以下、本発明を具体化した一実施形態を、図1〜図9に基づいて説明する。
図1に示す記録装置の一例としてのプリンター11は、例えばJIS規格のA0判やB0判などといった比較的大サイズの媒体の一例としての記録媒体Mを扱うラージフォーマットプリンター(LFP)である。比較的大サイズの記録媒体Mは、所定幅の帯状のシートからなり、例えば樹脂製フィルム又は紙などからなる。
図1に示すように、プリンター11は、複数のキャスター12aを下端に有する脚台12(スタンド)と、脚台12上に支持された略直方体形状の本体13とを備える。プリンター11は、ロール・ツー・ロール方式で長尺の記録媒体Mを搬送する媒体搬送装置15を備える。
媒体搬送装置15は、長尺の記録媒体Mがロール状に巻回されたロール体R1から、記録媒体Mを本体13内へ送り出す(給送する)給送部16と、給送部16と巻取部17との間の搬送経路上における本体13内で、記録媒体Mを保持しつつこれに搬送力を与える搬送部18とを備える。本体13内には、搬送部18よりも搬送方向下流側の位置に、記録部19が設けられている。記録部19は、プリンター11が入力した印刷データに基づく画像及び文字等を記録(印刷)する。さらに、媒体搬送装置15は、搬送部18の搬送力により本体13の前側(図1では左側)の排出口から送り出された印刷後の記録媒体Mをロール体R2に巻き取る巻取部17を備える。
搬送部18は、記録媒体Mを挟持(ニップ)した状態で搬送する搬送ローラー対20を備える。搬送ローラー対20は、搬送経路の下側に配置されて回転駆動される搬送駆動ローラー21と、この搬送駆動ローラー21の回転に従動して回転する上側の搬送従動ローラー22とを備え、両ローラー21,22の回転により記録媒体Mは搬送される。
本実施形態の記録部19は、本体13内に架設されたガイド軸23に沿って記録媒体Mの搬送方向と直交する主走査方向(図1では紙面と直交する方向)に往復移動するキャリッジ24を備える。キャリッジ24は搬送経路と対向して配置された記録ヘッド25を有する。記録ヘッド25は、図示しないインクカートリッジから供給されるインクを噴射可能な複数のノズルを有している。キャリッジ24が主走査方向に移動する過程で記録ヘッド25のノズルからインク滴が噴射されることにより、記録媒体Mへの印刷が行われる。
給送部16と巻取部17との間には、記録媒体Mを上方に凸となるように湾曲させて支持する支持面26aを有する支持部材26が設けられている。支持部材26は、板金などからなる板材の曲げ加工により形成された所定形状の部材が複数組み付けられることで構成されている。
支持部材26は、ロール体R1から給送された記録媒体Mを記録部19よりも搬送経路の上流側で支持する給送用支持部27と、記録部19と対向する位置に設けられて記録媒体Mの印刷領域となる部分を支持する記録用支持部28と、記録部19よりも搬送経路の下流側で印刷後の記録媒体Mを支持する排出用支持部29とを有する。
給送用支持部27は、搬送経路の下流側ほど高くなる斜状の搬送面を含む支持面27aを有する。ロール体R1から送り出された記録媒体Mは、支持面27aに支持された状態で搬送部18へ案内される。
また、記録用支持部28は、記録ヘッド25のノズル形成面(図1では下面)と所定のギャップを隔てた状態でそのノズル形成面と平行な支持面28aを有する。本例では、記録用支持部28の支持面28aはほぼ水平面となっている。
排出用支持部29は、記録部19と巻取部17との間の搬送経路を形成し、搬送経路の下流側ほど低くなると共に外側(図1では左上側)に向かって凸となるように湾曲しながら延出している。排出用支持部29は、記録媒体Mを湾曲させた状態で支持する支持面29aを有する。各支持部27,28,29は、それぞれの支持面27a,28a,29aが略面一に連続的に繋がる状態で配置されている。
図1に示すように、支持部材26の裏側には、支持面26aを加熱する加熱部30が設けられている。具体的には、例えば給送用支持部27の裏側に支持面27aを加熱するプレヒーター31が配設され、支持面28a上で記録媒体Mを予熱する。また、記録用支持部28の裏側には、記録部19と対向する支持面28aを加熱するプラテンヒーター32が配設されている。さらに、排出用支持部29の裏側には、支持面29aを加熱するアフターヒーター33が配設され、支持面29a上で記録媒体Mを加熱することによりインクを乾燥させる。このように構成される加熱部30は、記録媒体Mを加熱することによりインクを記録媒体Mに速やかに乾燥定着させ、滲みやぼやけを防止して、印刷画質を高める機能を有している。
さらに、排出用支持部29の下流側端部の下方には、記録媒体Mにテンション(張力)を与えるテンション付与機構35が設けられている。テンション付与機構35は、排出用支持部29と巻取部17との間で記録媒体Mに接触してこれに押圧力を付与するテンションローラー36を有する。テンションローラー36は、基端部が脚台12に対して回動可能に支持された一対のアーム部材37の先端部に回転可能に支持されると共に、記録媒体Mの想定最大幅よりも幅方向(図1の紙面直交方向)に長い軸長を有する。排出用支持部29の下流側では、記録媒体Mはテンションローラー36の重量に応じたテンションがかかった状態でロール体R2に巻き取られる。なお、本体13内には、プリンター11の全動作を制御する制御部40が設けられている。
図2に示すように、搬送駆動ローラー21は、円筒状のローラー本体21aと、ローラー本体21aの長手方向両端部に突出する軸部21bとを備える。ローラー本体21aの外周面には、高さ約0.05〜1mmの範囲内の所定高さ(例えば約0.1mm)の微小突起21cを、全面に所定間隔(例えば0.5〜5mmの範囲内の所定値(例えば約1mm))で多数形成されている。もちろん、微小突起21cは、ローラー本体21aの外周面上にランダムな位置に形成されていてもよい。
プリンター11は、記録媒体Mの同一領域に印刷の層を重ねる重ね印刷を行うことも可能である。重ね印刷を行うときは、1回目(1層)の印刷を終える度に、記録媒体Mを搬送方向と逆方向(搬送経路の上流側)へ戻し、M回目(第M層)の印刷と同一領域に次のM+1回目(M+1層)の印刷を施す。このとき、M回目とM+1回目とで記録媒体Mの位置が搬送方向Yにずれると、M層目とM+1層目との間など異なる層間でドット位置が微妙にずれ、これが印刷画質の低下を招く。
本実施形態では、搬送ローラー対20の間を1度でも通過した記録媒体Mの通過部分には、微小突起21cが押し付けられてできる微小凹部、又は微小突起21cが貫通してできた微小孔からなる微小穴(微小凹部又は微小孔)が形成される。そして、記録媒体Mが重ね印刷のため搬送経路上を繰り返し往復移動しても、微小突起21cが前回できた微小穴に入ることで、記録媒体Mの搬送位置精度が向上する。このような目的で、搬送駆動ローラー21の外周面には多数の微小突起21cが全面に形成されている。
次に、プリンター11の電気的構成について図3を用いて説明する。
図3に示すように、本実施形態の媒体搬送装置15は、ロール体R1から記録媒体Mを給送する給送部16の動力源となる第1モーター41(給送用モーター)と、ロール体R1の位置よりも給送経路の下流側に位置する搬送駆動ローラー21の動力源となる第2モーター42(搬送用モーター)とを備える。また、媒体搬送装置15は、印刷後の記録媒体Mをロール体R2に巻き取る巻取部17の動力源となる第3モーター43(巻取用モーター)を備える。プリンター11の全動作を制御する制御部40には、これらモーター41〜43が電気的に接続されている。制御部40は、これらモーター41〜43を駆動制御するモーター制御部44を備えている。
第1モーター41は、ロール体R1を送り出し方向に回転させる正転駆動と、ロール体R1を巻取り方向に回転させる逆転駆動とが可能である。また、第2モーター42は、搬送駆動ローラー21を記録媒体Mを搬送方向Yに搬送可能な回転方向へ回転させる正転駆動と、記録媒体Mを搬送方向Yとは逆方向に搬送(逆搬送)可能な回転方向へ回転させる逆転駆動とが可能である。なお、第3モーター43は、ロール体R2を巻取り方向に回転させる正転駆動で用いられるが、トラブル発生時などにロール体R2を送り出し方向に回転させる必要があるときに逆転駆動も可能である。本例では、モーター制御部44は、各モーター41〜43をPWM制御(パルス幅変調制御)で速度制御する。
モーター制御部44は、記録媒体Mの搬送部18とロール体R1との間の部分に所定のテンションを与えるように第1モーター41及び第2モーター42の駆動状態を制御する。また、モーター制御部44は、第1モーター41の負荷と駆動速度との関係を測定するメジャーメントの実行時に、第1モーター41及び第2モーター42の駆動状態を制御する。なお、メジャーメントの詳細については後述する。
第1モーター41には、回転検出部47が設けられている。回転検出部47は、例えばロータリーエンコーダーにより構成され、円盤状のスケール48とセンサー49とを備える。センサー49は、第1モーター41の回転量に比例する数のパルスを有するパルス信号を出力し、その出力されたパルス信号は制御部40に入力される。ロール体R1は、一対のホルダー50に軸方向両側から挟持された状態で、ホルダー50と一体回転可能な状態で装着される。第1モーター41の動力は、ギア輪列51を介してロール体R1を保持する一対のホルダー50のうちの一方(駆動側)に伝達される。なお、本実施形態では、第1モーター41及びギア輪列51等により、第1駆動部が構成される。
第2モーター42にも、回転検出部52が設けられている。回転検出部52は、例えばロータリーエンコーダーにより構成され、円盤状のスケール53とセンサー54とを備える。センサー54は、第2モーター42の回転量に比例する数のパルスを有するパルス信号を出力し、その出力されたパルス信号は制御部40に入力される。第2モーター42の動力は、ギア輪列55を介して搬送駆動ローラー21に伝達される。なお、本実施形態では、第2モーター42及びギア輪列55等により、第2駆動部が構成される。
一方、ロール体R2は、一対のホルダー58に軸方向両側から挟持された状態で、ホルダー58と一体回転可能な状態で装着される。第3モーター43の動力は、ギア輪列59を介してロール体R2を保持するための一対のホルダー58のうちの一方(駆動側)に伝達される。なお、給送部16及び巻取部17のうち少なくとも一方を、ギア輪列51,55などの減速機を用いないモーターダイレクトドライブ機構を採用した構成としてもよい。
テンション付与機構35には、テンションローラー36の軸方向両端部を支持するアーム部材37の傾き角を検出するセンサー60が設けられている。モーター制御部44は、センサー60から入力した傾き角を示す検出信号に基づいて、第3モーター43をアーム部材37の傾き角が一定の範囲内に収まるように制御する。このように第3モーター43が制御されることにより、印刷後の記録媒体Mは略一定範囲のテンションが与えられた状態でロール体R2に巻き取られる。
また、制御部40には操作パネル61が接続されている。操作パネル61には、メニュー及び印刷条件の設定項目を表示する表示部62と、ユーザーが希望する印刷条件などの入力値を入力する際に操作される複数の操作ボタンを有する操作部63とが設けられている。例えば媒体種の情報を含む印刷条件情報が、ユーザーによる操作部63の操作により制御部40に入力される。媒体種の情報は、記録媒体の材質(例えばフィルム又は紙)及び媒体サイズ(例えばロール幅)の異なるロール体を特定可能な情報である。なお、本実施形態では、操作部63により、媒体情報取得部の一例が構成される。
また、制御部40は、プリンター11に備えられた通信部65を介してホスト装置66と通信可能となっている。ホスト装置66は例えばパーソナルコンピューターにより構成され、ユーザーはホスト装置66のキーボード及びマウス等の入力装置(図示略)を操作することで印刷条件情報を入力することが可能である。制御部40は、通信部65を介してホスト装置66から媒体種などを含む印刷条件情報を取得することも可能である。
また、モーター制御部44は、メモリー67を備えている。モーター制御部44は、メジャーメントで取得した第1モーター41の負荷Dと駆動速度Vとの関係を示す直線L(図7参照)で表されるメジャーメントデータMDを、媒体種に対応付けて記憶する。このため、制御部40は、ユーザーが操作部63の操作で指定した媒体種に対応する過去のメジャーメントデータMDを所定個数まで取得可能となっている。そして、制御部40は、メジャーメント処理中に、過去の所定個数のメジャーメントデータMDを参照して、要求されている送り速度Vnに対応する第1モーター41の指令値(PWM制御の場合はデューティー比)を取得し、これが複数個取得された場合は平均値を指令値とする。そして、この指令値から必要なテンションTを与えるための補正値を減算することにより、第1モーター41をテンション制御する際のモーター指令値を算出する。本例では、第1モーター41が有する回転検出部47と、第2モーター42が有する回転検出部52との各実測値に基づいて、テンションTを与えるためにデューティー比から減算する補正値を求める。
図3〜図6に基づいて、本実施形態のメジャーメント処理(メジャーメント動作)について説明する。
本実施形態では、ロール体R1の一回転をN分割(但し、Nは2以上の自然数)し、メジャーメントの実行は、ロール体R1の1/N回転ずつN回行う。以下、N=8の例で説明する。第1モーター41はPWM制御で速度制御されている。メジャーメントの実行は、図6に示すように、分割された回転の奇数回目となる1回目、3回目、5回目、7回目と、偶数回目となる2回目、4回目、6回目、8回目に分けて行う。このとき、奇数回目の方では第1モーター41を低速VL駆動(図6のL1,L3,L5,L7)させて行い、偶数回目の方では奇数回目の方よりも高速VH駆動(図6のH2,H4,H6,H8)させて行う。
図4(a)は、第1モーター41及び第2モーター42が停止した状態で、メジャーメント実行前の状態を示している。すなわち、搬送駆動ローラー21は回転を停止し、ロール体R1も回転を停止している。
図4(b)は、第2モーター42が停止した状態で、第1モーター41がロール体R1の1/8回転に相当する回転量だけ低速VL(図6のL1)で送り出し方向(正転方向)に駆動した状態を示す。ロール体R1の周りに1/8回転の送り出し分の垂れ下がり68が発生している。しかし、1回転ではなく、1/8回転の送り出し分なので、その垂れ下がり量は比較的少ない。そして、この動作により、ロール体R1の1/8回転分についての第1モーター41のメジャーメントが実行される。具体的には、その低速VLの駆動に対応したデューティー比DL1が得られる。
次の図4(c)は、第2モーター42が停止した状態のまま、第1モーター41がロール体R1の1/8回に相当する回転量だけ巻取り方向(逆転方向)に駆動した状態を示す。すなわち、搬送ローラー対20が回転を停止した状態で、ロール体R1が巻取り方向に1/8回転分だけ回転する。この結果、垂れ下がり68の分を巻き取った図4(a)の状態に戻る。
次の図5(a)は、第2モーター42をロール体R1の1/8回転分に相当する搬送量だけ搬送方向(正転方向)に駆動すると共に、ロール体R1と搬送部18との間の記録媒体MにテンションTを与える制御を行いつつ第1モーター41をロール体R1の1/8回転分だけ送り出し方向に駆動した状態を示す。すなわち搬送ローラー対20が搬送方向に回転すると共に、ロール体R1と搬送部18との間の記録媒体MにテンションTが与えられた状態でロール体R1が送り出し方向に回転する。これにより、図5(b)に示すように、搬送ローラー対20に挟持された記録媒体Mがロール体R1の1/8回転分だけ搬送される。このとき、記録媒体Mの裏面には、搬送ローラー対20を通過した部分に搬送駆動ローラー21の微小突起21cが食い込んで微小穴(図示せず)が形成される。
次に、2回目の1/8回転分のメジャーメントが、第2モーター42が停止した状態で、第1モーター41がロール体R1の1/8回転に相当する回転量だけ高速VH駆動(図6のH2)させることにより、図4(b)と同様の動作で行われる。これにより、その高速VHの駆動に対応するデューティー比DH1が得られる。そして、図4(c)の動作が同様に行われて、垂れ下がり68の分を巻き取った後、図5(a)の動作が同様に行われて、ロール体R1と搬送部18との間の記録媒体MにテンションTが与えられた状態で記録媒体Mがロール体R1の1/8回転分の搬送量だけ搬送される。この結果、図5(b)に示すように、ロール体R1が次のメジャーメント開始位置に配置される。
以下、同様に、3回目から8回目のロール体R1の1/8回転分ずつのメジャーメントも同様に行われる。すなわち、奇数回目(k回目)の1/8回転分のメジャーメントが低速VL駆動で行われ、その低速VL駆動に対応するデューティー比DLkが得られる。そして、図4(c)の動作で垂れ下がり68分を巻き取った後、図5(a)の動作でロール体R1と搬送部18との間の記録媒体MにテンションTがかかった状態で、記録媒体Mがロール体R1の1/8回転分の搬送量だけ搬送される。これにより、ロール体R1が次の偶数回目(k+1回目)のメジャーメント開始位置に配置される(図5(b))。
次に、偶数回目(k+1回目)の1/8回転分のメジャーメントが高速VH駆動で行われ、その高速VH駆動に対応するデューティー比DHk+1が得られる。そして、図4(c)の動作で垂れ下がり68分を巻き取った後、図5(a)の動作でロール体R1と搬送部18との間の記録媒体MにテンションTがかかった状態で記録媒体Mがロール体R1の1/8回転分の搬送量だけ搬送される。これにより、ロール体R1が次の奇数回目(k+2回目)のメジャーメント開始位置に配置される(図5(b))。
こうして8回のメジャーメントのうち4回の低速VL駆動(図6のL1,L3,L5,L7)時のメジャーメントによりデューティー比DL1〜DL4が取得され、4回の高速VL駆動(図6のH2,H4,H6,H8)時のメジャーメントによりデューティー比DH1〜DH4が取得される。モーター制御部44は、四つのデューティー比DL1〜DL4を平均することで、低速VL駆動時の第1モーター41の負荷であるデューティー比DLを取得する。また、モーター制御部44は、四つのデューティー比DH1〜DH4を平均することで、高速VH駆動時の第1モーター41の負荷であるデューティー比DHを取得する。これをプロットしたのが、図7である。図7の直線Lが第2モーター42の停止状態で記録媒体Mを供給する際の第1モーター41の負荷Dと駆動速度Vとの関係を示し、この直線Lで示されるデータがメジャーメントデータMDとして求められる。
次に、媒体搬送装置15を備えるプリンター11の作用を、図8に示す印刷処理ルーチンのフローチャート及び図9に示す分割メジャーメント処理ルーチンのフローチャートに基づいて説明する。まず、図8に基づいて印刷処理ルーチンについて説明する。
ステップS1では、ロール体R1の一回転について分割メジャーメント(本例では8分割)を実行する。これにより図7に示した第2モーター42の停止状態で記録媒体Mを供給する際の第1モーター41の負荷Dと駆動速度Vとの関係を示す直線Lが得られる。この直線Lで示されるメジャーメントデータMDは、メモリー67の所定記憶領域に媒体種別に記憶される。なお、分割メジャーメント処理の詳細については、図9を用いて後述する。
次のステップS2では、記録媒体Mに所定のテンションTを与えるテンション制御をしながら第1モーター41と第2モーター42とを駆動させる。ここで、記録媒体Mの要求搬送速度に対応する第2モーター42の送り速度がVnであるとすると、図7に示すメジャーメントデータMDを参照して送り速度Vnから求まる負荷Dnに対応するデューティー比が求まる。このデューティー比をモーター指令値として第1モーター41を駆動すると、第1モーター41と第2モーター42の各送り速度が同じになるので、テンションTが無くなってしまう。そこで、第2モーター42の送り速度の方が第1モーター41の送り速度よりも大きくなるように、第1モーター41には負荷Dnに対応するデューティー比よりも小さな値のデューティー比が与えられる。本例では、負荷Dnに対応するデューティー比から、第1モーター41が有する回転検出部47と、第2モーター42が有する回転検出部52との各実測値に基づき決まる補正値を減算することで、第1モーター41をテンション制御しつつ駆動する際のデューティー比を求める。これにより、印刷中の搬送時には、記録媒体Mはロール体R1と搬送部18との間の部分に所定のテンションTが与えられた状態で搬送される。
ステップS3では、一パス分の媒体送り(記録媒体の搬送)が終了したか否かを判断し、このS3で肯定判定となるまで、両モーター41,42を駆動する(S2)。この判断は、第2モーター42が有する回転検出部52の実測値に基づいて制御部40が行う。例えば制御部40は、回転検出部52から入力するパルス信号のパルスエッジの数を不図示のカウンターで計数することで実搬送量を計測し、その実搬送量が減速開始位置に対応する値に達すると、ステップS2の制御の中で、両モーター41,42の駆動速度を減速させる。そして、実搬送量が目標搬送量に達して一パスの媒体送りが終了したら(S3で肯定判定)、ステップS4において、両モーター41,42の駆動を停止させる。
続いてステップS5において、記録ヘッド25によってインクを噴射して印刷を実行する。詳しくは、不図示のキャリッジモーターを駆動してキャリッジ24を待機位置から主走査方向Xに移動させ、その移動途中に記録ヘッド25のノズルからインク滴を噴射することにより一パス分の印刷を実行する。
そして、ステップS6において、全てのパスの媒体送りが終了したか否かを判断する。全てのパスの媒体送りが終了していなければ、すなわち一つの印刷ジョブが終了していなければ(S6で否定判定)、S6で肯定判定となるまでステップS2〜S5の各処理を繰り返し行う。そして、全てのパスの媒体送りが終了して一つの印刷ジョブが終了したら(S6で肯定判定)、ステップS7において、その印刷ジョブの印刷を終了する。
続いてステップS8において、次の印刷(印刷ジョブ)があるか否かを判断する。次の印刷がある場合、ステップS2に戻り、ステップS2〜S6の各処理を実行し、次の印刷ジョブについても同様の印刷処理を行う。そして、その印刷ジョブの印刷を終了し(S7)、次の印刷がなければ(S8で否定判定)、当該印刷処理ルーチンを終了する。
次に、分割メジャーメント処理について図9に示すフローチャートに基づいて説明する。この分割メジャーメント処理はモーター制御部44が行う。以下の説明では、ロール体R1の1回転をN分割した1/N回転分ずつメジャーメントを行うものとする。なお、必要に応じて図4及び図5を参照しつつ説明する。
まずステップS11では、第2モーター42の停止状態で、ロール体R1を1/N回転分送り出す方向へ送り出す方向へ第1モーター41を駆動速度VLで低速駆動し、1/N回転分のメジャーメントを実行する。このメジャーメント時のロール体R1の送り出しにより、ロール体R1周りに1/N回転分の垂れ下がり68ができる(図4(b))。
ステップS12では、ロール体R1を1/N回転分巻き戻す方向へ第1モーター41を駆動する。これにより、ロール体R1が1/N回転分巻き戻され、記録媒体Mの垂れ下がり68分がロール体R1に巻き取られる(図4(c))。この結果、記録媒体Mの弛みが解消される。
次のステップS13では、第1モーター41及び第2モーター42をテンション制御しつつ、ロール体R1を1/N回転分送り出し方向へ駆動する。このときのテンション制御に必要な情報は、ユーザーが操作部63を用いて入力した入力値に基づいて決定する。この入力値として例えばユーザーが入力した印刷条件情報中の媒体種を使用し、メモリー67からその媒体種に対応する過去のメジャーメントデータMD(図7参照)を読み出し、読み出したメジャーメントデータMDに基づきそのときの送り速度Vnに対応するデューティー比を取得する。このとき、その媒体種に対応するメジャーメントデータMDが複数存在する場合は、それらの平均値を使用する。そして、取得したデューティー比Dnからテンション付与分の補正値を減算し、テンション制御用のデューティー比DTを求める。そして、その求めたデューティー比DTを指令値として第1モーター41をPWM制御する。なお、ここで求めたデューティー比DTは、加速・定速・減速の各過程を含む搬送速度プロファイルのうちの定速度を規定するものであり、定速度(目標速度)が決まれば、その定速度に対応する速度プロファイルに従って第1モーター41を速度制御が可能である。
ステップS14では、第2モーター42の停止状態で、ロール体R1を1/N回転分送り出す方向へ第1モーター41を駆動速度VHで高速駆動し、1/N回転分のメジャーメントを実行する。このメジャーメント時にロール体R1が1/8回転分送り出されることにより、ロール体R1周りに1/N回転分の垂れ下がり68ができる(図4(b))。
ステップS15では、ロール体R1を1/N回転分巻き戻す方向へ第1モーター41を逆転駆動する。これにより、ロール体R1が1/N回転分巻き戻され、記録媒体Mの垂れ下がり68分がロール体R1に巻き取られる(図4(c))。この結果、記録媒体Mの弛みが解消される。
ステップS16では、第1モーター41及び第2モーター42をテンション制御しつつ、ロール体R1を1/N回転分送り出し方向へ駆動する。この処理はステップS13と同様で、メモリー67中のメジャーメントデータMDを参照して送り速度Vnに応じたデューティー比を取得し、そのデューティー比からテンション付与分の補正値を減算してテンション制御用のデューティー比DTを求める。そして、このデューティー比DTを指令値として第1モーター41をPWM制御する。
次のステップS17では、N回の分割メジャーメントを終了したか否かを判断する。N回の分割メジャーメントを終了していなければ、ステップS11に戻り、S11〜S16の各処理を実行する。そして、図6に示す1/N回転分のメジャーメントをN回行って、N回の分割メジャーメントを終了すると、ステップS18に進む。
ステップS18では、メジャーメントによる測定結果を基に、第1モーター41の負荷と駆動速度との関係を取得する。図6に示す8分割(N=8)の例では、モーター制御部44は、8回のうち4回の低速VL駆動時のメジャーメントで取得したデューティー比DL1〜DL4を平均し、低速VL駆動時の第1モーター41の負荷であるデューティー比DLを取得する。また、モーター制御部44は、4回の高速VL駆動時のメジャーメントで取得したデューティー比DH1〜DH4を平均し、高速VH駆動時の第1モーター41の負荷であるデューティー比DHを取得する。これらのデューティー比DL,DHから直線L(図7)で示される第1モーター41の負荷Dと駆動速度Vとの関係を示すメジャーメントデータMDが求められる。このメジャーメントデータMDはメモリー67に記憶される。
次のステップS19では、ロール体R1を1回転分巻き戻す方向へ第1モーター41及び第2モーター42を駆動する。この結果、1回転のメジャーメントによりロール体R1から送り出された1回転分の記録媒体Mがロール体R1に巻き戻される。
その後、印刷処理を行うときには、今回のメジャーメント処理で求められたメジャーメントデータMDに基づきそのとき要求された送り速度Vnに対応する負荷Dnを取得し、その負荷に対応するデューティー比からテンション付与用の補正値を減算してテンション制御用のデューティー比を求める。そして、記録媒体Mの搬送中は、第1モーター41が有する回転検出部47と、第2モーター42が有する回転検出部52との各実測値に基づいて、第1モーター41の制御で指令されるデューティー比が適宜補正されることにより、ロール体R1と搬送部18との間の記録媒体Mに必要なテンションTが与えられる。
メジャーメント直後の印刷では、その搬送の初期に、メジャーメント時に搬送ローラー対20を通過して微小穴が形成された記録媒体Mが搬送ローラー対20を通ることになる。このとき微小穴は、ロール体R1と搬送部18との間の記録媒体Mに必要なテンションTが与えられた状態で記録媒体Mが搬送ローラー対20間を通過したときに形成されたものである。このため、搬送駆動ローラー21の微小突起21cが記録媒体M側の微小穴に入り込んで、搬送駆動ローラー21と記録媒体Mとの搬送方向における相対位置が規制されても、その規制された位置はテンションTが与えられた状態で搬送されたときのものなので、記録媒体Mは適切な搬送量だけ搬送されることになる。よって、メジャーメントで使用された記録媒体Mにも比較的高品質の画像が印刷される。
以上詳述したように本実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)第2モーター42を停止させた状態で第1モーター41を駆動させ、第1モーター41の負荷Dと駆動速度Vとの関係を測定するメジャーメントを行った後、第2モーター42を停止させた状態で第1モーター41をロール体R1の巻取り方向へ駆動させ、メジャーメントにより送り出された記録媒体Mの垂れ下がり68分を巻き戻す。このため、メジャーメント直後に例えば印刷を目的として、第1モーター41と第2モーター42とが駆動されて記録媒体Mのうちメジャーメントで使用された部分が搬送されるときに、ロール体R1に垂れ下がり68のある状態で搬送部18が記録媒体Mを搬送する事態を回避できる。この結果、メジャーメントで一旦送り出された部分の記録媒体Mの搬送と、この部分よりも上流側部分の搬送とが共に記録媒体Mに弛みのない状態で行われるので、メジャーメント直後の搬送と、それ以外の搬送との間で、記録媒体Mの搬送位置精度のばらつきを小さく抑えることができる。
(2)メジャーメントでできた垂れ下がり68をロール体R1に巻き戻した後、モーター制御部44は、第1モーター41を制御してロール体R1と搬送部18との間の記録媒体Mにテンションを与えながら第2モーター42を駆動させる。このため、メジャーメント直後の搬送と、それ以外の搬送(例えばメジャーメント直後にメジャーメントで使用されたロール体1回転分の記録媒体Mに印刷が行われた以後の印刷時の搬送)との間で、記録媒体Mの搬送位置精度のばらつきをより一層小さく抑えることができる。例えばメジャーメント直後の印刷と、それ以外の印刷との印刷品質のばらつきを小さく抑え、メジャーメントで使用した記録媒体Mの部分も印刷に使用できる。
(3)ロール体R1の1回転をN分割した1/N回転分のメジャーメントをN回行い、メジャーメントを1回行う毎に、メジャーメントにより送り出された記録媒体Mをロール体R1に巻き戻す。そして、巻き戻した後、第1モーター41及び第2モーター42を駆動させてロール体R1を次のメジャーメント開始位置まで回転させる。このため、メジャーメント時に記録媒体Mが送り出されてできた垂れ下がり68(弛み)が累積されることがない。よって、メジャーメント時に送り出された記録媒体Mの弛みの累積による大きな垂れ下がりに起因する記録媒体Mの折れ又は傷等の発生を抑えることができる。
(4)特に搬送部18が、外周面に多数の微小突起21cが形成された搬送駆動ローラー21を備えた構成の場合、このメジャーメント時の搬送に伴い記録媒体Mに微小突起21cと対応する位置に形成される微小穴の位置が、記録媒体Mにテンションが与えられた状態における位置とすることができる。例えば、複数回のメジャーメントが全て終了した後に記録媒体Mが搬送されるときに、微小突起21cが微小穴に入った位置で記録媒体Mの搬送ローラー対20に対する相対位置が規定されても、その微小穴がテンションが与えられた状態の下での搬送で形成されたものなので、記録媒体Mを比較的高い搬送位置精度で搬送できる。
(5)メジャーメントデータMDは、ユーザーが操作部63を操作してプリンター11に指定した又はホスト装置66から通信部65を介して取得した媒体種に対応付けてメモリー67(記憶部)に記憶される。そして、制御部40は、メモリー67から媒体種に対応するメジャーメントデータMDを取得し、その取得したメジャーメントデータMDに基づいて得たテンション制御用のデューティー比DTを指令値として第1モーター41を制御することでテンション制御を行う。このため、ロール体R1と搬送部18との間の記録媒体Mに比較的適切なテンションを与えることができる。
(6)媒体搬送装置15を、記録媒体Mに印刷を行う記録ヘッド25を備えたプリンター11に適用したので、メジャーメントに使用した記録媒体Mの部分にも、メジャーメントに使用していない記録媒体Mの部分と同様の搬送位置精度で印刷を行うことができる。よって、メジャーメント時とそうでないときとの印刷位置精度のばらつきを小さくすることができる。
なお、上記実施形態は以下のような形態に変更することもできる。
・記録媒体Mの次のメジャーメント開始位置までの搬送時にテンションを与える第1モーターの制御は、操作部63(媒体情報取得部)の操作で制御部40が入力した媒体情報に基づいて行ってもよい。媒体情報としては、媒体種(少なくとも媒体の材質とロール幅とを特定可能な媒体種情報)と、重量、直径及び残量のうち少なくとも一つとを含む情報を挙げることができる。媒体種と重量、媒体種と直径、媒体種と残量などの組み合わせからなる媒体情報である場合、各媒体種について駆動速度と負荷との関係を示す参照テーブル又は計算式を、重量別、直径別あるいは残量別にメモリーに用意しておく。そして、そのときの重量、直径あるいは残量に応じた参照テーブル又は計算式に基づき、そのときの要求送り速度Vnに対応する第1モーター41の負荷を取得する。さらに、負荷(つまり無負荷とするための指令値)が分かれば、その指令値から所定のテンションを与えるための補正値を減算する補正計算を行えば、テンション制御時の第1モーターの指令値を計算できる。
・メジャーメントの実行は、ロール体R1の1/2回転は一方向に回転させて1/8回転ずつL1,H2,L3,H4の分割メジャーメントを行い、残りの1/2回転は逆転させて1/8回転ずつL5,H6,L7,H8の分割メジャーメントを行う構成としてもよい。この構成によれば、残りの1/2回転は逆転させてメジャーメントを行う構成であるので、ロール体R1の一回転によるトータルの送り出し量を半分に減らすことができる。例えば、メジャーメント時に搬送駆動ローラー21の微小突起21cによる微小穴が形成されるシート長を短く済ませることができる。仮に、メジャーメント時のテンションと、その後の印刷時のテンションとが許容範囲を超えていた場合でも、記録媒体Mを捨てる量を少なく済ませることができる。
・メジャーメントの実行で得られた負荷の変動が設定値以下であるときは、次のメジャーメントはロール体R1を一回転させない範囲(例えば1/4回転又は1/2回転)で実行する第2メジャーメントを行う構成としてもよい。但し、ロール体R1が交換された後の最初のメジャーメントは、ロール体R1を1回転させるメジャーメントを実行することが好ましい。
・分割メジャーメント1回当たりの回転量は、1/N回転(但しNは2以上の自然数)であればよく、1/8回転以外に、例えば1/16回転、1/4回転、1/2回転でもよい。もちろん2の累乗分の1回転に限定されず、1/3回転、1/6回転、1/10回転、1/12回転などでもよい。
・速度毎のメジャーメント回数は適宜な回数を設定でき、4回ずつ以外に、例えば2回ずつ、3回ずつ、5回ずつ、8回ずつでもよい。例えば1/8回転を速度別に8回ずつ行って、ロール体R1を2回転させる構成でもよい。この場合、最初の8回のメジャーメントをロール体R1の送り出し方向への1回転で行い、残りの8回のメジャーメントはロール体R1を巻き戻し方向に逆転させる構成としてもよい。この構成であれば、搬送部18により搬送されるシート長が一回転分で済む。また、メジャーメント時のロール体の総回転量は、1回転又は2回転に限定されず、3回転以上又は1回転未満でもよい。例えば1/2回転)でも分割してメジャーメントを実行することで垂れ下がりをより少なくできる。
・分割メジャーメントにおいて1/N回転分のメジャーメントを終了する度に1/N回転分の巻き戻しを行う構成に替え、1/N回転のメジャーメントをM回(但しMはM<Nを満たす2以上の自然数)行う毎に、ロール体R1をM/N回転分巻き戻す構成としてもよい。この場合、M/N回転分巻き戻した後、第1モーター41と第2モーター42を記録媒体Mにテンションを与えつつ駆動し、その後、次の1/N回転分のメジャーメントを実行する。
・ロール体R1の1回転を複数に分割した回転量ずつメジャーメントを行ったが、1回転を分割しないでメジャーメントを行う構成でもよい。この構成でも、メジャーメント後に巻き戻すことでテンションがかかった状態で第2モーターの駆動による記録媒体Mの搬送を行うことができる。このため、メジャーメント直後の搬送と、それ以外の搬送との間で、媒体の搬送位置精度のばらつきを小さく抑えることができる。例えばメジャーメント直後の搬送と、それ以外の搬送とが共に印刷時の搬送である場合、印刷品質を揃えることができる。また、メジャーメント直後の搬送と、それ以外の搬送とが共に微小突起が外周面に形成された搬送駆動ローラーによる搬送である場合、共にテンションがかかった状態で記録媒体Mに微小突起による微小穴が形成されるので、その後の印刷で共に高い印刷品質を得ることができる。
・図2に示した搬送駆動ローラーの外周面に多数の突起に替え、例えば格子状などの所定模様の凹凸(例えばグリッド)、溝又は凸条が形成されていてもよい。凹凸、溝又は凸条であっても、メジャーメント時に搬送部により搬送された記録媒体Mに形成された凹凸、溝、凸条の痕によって、その後、再搬送の際に搬送ローラー対に挟持される記録媒体Mの挟持位置が規制される場合は、メジャーメント直後の搬送と、それ以外の搬送との間で、媒体の搬送位置精度のばらつきを小さく抑えることができる。
・搬送駆動ローラーは、図2に示した外周面に突起、凹凸、溝又は凸条などを有するものに限定されず、平坦な外周面(円弧面)となった搬送駆動ローラーでもよい。この種の外周面が平坦なローラーからなる搬送ローラー対の場合も、その上流側の記録媒体Mの弛みの有無によって搬送位置精度にばらつきが発生するが、メジャーメント後の巻き戻しの実施により、メジャーメント直後の搬送と、それ以外の搬送との間で、媒体の搬送位置精度のばらつきを小さく抑えることができる。
・記録装置は、インクジェット式プリンターに限定されず、ドットインパクト式プリンター、レーザー式プリンターでもよい。さらに、記録装置は、シリアルプリンターに限定されず、ラインプリンター又はページプリンターでもよい。また、記録装置は、印刷機能、スキャナー機能及びコピー機能を備えた複合機でもよい。
・記録媒体は、樹脂製フィルム又は紙に限定されず、金属箔、金属フィルム、樹脂と金属の複合体フィルム(ラミネートフィルム)、織物、不織布、セラミックシートなどであってもよい。また、媒体は、記録媒体に限定されず、記録(印刷)以外の処理が施される媒体であってもよい。
・媒体搬送装置は、記録装置に設けられることに限定されず、印刷以外の処理が施される処理装置に設けられてもよい。記録媒体以外の媒体を搬送するものでもよい。例えば媒体を乾燥処理するため乾燥器内を搬送する乾燥装置に媒体搬送装置を採用してもよい。また、媒体にコーティング又は表面改質処理などの表面処理を施す表面処理装置に媒体搬送装置を採用してもよい。また、媒体にパンチング加工を施す加工装置において媒体搬送装置を採用してもよい。さらに、媒体に無電解メッキを施すメッキ装置において媒体搬送装置を適用してもよい。テープ状の基板に回路を印刷する回路形成装置において媒体搬送装置を適用してもよい。媒体の厚み、表面粗などの測定値を取得する測定装置において媒体搬送装置を採用してもよい。さらに媒体を検査する検査装置において媒体搬送装置を採用してもよい。