JP2013231534A - 自走式電子機器、充電台及び自走式電子機器の除電システム - Google Patents

自走式電子機器、充電台及び自走式電子機器の除電システム Download PDF

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Abstract

【課題】自走式掃除機の筐体に蓄積された静電気の除電機能と空気清浄機能とを実行することを課題とする。
【解決手段】充電台から電力の供給を受けて該充電台から離れた位置に自動走行する自走式電子機器であって、イオンを発生するイオン発生部と、空気を導入する吸気口、空気の流通経路及び該流通経路を通過した空気を前記発生されたイオンとともに外部へ放出する複数の排気口を有する筐体と、を備え、前記複数の排気口には、前記イオンを含む空気を、前記充電台の側面方向へ放出する充電台口が含まれており、前記筐体が前記充電台に向かって移動されて前記充電台から電力の供給を受け得る状態になった場合、前記イオンを含む空気を、前記充電台口から放出することを特徴とする自走式電子機器。
【選択図】図2

Description

この発明は、自走式電子機器に関し、特に、イオン発生装置を備えた自走式電子機器に関する。
今日、駆動輪を駆動して、所定の領域を自律的に移動することにより、部屋の掃除を行う自走式掃除機が利用されている。
自走式掃除機は、本体下部であって清掃する床面と対向する位置に吸気口を設け、自動走行しながら、床面と接触する回転ブラシによって床面にあるゴミを吸気口の方へ導いて、そのゴミを吸気口から吸い込み、内部の集塵容器の中へ収集する。
自動走行しながら掃除をしている状態において、床面と、回転ブラシおよび駆動輪とが接触しているため、それらの間の摩擦により静電気が発生し、掃除機本体の表面が帯電する。
このように本体表面が帯電すると、本体周辺のほこりがその帯電した表面に引きつけられるため、十分な集塵機能が発揮されない場合があった。
そこで、自走式電気掃除機の本体表面に発生した静電気を除電する機能を有する自走式電気掃除機が提案されている(特許文献1参照)。
特許文献1では、本体の底部の排気口の近傍に、イオン発生器を設け、イオン発生器から発生されたイオンによって本体の底部と被清掃面に発生した静電気を除電することと、本体に逃がし端子を設けて、本体の充電池を充電する充電器とこの逃がし端子とを接続して、本体に貯まった静電気を逃がし端子を通して充電器に逃がすことによって、静電気の帯電を防止することが記載されている(段落0022,0046等参照)。
また、従来からイオン発生器を備えた電子機器が利用されているが、そのイオン発生器から発生するイオンは、室内の空気の浄化を行うことを目的として、室内空間に対して放出される(特許文献2参照)。
特開2004−57449号公報 特開2005−46616号公報
しかし、特許文献1では、イオン発生器は本体の底部に設けられ下方に向かってイオンを発生するので、イオンによる除電の効果は、本体の底部と被清掃面という局所的な部分に限定される。また、底部に設けられたイオン発生器では、掃除をする部屋の空間に対して、移動している場合に、イオンによる空気の浄化、殺菌あるいは消毒という機能を発揮することは困難である。
さらに、逃がし端子を通じて静電気を逃がすことのできる帯電部分は、逃がし端子に電気的に接続された本体表面の一部分に限られ、絶縁されたプラスチック等の表面に蓄積された静電気を除くことは難しい。
そこで、この発明は、以上のような事情を考慮してなされたものであり、本体表面に蓄積された静電気を除電することと、室内移動中においては、室内空間に対して、空気の浄化、殺菌及び消毒をすることのできる自走式電子機器を提供することを課題とする。
この発明は、充電台から電力の供給を受けて該充電台から離れた位置に自動走行する自走式電子機器であって、イオンを発生するイオン発生部と、空気を導入する吸気口、空気の流通経路及び該流通経路を通過した空気を前記発生されたイオンとともに外部へ放出する複数の排気口を有する筐体と、を備え、前記複数の排気口には、前記イオンを含む空気を、前記充電台の側面方向へ放出する充電台口が含まれており、前記筐体が前記充電台に向かって移動されて前記充電台から電力の供給を受け得る状態になった場合、前記イオンを含む空気を、前記充電台口から放出することを特徴とする自走式電子機器を提供するものである。
ここで、筐体が充電台に向かって移動されて充電台から電力の供給を受け得る状態になった場合とは、筐体及び充電台が接続されている場合に限られず、筐体及び充電台が自走式掃除機から放出されるイオンを含む空気が届く程度に接近している場合も含まれる。
これによれば、イオンを含む空気を充電台の方向へ放出しているので、充電台に当たったイオンを含む空気は、その充電台によって進行方向を変化させられ、イオンを含む空気の一部分は筐体の方向へ戻される。
したがって、筐体の方向へ戻ってきた空気に含まれるイオンが筐体表面に接触すると、筐体表面に蓄積された静電気を除去することができる。
すなわち、充電台へ帰還し、充電台からの電力の供給を受け得る状態において、筐体表面に蓄積された静電気が除電されることにより、空気中のほこりが筐体表面に付着することを防止できる。
また、前記流通経路を通過する空気の送風方向を切り替える切替部材と、前記切替部材の位置を制御する送風切替部とをさらに備えることを特徴とする。
これによれば、充電台へ帰還し、充電台からの電力の供給を受け得る状態においては、イオンを含んだ空気が筐体のある方向へ戻されるので、筐体に蓄積された静電気を除電することができる。
また、この発明は、掃除機能を実行する集塵部をさらに備え、自動走行しながら掃除を行う自走式電子機器(自走式掃除機)を提供するものである。
さらに、この発明は、自走式電子機器に電力を供給する充電台であって、前記自走式電子機器に電力を供給する電力供給部と、表面が内部にへこんだ凹部曲面とを備え、イオンを含む空気が前記自走式電子機器から前記凹部曲面の方向へ放出された場合に、前記凹部曲面に当たった前記イオンを含む空気の一部分を、前記自走式電子機器の方向へ戻すことを特徴とする充電台を提供するものである。
また、この発明は、自走式電子機器及び該自走式電子機器に電力を供給する充電台を備える自走式電子機器の除電システムであって、前記自走式電子機器は、イオンを発生するイオン発生部と、空気を導入する吸気口、空気の流通経路及び該流通経路を通過した空気を前記発生されたイオンとともに外部へ放出する複数の排気口を有する筐体と、を備え、
前記複数の排気口には、前記イオンを含む空気を、前記充電台の側面に形成された凹部曲面の方向へ放出する充電台口が含まれており、前記筐体が前記充電台に向かって移動されて前記充電台から電力の供給を受け得る状態になった場合、前記イオンを含む空気を、前記充電台口から放出するものであり、前記充電台は、前記自走式電子機器に電力を供給する電力供給部と、表面が内部にへこんだ凹部曲面とを備え、イオンを含む空気が前記自走式電子機器から前記凹部曲面の方向へ放出された場合に、前記凹部曲面に当たった前記イオンを含む空気の一部分を、前記自走式電子機器の方向へ戻す、ことを特徴とする自走式電子機器の除電システムを提供するものである。
この発明によれば、筐体と充電台とが接続されて充電池に充電台からの電力の供給を受け得る状態において、イオンを含む空気を、充電台の凹部曲面の方向へ放出させているので、凹部曲面に当たったイオンを含む空気の一部分を筐体の方向へ戻すことができ、筐体の方向へ戻ってきた空気に含まれるイオンが筐体の表面に接触することにより、筐体表面に蓄積された静電気の除電ができ、空気中のほこりが筐体表面に付着するのを防止できる。筐体と充電台とが接続される前に、筐体からイオンを含む空気を充電台の接続端子部へ放出することにより、接続端子部のほこりを除去でき、電気的接続不良を防ぐクリーニング効果が期待できる。
この発明の自走式掃除機の一実施例の概略構成ブロック図である。 この発明において、放出されるイオンの流れの説明図である。 この発明の送風方向切替の一実施例の説明図である。 この発明の自走式掃除機の除電動作の概略フローチャートである。 この発明の自走式掃除機の一実施例の概略斜視図である。 この発明の自走式掃除機に設けられるイオン発生部の概略構成を示す斜視図である。 この発明の切替板の一実施例の説明図である。 この発明の切替板の一実施例の説明図である。
以下、図面を使用して本発明の実施の形態を説明する。なお、以下の実施例の記載によって、この発明が限定されるものではない。
この発明において、自走式電子機器とは、自動走行制御機能を有する電子機器であり、たとえば、自走式掃除機、自走式イオン発生機、送風機を備え吸気した空気をフィルタ等を介して浄化する空気清浄機、および吸気した空気を加湿する加湿器などが含まれる。
この発明の自走式掃除機とは、底面に吸気口を有すると共に内部に集塵部を有する筐体、筐体を走行させる駆動輪、駆動輪の回転、停止および回転方向等を制御する制御部などを備え、ユーザの手を離れて自動的に掃除動作する掃除機を意味する。
また、自走式掃除機としては、空気吸引を行い清浄化した空気を排気する空気清浄機能、イオン発生を行うイオン発生機能、ユーザに対して必要な情報等を提示する機能等を有してもよい。さらに、装置本体に充電池を備え、充電を必要とする際に、自走して充電台へ帰還することができる機能も有する。
この発明において、自走式とは、主として、利用者の指示入力により、指示された位置や目的とする位置へ、自動的に移動することを意味する。
また、自走式イオン発生機とは、発生したイオンを排気空気と共に放出するイオン発生機であって、イオン発生機の筐体の周囲の障害物を検知しながら、筐体を自動走行させる走行制御部等を備え、ユーザの操作によることなく走行および停止、並びに、走行方向を自ら判断して筐体を自動的に走行させる方式のイオン発生機を意味する。
この発明の除電システムは、自走式電子機器と、充電台とからなり、自走式電気機器が充電台に帰還した場合に、除電処理が実行される。
以下の実施例では、自走式電子機器の一つの例として、特に、静電気が発生しやすい自走式掃除機について説明する。
<自走式掃除機の構成>
図1に、この発明の自走式掃除機の一実施例の概略構成ブロック図を示す。
図1において、この発明の自走式掃除機(以下、単に、掃除機とも呼ぶ)は、主として、制御部11、充電池12、電池残量検出部13、障害検知部14、入力部15、集塵部16、走行制御部21、車輪22、イオン発生部31、吸気口41、排気口42、充電台口43、切替板44、送風制御部45、ファン46、送風切替部47、記憶部51、充電台探索部91、受信部92、充電台接続部93を備える。
また、掃除を行う部屋の所定の位置に充電台100を設置する。充電台100の設置場所は、商用電源のコンセント近辺、部屋の壁際、机の脇などで、電源電力の供給を受けられる場所であればよい。充電台100と自走式掃除機1を接続することにより、自走式掃除機1は充電台100と接触した状態で充電台100からの電力の供給を受け、自走式掃除機1の充電池12を充電する。また、自走式掃除機1は、充電台100から離れた位置に自動走行しながら掃除機能を実行する。
この発明の自走式掃除機1は、設置された場所の床面を自走しながら、床面上の塵埃を含む空気を吸い込み、塵埃を除去した空気を排気することにより床面上を掃除する。また、自走式掃除機1は、たとえば掃除が終了した場合、あるいは蓄積したゴミ量がゴミ満載状態に近づいた場合、充電池の電池容量が低下した場合などにおいて、自動的に充電台100に帰還する。
また、自走式掃除機1は、設置された場所の床面を自走しながら、周囲の空気を吸い込み、生成されたイオンを含む空気を排気することにより除菌や消臭等を行う。
さらに、この発明の自走式掃除機1は、充電台100へ帰還した場合、イオンを含む空気の放出方向を切り替え、たとえば、充電台100のある方向へ向かってイオンを含む空気を放出し、充電台に当たったイオンを含む空気が自走式掃除機1の方向へ戻ってくるようにして、自走式掃除機1の筐体表面に発生した静電気を、イオンを含む空気によって除電する。
図5に、この発明の自走式掃除機の一実施例の概略斜視図を示す。
図5において、本発明の自走式掃除機1は、円盤形の筐体2を備え、この筐体2の内部または外部に、回転ブラシ、サイドブラシ10、障害検知部14、集塵部16、走行制御部21によって駆動される複数の車輪22、後輪、前輪、受信部92、図1に示したその他の構成要素が設けられている。ここで、後輪および前輪は、筐体2の底部に設けられており、それら自体は駆動されることなく自走式掃除機1の移動方向に合わせて回転するように構成されている。
図5において、自走式掃除機1の障害検知部14、受信部92および前輪が配置されている部分を前方部、後輪が配置されている部分を後方部、図示しない制御部11、充電池12、集塵部16などが配置されている部分を中間部と呼ぶ。
筐体2は、吸気口41を有する平面視円形の底板と、筐体2に収容する集塵部16を出し入れする際に開閉する蓋部3を中央部分に有している天板2bと、底板および天板2bの外周部に沿って設けられた平面視円環形の側板2cとを備えている。また、底板には前輪、一対の駆動輪および後輪の下部を筐体2内から外部へ突出させる複数の孔部が形成され、天板2bにおける前方部と中間部との境界付近には排気口42が形成されている。なお、側板2cは、前後に二分割されており、側板前部はバンパーとして機能する。
また、自走式掃除機1は、一対の駆動輪が同一方向に正回転して前進し、同一方向に逆回転して後退し、互いに逆方向に回転することにより静止した状態で旋回する。例えば、自走式掃除機1は、掃除領域の周縁に到達した場合および進路上の障害物に衝突した場合、一対の駆動輪を互いに逆方向に回転して向きを変えたり、後退した後に回転して向きを変えたりする。これにより、自走式掃除機1は、設置場所全体あるいは所望範囲全体に障害物を避けながら自走する。
また、自走式掃除機1は、後述するように、受信部92によって、充電台100の送信部102から送信される信号を検出して充電台100のある方向を認識し、たとえば掃除が終了した場合、蓄積されたゴミが所定量以上となった場合、充電池12の充電残量が少なくなった場合、あるいは設定された掃除タイマーの設定時間が経過した場合に、自動的に、充電台100のある方向に進行して、充電台100まで帰還する。
さらに、帰還しようとするときに、充電台100からの信号が検出できない場合は、自走式掃除機1は、一旦静止して、その場で例えば360°回転し、充電台100からの信号が検出されるか否かを確認し、充電台100が存在する方向を検出するようにしてもよい。
信号が検出された場合、検出されたときの自走式掃除機1の受信部92の前方方向に、充電台100があると認識し、直線的に充電台100の方向へ向かって走行する。ただし、障害物があれば、それを避けながら、充電台100の方向へ移動する。
以下、図1に示す各構成要素を説明する。
図1の制御部11は、自走式掃除機1の各構成要素の動作を制御する部分であり、主として、CPU、ROM、RAM、I/Oコントローラ、タイマー等からなるマイクロコンピュータによって実現される。
CPUは、ROM等に予め格納された制御プログラムに基づいて、各ハードウェアを有機的に動作させて、この発明の掃除機能、走行機能、イオン発生機能、除電機能、充電台100への帰還機能などを実行する。
充電池12は、自走式掃除機1の各機能要素に対して電力を供給する部分であり、主として、掃除機能および走行制御等を行うための電力を供給する部分である。たとえば、リチウムイオン電池、ニッケル水素電池、Ni−Cd電池、などの充電池が用いられる。
充電池12の充電は、自走式掃除機1と充電台100とを接続した状態で行われる。
自走式掃除機1と充電台100との接続は、互いの接続部(93,101)である露出した充電端子どうしを接触させることにより行う。
電池残量検出部13は、充電池の残りの容量(電池残量)を検出する部分であり、たとえば、フル充電状態に対して、現在の残容量をパーセントで表した数値を出力する。
たとえば、ここで検出された電池残量(%)に基づいて、充電台100の方へ帰還するか、あるいはその場で静止して動作も終了するモードに移行するかを判断する。
障害検知部14は、自走式掃除機1が走行中に、室内の机やいすなどの障害物に接触又は近づいたことを検知する部分であり、たとえば、マイクロスイッチ、超音波センサ、赤外線測距センサなどからなる接触センサ又は障害物センサが用いられ、筐体2の側板2Cの前方部に配置される。障害検知部14は、1つでなく、複数個設けてもよい。
CPUは、障害検知部14から出力された信号に基づいて、障害物の存在する位置を認識する。認識された障害物の位置情報に基づいて、その障害物を避けて次に走行すべき方向を決定する。
入力部15は、ユーザが、自走式掃除機1の動作を指示入力する部分であり、自走式掃除機1の筐体表面に、操作パネル、あるいは操作ボタンとして設けられる。
あるいは、入力部15としては、自走式掃除機本体とは別に、リモコンユニットを設け、このリモコンユニットに設けられた操作ボタンを押すことにより、赤外線や無線電波信号を送出し、無線通信により動作の指示入力をしてもよい。
入力部15としては、たとえば、電源スイッチ、起動スイッチ、充電要求スイッチ、その他のスイッチ(運転モードスイッチ,タイマスイッチ)などが設けられる。
集塵部16は、室内のゴミやちりを収集する掃除機能を実行する部分であり、主として、図示しない集塵容器と、フィルタ部と、集塵容器およびフィルタ部を覆うカバー部とを備える。
また、吸気口41と連通する流入路と、排気口42と連通する排出路とを有し、吸気口41から吸い込まれた空気を流入路を介して集塵容器内に導き、集塵容器内の空気をフィルタ部を解して排気し、集塵後の空気を排出路を介して排気口42から外部へ放出する。
後述するように、吸気口41および排気口42は、それぞれ空気の吸気および排気を行う開口であり、充電台口42は、除電のためのイオンを含む空気を放出する開口である。
車輪22は、筐体2の下部に配置され、筐体2を移動させる部分である。
走行制御部21は、自走式掃除機1の自動走行の制御をする部分であり、主として上記した車輪22の回転を制御して、筐体2を自動的に移動させる部分である。
車輪22を駆動させることにより、自走式掃除機1の前進、後退、回転、静止などの動作を行わせる。
イオン発生部31は、イオンを発生する部分であり、筐体内部に収容され、導入された空気の流通経路に配置される。
具体的には、空気中で放電することにより、正イオンとしてH+(H2O)m(mは任意の自然数)、負イオンとしてO2 -(H2O)n(nは任意の自然数)を生成する。
図6に、イオン発生部31の一実施例の斜視図を示す。
イオン発生部31は排気経路に臨む複数のイオン放出部31a、31bを有している。このイオン放出部31a、31bは、イオン発生部31の樹脂性の筺体の一部を、例えば円形状に開口した開口部からなり、その開口部に対応して以下のイオン発生のための電極が設けられている。
つまり、各々のイオン放出部31a、31bには、共通の対向電極33と針状の放電電極34a、34bが各々設けられる。放電電極34a、34bは先端が尖った針電極であり、対向電極33は放電電極34a、34bの周囲を囲うように開口された共通の接地された電極である。
イオン発生部31は、本体部分35に高圧電気発生回路が内蔵されており、一側面に設けられた2つの端子36を介して充電池12から電力が供給され、作動する。
本体部分35の高圧電気発生回路は、放電電極34a、34bに、交流波形またはインパルス波形から成る正または負の高電圧を供給する。前述のようにイオン発生部31は複数の放電電極を持ち、例えば放電電極34aには、正のインパルス波形の高電圧が印加される。これにより、電離により発生するイオンが空気中の水分と結合して主として先に説明したH+(H2O)mから成る正のクラスタイオンが生成される。
他の放電電極34bには、負のインパルス波形の高電圧が印加され、電離により発生するイオンが空気中の水分と結合して主としてO2 -(H2O)nから成る負のクラスタイオンが生成される。
発生するイオンとしては、特に限定されないが、たとえば、空気を浄化することの可能なイオン、美肌効果と肌表面の菌増殖を抑制する効果のあるイオンなどがあげられ、特に、従来から用いられているプラズマクラスターイオン(登録商標)を用いることができる。
イオン発生部31は、たとえば、小型の直方体形状のイオン発生装置として提供される。
前述のように、正イオン及び負イオンの両方が発生する場合には、蓄積された静電気の除電効果並びに空気の浄化、殺菌および消臭効果が得られる。 なお、本発明のイオン発生部31は、正イオン又は負イオンのいずれかを発生してもよい。その場合にも、限定的ではあるが、蓄積された静電気の除電効果並びに空気の浄化、殺菌および消臭効果が得られる。特に、負イオンを発生する場合には、リラックス効果が得られる。
送風制御部45は、ファン46を駆動制御するものであり、吸気口41から内部の流通経路への空気の導入と、排気口42あるいは充電台口43からのイオンを含む空気の放出を制御する部分である。たとえば、外部の空気を吸気口41から装置内部に取り入れ、取り込んだ空気を装置内部の所定の流通経路を通過させてイオン発生部31の方向へ導き、排気口42の方向へ送る部分である。また、送風制御部45は、吸気口41又は排気口42の開閉を制御してもよい。
送風制御部45は、主として、ファン46を回転させるファン回転機構などから構成される。また、送風制御部45は、吸気口用蓋、排気口用蓋、吸気口および排気口の開閉制御部を備えてもよい。
室内の掃除をしながら自動走行をしている場合、イオン発生部31によって発生されたイオンは、送風制御部45によって装置内部を流通する空気とともに、排気口42の方向へ送られ、排気口42から外部へ吹き出される。これにより、空気の浄化を行う。
排気口42は、たとえば筐体2の上面の位置に設けられ、イオン発生部31で発生されたイオンが含まれる空気を外部へ放出する開口である。また、イオンを含む空気は、走行方向の後方であってやや斜め上方に放出されるようにしてもよい。なお、排気口は、複数設けられてもよい。
吸気口41は、塵埃を含む空気を筐体内部へ導入する開口であり、筐体2の底面の位置に設けられる。
また、吸気口41を介した外部の空気の吸い込みと、排気口42を介したイオンを含んだ空気の排気は、主として、送風制御部45によってファン46を回転させることによって行われる。ただし、吸気口41と排気口42にそれぞれ蓋を設け、ファン46の起動および停止に対応させて、開閉制御部によって、これらの蓋を開放および閉鎖させるようにしてもよい。
すなわち、イオンを放出する場合は、吸気口および排気口の蓋を開放し、イオンを放出しない場合は、吸気口および排気口の蓋を閉鎖させる。このような開閉制御をすることによって、イオンを放出しない場合に、ほこりや異物が吸気口および排気口から侵入することが防止できる。
また、必要なときに排気口と吸気口の開閉を制御して、イオンを発生して室内に放出することにより、イオンによる空気の浄化、殺菌および消臭を、適確に行うことができる。
ファン46は、回転することにより風(空気の流れ)を発生させるものである。発生した風は、イオン発生部31の方へ送られ、さらに、開口した状態の排気口42あるいは充電台口43のどちらか一方から外部へ放出される。
イオン発生部31によってイオンが発生させられている場合は、ファン46によって作られた空気の流れにイオンが混合され、イオンを含む空気が排気口42あるいは充電台口43から放出される。
充電台口43は、空気の流通経路を通過した後のイオンを含む空気を外部へ放出する開口である。充電台口43は、自走式掃除機1が充電台100へ帰還した場合、自走式掃除機1と充電台100とが接続された状態で、イオンを含む空気が充電台の方向へ向かって放出される位置に設けられる。
たとえば、筐体2の側面であって、充電台接続部93の上方、あるいは、両側に設けられる。後述するように、充電台口43から放出されたイオンを含む空気は、充電台100の側面に形成された凹部曲面の方向へ放出される。なお、充電台口43は、複数設けられてもよい。
切替板44は、ファン46によって発生した空気の流れの方向を変化させる部材であり、筐体内部の流通経路を通過したイオンを含む空気の送風方向を、排気口42のある方向か、あるいは充電台口43のある方向のいずれかの方向へ、切り替えるものである。切替板44としては、回転する長方形状の部材、スライドするシャッターなどの部材が用いられる。
送風切替部47は、制御部11からの指示により、切替板44の位置を制御するものである。たとえば、掃除をしながら自動走行をしている場合は、イオンを含む空気が排気口から放出され、室内の除菌や消臭を行えるようにするために、送風切替部47によって、排気口42を開放し、充電台口43を閉鎖するように、切替板44の位置を移動させる。
また、自走式掃除機1が充電台100へ帰還した後、充電台100からの電力の供給を受け得る状態になった場合は、イオンを含む空気を充電台100に対向する充電台口43から放出して、充電台100に当たって筐体2の方向へ流れてきたイオンを含む空気によって、筐体表面の除電が行えるように、送風切替部47によって、排気口42を閉鎖し充電台口43を開放するように、切替板44の位置を移動させる。
記憶部51は、自走式掃除機1の各種機能を実現するために必要な情報や、プログラムを記憶する部分であり、RAMやROM等の半導体素子、ハードディスク、フラッシュメモリ等の記憶媒体が用いられる。
記憶部51には、主として、電池情報52、開閉情報53、切替情報54、現在位置情報などが記憶される。
電池情報52には、電池残量検出部13によって検出された電池残量(%)や、充電台への帰還を決定するために検出された電池残量と比較する判定値(残量しきい値P1)などが含まれる。
開閉情報53は、吸気口41と排気口42の開状態あるいは閉状態を示す情報であり、この情報に基づいて、送風制御部45が、吸気口41と排気口42の開閉制御を行う。
切替情報54は、切替板44の位置を示す情報であり、この情報に基づいて、送風切替部47が、切替板44の位置を制御する。たとえば、切替情報54として、排気口42を示す設定値(1)が設定されている場合は、排気口42を開放しかつ充電台口43を閉鎖させるような位置に、切替板44を移動させる。
また、切替情報54として、充電台口43を示す設定値(2)が設定されている場合は、充電台口43を開放しかつ排気口42を閉鎖させるような位置に、切替板44を移動させる。
現在位置情報55は、自走式掃除機1が現在存在する位置を示す情報であり、室内の中のどこにいるかを示す相対的な座標情報である。
たとえば、充電台に接続された位置の座標値や、自走式掃除機の現在位置を示す座標値である。
さらに、この情報55をもとに、実際に走行した履歴情報(走行マップ)を生成してもよい。走行マップは、次回以降の走行ルートを決定するのに利用できる。
この発明では、自走式掃除機1が自ら、充電台の方向に筐体を移動させ、充電台100へ帰還する処理を実行するが、制御部11が、充電台と接触した状態に帰還する必要があると判断した場合に、その帰還処理を実行する。
帰還する必要があると判断した場合、制御部11は、走行制御部21によって静止させた後、静止状態で1回転し、その1回転する間に、充電台探索部91が、充電台100が存在する方向を探索し、充電台の方向を検出した場合に、排気口からイオンを含む空気を放出した状態で、充電台100が存在する方向に向かって移動する帰還処理を実行する。
充電台と接触した状態に帰還する必要があると判断する場合とは、たとえば、充電池12の電池残量が少なくなってきた場合、ユーザにより充電要求スイッチが押し下げられた場合、ユーザがリモコンを利用して帰還指示を行った場合等がある。
特に、電池残量検出部13によって検出された電池残量が、電池情報52として記憶されている残量しきい値P1以下となった場合に、充電台へ帰還する必要があると判断し、帰還処理を実行する。
あるいは、自動走行中に、充電要求スイッチが押し下げられた場合に、充電台へ帰還する必要があると判断し、帰還処理を実行する。
図1において、充電台探索部91と、受信部92と、充電台接続部93は、充電台100の位置検出と、充電台100からの電力を受けるための構成である。
充電台探索部91は、充電台100の位置を探索する部分であり、自走式掃除機1が充電台100から離れた位置にある場合に、充電台100の存在する位置がどの方向にあるかを検出する部分である。
充電台100の探索には、走行制御部21による自動走行処理と、受信部92による信号検出処理を用いる。
受信部92によって、充電台100からの信号が検出された場合、充電台探索部91は、受信部92の前方方向に、充電台100が存在すると認識する。
また、自走式掃除機1の現在位置において、充電台100が検出されなかった場合は、上記したように、その現在位置に静止した状態で回転して、受信部92により、充電台100から送信された信号が検出されるか否かをチェックする。
受信部92は、充電台100の送信部102から送信された光、電波、超音波、その他無線による信号を受信(検出)する部分である。受信部92の素子としては、送信される光、電波、超音波、その他無線による信号を受信できる一般的なものが利用できる。
充電台100から送信される信号としては、たとえば、光である可視光、赤外線、または電波、超音波などが用いられる。この場合、方向性等が必要なため、送信部102からの送信される信号としては、指向性を持たせ、ある程度の幅を持ったもので、レーザー光、赤外線等が好適である。通常は赤外線等が一般的に利用されている。なお、可視光でも指向性を持たせ利用することもできる。
充電台接続部93は、充電池12を充電させるための電力を入力するための接続端子である。
この充電台接続部93と、充電台100の接続部101とを電気的に接触させることにより、充電台100の電力供給部104から与えられる電力を、充電池12に供給し充電する。
充電台接続部93は、充電台の接続部101と接触させるために、自走式掃除機1本体の側面に露出した状態で形成される。
<充電台の構成>
図1において、充電台100は、主として、接続部101、送信部102、制御部103、電力供給部104とを備え、室内の壁などに配置された商用電源105のコンセントからのAC電源電力の供給を受ける。
また、後述するように、充電台100は、表面が内部にへこんだ凹部曲面を備えることを特徴とする。また、凹部曲面が形成された側面に、接続部101が形成される。
自走式電子機器が充電台100と接続されて充電池に充電台の電力供給部104からの電力の供給を受け得る状態になっている場合、自走式電子機器の充電台口43から放出されたイオンを含む空気が、凹部曲面の方向へ放出された場合に、凹部曲面に当たったイオンを含む空気の一部分を、自走式電子機器の筐体の方向へ戻す。
イオンを含む空気の一部分が筐体の方向へ戻されると、筐体の表面に接触したイオンによって筐体に蓄積された静電気が除電される。
電力供給部104は、自走式電子機器に電力を供給する部分である。ここでは、商用電源105からの交流電力を受け入れ、自走式掃除機1を充電することのできる直流電力に変換し、接続部101に与える。
送信部102は、無線による信号を送信(発信)する部分である。送信部102としては、方向を認識するためにも指向性を持たせたものが用いられ、たとえば、可視光発光素子、赤外線発光素子、レーザ発光素子などが用いられる。送信される無線信号としては、前記したように、赤外線を利用することが好ましい。
たとえば、送信する無線信号として赤外線を用いる場合、ある程度の範囲に広がって進行するという指向性を持たせ、自走式掃除機1がその範囲内に入った場合は、受信部92によって、赤外線を検出することができる。
また、自走式掃除機1が上記範囲内に存在していても、自走式掃除機1の受信部92が、充電台100と反対方向を向いている場合は、例えば赤外線を受光できない。しかし、上記したように、自走式掃除機1が静止位置で1回転することにより、赤外線を受光できるようになり、赤外線を受光した方向、すなわち、充電台100の存在する方向がわかる。
充電台100の制御部103は、充電台100の各種機能を実現する部分であり、主として、発光処理と、充電電力の供給制御を行う。制御部103は、CPU、ROM、RAM、I/Oコントローラ、タイマー等からなるマイクロコンピュータにより実現できる。
<イオン放出方向の切替制御>
この発明では、イオンを含む空気を放出する方向を切り換えて、主として、自動走行をしている場合は、排気口42からイオンを含む空気を放出して空気清浄処理を行い、充電台100へ帰還した場合は、充電台口43からイオンを含む空気を放出して筐体表面の除電処理を行う。
ここで、除電処理は、制御部11が、筐体2を充電台100の方向へ移動させ、筐体と充電台とが接続されて充電池12に充電台100からの電力の供給を受け得る状態になった場合に、送風制御部45によって、イオンを含む空気を、充電台口43から、充電台100の凹部曲面の方向へ放出させることにより行う。
図2に、イオン放出方向の切替制御と、放出されるイオンの流れの一実施例の概略説明図を示す。
図2(a)は、排気口42から、イオンを含む空気を放出する場合を示している。主として、掃除をしながら自動走行をしている場合のイオン放出方向を示しており、この場合は、イオンによる空気清浄処理を行っている。
すなわち、空気の清浄をする場合は、イオンを含む空気を室内全体に放出できるようにするために、送風切替部47によって、筐体2の上部に開口された排気口42を開放させる。
このとき、充電台口43は、閉鎖しておくことが好ましい。排気口42を開放した状態で、送風制御部45によってファン46を回転させて空気の流れを発生させ、イオン発生部31の方向へ送られた空気に、イオン発生部31によって発生されたイオンを混合させて、排気口42から放出させる。
図2(b)は、充電台口43から、イオンを含む空気を放出する場合を示している。
この場合は、主として、自走式掃除機1が充電台100に帰還した状態のイオン放出方向を示している。この充電台口43から放出されるイオンによって、自走式掃除機1の筐体表面の除電が行われる。
自走式掃除機1が充電台100に帰還した場合、充電台接続部93と、充電台の接続部101とが電気的に接触した状態で、自走式掃除機1は静止する。したがって、自走式掃除機1の充電台接続部93が配置された側面と、充電台の接続部101が形成された側面とが、所定の距離(たとえば、50cm程度の距離)だけ離れた状態で対向している。
また、除電のためのイオンを含む空気を充電台100の方向へ放出するために、充電台接続部93が配置された側面であって、充電台の接続部101が形成された側面と対向する位置には、充電台口43が配置される。この充電台の接続部101が形成された側面は、図2(c)に示すような凹部曲面を持つ側面である。
図2(c)は、図2(b)に示した状態において、放出されるイオンの流れの一実施例を示したものである。自走式掃除機1が充電台100へ帰還した状態を示している。
ここで、充電台100の側面形状を、曲面を持った凹部とする。この凹部は、表面が内部にへこんだ曲面である。
充電台100の側面は、自走式掃除機1の充電台口43と対向する側の表面であり、充電台口43から放出されたイオンを含む空気が衝突する表面である。この表面を、凹部曲面と呼ぶ。
自走式掃除機1が充電台100へ帰還した状態では、充電台の凹部曲面と、充電台口43とは、所定の距離だけ離れた状態で対向している。
図2(c)に示すように、充電台口43から左側方向へ放出されたイオンを含む空気は、充電台100の凹部曲面に当たると、図2(c)の矢印で示すように、その曲面に沿って上下方向に分かれ、イオンを含む空気の大半が自走式掃除機1の筐体の方向へ戻ってくる。
この空気の流れは、筐体2の後方部側側面と、上面と、底面に当たりながら、紙面の右方向へ進み、筐体2の前方部側側面まで進行する。たとえば、筐体2の上面に静電気が蓄積されていたとすると、上面に沿って流れてきたイオンを含む空気が上面に接触することにより、空気に含まれていたイオンによってその静電気が除電される。
充電台100の凹部曲面の形状は、曲面に当たる前の空気の進行方向とは逆の方向に空気を進行させ得るものであればよい。
また、充電台100の表面の形状は、凹部曲面とすることで大半のイオンを含む空気は自走式掃除機1とへ戻されることになる。しかし充電台100の表面形状は、フラットな形状(平坦面な形状)であっても、イオンを含む空気が反射され、その一部が自走式掃除機1へと戻れば、この発明の目的を達成できる。したがって、充電台100の側面を平坦な形状であってもよい。
このように、充電台口43と対向する充電台100の表面を、凹部曲面とすることにより、自走式掃除機1が充電台100へ帰還した場合に、自走式掃除機1の充電台口43から放出されたイオンを含む空気が、凹部曲面に当たって、イオンを含む空気の一部分が自走式掃除機1の筐体2の方向へ戻ってくるようにしているので、イオンを含む空気が筐体表面に接触することにより、筐体表面に蓄積された静電気を除電することができる。
また、イオンを含む空気の風量や送風時間を調整することにより、充電台100に対向した筐体の左側側面だけでなく、筐体の上面、底面、右側側面も、効果的に除電できる。
図3に、切替板の位置によって、イオンを含む空気の流れを変化させる送風方向の切替動作の一実施例の概略説明図を示す。
ここでは、排気口42を、自走式掃除機1の筐体2の上面に設け、充電台口43を、充電台100と対向する筐体2の後方部側側面に設けている。また、ファン46によって発生された空気の流れが、紙面の左側方向へ進行し、イオン発生部31の表面近傍を通過して、所定の流通経路を通って、排気口42及び充電台口43に接続される空間に導かれるものとする。
また、排気口42及び充電台口43に接続される空間内に、切替板44を移動可能に設ける。切替板44は、流通経路を通って上記空間に導かれたイオンを含む空気の流れを、排気口42の方向かあるいは充電台口43の方向のどちらかへ変更する。
図3(a)は、空気清浄を行うために、排気口42から、イオンを含む空気を放出する場合を示している。このとき、イオンを含む空気の流れは、切替板44に当たり、上方の排気口42の方向へ変化する。また、充電台口43への流通経路は、切替板44によって閉じられ、イオンを含む空気は、充電台口43から外部へ放出されない。
図3(b)は、除電処理を行うために、充電台口43から、イオンを含む空気を放出する場合を示している。このとき、イオンを含む空気の流れは、切替板44の下方を通過して、そのまま充電台口43の方向へ進行する。また、排気口42への流通経路は、切替板44によって閉じられ、イオンを含む空気は、排気口42から外部へ放出されない。
上記したように、充電台口43から放出されたイオンを含む空気が、充電台100の凹部曲面に当たって筐体2の方向へ戻されることにより、筐体表面に蓄積された静電気の除電を行う。
図7及び図8に、この発明の切替板の一実施例の説明図を示す。
図7では、長方形状の切替板44を回転駆動することにより、ファン46によって発生された空気の流れを、排気口42の方向か、あるいは充電台口43の方向に切り替える場合を示している。
図7において、長方形状の切替板44が設置される空間は、切替板44を回転駆動できる程度の大きさの円筒形状の空間であり、その空間の中心点に回転軸を設けて、その回転軸の回りに、切替板44を回転させる。
図7(a)に示すような位置に、切替板44を回転して停止させた場合、ファン46によって発生された空気の流れは、切替板44に当たってその進行方向が上方向へ変更され、イオンを含む空気は、排気口42から外部へ放出される。
図7(b)に示すような位置に、切替板44を回転して停止させた場合、ファン46によって発生された空気の流れは、空間内を左側方向へ進行し、イオンを含む空気は、充電台口43から外部へ放出される。
図8では、排気口42と充電台口43のそれぞれの開口に対して、開閉を行う切替板(44−1,44−2)を設けた場合を示している。
送風切替部47は、2つの切替板(44−1,44−2)の位置制御を独立して行うことにより、イオンを含む空気の流れを制御する。
たとえば、図8(a)は、排気口42からイオンを放出する場合を示しており、排気口42を開放するように切替板44−1を移動させ、充電台口43を閉鎖するように切替板44−2を移動させる。
これにより、ファン46によって発生された空気の流れは、排気口42の方向へ導かれ、イオンを含む空気は、排気口42から外部へ放出される。
また、図8(b)は、充電台口43からイオンを放出する場合を示しており、充電台口43を開放するように切替板44−2を移動させ、排気口42を閉鎖するように切替板44−1を移動させる。
これにより、ファン46によって発生された空気の流れは、充電台口43の方向へ導かれ、イオンを含む空気は、充電台口43から外部へ放出される。
なお、除電をするための充電台口43を、充電台100の凹部曲面と対向する筐体の側面に設けたが、これに限るものではなく、たとえば、吹き出し口を上面に設け、上面と並行に充電台方向に送風されるようにルーバーを設けてもよい。
また、充電台口43としては、充電台100の凹部曲面に対向する位置に1つの開口を設ける実施例を示したが、これに限るものではなく、2つ以上の開口を設けてもよい。2つ以上の開口を設ける場合、たとえば、充電台接続部の両側などの位置に設ければよい。
さらに、除電のためにする送風の風量や送風時間は、設定によって変更できるようにしてもよい。
また、充電台口43は、除電のために用いる開口として設けたが、図8に示すように2つの切替板を別々に制御する場合は、排気口42と充電台口43の両方を開放させて、充電台口43も、排気口42と同様に空気清浄用として用いてもよい。
<帰還後の除電動作の説明>
図4に、この発明の自走式掃除機の除電動作の概略フローチャートを示す。
ここでは、掃除を終了し、充電台100へ帰還した後、筐体表面に蓄積された静電気を除電する処理と、充電処理について説明する。
また、自動走行しながら掃除をしている場合と、充電台100の方向へ帰還している途中も、排気口42を開放し、充電台口43を閉鎖して、イオンを含む空気を排気口42から放出しているものとする。
ステップS1において、制御部11は、所定の帰還条件が満たされた場合、帰還処理を実行する。たとえば、掃除を終了した場合、充電池の残容量が所定値よりも少なくなった場合、蓄積したゴミが満載状態に近くなった場合などに、帰還処理を実行する。
帰還処理では、充電台100のある方向を検知して、充電台100の方向へ向かって移動を開始し、帰還処理を実行中は、排気口42を開放させた状態で、イオンを含む空気を放出させる。
この帰還処理をする場合においても、ゴミ収集処理を実行してもよい。ただし、充電池12の残量が少ない場合、ゴミを収集するとゴミが満載状態となる可能性のある場合、帰還するルートがすでに掃除を行った場所を通る場合などは、ゴミ収集処理を停止して、帰還するようにしてもよい。
自走式掃除機1が充電台100の近くまで戻ると、自走式掃除機と充電台の互いの接続部(93、101)どうしが接触するように自走式掃除機1の方向と位置の調整が行われ、接続部どうしが接触される。
接続部(93、101)どうしが接触した場合、充電台100から充電池12の方へ充電電流が流れるので、この充電電流を検知することにより、自走式掃除機1は、充電台100へ帰還したことを確認できる。
あるいは、接続部101にスイッチを設け、接続部どうしが接触したときに、このスイッチが押されたことにより、帰還したと判断してもよい。
ステップS2において、制御部11は、上記したように充電電流が流れることを検知することにより、充電台100へ帰還したか否かを確認する。
充電台100へ帰還したことを確認した場合、ステップS3へ進み、まだ確認されない場合はステップS1へ戻り、帰還処理を繰り返す。
ステップS3において、送風切替部47が、切替板44を切り替えて、充電台口43を開放し、排気口42を閉鎖させる。
ステップS4において、イオン発生部31からイオンを発生させ、送風制御部45によってファン46を回転させて、開放された充電台口43から、イオンを含む空気を放出させる。
ただし、ステップS1の帰還処理のときからすでにイオンを含む空気を放出させている場合は、ステップS3の切替板44を切り替える処理をするだけで、充電台口43からイオンを含む空気が放出されるようになる。
このように、イオンを含む空気が充電台口43から放出されると、空気の流れが充電台100の凹部曲面に当たって筐体の方向に戻されて除電処理が開始されることになる。
ステップS5において、除電タイマーを起動させる。除電タイマーは、予め設定された除電処理を実行する時間をカウントするものである。除電タイマーによってその除電時間のカウントが開始され、除電タイマーがタイムアウトするまで、除電処理が実行されることになる。
この除電時間は、筐体のサイズや、送風する空気の風量や、イオン発生部の能力によって異なるので、特に一義的に定められるものではなく、出荷時に予め適切な時間を設定しておき、ユーザが所望の時間を設定変更できるようにしてもよい。
ステップS6において、設定された除電時間が経過し、起動された除電タイマーがタイムアウトしたか否かチェックする。タイムアウトした場合は、ステップS7へ進み、そうでない場合はステップS6をループする。
ステップS7において、切替板44を切替え、充電台口43を閉鎖し、排気口42を開放する。ただし、イオンを含む空気を放出して室内の空気の清浄を行わない場合は、この切替処理をしなくてもよい。
ステップS8において、イオン発生部31からイオンを発生するのを停止させ、ファン46の回転を停止させて送風も停止させる。
ステップS9において、充電台100から供給される電力を用いて、充電池12を充電する充電処理を実行する。
ステップS10において、充電池の充電が終了したか否かチェックする。充電が終了していない場合は、ステップS9に戻り、充電池の充電が所定容量まで行われた場合は、処理を終了する。
以上のように、自走式掃除機1は、充電台100へ帰還した後、筐体2の方向へイオンを含む空気を放出させることにより、筐体表面に蓄積された静電気の除電を行うことができる。
また、図4では、充電台100に帰還し、両接続部(93,101)どうしが接続された後に、切替板44を切り換えて除電処理を実行する実施例を示したが、これに限るものではない。自走式掃除機1が充電台の近くまで帰還した場合、自走式掃除機1と充電台100の接続部どうしを接続する前に、切替板44を切り換えて、充電台口43からイオンを含む空気を放出してもよい。
充電台100の近くまで帰還したことは、障害検知部14や赤外線センサにより、充電台100との距離を測定することにより認識することができる。
例えば、自走式掃除機1と充電台100との距離が5〜10cm程度になったことが検出された場合、充電台口43が配置された側面が充電台100の凹部曲面と対向するように筐体の方向を調整し、切替板44を切り換えて、充電台口43から凹部曲面の方向へ、イオンを含む空気を放出させる。
このとき、接続部どうしを接続する前であるので、充電台の接続部101は露出した状態であり、凹部曲面の方向へ放出されたイオンを含む空気によって、接続部101に蓄積されたほこりを吹き飛ばすことができる。
その後、所定の時間が経過した後、自走式掃除機1を充電台100の方へ徐々に移動させ、自走式掃除機1の充電台接続部93と充電台の接続部101とを物理的に接触させればよい。
このように、両接続部(93,101)を接続させる前に、充電台口43から充電台の接続部101の方向へ、イオンを含む空気を放出させることにより、充電台の接続部101に蓄積されたほこりを除去することができる。
1 自走式掃除機
2 筐体
2b 天板
2c 側板
3 蓋部
10 サイドブラシ
11 制御部
12 充電池
13 電池残量検出部
14 障害検知部
15 入力部
16 集塵部
21 走行制御部
22 車輪
31 イオン発生部
45 送風制御部
41 吸気口
42 排気口
43 充電台口
44 切替板
46 ファン
47 送風切替部
51 記憶部
52 電池情報
53 開閉情報
54 切替情報
55 現在位置情報
91 充電台探索部
92 受信部
93 充電台接続部
100 充電台
101 接続部
102 送信部
103 制御部
104 電力供給部
105 商用電源

Claims (5)

  1. 充電台から電力の供給を受けて該充電台から離れた位置に自動走行する自走式電子機器であって、
    イオンを発生するイオン発生部と、
    空気を導入する吸気口、空気の流通経路及び該流通経路を通過した空気を前記発生されたイオンとともに外部へ放出する複数の排気口を有する筐体と、を備え、
    前記複数の排気口には、前記イオンを含む空気を、前記充電台の側面方向へ放出する充電台口が含まれており、
    前記筐体が前記充電台に向かって移動されて前記充電台から電力の供給を受け得る状態になった場合、前記イオンを含む空気を、前記充電台口から放出することを特徴とする自走式電子機器。
  2. 前記流通経路を通過する空気の送風方向を切り替える切替部材と、前記切替部材の位置を制御する送風切替部とをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の自走式電子機器。
  3. 掃除機能を実行する集塵部をさらに備えたことを特徴とする請求項1記載の自走式電子機器。
  4. 自走式電子機器に電力を供給する充電台であって、
    前記自走式電子機器に電力を供給する電力供給部と、
    表面が内部にへこんだ凹部曲面とを備え、
    イオンを含む空気が前記自走式電子機器から前記凹部曲面の方向へ放出された場合に、前記凹部曲面に当たった前記イオンを含む空気の一部分を、前記自走式電子機器の方向へ戻すことを特徴とする充電台。
  5. 自走式電子機器及び該自走式電子機器に電力を供給する充電台を備える自走式電子機器の除電システムであって、
    前記自走式電子機器は、
    イオンを発生するイオン発生部と、
    空気を導入する吸気口、空気の流通経路及び該流通経路を通過した空気を前記発生されたイオンとともに外部へ放出する複数の排気口を有する筐体と、を備え、
    前記複数の排気口には、前記イオンを含む空気を、前記充電台の側面方向へ放出する充電台口が含まれており、
    前記筐体が前記充電台に向かって移動されて前記充電台から電力の供給を受け得る状態になった場合、前記イオンを含む空気を、前記充電台口から放出するものであり、
    前記充電台は、
    前記自走式電子機器に電力を供給する電力供給部と、
    表面が内部にへこんだ凹部曲面とを備え、
    イオンを含む空気が前記自走式電子機器から前記凹部曲面の方向へ放出された場合に、前記凹部曲面に当たった前記イオンを含む空気の一部分を、前記自走式電子機器の方向へ戻す、ことを特徴とする自走式電子機器の除電システム。
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