状部材41Cを準備する。図16はシート状部材41Cの平面展開図であり、図17は図16に示すシート状部材41Cの展開図において縫合ラインS、折ラインF、仮折ラインFtを示した図である。
シート状部材41Cは、第1実施形態におけるシート状部材41の形状(つまり、底シート部44の両側に分割外周シート部42が連設された形状)に、第1延設部50及び第2延設部52を形成するための部分を付加した形状とされている。つまり、シート状部材41Cのうち一対の分割外周シート部42の外向き側部分に、第1延設部50を形成するための第1片部分41Caと、第2延設部52を形成するための第2片部分41Cbとが形成されている。
そして、図18に示すように、上記第1実施形態と同様に、シート状部材41Cを仮折ラインFtで二つ折りしてその一対の分割外周シート部42の両側縁部を縫合ラインSで縫合する。これにより、図19に示すように、底部にインフレータ取付孔40hが形成されると共にそのインフレータ取付孔40hに対向する位置に開口40Xが形成されたエアバッグ30の収容部分と、当該収容部分の開口40Xより延出する第1延設片50、第2延設片52とを有するアウターバッグ40Cが製造される。なお、隣合う第2延設片52同士は縫合等により接合されていてもよいし、接合されていなくてもよい。
図20〜図22は、上記エアバッグ装置20Cの展開動作を示す説明図である。
まず、展開動作前の通常状態では、図20に示すように、折畳まれたエアバッグ30は、リッド12とインフレータ22との間に配設されている。また、アウターバッグ40Cの一対の分割外周シート部42は、環状をなして、折畳まれたエアバッグ30を周囲四方から取囲んでおり、第1延設部50及び第2延設部52は、折畳まれたエアバッグ30の上部を覆っている。
この状態で、インフレータ22から発生したガスがエアバッグ30内に導入されると、図21に示すように、エアバッグ30は、リッド12とインフレータ22とで囲まれる空間内で膨張を開始する。
この際、第1延設部50及び第2延設部52は、折畳まれたエアバッグ30とリッド12との間で挟込まれるので、アウターバッグ40の一対の分割外周シート部42の脱落が抑制されている。これにより、一対の分割外周シート部42は、エアバッグ30がラジアル方向に膨張展開することを有効に抑制する。
そして、上記第1実施形態で説明したように、この膨張展開力により、リッド12が割開かれ(図21参照)、インストルメントパネル10に開口が形成される。
インストルメントパネル10に開口が形成されると、エアバッグ30は当該開口を通ってインストルメントパネル10の外方に膨張展開しようとする。この際、アウターバッグ40Cのうち第1延設部50及び第2延設部52は、インストルメントパネル10の前記開口を通って外方に押出される。そして、エアバッグ30がインストルメントパネル10の開口を通って外方に突出すると、アウターバッグ40Cのうち第1延設部50及び第2延設部52は、インストルメントパネル10の開口或はリッド12と膨張展開中のエアバッグ30との間に挟込まれる。これにより、エアバッグ30の膨張展開中において、インストルメントパネル10の内側でアウターバッグ40Cがエアバッグ30の周囲を囲う状態がより確実に維持される。そして、アウターバッグ40Cのうちインストルメントパネル10の内側に存在する部分が、膨張展開するエアバッグ30のうちインストルメントパネル10の内側に位置する部分を周囲全体に亘って受止めて、エアバッグ30がインストルメントパネル10の内側でラジアル方向に広がることを抑制する。
そして、エアバッグ30がインストルメントパネル10と助手席乗員との間に膨張展開することで、助手席乗員を受止めて衝撃を吸収する。
以上のように構成されたエアバッグ装置20Cによっても、上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
加えて、アウターバッグ40Cのうち開口40Xを囲む周縁部に設けられた第1延設部50及び第2延設部52が、膨張展開中のエアバッグ30とリッド12との間、さらには、膨張展開中のエアバッグ30の開口外側周縁部との間に挟込まれるため、インストルメントパネル10の内側で、アウターバッグ40Cが膨張展開中のエアバッグ30とリッド12を囲う状態をより確実に維持できる。これにより、リッド12とインフレータ22との間でエアバッグ30がラジアル方向に広がることをより確実に抑制できる。
また、エアバッグ30が膨張展開した状態で、リッド12の開口外側周縁部とエアバッグ30との間に第1延設部50、第2延設部52が配設されるため、リッド12の開口が割れ難くなる。また、エアバッグ30とリッド12の開口との直接的な擦れが抑制される。
なお、本変形例では、リッド側周壁部14が省略された例で説明したが、インストルメントパネル10にリッド側周壁部14が設けられていてもよい。
この場合、エアバッグ装置20Cの展開動作は、図23〜図25に示すようになる。基本的な動作は、上記第1実施形態において図7〜図9を参照して説明したのと同様である。これに加えて、たとえ、アウターバッグ40Cのうちの開口40Xに近い部分がインフレータ22側に引寄せられてしまったとしても、第1延設部50及び第2延設部52が膨張展開中のエアバッグ30とリッド側周壁部14との間に挟込まれた状態が維持され易い。このため、アウターバッグ40Cが膨張展開中のエアバッグ30の周囲を取囲む状態がより確実に維持され、アウターバッグ40のラジアル方向への膨張展開がより確実に抑制される。
図15に示す第3変形例に係るエアバッグ装置20Dは、インフレータ22と、エアバッグ30と、アウターバッグ40Dとを備えている。インフレータ22及びエアバッグ30は、上記したものと同じである。
アウターバッグ40Dは、上記アウターバッグ40と同様に一対の分割外周シート部42と、底シート部44とを含む。そして、底シート部44の外周部と一対の分割外周シート部42の一側部とが、互いの連設箇所以外で縫合等によって接合されている。すなわち、一対の分割外周シート部42の一側部(インフレータ22側の側部)のうち底シート部44が連設された箇所以外の部分と、底シート部44の外周部の一部(ここでは、一対の短辺部分)との間の隙間を塞ぐように、底シート部44の外周部と一対の分割外周シート部42の一側部とが、それぞれの縁部に沿った縫合ラインSで縫合されている。
上記アウターバッグ40Dは、アウターバッグ40と同様手順で製造することができる。
すなわち、アウターバッグ40Dを製造するにあたって、まず、図27及び図28に示すシート状部材41Dを準備する。図27はシート状部材41Dの平面展開図であり、図28は図27に示すシート状部材41Dの展開図において縫合ラインS、折ラインF、仮折ラインFtを示した図である。
シート状部材41Dは、第1実施形態におけるシート状部材41の形状(つまり、底シート部44の両側に分割外周シート部42が連設された形状)に対して、底シート部44の両側部分に縫い合せ部分41Daを付加した形状とされている。
そして、図29に示すように、上記第1実施形態と同様に、シート状部材41Dを仮折ラインFtで二つ折りしてその一対の分割外周シート部42の両側縁部を縫合ラインSで縫合する。
そして、図30に示すように、一対の分割外周シート部42を環状に開いて、一対の分割外周シート部42の一側部の一部と縫い合せ部分41Daとを縫合する。そして、底シート部44と一対の分割外周シート部42とを直方体箱状に折りつつ開くと、上記アウターバッグ40Dが製造される。
このエアバッグ装置20Dによると、上記第1実施形態で説明した効果に加えて、底シート部44の外周部と一対の分割外周シート部42との間が閉塞されているため、リッド12側へのエアバッグ30の膨張展開動作をより安定させることができるという効果を得ることができる。
図31に示す第4変形例に係るエアバッグ装置20Eは、インフレータ22と、エアバッグ30と、アウターバッグ40Eとを備えている。インフレータ22及びエアバッグ30は、上記したものと同じである。
アウターバッグ40Eは、上記アウターバッグ40と同様に一対の分割外周シート部42と、底シート部44とを含む。底シート部44の外周部の一部(ここでは、一対の短辺部分)との間には細長い隙間が空いており、この隙間を塞ぐように、塞ぎ部48Eが設けられている。ここでは、塞ぎ部48Eは、底シート部44の一組の対辺部分に、外方に延出するように設けられている。そして、アウターバッグ40Eが直方体箱状に折られた状態で、塞ぎ部48Eがその内部に挿入され、一対の分割外周シート部42の内周面に沿って配設されている。これにより、塞ぎ部48Eが底シート部44と一対の分割外周シート部42との隙間を塞いでいる。なお、塞ぎ部48Eは、一対の分割外周シート部42の両端を越えない程度の延出長にするとよい。
上記アウターバッグ40Eは、アウターバッグ40と同様手順で製造することができる。
すなわち、アウターバッグ40Eを製造するにあたって、まず、図32及び図33に示すシート状部材41Eを準備する。図32はシート状部材41Eの平面展開図であり、図33は図32に示すシート状部材41Eの展開図において縫合ラインS、折ラインF、仮折ラインFtを示した図である。
シート状部材41Eは、第1実施形態におけるシート状部材41の形状(つまり、底シート部44の両側に分割外周シート部42が連設された形状)に対して、底シート部44の両側部分に方形状の塞ぎ部48Eを付加した形状とされている。
そして、図34に示すように、上記第1実施形態と同様に、シート状部材41Eを仮折ラインFtで二つ折りしてその一対の分割外周シート部42の両側縁部を縫合ラインSで縫合する。
そして、図35に示すように、一対の分割外周シート部42を環状に開いて、底シート部44と一対の分割外周シート部42とを直方体箱状に折りつつ開く。また、塞ぎ部48Eを、底シート部44と一対の分割外周シート部42との間の隙間を通ってその内部に挿入し、前記隙間を塞ぐ。
なお、ここでは、底シート部44に塞ぎ部48Eを設けたが、一対の分割外周シート部42に塞ぎ部を設けてもよい。すなわち、底シート部の外周部と一対の分割外周シート部の一側部とのうち互いの連設箇所以外の少なくとも一部に塞ぎ部が設けられていればよい。
この変形例によると、塞ぎ部48Eによって底シート部44と一対の分割外周シート部42との間の隙間を塞ぐことができるため、リッド12側へのエアバッグ30の膨張展開動作をより安定させることができるという効果を得ることができる。
図36に示す第5変形例に係るエアバッグ装置20Fは、インフレータ22と、エアバッグ30と、アウターバッグ40Fとを備えている。インフレータ22及びエアバッグ30は、上記したものと同じである。
アウターバッグ40Fは、上記アウターバッグ40と同様に一対の分割外周シート部42と、底シート部44とを含む。また、一対の分割外周シート部42の一側部(底シート部44側の側部)のうち底シート部44の外周部への連設箇所以外の少なくとも一部に、インフレータ固定片48Fが設けられている。ここでは、一対の分割外周シート部42の一側部のうち底シート部44を挟む両側部分にインフレータ固定片48Fが連設されている。インフレータ固定片48Fは、ここでは、先端側に向けて徐々に幅狭となる細長形状に形成されている。インフレータ固定片48Fの長さ寸法は、インフレータ22に対する固定箇所(ここでは、ネジ部25)に達する程度に設定されている。インフレータ固定片48Fは、底シート部44と一対の分割外周シート部42との隙間を塞ぎつつ、底シート部44の外面を通ってインフレータ22のネジ部25に向けて配設される。また、インフレータ固定片48Fの先端部には、固定孔48Fhが形成されている。固定孔48Fhは、インフレータ22のつば部24に突設されたネジ部25を挿通可能な孔形状に形成されている。そして、インフレータ22のネジ部25が、エアバッグ30のガス導入口の周縁部に形成された固定孔、アウターバッグ40Fの固定孔40haに挿通され、さらに、上記固定孔48Fhに挿通された状態で、当該ネジ部25にナット29(図1参照)が螺合締結される。これにより、インフレータ固定片48Fがインフレータ22に固定される。
上記アウターバッグ40Fは、アウターバッグ40と同様手順で製造することができる。
すなわち、アウターバッグ40Fを製造するにあたって、まず、図37及び図38に示すシート状部材41Fを準備する。図37はシート状部材41Fの平面展開図であり、図38は図37に示すシート状部材41Fの展開図において縫合ラインS、折ラインF、仮折ラインFtを示した図である。
シート状部材41Fは、第1実施形態におけるシート状部材41の形状(つまり、底シート部44の両側に分割外周シート部42が連設された形状)に対して、一対の分割外周シート部42の一側部のうち底シート部44を挟む両端側部分にインフレータ固定片48Fを付加した形状とされている。この際、インフレータ固定片48Fの形状を、先端側に向けて徐々に幅狭となる形状に形成しているため、一対の分割外周シート部42の間に、対向する2つのインフレータ固定片48Fを形成することができ、一枚のシートから効率よくシート状部材41を形成することができる。
そして、図39に示すように、上記第1実施形態と同様に、シート状部材41Fを仮折ラインFtで二つ折りしてその一対の分割外周シート部42の両側縁部を縫合ラインSで縫合する。
そして、図40に示すように、一対の分割外周シート部42を環状に開いて、底シート部44と一対の分割外周シート部42とを直方体箱状に折りつつ開く。また、インフレータ固定片48Fを、一対の分割外周シート部42と底シート部44との間の隙間を塞ぎつつ、底シート部44の外周に沿って配設し、その先端部を固定孔40ha近傍に配設しておく。
そして、アウターバッグ40Fにインフレータ22を固定する際に、インフレータ固定片48Fの先端部をネジ部25及びナット29部分に固定する。
ここでは、4つのインフレータ固定片48Fを設けているが、それらのうちの一部が省略されてもよい。
この変形例によると、インフレータ固定片48Fは一対の分割外周シート部42と底シート部44との間を塞いだ状態でインフレータ22に固定されているため、エアバッグ30の膨張展開中において、エアバッグ30がインフレータ22側に膨張展開することをより確実に抑制することができる。
また、通常状態でも、インフレータ固定片48Fが前記隙間を塞ぐと共に底シート部44の外周に沿って配設されてインフレータ22に固定されているため、アウターバッグ40が折畳まれたエアバッグ30を覆う状態をより確実に維持することができる。また、さらに、エアバッグ30の膨張展開中において、アウターバッグ40F及びエアバッグ30に対してインフレータ22をより確実に固定した状態を維持できる。
図41に示す第6変形例に係るエアバッグ装置20Gは、インフレータ22と、エアバッグ30と、アウターバッグ40Gとを備えている。インフレータ22及びエアバッグ30は、上記したものと同じである。
アウターバッグ40Gは、上記アウターバッグ40に対して、その開口40Xを取り囲む周縁部に、天井片48Gと、インフレータ取付延設片49Gとを設けた構成とされている(図42〜図45も参照)。
より具体的には、アウターバッグ40Gは、上記アウターバッグ40と同様に一対の分割外周シート部42と、底シート部44とを含む。一対の分割外周シート部42の他側部(底シート部44とは反対側の側部)に天井片48Gが延設されている。ここでは、一方の分割外周シート部42の他側部であって底シート部44が連設された区間に対応する部分に天井片48Gが延設されている。天井片48Gは、方形状に形成されており、上記開口40Xを覆って閉塞できる形状に形成されている。また、天井片48Gには、エアバッグ30の膨張展開時に破断可能な破断部48Gaが形成されている。ここでは、天井片48Gの基端部と先端部との間にその幅方向に沿って破断部48Gaが形成されている。破断部48Gaは、天井片48Gを部分的に切込むことにより形成されている。そして、天井片48Gが開口40Xを塞いだ状態で、破断部48Gaが折畳まれたエアバッグ30の上部の略中央部に配設される。
この天井片48Gの先端部からインフレータ取付延設片49Gがさらに延設されている。インフレータ取付延設片49Gは、アウターバッグ40Gの外周を通ってインフレータ取付孔40hに達する長さ寸法に形成されており、インフレータ取付孔40hの周縁部と共にインフレータ22に取付けられるように構成されている。より具体的には、インフレータ取付延設片49Gは、他方の分割外周シート部42と底シート部44の一部分を覆える程度の大きさの方形状に形成されている。インフレータ取付延設片49Gの先端部には、インフレータ22の外周形状に応じて弧状凹部49Gaが形成され、その弧状凹部49Gaの外周であって上記固定孔40haと対応する位置に固定孔49Ghが形成されている。そして、インフレータ取付延設片49Gが、他方の分割外周シート部42の外面側を通って底シート部44に回り込むように配設される。この状態で、弧状凹部49Gaの周縁部がインフレータ取付孔40hの周縁部に揃えて配設され、インフレータ取付孔40hの周縁部と共にインフレータ22に固定される。この固定構造によって、上記天井片48Gが開口40Xを覆った状態が維持される。また、通常状態において、アウターバッグ40G及び折畳まれたエアバッグ30と、インストルメントパネル10とが一定の位置関係に保たれる。
上記アウターバッグ40Gは、次の手順で製造することができる。
すなわち、アウターバッグ40Gを製造するにあたって、まず、図42及び図43に示すシート状部材41Gを準備する。図42はシート状部材41Gの平面展開図であり、図43は図42に示すシート状部材41Gの展開図において縫合ラインS、折ラインF、仮折ラインFtを示した図である。
シート状部材41Gは、上記第1実施形態におけるシート状部材41の形状(つまり長方形状)に、天井片48G及びインフレータ取付延設片49Gを形成するための部分を付加した形状とされている。つまり、シート状部材41Gのうち、分割外周シート部42の外向き側部の中央に、天井片48G及びインフレータ取付延設片49Gを形成するための部分が形成されている。
そして、図44に示すように、上記第1実施形態と同様に、シート状部材41Gを二つ折りしてその両側縁部を縫合する。これにより、図45に示すように、底シート部44の一主面側で一対の分割外周シート部42が環状をなす袋状部分と、当該袋状部分の開口40Xより延出する天井片48G及びインフレータ取付延設片49Gとを含むアウターバッグ40Gが製造される。
そして、このアウターバッグ40Gに対して、折畳まれたエアバッグ30が収容される。また、天井片48G及びインフレータ取付延設片49Gが折畳まれたエアバッグ30及びアウターバッグ40Gの袋状部分の外周を包込むように取り回されて、インフレータ取付孔40hの周縁部及び弧状凹部49Gaの周縁部がインフレータ22に取付けられる。これにより、図41に示すエアバッグ装置20Gが製造される。
このエアバッグ装置20Gでは、エアバッグ30がリッド12を割開いて外に飛出す前後(好ましくはリッド12が割れた後)、膨張展開するエアバッグ30が前記破断部48Gaで天井片48Gを破断してアウターバッグ40Gの外方に膨張展開していく。
このため、上記第1実施形態と同様の作用効果を得ることができる。加えて、天井片48Gが開口40Xを覆っているため、アウターバッグ40Fが折畳まれたエアバッグ30を覆う状態をより確実に維持することができる。これにより、本エアバッグ装置20Gのインストルメントパネル10への組込作業等を容易に行える。
また、エアバッグ30が膨張展開する際に、天井片48Gがインストルメントパネル10の開口或はリッド12と膨張展開中のエアバッグ30との間に挟込まれる。このため、インストルメントパネル10の内側でアウターバッグ40Gがエアバッグ30を囲む状態がより確実に維持され、エアバッグ30のラジアル方向への広がりをより確実に維持できる。
また、図46に示す第7変形例及び図47に示す第8変形例のように、上記アウターバッグ40Gがエアバッグ30に直接的に取付けられていてもよい。
図46及び図47に示す例では、インフレータ取付孔40h周りで、アウターバッグ40Gがエアバッグ30に直接的に取付けられている。より具体的には、図46に示す例では、アウターバッグ40の底シート部44が、インフレータ取付孔40hを囲む円状の接合部分としての円状縫合部分70を介して、エアバッグ30に直接的に固定されている。また、図47に示す例では、底シート部44の周りの4つの辺に沿った方形状の接合部分としての方形状縫合部分72を介して、アウターバッグ40Gがエアバッグ30に取付けられている。
エアバッグ30に対するアウターバッグ40Gの縫合は、エアバッグ30を袋状に縫合する前後のいずれに行ってもよいし、また、アウターバッグ40Gを袋状に縫合する前後のいずれに行ってもよい。
図46及び図47に示す変形例によると、アウターバッグ40Gがエアバッグ30に直接的に取付けられているため、インフレータ22を取付ける前の製造途中状態で、エアバッグ30(或はその成形用のシート状部材)とアウターバッグ40G(或はその成形用のシート状部材)とを一体的な構成部品として取扱うことができ、作業工程上便利である。
特に、アウターバッグ40Gの底シート部44がインフレータ取付孔40h周りでエアバッグ30に取付けられているため、取付け後におけるアウターバッグ40Gの加工が容易である。また、インフレータ取付孔40hの周囲でエアバッグ30がアウターバッグ40Gに取付けられているため、エアバッグ30がインフレータ22周りを固定箇所として安定して膨張展開することができる。
また、図46に示す例においては、円状縫合部分70を介してエアバッグ30がアウターバッグ40Gに直接的に固定されているため、エアバッグ30の膨張展開力が当該円状縫合部分70に作用すると、当該力は円状縫合部分70に対してその延在方向に分散する。このため、アウターバッグ40Gとエアバッグ30とが外れ難くなる。
また、図47に示す例においては、アウターバッグ40Gとエアバッグ30とが方形状縫合部分72を介して縫合されているため、アウターバッグ40Gの底シート部44が方形形状を維持し易い。このため、アウターバッグ40Gが直方体箱状を維持し易くなる。
勿論、上記天井片48G、取付延設片49Gが省略されたアウターバッグ40等についても、同様に、エアバッグ30に事前に取付けておくとよい。
図48及び図49は第9変形例に係るエアバッグ装置120を示す図である。図48はエアバッグ装置120がインストルメントパネル110に連結固定された状態を示している。
すなわち、インストルメントパネル110は、車体に固定されるインストルメントパネル本体110Aと、そのインストルメントパネル本体110Aに取付けられるリッドパネル110Bとを有している。インストルメントパネル本体110Aには、開口(ここでは略方形開口)が形成されており、当該開口にリッドパネル110Bが嵌込み固定されている。リッドパネル110Bの固定は、例えば、リッドパネル110Bに形成された係合部110Baをインストルメントパネル本体110Aに形成された被係合部(図示省略)に係合させること等により行われる。
リッドパネル110Bは、樹脂等により形成されており、エアバッグ装置120が組込まれるエアバッグ組込パネルとして用いられる。このリッドパネル110Bには、上記リッド12と同様のリッド112が形成されている。リッド112の周囲にはティアライン13が形成されている。
リッドパネル110Bの内面には、リッド112の外周囲に立設されたリッド側周壁部114が形成されている。このリッド側周壁部114は、リッド112を外周囲全体に亘って囲っている。但し、リッド側周壁部114は、リッドパネル110Bの主面に対して傾斜しており、インストルメントパネル本体110Aへのリッドパネル110Bの取付状態では、略直下を向くように延出している。また、この状態で、リッド側周壁部114のうち車両前方に位置する一方側の側壁部114A(図48において左側)の下端部は、車両後方に位置する他方側の側壁部114B(図48において右側)の下端部よりも上方に位置している。また、各側壁部114A、114Bには、後述するベルト170、172を連結するための取付孔114Ah、114Bhが形成されている。
本エアバッグ装置120は、リッド112の外周囲に立設されたリッド側周壁部114に連結固定されるものであり、インフレータ22と、エアバッグ30と、アウターバッグ40とを備え、さらにベルト170、172を備えている。インフレータ22と、エアバッグ30と、アウターバッグ40とは、上記したものと同じである。
ベルト170、172は、インフレータ22とリッド側周壁部114とに連結されて、インフレータ22をリッド112の内側の一定位置に保持する部材である。ここでは、ベルト170、172の一端部がインフレータ22に接合され、ベルト170、172の他端部がリッド側周壁部114に形成された取付孔114Ah、114Bhを通ってアウターバッグ40の外周部に接合された例について説明する。
すなわち、アウターバッグ40の一対の分割外周シート部42の外周面の一部に一対のベルト170が接合され、アウターバッグ40の一対の分割外周シート部42の外周面のうち前記一対のベルト170の取付箇所に対向する他の部分に一対のベルト172が接合されている。
一対のベルト170は、基端部で一体化され、長手方向中間部で穴部(ここでは基端側から先端側に向けて順次幅狭になる形状)を介して分離され、先端部で切断等により分離された構成とされている。また、一対のベルト170の先端部は、インフレータ22の外周形状に応じた弧状の凹状縁部を有しており、その凹状縁部の外周であってエアバッグ30のガス導入口回りに形成された取付用孔に対応する箇所に取付用孔が形成されている。この一対のベルト170の基端部は、一対の分割外周シート部42の外周面に縫合等により接合されており、リッド側周壁部114に対する取付前の状態(図49参照)では、一対の分割外周シート部42から上方に延出している。
また、一対のベルト172は、上記一対のベルト170に対して長さ寸法が異なる点を除いて、当該一対のベルト170と略同様構成を有している。この一対のベルト172の基端部は、一対の分割外周シート部42の外周面に縫合等により接合されており、リッド側周壁部114に対する取付前の状態(図49参照)では、一対の分割外周シート部42から上方に延出している。
上記インフレータ22、エアバッグ30及びアウターバッグ40の一体化構造物を、リッドパネル110Bに取付けるための構成について説明する。
まず、一対のベルト170及び一対のベルト172それぞれを、リッド側周壁部114の側壁部114A、114Bの取付孔114Ah、114Bhに内側から通しつつ、折畳まれたエアバッグ30及びこれを覆うアウターバッグ40をリッド側周壁部114内に押込む。
この後、一対のベルト170及び一対のベルト172それぞれを、リッド側周壁部114の外面からインフレータ22の周囲に向けて折返す。そして、インフレータ22のネジ部25を一対のベルト170及び一対のベルト172の先端側の取付孔に通す。そして、インフレータ22のつば部24に固定ブラケット28を重ね合せた状態で、ナット29をネジ部25に螺合締結する。なお、この状態に至るまで、ナット29をネジ部25に対して緩く締結しておき、必要に応じてナット29を取外せる状態にしておくとよい。これにより、インフレータ22がリッド112に対して一定距離離れた位置で保持されることになる。
そして、上記のように、インフレータ22、エアバッグ30及びアウターバッグ40が取付けられたリッドパネル110Bを、インストルメントパネル本体110Aの開口内にその外方から嵌め込むと、本エアバッグ装置120がインストルメントパネル110に組込まれることになる。この際、エアバッグ装置120と車体側部材18との強固な固定構造は不要であるため、エアバッグ装置120を比較的容易に組込むことができる。
図50は、リッド112とリッド側周壁部114とエアバッグ装置120との概略的な関係を示す図である。なお、説明の便宜上、リッド側周壁部114の側壁部114A、側壁部114Bを略同高さ位置に示す等、簡略化している。
この図に示すように、折畳まれたエアバッグ30は、リッド112とインフレータ22との間に配設されている。この状態では、リッド側周壁部114は、折畳まれたエアバッグ30の上端部を周囲四方から取囲んでいる。また、一対の分割外周シート部42は、折畳まれたエアバッグ30を周囲四方から取囲んでいる。
この状態で、インフレータ22から発生したガスがエアバッグ30内に導入されると、エアバッグ30は、リッド112とリッド側周壁部114とインフレータ22とで囲まれる空間内で膨張し、やがて、リッド112を割開いて、インストルメントパネル110の開口を通って外方に膨張展開する。
これらの際、エアバッグ30の主膨張展開方向(インフレータ22からリッド112に向う方向)では、ベルト170、172によって、インフレータ22はリッド112に対して一定距離離れた位置で保持されているため、エアバッグ30の突出方向の膨張展開力は、リッド112を割開く力或はインストルメントパネル110の外方に向けて膨張展開する力として作用する。
このように構成されたエアバッグ装置120によると、上記実施形態と同様に、リッド側周壁部114とインフレータ22との間で、エアバッグ30がラジアル方向に広がってしまうことを抑制しつつ、なるべく軽量化することができるという作用効果を得ることができる。
また、インフレータ22を主としてベルト170、172によってリッド112の内側一定位置に保持するため、インフレータ22の保持構成をより軽量化することができる。
しかも、ベルト170、172の基端部が取付孔114Ah、114Bhを通ってアウターバッグ40の一対の分割外周シート部42に接合されているため、一対の分割外周シート部42は、膨張展開中のエアバッグ30とリッド側周壁部114との間から抜出難くなる。これにより、一対の分割外周シート部42がより確実にリッド側周壁部114とインフレータ22との間により確実に維持され、その間部分でのエアバッグ30のラジアル方向への広がりをより確実に抑制することができる。
また、ベルト170、172によってインフレータ22を、リッド112の内側の一定位置に固定しているため、インフレータ22と車体側部材との固定構造を簡略化或は省略することができる。これにより、例えば、インストルメントパネル本体110Aに対して、インフレータ22、エアバッグ30等を取付けたリッドパネル110Bを取付ければよいため、インストルメントパネル110へのエアバッグ装置120の組込作業が容易となる。
なお、上記ベルト170、172自体の主機能は、リッド112に対するインフレータ22の位置を一定に保持することである。このため、ベルト170、172は、エアバッグ30の外周回り全体に連続的に存在するのではなく、エアバッグ30の外周回りに間欠的に少なくとも2カ所(ここでは、エアバッグ30回りの4カ所)に存在していればよい。
また、ベルトを、リッド側周壁部に連結する構成は、上記例に限られない。
例えば、図51に示す第10変形例のように、ベルト270、272の長手方向中間部がリッド側周壁部114の側壁部114A、114Bに形成された取付孔114Ah、114Bhに通され、ベルト270、272の両端部がインフレータ22に接合された構成であってもよい。
この場合でも、上記第9変形例と同様の作用効果を得ることができる。また、ベルト270、272の両端部をインフレータ22に接合すればよいため、アウターバッグに縫合等による接合する作業が不要となり、その接合構造を簡易化することができる。
また、例えば、図52に示す第11変形例のように、ベルト370、372の基端部をインフレータ22に接合し、ベルト370、372の他端部を、フック374を介して側壁部114A、114Bに形成された取付孔114Ah、114Bhに係止固定するようにしてもよい。フック374としては、例えば、金属板材を略U字状に折曲げた部材を用いることができ、ベルト370、372の他端部とフック374との接合構造としては、縫合、カシメ等による挟み込み構造、他のクリップ部材等を用いた構成を採用することができる。また、フック374は、ここでは、側壁部114A、114Bの外面から取付孔114Ah、114Bhに係止される。
この場合でも、上記第9変形例と同様の作用効果を得ることができる。また、ベルト370、372の両端部のフック374をインフレータ22に側壁部114A、114Bに形成された取付孔114Ah、114Bhに引っ掛けるようにして比較的容易に係止して接合することができる。
また、例えば、上記ベルト370、372にベルト長調整機構を組込めば、ベルト370、372が比較的長い状態でフック374を取付孔114Ah、114Bhに容易に引っ掛けることができ、また、この後、ベルト370、372の長さを短くすれば、インフレータ22を一定位置に保持することができる。
また、エアバッグ30が膨張する際に、エアバッグ30及びリッド側周壁部114が外方に膨らむことで、ベルト370、372が外方に湾曲するように膨らむと、取付孔114Ah、114Bhに外方から係止されたフック374の基端部が外方に変位し、フック374の先端部が取付孔114Ah、114Bhの周縁部でリッド側周壁部114の内面に強く食込む。これにより、フック374の脱落がより確実に防止される。
{第2実施形態}
第2実施形態に係るエアバッグ装置について説明する。第2実施形態では、底シート部が一対の分割底シート部に分割されており、かつ、一対の分割外周シート部が天井シート部を介して繋げられている例を説明する。図53は本第2実施形態に係るエアバッグ装置420を示す斜視図である。なお、本第2実施形態の説明において、上記第1実施形態で説明したものと同様構成要素については同一符号を付してその説明を省略する。
このエアバッグ装置420は、上記第1実施形態と同様構成にてインストルメントパネル10(図1参照)に組込まれるものであり、インフレータ22と、エアバッグ30と、アウターバッグ440とを備えている。インフレータ22及びエアバッグ30は上記第1実施形態で説明したものと同じである。
アウターバッグ440は、底シート部444と、一対の分割外周シート部442と、天井シート部446とを備える。
一対の分割外周シート部442は、上記一対の分割外周シート部42と同様形状に広がるシート状部分とされている。一対の分割外周シート部442の両端部も上記と同様に縫合等によって接合され、これにより、一対の分割外周シート部442が全体として環状をなしている。
上記底シート部444は、一対の分割底シート部445を含む。一対の分割底シート部445は、上記底シート部44を2分割した形状、より具体的には、インフレータ取付孔40hを2分するラインで底シート部44を2分割した形状に形成されている。なお、一対の分割底シート部445の間には隙間が設けられているが、この隙間は必須ではない。
一対の分割底シート部445のそれぞれは一対の分割外周シート部442の一側部(インフレータ22側の側部)の一部に連設されている。つまり、1つの分割底シート部445と1つの分割外周シート部442とは一枚のシートとして繋がっている。各分割底シート部445の先端部には、弧状凹部445gが形成され、また、弧状凹部445g周りに取付孔445aが形成されている(図54〜図57参照)。そして、弧状凹部445g内にインフレータ22の外周の一部が配設された状態で、ネジ部25が取付孔445aに挿通されて当該ネジ部25にナットが螺合締結されることで、一対の分割底シート部445のそれぞれがインフレータ22に取付けられる。
天井シート部446は、一対の分割底シート部445のそれぞれの他側部(インフレータ22とは反対側の側部)の一部に連設され、前記一対の分割外周シート部442を繋ぐように構成されている。つまり、一対の分割外周シート部442は、天井シート部446を介して繋げられることで、全体として一枚のシート状部材として構成される。
また、天井シート部446のうち一対の分割外周シート部442を結ぶ方向の中間部には、天井シート部446を横切るようにして、破断部448が形成されている。破断部448は、エアバッグ30の膨張展開によって破断可能に形成されている。ここでは、破断部448は、天井シート部446を横切るように部分的に切込むことにより形成されている。
一対の分割外周シート部442の先端部がインフレータ22に取付けられた状態で、一対の分割外周シート部442及び天井シート部446が折畳まれたエアバッグ30の対向する一対の側部及び上方部分を囲んでいる。また、一対の分割外周シート部442は、環状をなして折畳まれたエアバッグ30の外周囲全体を囲んでいる。この状態で、アウターバッグ440は全体として直方体箱状に折られている。つまり、第1実施形態に対する第2実施形態の主な相違点は、一対の分割外周シート部442が天井シート部446を介して繋がっていること、底シート部444が一対の分割底シート部445に分割されていることである。
上記アウターバッグ440の一製造例について具体的に説明する。
上記アウターバッグ440を製造するにあたって、まず、図54及び図55に示すシート状部材441を準備する。図54はシート状部材441の平面展開図であり、図55は図54に示すシート状部材441の展開図において縫合ラインS、折りラインF及び仮折ラインFtを示した図である。
シート状部材441は、方形状の天井シート部446の一対の長辺側部分のそれぞれに分割外周シート部442を連設した形状、ここでは、H字状に広がる形状に形成されている。各分割外周シート部442は天井シート部446の外周長の半分程度の長さ寸法の細長帯状に形成されている。各分割外周シート部442の他側部の長手方向中間部に天井シート部446が連設されている。
なお、天井シート部446のうち一対の分割外周シート部442間の中央部には破断部448が形成されている。また、一対の分割外周シート部442の外向き端部に、上記弧状凹部445g及び取付孔445aが形成されている。
上記シート状部材441は、図55における仮折ラインFtで二つ折りされ、図56に示すように、一対の分割外周シート部442同士が重ね合される。そして、一対の分割外周シート部442の長手方向における両端部同士が縫合ラインSに沿って縫合される。
そして、一対の分割外周シート部442を環状に開くと、その一方側開口である底側に一対の分割外周シート部442が配設されると共に、その反対側の開口には天井シート部446が設けられた、アウターバッグ440が形成される。
そして、このアウターバッグ440内に折畳まれたエアバッグ30が挿入配置され、インフレータ22のネジ部25を、エアバッグ30及び一対の分割底シート部445の取付孔445aに挿通させて、当該ネジ部25にナットを螺合締結させることで、インフレータ22とアウターバッグ440との取付固定がなされる。
この第2実施形態に係るエアバッグ装置420の膨張展開動作は、エアバッグ30が膨張展開する際に、リッドを押し破る前後で、天井シート部446の破断部448を破断することを除いて、上記第1実施形態のエアバッグ装置20の動作と同様である。
この第2実施形態に係るエアバッグ装置420によると、一対の分割底シート部が底シート部を介して繋がっていることによる作用効果を除いて、上記第1実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
また、一対の分割外周シート部442が天井シート部446を介して繋がっており、アウターバッグ440を形成するためのシート状部材441が全体として一枚のシートとなっているため、構成部品点数が少なくなり、アウターバッグ440の製造加工、アウターバッグ440をインフレータ22に取付ける加工等を容易に行うことができる。
もっとも、一対の分割外周シート部442が天井シート部446を介して繋がっていることは必須ではなく、一対の分割外周シート部442が別々のシート状部分として構成されていてもよい。この場合の例については、第3実施形態で説明する。
本第2実施形態を前提とする変形例について説明する。
図58に示す第12変形例に係るエアバッグ装置420Bは、インフレータ22と、エアバッグ30と、アウターバッグ440Bとを備えている。インフレータ22及びエアバッグ30は、上記したものと同じである。
アウターバッグ440Bは、上記アウターバッグ40と同様に一対の分割外周シート部442と、一対の分割底シート部445と、天井シート部446とを含む。そして、天井シート部446の外周部と一対の分割外周シート部442の他側部とが、互いの連設箇所以外で縫合等によって接合されている。すなわち、一対の分割外周シート部442の他側部(インフレータ22とは反対側の側部)のうち天井シート部446が連設された箇所以外の部分と、天井シート部446の外周部の一部(ここでは、一対の短辺部分)との間の隙間を塞ぐように、天井シート部446の外周部と一対の分割外周シート部442の他側部とが、それぞれの縁部に沿った縫合ラインSで縫合されている。
上記アウターバッグ440Bは、次の手順で製造することができる。
すなわち、アウターバッグ440Bを製造するにあたって、まず、図59及び図60に示すシート状部材441Bを準備する。図59はシート状部材441Bの平面展開図であり、図60は図59に示すシート状部材441Bの展開図において縫合ラインS、折ラインF、仮折ラインFtを示した図である。
シート状部材441Bは、第2実施形態におけるシート状部材441の形状(つまり、天井シート部446の両側に分割外周シート部442が連設された形状)に対して、天井シート部446の両側部分に縫い合せ部分441Baを付加した形状とされている。
そして、図61に示すように、上記第2実施形態と同様に、シート状部材441Bを仮折ラインFtで二つ折りしてその一対の分割外周シート部442の両側縁部を縫合ラインSで縫合する。
そして、図42に示すように、一対の分割外周シート部442を環状に開いて、一対の分割外周シート部442の一側部の一部と縫い合せ部分441Baとを縫合する。そして、一対の分割底シート部445と、一対の分割外周シート部442と、天井シート部446とを直方体箱状に折りつつ開くと、上記アウターバッグ440Bが製造される。
このエアバッグ装置420Bによると、上記第2実施形態で説明した効果に加えて、天井シート部446の外周部と一対の分割外周シート部442との間が閉塞されているため、膨張展開するエアバッグ30は、破断部448の破断によって形成された開口を通って膨張展開する。このため、エアバッグ30を膨張展開させるための開口をより狭めて、エアバッグ30の膨張展開方向を規制することができ、リッド側へのエアバッグ30の膨張展開動作をより安定させることができる。
図63〜図65に示す第13変形例に係るエアバッグ装置のアウターバッグ440Qは、上記アウターバッグ440と同様に、一対の分割外周シート部442と、一対の分割底シート部445と、天井シート部446Qとを含む。上記アウターバッグ440と異なる部分は、天井シート部446Qの部分である。すなわち、上記実施形態では、天井シート部446は、一対の分割外周シート部442のそれぞれの他側部の一部に連設されていたが、天井シート部446Qは、一対の分割外周シート部442のそれぞれの他側部の全体に亘って設けられている。本アウターバッグ440Qを形成するためのシート状部材441Qは、上記天井シート部446Qに係る構成以外は、上記シート状部材441と同様構成である。
この変形例に係るシート状部材441Qを、上記実施形態と同様に折って縫合すると、天井シート部446Qの両側部分446Qpが三角形の袋状をなし、耳状に形成される。この両側部分446Qpは、アウターバッグ440Q内に折込むようにすることが好ましい。
このエアバッグ装置420Qによっても、上記第2実施形態で説明したのと同様の作用効果を得ることができる。加えて、シート状部材441Qの形状を単純化できるので、その製造が容易になるという利点がある。
図66に示す第14変形例に係るエアバッグ装置420Cは、インフレータ22と、エアバッグ30と、アウターバッグ440Cとを備えている。インフレータ22及びエアバッグ30は、上記したものと同じである。
アウターバッグ440Cは、上記アウターバッグ440と同様に、一対の分割外周シート部442と、一対の分割底シート部445と、天井シート部446とを含む。また、一対の分割外周シート部442の一側部(一対の分割底シート部445側の側部)のうち分割底シート部445への連設箇所以外の少なくとも一部に、インフレータ固定片449Cが設けられている。ここでは、一対の分割外周シート部442の一側部のうち分割底シート部445を挟む両側部分にインフレータ固定片449Cが連設されている。インフレータ固定片449Cは、ここでは、細帯状に形成されている。インフレータ固定片449Cの長さ寸法は、インフレータ22に対する固定箇所(ここでは、ネジ部25)に達する程度に設定されている。インフレータ固定片449Cは、分割底シート部445と一対の分割外周シート部442との隙間を塞ぎつつ、分割底シート部445の外面を通ってインフレータ22のネジ部25に向けて配設される。また、インフレータ固定片449Cの先端部には、インフレータ22の外周形状に応じた凹部449Caが形成されると共に、固定孔449Chが形成されている。固定孔449Chは、インフレータ22のつば部24に突設されたネジ部25を挿通可能な孔形状に形成されている。そして、インフレータ22のネジ部25が、エアバッグ30のガス導入口の周縁部に形成された固定孔、アウターバッグ440Cの固定孔に挿通され、さらに、上記固定孔449Chに挿通された状態で、当該ネジ部25にナットが螺合締結される。これにより、インフレータ固定片449Cがインフレータ22に固定される。
上記アウターバッグ440Cは、次の手順で製造することができる。
すなわち、アウターバッグ440Cを製造するにあたって、まず、図68及び図69に示すシート状部材441Cを準備する。図68はシート状部材441Cの平面展開図であり、図69は図68に示すシート状部材441Cの展開図において縫合ラインS、折ラインF、仮折ラインFtを示した図である。
シート状部材441Cは、第2実施形態におけるシート状部材441の形状(つまり、天井シート部446の両側に分割外周シート部442が連設された形状)に対して、一対の分割外周シート部442の一側部のうち分割底シート部445を挟む両端側部分にインフレータ固定片449Cを付加した形状とされている。
そして、図70に示すように、上記第2実施形態と同様に、シート状部材441Cを仮折ラインFtで二つ折りしてその一対の分割外周シート部442の両側縁部を縫合ラインSで縫合する。
そして、図71に示すように、一対の分割外周シート部442を環状に開いて、天井シート部446と一対の分割外周シート部442とを直方体箱状に折りつつ開く。また、インフレータ22を分割底シート部445に固定する際に、インフレータ固定片449Cを、一対の分割外周シート部442と分割底シート部445との間の隙間を塞ぎつつ、分割底シート部445の外面に沿って配設し、その先端部を固定孔40ha近傍に取り回す。そして、インフレータ固定片449Cの先端部をネジ部25部分に固定する(図66、図67及び図72参照)。
ここでは、4つのインフレータ固定片449Cを設けているが、それらのうちの一部が省略されてもよい。
この変形例によると、インフレータ固定片449Cは一対の分割外周シート部442と分割底シート部445との間を塞いだ状態でインフレータ22に固定されているため、エアバッグ30の膨張展開中において、エアバッグ30がインフレータ22側に膨張展開することをより確実に抑制することができる。
また、通常状態でも、インフレータ固定片449Cが前記隙間を塞ぐと共に分割底シート部445の外周に沿って配設されてインフレータ22に固定されているため、アウターバッグ40が折畳まれたエアバッグ30を覆う状態をより確実に維持することができる。また、さらに、エアバッグ30の膨張展開中において、アウターバッグ440C及びエアバッグ30に対してインフレータ22をより確実に固定した状態を維持できる。
また、図73に示す第15変形例のように、上記アウターバッグ440がエアバッグ30に直接的に取付けられていてもよい。
すなわち、第15変形例では、アウターバッグ440を構成するシート状部材441のうち一方の分割底シート部445が、エアバッグ30に直接的に固定されている。接合部分449Dは、一方の分割底シート部445の外周に沿ったラインである。エアバッグ30に対するアウターバッグ440の縫合は、エアバッグ30を袋状に縫合する前後のいずれに行ってもよいし、また、アウターバッグ440を袋状に縫合する前後のいずれに行ってもよい。
この変形例によると、アウターバッグ440がエアバッグ30に直接的に取付けられているため、インフレータ22を取付ける前の製造途中状態で、エアバッグ30(或はその成形用のシート状部材)とアウターバッグ440(或はその成形用のシート状部材)とを一体的な構成部品として取扱うことができ、作業工程上便利である。
なお、一対の分割底シート部が天井シート部によって繋がらず別部材とされている場合、一対の分割底シート部の少なくとも一方が、エアバッグに取付けられていればよい。この場合でも、アウターバッグの少なくとも一部をエアバッグと一体化された部品として取扱えるというメリットがある。
また、図74に示す第16変形例では、アウターバッグを構成するシート状部材441Eのうちの一方の分割底シート部445Eが上記第1実施形態における底シート部44と同様形状及び大きさに形成されている。この一方の分割底シート部445Eがエアバッグ30に取付けられている。ここでは、分割底シート部445Eの方形状外周に沿ったラインで、分割底シート部445Eが縫合等によってエアバッグ30に取付けられている。
これにより、上記第15変形例と同様の作用効果に加えて、アウターバッグのうちインフレータ側の底部分が方形形状を維持し易い。このため、アウターバッグが直方体箱状を維持し易くなるというメリットがある。
なお、分割底シート部445Eは、インフレータ取付孔40hの周囲の環状ラインに沿った接合ライン449Eでエアバッグ30に取付けられていてもよい。この場合、第7変形例と同様のメッリトを得ることができる。
なお、本第2実施形態においても、第1実施形態における第1変形例と同様に、アウターバッグ440の内側で折畳まれたエアバッグ30が補助ラップ部材(ラッピングクロス)で覆われていてもよい。
{第3実施形態}
第3実施形態に係るエアバッグ装置について説明する。第3実施形態では、底シート部が一対の分割底シート部に分割されており、かつ、それらが別々の部材として構成されている例を説明する。図75は本第3実施形態に係るエアバッグ装置520を示す斜視図である。なお、本第2実施形態の説明において、上記第1実施形態で説明したものと同様構成要素については同一符号を付してその説明を省略する。
このエアバッグ装置520は、上記第1実施形態と同様構成にてインストルメントパネル10(図1参照)に組込まれるものであり、インフレータ22と、エアバッグ30と、アウターバッグ540とを備えている。インフレータ22及びエアバッグ30は上記第1実施形態で説明したものと同じである。
アウターバッグ540は、底シート部544と、一対の分割外周シート部542とを備える。
一対の分割外周シート部542は、上記一対の分割外周シート部42と同様形状に広がるシート状部分とされている(図76及び図77参照)。一対の分割外周シート部542の両端部も上記と同様に縫合等によって接合され、これにより、一対の分割外周シート部542が全体として環状をなしている。
上記底シート部544は、一対の分割底シート部545を含む。一対の分割底シート部545は、上記底シート部44を2分割した形状、より具体的には、インフレータ取付孔40hを2分するラインで底シート部44を2分割した形状に形成されている。なお、一対の分割底シート部545の間には隙間が設けられているが、この隙間は必須ではない。
一対の分割底シート部545のそれぞれは一対の分割外周シート部542の一側部(インフレータ22側の側部)の一部に連設されている。つまり、1つの分割底シート部545と1つの分割外周シート部542とは一枚のシートとして繋がっている。各分割底シート部545の先端部には、弧状凹部545gが形成され、また、弧状凹部545g周りに取付孔545aが形成されている。そして、弧状凹部545g内にインフレータ22の外周の一部が配設された状態で、ネジ部25が取付孔545aに挿通されて当該ネジ部25にナットが螺合締結されることで、一対の分割底シート部545のそれぞれがインフレータ22に取付けられる。
また、本実施形態では、一方の分割外周シート部542の他側部に、延出包囲部546が延設されている。延出包囲部546の基端部は、一対の分割外周シート部542の開口(インフレータ22とは反対側の開口)を覆える形状(ここでは、略方形状)に形成されている。延出包囲部546の基端部には、その幅方向に沿って破断部548が形成されている。破断部548は、エアバッグ30の膨張展開によって破断可能に形成されている。ここでは、破断部548は、延出包囲部546の基端部を幅方向に横切るように部分的に切込むことにより形成されている。
また、延出包囲部546は、他方の分割外周シート部542の外面を通ってインフレータ22に到達可能な程度の長さ寸法に形成されている。延出包囲部546の先端部には、弧状に凹むインフレータ嵌込凹部546gが形成されると共に、当該インフレータ嵌込凹部546gの周縁部にネジ部25を挿通可能な取付孔546aが形成されている。そして、延出包囲部546の先端部は他方の分割底シート部545と共にインフレータ22に固定されている。
上記アウターバッグ540の一製造例について具体的に説明する。
上記アウターバッグ540を製造するにあたって、まず、図76及び図77に示すシート状部材541、641を準備する。図76はシート状部材541、641の平面展開図であり、図77は図76に示すシート状部材541、641の展開図において縫合ラインS及び折りラインFを示した図である。
シート状部材541は、一方の分割外周シート部542の一側部に一方の分割底シート部545を連設すると共に、その他側部に延出包囲部546を連設した形状に形成されている。シート状部材641は、他方の分割外周シート部542の一側部に他方の分割底シート部545を連設した形状に形成されている。
なお、延出包囲部546の基端部には破断部548が形成されている。延出包囲部546の外向き端部に、上記弧状凹部545g及び取付孔545aが形成されている。
上記シート状部材541、641の互いの分割外周シート部542及び分割底シート部545が重ね合される。そして、一対の分割外周シート部542の長手方向における両端部同士が縫合ラインSに沿って縫合される。
そして、一対の分割外周シート部542を環状に開くと、その一方側開口である底側に一対の分割外周シート部542が配設されると共に、その反対側の開口には延出包囲部546が延出する、アウターバッグ540が形成される。
そして、このアウターバッグ540内に折畳まれたエアバッグ30が挿入配置され、インフレータ22のネジ部25を、エアバッグ30及び一対の分割底シート部545の取付孔、さらに、延出包囲部546の取付孔546aに挿通させ、当該ネジ部25にナットを螺合締結させることで、インフレータ22とアウターバッグ540との取付固定がなされる。
この第3実施形態に係るエアバッグ装置520の膨張展開動作は、上記第2実施形態のエアバッグ装置420の動作と同様である。
この第3実施形態に係るエアバッグ装置520によると、一対の分割底シート部が底シート部を介して繋がっていることによる作用効果を除いて、上記第1実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
また、折畳まれたエアバッグ30が延出包囲部546によって覆われているため、アウターバッグ540内に折畳まれたエアバッグ30を収容した状態をより確実に維持できる。
本第3実施形態を前提とする変形例について説明する。
図80〜図83は第17変形例に係るアウターバッグ540Bの製造手順を示す説明図であり、図84は同アウターバッグ540Bを示す斜視図である。
アウターバッグ540Bは、上記アウターバッグ540と同様に、一対の分割外周シート部542と、一対の分割底シート部545と、延出包囲部546とを含む。一対の分割外周シート部542の一側部(一対の分割底シート部545側の側部)のうち分割底シート部545への連設箇所以外の少なくとも一部に、インフレータ固定片549Bが設けられている。ここでは、一対の分割外周シート部542の一側部のうち分割底シート部545を挟む両側部分にインフレータ固定片549Bが連設されている。インフレータ固定片549Bは、ここでは、先端側に向けて徐々に幅が小さくなる長尺形状に形成されている。インフレータ固定片549Bの長さ寸法は、インフレータ22に対する固定箇所(ここでは、ネジ部25)に達する程度に設定されている。インフレータ固定片549Bは、分割底シート部545と一対の分割外周シート部542との隙間を塞ぎつつ、分割底シート部545の外面を通ってインフレータ22のネジ部25に向けて配設される。また、インフレータ固定片549Bの先端部には、固定孔549Bhが形成されている。固定孔549Bhは、インフレータ22のつば部24に突設されたネジ部25を挿通可能な孔形状に形成されている。そして、インフレータ22のネジ部25が、エアバッグ30のガス導入口の周縁部に形成された固定孔、アウターバッグ540Bの取付孔545aに挿通され、さらに、上記549Bhに挿通された状態で、当該ネジ部25にナットが螺合締結される。これにより、インフレータ固定片549Bがインフレータ22に固定される。
上記アウターバッグ540Bは、次の手順で製造することができる。
すなわち、アウターバッグ540Bを製造するにあたって、まず、図80及び図81に示すシート状部材541B、641Bを準備する。図80はシート状部材541B、641Bの平面展開図であり、図81は図80に示すシート状部材541B、641Bの展開図において縫合ラインS、折ラインFを示した図である。
シート状部材541Bは、第3実施形態におけるシート状部材541の形状(つまり、一方の分割外周シート部542に一方の分割底シート部及び延出包囲部546を連設した形状)に対して、分割外周シート部542の一側部のうち分割底シート部545を挟む両端側部分にインフレータ固定片549Bを付加した形状とされている。
シート状部材641Bは、第3実施形態におけるシート状部材641の形状(つまり、一方の分割外周シート部542に一方の分割底シート部を連設した形状)に対して、分割外周シート部542の一側部のうち分割底シート部545を挟む両端側部分にインフレータ固定片549Bを付加した形状とされている。
そして、図82に示すように、上記第1実施形態と同様に、一対の分割外周シート部542を重ね合せて、その両側縁部を縫合ラインSで縫合する。
そして、一対の分割外周シート部542を環状に開くと、その一方側開口である底側に一対の分割外周シート部542が配設されると共に、その反対側の開口には延出包囲部546が延出する、アウターバッグ540が形成される。
そして、このアウターバッグ540内に折畳まれたエアバッグ30を挿入配置した後、インフレータ22を分割底シート部545に固定する際に、インフレータ固定片549Bを、一対の分割外周シート部542と分割底シート部545との間の隙間を塞ぎつつ、分割底シート部545の外面に沿って配設し、その先端部を取付孔545a近傍に取り回す。そして、インフレータ固定片549Bの先端部をネジ部25部分に固定する(第2実施形態に係る第14変形例に係る図66、図67及び図72参照)。
ここでは、4つのインフレータ固定片549Bを設けているが、それらのうちの一部が省略されてもよい。
この変形例によると、インフレータ固定片549Bは一対の分割外周シート部542と分割底シート部545との間を塞いだ状態でインフレータ22に固定されているため、エアバッグ30の膨張展開中において、エアバッグ30がインフレータ22側に膨張展開することをより確実に抑制することができる。
また、通常状態でも、インフレータ固定片549Bが前記隙間を塞ぐと共に分割底シート部545の外周に沿って配設されてインフレータ22に固定されているため、アウターバッグ540が折畳まれたエアバッグ30を覆う状態をより確実に維持することができる。また、さらに、エアバッグ30の膨張展開中において、アウターバッグ540B及びエアバッグ30に対してインフレータ22をより確実に固定した状態を維持できる。
また、図85に示す第18変形例のように、上記アウターバッグ540がエアバッグ30に直接的に取付けられていてもよい。
すなわち、第18変形例では、アウターバッグ540を構成するシート状部材541、641のうち一対の分割底シート部545が、エアバッグ30に直接的に固定されている。接合部分549Cは、分割底シート部545の外周に沿ったラインである。エアバッグ30に対するアウターバッグ540の縫合は、エアバッグ30を袋状に縫合する前後のいずれに行ってもよいし、また、アウターバッグ540を袋状に縫合する前後のいずれに行ってもよい。
この変形例によると、アウターバッグ540がエアバッグ30に直接的に取付けられているため、インフレータ22を取付ける前の製造途中状態で、エアバッグ30(或はその成形用のシート状部材)とアウターバッグ540(或はその成形用のシート状部材)とを一体的な構成部品として取扱うことができ、作業工程上便利である。
また、シート状部材541、641とエアバッグ30との接合部分549Cを、分割底シート部545の外周に沿ったライン、特に、底シート部544となる部分の外周を囲む方形状ラインとすることで、アウターバッグ540を直方体箱状に保ち易いというメリットがある。
なお、本第3実施形態においても、第1実施形態における第1変形例と同様に、アウターバッグ540の内側で折畳まれたエアバッグ30が補助ラップ部材(ラッピングクロス)で覆われていてもよい。
{変形例}
なお、上記各実施形態では、エアバッグ装置が助手席用としてインストルメントパネルに組込まれる例で説明したが、適用対象はそれに限られない。例えば、運転席、サイドエアバッグ等、何らかの取付パネルに組込まれ、リッドを割開いて膨張する各種エアバッグに適用し得る。
また、上記各実施形態及び各変形例で説明した各構成は、相互に矛盾しない限り適宜組合わせることができる。例えば、第1実施形態の第9変形例に係るベルト170、172に係る構成が第2実施形態、第3実施形態に適用されてもよい。
以上のようにこの発明は詳細に説明されたが、上記した説明は、すべての局面において、例示であって、この発明がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、この発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。
10 インストルメントパネル
12 リッド
14 リッド側周壁部
20 エアバッグ装置
22 インフレータ
30 エアバッグ
40 アウターバッグ
40h インフレータ取付孔
40ha 固定孔
40X 開口
41 シート状部材
42、442、542 分割外周シート部
44、444、544 底シート部
48E 塞ぎ部
48F インフレータ固定片
48G 天井片
48Ga 破断部
49G インフレータ取付延設片
60 補助ラップ部材
64 破断部
70 円状縫合部分
72 方形状縫合部分
170、172 ベルト
445、545 分割底シート部
446 天井シート部
448 破断部

Claims (19)

  1. 割開き可能なリッドを有するエアバッグ組込パネルに組込まれるエアバッグ装置であって、
    前記リッドの内側でガスを発生可能なインフレータと、
    前記リッドの内側に配設可能な状態に折畳まれ、前記インフレータから導入されるガスによって袋状に膨張展開可能なエアバッグと、
    環状をなすように両端部が接合された一対の分割外周シート部と、前記一対の分割外周シート部のそれぞれの一側部の一部に連設された底シート部とを含み、前記インフレータが前記底シート部に取付けられた状態で、前記一対の分割外周シート部が折畳まれた前記エアバッグの外周を囲むアウターバッグと、
    を備えるエアバッグ装置。
  2. 請求項1記載のエアバッグ装置であって、
    前記底シート部は、インフレータ取付孔が形成され、前記一対の分割外周シート部を繋ぐシート状部分である、エアバッグ装置。
  3. 請求項2記載のエアバッグ装置であって、
    前記底シート部は、方形状に形成され、
    前記一対の分割外周シート部は、前記底シート部の外周部に沿った方形環状形態で、折畳まれた前記エアバッグの外周を囲む、エアバッグ装置。
  4. 請求項2又は請求項3記載のエアバッグ装置であって、
    前記底シート部の外周部と前記一対の分割外周シート部の一側部とが、互いの連設箇所以外で接合されている、エアバッグ装置。
  5. 請求項2〜請求項4のいずれか1つに記載のエアバッグ装置であって、
    前記底シート部の外周部と前記一対の分割外周シート部の一側部とのうち互いの連設箇所以外の少なくとも一部に塞ぎ部が設けられている、エアバッグ装置。
  6. 請求項2〜請求項5のいずれか1つに記載のエアバッグ装置であって、
    前記アウターバッグが前記エアバッグに取付けられている、エアバッグ装置。
  7. 請求項6記載のエアバッグ装置であって、
    前記底シート部が前記エアバッグに取付けられている、エアバッグ装置。
  8. 請求項7記載のエアバッグ装置であって、
    前記インフレータ取付孔周りで前記アウターバッグが前記エアバッグに取付けられている、エアバッグ装置。
  9. 請求項8記載のエアバッグ装置であって、
    前記インフレータ取付孔を囲む円状の接合部分を介して、前記アウターバッグが前記エアバッグに取付けられている、エアバッグ装置。
  10. 請求項7記載のエアバッグ装置であって、^
    前記底シート部が方形状に形成され、前記底シート部の外周部に沿った方形状の接合部分を介して、前記アウターバッグが前記エアバッグに取付けられている、エアバッグ装置。
  11. 請求項1記載のエアバッグ装置であって、
    前記底シート部は、一対の分割底シート部を含み、
    前記一対の分割底シート部のそれぞれが前記一対の分割外周シート部のそれぞれの前記一側部の一部に連設されると共に、前記一対の分割底シート部のそれぞれが前記インフレータに取付けられる、エアバッグ装置。
  12. 請求項11記載のエアバッグ装置であって、
    前記一対の分割外周シート部のそれぞれの他側部の一部に連設され、前記一対の分割外周シート部を繋ぐ天井シート部をさらに備える、エアバッグ装置。
  13. 請求項12記載のエアバッグ装置であって、
    前記天井シート部の外周部と前記一対の分割外周シート部の他側部とが、互いの連設箇所以外で接合されている、エアバッグ装置。
  14. 請求項9〜請求項13のいずれか1つに記載のエアバッグ装置であって、
    前記アウターバッグが前記エアバッグに取付けられている、エアバッグ装置。
  15. 請求項14記載のエアバッグ装置であって、
    前記一対の分割底シート部のうちの少なくとも一方が前記エアバッグに取付けられている、エアバッグ装置。
  16. 請求項11記載のエアバッグ装置であって、
    前記一対の分割外周シート部の一方の他側部に、エアバッグの膨張展開により破断可能な破断部が形成された延出包囲部が延設され、前記延出包囲部が折畳まれた前記エアバッグを覆った状態で前記インフレータに固定されている、エアバッグ装置。
  17. 請求項16記載のエアバッグ装置であって、
    前記アウターバッグが前記エアバッグに取付けられている、エアバッグ装置。
  18. 請求項1〜17のいずれか1つに記載のエアバッグ装置であって、
    前記一対の分割外周シート部の一側部のうち前記底シート部の外周部への連設箇所以外の少なくとも一部に、前記インフレータに固定されるインフレータ固定片が設けられている、エアバッグ装置。
  19. 請求項1〜18のいずれか1つに記載のエアバッグ装置であって、
    前記アウターバッグの内側で折畳まれた前記エアバッグを覆い、前記エアバッグの膨張展開時に破断可能な補助ラップ部材をさらに備える、エアバッグ装置。
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JP2020040460A (ja) * 2018-09-07 2020-03-19 豊田合成株式会社 助手席用エアバッグ

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