JP2013231355A - 着火制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】燃焼領域における混合気の熱着火タイミングを効率的に制御できる着火制御装置を提供する。
【解決手段】ピーク推測部(32)、着火タイミング決定部(33)、制御タイミング決定部(34)及びプラズマ制御部(35)は、混合気が熱着火する前の熱発生率のピークよりも前の低温酸化準備期間に燃焼領域(10)におけるOHラジカルの量が増加するように、パルス発生器(36)、電磁波発振器(37)、ミキサー回路(38)及びスパークプラグ(15)を制御することにより、燃焼領域(10)における混合気の熱着火タイミングを制御する。
【選択図】図1

Description

本発明は、炭化水素を空気と混合させた混合気の熱着火タイミングを制御する着火制御装置に関するものである。
炭化水素を空気と混合させた混合気を熱着火(Thermal Ignition)(自発着火)させる着火方式として様々な方法が提案されている。例えば、内燃機関においては、予混合圧縮着火(Premixed Charge Compression Ignition)や、均一予混合圧縮着火(Homogeneous Charge
Compression Ignition:HCCI)等の着火方式が提案されている。ディーゼル機関のコモンレールシステムにおけるパイロット噴射等の結果生じる予混合的な燃焼開始も、これらの着火方式に類する。
このような着火方式は、例えば内燃機関においては、火花点火による着火方式よりも高い熱効率を得ることができ、かつ窒素酸化物(NOx)の排出量を低減できるため、注目されている。しかし、このような着火方式は、熱着火タイミングの制御が困難である。
そこで、従来から、燃焼領域において混合気が熱着火するタイミングを制御する着火制御装置が提案されている。例えば特許文献1には、この種の着火制御装置として、予混合圧縮着火エンジンの着火時期制御装置が記載されている。この着火時期制御装置は、レーザ発生器から発振されたレーザビームを集光レンズで燃焼室に集光照射することにより、酸素ラジカルを生成する。燃焼室では、酸素ラジカルが水蒸気と反応してOHラジカル(ヒドロキシルラジカル)が生成され、そのOHラジカルが炭化水素と反応してアルキルラジカルが生成される。この着火時期制御装置によれば、低温酸化反応が促進されて自己着火時期が制御される。
特開2006−242043号公報
ところで、具体的には後述するが、本願の発明者は、混合気の熱着火タイミングを効率的に制御するには、燃焼領域におけるOHラジカルの量を増加させるタイミングが重要であることを見つけ出した。従って、従来の着火制御装置は、混合気が熱着火に至るまでの期間においてどのタイミングで、燃焼領域におけるOHラジカルの量を増加させるのかが特定されていないので、混合気の熱着火タイミングを効率的に制御することができない。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、燃焼領域における混合気の熱着火タイミングを効率的に制御できる着火制御装置を提供することにある。
第1発明は、炭化水素を空気と混合させた混合気を燃焼させる燃焼領域(10)におけるOHラジカルの量を増加させるラジカル量調節手段(11,12)を制御する制御手段(40)を備え、上記制御手段(40)は、上記混合気が熱着火する前の熱発生率のピークよりも前の低温酸化準備期間に上記燃焼領域(10)におけるOHラジカルの量が増加するように上記ラジカル量調節手段(11,12)を制御することにより、上記燃焼領域(10)における混合気の熱着火タイミングを制御する着火制御装置(30)である。
第1発明では、制御手段(40)が、燃焼領域(10)におけるOHラジカルの量を増加させるラジカル量調節手段(11,12)を制御する。制御手段(40)は、ラジカル量調節手段(11,12)を制御して、低温酸化準備期間(「LTO(Low Temperature Oxidation)準備期間」ともいう。)に燃焼領域(10)におけるOHラジカルの量を増加させる(図3参照)。ここで、本願の発明者は、「燃焼領域(10)において熱着火の前に熱発生率のピーク(以下、「着火前ピーク」と定義する。)が現れる場合には、混合気の熱着火タイミングを変化させるのに必要なOHラジカルの増加量が、着火前ピーク後の熱着火準備期間に比べて着火前ピーク前の低温酸化準備期間の方が大幅に少なくて済むこと」を見つけ出した。つまり、「熱着火準備期間に比べて低温酸化準備期間の方が、大幅に少ないエネルギーで混合気の熱着火タイミングを変化させることができること」を見つけ出した。ちなみに、熱着火準備期間に燃焼領域(10)におけるOHラジカルの量を増加させて混合気の熱着火タイミングを制御するには、OHラジカルを燃料に相当する量だけ増やさなければならず、膨大なエネルギーが必要となる。第1の発明では、本願の発明者が見つけ出した知見に基づいて、低温酸化準備期間に燃焼領域(10)におけるOHラジカルの量を増加させて、燃焼領域(10)における混合気の熱着火タイミングを制御している。
第2発明は、第1の発明において、上記制御手段(40)が、上記混合気を熱着火させたいタイミングに応じて、上記低温酸化準備期間における上記ラジカル量調節手段(11,12)の制御開始タイミングを調節する。
第2発明では、燃焼領域(10)において混合気を熱着火させたいタイミングに応じて、低温酸化準備期間におけるラジカル量調節手段(11,12)の制御開始タイミングが調節される。ここで、本願の発明者は、「低温酸化準備期間に燃焼領域(10)におけるOHラジカルの量を増加させると、その直後に、着火前ピークが出現すること」、さらに、「その着火前ピークから熱着火に至るまでの着火遅れの時間が概ね一定になること」を見つけ出した。このことは、低温酸化準備期間において燃焼領域(10)におけるOHラジカルの量を増加させるタイミングを早めた時間に応じて熱着火タイミングが早くなることを意味している。第2発明では、この知見に基づいて、混合気を熱着火させたいタイミングに応じて、低温酸化準備期間におけるラジカル量調節手段(11,12)の制御開始タイミングを調節している。
第3発明は、第1又は第2の発明において、上記制御手段(40)が、上記混合気を熱着火させたいタイミングに応じて、上記低温酸化準備期間に上記ラジカル量調節手段(11,12)が上記燃焼領域(10)におけるOHラジカルを増加させる量を調節する。
第3発明では、燃焼領域(10)において混合気を熱着火させたいタイミングに応じて、低温酸化準備期間におけるOHラジカルの増加量が調節される。ここで、本願の発明者は、「低温酸化準備期間に燃焼領域(10)におけるOHラジカルの量を増加させる場合には、OHラジカルの増加量が多いほど、着火前ピークが出現するタイミング(以下、「LTOタイミング」と定義する。)が早くなること」を見つけ出した。つまり、OHラジカルの増加量が多いほど、OHラジカルの増加からLTOタイミングまでの時間が短くなることを見つけ出した。第3発明では、この知見に基づいて、混合気を熱着火させたいタイミングに応じて、低温酸化準備期間の燃焼領域(10)におけるOHラジカルの増加量を調節している。
第4発明は、第2の発明において、上記制御手段(40)により、内燃機関(20)の燃焼室(10)における混合気の熱着火タイミングを制御する一方、上記制御手段(40)は、上記内燃機関(20)の運転状態に基づいて、LTOタイミングを推測し、LTOタイミングを基準に上記ラジカル量調節手段(11,12)の制御開始タイミングを決定する。
第4発明では、内燃機関(20)の運転状態に基づいて、LTOタイミングが推測される。そして、LTOタイミングを基準にラジカル量調節手段(11,12)の制御開始タイミングが決定される。
第5発明は、第1乃至第4の何れか1つの発明において、上記制御手段(40)が、着火前ピークが出現する場合にだけ、上記ラジカル量調節手段(11,12)により上記燃焼室(10)におけるOHラジカルの量を増加させる。
第5発明では、着火前ピークが出現する場合にだけ、ラジカル量調節手段(11,12)が燃焼領域(10)におけるOHラジカルの量を増加させる。ここで、本願の発明者は、「着火前ピークが出現しない場合(初期温度がLTO終了温度よりも高い場合)には、燃焼領域(10)においてOHラジカルを燃料に相当する量だけ増やさなければ、混合気の熱着火タイミングがほとんど変化しないこと」を見つけ出した。つまり、「着火前ピークが出現しない場合には、混合気の熱着火タイミングを制御するのに膨大なエネルギーが必要であること」を見つけ出した。第5発明では、この知見に基づいて、着火前ピークが出現する場合にだけ、ラジカル量調節手段(11,12)により燃焼領域(10)におけるOHラジカルの量を増加させるようにしている。
第6発明は、第1乃至第5の何れか1つの発明において、上記制御手段(40)により、炭化水素を空気に予め混合した混合気を圧縮着火させる内燃機関(20)の燃焼室(10)における混合気の熱着火タイミングを制御する。
第6発明では、炭化水素を空気に予め混合した混合気を圧縮着火させる内燃機関(20)に対して着火制御装置(30)が設けられる。
第7発明は、第1乃至第6の何れか1つの発明において、上記ラジカル量調節手段(11,12)は、上記燃焼領域(10)において放電によりプラズマを形成する放電手段(11)と、該プラズマに電磁波を照射する電磁波照射手段(12)とを備える一方、上記制御手段(40)は、上記低温酸化準備期間に上記放電手段(11)及び上記電磁波照射手段(12)を制御することにより上記燃焼領域(10)におけるOHラジカルの量を増加させる。
第7発明では、制御手段(40)が、低温酸化準備期間に、燃焼領域(10)において放電によりプラズマを形成する放電手段(11)と、該プラズマに電磁波を照射する電磁波照射手段(12)とを制御する。燃焼領域(10)では、放電により形成されたプラズマが、電磁波のエネルギーを吸収して拡大する。プラズマ形成領域では、OHラジカルが大量に生成され、燃焼領域(10)におけるOHラジカルの量が増加する。第7の発明では、放電だけによるプラズマ形成領域(拡大前のプラズマ形成領域)よりも広範囲でOHラジカルが生成される。
本発明では、燃焼領域(10)において着火前ピークが現れる場合には、熱着火準備期間に比べて低温酸化準備期間の方が、大幅に少ないエネルギーで混合気の熱着火タイミングを変化させることができるので、低温酸化準備期間に燃焼領域(10)におけるOHラジカルの量を増加させて、燃焼領域(10)における混合気の熱着火タイミングを制御している。従って、燃焼領域(10)における混合気の熱着火タイミングを効率的に制御することができる。
また、上記第2発明では、低温酸化準備期間において燃焼領域(10)におけるOHラジカルの量を増加させるタイミングを早めた時間に応じて熱着火タイミングが早くなるので、混合気を熱着火させたいタイミングに応じて、低温酸化準備期間におけるラジカル量調節手段(11,12)の制御開始タイミングを調節している。熱着火タイミングは、制御開始タイミングを早めた時間だけ早くなる。従って、混合気を熱着火させたいタイミングに対して、実際の熱着火タイミングを適宜制御することができる。
また、上記第3発明では、低温酸化準備期間の燃焼領域(10)におけるOHラジカルの増加量が多いほどLTOタイミングが早くなるので、混合気を熱着火させたいタイミングに応じて、OHラジカルの増加量を調節している。従って、混合気を熱着火させたいタイミングに対して、実際の熱着火タイミングを適宜制御することができる。
また、上記第5発明では、混合気が熱着火する前に熱発生率のピークが出現しない場合には、混合気の熱着火タイミングを制御するのに膨大なエネルギーが必要であるため、混合気が熱着火する前に熱発生率のピークが出現する場合にだけ、ラジカル量調節手段(11,12)により燃焼領域(10)におけるOHラジカルの量を増加させるようにしている。従って、燃焼領域(10)における混合気の熱着火タイミングを効率的に制御することができる。
また、上記第7発明では、放電だけによるプラズマ形成領域(拡大前のプラズマ形成領域)よりも広範囲でOHラジカルが生成される。ここで、本願の発明者は、「低温酸化準備期間に燃焼領域(10)におけるOHラジカルの量を増加させて混合気の熱着火タイミングを制御する場合には、燃焼領域(10)において比較的広い範囲でOHラジカルを生成することが有効であること」を見つけ出した。他方、放電だけによりプラズマを形成する場合や、燃焼領域にレーザ光を集光照射する場合(特許文献1の場合)には、OHラジカルが生成される範囲が狭い。この第7発明は、このような場合に比べて、効果的に混合気の熱着火タイミングを制御することができる。
図1は、内燃機関の縦断面図である。 図2は、着火制御装置のブロック図である。 図3(A)は、ラジカル量調節手段により燃焼室におけるOHラジカルの量を増加させない場合の熱発生率の変化を表す図表であり、図3(B)は、ラジカル量調節手段により燃焼室におけるOHラジカルの量を増加させる場合の熱発生率の変化を表す図表である。 図4は、H反応ループの模式図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
本実施形態は、炭化水素を空気に予め混合した混合気を圧縮着火させる内燃機関(20)の熱着火タイミングを制御する着火制御装置(30)である。この着火制御装置(30)は、本発明の一例である。以下では、着火制御装置(30)について説明する前に、まず内燃機関(20)について説明する。
−内燃機関の構成−
本実施形態の内燃機関(20)は、ピストン式内燃機関であり、具体的には、レシプロタイプの均一予混合圧縮着火エンジンである。内燃機関(20)の着火方式は、HCCI(Homogeneous Charge Compression Ignition)方式である。この内燃機関(20)は、燃料として、例えばノルマルヘプタン等の低オクタン価の燃料が使用される。なお、この内燃機関(20)の燃料として、ガソリンを使用してもよい。
内燃機関(20)は、図1に示すように、シリンダブロック(21)とシリンダヘッド(22)とピストン(23)とを備えている。シリンダブロック(21)には、横断面が円形のシリンダ(24)が複数形成されている。なお、シリンダ(24)の数は1つであってもよい。
各シリンダ(24)内には、ピストン(23)が摺動自在に設けられている。ピストン(23)は、コンロッド(コネクティングロッド)を介して、クランクシャフトに連結されている(図示省略)。クランクシャフトは、シリンダブロック(21)に回転自在に支持されている。各シリンダ(24)内においてシリンダ(24)の軸方向にピストン(23)が往復運動すると、コンロッドがピストン(23)の往復運動をクランクシャフトの回転運動に変換する。
シリンダヘッド(22)は、ガスケット(18)を挟んで、シリンダブロック(21)上に載置されている。シリンダヘッド(22)は、シリンダ(24)及びピストン(23)と共に、燃焼室(10)を区画している。シリンダヘッド(22)には、各シリンダ(24)に対して、吸気ポート(25)及び排気ポート(26)が1つ又は複数形成されている。吸気ポート(25)には、該吸気ポート(25)を開閉する吸気バルブ(27)と、燃料を噴射するインジェクター(29)(燃料噴射装置)とが設けられている。一方、排気ポート(26)には、該排気ポート(26)を開閉する排気バルブ(28)が設けられている。
本実施形態では、インジェクター(29)のノズル(29a)が吸気ポート(25)に露出しており、インジェクター(29)から噴射された燃料が吸気ポート(25)を流れる空気に供給される。燃焼室(10)には、燃料と空気とが予め混合された混合気が導入される。
シリンダヘッド(22)には、各シリンダ(24)に対して、スパークプラグ(15)が1つ設けられている。スパークプラグ(15)は、シリンダヘッド(22)に固定されている。スパークプラグ(15)の中心導体は、図2に示すように、高電圧パルスとマイクロ波とを混合するミキサー回路(38)を介して、パルス発生器(36)及び電磁波発振器(37)に電気的に接続されている。スパークプラグ(15)には、パルス発生器(36)から出力された高電圧パルスと、電磁波発振器(37)から出力されたマイクロ波とが供給される。
なお、パルス発生器(36)は、自動車用の点火コイルにより構成されている。また、電磁波発振器(37)は、電子レンジ用のマグネトロン(発振周波数2.45GHz)により構成されている。パルス発生器(36)及び電磁波発振器(37)は、電源(図示省略)にそれぞれ接続されている。
以上の構成により、高電圧パルスの出力を指示する放電信号が着火制御装置(30)からパルス発生器(36)に入力されると、パルス発生器(36)からミキサー回路(38)へ高電圧パルスが出力される。また、マイクロ波の発振を指示する照射信号が着火制御装置(30)から電磁波発振器(37)に入力されると、電磁波発振器(37)からミキサー回路(38)へマイクロ波が出力される。高電圧パルスとマイクロ波は、ミキサー回路(38)で混合されて、スパークプラグ(15)に供給される。その結果、燃焼室(10)では、スパークプラグ(15)の放電電極(15a)と接地電極(15b)との間でスパーク放電が生じ、小規模のプラズマが形成される。そして、その小規模のプラズマに、スパークプラグ(15)の放電電極(15a)からマイクロ波が照射される。小規模のプラズマは、マイクロ波のエネルギーを吸収して拡大する。スパークプラグ(15)の放電電極(15a)は、マイクロ波用のアンテナとして機能する。
燃焼室(10)では、拡大後のプラズマ形成領域で、混合気中の水分からOHラジカル、オゾン等の酸化力が高い化学種が大量に生成される。本実施形態では、パルス発生器(36)、電磁波発振器(37)、ミキサー回路(38)及びスパークプラグ(15)が、燃焼室(10)におけるOHラジカルの量を増加させるラジカル量調節手段(11,12)を構成している。ラジカル量調節手段(11,12)によれば、スパーク放電だけによるプラズマ形成領域(拡大前のプラズマ形成領域)よりも広範囲でOHラジカルを生成することが可能である。
また、パルス発生器(36)、ミキサー回路(38)及びスパークプラグ(15)は、燃焼室(10)において放電によりプラズマを形成する放電手段(11)を構成している。電磁波発振器(37)、ミキサー回路(38)及びスパークプラグ(15)は、放電手段(11)により形成されたプラズマに電磁波を照射する電磁波照射手段(12)を構成している。ミキサー回路(38)及びスパークプラグ(15)は、放電手段(11)及び電磁波照射手段(12)を兼ねている。
なお、上記実施形態の内燃機関(20)において、燃焼室(10)において高電圧パルスの印加箇所とマイクロ波の発振箇所とが別々であってもよい。その場合、スパークプラグ(15)の放電電極(15a)とは別にマイクロ波用のアンテナ(12)が設けられる。ミキサー回路(38)は必要なく、パルス発生器(36)とスパークプラグ(15)とが直接接続され、電磁波発振器(37)と電磁波放射アンテナ(12)とが直接接続される。マイクロ波用のアンテナ(12)は、碍子を貫通させることによりスパークプラグ(15)と一体化してもよいし、スパークプラグ(15)と別体にしてもよい。
また、上記実施形態の内燃機関(20)において、インジェクター(29)のノズル(29a)が燃焼室(10)に開口するようにしてもよい。その場合は、例えば吸気行程中に、インジェクター(29)のノズル(29a)から燃料が燃焼室(10)へ噴射される。燃焼室(10)内の温度及び圧力が自着火する条件に達する前に、燃料と空気とが予め混合された混合気が燃焼室(10)において生成される。
−着火制御装置の構成−
着火制御装置(30)は、例えば、自動車用の電子制御装置(Electronic Control Unit)(いわゆるECU)により構成されている。着火制御装置(30)は、図2に示すように、運転状態検出部(31)とピーク推測部(32)と着火タイミング決定部(33)と制御タイミング決定部(34)とプラズマ制御部(35)とを備えている。ピーク推測部(32)と着火タイミング決定部(33)と制御タイミング決定部(34)とプラズマ制御部(35)とは、後述する低温酸化準備期間に燃焼室(10)におけるOHラジカルの量が増加するようにラジカル量調節手段(11,12)を制御することにより、燃焼室(10)における混合気の熱着火タイミングを制御する制御手段(40)を構成している。制御手段(40)は、混合気を熱着火させたいタイミングに応じて低温酸化準備期間におけるラジカル量調節手段(11,12)の制御タイミングを調節する。
運転状態検出部(31)は、現時点における内燃機関(20)の運転状態として、内燃機関(20)の回転数、内燃機関(20)の負荷、アクセル開度、吸入空気の流量、及び燃料噴射量などの複数種類のパラメータの値をそれぞれ検出する検出動作を行う。検出動作では、燃焼室(10)に吸入される吸気空気の温度を検出する吸気温度検出器(41)の出力信号と、吸気空気の流量を検出する吸入流量検出器(42)の出力信号と、アクセルの開度を検出するアクセル開度検出器(43)の出力信号と、燃焼室(10)の内圧を検出する筒内圧検出器(44)と、クランク角度を検出するクランク角検出器(45)の出力信号とを用いて、内燃機関(20)の回転数、内燃機関(20)の負荷、アクセル開度、吸入空気の流量、及び燃料噴射量が検出される。
ピーク推測部(32)は、検出動作後に、その検出動作により得られた内燃機関(20)の運転状態に基づいて、ラジカル量調節手段(11,12)により燃焼室(10)におけるOHラジカルの量を増加させない場合のLTOタイミングt(P)(以下、「非増加の場合のLTOタイミング」という。)を推測する推測動作を行う。非増加の場合のLTOタイミングt(P)を図3(A)に示す。また、燃焼室(10)においてOHラジカルを増加させた場合のLTOタイミングt(P)’を図3(B)に示す。ここで、「熱発生率」は、単位時間当たりの発熱量(dQ/dt)のことであるが、エンジンの場合は、発熱量をクランク角の変化量で除した値と考えてもよい。
なお、図3(A)は、ラジカル量調節手段(11,12)により燃焼室(10)におけるOHラジカルの量を増加させない場合の熱発生率の変化を表す図表である。図3(B)は、ラジカル量調節手段(11,12)により燃焼室(10)におけるOHラジカルの量を増加させる場合の熱発生率の変化を表す図表である。
ピーク推測部(32)には、内燃機関(20)の運転状態から非増加の場合のLTOタイミングt(P)が得られる第1の制御マップが設けられている。第1の制御マップは、内燃機関(20)の回転数、内燃機関(20)の負荷、アクセル開度、吸入空気の流量、及び燃料噴射量などの複数種類のパラメータから非増加の場合のLTOタイミングt(P)が得られるように構成されている。すなわち、第1の制御マップには、上記複数種類のパラメータの組合せに対応した非増加の場合のLTOタイミングt(P)が予め設定されている。ピーク推測部(32)は、第1の制御マップを用いて推測動作を行う。
着火タイミング決定部(33)は、検出動作後に、その検出動作により得られた内燃機関(20)の運転状態に基づいて、着火早め時間Δtを決定する第1決定動作を行う。ここで、着火早め時間Δtは、「OHラジカルを増加させない場合の着火タイミングt(ig)に対して、OHラジカルの量を増加させて混合気の熱着火タイミングを早める時間」である。OHラジカルを増加させない場合の着火タイミングt(ig)から着火早め時間Δtを引いた時間が、混合気を熱着火させたいタイミングt(ig)’となる。このタイミングt(ig)’は、着火早め時間Δtの長さにより変化する。
着火タイミング決定部(33)には、内燃機関(20)の運転状態から着火早め時間Δtが得られる第2の制御マップが設けられている。第2の制御マップは、内燃機関(20)の運転状態として、例えば、内燃機関(20)の回転数、内燃機関(20)の負荷などの複数種類のパラメータから着火早め時間Δtが得られるように構成されている。すなわち、第2の制御マップには、内燃機関(20)の回転数及び内燃機関(20)の負荷などの複数のパラメータの組合せに対応した着火早め時間Δtが予め設定されている。第2の制御マップは、内燃機関(20)の運転領域が低回転側、低負荷側にシフトするほど、着火早め時間Δtが大きな値になるように構成されている。ピーク推測部(32)は、第2の制御マップを用いて第1決定動作を行う。
制御開始タイミング決定部(34)は、推定動作及び第1決定動作の終了後に、ラジカル量調節手段(11,12)の制御開始タイミングt(S)を決定する第2決定動作を行う。制御開始タイミング決定部(34)は、図3(B)に示すように、推測動作により得られた非増加の場合のLTOタイミングt(P)から、決定動作により得られた着火早め時間Δtと、所定の第1設定時間T1とを引いた値を制御開始タイミングt(S)に決定する。制御開始タイミングt(S)は、非増加の場合のLTOタイミングt(P)を基準に決定される。なお、第1設定時間T1は、制御開始タイミングt(S)から着火前ピークが現れるまでの時間を想定した値である。
本実施形態では、制御開始タイミングt(S)が、着火早め時間Δtの長さに応じて、低温酸化準備期間内で変化する。着火早め時間Δtは、混合気を熱着火させたいタイミング(t(ig)−Δt)に応じて決めているので、制御開始タイミングt(S)は、混合気を熱着火させたいタイミング(t(ig)−Δt)に応じて調節されていることになる。
プラズマ制御部(35)は、第2決定動作後に、第2決定動作により得られた制御開始タイミングt(S)に基づいて、ラジカル量調節手段(11,12)を制御するプラズマ生成動作を行う。
プラズマ制御部(35)は、プラズマ生成動作として、第2決定動作により得られた制御開始タイミングt(S)に、放電信号をパルス発生器(36)へ出力する。パルス発生器(36)の昇圧コイルは、放電信号を受けた時点で、電源から入力されたエネルギーの蓄積を開始する。そして、昇圧コイルの一次側の電流値が所定値に達すると、昇圧コイルの二次側に電流が流れ、高電圧パルスがスパークプラグ(15)へ出力される。なお、本実施形態では、放電により形成されるプラズマのエネルギー密度が最小着火エネルギー未満になるように、パルス発生器(36)が制御される。
また、プラズマ制御部(35)は、プラズマ生成動作として、第2決定動作により得られた制御開始タイミングt(S)から所定の第2設定時間T2後に、照射信号を電磁波発振器(37)へ出力する。電磁波発振器(37)は、照射信号を受けた時点からマイクロ波の照射を開始する。ここで、第2設定時間T2は、第1設定時間T1よりも短い時間であると共に、放電信号の出力時点から高電圧パルスの出力時点までの時間よりも短い時間である。このため、マイクロ波の照射は、高電圧パルスの出力前に開始される。プラズマ制御部(35)は、高電圧パルスの出力後まで、マイクロ波の照射を継続させる。1回当たりのマイクロ波の照射継続時間は、マイクロ波の照射により拡大するプラズマが非平衡プラズマの状態で維持されるように、つまり熱プラズマにならないように、所定の時間以下に設定されている。
−着火制御装置の動作−
内燃機関(20)の動作を絡めて着火制御装置(30)の動作を説明する。
内燃機関(20)の各シリンダ(24)では、排気行程が終了してピストン(23)が上死点を通過した後に、吸気バルブ(27)が開かれて、吸気行程が開始される。着火制御装置(30)は、吸気行程の開始直後に、インジェクター(29)に噴射信号を出力し、該インジェクター(29)に燃料を噴射させる。燃焼室(10)には、空気と燃料とが予め混合された混合気が流入する。そして、ピストン(23)が下死点を通過した直後に、吸気バルブ(27)が閉じられて、吸気行程が終了する。
吸気行程が終了すると、燃焼室(10)において混合気を圧縮する圧縮行程が開始される。ここで、圧縮行程の開始時点から混合気が熱着火する時点までの期間は、図3(A)に示すように、低温酸化準備期間(LTO準備期間)、ピーク発生期間、及び熱着火準備期間に分けられる。なお、ピーク発生期間は、熱発生率が上昇する「LTO期間」と、熱発生率が低下する「負の温度係数(Negative Temperature Coefficient:NTC)期間」に分けられる。
低温酸化準備期間では、OHラジカルを増加させて混合気の熱着火タイミングを早める場合、つまり、第2決定動作により得られた着火早め時間Δtが0ではない場合に、プラズマ制御部(35)が、推測動作により得られた制御開始タイミングt(S)にパルス発生器(36)に放電信号を出力すると共に、制御開始タイミングt(S)から第2設定時間T2後に電磁波発振器(37)に照射信号を出力する。
これにより、高電圧パルスとマイクロ波とが、スパークプラグ(15)の放電電極(15a)に供給される。その結果、燃焼室(10)では、スパーク放電により生じた小規模のプラズマが、マイクロ波のエネルギーを吸収して拡大する。燃焼室(10)では、拡大後のプラズマ形成領域で、混合気中の水分からOHラジカル等が大量に生成される。燃焼室(10)では、低温酸化準備期間にOHラジカルの量が増加する。
燃焼室(10)では、低温酸化準備期間にOHラジカルの量が増加すると、その直後に、低温酸化準備期間からピーク発生期間へ移行し、着火前ピークが出現する。そして、熱発生率が低下した後に、ピーク発生期間から熱着火準備期間へ移行する。
熱着火準備期間では、図4に示すH反応ループと言われる反応が現象を支配している。熱着火準備期間では、H反応ループにおいてHを消費することなく大量の熱が生成されると共に、混合気が圧縮されることにより、熱着火に至る温度条件が実現される。熱着火準備期間(着火前ピークから熱着火に至るまでの着火遅れの期間)は、低温酸化準備期間にOHラジカルの量を増加させても増加させなくても概ね一定になる。このため、混合気は、OHラジカルを増加させて熱着火タイミングを早めない場合に比べて概ね着火早め時間Δtだけ早く熱着火(自発着火)する。
なお、ラジカル量調節手段(11,12)は、燃焼室(10)において熱着火準備期間の開始を早めることが可能な範囲において、低温酸化準備期間に燃焼室(10)におけるOHラジカルの量を増加させる。
混合気が熱着火すると、ピストン(23)は、混合気が燃焼するときの膨張力により下死点側へ動かされる。そして、ピストン(23)が下死点に達する前に、排気バルブ(28)が開かれて、排気行程が開始される。排気バルブ(28)は、ピストン(23)が上死点に達する前に閉じられる。これにより、排気行程が終了する。本実施形態では、ピストン(23)が上死点に達する前に排気バルブ(28)が閉じられるので、燃焼室(10)に排気ガスが残留する。
−実施形態の効果−
本実施形態では、燃焼室(10)において着火前ピークが現れる場合には、熱着火準備期間に比べて低温酸化準備期間の方が、大幅に少ないエネルギーで混合気の熱着火タイミングを変化させることができるので、低温酸化準備期間に燃焼室(10)におけるOHラジカルの量を増加させて、燃焼室(10)における混合気の熱着火タイミングを制御している。従って、燃焼室(10)における混合気の熱着火タイミングを効率的に制御することができる。
また、本実施形態によれば、燃焼室(10)における混合気の熱着火タイミングを効果的に早めることができるので、混合気の膨張が開始されるまでに多くの混合気を燃焼させることができる。従って、未燃の燃料を減らすことができる。
また、本実施形態では、低温酸化準備期間において燃焼室(10)におけるOHラジカルの量を増加させるタイミングを早めた時間に応じて熱着火タイミングが早くなるので、混合気を熱着火させたいタイミングに応じて、低温酸化準備期間におけるラジカル量調節手段(11,12)の制御開始タイミングを調節している。熱着火タイミングは、ラジカル量調節手段(11,12)の制御開始タイミングを早めた時間だけ早くなる。従って、混合気を熱着火させたいタイミングに対して、実際の予熱着火タイミングを適宜制御することができる。
また、本実施形態では、スパーク放電だけによるプラズマ形成領域(拡大前のプラズマ形成領域)よりも広範囲でOHラジカルが生成される。このため、効果的に混合気の熱着火タイミングを制御することができる。
−実施形態の変形例1−
実施形態の変形例1について説明する。この変形例1では、制御手段(40)が、混合気を熱着火させたいタイミングに応じて、低温酸化準備期間にラジカル量調節手段(11,12)が燃焼室(10)におけるOHラジカルを増加させる量を調節する。この変形例1では、混合気は早いタイミングで熱着火させる場合ほど、燃焼室(10)におけるOHラジカルの増加量が多くなるように、ラジカル量調節手段(11,12)のうち電磁波発振器(37)が制御される。電磁波発振器(37)は、混合気は早いタイミングで熱着火させる場合ほど、マイクロ波の強度が大きくなるように制御される。
変形例1では、上述したように、低温酸化準備期間の燃焼室(10)におけるOHラジカルの増加量が多いほどLTOタイミングが早くなるので、混合気を熱着火させたいタイミングに応じて、OHラジカルの増加量を調節している。従って、混合気を熱着火させたいタイミングに対して、実際の熱着火タイミングを適宜制御することができる。
−実施形態の変形例2−
実施形態の変形例2について説明する。この変形例2では、制御手段(40)が、着火前ピークが出現する場合にだけ、ラジカル量調節手段(11,12)により燃焼室(10)におけるOHラジカルの量を増加させる。制御手段(40)のうちピーク推測部(32)が、推測動作の前に、現時点における内燃機関(20)の運転状態に基づいて、着火前ピークが出現するか否かを判定する判定動作を行う。ピーク推測部(32)は、判定動作において着火前ピークが出現すると判定した場合にだけ推測動作を行う。判定動作において着火前ピークが出現しないと判定された場合には、プラズマ制御部(35)は放電信号及び照射信号を出力しない。
《その他の実施形態》
上記実施形態は、以下のように構成してもよい。
上記実施形態において、プラズマにより生成されるOHラジカルが増えるように、吸気ポート(25)に水を噴霧する噴霧装置を設けて、混合気に含まれる水分を増やしてもよい。
また、上記実施形態において、ラジカル量調節手段(11,12)が、光触媒と光源を利用してOHラジカルを生成するように構成されていてもよいし、無声放電や沿面放電を利用してOHラジカルを生成するように構成されていてもよい。
また、上記実施形態において、ラジカル量調節手段(11,12)が、燃焼室(10)の外部で生成したOHラジカルを燃焼室(10)に導入することにより、燃焼室(10)におけるOHラジカルの量を増加させるように構成されていてもよい。
以上説明したように、本発明は、炭化水素を空気と混合させた混合気の熱着火タイミングを制御する着火制御装置について有用である。
10 燃焼室(燃焼領域)
11 放電手段(ラジカル量調節手段)
12 電磁波照射手段(ラジカル量調節手段)
15 スパークプラグ(放電手段、電磁波照射手段)
20 内燃機関
30 着火制御装置
31 運転状態検出部
32 ピーク推定部(制御手段)
33 着火タイミング決定部(制御手段)
34 制御開始タイミング決定部(制御手段)
35 プラズマ制御部(制御手段)
36 パルス発生器(放電手段)
37 電磁波発振器(電磁波照射手段)
40 制御手段

Claims (7)

  1. 炭化水素を空気と混合させた混合気を燃焼させる燃焼領域(10)におけるOHラジカルの量を増加させるラジカル量調節手段(11,12)を制御する制御手段(40)を備え、
    上記制御手段(40)は、上記混合気が熱着火する前の熱発生率のピークよりも前の低温酸化準備期間に、上記燃焼領域(10)におけるOHラジカルの量が増加するように上記ラジカル量調節手段(11,12)を制御することにより、上記燃焼領域(10)における混合気の熱着火タイミングを制御する
    ことを特徴とする着火制御装置。
  2. 請求項1において、
    上記制御手段(40)は、上記混合気を熱着火させたいタイミングに応じて、上記低温酸化準備期間における上記ラジカル量調節手段(11,12)の制御開始タイミングを調節する
    ことを特徴とする着火制御装置。
  3. 請求項1又は2において、
    上記制御手段(40)は、上記混合気を熱着火させたいタイミングに応じて、上記低温酸化準備期間に上記ラジカル量調節手段(11,12)が上記燃焼領域(10)におけるOHラジカルを増加させる量を調節する
    ことを特徴とする着火制御装置。
  4. 請求項2において、
    上記制御手段(40)により、内燃機関(20)の燃焼室(10)における混合気の熱着火タイミングを制御する一方、
    上記制御手段(40)は、上記内燃機関(20)の運転状態に基づいて、上記混合気が熱着火する前の熱発生率のピークが出現するタイミングを推測し、推測したタイミングを基準に上記ラジカル量調節手段(11,12)の制御開始タイミングを決定する
    ことを特徴とする着火制御装置。
  5. 請求項1乃至4の何れか1つにおいて、
    上記制御手段(40)は、上記混合気が熱着火する前に熱発生率のピークが出現する場合にだけ、上記ラジカル量調節手段(11,12)により上記燃焼領域(10)におけるOHラジカルの量を増加させる
    ことを特徴とする着火制御装置。
  6. 請求項1乃至5の何れか1つにおいて、
    上記制御手段(40)により、炭化水素を空気に予め混合した混合気を圧縮着火させる内燃機関(20)の燃焼室(10)における混合気の熱着火タイミングを制御する
    ことを特徴とする着火制御装置。
  7. 請求項1乃至6の何れか1つにおいて、
    上記ラジカル量調節手段(11,12)は、上記燃焼領域(10)において放電によりプラズマを形成する放電手段(11)と、該プラズマに電磁波を照射する電磁波照射手段(12)とを備える一方、
    上記制御手段(40)は、上記低温酸化準備期間に上記放電手段(11)及び上記電磁波照射手段(12)を制御することにより上記燃焼領域(10)におけるOHラジカルの量を増加させる
    ことを特徴とする着火制御装置。
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