JP2015187420A - 内燃機関 - Google Patents

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Hiroo Oi
宏朗 尾井
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Abstract

【課題】混合気の燃焼不良が発生したときに気筒の燃焼室内に残される未燃の燃料成分を好適に処理する。【解決手段】点火プラグ12の中心電極と接地電極との間に発生する火花放電と気筒の燃焼室内に臨むアンテナを介して燃焼室内に放射される電界とを相互作用させて燃焼室内にプラズマを生成し燃料に着火するアクティブ点火を実行可能な内燃機関であって、気筒の燃焼室内にて燃焼不良が発生したことを感知した場合、点火プラグ12の電極に印加するべき火花放電用の電圧をその直前に印加した電圧よりも高め、燃焼室内に放射するべき電界をその直前に放射した電界よりも強め、または燃焼室内に電界を放射する時間をその直前に放射した電界の放射時間よりも長くした上でアクティブ点火を再実行する。【選択図】図2

Description

本発明は、車両等に搭載される内燃機関に関する。
一般的な火花点火式内燃機関に実装されている点火装置では、イグナイタが消弧した際に点火コイルに発生する高電圧を点火プラグの中心電極に印加することで、点火プラグの中心電極と接地電極との間で火花放電を惹起し、点火する。
近時では、気筒の燃焼室内にある混合気に確実に着火させ、安定した火炎を得ることができるようにするために、高周波発振器が出力する高周波またはマグネトロンが出力するマイクロ波を燃焼室内に放射する「アクティブ点火(アクティブ着火)」法が試みられている(例えば、下記特許文献を参照)。アクティブ点火法によれば、中心電極と接地電極との間の空間に高周波電界またはマイクロ波電界が形成され、この電界中で発生したプラズマが成長して、火炎伝搬燃焼の始まりとなる大きな火炎核を生成することができる。
特開2011−064162号公報
アクティブ点火法は、混合気への着火の確実性を高める有望な技術であるが、失火を絶対に防ぐことができるわけではない。失火が起これば、未燃の燃料成分が気筒から排気通路に排出されることになり、エミッションの悪化を招く。加えて、未燃の燃料が排気浄化用の三元触媒において酸化反応を起こし、触媒を異常に昇温させる懸念もある。
また、気筒の燃焼室内に直接燃料を噴射する筒内直接噴射式の内燃機関にあっては、インジェクタから噴射された燃料が点火プラグの電極部分に付着することがある。この付着した燃料は、点火プラグの中心電極と接地電極との間の火花放電を阻害する要因となり、失火を引き起こすリスクを高める。そして、一度失火が起こると、次回のサイクル以降も電極に残留する付着燃料によって失火が繰り返される可能性が高まる。
本発明は、混合気の燃焼不良が発生したときに気筒の燃焼室内に残される未燃の燃料成分を好適に処理することを所期の目的としている。
上述した課題を解決するべく、本発明では、点火プラグの中心電極と接地電極との間に発生する火花放電と気筒の燃焼室内に臨むアンテナを介して燃焼室内に放射される電界とを相互作用させて燃焼室内にプラズマを生成し燃料に着火するアクティブ点火を実行可能な内燃機関であって、気筒の燃焼室内にて燃焼不良(噴射された燃料が十分に燃焼せず未燃の燃料成分が燃焼室内に残存する状態。燃焼不安定または失火)が発生したことを感知した場合、点火プラグの電極に印加するべき火花放電用の電圧をその直前に印加した電圧よりも高め、燃焼室内に放射するべき電界をその直前に放射した電界よりも強め、及び/または、燃焼室内に電界を放射する時間をその直前に放射した電界の放射時間よりも長くした上でアクティブ点火を再実行する内燃機関を構成した。
本発明によれば、混合気の燃焼不良が発生したときに気筒の燃焼室内に残される未燃の燃料成分を好適に処理することが可能となる。
本発明の一実施形態の内燃機関の概略構成を示す図。 同実施形態の内燃機関の点火系の回路図。 同実施形態の内燃機関の点火系に付随する電界発生装置の構成を説明する図。 同電界発生装置の要素であるHブリッジの回路図。 同実施形態の内燃機関における正常燃焼時のイオン電流の推移を示すタイミング図。 イグナイタの点弧から火花点火へと至る期間における、点火コイルの一次側コイルを流れる一次電流の推移を示す図。
本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。図1に、本実施形態における車両用内燃機関の概要を示す。本実施形態における内燃機関は、筒内直接噴射式の4ストロークガソリンエンジンであり、複数の気筒1(図1には、そのうち一つを図示している)を具備している。各気筒1には、その燃焼室に臨む位置に、燃料を噴射するインジェクタ11を設置している。また、各気筒1の燃焼室の天井部に、点火プラグ12を取り付けてある。
図2に、点火系の電気回路を示している。点火プラグ12は、点火コイル14にて発生した誘導電圧の印加を受けて、中心電極と接地電極との間で火花放電を惹起するものである。点火コイル14は、半導体スイッチング素子131を有するイグナイタ13とともに、コイルケースに一体的に内蔵される。
内燃機関の制御装置たるECU(Electronic Control Unit)0からの点火信号iをイグナイタ13が受けると、まずイグナイタ13の半導体スイッチ131が点弧して点火コイル14の一次側に電流が流れ、その直後の火花点火のタイミングで半導体スイッチ131が消弧してこの電流が遮断される。すると、自己誘導作用が起こり、一次側に高電圧が発生する。そして、一次側と二次側とは磁気回路及び磁束を共有するので、二次側にさらに高い誘導電圧が発生する。この高い誘導電圧が点火プラグ12の中心電極に印加され、中心電極と接地電極との間で火花放電を生じる。
点火コイル14の一次側コイルは、半導体スイッチ131を介して車載の電源バッテリ17に接続する。半導体スイッチ131を点弧し、バッテリ17から供給される直流電圧を一次側コイルに印加して通電を開始すると、一次側コイルを含む一次側(低圧系)の回路を流れる一次電流は逓増する。
図6に、一次側コイルへの通電開始後の一次電流の推移を例示する。図6中、電流制限機能が働かない場合を破線で描画し、電流制限機能が働く場合を一点鎖線で描画している(実線については、後述する)。バッテリ17及び一次側コイルを含む一次側の電気回路をRL直列回路と仮定すると、t=0時点にて直流電圧Eを印加した場合の一次電流I(t)は、
I(t)≒{1−e-(R/L)t}E/R
となる。即ち、過渡現象として一次電流は逓増するが、その増加の速さは徐々に衰える。十分に長い時間が経過すると、図6中の破線のように一次電流はE/Rに飽和する。
イグナイタ13は、一次電流の過大化を抑制する電流制限機能を有している。この電流制限機能は、今日普及している既製のイグナイタのそれと同様である。具体的には、制御回路132が、検出抵抗133を介して、一次電流を当該抵抗133の両端間電圧の形で恒常的に計測する。そして、その一次電流(抵抗133の両端間電圧)の大きさが規定値以下である間は半導体スイッチ131を点弧する一方、規定値を超えたときには半導体スイッチ131を消弧する。これにより、一次電流を図6中の一点鎖線のように規定値にクリップする。
火花点火の際に点火プラグ12の中心電極に印加される誘導電圧は、半導体スイッチ131を消弧する時点t1で点火コイル14の一次側コイルに流れている一次電流が大きいほど高圧になる。従って、一次側コイルへの通電時間が長いほど、点火プラグ12の中心電極に印加される誘導電圧が高圧になる。並びに、一次電流が大きいことは点火コイル14に入力する電力量が大きいことを意味しており、一次側コイルへの通電時間が長いほど、点火プラグ12の中心電極と接地電極との間で火花放電が継続する時間も長くなる。
要するに、半導体スイッチ131を点弧する時点t0、t0’を調整することで、点火プラグ12の中心電極に印加される誘導電圧の大きさや火花放電の継続時間を調整することが可能である。図6中、一次側コイルへの通電時間が比較的短い(より遅い時点t0から通電を開始する)場合を実線で描画し、一次側コイルへの通電時間が比較的長い(より早い時点t0’から通電を開始する)場合を一点鎖線で描画している。
因みに、イグナイタ13は、点火コイル14またはイグナイタ13自身の温度が上限値を超えるような異常発熱を感知した場合に、一次側コイルへの通電を強制的に遮断する機能をも有している。
本実施形態の内燃機関では、その点火系に気筒1の燃焼室内に電界を発生させる電界発生装置6を付設している。この電界発生装置6は、燃焼室内でプラズマを生成する目的のものである。電界発生装置6の具体例としては、高周波の交流電圧を出力する交流電圧発生回路や、高周波の脈流電圧を出力する脈流電圧発生回路等を挙げることができる。
図3及び図4に示すように、高周波を発生させる電界発生装置6は、車載バッテリを電源とし、低圧直流を高圧交流に変換する回路を含む。具体的には、バッテリが提供する約12Vの直流電圧を100V〜500Vに昇圧するDC−DCコンバータ61と、DC−DCコンバータ61が出力する直流を交流に変換する高周波発生回路たるHブリッジ回路62と、Hブリッジ回路62が出力する交流の高周波をさらに高い電圧に昇圧する昇圧トランス63とを構成要素とする。
DC−DCコンバータ61は、ECU0からの指令lを受けて、Hブリッジ回路62に印加する直流の駆動電圧の大きさを変化させることができ、ひいては、昇圧トランス63の下流における高周波電圧の振幅を変化させることができる。昇圧トランス63の下流における高周波電圧は、周波数が200kHz〜3000kHz程度、振幅が3kVp−p〜10kVp−p程度であることが好ましい。
電界発生装置6の出力端には、第一ダイオード64及び第二ダイオード65を介設する。第一ダイオード64は、カソードが昇圧トランス63の二次側巻線の信号ラインに接続し、アノードが点火コイル14との結節点であるミキサ7に接続している。第二ダイオード65は、アノードが昇圧トランス63の二次側巻線のグランドラインに接続し、カソードが接地している。これら第一ダイオード64及び第二ダイオード65は、昇圧トランス63の下流において交流の高周波を半波整流して脈流化するとともに、点火タイミングにおいて点火コイル14の二次側から流れ込む負の高圧パルス電流を遮る役割を担う。
因みに、電界発生装置6として脈流電圧発生回路を採用する場合、当該脈流電圧発生回路は周期的に電圧が変化する直流電圧を発生させるものであればよく、その波形も任意であってよい。ここに言う脈流電圧は、基準電圧(0Vであることがある)から一定周期で一定電圧まで変動するパルス電圧や、交流電圧に直流バイアスを加味した電圧等を含む。
電界発生装置6が発生させる高周波電圧は、点火プラグ12の中心電極に印加する。つまり、気筒1の燃焼室内に臨む点火プラグ12の中心電極を、電界を放射するアンテナとする。これにより、燃焼室内における、点火プラグ12の中心電極と接地電極との間の空間に、高周波電界が形成される。そして、高周波電界中で火花放電を行うことによりプラズマが発生し、このプラズマが火炎伝搬燃焼の始まりとなる大きなラジカルプラズマ火炎核を生成する。
上記は、火花放電による電子の流れ及び火花放電によって生じたイオンやラジカルが、電界の影響を受け振動、蛇行することで行路長が長くなり、周囲の水分子や窒素分子と衝突する回数が飛躍的に増加することによるものである。イオンやラジカルの衝突を受けた水分子や窒素分子は、OHラジカルやNラジカルになるとともに、イオンやラジカルの衝突を受けた周囲の気体も電離した状態、即ちプラズマ状態となることで、飛躍的に混合気への着火領域が大きくなり、火炎核も大きくなるのである。この結果、火花放電のみによる二次元的な着火から三次元的な着火に増幅され、燃焼が燃焼室内に急速に伝播、高い燃焼速度で拡大することとなる。
アクティブ点火を実行する場合の、点火プラグ12の中心電極に高周波を印加するタイミングは、通常、火花放電開始と略同時、火花放電開始直前、または火花放電開始直後である。
勿論、本実施形態の内燃機関は、アクティブ点火ではない従来型の火花点火、即ち点火プラグ12の中心電極からの高周波電界の放射を伴わない火花放電によって混合気に着火することもできる。安定的に着火して燃焼させることが容易な(燃焼不良に陥りにくい)状況下では、従来型の火花点火を実行することとして電力消費を抑制することが考えられる。
本実施形態において、ECU0は、混合気の燃焼の際に気筒1の燃焼室内に発生するイオン電流を検出し、当該イオン電流信号hを参照して燃焼状態の判定を行うことが可能である。
図2に示しているように、本実施形態では、点火系の電気回路に、イオン電流を検出するための回路を付加している。この検出回路は、イオン電流を効果的に検出するためのバイアス電源部15と、イオン電流の多寡に応じた検出電圧を増幅して出力する増幅部16とを備える。バイアス電源部15は、バイアス電圧を蓄えるキャパシタ151と、キャパシタ151の電圧を所定電圧まで高めるためのツェナーダイオード152と、電流阻止用のダイオード153、154と、イオン電流に応じた電圧を出力する負荷抵抗155とを含む。増幅部16は、オペアンプに代表される電圧増幅器161を含む。
点火プラグ12の中心電極と接地電極との間のアーク放電時にはキャパシタ151が充電され、その後キャパシタ151に充電されたバイアス電圧により負荷抵抗155にイオン電流が流れる。イオン電流が流れることで生じる抵抗155の両端間の電圧は、増幅部16により増幅されてイオン電流信号hとしてECU0に受信される。
図5に、正常燃焼における、イオン電流(図中実線で示す)及び気筒1内の燃焼圧力(筒内圧。図中破線で示す)のそれぞれの推移を例示する。正常燃焼の場合のイオン電流は、火花点火の終了後、化学反応により、圧縮上死点の手前で減少した後、熱解離によって再び増加する。そして、筒内圧がピークを迎えるのとほぼ同時に、イオン電流も極大となる。
なお、イオン電流は、点火のための放電中には検出することができない。また、図5に示しているものは、従来型の火花点火によって混合気を燃焼させた際のイオン電流信号hの波形である。点火プラグ12の中心電極から高周波電界を放射するアクティブ点火を実行する場合には、その高周波電界の放射中もイオン電流を検出することができない。
内燃機関の気筒1に吸気を供給するための吸気通路3は、外部から空気を取り入れて各気筒1の吸気ポートへと導く。吸気通路3上には、エアクリーナ31、電子スロットルバルブ32、サージタンク33、吸気マニホルド34を、上流からこの順序に配置している。
気筒1から排気を排出するための排気通路4は、気筒1内で燃料を燃焼させた結果発生した排気を各気筒1の排気ポートから外部へと導く。この排気通路4上には、排気マニホルド42及び排気浄化用の三元触媒41を配置している。
外部EGR(Exhaust Gas Recirculation)装置2は、いわゆる高圧ループEGRを実現するものであり、排気通路4における触媒41の上流側と吸気通路3におけるスロットルバルブ32の下流側とを連通するEGR通路21と、EGR通路21上に設けたEGRクーラ22と、EGR通路21を開閉し当該EGR通路21を流れるEGRガスの流量を制御するEGRバルブ23とを要素とする。EGR通路21の入口は、排気通路4における排気マニホルド42またはその下流の所定箇所に接続している。EGR通路21の出口は、吸気通路3におけるスロットルバルブ32の下流の所定箇所、具体的にはサージタンク33に接続している。
内燃機関の運転制御を司るECU0は、プロセッサ、メモリ、入力インタフェース、出力インタフェース等を有したマイクロコンピュータシステムである。
入力インタフェースには、車両の実車速を検出する車速センサから出力される車速信号a、クランクシャフトの回転角度及びエンジン回転数を検出するエンジン回転センサから出力されるクランク角信号b、アクセルペダルの踏込量またはスロットルバルブ32の開度をアクセル開度(いわば、要求負荷)として検出するセンサから出力されるアクセル開度信号c、ブレーキペダルの踏込量を検出するセンサから出力されるブレーキ踏量信号d、吸気通路3(特に、サージタンク33)内の吸気温及び吸気圧を検出する温度・圧力センサから出力される吸気温・吸気圧信号e、内燃機関の冷却水温を検出する水温センサから出力される冷却水温信号f、吸気カムシャフトまたは排気カムシャフトの複数のカム角にてカム角センサから出力されるカム角信号g、燃焼室内での混合気の燃焼に伴って生じるイオン電流を検出する回路から出力されるイオン電流信号h等が入力される。
出力インタフェースからは、点火プラグ12のイグナイタ13に対して点火信号i、インジェクタ11に対して燃料噴射信号j、スロットルバルブ32に対して開度操作信号k、DC−DCコンバータ61に対して当該DC−DCコンバータ61が出力する駆動電圧の大きさを指令する電圧指令信号l、EGRバルブ23に対して開度操作信号m等を出力する。
ECU0のプロセッサは、予めメモリに格納されているプログラムを解釈、実行し、運転パラメータを演算して内燃機関の運転を制御する。ECU0は、内燃機関の運転制御に必要な各種情報a、b、c、d、e、f、g、hを入力インタフェースを介して取得し、エンジン回転数を知得するとともに気筒1に充填される吸気量を推算する。そして、それらエンジン回転数及び吸気量等に基づき、要求される燃料噴射量、燃料噴射タイミング(一度の燃焼に対する燃料噴射の回数を含む)、燃料噴射圧、点火タイミング、燃焼室内に高周波電界を印加するか否かやその電界の強度、要求EGR率(または、EGR量)等といった各種運転パラメータを決定する。ECU0は、運転パラメータに対応した各種制御信号i、j、k、l、mを出力インタフェースを介して印加する。
その上で、本実施形態におけるECU0は、イオン電流信号hを参照し、気筒1の燃焼室内にて燃焼不良が発生していないかどうかを判定する。そして、燃焼不良を感知した場合には、アクティブ点火を実行することで当該気筒1の燃焼室内に残存する未燃の燃料成分を酸化または燃焼させる。
図5に示しているように、ECU0は、気筒1の燃焼室内に充填された混合気に点火した後に検出されるイオン電流信号hの大きさが閾値を上回っている期間Tの長さ(クランク角度(°CA)単位または秒単位)を計数する。そして、その計数した期間Tの長さが判定値以上であれば、当該気筒1の膨張行程において混合気が正常に燃焼したと判定する。翻って、期間Tの長さが判定値を下回ったならば、当該気筒1の膨張行程における混合気の燃焼が不良、即ち燃焼不安定または失火が発生したと判定する。
混合気の燃焼不良が発生したと判断したECU0は、その燃焼不良の感知後可及的速やかに、当該気筒1においてアクティブ点火(高周波電界の印加及び火花放電)を行う。このアクティブ点火は、燃焼不良が発生したサイクル(吸気−圧縮−膨張−排気の一連を一サイクルとする)と同一のサイクル中に実行することが望ましく、特に、燃料不良が発生した膨張行程と同一の膨張行程の中期ないし後期に実行することが好ましい。
混合気の燃焼不良の感知後のアクティブ点火では、その直前に実行した点火(本来の着火燃焼のための点火。アクティブ点火であることもあれば、従来型の火花点火であることもある)と比較して、火花放電用の誘導電圧をより高めるか、燃焼室内に放射する高周波電界をより強めるか、燃焼室内に高周波電界を放射する時間をより延長するか、またはこれらのうちの複数ないし全部を同時に具現する。換言すれば、当該アクティブ点火において気筒1に供給する電力量を、燃焼不良を起こした点火時のそれよりも大きくして、燃焼室内に残存しまたは点火プラグ12の電極部分に付着した未燃の燃料成分を確実に酸化または燃焼処理する。直前に実行した点火が従来型の火花点火であるならば、アクティブ点火を実行すること自体が「燃焼室内に放射する高周波電界をより強め、燃焼室内に高周波電界を放射する時間をより延長する」ことに該当する。従来型の火花点火では、燃焼室内に放射する高周波電界の強度が0であり、かつその放射時間も0であるからである。
本実施形態では、点火プラグ12の中心電極と接地電極との間に発生する火花放電と気筒1の燃焼室内に臨むアンテナ(点火プラグ12の中心電極)を介して燃焼室内に放射される電界とを相互作用させて燃焼室内にプラズマを生成し燃料に着火するアクティブ点火を実行可能な内燃機関であって、気筒1の燃焼室内にて燃焼不良が発生したことを感知した場合、点火プラグ12の電極に印加するべき火花放電用の電圧をその直前に印加した電圧よりも高め、燃焼室内に放射するべき電界をその直前に放射した電界よりも強め、及び/または、燃焼室内に電界を放射する時間をその直前に放射した電界の放射時間よりも長くした上でアクティブ点火を再実行し、以て燃焼室内に残存する未燃の燃料成分を処理する内燃機関を構成した。
本実施形態によれば、未燃の燃料成分を適時に酸化または燃焼させることができるので、エミッションの悪化を抑止できる上、未燃燃料が触媒41内で酸化して触媒41を溶損させることも回避できる。
また、筒内直接噴射式の内燃機関において、未燃燃料が液状となって点火プラグ12の電極部分に付着することを防止でき、仮に未燃燃料が付着したとしてもこれを適時に除去できるので、燃焼不良が発生したサイクルの次回以降のサイクルにおける混合気への着火の確実性が増し、燃焼不安定ないし失火が反復的に起こることもなくなる。
加えて、未燃の燃料を燃やし尽くしてエンジントルクに変換することが可能となるため、要求負荷を充足してドライバビリティを向上させることができ、燃費性能の良化にも寄与し得る。
混合気の燃焼の安定性が低下する高EGR率運転時や低温時等を除いた平常時は火花放電のみによる点火を行うようにし、燃焼不良を感知したときに限りアクティブ点火を実行して未燃の燃料成分を処理する態様をとることもできる。あるいは、平常時は必要最小限の強度の高周波電界を放射してアクティブ点火を行い、燃焼不良を感知したときに再度、より強い高周波電界を放射してアクティブ点火を実行し未燃の燃料成分を処理する態様をとることもできる。さすれば、燃焼室内への電界放射による電力消費を抑制することができる。
なお、本発明は以上に詳述した実施形態に限られるものではない。例えば、気筒1の燃焼室内に電界を印加するための電界発生装置6は、高周波の交流電圧を印加する交流電圧発生回路や、高周波の脈流電圧を印加する脈流電圧発生回路に限定されない。電界発生装置6としてマイクロ波を出力するマグネトロン等を採用し、気筒1の燃焼室内にマイクロ波電界を印加してアクティブ点火を実行するものとしてもよい。
上記実施形態では、点火プラグ12の中心電極を電界放射用のアンテナとしていたが、点火プラグ12とは別体のアンテナを気筒1に設け、これを介して気筒1の燃焼室内に高周波電界またはマイクロ波電界を放射してもよい。
気筒1の燃焼室内における混合気の燃焼不良を検知した場合において、当該気筒1の燃焼室内に残存する未燃の燃料の量を推定し、その未燃燃料量に応じて、再実行するアクティブ点火における気筒1への供給電力量を増減させるようにしてもよい。未燃燃料量は、混合気の燃焼不良を検知したサイクルにおける期間Tの長さと判定値との差分、同サイクルにおける燃料噴射量(または、エンジン回転数及びサージタンク33内吸気圧、気筒1に充填された吸気量)等から推測できる。ECU0のメモリには予め、上記の差分及び燃料噴射量等と、未燃燃料量の推測値との関係を規定したマップデータを格納しておく。このマップデータは、実験的に求められるものである。ECU0は、混合気の燃焼不良を検知したサイクルにおける期間Tの長さと判定値との差分及び燃料噴射量等をキーとして当該マップを検索し、同サイクルにおける未燃燃料量の推測値を知得する。そして、その未燃燃料量が多いほど、点火プラグ12の電極に印加するべき火花放電用の電圧を高めるか、燃焼室内に放射するべき電界を強めるか、燃焼室内に電界を放射する時間を長くするか、またはこれらのうちの複数ないし全部を同時に具現して、アクティブ点火を再実行する。
気筒1の燃焼室内における混合気の燃焼不良の検知手法は、上記実施形態のようなイオン電流信号hを参照するものには限定されない。既に述べた通り、イオン電流信号hの推移と、筒内圧(気筒1の燃焼室内圧力)または筒内温(燃焼室内温度)の推移との間には相関がある。筒内圧を検出する圧力センサまたは筒内温を検出する温度センサが気筒1に実装されている場合には、当該センサを介して計測される筒内圧または筒内温に基づいて混合気の燃焼が正常であるか不良であるかを判定することが可能である。典型的には、筒内圧または筒内温が閾値を上回っている期間の長さを判定値と比較し、当該期間の長さが判定値を下回ったならば気筒1の燃焼室内で燃焼不良が発生したものと判定する。
燃焼不良の検知手法の他の例としては、内燃機関の回転変動を参照するものが挙げられる。具体的には、内燃機関の出力軸であるクランクシャフトが所定角度(例えば、30°CA)回転するのに要した時間を反復的に計測し、今回計測された所要時間から前回計測された所要時間を減算することで、所要時間の変化量即ち所定角度毎の回転速度の低下量の指標値を得る。そして、当該指標値を判定値と比較し、指標値が判定値を上回ったならば気筒1の燃焼室内で燃焼不良が発生したものと判定する。
本発明の適用対象となる内燃機関は、いわゆるガソリン直噴エンジンには限定されない。ディーゼルエンジンや、HCCI(Homogeneous−Charge Compression Ignition)エンジン等に、本発明を適用することも当然に考えられる。
さらには、本発明を、吸気ポートに対して燃料を噴射するポート噴射式の内燃機関に適用することも許される。
その他各部の具体的構成は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
本発明は、車両等に搭載される内燃機関として利用することができる。
0…制御装置(ECU)
1…気筒
11…インジェクタ
12…点火プラグ、アンテナ
13…イグナイタ
14…点火コイル
6…電界発生装置
7…ミキサ

Claims (1)

  1. 点火プラグの中心電極と接地電極との間に発生する火花放電と気筒の燃焼室内に臨むアンテナを介して燃焼室内に放射される電界とを相互作用させて燃焼室内にプラズマを生成し燃料に着火するアクティブ点火を実行可能な内燃機関であって、
    気筒の燃焼室内にて燃焼不良が発生したことを感知した場合、点火プラグの電極に印加するべき火花放電用の電圧をその直前に印加した電圧よりも高め、燃焼室内に放射するべき電界をその直前に放射した電界よりも強め、または燃焼室内に電界を放射する時間をその直前に放射した電界の放射時間よりも長くした上でアクティブ点火を再実行する内燃機関。
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