JP2013233334A - 往診用歯科診療装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】在宅診療において、ベッド上の患者でも、歯科診療用器具等の使い勝手が良く、診療を円滑に行うことができる往診用歯科診療装置を提供する。
【解決手段】歯科診療用器具6,7と駆動源を含む前記歯科診療用器具6,7の関連機器8,9とを、持ち運び可能な筐体2に収納した往診用歯科診療装置1において、前記筐体2は、開口部2aに開閉自在な蓋体3を備え、使用時にはその開口部2aが横向きとされるよう構成され、前記蓋体3を前記使用時における前記筐体2の上辺部2dに対して垂直状態で上方に開とし得る開閉手段4と、当該蓋体3の開状態を保持する保持手段5とを備え、前記蓋体3に前記歯科診療用器具6,7を保持するハンガー14を設けたことを特徴とする。
【選択図】図4

Description

本発明は、在宅での歯科診療に最低限必要な歯科診療用器具を備えた往診用歯科診療装置に関する。
体の不自由な人や、在宅療養している人の歯科の診療のために、歯科ドクター及び補助者(アシスタント)は、歯科専用の往診用歯科診療装置を携行して訪問歯科診療を行う。このような往診用歯科診療装置としては、特許文献1〜3に記載されたものが挙げられる。特許文献1には、それぞれ別々の器具等から構成される3個のユニットからなり、これら3個のユニットは、個別の軽量硬質ケース内に収められ、訪問診療先でこれらケースを結合して使用されるポータブル歯科診療装置が記載されている。また、特許文献2には、ユニット本体をドクター装置部とアシスタント装置部とに分割し、訪問時には両者を一体化して搬送し、診療時には分割するようにした訪問診療用歯科治療装置が記載されている。さらに、特許文献3には、ドクター用の上部ユニットと、アシスタント用の下部ユニットとからなり、これらユニットはそれぞれ独立した単独のユニットとして構成され、上部ユニットは下部ユニットに対して連結・離脱可能で、それぞれ別の位置に配置して使用できるようにした往診用歯科治療ユニットが記載されている。
実公平2−36497号公報 特開2002−165817号公報 特開2009−213805号公報
ところで、近時、訪問診療を要する患者は、ベッド等を使用していることが多く、従来のように座敷に敷かれた布団上の患者に比べて、診療対象部位が高くなっていることが多い。そのため、往診用の歯科診療装置も、このような患者の療養形態の変化に対応できることが求められる。特許文献1のポータブル歯科診療装置は、歯科治療具(各種インスツルメント)等からなる第1のユニットを収容する軽量硬質ケースが床上に置かれ、ケース内に折りたたみ収容された治療具用ホルダー(ハンガー)を起立させ、これに歯科治療具を保持させた状態で歯科診療がなされるよう構成されている。しかし、前記軽量硬質ケースは床上に平たく置かれるため、治療具用ホルダーを起立させても、ベッド上の患者の高さに比べなお低く、術者(ドクター、アシスタント)は、歯科診療具をホルダーから取出し、或いは、収納する際に、かがむことを余儀なくされる。また、前記ケースは床上に平たく置かれるため、大きなスペースを必要とするが、訪問診療においては、患者宅の状態によって、そのスペースを確保することが難しい場合も生じる。
また、特許文献2の訪問診療用歯科治療装置は、ドクター装置部に各種インスルメントを保持するハンガーが設けられ、ドクターはこのハンガーからインスツルメントを取出し或いは収納しながら診療作業を行うよう構成されている。しかし、ユニット本体の大きさに限度があるため、ベッド上の患者に対するこられインスツルメントを含む器具の高さ位置は、診療作業を円滑に行う上でまだ適切とは言えなかった。さらに特許文献3の往診用歯科診療ユニットの場合、別の位置に配置して使用される上部ユニットおよび下部ユニットには、それぞれ別途準備したホルダー支持杆が立設可能とされ、これにインスルメントを保持させるよう構成されている。しかし、当該診療ユニットとは別に、ホルダー支持杆を事前に準備しておく必要があり、移動手段(乗用車)から患者の家まで移動する間に運ぶ荷物が複数となり、煩雑であるとともに、ホルダー支持杆をうっかり忘れたり、紛失したりすると、診療に大きな支障を来すことにもなる。
本発明は、このような実情に鑑みなされたもので、在宅診療において、ベッド上の患者でも、歯科診療用器具等の使い勝手が良く、診療を円滑に行うことができる往診用歯科診療装置を提供することを目的とする。
本発明に係る往診用歯科診療装置は、歯科診療用器具と、駆動源を含む前記歯科診療用器具の関連機器とを、持ち運び可能な筐体に収納した往診用歯科診療装置において、前記筐体は、開口部に開閉自在な蓋体を備え、使用時にはその開口部が横向きとされるよう構成され、前記蓋体を前記使用時における前記筐体の上辺部に対して垂直状態で上方に開とし得る開閉手段と、当該蓋体の開状態を保持する保持手段とを備え、前記蓋体に前記歯科診療用器具を保持するハンガーを設けたことを特徴とする。
本発明の往診用歯科診療装置において、前記開閉手段が、前記筐体の前記上辺部と、前記蓋体の一辺部とを結合するヒンジ部材からなるものとしても良い。この場合、前記保持手段が、前記ヒンジ部材に組み込まれたトルクヒンジ構造部からなるものとし、或いは、前記保持手段が、前記筐体と蓋体とに設けられた手操作可能なロック手段からなるものとしても良い。さらにこの場合、前記蓋体の内側に、前記ハンガーを設けても良い。
また、本発明の往診用歯科診療装置において、前記開閉手段が、前記筐体を前記使用状態に設置したときに、前記蓋体を上下にスライドし得るスライド機構からなるものとしても良い。この場合、前記保持手段が、開状態の前記蓋体を前記筐体に係止し得る係止手段からなるものとしても良い。さらにこの場合、前記蓋体の外側に、前記ハンガーを設けても良い。
また、本発明の往診用歯科診療装置において、前記ハンガーが、上下方向に位置調整可能に設けられていても良い。さらに、前記ハンガーが、着脱自在に設けられていても良い。
また、本発明の往診用歯科診療装置において、前記歯科診療用器具等を載置するためのトレーテーブルを備え、該トレーテーブルは、前記蓋体に、着脱自在に装着されるようにしても良い。
また、本発明の往診用歯科診療装置において、前記歯科診療用器具が、歯科ドクター用の器具であり、当該器具用の関連機器と共にユニット化されて、技工用ユニットとして構成されているものであっても良い。或いは、前記歯科診療用器具が、歯科補助者用の器具であり、当該器具用の関連機器と共にユニット化されて、口腔ケア用ユニットとして構成されているものであっても良い。
本発明に係る往診用歯科診療装置によれば、歯科診療用器具と、駆動源を含む前記歯科診療用器具の関連機器とが、持ち運び可能な筐体に収納されているから、術者(歯科ドクター、必要によって歯科補助者も同伴)は、当該往診用歯科診療装置を患者宅に持ち込むことによって、在宅患者の歯科診療を実施することができる。このとき、前記筐体は、使用時にはその開口部が横向きとされるよう構成されているから、平置きの場合に比べて大きなスペースを必要としない。また、前記蓋体は、前記使用時における前記筐体の上辺部に対して垂直状態で上方に開とされて、保持手段によって筐体の開口部が開状態に保持されるから、筐体内に収納された各種歯科診療用器具及びその関連機器等の取扱いが容易になされる。そして、前記蓋体に前記歯科診療用器具を保持するハンガーを設けているから、蓋体が、前記筐体の上辺部に対して垂直状態で上方に開とされることにより、ハンガーが、当該往診用歯科診療装置が設置される床面より上方の高い位置に位置付けられることになる。従って、患者がベッド上に療養している場合であっても、術者は歯科診療用器具のハンガーにおける取出し及び収納を楽な姿勢で支障なく行うことができ、円滑な在宅歯科診療を実施することができる。
本発明の往診用歯科診療装置において、前記開閉手段が、前記筐体の前記上辺部と、前記蓋体の一辺部とを結合するヒンジ部材からなるものとした場合、蓋体はヒンジ部材を支点として略180°上方に回動させることによって開とされる。従って、筐体の開口部は略その全面が開放され、前記歯科診療用器具等の取扱い性がより向上する。この場合、前記保持手段が、前記ヒンジ部材に組み込まれたトルクヒンジ構造部からなるものとすれば、このようなトルクヒンジ構造部を備えたヒンジ部材は市場で入手可能であるから、蓋体の開閉機構及び保持手段を簡易に構成することができる。或いは、前記保持手段が、前記筐体と蓋体とに設けられた手操作可能なロック手段からなるものとすれば、ロック手段のロック解除をしない限り、蓋体の開状態が安定的に保持される。さらにこの場合、前記蓋体の内側に、前記ハンガーを設けるようにすれば、蓋体を回転させて開けることにより、ハンガーを所定の位置に位置付けることができる。
本発明の往診用歯科診療装置において、前記開閉手段が、前記蓋体を上下にスライドし得るスライド機構からなるものとした場合、蓋体の開閉動作のためのスペースを確保する必要がない。この場合、前記保持手段が、開状態の前記蓋体を前記筐体に係止し得る係止手段からなるものとすれば、蓋体が振動等によって、不意に閉状態となることがない。さらにこの場合、前記蓋体の外側に、前記ハンガーを設けるようにすれば、蓋体をスライドさせて開けることにより、ハンガーを所定の位置に位置付けることができる。
本発明の往診用歯科診療装置において、前記ハンガーが、上下方向に位置調整可能に設けられている場合、診療場所の条件(ベッドの高さ等)や術者の使い勝手に応じて、ハンガーを適正な高さ位置に位置付けて診療を行うことができる。さらに、前記ハンガーが、着脱自在に設けられている場合、ハンガーを前記筐体内の空いたスペースに収納しておき、前記のように開状態とされた蓋体の所定の位置に取付けて使用することができる。
本発明の往診用歯科診療装置において、前記歯科診療用器具等を載置するためのトレーテーブルを備えたものとした場合、術者は診療過程で、歯科診療用器具の先端部を交換したりする際に、当該先端部等を一時的に置くことができ便利である。また、該トレーテーブルを、前記蓋体に、着脱自在に装着されるようにしておけば、非使用時には標準備品として前記筐体内に収納しておくことができ、当該往診用歯科診療装置が嵩張らず、保管や輸送の際にトレーテーブルが邪魔になることがない。しかも、このトレーテーブルは、前記筐体の上辺部に対して垂直状態で上方に開とされた前記開状態の蓋体に装着されるから、当該トレーテーブルも、術者の取扱いに適した位置に位置付けられる。
本発明の往診用歯科診療装置が、前記のようにユニット化された技工用ユニットとして構成されている場合、診療内容によっては、歯科ドクターは、不必要な器具等が収納されていない当該往診用歯科診療装置のみを携行して往診すればよく、携行時の負担が軽減される。また、本発明の往診用歯科診療装置が、前記のようにユニット化された口腔ケア用ユニットとして構成されている場合、診療内容によっては、歯科補助者が、不必要な器具等が収納されていない当該往診用歯科診療装置のみを携行して往診すればよく、同様に歯科補助者にとっての携行時の負担が軽減される。
ところで、ベッド上の患者を歯科ドクターが歯科補助者と共に診療する場合、歯科ドクターと歯科補助者とがベッド回りの所定の位置に位置することになる。そのため、歯科ドクターが使用する技工用ユニット及び歯科補助者が使用する口腔ケア用ユニットとして別個のユニットとしておけば、両者がそれぞれの使い勝手の良い位置にそれぞれのユニットを配置しておくことができる。これによって、両者の診療動作がベッド回りで錯綜して混乱を来すようなことがなく、特に、在宅診療のように、診療室として構成されない一般の居室スペースで診療を行う場合に極めて有効である。
本発明の往診用歯科診療装置の第1の実施形態を示す外観斜視図である。 同往診用歯科診療装置の蓋体を開けた状態を示す側面図である。 同往診用歯科診療装置の蓋体を開けた状態であって、歯科診療用器具等の図示を省略した概略的斜視図である。 (a)(b)は同往診用歯科診療装置の蓋体を開けた状態であって、(a)は歯科診療用器具等を収納した状態を示す正面図、(b)は歯科診療を実施する際の各歯科診療用器具等の配置状態を示す正面図である。 同往診用歯科診療装置の変形例であって、トレーテーブルの別の取付態様を示す図4(b)と同様図である。 図4(b)におけるX−X線矢視断面図である。 図5におけるY−Y線矢視断面図である。 同往診用歯科診療装置の別の変形例であって、保持手段の別例を示す要部の側面図である。 本発明の往診用歯科診療装置の第2の実施形態を示し、蓋体を開けた状態であって、歯科診療用器具等の図示を省略した概略的斜視図である。 (a)(b)は同往診用歯科診療装置の蓋体を開けた状態であって、(a)は歯科診療用器具等を収納した状態を示す正面図、(b)は歯科診療を実施する際の各歯科診療用器具等の配置状態を示す正面図である。 本発明の往診用歯科診療装置の第3の実施形態を示す外観斜視図である。 (a)(b)は同往診用歯科診療装置の蓋体を開けた状態であって、(a)は部分破断側面図であり、(b)は歯科診療用器具等の図示を省略した概略的正面図である。
以下、本発明の往診用歯科診療装置の実施の形態について図面に基づき説明する。図1〜図4に示す第1の実施形態の往診用歯科診療装置1は、持ち運び可能に構成される筐体2と、該筐体2の開口部2aに開閉自在に設けられる蓋体3とを備えている。該往診用歯科診療装置1は、使用時には、前記筐体2の開口部2aが横向きになるよう構成され、さらに、本実施形態の往診用歯科診療装置1は、持ち運びの際にも開口部2a及び蓋体3が横向きとなるよう、取っ手2bが、該筐体2の上側面部に設けられている。前記蓋体3は、前記筐体2の使用時の設置状態での上辺部2dにおける前記開口部2aの縁部と、該蓋体3の一辺部(下辺部)3cとを結合するヒンジ部材(開閉手段)4によって、前記開口部2aを開閉するように構成される。該ヒンジ部材4は、通常の平蝶番と同様の外形状をなし、蓋体3に所定以上の力が付加されない限り、蓋体3を任意の開位置に保持する機能を奏するトルクヒンジ構造部(保持手段)5を備えた部材からなる。具体的には、筐体2及び蓋体3に跨るように止着される合成樹脂製の2枚の羽根部を、金属製のヒンジ軸を圧入して結合するように構成され、圧入部の樹脂と金属との摩擦抵抗によって前記機能を奏するものである。本実施形態では、タキゲン製造株式会社製「小型フラットトルクヒンジ」を用いている。
本実施形態の往診用歯科診療装置1は、歯科ドクターが使用する技工用ユニットとしてユニット化されている。具体的には、本往診用歯科診療装置1には、歯科診療用器具(以下、インスルメントとも言う)としてマイクロモータハンドピース6及びスリーウェイシリンジ7が装備される(図4(a)(b)参照)。前記筐体2は、中間仕切2cで仕切られ、該中間仕切2cより奥側(反開口部2a側)の空所が制御室10とされている。該制御室10には、前記インスツルメント6,7に作用媒体を供給するためのコンプレッサー8,給水ポンプ9及びその配管系や制御系等(不図示)が内装されている。前記マイクロモータハンドピース6の駆動源は電気であるが、前記中間仕切2cより開口部2a側の筐体2内に設置された給水タンク11から、前記給水ポンプ9によって水を給送し、マイクロモータハンドピース6の先端部より歯牙の切削部位に注水し得るようになされている。また、スリーウェイシリンジ7は、空気、水及び水と空気の混合ミストを注出するものであり、前記コンプレッサー8からの圧縮空気と、給水タンク11から前記給水ポンプ9を経た水とが供給されるようになされている。マイクロモータハンドピース6は、駆動用電線と注水用の管路(不図示)を束ねて内装するホース6aの先端に着脱自在に接続されている。また、スリーウェイシリンジ7は、空気及び水の各管路(不図示)を束ねて内装するホース7aの先端に着脱自在に接続されている。ホース6a,7aは、前記制御室10から、前記中間仕切2cを貫き、前記開口部2a側に導出されている。
前記中間仕切2cの開口部2a側には、前記給水タンク11が、前記給水ポンプ9に配管接続された状態で、かつ、水の補給が可能なように設置されている。また、前記中間仕切2cの開口部2a側の面には、前記インスツルメント6,7を収納時に保持させるためのホルダー12,13が設けられており、インスツルメント6,7は、収納時には、前記ホース6a,7aを束ねた状態で該ホルダー12,13に保持される。さらに、前記中間仕切2cの開口部2a側の面には、磁性体からなる第1の被吸着板14が固着されており(図4(b)参照)、該第1の被吸着板14には、マグネットを備えた2個のホルダー部15a,15bを有するハンガー15が着脱自在に吸着支持されている。即ち、非使用時(収納時)には、該ハンガー15のマグネットを前記第1の被吸着板14に吸着させることにより、該ハンガー15が第1の被吸着板14に吸着支持される。前記中間仕切2cの開口部2a側には、前記マイクロモータハンドピース6のモータの出力調整(オン・オフを含む)や注水のオン・オフ等を、歯科ドクターが足踏み操作するフートペタル16が収納されている。このフートペタル16は、使用時には、図4(b)に示すように、リード線16aと共に開口部2aの前方側の床面に延出される。また、本往診用歯科診療装置1の電源コード17が、前記ホース6a,7a及びフートコントローラ用リード線16aと一緒に束ねられており、使用時には、前記中間仕切2cに設けられる受電コネクタ17aに接続され、先端のプラグ17bが室内の商用電源(不図示)に差し込み接続される。
前記蓋体3の内面には、開としたときの該蓋体3の上辺部3aの近傍に、磁性体からなる第2の被吸着板18が固着されている。使用時(診療時)には、前記ハンガー15を、前記第1の吸着板14から取外し、前記第2の吸着板18にマグネットによって吸着支持させる。この第2の被吸着板18に吸着支持されたハンガー15のホルダー部15a,15bには、図4(b)に示すように前記マイクロモータハンドピース6及びスリーウェイシリンジ7がそれぞれ保持される。また、前記蓋体3の内面には、トレーテーブル19及び該トレーテーブル19を支持するための支台部材20が取外し可能に取付けられている。この取外し可能な取付け手段としては、図示を省略するが、ゴム帯やポケット部等が採用される。このトレーテーブル19は、図4(b)に示すように、開としたときの前記蓋体3の上辺部3aに、前記支台部材20を介して着脱自在に取付けられる。このトレーテーブル19の取付構造については後記する。
前記のような構成の往診用歯科診療装置1を用いた歯科診療の準備作業の要領について説明する。歯科ドクター(必要によって補助者同伴)は、往診用歯科診療装置1を、前記取っ手2bにより携行して患者宅を訪問し、仰臥する患者頭部の近傍の床面上に図1に示すような状態で設置する。そして、蓋体3を、前記ヒンジ部材4のヒンジ軸を支点として上方に回転させて、筺体2の開口部2aを開とする。蓋体3を、筐体2の上辺部2d上に略垂直に起立させ、前記トルクヒンジ機構部5によってこの起立状態に維持する。この起立状態では蓋体3の内面が前方に(開口部2aが向く方向に)向くことになる。この状態で、前記ハンガー15を第1の被吸着板14から取外し、蓋体3の内面の第2の被吸着板18に吸着支持させる。また、束ねられた前記インスツルメントのホース6a,7aを解き、前記インスツルメント6,7をホルダー12,13から外し、第2の被吸着板18に吸着支持させた前記ハンガー15のホルダー部15a,15bに、それぞれ保持させる。さらに、フートコントローラ16を取出して前記リード線16aに接続し、電源コード17を、受電コネクタ17aに接続すると共に、プラグ17bを室内の商用電源コンセントに差し込み接続する。また、前記トレーテーブル19及び支台部材20を蓋体3の内面から取外し、支台部材20を蓋体3の上辺部3aに取付け、この支台部材20上にトレーテーブル19を乗せ置き支持させる。トレーテーブル19は磁性体(例えば、SUS403)材料からなるものとし、支台部材20の上面にマグネットを設けておけば、トレーテーブル19が吸着によって簡易且つ安定的に支持されると共に、その向きや位置も任意に設定することができる。支台部材20の蓋体3の上辺部3aに対する取付構造については後記する。最後に、給水タンク11に持参の診療水(生理食塩水等)を補充することにより、歯科診療の準備作業が完了する。
歯科ドクターは、患者が仰臥するベッドの頭部付近の椅子等に座し、前記ハンガー15に保持されたインスツルメント6,7のいずれかを取出し、歯科の診療を行う。マイクロモータハンドピース6を使用するときは、フートコントローラ16を足踏み操作してその出力調整等がなされる。また、スリーウェイシリンジ7を用いるときは、シリンジ本体に設けられた切換えレバー(不図示)の適宜切換え操作により、水のみ、空気のみ、或いは水空気混合ミストの患部に向けた選択的注出がなされる。この間、ハンガー15に対して、インスツルメント6,7の取出し、或いは、収納の動作が繰返される。而して、ハンガー15は、筺体2上に起立状態とされた蓋体3の内面に設けられているから、歯科ドクターの手の届き易い位置に位置付けられ、インスツルメントの取出/収納動作の繰返しの際にも、歯科ドクターはかがむこともなく、通常の歯科医院におけると同様の姿勢で診療を行うことができる。また、トレーテーブル19も、蓋体3の上辺部3aに取付けられているから、歯科ドクターの手近な位置に位置付けることができ、切削バー等の仮置き等もし易く、診療作業の円滑化が図られる。また、蓋体3は、筺体2上に起立した状態とされるから、診療時における本往診用歯科診療装置1に要するスペースが、平置きの場合に比べて小さく、在宅診療のようにスペースに限りがある場合でも、支障なく設置することができる。
図5は、前記実施形態の往診用歯科診療装置1の変形例であって、具体的には、トレーテーブル19の別の取付態様を示している。即ち、この例では、トレーテーブル19が、前記起立状態における蓋体3の側辺部3bに取付けられるように構成されている。トレーテーブル19自体は、前記の例と同様であるが、支台部材20は、縦向きの前記側辺部3bにトレーテーブル19を水平状態で支持し得るような構造とされている。図示の往診用歯科診療装置1は前記と同様に技工用ユニットとして構成されており、その構成は前記の例と同様であるので、共通部分に同一の符号を付してその説明は省略する。次に、図6及び図7を参照して、前記2種のトレーテーブル19の取付構造について説明する。
図6は、図4に示すように前記起立状態における蓋体3の上辺部3aにトレーテーブル19を取付けた状態を示している。この例の支台部材20は、上面にマグネット20aを備えた本体20bと、該本体20bの下面にピン20cを介して上下搖動自在に取付けられた挟持片20dと、一端が本体20bに固定され他端が挟持片20dに弾接する板バネ20eと、操作レバー20fとから構成される。前記蓋体3の上辺部3aに対する支台部材20の取付けに際しては、先ず、操作レバー20fを矢印a方向に操作し、前記挟持片20dを、板バネ20eの弾力に抗して前記ピン20cを支点として下向きに開いた状態とした上で、前記本体20bを蓋体3の上辺部3aの上に載せる。次いで、操作レバー20fを矢印b方向に操作し、挟持片20dを前記上辺部3aの下面に当接させて、操作レバー20fから手放す。この状態では、板バネ20eの弾力により挟持片20dの矢印b方向の弾力が付与され、蓋体3の上辺部3aは挟持片20dが搖動することなく本体20bの下面と挟持片20dとの間に挟持される。そして、トレーテーブル19を本体20bの上面に載置すれば、前記マグネット20aの吸引力により、トレーテーブル19が支台部材20上に安定的に支持される。
図7は、図5に示すように前記起立状態における蓋体3の側辺部3bにトレーテーブル19を取付けた状態を示している。この例の支台部材20は、上面にマグネット20aを備えた本体20bと、該本体20bの下面にピン20cを介して水平搖動自在に取付けられた挟持片20dと、一端が本体20bに固定され他端が挟持片20dに弾接する板バネ20eと、操作レバー20fとから構成される。前記側辺部3bに対する支台部材20の取付けに際しては、先ず、操作レバー20fを矢印a方向に操作し、前記挟持片20dを、板バネ20eの弾力に抗して前記ピン20cを支点として開いた状態とした上で、前記本体20bを側辺部3bの外面に宛がう。次いで、操作レバー20fを矢印b方向に操作し、挟持片20dを前記側辺部3bの内面面に当接させて、操作レバー20fから手放す。この状態では、板バネ20eの弾力により挟持片20dの矢印b方向の弾力が付与され、側辺部3bは挟持片20dが搖動することなく本体20bと挟持片20dとにより内外から挟持される。そして、トレーテーブル19を本体20bの上面に載置すれば、前記マグネット20aの吸引力により、トレーテーブル19が支台部材20上に安定的に保持される。
トレーテーブル19の取付構造としては、図6及び図7に示す例に限らず、他の構造も採用可能である。
図8は、蓋体3の開閉手段4及び該蓋体3を開状態に保持する保持手段5の別の例を示している。図例の開閉手段4は、前記のようなトルクヒンジ機構部を有さない一般的な平蝶番4Aからなることを示している。即ち、2枚の羽根部4a,4aをヒンジピン4bで結合したもので、一方の羽根部4aは、筺体2の上辺部2dに止着され、他方の羽根部4aは、前記起立状態で下側となる蓋体3の下辺部(一辺部)3cに止着されている。これによって、蓋体3は、ヒンジピン4bの回りに抵抗少なく開閉がなされる。そして、蓋体3は、図示のような手操作可能なロック手段5Aからなる保持手段5によって、筐体2の上辺部2dに対して垂直な上方に開となる起立状態に保持される。即ち、筺体2の側部及びこれに対応する蓋体3の側部に、C形部材5a,5bを固着し、このC形部材5a,5bと前記各側部との間にできる空所に上方よりロック棒5cをストッパ5dにより抜け落ちないように差込み、これによって、蓋体3が倒れることなく前記起立状態に保持される。ロック棒5cのロック及びアンロック操作は、摘まみ5eを摘み、ロック棒5cを矢印c方向に変位させることによってなされる。
図9及び図10(a)(b)は、本発明に係る往診用歯科診療装置の第2の実施形態を示している。この実施形態の往診用歯科診療装置1Aは、歯科補助者(アシスタント)用としてユニット化された口腔ケア用ユニットであることを示している。前記中間仕切2cの開口部2a側には、バキュームタンク21が取出自在に設置され、該バキュームタンク21は前記制御室10に設置される第1の実施形態と同様のコンプレッサー8の吸引側に配管接続され、コンプレッサー8を吸引ポンプとして用いている。また、制御室10内には、前記と同様の給水ポンプ9が設置され、該給水ポンプ9は、中間仕切2cの開口部側に設置される前記と同様の給水タンク11と配管接続される。
この実施形態の往診用歯科診療装置1Aでは、歯科診療用器具(以下、インスツルメントとも言う)として、スケーラ22及びバキュームシリンジ23が装備されている(図10(b)参照)。スケーラ22は、歯石・歯垢等を除去するもので、例えば、電気を駆動源として作動する超音波発振器(不図示)を備え、さらに、歯牙に注水する機能も備える。該スケーラ22は、前記給水ポンプ9に接続される注水用の管路(不図示)と超音波振動子用電線を束ねて内装するホース22aの先端に着脱自在に接続されている。また、バキュームシリンジ23は、前記コンプレッサー(吸引ポンプ)8に接続される吸引用の管路(不図示)を内装するホース23aの先端に着脱自在に接続されている。これらインスツルメント22,23用のホース22a,23aは、前記中間仕切2cのバキュームタンク21を収容するための凹部2eの天壁部から導出されている。そして、これらホース22a,23aは、前記と同様の電源コード17と共に束ねられ、また、インスツルメント22,23は、前記と同様のホルダー12,13に保持された状態で、共に、筺体2における中間仕切2cより開口部2a側の部分に収納されている(図10(a)参照)。
この実施形態の往診用歯科診療装置1Aでは、前記のようなフートコントローラに代えて、前記スケーラ22における前記超音波発振器と注水のオン・オフを連動して操作する簡易なリモートスイッチ(手又は足で操作可能)24が、前面側に延出可能に収納されている。また、ハンドピースのグリップ部に小型のリコートスイッチを設ける構造にして(不図示)、手指によりオン・オフの操作を行うようにしても良い。そして、前記中間仕切2cの前面(開口部2a側面)には、注水量の調整用摘みスイッチ25と、前記超音波発振器の出力調整用の摘みスイッチ26とが設けられている。さらに、前記中間仕切2cの開口部2a側の面には、前記と同様の磁性体からなる第1の被吸着板14が固着されており(図10(b)参照)、該第1の被吸着板14には、マグネットを備えた2個のホルダー部15a,15bを有するハンガー15が着脱自在に吸着支持されている。即ち、非使用時(収納時)に、該ハンガー15のマグネットを前記第1の被吸着板14に吸着させることにより、該ハンガー15が第1の被吸着板14に保持される点は、前記第1の実施形態と同様である。さらに、筺体2と蓋体3とに跨るように、前記と同様のトルクヒンジ構造部(保持手段)5を備えるヒンジ部材(開閉手段)4が設けられている。
また、蓋体3の内面には、第1の実施形態における第2の被吸着板18より縦方向に長い第2の被吸着板18Aが固着されている。このように、第2の被吸着板18Aが縦長であることにより、使用時にハンガー15を吸着支持させる位置の高さを適宜調整できる。前記第1の実施形態においても、このような縦長の第2の被吸着板18Aとすることはもとより可能である。蓋体3の内面には、さらに、前記と同様のトレーテーブル19及び支台部材20が取外し可能に取付けられている。このトレーテーブル19は、使用時には図10(b)に示すように、蓋体3の上辺部3aに、支台部材20を介して取付けられる。トレーテーブル19の蓋体3に対する取付構造は、図6に示す例と同様であり、また、本実施形態においても、図7に示すように蓋体3の側辺部3bに取付けるように構成することも可能である。
前記のような構成の往診用歯科診療装置1Aを用いた歯科診療の準備作業の要領について説明する。歯科補助者(歯科ドクターに同伴する場合を含む)は、往診用歯科診療装置1Aを、携行して患者宅を訪問し、ベッドに仰臥する患者頭部の近傍の床面上であって、当該補助者が位置する近傍に往診用歯科診療装置1Aを設置する。そして、蓋体3を、前記と同様に上方に回転させて、筺体2の開口部2aを開とする。蓋体3を、筐体2の上辺部2d上に略垂直に起立させ、前記トルクヒンジ機構部5によってこの起立状態に維持する。この起立状態で、前記ハンガー15を第1の被吸着板14から取外し、蓋体3の内面の第2の被吸着板18Aに吸着支持させる。また、束ねられた前記インスツルメントのホース22a,23aを解き、前記インスツルメント22,23をホルダー12,13から外し、第2の被吸着板18Aに吸着支持させた前記ハンガー15のホルダー部15a,15bにそれぞれ保持させる。さらに、リモートスイッチ24を取出し、電源コード17を、受電コネクタ17aに接続すると共に、プラグ17bを室内の商用電源コンセントに差し込み接続する。また、前記トレーテーブル19及び支台部材20を蓋体3の内面から取外し、支台部材20を蓋体3の上辺部3aに取付け、この支台部材20上にトレーテーブル19を乗せ置き支持させる。最後に、給水タンク11に持参の診療水(生理食塩水等)を補充することにより、歯科診療の準備作業が完了する。
歯科補助者は、歯科ドクターの診療作業を補助する場合、歯科ドクターとの適正な位置関係を保って患者が仰臥するベッドの頭部付近の椅子等に着座する。そして、歯科補助者は、前記ハンガー15に保持されたバキュームシリンジ23を取出し、該バキュームシリンジ23のグリップ部に設けられるスイッチを手操作する。これによって、歯科ドクターの診療に伴う歯牙の切削屑等を含む診療水を患者の口腔内から吸引してバキュームタンク21に排出する。前記バキュームシリンジ23のオン・オフは、前記ハンガー15に設けられたマイクロスイッチや光センサ(不図示)により、前記ハンガー15から前記バキュームシリンジ23が取出されたことを検出すると作動するようにしても良い。また、補助者が単独で、歯垢、歯石等の除去作業を行うときは、スケーラ22をハンガー15から取り出して一方の手で把持し、バキュームシリンジ23を同様にハンガー15から取り出して他方の手で把持する。そして、前記注水量の調整用摘みスイッチ25及び前記超音波発振器の出力調整用の摘みスイッチ26を操作して適宜調整した上で、前記リモートスイッチ24をオンとして、注水しながらスケーラ22を作動させて歯石等の除去を行う。これと並行してバキュームシリンジ23を作動させて、除去物を含む診療水をバキュームタンク21に吸引排出させる。この間、ハンガー15に対して、インスツルメント22,23の取出し、或いは、収納の動作が繰返される。この場合も、ハンガー15は、筺体2上に起立状態とされた蓋体3の内面に設けられているから、歯科補助者の手の届き易い位置に位置付けられ、インスツルメントの取出/収納動作の繰返しの際にも、歯科補助者はかがむこともなく、通常の歯科医院におけると同様の姿勢で診療を行うことができる。また、トレーテーブル19も、蓋体3の上辺部3aに取付けられているから、歯科補助者の手近な位置に位置付けることができ、バキュームシリンジ23の先端部材等の仮置き等もし易く、診療作業の円滑化が図られる。
第1の実施形態の往診用歯科診療装置1及び第2の実施形態の往診用歯科診療装置1Aは、それぞれ、歯科ドクターが主に使用する技工用ユニット及び歯科補助者が主に使用する口腔ケア用ユニットとして構成されているので、歯科ドクター及び歯科補助者がそれぞれ個別に扱うことができる。従って、両者が単独で訪問診療する場合に、不必要な機器・器具等は携行しないので、それぞれの装置がコンパクト化され、移動時の搬送負担等が軽減される。また、両者が同伴で訪問診療する場合でも、患者に対するそれぞれの位置取りが異なるため、両者が使い勝手の良い位置にそれぞれのユニットを配置しておくことができ、これによって、両者の診療動作がベッド回りで錯綜して混乱を来すようなことがない。
図11及び図12(a)(b)は、本発明に係る往診用歯科診療装置の第3の実施形態を示している。この実施形態の往診用歯科診療装置1Bは、蓋体3の開閉手段4がスライド機構4Bによって構成され、保持手段5が開状態とされた蓋体3の落下を阻止する係止手段5Bによって構成されている点で、前記第1及び第2の実施形態の往診用歯科診療装置1,1Aと異なる。図例の往診用歯科診療装置1Bは、第1の実施形態と同様に技工用ユニットとして構成されるものであるが、第2の実施形態と同様に口腔ケア用ユニットとして構成されるものであっても良い。
本実施形態の往診用歯科診療装置1Bにおいて、前記筐体2の開口部2aには、上辺部を除く3辺部に、前方に延出される延出壁2e,2f,2gが形成されている。この延出壁2e,2f,2gのうち、開口部2aの前方側から見て左右の延出壁2e,2gの内面には、その縦方向に沿って凹溝状のガイドレール4c,4dが形成されている。そして、左右蓋体3の前方から見た左右両側部には、その両側部の全長に亘り、前記ガイドレール4c,4dに嵌装され、該ガイドレール4c,4dに沿ってスライド可能な突条体4e,4fが形成されている。このように構成することにより、蓋体3を図11の閉の状態から、そのまま上方に引き上げんとすると、前記突条体4e,4fが、それぞれガイドレール4c,4dに沿ってスライドして、図12(a)(b)に示すように迫り上がった状態とすることができる。即ち、ガイドレール4c,4dと突条体4e,4fとによるスライド機構4Bによって前記開閉手段4が構成される。
また、前記蓋体3の背部には、上端がピン5fによって支持され、該ピン5fを支点として前後搖動可能とされた棒状体5gが取付けられている。該棒状体5gは、圧縮ばね5hによって前記ピン5fを支点として後方に弾力付勢されている。蓋体3が閉状態のときは、該棒状体5gは、圧縮ばね5hの弾力に抗した状態で蓋体3の背部に収納されるが、図12(a)に示すように、蓋体3を引き上げて開状態とすると、圧縮ばね5hの弾力によって、棒状体5gが前記ピン5fを支点として後方に突出する。蓋体3から手放すと、蓋体3は自重により落下しようとするが、突出した棒状体5gの下端が筐体2の上辺部2dの上面に係止し、それ以上の落下が阻止され、蓋体3の開状態が保持される。即ち、このような棒状体5gを含む係止手段5Bによって、前記保持手段5が構成される。例示した係止手段5Bは一例に過ぎず、蓋体3を引き上げて開状態とした後、手放したり、振動等が加わっても、蓋体3が落下せず、この開状態を安定的に保持し得る他の構造の係止手段も採用可能である。
本実施形態においては、使用時においてハンガー15を吸着支持するための第2の被吸着板18Bが、蓋体3の外面(外側)に固着されている。この実施形態でも、ハンガー15は、非使用時には、前記と同様に中間仕切2cに固着された第1の被吸着板14に吸着支持され、図示を省略した他の歯科診療用器具等ともに、閉状態とされた蓋体3の後方に収納される。そして、使用時(診療時)には、第1の被吸着板14からハンガー15を取り外し、前記のように開状態とされた蓋体3の外側に位置する第2の被吸着板18Bにハンガー15を吸着支持させることができる。従って、該ハンガー15が床面より高い位置に位置付けられ、ベッド上の患者の診療に際しても、該ハンガー15に保持される歯科診療用器具を楽に取出し或いは収納させることができる。図例の第2の被吸着板18Bは縦方向に長く、且つ、前記例より幅広に形成されている。これによって、使用時におけるハンガー15の位置を高さ方向だけでなく、横方向にも調整することができ、患者の仰臥状態等に応じて、ハンガー15をインスツルメントの取出/収納等のハンドリング性の良い位置に設定することができる。このような第2の被吸着板18Bは、前記各実施形態にも適用し得ることは言うまでもない。また、図12(a)(b)では、歯科診療用器具等の図示を省略しているが、図4(a)(b)に示す例と同様の態様で、各歯科診療用器具等が収納状態とされ、また使用状態とされるよう装備される。その他の構成は、第1の実施形態と同様であるから、共通部分に同一の符号を付し、その説明は割愛する。
尚、前記各実施形態では、ハンガー15をマグネット及び磁性体からなる被吸着板により、蓋体3及び筐体2に着脱自在な構成にしているが、インスツルメントを係止し、保持できる強度を有していれば、フリクションを伴った雌雄の嵌合構造や、面ファスナー等を用いて着脱自在な構成とすることも可能である。また、第1及び第2の実施形態において、収納時のスペースが確保される場合は、ハンガー15を蓋体3の内面に固定的に設けるようにしても良い。また、第3の実施形態においては、外観の体裁を整える手段を講じた上で、蓋体3の外側にハンガー15を固定的に設けたり、或いは、開閉蓋を備えたポケット部を蓋体3の外側に形成し、このポケット部にハンガー15を固定的に設けたりしても良い。また、歯科診療用器具として、マイクロモータハンドピース、スリーウェイシリンジ、スケーラ、バキュームシリンジを例に採ったが、これに限らず、他の歯科用の各種インスツルメントを装備させることも除外するものではない。さらに、技工用ユニット及び口腔ケア用ユニットとして個別の往診用歯科診療装置として構成した例について述べたが、歯科ドクター及び歯科補助者が共用し得るよう構成することも可能である。加えて、往診用歯科診療装置の外観形状も図例のものに限らず、意匠性等を勘案して他の形状とすることももとより可能である。
1,1A,1B 往診用歯科診療装置
2 筐体
2a 開口部
2d 上辺部
3 蓋体
3c 蓋体の下辺部(一辺部)
4 ヒンジ部材(開閉手段)
4A 平蝶番(開閉手段)
4B スライド機構(開閉手段)
5 トルクヒンジ構造部(保持手段)
5A ロック手段(保持手段)
5B 係止手段(保持手段)
6 マイクロモータハンドピース(歯科診療用器具)
7 スリーウェイシリンジ(歯科診療用器具)
8 コンプレッサー(関連機器)
9 給水ポンプ(関連機器)
15 ハンガー
19 トレーテーブル
22 スケーラ(歯科診療用器具)
23 バキュームシリンジ(歯科診療用器具)

Claims (13)

  1. 歯科診療用器具と、
    駆動源を含む前記歯科診療用器具の関連機器とを、持ち運び可能な筐体に収納した往診用歯科診療装置において、
    前記筐体は、開口部に開閉自在な蓋体を備え、使用時にはその開口部が横向きとされるよう構成され、
    前記蓋体を前記使用時における前記筐体の上辺部に対して垂直状態で上方に開とし得る開閉手段と、当該蓋体の開状態を保持する保持手段とを備え、
    前記蓋体に前記歯科診療用器具を保持するハンガーを設けたことを特徴とする往診用歯科診療装置。
  2. 請求項1に記載の往診用歯科診療装置において、
    前記開閉手段が、前記筐体の前記上辺部と、前記蓋体の一辺部とを結合するヒンジ部材からなることを特徴とする往診用歯科診療装置。
  3. 請求項2に記載の往診用歯科診療装置において、
    前記保持手段が、前記ヒンジ部材に組み込まれたトルクヒンジ構造部からなることを特徴とする往診用歯科診療装置。
  4. 請求項2に記載の往診用歯科診療装置において、
    前記保持手段が、前記筐体と蓋体とに設けられた手操作可能なロック手段からなることを特徴とする往診用歯科診療装置。
  5. 請求項1に記載の往診用歯科診療装置において、
    前記開閉手段が、前記筐体を前記使用状態に設置したときに、前記蓋体を上下にスライドし得るスライド機構からなることを特徴とする往診用歯科診療装置。
  6. 請求項5に記載の往診用歯科診療装置において、
    前記保持手段が、開状態の前記蓋体を前記筐体に係止し得る係止手段からなることを特徴とする往診用歯科診療装置。
  7. 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の往診用歯科診療装置において、
    前記蓋体の内側に、前記ハンガーを設けたことを特徴とする往診用歯科診療装置。
  8. 請求項5又は6に記載の往診用歯科診療装置において、
    前記蓋体の外側に、前記ハンガーを設けたことを特徴とする往診用歯科診療装置。
  9. 請求項7又は8に記載の往診用歯科診療装置において、
    前記ハンガーが、上下方向に位置調整可能に設けられていることを特徴とする往診用歯科診療装置。
  10. 請求項7乃至9のいずれか一項に記載の往診用歯科診療装置において、
    前記ハンガーが、着脱自在に設けられていることを特徴とする往診用歯科診療装置。
  11. 請求項1乃至10のいずれか一項に記載の往診用歯科診療装置において、
    前記歯科診療用器具等を載置するためのトレーテーブルを備え、該トレーテーブルは、前記蓋体に、着脱自在に装着されることを特徴とする往診用歯科診療装置。
  12. 請求項1乃至11のいずれか一項に記載の往診用歯科診療装置において、
    前記歯科診療用器具が、歯科ドクター用の器具であり、当該器具用の関連機器と共にユニット化されて、技工用ユニットとして構成されていることを特徴とする往診用歯科診療装置。
  13. 請求項1乃至11のいずれか一項に記載の往診用歯科診療装置において、
    前記歯科診療用器具が、歯科補助者用の器具であり、当該器具用の関連機器と共にユニット化されて、口腔ケア用ユニットとして構成されていることを特徴とする往診用歯科診療装置。
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