JP2013231216A - 化成処理性に優れる高強度冷延鋼板およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】自動車用骨格構造部品に供して好適な化成処理性に優れる高強度冷延鋼板を提供する。
【解決手段】質量%で、C:0.05〜0.1%、Si:0.05〜0.45%、Mn:2.5〜3.5%、Al:0.01〜0.08%、P:0.05%以下、S:0.0050%以下、N:0.01%以下、Nb:0.02〜0.1%およびTi:0.001〜0.05%を含有し、かつSi/Mn比が0.02〜0.15であって、残部はFeおよび不可避的不純物の組成とし、また組織全体に対する面積率で、フェライト相を50〜80%およびマルテンサイト相を20〜50%含む組織とし、さらに該フェライト相および該マルテンサイト相の平均結晶粒径をそれぞれ0.5〜3.0μmとし、かつ該フェライト相と該マルテンサイト相の平均結晶粒径の比(フェライト相の平均結晶粒径/マルテンサイト相の平均結晶粒径)を0.5〜5.0とする。
【選択図】なし
【解決手段】質量%で、C:0.05〜0.1%、Si:0.05〜0.45%、Mn:2.5〜3.5%、Al:0.01〜0.08%、P:0.05%以下、S:0.0050%以下、N:0.01%以下、Nb:0.02〜0.1%およびTi:0.001〜0.05%を含有し、かつSi/Mn比が0.02〜0.15であって、残部はFeおよび不可避的不純物の組成とし、また組織全体に対する面積率で、フェライト相を50〜80%およびマルテンサイト相を20〜50%含む組織とし、さらに該フェライト相および該マルテンサイト相の平均結晶粒径をそれぞれ0.5〜3.0μmとし、かつ該フェライト相と該マルテンサイト相の平均結晶粒径の比(フェライト相の平均結晶粒径/マルテンサイト相の平均結晶粒径)を0.5〜5.0とする。
【選択図】なし
Description
本発明は、自動車用骨格構造部品に供して好適な高強度冷延鋼板およびその製造方法に関し、特にかかる構造部品の化成処理性の向上を図ろうとするものである。
近年、自動車各社は燃費向上によるCO2削減に積極的に取り組んでいる。なかでも、自動車の車体重量の軽量化は燃費向上に効果的であるため、車体に適用する鋼板強度の向上および鋼板板厚の薄肉化が積極的に進められている。また、燃費向上に加え、衝突時の客室空間確保など衝突安全性能の向上を目的とし、車体に適用する鋼板強度の向上を図る場合もある。それ故、特に、プレス成形される多くの複雑形状の自動車骨格構造部材について、引張強度(TS):980MPa級の高強度鋼板が積極的に採用されている。
高強度化のためには、C、Si、Mn、Ti、Nb、Cu、Ni、Cr、MoおよびVなどの各種合金元素をFeに添加するのが一般的である。また、自動車車体への適用を考慮すると、
(a)割れしわ無く成形可能か、
(b)部品を溶接できるか、
(c)化成皮膜は鋼板表面に緻密に形成されるか、
(d)電着塗装後の耐食性は問題ないか、
など、数多くの課題があり、特に、引張強度(TS):590MPa級の鋼板に比べ、強度確保のため合金成分が多い引張強度(TS):980MPa以上の高強度鋼板では、化成処理性の確保が重要な課題となっている。
(a)割れしわ無く成形可能か、
(b)部品を溶接できるか、
(c)化成皮膜は鋼板表面に緻密に形成されるか、
(d)電着塗装後の耐食性は問題ないか、
など、数多くの課題があり、特に、引張強度(TS):590MPa級の鋼板に比べ、強度確保のため合金成分が多い引張強度(TS):980MPa以上の高強度鋼板では、化成処理性の確保が重要な課題となっている。
高強度冷延鋼板に関する技術としては、例えば、特許文献1に、フェライト相以外の生成物を一定量、一定間隔内に分散させた組織とすることにより、また特許文献2に、微細ベイナイト相を主相とすることにより、それぞれ伸びフランジ性を向上させた高強度冷延鋼板が開示されている。
さらに、特許文献3には、弾性限と引張強さの比を制御することによりロールフォーミング時の縁波発生を防止した高強度冷延鋼板が、また特許文献4には、酸化物系介在物を制御することにより伸びフランジ性および遅れ破壊特性を向上させた高強度冷延鋼板がそれぞれ開示されている。
さらに、特許文献3には、弾性限と引張強さの比を制御することによりロールフォーミング時の縁波発生を防止した高強度冷延鋼板が、また特許文献4には、酸化物系介在物を制御することにより伸びフランジ性および遅れ破壊特性を向上させた高強度冷延鋼板がそれぞれ開示されている。
化成処理性向上に関する技術としては、例えば、特許文献5および6に、鋼板表面に、Ni酸化物やNi水酸化物の被膜、またはNi金属粒子を析出させたNi金属層を形成させた化成処理性に優れる鋼板が開示されている。
さらに、特許文献7には、表面のSi濃化量を抑制した化成処理性に優れる鋼板が開示されている。
さらに、特許文献7には、表面のSi濃化量を抑制した化成処理性に優れる鋼板が開示されている。
しかしながら、特許文献1〜4には、伸びフランジ性、ロール成形性および遅れ破壊特性を改善することについては記載されているが、フェライト相およびマルテンサイト相からなる鋼板の化成処理性については何ら記載されておらず、必ずしも良好な化成処理性が得られるとはいえなかった。
また、特許文献5および6には、鋼板表面にNiを付着させることにより、化成処理性を向上させる技術が開示されている。しかしながら、この技術は、高価な金属であるNiを用いて特殊なめっき処理を施す必要があるため、高コストとなり、かつ生産性に劣るという問題があった。また、強度を確保するには、必要に応じ高価な合金元素であるCu、Ni、Cr、MoおよびVなどを含有させる必要があるところにも問題があった。
さらに、特許文献7は、2回の酸洗、研削およびデスケーリングなど通常より高コストなプロセスが必要であり、またSiの濃化の抑制も不十分なレベルであることから、安定して優れた化成処理性を確保するには問題があった。
本発明は、上記問題を有利に解決するものであって、高価な合金元素であるCu、Ni、Cr、MoおよびVを添加しない成分系で、かつ鋼板の表面に特殊な処理を施すことを必要せずして、優れた化成処理性が得られる引張強度(TS):980MPa以上の高強度冷延鋼板およびその製造方法を提供することを目的とする。
さて、発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、以下の知見を得た。
(1)溶接性および成形性の観点からCの含有量を低減させ、かつ高価な合金元素であるCu、Ni、Cr、MoおよびVを添加しない成分系からなるフェライト−マルテンサイト2相鋼においても、フェライト相およびマルテンサイト相の面積率を適切に制御することで、加工性を維持しつつ、鋼板の高強度化、具体的には引張強度(TS)を980MPa以上とすることができる。
(2)上記した成分系の鋼において、さらにSi/Mn比を低く制御することにより、SiがSiO2として鋼板表面に濃化することが抑制されるとともに、熱間圧延後の加熱処理条件および焼鈍条件を制御し、フェライト相とマルテンサイト相の平均結晶粒径を小さくかつ同程度として、フェライト相中に微細均一にマルテンサイト相を存在させることにより、鋼板の表面に特殊な処理を施すことなく、化成処理性を向上させることができる。
本発明は上記の知見に立脚するものである。
(1)溶接性および成形性の観点からCの含有量を低減させ、かつ高価な合金元素であるCu、Ni、Cr、MoおよびVを添加しない成分系からなるフェライト−マルテンサイト2相鋼においても、フェライト相およびマルテンサイト相の面積率を適切に制御することで、加工性を維持しつつ、鋼板の高強度化、具体的には引張強度(TS)を980MPa以上とすることができる。
(2)上記した成分系の鋼において、さらにSi/Mn比を低く制御することにより、SiがSiO2として鋼板表面に濃化することが抑制されるとともに、熱間圧延後の加熱処理条件および焼鈍条件を制御し、フェライト相とマルテンサイト相の平均結晶粒径を小さくかつ同程度として、フェライト相中に微細均一にマルテンサイト相を存在させることにより、鋼板の表面に特殊な処理を施すことなく、化成処理性を向上させることができる。
本発明は上記の知見に立脚するものである。
すなわち、本発明の要旨構成は次のとおりである。
1.質量%で、
C:0.05〜0.1%、
Si:0.05〜0.45%、
Mn:2.5〜3.5%、
Al:0.01〜0.08%、
P:0.05%以下、
S:0.0050%以下、
N:0.01%以下、
Nb:0.02〜0.1%および
Ti:0.001〜0.05%
を含有し、かつSi/Mn比が0.02〜0.15であって、残部はFeおよび不可避的不純物からなり、
組織全体に対する面積率で、フェライト相を50〜80%およびマルテンサイト相を20〜50%含み、残部はベイナイト相および/または残留オーステナイト相である組織を有し、
該フェライト相および該マルテンサイト相の平均結晶粒径がそれぞれ0.5〜3.0μmであり、かつ該フェライト相と該マルテンサイト相の平均結晶粒径の比(フェライト相の平均結晶粒径/マルテンサイト相の平均結晶粒径)が0.5〜5.0であることを特徴とする化成処理性に優れる高強度冷延鋼板。
1.質量%で、
C:0.05〜0.1%、
Si:0.05〜0.45%、
Mn:2.5〜3.5%、
Al:0.01〜0.08%、
P:0.05%以下、
S:0.0050%以下、
N:0.01%以下、
Nb:0.02〜0.1%および
Ti:0.001〜0.05%
を含有し、かつSi/Mn比が0.02〜0.15であって、残部はFeおよび不可避的不純物からなり、
組織全体に対する面積率で、フェライト相を50〜80%およびマルテンサイト相を20〜50%含み、残部はベイナイト相および/または残留オーステナイト相である組織を有し、
該フェライト相および該マルテンサイト相の平均結晶粒径がそれぞれ0.5〜3.0μmであり、かつ該フェライト相と該マルテンサイト相の平均結晶粒径の比(フェライト相の平均結晶粒径/マルテンサイト相の平均結晶粒径)が0.5〜5.0であることを特徴とする化成処理性に優れる高強度冷延鋼板。
2.前記1に記載の成分組成を有する鋼スラブを、熱間圧延し、酸洗後、400〜700℃、0.5〜10時間の加熱処理を施したのち、冷間圧延を施し、ついで焼鈍を施すに際し、最高到達温度を760〜860℃として、その昇温過程における[最高到達温度−50℃]から最高到達温度までの温度域での鋼板滞留時間を50〜100秒とし、その後の冷却過程における平均冷却速度を5〜50℃/秒として冷却することを特徴とする化成処理性に優れる高強度冷延鋼板の製造方法。
3.前記の焼鈍における冷却処理後または冷却処理に引き続き、さらに150〜350℃、400秒以下の過時効処理を施すことを特徴とする前記2に記載の化成処理性に優れる高強度冷延鋼板の製造方法。
本発明によれば、化成処理性に優れる引張強度(TS):980MPa以上の高強度冷延鋼板を安定して得ることができる。
そして、本発明により得られる高強度冷延鋼板は、自動車用骨格構造部品として好適であり、また衝突部材の材料としても有用である。
そして、本発明により得られる高強度冷延鋼板は、自動車用骨格構造部品として好適であり、また衝突部材の材料としても有用である。
以下、本発明を具体的に説明する。
まず、成分組成を前記の範囲に限定した理由について説明する。なお、各元素の含有量の単位は、特に断りがない限り質量%とする。
C:0.05〜0.1%
Cは、オーステナイト安定化元素であり、オーステナイト相から生成するマルテンサイト相の面積率および硬さに影響を及ぼす元素である。C量が0.05%未満では、フェライト相が過度に生成し、必要な強度を確保することが困難となる。一方、C量が0.1%を超えると、マルテンサイト相が過度に生成し、微細均一にマルテンサイト相が存在することが困難となり、化成処理性が低下する。また、スポット溶接性も著しく劣化する。したがって、C量は0.05〜0.1%の範囲とする。
まず、成分組成を前記の範囲に限定した理由について説明する。なお、各元素の含有量の単位は、特に断りがない限り質量%とする。
C:0.05〜0.1%
Cは、オーステナイト安定化元素であり、オーステナイト相から生成するマルテンサイト相の面積率および硬さに影響を及ぼす元素である。C量が0.05%未満では、フェライト相が過度に生成し、必要な強度を確保することが困難となる。一方、C量が0.1%を超えると、マルテンサイト相が過度に生成し、微細均一にマルテンサイト相が存在することが困難となり、化成処理性が低下する。また、スポット溶接性も著しく劣化する。したがって、C量は0.05〜0.1%の範囲とする。
Si:0.05〜0.45%
Siは、フェライト相の固溶強化を通じ、強度に寄与する元素である。しかしながら、冷延、焼鈍均熱後の連続冷却中におけるフェライト相の生成を促進させる効果があるため、0.45%を超えて添加すると過度にフェライト相が生成し、必要な強度を確保することが困難となる。また、鋼板表面に濃化するSi量が増加し、化成処理性が低下する。一方、Si量が0.05%未満では、フェライト相の生成が低下し、マルテンサイト相が過度に生成するため、微細均一にマルテンサイト相を存在させることが困難となり、化成処理性が低下する。したがって、Si量は0.05〜0.45%の範囲とする。
Siは、フェライト相の固溶強化を通じ、強度に寄与する元素である。しかしながら、冷延、焼鈍均熱後の連続冷却中におけるフェライト相の生成を促進させる効果があるため、0.45%を超えて添加すると過度にフェライト相が生成し、必要な強度を確保することが困難となる。また、鋼板表面に濃化するSi量が増加し、化成処理性が低下する。一方、Si量が0.05%未満では、フェライト相の生成が低下し、マルテンサイト相が過度に生成するため、微細均一にマルテンサイト相を存在させることが困難となり、化成処理性が低下する。したがって、Si量は0.05〜0.45%の範囲とする。
Mn:2.5〜3.5%
Mnは、オーステナイト安定化元素であり、焼鈍後の冷却中における炭化物の析出を抑制し、オーステナイト相から生成するマルテンサイト相を適量生成させることによって、強度に寄与する元素である。上記作用を得るには、Mnを2.5%以上添加することが必要である。一方、3.5%を超えて添加すると、焼入性が過度に向上し、マルテンサイト相の面積率が増加するため、微細均一にマルテンサイト相を存在させることが困難となる。したがって、Mn量は2.5〜3.5%の範囲とする。
Mnは、オーステナイト安定化元素であり、焼鈍後の冷却中における炭化物の析出を抑制し、オーステナイト相から生成するマルテンサイト相を適量生成させることによって、強度に寄与する元素である。上記作用を得るには、Mnを2.5%以上添加することが必要である。一方、3.5%を超えて添加すると、焼入性が過度に向上し、マルテンサイト相の面積率が増加するため、微細均一にマルテンサイト相を存在させることが困難となる。したがって、Mn量は2.5〜3.5%の範囲とする。
Al:0.01〜0.08%
Alは、鋼の脱酸剤として有用な元素であり、0.01%以上の添加が必要である。一方、0.08%を超えて添加すると、アルミナなどの鋼板表層部における介在物増加により曲げ性が低下するだけでなく、鋼板表面に過度にAlが存在することで、化成処理性、耐食性および溶接性が低下する。したがって、Al量は0.01〜0.08%の範囲とする。
Alは、鋼の脱酸剤として有用な元素であり、0.01%以上の添加が必要である。一方、0.08%を超えて添加すると、アルミナなどの鋼板表層部における介在物増加により曲げ性が低下するだけでなく、鋼板表面に過度にAlが存在することで、化成処理性、耐食性および溶接性が低下する。したがって、Al量は0.01〜0.08%の範囲とする。
P:0.05%以下
Pは、多量に含有するとスポット溶接性に悪影響を及ぼすが、0.05%までは許容できる。したがって、P量は0.05%以下とする。
ただし、Pを過度に低減すると、製鋼工程での生産効率が低下し、高コストとなるので、P量の下限は0.01%程度とすることが好ましい。
Pは、多量に含有するとスポット溶接性に悪影響を及ぼすが、0.05%までは許容できる。したがって、P量は0.05%以下とする。
ただし、Pを過度に低減すると、製鋼工程での生産効率が低下し、高コストとなるので、P量の下限は0.01%程度とすることが好ましい。
S:0.0050%以下
Sは、MnSなどの硫化物系介在物を形成し、このMnSが冷間圧延により展伸されることで、変形時の割れの起点となって加工性を低下させるので、極力低減させることが望ましいが、0.0050%までは許容できる。したがって、S量は0.0050%以下とする。
ただし、Sの過度の低減は工業的に困難であり、製鋼工程における脱硫コストの増加および生産性の低下を伴うので、S量の下限は0.0001%とすることが好ましい。
Sは、MnSなどの硫化物系介在物を形成し、このMnSが冷間圧延により展伸されることで、変形時の割れの起点となって加工性を低下させるので、極力低減させることが望ましいが、0.0050%までは許容できる。したがって、S量は0.0050%以下とする。
ただし、Sの過度の低減は工業的に困難であり、製鋼工程における脱硫コストの増加および生産性の低下を伴うので、S量の下限は0.0001%とすることが好ましい。
N:0.01%以下
Nは、時効性に影響を及ぼす元素であり、N量は低いほうが好ましい。特に、N量が0.01%を超えると歪時効が顕著になるため、N量は0.01%以下とする。
ただし、Nの過度の低減は、製鋼工程における脱窒コストの増加および生産性の低下を伴うので、N量の下限は0.0001%とすることが好ましい。
Nは、時効性に影響を及ぼす元素であり、N量は低いほうが好ましい。特に、N量が0.01%を超えると歪時効が顕著になるため、N量は0.01%以下とする。
ただし、Nの過度の低減は、製鋼工程における脱窒コストの増加および生産性の低下を伴うので、N量の下限は0.0001%とすることが好ましい。
Nb:0.02〜0.1%
Nbは、NbCなどの炭化物として析出し、焼鈍時における結晶粒の粗大化を抑制し、フェライト相およびマルテンサイト相の結晶粒微細化および均一組織化に寄与する。上記効果を得るには0.02%以上の添加が必要である。一方、0.1%を超えて過剰に添加しても、その効果は飽和する傾向にあり、むしろ合金コスト的に不利となる。また、熱延板の硬さが上昇し、圧延荷重が増大するため、生産性が低下する。したがって、Nb量は0.02〜0.1%の範囲とする。
Nbは、NbCなどの炭化物として析出し、焼鈍時における結晶粒の粗大化を抑制し、フェライト相およびマルテンサイト相の結晶粒微細化および均一組織化に寄与する。上記効果を得るには0.02%以上の添加が必要である。一方、0.1%を超えて過剰に添加しても、その効果は飽和する傾向にあり、むしろ合金コスト的に不利となる。また、熱延板の硬さが上昇し、圧延荷重が増大するため、生産性が低下する。したがって、Nb量は0.02〜0.1%の範囲とする。
Ti:0.001〜0.05%
Tiは、Nb同様にTiCなどの炭化物として析出し、焼鈍時における結晶粒の粗大化を抑制し、フェライト相およびマルテンサイト相の結晶粒の微細均一化に寄与する。特に、熱延スラブ加熱段階での粒成長を抑制し、最終組織の微細均一化に寄与する。上記効果を得るには0.001%以上の添加が必要である。一方、0.05%を超えて過剰に含有してもその効果は飽和する傾向にある。したがって、Ti量は0.001〜0.05%の範囲とする。
Tiは、Nb同様にTiCなどの炭化物として析出し、焼鈍時における結晶粒の粗大化を抑制し、フェライト相およびマルテンサイト相の結晶粒の微細均一化に寄与する。特に、熱延スラブ加熱段階での粒成長を抑制し、最終組織の微細均一化に寄与する。上記効果を得るには0.001%以上の添加が必要である。一方、0.05%を超えて過剰に含有してもその効果は飽和する傾向にある。したがって、Ti量は0.001〜0.05%の範囲とする。
以上、本発明の成分組成について説明したが、本発明は各成分が上記の範囲を満足するだけでは不十分で、Si/Mn比を適正な範囲に制御することが重要である。
Si/Mn比:0.02〜0.15
Siは、延性に寄与する軟質なフェライト相を所定量確保するために含有させるが、Siを添加した鋼では、焼鈍時に易酸化元素であるSiがSiO2として鋼板表面に濃化する。鋼板表面のSiO2は、塗装前処理段階における表面調整時のTiコロイドの吸着および化成処理皮膜形成時の鋼板のエッチング性を阻害する。なお、Mnも同様に鋼板表面に濃化する元素であるが、Siより化成処理性に及ぼす影響が小さい。
Siを過剰に含有する鋼では鋼板表面にSiO2が生成するのを抑制することは困難である。しかしながら、Si量が上記した0.05〜0.45%の範囲にある場合には、Si/Mn比を0.15以下とすることで、鋼板表面ではSiの濃化よりMnの濃化のほうが支配的となり、鋼板表面に生成するSiO2の影響が小さくなるため、化成処理性の向上を図ることができる。また、Si/Mn比は小さいほうが好ましいが、Si/Mn比を0.02未満とするには、過剰のMn添加、または過度のSi低減が必要となり、コストの増加を招く。したがって、Si/Mn比は0.02〜0.15の範囲とする。好ましくは0.05〜0.10の範囲である。
Siは、延性に寄与する軟質なフェライト相を所定量確保するために含有させるが、Siを添加した鋼では、焼鈍時に易酸化元素であるSiがSiO2として鋼板表面に濃化する。鋼板表面のSiO2は、塗装前処理段階における表面調整時のTiコロイドの吸着および化成処理皮膜形成時の鋼板のエッチング性を阻害する。なお、Mnも同様に鋼板表面に濃化する元素であるが、Siより化成処理性に及ぼす影響が小さい。
Siを過剰に含有する鋼では鋼板表面にSiO2が生成するのを抑制することは困難である。しかしながら、Si量が上記した0.05〜0.45%の範囲にある場合には、Si/Mn比を0.15以下とすることで、鋼板表面ではSiの濃化よりMnの濃化のほうが支配的となり、鋼板表面に生成するSiO2の影響が小さくなるため、化成処理性の向上を図ることができる。また、Si/Mn比は小さいほうが好ましいが、Si/Mn比を0.02未満とするには、過剰のMn添加、または過度のSi低減が必要となり、コストの増加を招く。したがって、Si/Mn比は0.02〜0.15の範囲とする。好ましくは0.05〜0.10の範囲である。
なお、本発明の鋼板において、上記以外の成分はFeおよび不可避的不純物である。ただし、本発明の効果を損なわない範囲内であれば、上記以外の成分を拒むものではない。
次に、本発明の鋼板における鋼組織を前記の範囲に限定した理由を説明する。
フェライト相の組織全体に対する面積率:50〜80%
フェライト相は軟質であり、延性に寄与する。フェライト相の組織全体に対する面積率が50%に満たない場合、硬質なマルテンサイト相の面積率が増加するため、過度に高強度化し、十分な伸びを確保することが困難となる。一方で、面積率が80%を超えると、必要な強度を確保することが困難となる。したがって、フェライト相の組織全体に対する面積率は50〜80%の範囲とする。
フェライト相の組織全体に対する面積率:50〜80%
フェライト相は軟質であり、延性に寄与する。フェライト相の組織全体に対する面積率が50%に満たない場合、硬質なマルテンサイト相の面積率が増加するため、過度に高強度化し、十分な伸びを確保することが困難となる。一方で、面積率が80%を超えると、必要な強度を確保することが困難となる。したがって、フェライト相の組織全体に対する面積率は50〜80%の範囲とする。
マルテンサイト相の組織全体に対する面積率:20〜50%
マルテンサイト相は強度に寄与する。マルテンサイト相の組織全体に対する面積率が20%に満たない場合、軟質なフェライト相の面積率が増加するため、必要な強度を確保することが困難となる。一方で、面積率が50%を超えると、過度に高強度化し、加工性が低下する。したがって、マルテンサイト相の組織全体に対する面積率は20〜50%の範囲とする。
マルテンサイト相は強度に寄与する。マルテンサイト相の組織全体に対する面積率が20%に満たない場合、軟質なフェライト相の面積率が増加するため、必要な強度を確保することが困難となる。一方で、面積率が50%を超えると、過度に高強度化し、加工性が低下する。したがって、マルテンサイト相の組織全体に対する面積率は20〜50%の範囲とする。
上記したフェライト相とマルテンサイト相以外の残部組織は、ベイナイト相や残留オーステナイト相であるが、フェライト相とマルテンサイト相から構成される微細均一な組織を得るには、ベイナイト相や残留オーステナイト相は少ないほうが好ましい。
特に、冷却停止後の過時効処理において、オーステナイト相から生成するベイナイト変態に伴い、オーステナイト中にCの濃化が進行し、最終的に残留オーステナイト相が生成することになる。この残留オーステナイト相は歪誘起変態により延性を向上させる効果があるが、SiおよびMn、さらにはCの濃度ムラの少ない微細かつ均一な組織とするには、フェライト相とマルテンサイト相主体で構成される組織とすることが好ましい。ベイナイト相や残留オーステナイト相の合計が、組織全体に対する面積率で5%を超えると、Cの濃度の高い硬質な相が存在することになり、微細均一な組織を得ることが困難となる。よって、ベイナイト相および/または残留オーステナイト相の合計は、組織全体に対する面積率で5%以下とすることが好ましく、0%であってもよい。
特に、冷却停止後の過時効処理において、オーステナイト相から生成するベイナイト変態に伴い、オーステナイト中にCの濃化が進行し、最終的に残留オーステナイト相が生成することになる。この残留オーステナイト相は歪誘起変態により延性を向上させる効果があるが、SiおよびMn、さらにはCの濃度ムラの少ない微細かつ均一な組織とするには、フェライト相とマルテンサイト相主体で構成される組織とすることが好ましい。ベイナイト相や残留オーステナイト相の合計が、組織全体に対する面積率で5%を超えると、Cの濃度の高い硬質な相が存在することになり、微細均一な組織を得ることが困難となる。よって、ベイナイト相および/または残留オーステナイト相の合計は、組織全体に対する面積率で5%以下とすることが好ましく、0%であってもよい。
フェライト相の平均結晶粒径:0.5〜3.0μm
化成処理性の向上に有利な微細均一な組織を得るには、フェライト相の平均結晶粒径は小さければ小さいほど好ましいが、過度に微細化することはコスト面および技術面で困難を伴うため、0.5μm以上とする。一方、3.0μmを超えて粗大化すると、粗大な結晶粒からなるフェライト相中にマルテンサイト相が局在することになる。また、焼鈍および冷却中のオーステナイト相とフェライト相の2相分離中では、フェライト相のほうがオーステナイト相よりSiの分配量が多い。このため、最終組織において粗大な結晶粒からなるフェライト相が存在する場合、Siの濃度ムラが生じ、化成処理性が低下する。したがって、フェライト相の平均結晶粒径は0.5〜3.0μmの範囲とする。
化成処理性の向上に有利な微細均一な組織を得るには、フェライト相の平均結晶粒径は小さければ小さいほど好ましいが、過度に微細化することはコスト面および技術面で困難を伴うため、0.5μm以上とする。一方、3.0μmを超えて粗大化すると、粗大な結晶粒からなるフェライト相中にマルテンサイト相が局在することになる。また、焼鈍および冷却中のオーステナイト相とフェライト相の2相分離中では、フェライト相のほうがオーステナイト相よりSiの分配量が多い。このため、最終組織において粗大な結晶粒からなるフェライト相が存在する場合、Siの濃度ムラが生じ、化成処理性が低下する。したがって、フェライト相の平均結晶粒径は0.5〜3.0μmの範囲とする。
マルテンサイト相の平均結晶粒径:0.5〜3.0μm
フェライト相と同様に、マルテンサイト相の平均結晶粒径も小さければ小さいほど好ましいが、過度に微細化することはコスト面および技術面で困難を伴うため、0.5μm以上とする。一方、3.0μmを超えて粗大化すると、粗大な結晶粒からなるマルテンサイト相が局在することになる。最終組織において粗大な結晶粒からなるマルテンサイト相が存在する場合、やはりSiの濃度ムラが生じ、化成処理性が低下する。したがって、マルテンサイト相の平均結晶粒径は0.5〜3.0μmの範囲とする。
フェライト相と同様に、マルテンサイト相の平均結晶粒径も小さければ小さいほど好ましいが、過度に微細化することはコスト面および技術面で困難を伴うため、0.5μm以上とする。一方、3.0μmを超えて粗大化すると、粗大な結晶粒からなるマルテンサイト相が局在することになる。最終組織において粗大な結晶粒からなるマルテンサイト相が存在する場合、やはりSiの濃度ムラが生じ、化成処理性が低下する。したがって、マルテンサイト相の平均結晶粒径は0.5〜3.0μmの範囲とする。
フェライト相とマルテンサイト相の平均結晶粒径の比(フェライト相の平均結晶粒径/マルテンサイト相の平均結晶粒径):0.5〜5.0
SiおよびMn、さらにはCの濃度ムラの少ない微細均一な組織を得ることが化成処理性向上に対し効果的であり、上記したようにフェライト相およびマルテンサイト相の結晶粒が微細であっても、フェライト相とマルテンサイト相の平均結晶粒径の比が大きく異なる場合、均一な組織とは言えない。このフェライト相とマルテンサイト相の平均結晶粒径の比が0.5に満たない場合、フェライト相の結晶粒は微細でマルテンサイト相の結晶粒は粗大となる。一方、5.0を超える場合、フェライト相の結晶粒は粗大でマルテンサイト相の結晶粒は微細となる。どちらの場合であっても、SiおよびMn、さらにはCの濃度分配が異なる相が局在することになり、化成処理性に対し不利な組織となる。したがって、フェライト相とマルテンサイト相の平均結晶粒径の比は0.5〜5.0の範囲とする。好ましくは0.8〜2.0の範囲である。
SiおよびMn、さらにはCの濃度ムラの少ない微細均一な組織を得ることが化成処理性向上に対し効果的であり、上記したようにフェライト相およびマルテンサイト相の結晶粒が微細であっても、フェライト相とマルテンサイト相の平均結晶粒径の比が大きく異なる場合、均一な組織とは言えない。このフェライト相とマルテンサイト相の平均結晶粒径の比が0.5に満たない場合、フェライト相の結晶粒は微細でマルテンサイト相の結晶粒は粗大となる。一方、5.0を超える場合、フェライト相の結晶粒は粗大でマルテンサイト相の結晶粒は微細となる。どちらの場合であっても、SiおよびMn、さらにはCの濃度分配が異なる相が局在することになり、化成処理性に対し不利な組織となる。したがって、フェライト相とマルテンサイト相の平均結晶粒径の比は0.5〜5.0の範囲とする。好ましくは0.8〜2.0の範囲である。
次に、本発明の製造方法について説明する。
まず、前記のような成分組成に調整したスラブを製造する。ここで、スラブは薄スラブ鋳造法や造塊法で製造してもかまわないが、偏析を軽減するため、連続鋳造法で製造するのが好ましい。
まず、前記のような成分組成に調整したスラブを製造する。ここで、スラブは薄スラブ鋳造法や造塊法で製造してもかまわないが、偏析を軽減するため、連続鋳造法で製造するのが好ましい。
ついで、製造したスラブを加熱する。スラブ加熱温度は1100℃以上にすることが好ましく、一方でスケール生成およびエネルギー原単位の低減の観点から、上限は1300℃とすることが好ましい。
上記のように加熱されたスラブに、粗圧延および仕上圧延からなる熱間圧延を施す。粗圧延の条件は特に規定する必要はなく、常法に従って行えばよい。また、仕上圧延における仕上圧延出側温度は、フェライトやパーライトなど低温変態相の層状組織を回避するため、850℃以上とすることが好ましく、一方、スケール生成の低減および結晶粒粗大化の抑制による組織の微細均一化の観点から、上限は950℃とすることが好ましい。
熱間圧延終了後の巻き取り温度は、冷間圧延性および表面性状の観点から450〜650℃とすることが好ましい。必要に応じて巻き取り温度で保持する処理を行ったのち、酸洗して表面の酸化物を除去する。なお、酸洗については常法に従って行えばよい。
加熱処理条件:400〜700℃、0.5〜10時間
ついで、得られた熱延板に加熱処理を施す。この熱間圧延後の加熱処理は、
(a)熱延終了温度、冷却速度および巻き取り温度などに依存して生成するPおよびMn偏析に起因する不均一なバンド状組織を解消し、
(b)さらにC、SiおよびMnの分配量が異なるフェライト、ベイナイト、マルテンサイトおよびパーライト組織を有し、元素が偏在している熱延板を、フェライトおよびセメンタイト主体の組織として元素局在を解消し、C、SiおよびMnの分布を均一化する
ことにより、その後の冷間圧延、焼鈍工程を経て得られる冷延鋼板において、優れた化成処理性を得るために重要な工程である。
ついで、得られた熱延板に加熱処理を施す。この熱間圧延後の加熱処理は、
(a)熱延終了温度、冷却速度および巻き取り温度などに依存して生成するPおよびMn偏析に起因する不均一なバンド状組織を解消し、
(b)さらにC、SiおよびMnの分配量が異なるフェライト、ベイナイト、マルテンサイトおよびパーライト組織を有し、元素が偏在している熱延板を、フェライトおよびセメンタイト主体の組織として元素局在を解消し、C、SiおよびMnの分布を均一化する
ことにより、その後の冷間圧延、焼鈍工程を経て得られる冷延鋼板において、優れた化成処理性を得るために重要な工程である。
ここで、上記加熱処理における加熱温度が400℃に満たない場合、あるいは保持時間が0.5時間に満たない場合、熱延板の組織は大きく変化しないため、相構成および元素濃度ムラを解消することができず、Si等の元素が偏在したままとなり、冷間圧延後の熱処理工程において回復再結晶の進行が不均一となる。このため、最終的に粗大粒と微細粒が存在する不均一な混粒組織となり、化成処理性を向上することができない。
一方、加熱温度が700℃を超える場合、加熱処理後に得られる組織が、フェライト相ならびにオーステナイト相からの低温変態相であるパーライト相およびマルテンサイト相となるため、Si等の元素が偏在し、均一化が行われない。このため、最終組織が粗大粒と微細粒が存在する不均一な混粒組織となり、化成処理性を向上することができない。また、保持時間は10時間を超えても構わないが、生産性が低下する。したがって、熱間圧延後の加熱処理における加熱温度は400〜700℃の範囲、保持時間は0.5〜10時間の範囲とする。
一方、加熱温度が700℃を超える場合、加熱処理後に得られる組織が、フェライト相ならびにオーステナイト相からの低温変態相であるパーライト相およびマルテンサイト相となるため、Si等の元素が偏在し、均一化が行われない。このため、最終組織が粗大粒と微細粒が存在する不均一な混粒組織となり、化成処理性を向上することができない。また、保持時間は10時間を超えても構わないが、生産性が低下する。したがって、熱間圧延後の加熱処理における加熱温度は400〜700℃の範囲、保持時間は0.5〜10時間の範囲とする。
上記のような加熱処理を経て得られた熱延板を、冷間圧延する。冷間圧延の条件は特に規定する必要はなく、常法に従って行えばよい。なお、本発明鋼板の好適厚みは、0.8〜1.6mm程度である。
ついで、このようにして得られた冷延板を以下の条件で焼鈍する。
ついで、このようにして得られた冷延板を以下の条件で焼鈍する。
最高到達温度:760〜860℃
焼鈍時の最高到達温度が760℃より低い場合、均熱焼鈍中のフェライト相の面積率が過度に多くなり、必要な強度を確保することが困難となる。また、鋼中に添加したC、Si、MnおよびP元素の拡散が不十分となり、熱延後に生成したパーライト、ベイナイトおよびマルテンサイト組織の影響を受け、C、Si、MnおよびP濃度の不均一な組織が焼鈍後に形成される。このため、硬さやサイズの異なるマルテンサイト相が点在して多く存在し、化成処理性が低下する。
焼鈍時の最高到達温度が760℃より低い場合、均熱焼鈍中のフェライト相の面積率が過度に多くなり、必要な強度を確保することが困難となる。また、鋼中に添加したC、Si、MnおよびP元素の拡散が不十分となり、熱延後に生成したパーライト、ベイナイトおよびマルテンサイト組織の影響を受け、C、Si、MnおよびP濃度の不均一な組織が焼鈍後に形成される。このため、硬さやサイズの異なるマルテンサイト相が点在して多く存在し、化成処理性が低下する。
一方、860℃を超える場合、均熱焼鈍中のオーステナイト相の面積率が増加することにより、冷却、過時効後のフェライト相の面積率は減少し、マルテンサイト相の面積率が増加するため、過度に高強度化し、十分な伸びを確保することが困難となる。さらに、860℃を超えてオーステナイト単相の高温域まで加熱すると、C、Si、MnおよびPの濃度は均一となるが、オーステナイト粒が過度に粗大化し、最終焼鈍材において粗大な結晶粒からなるマルテンサイト相が増加するため、最終焼鈍材の化成処理性が低下する。よって、鋼中に含有させた成分元素を十分拡散させ、微細均一な組織を得るため、焼鈍時の最高到達温度は760〜860℃の範囲とする。より好ましくは780〜840℃の範囲である。
昇温過程における[最高到達温度−50℃]から最高到達温度までの温度域での鋼板滞留時間:50〜100秒
昇温過程における[最高到達温度−50℃]から最高到達温度までの温度域での鋼板滞留時間が100秒を超えると、結晶粒が粗大化し、微細な結晶粒を得ることが困難となる。一方、50秒に満たない場合、冷間圧延後の再結晶が不十分となり、展伸したフェライト粒と再結晶生成した微細なフェライト粒が存在する混粒組織となり、化成処理性は低下する。したがって、昇温過程における[最高到達温度−50℃]から最高到達温度までの温度域での鋼板滞留時間は50〜100秒の範囲とする。
昇温過程における[最高到達温度−50℃]から最高到達温度までの温度域での鋼板滞留時間が100秒を超えると、結晶粒が粗大化し、微細な結晶粒を得ることが困難となる。一方、50秒に満たない場合、冷間圧延後の再結晶が不十分となり、展伸したフェライト粒と再結晶生成した微細なフェライト粒が存在する混粒組織となり、化成処理性は低下する。したがって、昇温過程における[最高到達温度−50℃]から最高到達温度までの温度域での鋼板滞留時間は50〜100秒の範囲とする。
ここに、上記した制御加熱温度範囲を[最高到達温度−50℃]から最高到達温度までの温度域に限定したのは、[最高到達温度−50℃]から最高到達温度までの温度域が不完全再結晶や混粒組織の生成に及ぼす影響が大きいからである。
平均冷却速度:5〜50℃/秒
冷却過程における平均冷却速度は、最高到達温度から冷却を開始し、少なくとも350℃に到達するまでの平均冷却速度である。平均冷却速度が5℃/秒に満たない場合、冷却中に過剰にフェライト相が生成するため、必要な強度を確保することが困難となる。一方、50℃/秒を超えると、焼入性が過度に高まることでマルテンサイト相が過度に生成し、フェライト相の生成が抑制されるため、微細均一な組織を得ることが困難となる。したがって、冷却過程における平均冷却速度は5〜50℃/秒の範囲とする。好ましくは10〜40℃/秒の範囲である。
なお、上記の冷却はガス冷却が好ましいが、ミスト冷却、ロール冷却および水冷なども用いることができ、さらにはこれらを組み合わせて行うこともできる。
冷却過程における平均冷却速度は、最高到達温度から冷却を開始し、少なくとも350℃に到達するまでの平均冷却速度である。平均冷却速度が5℃/秒に満たない場合、冷却中に過剰にフェライト相が生成するため、必要な強度を確保することが困難となる。一方、50℃/秒を超えると、焼入性が過度に高まることでマルテンサイト相が過度に生成し、フェライト相の生成が抑制されるため、微細均一な組織を得ることが困難となる。したがって、冷却過程における平均冷却速度は5〜50℃/秒の範囲とする。好ましくは10〜40℃/秒の範囲である。
なお、上記の冷却はガス冷却が好ましいが、ミスト冷却、ロール冷却および水冷なども用いることができ、さらにはこれらを組み合わせて行うこともできる。
また、本発明では、上記した冷却処理に引き続き、またはその後、別途に過時効処理を施すことができる。
過時効処理条件:150〜350℃、400秒以下
過時効温度が350℃を超える場合、マルテンサイト相は少なく、ベイナイト相や残留オーステナイト相が過度に生成し、必要な強度を得ることが困難となる。一方、過時効温度は150℃未満でも構わないが、過剰な冷却設備能力が必要となって、コストの増加および生産性の低下を招く。したがって、過時効温度は150〜350℃の範囲とする。
また、過時効時間が400秒を超える場合、ベイナイト相や残留オーステナイト相が過度に生成し、マルテンサイト相が減少する。したがって、過時効時間は400秒以下とする。
過時効温度が350℃を超える場合、マルテンサイト相は少なく、ベイナイト相や残留オーステナイト相が過度に生成し、必要な強度を得ることが困難となる。一方、過時効温度は150℃未満でも構わないが、過剰な冷却設備能力が必要となって、コストの増加および生産性の低下を招く。したがって、過時効温度は150〜350℃の範囲とする。
また、過時効時間が400秒を超える場合、ベイナイト相や残留オーステナイト相が過度に生成し、マルテンサイト相が減少する。したがって、過時効時間は400秒以下とする。
さらに、上記のようにして得られた鋼板に対し、必要に応じてスキンパス圧延を施してもよい。
表1に示す成分組成を有する鋼を溶製してスラブとし、1200℃に加熱後、仕上圧延出側温度:900℃の条件で熱間圧延し、圧延終了後直ちに50℃/秒の速度で冷却し、550℃で巻き取ったのち、塩酸にて酸洗し、ついで表2に示す条件で加熱処理を行い、冷間圧延後、表2に示す条件で焼鈍処理を、さらに必要に応じて過時効処理を施して、冷延鋼板を製造した。
かくして得られた冷延鋼板の鋼組織について調査した結果を表2に併記する。また、各冷延鋼板の機械的特性および化成処理性について調査した結果を表3に示す。
かくして得られた冷延鋼板の鋼組織について調査した結果を表2に併記する。また、各冷延鋼板の機械的特性および化成処理性について調査した結果を表3に示す。
ここに、冷延鋼板の鋼組織、機械的特性および化成処理性は、次のように測定した。
(1)鋼組織
鋼組織の同定および組織全体に占める各相の面積率は、以下のように測定した。
まず、圧延方向断面および板厚1/4位置の面を光学顕微鏡で観察した。観察はN=5(観察視野5箇所)で実施し、倍率1000倍の顕微鏡組織写真を用いて、画像解析により任意に設定した100μm×100μm四方の正方形領域内に存在する各相の占有面積を求めた。すなわち、3質量%ピクラールと3%質量ピロ亜硫酸ソーダの混合液でエッチングし、組織写真で黒色領域をフェライト相、残部領域をマルテンサイト相、ベイナイト相と残留オーステナイト相の合計と判定して、フェライト相の面積率を決定した。
次に、ナイタールエッチングし、倍率5000倍のSEMの断面SEM組織写真を用いて、炭化物が観察される領域をベイナイト相とし、平滑な領域をマルテンサイト相と残留オーステナイト相の合計と判定し、ベイナイト相の面積率を決定した。
さらに、マルテンサイト相と残留オーステナイト相を区別するため、残留オーステナイト相の体積率をMoのKα線を用いてX線回折法により求めた。すなわち、鋼板の板厚1/4付近の面を測定面とする試験片を使用し、オーステナイト相の(211)および(220)面とフェライト相の(200)および(220)面のピーク強度から、残留オーステナイト相の体積率を算出し、残留オーステナイト相の面積率とした。一方、マルテンサイト相の面積率は、マルテンサイト相と残留オーステナイト相の合計の面積率から上記した残留オーステナイト相の面積率を差し引くことにより求めた。
また、フェライト相とマルテンサイト相の平均結晶粒径は求積法による公称粒径測定に準じて求めた。すなわち、観察はN=5(観察視野5箇所)で実施し、ナイタールエッチングし、倍率5000倍のSEMの断面SEM組織写真を用いて、画像解析により任意に設定した20μm×20μm四方の正方形領域内に存在する各相の占有面積(V)および領域内に存在する個数(n)を求めた。そこから、平均粒面積(a=V/n)を算出し、最終的に粒径(d=√a)を求めた。
(1)鋼組織
鋼組織の同定および組織全体に占める各相の面積率は、以下のように測定した。
まず、圧延方向断面および板厚1/4位置の面を光学顕微鏡で観察した。観察はN=5(観察視野5箇所)で実施し、倍率1000倍の顕微鏡組織写真を用いて、画像解析により任意に設定した100μm×100μm四方の正方形領域内に存在する各相の占有面積を求めた。すなわち、3質量%ピクラールと3%質量ピロ亜硫酸ソーダの混合液でエッチングし、組織写真で黒色領域をフェライト相、残部領域をマルテンサイト相、ベイナイト相と残留オーステナイト相の合計と判定して、フェライト相の面積率を決定した。
次に、ナイタールエッチングし、倍率5000倍のSEMの断面SEM組織写真を用いて、炭化物が観察される領域をベイナイト相とし、平滑な領域をマルテンサイト相と残留オーステナイト相の合計と判定し、ベイナイト相の面積率を決定した。
さらに、マルテンサイト相と残留オーステナイト相を区別するため、残留オーステナイト相の体積率をMoのKα線を用いてX線回折法により求めた。すなわち、鋼板の板厚1/4付近の面を測定面とする試験片を使用し、オーステナイト相の(211)および(220)面とフェライト相の(200)および(220)面のピーク強度から、残留オーステナイト相の体積率を算出し、残留オーステナイト相の面積率とした。一方、マルテンサイト相の面積率は、マルテンサイト相と残留オーステナイト相の合計の面積率から上記した残留オーステナイト相の面積率を差し引くことにより求めた。
また、フェライト相とマルテンサイト相の平均結晶粒径は求積法による公称粒径測定に準じて求めた。すなわち、観察はN=5(観察視野5箇所)で実施し、ナイタールエッチングし、倍率5000倍のSEMの断面SEM組織写真を用いて、画像解析により任意に設定した20μm×20μm四方の正方形領域内に存在する各相の占有面積(V)および領域内に存在する個数(n)を求めた。そこから、平均粒面積(a=V/n)を算出し、最終的に粒径(d=√a)を求めた。
(2)引張特性
圧延方向と90°の方向を長手方向(引張方向)とするJIS Z 2201に記載の5号試験片を用い、JIS Z 2241準拠した引張試験により評価した。なお、引張特性はTS×Elで評価するものとし、この値が16000MPa・%以上となる場合を良好とした。
圧延方向と90°の方向を長手方向(引張方向)とするJIS Z 2201に記載の5号試験片を用い、JIS Z 2241準拠した引張試験により評価した。なお、引張特性はTS×Elで評価するものとし、この値が16000MPa・%以上となる場合を良好とした。
(3)穴拡げ性
日本鉄鋼連盟規格JFST1001に基づき評価を実施した。初期直径d0=10mmの穴を打抜き、60°の円錐ポンチを上昇させ穴を拡げた際に、亀裂が板厚貫通したところでポンチ上昇を止め、亀裂貫通後の打抜き穴径dを測定し、穴拡げ率λ(%)={(d−d0)/d0}×100を算出した。同一番号の鋼板について3回試験を実施し、穴拡げ率の平均値を求め、これにより評価した。なお、穴拡げ性は、TS×λで評価するものとし、この値が29000MPa・%以上となる場合を良好とした。
日本鉄鋼連盟規格JFST1001に基づき評価を実施した。初期直径d0=10mmの穴を打抜き、60°の円錐ポンチを上昇させ穴を拡げた際に、亀裂が板厚貫通したところでポンチ上昇を止め、亀裂貫通後の打抜き穴径dを測定し、穴拡げ率λ(%)={(d−d0)/d0}×100を算出した。同一番号の鋼板について3回試験を実施し、穴拡げ率の平均値を求め、これにより評価した。なお、穴拡げ性は、TS×λで評価するものとし、この値が29000MPa・%以上となる場合を良好とした。
(4)化成処理性
日本ペイント(株)社製の表面調整薬品(5N-10)と化成処理液(SD2800)を用いて、75mm×150mmの試験片にリン酸亜鉛による化成処理後、厚さ25μmの電着塗装(塗料:V-50ブラック)を施し、カッターナイフで長さ100mmの2本の切り込みを入れ、50℃の5質量%NaCl溶液中に240時間浸漬後、粘着テープを切り込み上に貼って剥がし、化成皮膜の剥離幅を測定した。
そして、化成処理性の評価において、以下の条件をすべて満足する場合は良好(○)と、一つでも以下の条件を満足しない場合は不良(×)と判定した。
(a)化成皮膜結晶粒径:2〜10μm
(b)皮膜重量:1.8〜2.6g/m2
(c)最大剥離幅:2.5mm以下
(d)鋼板表面を完全に化成皮膜が被覆しているスケのない状態であること
ここで、化成皮膜結晶粒径は、SEMにより1000倍で組織観察し、切断法で測定した。皮膜重量は、化成処理後に化成皮膜を溶解し、その溶解前後の重量測定を行うことにより求めた。また、化成皮膜のスケの有無は、SEMにより1000倍で組織観察することで、判定した。
日本ペイント(株)社製の表面調整薬品(5N-10)と化成処理液(SD2800)を用いて、75mm×150mmの試験片にリン酸亜鉛による化成処理後、厚さ25μmの電着塗装(塗料:V-50ブラック)を施し、カッターナイフで長さ100mmの2本の切り込みを入れ、50℃の5質量%NaCl溶液中に240時間浸漬後、粘着テープを切り込み上に貼って剥がし、化成皮膜の剥離幅を測定した。
そして、化成処理性の評価において、以下の条件をすべて満足する場合は良好(○)と、一つでも以下の条件を満足しない場合は不良(×)と判定した。
(a)化成皮膜結晶粒径:2〜10μm
(b)皮膜重量:1.8〜2.6g/m2
(c)最大剥離幅:2.5mm以下
(d)鋼板表面を完全に化成皮膜が被覆しているスケのない状態であること
ここで、化成皮膜結晶粒径は、SEMにより1000倍で組織観察し、切断法で測定した。皮膜重量は、化成処理後に化成皮膜を溶解し、その溶解前後の重量測定を行うことにより求めた。また、化成皮膜のスケの有無は、SEMにより1000倍で組織観察することで、判定した。
表3より、本発明の冷延鋼板はいずれも、化成処理性に優れるだけでなく、引張強度は980MPa以上、さらにTS×Elは16000MPa・%以上、TS×λは29000MPa・%以上を満足しており、強度と加工性のバランスにも優れていることがわかる。
一方、比較例は、いずれも化成処理性に劣っていることがわかる。さらに、比較例No.6、10、14、16、17は、マルテンサイト相の面積率が低いため、強度レベルが低く、また比較例No.11、15は、マルテンサイト相の面積率が高いため、強度は高くなるものの、TS×λが29000MPa・%以上を満足していないことがわかる。
一方、比較例は、いずれも化成処理性に劣っていることがわかる。さらに、比較例No.6、10、14、16、17は、マルテンサイト相の面積率が低いため、強度レベルが低く、また比較例No.11、15は、マルテンサイト相の面積率が高いため、強度は高くなるものの、TS×λが29000MPa・%以上を満足していないことがわかる。
本発明によれば、Cu、Ni、Cr、MoおよびVなど高価な合金元素を含有せずとも、Si/Mn比を制御し、かつフェライト相およびマルテンサイト相の面積率および平均結晶粒径を制御することにより、鋼板表面に特殊な処理を施すことなく、優れた化成処理性を有する引張強度(TS):980MPa以上の高強度冷延鋼板を安価に得ることができる。また、本発明の高強度冷延鋼板は、特に自動車用骨格構造部品に用いて有用であるが、それ以外にも、建材や家電などの用途にも好適に使用することができる。
Claims (3)
- 質量%で、
C:0.05〜0.1%、
Si:0.05〜0.45%、
Mn:2.5〜3.5%、
Al:0.01〜0.08%、
P:0.05%以下、
S:0.0050%以下、
N:0.01%以下、
Nb:0.02〜0.1%および
Ti:0.001〜0.05%
を含有し、かつSi/Mn比が0.02〜0.15であって、残部はFeおよび不可避的不純物からなり、
組織全体に対する面積率で、フェライト相を50〜80%およびマルテンサイト相を20〜50%含み、残部はベイナイト相および/または残留オーステナイト相である組織を有し、
該フェライト相および該マルテンサイト相の平均結晶粒径がそれぞれ0.5〜3.0μmであり、かつ該フェライト相と該マルテンサイト相の平均結晶粒径の比(フェライト相の平均結晶粒径/マルテンサイト相の平均結晶粒径)が0.5〜5.0であることを特徴とする化成処理性に優れる高強度冷延鋼板。 - 請求項1に記載の成分組成を有する鋼スラブを、熱間圧延し、酸洗後、400〜700℃、0.5〜10時間の加熱処理を施したのち、冷間圧延を施し、ついで焼鈍を施すに際し、最高到達温度を760〜860℃として、その昇温過程における[最高到達温度−50℃]から最高到達温度までの温度域での鋼板滞留時間を50〜100秒とし、その後の冷却過程における平均冷却速度を5〜50℃/秒として冷却することを特徴とする化成処理性に優れる高強度冷延鋼板の製造方法。
- 前記の焼鈍における冷却処理後または冷却処理に引き続き、さらに150〜350℃、400秒以下の過時効処理を施すことを特徴とする請求項2に記載の化成処理性に優れる高強度冷延鋼板の製造方法。
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---|---|---|---|
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