JP2013230898A - 容器および画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】媒体が押し付け部材の端部のうち供給方向と反対側の端部から落ちて後退することを防ぐ。
【解決手段】押し付け部材111は、媒体を供給する供給ロール121の下方に配置され、上昇させられると上面1112に載せられた媒体を供給ロール121に押し付けてこの供給ロール121に供給させる。支持部材112は、媒体を下方から支持する支持部材であって、押し付け部材111のうち、媒体の供給方向における上流側の端部Euに、この媒体の幅方向に沿って伸びる軸を中心として揺動可能に連結され、供給ロール121が媒体を供給するとき、供給方向における上流側の端部Euが、供給方向における下流側の端部Edよりも下方に位置する姿勢となる。
【選択図】図9

Description

本発明は、容器および画像形成装置に関する。
特許文献1には、シート給送手段と、支持軸により支持され、リタードパッドを有するリタード部材を備え、リタードパッドをシート給送手段に付勢し、シート給送手段およびリタード部材によりシートを分離給送するシート給送装置が記載されている。このシート給送装置において、リタード部材の巾方向略中央部に、支持軸によって支持される支持部が設けられ、リタード部材の少なくとも一方の巾方向端部に長孔が設けられている。そして、このシート給送装置は、リタード部材が長孔の長径方向に揺動可能に構成し、長孔の長径方向の面と用紙案内面とがなす角θが、0°<θ<90°の範囲になるように構成されている。
特開平5−58489号公報
本発明は、媒体が押し付け部材の端部のうち供給方向と反対側の端部から落ちて後退することを防ぐことを目的とする。
本発明の請求項1に係る容器は、媒体を供給する供給ロールの下方に配置され、上昇させられると上面に載せられた媒体を前記供給ロールに押し付けて当該供給ロールに供給させる押し付け部材と、前記媒体を下方から支持する支持部材であって、前記押し付け部材のうち、前記媒体の供給方向における上流側の端部に対して、当該媒体の幅方向に沿って伸びる軸を中心として揺動可能に連結され、前記供給ロールが前記媒体を供給するとき、前記供給方向における上流側の端部が、当該供給方向における下流側の端部よりも下方に位置する姿勢となる支持部材とを具備することを特徴とする。
本発明の請求項2に係る容器は、請求項1に記載の態様において、前記供給ロールが前記媒体を供給するとき、前記支持部材の上面は、前記押し付け部材の上面よりも、前記供給方向における上流側の端部が当該供給方向における下流側の端部よりも下方に位置するように傾いていることを特徴とする。
本発明の請求項3に係る容器は、請求項2に記載の態様において、前記支持部材は、その上面のうち、前記供給方向における上流側の端部、および当該供給方向における下流側の端部を除く部分に、当該各端部よりも静止摩擦係数の大きい部材が設けられていることを特徴とする。
本発明の請求項4に係る画像形成装置は、上述のいずれかの容器と、前記容器に収容された媒体に画像を形成する画像形成部と、前記容器から前記媒体を取り出して前記画像形成部に供給する供給部とを備えることを特徴とする。
請求項1、4に係る発明によれば、上述した支持部材を有していない場合に比べて、媒体が押し付け部材の端部のうち供給方向と反対側の端部から落ちて後退することを防ぐことができる。
請求項2に係る発明によれば、駆動力を変えることなく、剛性および静止摩擦係数の異なる媒体をそれぞれ下流へ供給させることができる。
請求項3に係る発明によれば、剛性が低く静止摩擦係数の小さい媒体の後退を防ぐことと、剛性が高く静止摩擦係数の大きい媒体を下流へ供給させることを、駆動力を変えることなく両立することができる。
本実施形態に係る画像形成装置の全体構成を示す図である。 容器の構成を説明するための図である。 押し付け部材を移動させる機構の概要を示す斜視図である。 押し付け部材が上昇させられる機構を説明するための側面図である。 押し付け部材が上昇させられた状態を示す側面図である。 押し付け部材が上昇させられた状態を示す斜視図である。 図2に示す矢視VII−VIIから容器を見た図である。 押し付け部材が供給ロールとの間で用紙を挟む状態を示す図である。 押し付け部材の移動に伴って変化する支持部材の姿勢を説明するための図である。 押し付け部材が供給ロールに突き当たったときの突出部の動作を説明するための図である。 押し付け部材よりも傾いている支持部材を示す図である。
1.実施形態
1−1.全体構成
図1は、本実施形態に係る画像形成装置1の全体構成を示す図である。本明細書および図面において、画像形成装置1の各構成の配置を説明するため、各構成が配置される空間をxyz右手系座標空間として表す。また、図に示す座標記号のうち、内側が白い円の中に黒い円を描いた記号は、紙面奥側から手前側に向かう矢印を表している。
空間においてx軸に沿う方向をx軸方向という。また、x軸方向のうち、x成分が増加する方向を+x方向といい、x成分が減少する方向を−x方向という。また、y、z成分についても、y軸方向、+y方向、−y方向、z軸方向、+z方向、−z方向を定義する。なお、−z方向は、下向きの方向、すなわち、物体に重力がかかる方向である。
図1に示す画像形成装置1は、容器11と、供給部12と、現像部13Y,13M,13C,13Kと、転写部14と、加熱部15と、搬送部16とを備えている。なお、符号のY,M,C,Kはそれぞれ、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのトナーに対応した構成であることを意味している。現像部13Y,13M,13C,13Kのそれぞれは、用いるトナーが異なるのみであって、その構成に大きな差異はない。以下、現像部13Y,13M,13C,13Kのそれぞれを特に区別する必要がない場合には、トナーの色を示す符号末尾のアルファベットを省略して「現像部13」とする。
容器11は、予め定められたサイズにカットされた、媒体としての用紙Pを収容するとともに、供給部12が用紙Pを供給することを補助する。供給部12は、複数の搬送ロールを有し、これら搬送ロールによって容器11から用紙Pを取り出して搬送部16へ供給する。搬送部16は、供給部12によって供給された用紙Pを転写部14へ搬送するとともに、転写部14および加熱部15を経た用紙Pを画像形成装置1の外部に搬送する。なお、媒体は用紙に限らず、例えば樹脂製のシート等であってもよい。要するに、媒体は、表面に画像を記録し得るものであればよい。
各現像部13は、感光体ドラム31と、帯電器32と、露光装置33と、現像器34と、一次転写ロール35と、ドラムクリーナ36とを備えている。感光体ドラム31は電荷発生層や電荷輸送層を有する像保持体であり、図示しない駆動部により図中の矢印D13の方向に回転させられる。帯電器32は感光体ドラム31の表面を帯電させる。露光装置33はレーザ発光源やポリゴンミラーなど(いずれも図示せず)を備え、図示しない制御部によって制御され、画像を示す画像データに応じたレーザ光を、帯電器32により帯電させられた後の感光体ドラム31に向けて照射する。これにより、各感光体ドラム31には潜像が保持される。
なお、上記の画像データは、図示しない通信部を介して制御部が外部装置から取得したものであってもよい。外部装置とは、例えば画像データを記憶した記憶装置や、原稿から画像を読み取ってその画像を示す画像データを生成する読取装置などである。
現像器34はY,M,C,Kのいずれかの色のトナーと、フェライト粉などの磁性キャリアを含む二成分現像剤を収容する。そして現像器34に形成された磁気ブラシの穂先が感光体ドラム31の表面に接触することで、トナーは感光体ドラム31表面で露光装置33により露光された部分、すなわち静電潜像の画線部に付着し、感光体ドラム31に画像が形成(現像)される。
一次転写ロール35は転写部14の中間転写ベルト41が感光体ドラム31と対向する位置において予め定めた電位差を生じさせ、この電位差によって中間転写ベルト41に画像を転写する。ドラムクリーナ36は、画像の転写後に感光体ドラム31の表面に残留している未転写のトナーを取り除き、感光体ドラム31表面を除電する。即ち、ドラムクリーナ36は、次の画像形成に備えて、感光体ドラム31から不要なトナーや電荷を除去するものである。
転写部14は、中間転写ベルト41と、二次転写ロール42と、ベルト搬送ロール43と、バックアップロール44と、ベルトクリーナ49とを備えており、現像部13によって形成された画像を、ユーザの操作に応じて決められた紙種の用紙Pに転写する。中間転写ベルト41は無端のベルト部材であり、ベルト搬送ロール43およびバックアップロール44はこの中間転写ベルト41を架け渡す。ベルト搬送ロール43およびバックアップロール44の少なくとも1つには駆動部(図示せず)が備えられており、中間転写ベルト41を図中の矢印D14方向に移動させる。
なお、駆動部を有さないベルト搬送ロール43またはバックアップロール44は、中間転写ベルト41の移動に伴って回転する。中間転写ベルト41が図中の矢印D14方向に移動して回転することにより、中間転写ベルト41上の画像は、二次転写ロール42とバックアップロール44とに挟まれる領域に移動させられる。
二次転写ロール42は、中間転写ベルト41との電位差によって、中間転写ベルト41上の画像を搬送部16から搬送されてきた用紙Pに転写させる。ベルトクリーナ49は、中間転写ベルト41の表面に残留している未転写のトナーを取り除く。そして、転写部14または搬送部16は、画像が転写された用紙Pを加熱部15へと搬送する。
加熱部15は、例えば磁界を発生させる磁界発生回路と、発生した磁界が作用して生じる電磁案内によって発熱する加熱ベルトと、加熱ベルトとの間で用紙Pを挟んで搬送する加圧ロールとを有する。加熱部15は、用紙Pを加熱して用紙Pに転写された画像を定着させる。加熱部15を経て画像が定着された用紙Pは、搬送部16によって画像形成装置1の外部に搬送される。
1−2.容器の構成
図2は、容器11の構成を説明するための図である。筐体110は、上方(+z方向)が開口した箱型の形状を有している。用紙Pはその幅方向がx軸方向に沿い、その長さ方向がy軸方向に沿うように筐体110の内側に収容される。
供給部12は、供給ロール121、ギア122、カム123、およびシャフト124を有する。供給ロール121、ギア122、および2つのカム123は、いずれもシャフト124に設けられ、シャフト124は、x軸方向に沿って配置されている。ギア122が図示しない駆動ギアによって回転させられると、この回転力はシャフト124を介して供給ロール121に伝えられ、この供給ロール121を回転させる。供給ロール121は、この回転によって側面に接する用紙Pを+y方向へ供給する。つまり、用紙Pはその長さ方向に沿って供給される。また、ギア122の回転力はシャフト124を介して2つのカム123に伝えられこれらカム123をそれぞれ回転させる。
押し付け部材111は、供給部12の供給ロール121の下方に配置される。押し付け部材111は、筐体110に収容される用紙Pの幅よりも広い幅を有しており、用紙Pの長さよりも短い長さを有している。押し付け部材111は、用紙Pのうち+y方向の端部を下方から支持する。
支持部材112は、押し付け部材111の−y方向の端部に連結されている。すなわち、支持部材112が連結されているのは、押し付け部材111の端部のうち、用紙Pが供給される方向である+y方向における上流側の端部である。支持部材112は、押し付け部材111よりもx軸方向に沿った長さが短い板状の部材である。
サイドガイド118は、支持部材112をx軸方向に沿って挟む一対の部材である。このサイドガイド118によって用紙Pの幅方向の両端が、両側から支持されるとともに、下方から支持される。支持部材112が押し付け部材111よりもx軸方向に沿った長さが短いので、2つの互いに対向するサイドガイド118は、用紙Pの幅に応じて互いに間隔を拡げたり狭めたりされる。
押し付け部材111は、+x方向および−x方向にそれぞれ突出している突出部115を有する。この突出部115は、柱状の部材である。2つの突出部115と押し付け部材111とを合わせたx軸方向の長さは、筐体110のx軸方向の長さよりも長く、各突出部115は、筐体110の+x方向の壁および−x方向の壁にそれぞれ設けられた長穴117を通って筐体110の外側にそれぞれ突出している。長穴117は、y軸方向よりもz軸方向に長い穴であり、各突出部115をそれぞれz軸方向に沿って滑らせる。
図3は、押し付け部材111を移動させる機構の概要を示す斜視図である。図3では、押し付け部材111を移動させる機構を示し、容器11の筐体110などこの機構に直接関係しない部分を省く。第1アーム113、リンク114、および第2アーム116は、図3において図示しない筐体110の+x方向および−x方向の外側にそれぞれ設けられている。リンク114および第2アーム116は、それぞれ同じ側に突出している突出部115に連結されている。
図4は、押し付け部材111が上昇させられる機構を説明するための側面図である。また図5は、押し付け部材111が上昇させられた状態を示す側面図である。図4に示す軸O1、軸O2、軸O3は、いずれもx軸方向に沿った軸である。また、図4に示す連結軸N1、連結軸N2は、リンク114の両端を他の部材と連結させるノードであり、いずれもx軸方向に沿った軸である。
ギア122が矢印Da方向に回転すると、供給ロール121およびカム123がそれぞれシャフト124の軸である軸O1を中心に矢印Da方向に回転させられる。第1アーム113は、軸O2を中心に揺動可能に設けられている。押し付け部材111が筐体110の底面1101に接触しているとき、第1アーム113から伸びる突起部の端点E113は、図4に示すようにカム123の外周における凹部に突き当てられている。カム123が矢印Da方向に回転すると、端点E113はカム123の外周における凸部によって押し上げられる。このとき、第1アーム113は、軸O2を中心に矢印Db方向に回転する。
第1アーム113が軸O2を中心に矢印Db方向に回転すると、第1アーム113とリンク114とを連結する連結軸N1は矢印Db方向に回転し、リンク114は突出部115を矢印Dc方向に上昇させる。図2で示したとおり、突出部115は長穴117によって軌道を上下方向に制限されているので、長穴117に沿って上下に移動する。第2アーム116は、軸O3を中心に揺動可能に設けられている。突出部115が矢印Dc方向に上昇させられると、第2アーム116は、軸O3を中心に矢印Dd方向に回転する。なお、突出部115が矢印Dc方向に上昇させられると、突出部115を介してリンク114と第2アーム116とを連結している連結軸N2は、軸O3から遠ざかるが、第2アーム116は、伸縮可能に構成されているので、突出部115が下降すると縮小し、突出部115が上昇すると伸長する。
図5に示すように突出部115が上昇させられると、これに伴って押し付け部材111が上昇し、この上面に載せられた用紙Pが供給ロール121に押し付けられる。図6は、押し付け部材111が上昇させられた状態を示す斜視図である。図6において省略するが、押し付け部材111の上面に載せられた用紙Pは、供給ロール121に押し付けられ、供給ロール121が回転することにより+y方向に供給される。この用紙Pは、図6に示すガイド125などにより、先端の向きを+z方向に曲げられて、供給部12の上方に配置されている搬送部16へ供給される。
図7は、図2に示す矢視VII−VIIから容器11を見た図である。また、図8は、図7に示す押し付け部材111が上昇させられて供給ロール121との間で用紙P(図示略)を挟む状態を示す図である。支持部材112は、x軸方向に沿った軸を中心に揺動可能となるように、押し付け部材111と連結されている。そのため、押し付け部材111が、図7に示すように筐体110の底面1101に接触しているときと、図8に示すように底面1101から離れているときとでは、支持部材112の姿勢が異なる。
図9は、押し付け部材111の移動に伴って変化する支持部材112の姿勢を説明するための図である。図9において、押し付け部材111を実線で示し、支持部材112を二点鎖線で示す。軸O11は、x軸方向に沿った軸であり、押し付け部材111と支持部材112とを連結する。支持部材112は、軸O11を中心に押し付け部材111に対して揺動可能である。
突出部115の上昇に伴って押し付け部材111が上昇させられると、支持部材112の重心は、軸O11よりも−y方向にあるため、支持部材112は、図9(a)に示す軸O11を中心に反時計回りに回転する。そして、支持部材112の底面1121が、押し付け部材111の後端1111に突き当たったところで、この回転は止まる。これにより、支持部材112は、供給方向における上流側の端部Euが、供給方向における下流側の端部Edよりも下方に位置する姿勢となる。すなわち、支持部材112は、用紙Pの供給方向における上流側ほど下方に位置するように緩やかな傾斜を持った姿勢になる。そして、支持部材112がこの姿勢を維持したまま押し付け部材111を上昇させて、その上面に載せられた用紙Pを供給ロール121に押し付けると、供給ロール121は、用紙Pを搬送部16へ供給する。
供給ロール121が用紙Pを供給するとき、この用紙Pが載せられている面は、押し付け部材111の上面1112と、支持部材112の上面1122である。つまり、用紙Pは、支持部材112の上面1122と、押し付け部材111の上面1112とに下方からそれぞれ支持されて供給される。押し付け部材111の上面1112は、用紙Pと比べてy軸方向の長さが短い。そのため、支持部材112がないと仮定すると、この用紙Pは、上面1112の上流側の端部から落ちて供給方向に反して後退する可能性がある。そこで、上述したとおり、押し付け部材111に連結された支持部材112が、用紙Pを下方から支持する領域を上述した上流側へ拡張している。つまり、押し付け部材111の上面1112だけで支持しきれない用紙Pの上流側の部分を、支持部材112の上面1122は、下方から支持する。これにより、用紙Pの後退が抑制される。なお、支持部材112がこの姿勢を維持しているとき、押し付け部材111および支持部材112が占めるz軸方向の高さは図9(a)に示すようにH1である。
さらに、支持部材112の上面1122のうち、端部Euおよび端部Edを除く部分に
は、滑り止め部材1124が設けられている。滑り止め部材1124は、端部Euおよび端部Edのいずれよりも静止摩擦係数の大きい部材である。滑り止め部材1124が用紙Pに接触することにより用紙Pに摩擦力が与えられ、用紙Pの後退が抑制される。
押し付け部材111が図9(b)に示す矢印De方向に下降させられて、筐体110の底面1101に接触すると、支持部材112の後端1123も筐体110の底面1102に接触する。これにより、後端1123が底面1102で持ち上げられ、支持部材112は、軸O11を中心として図9(b)に示す矢印Df方向(時計回り)に回転する。その結果、押し付け部材111および支持部材112が占めるz軸方向の高さは図9(b)に示すようにH2となる。このH2は、図9(a)に示すH1より小さい値である。すなわち、支持部材112が押し付け部材111に対して揺動可能に設けられているため、押し付け部材111を筐体110の底面に接したときに、支持部材112が邪魔にならないように姿勢を変え、z軸方向に嵩張ることが抑制される。なお、筐体110の底面1101と底面1102とには、図9(b)に示すように段差があってもよいし、段差がなくてもよい。
また、押し付け部材111が図9(c)に示す矢印Dg方向に上昇させられて、図示しない用紙Pを介して供給ロール121に突き当たったとき、支持部材112は、慣性のため、軸O11を中心として矢印Di方向(時計回り)に回転する。これにより、押し付け部材111には、支持部材112の矢印Di方向の回転力が伝わる。その結果、供給ロール121との接触部分である軸O12を軸として、押し付け部材111は、矢印Dj方向に回転する。
図10は、押し付け部材111が供給ロール121に突き当たったときの突出部115の動作を説明するための図である。押し付け部材111が上昇させられ、供給ロール121に突き当たるまでは、押し付け部材111および支持部材112の全荷重が突出部115にかかる。押し付け部材111と支持部材112とをまとめてひとつの部材としたときのその重心は、長穴117のz軸方向に沿った中心線よりも−y方向にある。したがって、これらの荷重を受けている突出部115は、−y方向にある重心を中心として矢印Dk方向に回転する。
図10(a)に示す矢印Dk方向に突出部115が回転すると、突出部115は、図10(b)に示す姿勢となる。このとき、長穴117のy軸方向に向かい合う2つの内壁には、突出部115の2つの対角でy軸方向に押し広げる力Fwが働く。これにより、長穴117と突出部115との摩擦力が増加し、突出部115は上下に移動し難くなる。支持部材112が押し付け部材111に対して揺動可能に設けられていないと仮定すると、押し付け部材111が供給ロール121に突き当たったとしても、支持部材112が押し付け部材111に対して回転しないため、突出部115の姿勢は変わり難い。一方、上述したとおり、支持部材112は、押し付け部材111に対して揺動可能に設けられているため、押し付け部材111が供給ロール121に突き当たったとき、押し付け部材111は、図9(c)に示すように矢印Dj方向に回転する。したがって、突出部115もこの回転に伴って矢印Dj方向に回転するので、突出部115の姿勢が元に戻り、力Fwが弱まって、長穴117と突出部115との摩擦力が減少する。その結果、突出部115は、長穴117に沿って上下に移動し易くなる。
以上、説明したとおり、支持部材112が、押し付け部材111だけで支持しきれない用紙Pの上流側の部分を支持するので、用紙Pの後退が抑制される。また、支持部材112が押し付け部材111に対して揺動可能に設けられているため、押し付け部材111が筐体110の底面1101に接触するとき、支持部材112は、高さ方向に嵩張らない姿勢となる。また、押し付け部材111が供給ロール121に突き当たったとき、支持部材112が押し付け部材111に対して揺動するので、突出部115は、長穴117に沿って上下に移動し易くなる。
2.変形例
以上が実施形態の説明であるが、この実施形態の内容は以下のように変形し得る。また、以下の変形例を組み合わせてもよい。
2−1.変形例1
上述した実施形態において、押し付け部材111の上面1112の傾きと、支持部材112の上面1122の傾きとの関係について特に言及しなかったが、上面1112よりも上面1122の方が傾いていてもよい。図11は、押し付け部材111よりも傾いている支持部材112を示す図である。図11に示す支持部材112の上面1122は、押し付け部材111の上面1112よりもαだけ傾いている。したがって、上面1122は、上面1112よりも、上流側の端部が下流側の端部よりも下方に位置するように傾いている。そして、上面1112と上面1122とを連結した面は、x軸方向に沿って見ると、支持部材112の供給方向における下流側の端部Edを頂点として上に凸の形状を有している。
ここで、比較的、剛性が高く、且つ静止摩擦係数も大きい用紙Psと、用紙Psに比べると剛性が低く、且つ静止摩擦係数も小さい用紙Pfについて考える。図11(b)に示すように、用紙Psを押し付け部材111の上面1112に載せた場合、用紙Psは剛性が高いので、端部Edよりも−y方向の領域において、上面1112の傾きに沿って伸びる姿勢をしばらく維持した後、弧を描いて垂れ下がり支持部材112の上流側の端部Euに接触して支持される。つまり、用紙Psは、端部Edと端部Euにより支持されて、支持部材112の上面1122から浮いた状態となり、端部Edと端部Euとの間に設けられた滑り止め部材1124に接することがない。その結果、滑り止め部材1124は、用紙Psに摩擦力を与えない。
一方、図11(c)に示すように、用紙Pfを押し付け部材111の上面1112に載せた場合、用紙Pfは剛性が低いので、上面1112と上面1122とを連結した面の形状に沿って伸びる。つまり、用紙Pfは、上面1112と上面1122とにぴったりと沿ってこれらに支えられるので、滑り止め部材1124は、用紙Pfに接する。その結果、滑り止め1124は、用紙Pfに摩擦力を与える。
用紙Psは静止摩擦係数が比較的大きいので、過剰に摩擦力が加えられると決められた駆動力では供給しきれなくなる場合がある。上述したとおり、滑り止め部材1124は、用紙Psに接しないので、用紙Psに対して摩擦力を加えることがなく、その供給を妨げない。
一方、用紙Pfは静止摩擦係数が比較的小さいので、摩擦力が加えられないと支持部材112の傾斜に沿って滑り、供給方向に反して後退してしまう場合がある。上述したとおり、滑り止め部材1124は、用紙Pfに接するので、用紙Pfに対して摩擦力を加え、後退を防止する。
以上説明したとおり、上面1112よりも上面1122の方が傾いているこの変形例1の構成によって、駆動力を変えることなく、剛性および静止摩擦係数の異なる用紙Pがそれぞれ下流へ供給される。
2−2.変形例2
上述した変形例1において、支持部材112の上面1122には、滑り止め部材1124が設けられていたが、滑り止め部材1124は設けられていなくてもよい。用紙Psは、端部Edと端部Euにより支持されるのに対し、用紙Pfは、支持部材112の上面1122の全面によって支持されるので、支持部材112が用紙Pfに与える摩擦力は、用紙Psに与える摩擦力よりも大きくなるからである。
1…画像形成装置、11…容器、110…筐体、1101…底面、1102…底面、111…押し付け部材、1111…後端、1112…上面、112…支持部材、1121…底面、1122…上面、1123…後端、1124…滑り止め部材、113…第1アーム、114…リンク、115…突出部、116…第2アーム、117…長穴、118…サイドガイド、12…供給部、121…供給ロール、122…ギア、123…カム、124…シャフト、13…現像部、14…転写部、15…加熱部、16…搬送部

Claims (4)

  1. 媒体を供給する供給ロールの下方に配置され、上昇させられると上面に載せられた媒体を前記供給ロールに押し付けて当該供給ロールに供給させる押し付け部材と、
    前記媒体を下方から支持する支持部材であって、前記押し付け部材のうち、前記媒体の供給方向における上流側の端部に対して、当該媒体の幅方向に沿って伸びる軸を中心として揺動可能に連結され、前記供給ロールが前記媒体を供給するとき、前記供給方向における上流側の端部が、当該供給方向における下流側の端部よりも下方に位置する姿勢となる支持部材と
    を具備することを特徴とする容器。
  2. 前記供給ロールが前記媒体を供給するとき、前記支持部材の上面は、前記押し付け部材の上面よりも、前記供給方向における上流側の端部が当該供給方向における下流側の端部よりも下方に位置するように傾いている
    ことを特徴とする請求項1に記載の容器。
  3. 前記支持部材は、その上面のうち、前記供給方向における上流側の端部、および当該供給方向における下流側の端部を除く部分に、当該各端部よりも静止摩擦係数の大きい部材が設けられている
    ことを特徴とする請求項2に記載の容器。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載の容器と、
    前記容器に収容された媒体に画像を形成する画像形成部と、
    前記容器から前記媒体を取り出して前記画像形成部に供給する供給部と
    を備えることを特徴とする画像形成装置。
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