JP2013231254A - ダウン用生地及びそれを用いたダウン衣料 - Google Patents
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Abstract
【課題】通気性及びダウンプルーフ性に優れ、良好な風合いを有するダウン用生地、及びそれを用いたダウン衣料を提供する。
【解決手段】本発明のダウン用生地は編地及び/又は織物からなる表地とエラストマーからなる裏地フィルムとが接着されており、該裏地フィルムには、一面側から他面側まで連通する複数の連通孔が開けられており、該連通孔の直径は10μm以上100μm未満であり、開口率は1.0%以上10.0%未満であり、該連通孔は該表地を構成している糸と糸との隙間と連通していることを特徴とする。
【選択図】図1
【解決手段】本発明のダウン用生地は編地及び/又は織物からなる表地とエラストマーからなる裏地フィルムとが接着されており、該裏地フィルムには、一面側から他面側まで連通する複数の連通孔が開けられており、該連通孔の直径は10μm以上100μm未満であり、開口率は1.0%以上10.0%未満であり、該連通孔は該表地を構成している糸と糸との隙間と連通していることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、通気性及びダウンプルーフ性に優れ、良好な風合いを有するダウン用生地、及びそれを用いたダウン衣料関し、ダウンを用いた運動用やレジャー用、ワーキング用のパンツ、ジャケット、ベスト、雨衣、帽子、靴下、手袋、インナー、布団、枕、ダウンパック等に好適に用いることができる。
従来より、羽毛の軽量性・保温性を利用し、表地と裏地との間に羽毛が詰められたダウン衣料(例えばダウンジャケットや羽毛布団等)が知られている。このダウン衣料においては、ダウンプルーフ性(すなわち羽毛が生地の隙間から抜け出しにくい特性)を良くするため、生地の隙間を細かくしたり、カレンダー加工によって隙間を小さくしたりすることがなされている。
しかし、ダウンを収容している生地の隙間を小さくした場合、通気性が悪くなる。このため、畳んであったダウンジャケットを着た場合、ダウンが膨らんで復帰するまでに長い時間がかかり、その間保温性に欠けることとなり、ダウンの特性を充分に発揮できないという問題があった。また、ダウンジャケットを畳んで収納する場合にも、空気がなかなか抜けず、小さく畳むまでに時間がかかるという問題もあった。
こうした問題を解決するための技術として、多孔質ポリテトラフルオロエチレンフィルム面に布地を部分接着して形成したダウン用生地が知られている(特許文献1)。このダウン生地を用いた羽毛布団は通気性を有し、ダウンプルーフ性も優れたものとなる。さらに、布団を折りたたんで収納する際に、布団内の空気を容易に抜くことができ、布団の収納性の点でもすぐれている。また、折りたたんだ布団を広げる際には、布団内に迅速に空気が入るので、元の形状に容易に復元させることができる。
しかし、特許文献1のダウン用生地では、多孔質ポリテトラフルオロエチレンフィルムの孔径や密度を正確に制御することが難しく、所望の通気性を得るようにコントロールすることは困難であった。また、ポリテトラフルオロエチレンフィルムを部分接着させるため、接着した部分は通気性が無く、風合いも悪くなりがちであった。
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、通気性及びダウンプルーフ性に優れ、良好な風合いを有するダウン用生地、及びそれを用いたダウン衣料を提供することを解決すべき課題としている。
本発明のダウン用生地は、編地及び/又は織物からなる表地と、エラストマーからなる裏地フィルムが接着されており、該裏地フィルムには、一面側から他面側まで連通する複数の連通孔が開けられており、該連通孔の直径は10μm以上100μm未満であり、開口率は1.0%以上10.0%未満であり、該連通孔は該表地を構成している糸と糸との隙間と連通していることを特徴とする。
本発明のダウン用生地では、表地が良好な通気性を有する編地及び/又は織物からなっている。また、裏地フィルムも一面側から他面側まで連通する複数の連通孔が開けられており通気性を有しており、さらには、裏地フィルムの連通孔は表地を構成している糸と糸との隙間と連通しているため、本発明のダウン用生地は、全体として通気性を有している。しかも連通孔の直径は100μm未満であるためダウンプルーフに優れており、さらには連通孔の直径が10μm以上であるため、レーザ加工などで容易に連通孔を形成することができる。また、開口率は1.0%以上であることから通気性も良好となり、さらには開口率は10.0%未満であるため、裏地フィルムの機械的強度も高く、破れにくい。さらに好ましいのは連通孔の直径は30μm以上90μm未満であり、開口率は1.0%以上8.0%未満であり、最も好ましいのは、連通孔の直径は45μm以上80μm未満であり、開口率は1.0%以上5.0%未満である。
また、裏地フィルムはエラストマーからなるため伸縮性が良好となり、編地及び/又は織物からなる表地の風合いに与える影響が少ない。特に、表地が編地の場合には、編地の有する伸縮特性が裏地フィルムによって損なわれ難く、大きな伸縮性を有するダウン生地となる。
したがって、本発明のダウン生地は通気性及びダウンプルーフ性に優れ、良好な風合いを有することとなる。
また、裏地フィルムはエラストマーからなるため伸縮性が良好となり、編地及び/又は織物からなる表地の風合いに与える影響が少ない。特に、表地が編地の場合には、編地の有する伸縮特性が裏地フィルムによって損なわれ難く、大きな伸縮性を有するダウン生地となる。
したがって、本発明のダウン生地は通気性及びダウンプルーフ性に優れ、良好な風合いを有することとなる。
裏地フィルムの連通孔はレーザ加工によって開けることができる。レーザ加工による孔開けであれば、孔径や孔の密度、開口率等を自由に制御することができる。このため、ダウンプルーフ性と通気性とを両立させるために適した孔径や孔の密度、開口率等を精密に制御することができる。
また、裏地フィルムの厚さは5μm以上30μm未満であることが好ましい。裏地フィルムの厚さが5μm以上あればダウンが裏地フィルムを突き破るおそれが少ないため、ダウンプルーフ性がさらに良好となる。また、裏地フィルムの厚さが20μm未満であれば、通風性及び風合いが良好となる。さらに好ましいのは6μm以上15μm未満であり、最も好ましいのは10μm以上13μm未満である。
裏地フィルムはウレタンとすることができる。ウレタンは伸縮性に富み、ダウン生地の風合いが良好となる。
また、表地と裏地フィルムとの接着は表地又は裏地フィルムの一面にドット状に付着させた接着剤によってなされて着剤によって行うことができる。こうであれば、ドット間において隙間ができるため、表地を構成している糸と糸との隙間と裏地フィルムの連通孔とをドット間の隙間を介して連通することになり、通気性が確保されることとなる。
さらに、接着剤は硬化後においても伸縮性を有するエラストマー系接着剤であることも好ましい。こうであれば、接着剤によるゴワゴワ感が低減され、風合いが良好となる。
本発明のダウン用生地では、通気量が0.5cc/cm2/sec以上3.0cc/cm2/sec未満であることが好ましい。通気量が0.5cc/cm2/sec以上であれば、このダウン生地を用いたダウン衣料を折りたたんで収納する際に、内部の空気を容易に抜くことができ、折りたたんだダウン衣料を広げる際には、元の形状に容易に復元させることができる。一方、3.0cc/cm2/secを超えた場合、エラストマーからなる裏地フィルムの開口率が大きくなり、裏地フィルムの強度が低下して伸縮時に破れるおそれがある。さらに好ましいのは通気量が0.8cc/cm2/sec以上2.0cc/cm2/sec未満であり、最も好ましいのは1.0cc/cm2/sec以上1.5cc/cm2/sec未満であるである。
本発明のダウン用生地を用いてダウン衣料を作製することができる。こうして得られるダウン衣料は、通気性及びダウンプルーフ性に優れ、良好な風合いを有する。
本発明のダウン用生地は、ダウンを用いた運動用やレジャー用、ワーキング用のパンツ、ジャケット、ベスト、雨衣、帽子、靴下、手袋、インナー、布団、枕等、ダウンを入れた生地として使用されるもの全てに好適に用いることができる。したがって、本明細書において、ダウン用生地にはダウンパック生地も含まれる。また、ダウン衣料にはダウンパックも含まれる。
本発明のダウン用生地は、表地と裏地フィルムとが接着されてなり、表地としては、編地や織物が用いられるが、編地を用いた時には、伸縮性を有するダウン用生地という従来にない特性のダウン衣料となる。これらの編地や織物を構成する糸としては、ポリエステル、ナイロン等の化繊の他、木綿、羊毛等を用いることができ、これらの混紡であってもよい。
本発明のダウン用生地は、表地と裏地フィルムとが接着されてなり、表地としては、編地や織物が用いられるが、編地を用いた時には、伸縮性を有するダウン用生地という従来にない特性のダウン衣料となる。これらの編地や織物を構成する糸としては、ポリエステル、ナイロン等の化繊の他、木綿、羊毛等を用いることができ、これらの混紡であってもよい。
一方、裏地フィルムとしては、伸縮性を有するエラストマーが用いられ、これによりダウン用生地自体が柔軟性のあるものとなり、裏地フィルムによってダウン用生地の風合いが良くなる。また、表地を編地とした場合には、エラストマーからなる裏地フィルムが編地とともに伸縮するために、従来にない伸縮性を有するダウン生地となる。エラストマーの種類としては、例えば、ポリウレタン系、ポリエステル系、ナイロン系、塩ビ系、スチレン系、オレフィン系等が挙げられる。
表地と裏地フィルムとが接着されてダウン生地となる。接着の方法としては、表地と裏地フィルムとを熱圧着によって接着させてもよいし、表地と裏地フィルムとを接着剤で接着させてもよい。ただし、裏地フィルムに形成された連通孔が表地を構成している糸と糸との隙間と連通していること(換言すれば、ダウン生地の通気性が接着によって阻害されないこと)を条件とする。接着は全面接着でもよいし、ドットパターン等による部分接着でもよい。ただし、全面接着の場合には、表地の糸間の隙間と裏地フィルムの連通孔との連通状態を遮らないように、接着層の一面側から他面側に通ずる連通孔を形成しなければならない。ドットパターン等による部分接着の場合には、接着していない部分によって通気性が確保されるため、接着部分に連通孔を設けなくてもよい。
裏地フィルムや接着層に連通孔を設ける方法としては、レーザ加工法、針による機械的な孔開け法などを採用することができる。これらの中でも、レーザ加工法による孔開け法は、孔径や孔の密度、開口率等を自由に制御することができる。このため、ダウンプルーフ性と通気性とを両立させるために適した孔径や孔の密度、開口率等を精密に制御することができるため、好適である。
裏地フィルムの連通孔は、表地と接着させる前に形成してもよいし、接着後に形成してもよい。接着後に連通孔を形成する目的では、レーザ加工が適している。レーザ光の焦点及び焦点深度を調整することにより、裏地フィルムのみに容易に連通孔を形成することができるからである。
(実施例1)
・構 成
実施例1のダウン用生地を図1に示す。このダウン用生地は、ポリエステルニット1(20デシテックス丸編み)と、ウレタンエラストマーフィルム2とが、ドットパターン形成されたウレタン系接着剤層3によって接着されている。ここでポリエステルニット1が表地であり、ウレタンエラストマーフィルム2が裏地フィルムである。ウレタンエラストマーフィルム2には、後述するレーザ加工によって一面側から他面側まで連通する複数の連通孔4が開けられている。連通孔4の直径は70μm、開口率は3.0%、ウレタンエラストマーフィルム2の厚さは13μm、ウレタン系接着剤層3の厚さは10μmとされている。
・構 成
実施例1のダウン用生地を図1に示す。このダウン用生地は、ポリエステルニット1(20デシテックス丸編み)と、ウレタンエラストマーフィルム2とが、ドットパターン形成されたウレタン系接着剤層3によって接着されている。ここでポリエステルニット1が表地であり、ウレタンエラストマーフィルム2が裏地フィルムである。ウレタンエラストマーフィルム2には、後述するレーザ加工によって一面側から他面側まで連通する複数の連通孔4が開けられている。連通孔4の直径は70μm、開口率は3.0%、ウレタンエラストマーフィルム2の厚さは13μm、ウレタン系接着剤層3の厚さは10μmとされている。
・製造方法
このダウン用生地は以下のように製造した。
離型紙にウレタン樹脂のメチルエチルケトン溶液を塗布し、100〜130°Cで5分間の加熱を行うことにより、図2に示すように、離型紙5上に約13μmの厚さのウレタンエラストマーフィルム2を形成した。
このダウン用生地は以下のように製造した。
離型紙にウレタン樹脂のメチルエチルケトン溶液を塗布し、100〜130°Cで5分間の加熱を行うことにより、図2に示すように、離型紙5上に約13μmの厚さのウレタンエラストマーフィルム2を形成した。
次に、ウレタンエラストマーフィルム2上に、ウレタン系接着剤をグラビア転写によりドットパターンを形成した。ウレタン系接着剤の目付け量は15g/m2とした。さらに、ドットパターン上にポリエステルニット1を置き、70〜100°Cで3分間の加熱を行い、さらに72時間のエージングを行うことによって、ポリエステルニット1と、ウレタンエラストマーフィルム2とをウレタン系接着剤層3によって接着したのち、剥離紙5を剥がした。
そして、ウレタンエラストマーフィルム2側からレーザ光を照射して、ウレタンエラストマーフィルム2の一面側から他面側まで連通する複数の連通孔4を開けた。また、連通孔4の直径は70μm、開口率は3%とした。こうして実施例1のダウン用生地を得た。
<評 価>
上記のようにして得られた実施例1のダウン用生地について、通気度試験、透湿度試験、ダウン製品の毛羽吹き出し試験を行った。各試験方法の詳細及び結果を以下に詳述する。
上記のようにして得られた実施例1のダウン用生地について、通気度試験、透湿度試験、ダウン製品の毛羽吹き出し試験を行った。各試験方法の詳細及び結果を以下に詳述する。
・通気度試験
JIS L
1096(織物及び編物の生地試験方法)のA法(フラジール形法)により、通気度試験を行った。すなわち、試料の異なる5箇所から200mm×200mmを切り出し、フラジール試験機の円筒のクランプ(空気吸込み口)に取り付ける。傾斜形気圧計が125Paの圧力になるように吸込みファンを調整し、垂直形気圧計の示す圧力を測定した。調整したときの垂直形気圧計の示す圧力と、使用した空気孔(エアオリフィス)の種類から、試験片の通過する空気量(cm3/cm2・s)を求めた。その結果、実施例1のダウン用生地の通気性は0.1(cm3/cm2・s)となり、極めて通気性に優れていることが分かった。
JIS L
1096(織物及び編物の生地試験方法)のA法(フラジール形法)により、通気度試験を行った。すなわち、試料の異なる5箇所から200mm×200mmを切り出し、フラジール試験機の円筒のクランプ(空気吸込み口)に取り付ける。傾斜形気圧計が125Paの圧力になるように吸込みファンを調整し、垂直形気圧計の示す圧力を測定した。調整したときの垂直形気圧計の示す圧力と、使用した空気孔(エアオリフィス)の種類から、試験片の通過する空気量(cm3/cm2・s)を求めた。その結果、実施例1のダウン用生地の通気性は0.1(cm3/cm2・s)となり、極めて通気性に優れていることが分かった。
・ダウン製品の毛羽吹き出し試験
ダウン製品の毛羽吹き出し試験(カケン法)を行い評価した。試験法の詳細を以下に示す。
<内容>
1)
装置
市販のタンブル乾燥機(容量4.0〜4.5kg)
2)
操作方法
試料は製品そのまま乾燥機に入れる。資料とJIS-L1076 A法(ピリング試験)で用いるゴム管5本を一緒に乾燥機に入れ、低温で30分間操作する。
この操作を表・裏をひっくり返して1回ずつ実施する。
3)
判定
操作終了後、製品からの毛羽の吹き出し程度を下記の判定基準で評価する。
・吹き出しは目立たない。
・吹き出しが目立つ。
<結果>
その結果、毛羽の吹き出しは全く認められなかった。
ダウン製品の毛羽吹き出し試験(カケン法)を行い評価した。試験法の詳細を以下に示す。
<内容>
1)
装置
市販のタンブル乾燥機(容量4.0〜4.5kg)
2)
操作方法
試料は製品そのまま乾燥機に入れる。資料とJIS-L1076 A法(ピリング試験)で用いるゴム管5本を一緒に乾燥機に入れ、低温で30分間操作する。
この操作を表・裏をひっくり返して1回ずつ実施する。
3)
判定
操作終了後、製品からの毛羽の吹き出し程度を下記の判定基準で評価する。
・吹き出しは目立たない。
・吹き出しが目立つ。
<結果>
その結果、毛羽の吹き出しは全く認められなかった。
(実施例2)
実施例2では、実施例1において表地と裏地フィルムの接着に用いた接着剤を用いることなく、熱圧着によって表地と裏地フィルムとを直接接着させた後、レーザ加工により裏地フィルムの一面側から他面側まで連通する複数の連通孔を開けたダウン用生地である。
すなわち、
・構 成
実施例2のダウン用生地を図3に示す。このダウン用生地は、ポリエステルニット10(20デシテックス丸編み)と、ウレタンエラストマーフィルム12とが、熱圧着によって直接接着されている。ここでポリエステルニット10が表地であり、ウレタンエラストマーフィルム12が裏地である。ウレタンエラストマーフィルム12には、後述するレーザ加工によって一面側から他面側まで連通する複数の連通孔14が開けられている。連通孔の直径は70μm、開口率は3.0%、裏地の厚さは13μm、ウレタン系接着剤層3の厚さは10μmとされている。
実施例2では、実施例1において表地と裏地フィルムの接着に用いた接着剤を用いることなく、熱圧着によって表地と裏地フィルムとを直接接着させた後、レーザ加工により裏地フィルムの一面側から他面側まで連通する複数の連通孔を開けたダウン用生地である。
すなわち、
・構 成
実施例2のダウン用生地を図3に示す。このダウン用生地は、ポリエステルニット10(20デシテックス丸編み)と、ウレタンエラストマーフィルム12とが、熱圧着によって直接接着されている。ここでポリエステルニット10が表地であり、ウレタンエラストマーフィルム12が裏地である。ウレタンエラストマーフィルム12には、後述するレーザ加工によって一面側から他面側まで連通する複数の連通孔14が開けられている。連通孔の直径は70μm、開口率は3.0%、裏地の厚さは13μm、ウレタン系接着剤層3の厚さは10μmとされている。
・製造方法
このダウン用生地は以下のように製造した。
離型紙にウレタン(組成)のメチルエチルケトン溶液を塗布し、100〜130°Cで5分間の加熱を行うことにより、図4に示すように、離型紙15上に約13μmの厚さのウレタンエラストマーフィルム12を形成した。
このダウン用生地は以下のように製造した。
離型紙にウレタン(組成)のメチルエチルケトン溶液を塗布し、100〜130°Cで5分間の加熱を行うことにより、図4に示すように、離型紙15上に約13μmの厚さのウレタンエラストマーフィルム12を形成した。
次に、ウレタンエラストマーフィルム12上にポリエステルニット10を置き、70〜100°Cで3分間の加熱を行い、さらに72時間のエージングを行うことによって、ポリエステルニット10と、ウレタンエラストマーフィルム12とを熱圧着によって接着したのち、剥離紙15を剥がした。
そして、ウレタンエラストマーフィルム12側からレーザ光を照射して、ウレタンエラストマーフィルム12の一面側から他面側まで連通する複数の連通孔14を開けた。また、連通孔14の直径は70μm、開口率は3.0%とした。こうして実施例2のダウン用生地を得た。
こうして得られたダウン用生地は、表地と裏地フィルムとが接着剤を用いずに直接接着されているため、風合いが良く、通気性も特に優れている。
こうして得られたダウン用生地は、表地と裏地フィルムとが接着剤を用いずに直接接着されているため、風合いが良く、通気性も特に優れている。
この発明は上記発明の実施の態様及び実施例の説明に何ら限定されるものではない。特許請求の範囲を逸脱せず、当業者が容易に想到できる範囲で種々の変形態様もこの発明に含まれる。
本発明のダウン用生地は通気性及びダウンプルーフ性に優れ、良好な風合いを有するため、ダウンを用いた運動用やレジャー用、ワーキング用のパンツ、ジャケット、ベスト、雨衣、帽子、靴下、手袋、インナー、布団、枕、ダウンパック等に好適に用いることができる。
Claims (8)
- 編地及び/又は織物からなる表地と、エラストマーからなる裏地フィルムと、が接着されており、
該裏地フィルムには、一面側から他面側まで連通する複数の連通孔が開けられており、
該連通孔の直径は10μm以上100μm未満であり、開口率は1.0%以上10.0%未満であり、
該連通孔は該表地を構成している糸と糸との隙間と連通していることを特徴とするダウン用生地。 - 前記裏地フィルムの連通孔はレーザ加工で開けられていることを特徴とする請求項1に記載のダウン用生地。
- 前記裏地フィルムの厚さは5μm以上30μm未満であることを特徴とする請求項1又は2に記載のダウン用生地。
- 前記裏地フィルムは熱可塑性エラストマーウレタン系からなることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のダウン用生地。
- 前記表地と前記裏地フィルムとの接着は該表地又は該裏地の一面にドット状に付着させた接着剤によってなされていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のダウン用生地。
- 前記接着剤は硬化後であっても伸縮性を有するエラストマー系接着剤であることを特徴とする請求項5に記載のダウン用生地。
- 通気量が0.5cc/cm2/sec以上3.0cc/cm2/sec以下であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のダウン用生地。
- 請求項1乃至8のいずれかのダウン用生地を用いたダウン衣料。
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2012
- 2012-04-28 JP JP2012104246A patent/JP2013231254A/ja active Pending
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