JP2013230746A - ブレーキチャンバー - Google Patents

ブレーキチャンバー Download PDF

Info

Publication number
JP2013230746A
JP2013230746A JP2012103325A JP2012103325A JP2013230746A JP 2013230746 A JP2013230746 A JP 2013230746A JP 2012103325 A JP2012103325 A JP 2012103325A JP 2012103325 A JP2012103325 A JP 2012103325A JP 2013230746 A JP2013230746 A JP 2013230746A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
valve
spring
brake
chamber
piston
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2012103325A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6058278B2 (ja
Inventor
Takeo Shimomura
丈夫 下村
Satoaki Nishimura
聡哲 西村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nabtesco Automotive Corp
Original Assignee
Nabtesco Automotive Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nabtesco Automotive Corp filed Critical Nabtesco Automotive Corp
Priority to JP2012103325A priority Critical patent/JP6058278B2/ja
Publication of JP2013230746A publication Critical patent/JP2013230746A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6058278B2 publication Critical patent/JP6058278B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Abstract

【課題】スプリング収容室とサービスブレーキ側圧力室との間にエア流通路を形成するとともにバルブを設置する構成において、構造の簡素化と低コスト化を図る。
【解決手段】ブレーキチャンバー1は、スプリングブレーキ部3と、サービスブレーキ部13とを備えている。スプリングブレーキ部3は、スプリング収容室9とサービスブレーキ側圧力室11との間におけるエア流通路の開閉を行うバルブ25を備えている。バルブ25は、弁体26を備え、この弁体26は、本体部26eと、バルブ室5c内に形成されたシール面5dと接してエア流通路を閉じるシール部26b(フランジ部26a)と、が一部材によって一体的に形成されて成る。
【選択図】図2

Description

本発明は、車両のブレーキ装置を作動させるプッシュロッドをスプリングの付勢力を介して進出させるスプリングブレーキ部と、前記プッシュロッドを圧縮エアの圧力を介して進出させるサービスブレーキ部と、を備えたブレーキチャンバーに関する。
例えば大型自動車用ブレーキシステムにおいては、エアコンプレッサから供給される圧縮空気を制動のエネルギー源とするエアブレーキが用いられている。このエアブレーキは、ブレーキシューを押し広げるプッシュロッドと、このプッシュロッドを駆動する為のブレーキチャンバーとを備えている。
ブレーキチャンバーは、車両走行時における制動用として圧縮空気により車輪を制動するサービスブレーキ部と、パーキングブレーキ用として作動するスプリングブレーキ部とを備えている(特許文献1、2)。
スプリングブレーキ部は、ハウジング内をピストン動作するピストンを有しており、非制動時には圧縮空気の圧力によって強力スプリングが押し縮められ、ピストンがプッシュロッドを押さない状態となっている。そして制動時には圧縮空気が抜かれることで、スプリングの押圧力がピストンを介してプッシュロッドに作用し、これによりブレーキが制動状態となる構造となっている。
サービスブレーキ部は、プッシュロッドを押すプッシュプレートと、圧縮空気の供給によって変形する弾性ダイヤフラムとを備え、圧縮空気の供給により弾性ダイヤフラムが変形することにより、プッシュロッドがプッシュプレートを介して押され、ブレーキが制動状態となる構造となっている。
ところでスプリングブレーキ部は、ピストンによって、強力スプリングを収容する収容空間(以下「スプリング収容室」と言う)と、圧縮空気が出入りする圧力空間とに画設されている。またサービスブレーキ部は、弾性ダイヤフラムによって、圧縮空気が出入りする圧力空間(以下「サービスブレーキ側圧力室」と言う)と、プッシュプレートを収容する空間とに画設されている。
この構造のブレーキチャンバーの一つの問題は、スプリングブレーキ部においてピストンが動いた際、スプリング収容室の容積変化が生じ、即ちスプリング収容室に圧力変化(負圧又は正圧)が生じることである。この圧力変化は、ピストンの動作を阻害する為、好ましくない。この為従来、スプリング収容室を大気に連通させる様に構成されていたものもある。しかしながらこの様な構成であると、スプリング収容室内に水分や塵埃が侵入することにより、スプリングの腐食を招いたり、ピストンの動作障害を招く場合がある。
そこで別の解決策として、特許文献1、2に示される様に、スプリング収容室とサービスブレーキ側圧力室との間にエアの流通路を形成し、双方の間でエアが往来できる様に構成されたものもある。この様な構成によれば、スプリング収容室は外部環境と連通されないので、上述の様な不具合を招くことがない。
特表2003−526571号公報 国際公開第2004/002799号パンフレット
ここで、スプリング収容室とサービスブレーキ側圧力室との間にエア流通路を設ける場合、サービスブレーキ側圧力室からスプリング収容室側へのエアの流れを許容すると、サービスブレーキの作動に問題が生じる。従ってスプリング収容室とサービスブレーキ側圧力室との間にエア流通路を設ける場合には、サービスブレーキ側圧力室からスプリング収容室側へのエアの流れを遮断するバルブを設ける必要があり、その為特許文献1、2記載の構成の様に構造が複雑化し易く、コスト高を招くことになる。
そこで本発明はこの様な状況に鑑みなされたものであり、その目的は、スプリング収容室とサービスブレーキ側圧力室との間にエア流通路を形成するとともにバルブを設置する構成において、構造の簡素化と低コスト化を図ることにある。
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様に係るブレーキチャンバーは、車両のブレーキ装置を作動させるプッシュロッドをスプリングの付勢力を介して進出させるスプリングブレーキ部と、前記プッシュロッドを圧縮エアの圧力を介して進出させるサービスブレーキ部と、を備え、前記スプリングブレーキ部は、前記スプリングによって前記プッシュロッドを押す方向に付勢されるピストンと、前記ピストンを構成するシリンダ部の内側に設けられ、前記スプリングブレーキ部において前記スプリングが収容されるスプリング収容室と、前記サービスブレーキ部において圧縮エアが供給されるサービスブレーキ側圧力室と、の間におけるエア流通路の開閉を行うバルブと、を備え、前記バルブは、前記シリンダ部に設けられたバルブ室と、前記バルブ室内においてピストン動作可能に設けられ、ピストン動作することにより前記エア流通路を開閉する弁体と、を備え、前記弁体は、本体部と、前記バルブ室内に形成されたシール面と接して前記エア流通路を閉じるシール部と、が一部材によって一体的に形成されて成ることを特徴とする。
本態様によれば、スプリング収容室と、サービスブレーキ側圧力室と、の間におけるエア流通路の開閉を行うバルブは、弁体が、本体部と、バルブ室内に形成されたシール面と接して前記エア流通路を閉じるシール部と、が一部材によって一体的に形成されて成るので、従来の構成に比して部品点数が削減され、構造の簡素化と低コスト化を図ることが可能となる。
本発明の第2の態様は、第1の態様において、前記弁体の外周に、エアの流路方向に沿って溝が形成されていることを特徴とする。
本態様によれば、前記弁体の外周に、エアの流路方向に沿って溝が形成されているので、前記エア流通路の断面積を増やすことができ、より円滑にエアを流通させることができる。
本発明の第3の態様は、第1のまたは第2の態様において、前記バルブ室は、前記スプリング収容室側に形成された第1のエア流通孔と、前記サービスブレーキ側圧力室側に形成された第2のエア流通孔と、を有し、前記第1のエア流通孔及び前記第2のエア流通孔の少なくとも一方は、前記弁体のピストン動作方向に開口する様に形成されていることを特徴とする。
本態様によれば、前記バルブ室に形成された、前記第1のエア流通孔及び前記第2のエア流通孔の少なくとも一方は、前記弁体のピストン動作方向に開口する様に形成されているので、前記バルブ室内におけるエアの流れ方向が前記弁体のピストン動作方向により一層沿うこととなり、より円滑なエアフローを実現できる。
本発明の第4の態様は、第1から第3の態様のいずれかにおいて、前記弁体を開弁方向に付勢するバルブスプリングを備え、前記バルブスプリングのばね力は、前記ピストンが前記プッシュロッドを押して前記スプリング収容室内に負圧方向の圧力変化が生じる際、当該圧力変化に抗して前記弁体の開弁状態を維持するばね力に設定されていることを特徴とする。
前記スプリングブレーキ部のスプリングが押し縮められる際、即ち前記スプリング収容室内に正圧方向の圧力変化が生じようとする際には、前記スプリング収容室から前記サービスブレーキ側圧力室に向かうエアフローによって前記弁体は開弁状態が維持される。しかしながら逆方向の場合、即ちスプリングブレーキ部のスプリングが伸長する場合には、前記スプリング収容室内に負圧方向の圧力変化が生じようとするので、前記弁体は閉弁方向に移動しようとする。
このとき、前記バルブスプリングが弁体に負けて押し縮められると、バルブが閉弁状態となり、前記スプリング収容室の負圧を解消させることができない。しかしながら本態様によれば、前記弁体を開弁方向に付勢するバルブスプリングのばね力は、前記ピストンが前記プッシュロッドを押して前記スプリング収容室内に負圧方向の圧力変化が生じる際、当該圧力変化に抗して前記弁体の開弁状態を維持するばね力に設定されているので、前記スプリング収容室の負圧を解消させることができる。
本発明の第5の態様は、第1から第4の態様のいずれかにおいて、前記シール部が、前記シール面に対して凸となる形状を成していることを特徴とする。
本態様によれば、前記シール部が、前記シール面に対して凸となる形状を成しているので、部品精度に左右されることなく、前記バルブの閉弁状態を確実に形成する(エア漏れを防ぐ)ことができる。
本発明の第6の態様は、第1から第5の態様のいずれかにおいて、前記弁体が、弾性材料により形成されていることを特徴とする。
本態様によれば、前記弁体が、弾性材料により形成されているので、より一層確実に、前記バルブの閉弁状態を確実に形成する(エア漏れを防ぐ)ことができる。
本発明の第7の態様は、第6の態様において、前記弾性材料がゴムであることを特徴とする。
本態様によれば、前記弾性材料がゴムであるので、適切な弾性を得ることができ、特に前記シール部が前記シール面に対して確実に密着することができ、より一層確実に、前記バルブの閉弁状態を確実に形成する(エア漏れを防ぐ)ことができる。
本発明に係るブレーキチャンバーの側断面図。 図1のバルブ部分の拡大図。 弁体の正面図。 開弁状態にあるバルブの拡大図(断面図)。 閉弁状態にあるバルブの拡大図(断面図)。
以下、図面に基づいて本発明の実施形態について説明する。尚、以下に説明する実施形態はあくまで本発明の一実施形態であり、本発明を限定するものでないことを前提にして、以下の実施形態を説明する。
図1は、本発明に係るブレーキチャンバー1の側断面図であり、図2は図1のバルブ25部分の拡大図、図3は弁体27の正面図、図4は閉弁状態にあるバルブ25の拡大図(断面図)、図5は開弁状態にあるバルブ25の拡大図(断面図)である。尚、図4及び図5は、ピストン5が図1の状態から或る程度右側に動いた際の状態を示している。
図1において、ブレーキチャンバー1の右側には図示を省略するブレーキ装置が設けられており、このブレーキ装置に対して符号2で示すプッシュロッドが進出することで、ブレーキ装置が備えるブレーキシューが押し広げられ、制動力が生じる様になっている。
このブレーキチャンバー1は、全体が円筒状を成す構造体であり、サービスブレーキ用としてのサービスブレーキ部13と、パーキングブレーキ用としてのスプリングブレーキ部3と、を備えて構成され、サービスブレーキ部13及びスプリングブレーキ部3のいずれかによって、プッシュロッド2がブレーキ装置に向けて押され、進出する様になっている。
スプリングブレーキ部3は、ハウジング4A、4Bが接続されることでスプリング6やピストン5の収容空間が画設されている。スプリングブレーキ部3が備えるピストン5は、フランジ部5aとシリンダ部5bとを有し、フランジ部5aとハウジング4Aとの間に設けられたスプリング6によって、シリンダ部5bがサービスブレーキ部13のプッシュプレート20を押す方向に付勢されている。
ハウジング4A、4Bの内部空間は、フランジ部5aによって、スプリング6が収容されるスプリング収容室9と、その反対側のパーキングブレーキ側圧力室10とに画設されており、両者の間で空気の流通が生じないようにフランジ部5aの外周に設けられたシール31によって気密性が保たれている。
そしてパーキングブレーキ側圧力室10には図示しない圧縮空気供給手段から圧縮空気が供給され、その圧力によって非制動時にはフランジ部5aが図示する様にスプリング6を押し縮めている。そしてパーキングブレーキ操作が行われると、パーキングブレーキ側圧力室10の圧縮空気が抜かれ、スプリング6の付勢力が作用してピストン5がプッシュプレート20を介してプッシュロッド2を押し、ブレーキ制動状態となる。
次に、ハウジング4Aにはリリースボルト7が螺合しており、その一方側端部がピストン5のシリンダ部5b内に入り込んだ状態となっている。リリースボルト7においてシリンダ部5b内に入り込んだ部分の先端にはフランジ部7aが形成されており、リリースボルト7の他方側端部に固着されたナット8を回転させることで、スプリング6の付勢力に抗してピストン5を図の左方、即ちブレーキ解除方向に手動で移動させることができる様になっている。即ち、圧縮空気の供給回路に失陥が生じた場合であっても、手動でブレーキを解除できる様になっている。
一方、サービスブレーキ部13は、スプリングブレーキ部3を構成するハウジング4Bと、ハウジング15と、によってプッシュプレート20及びダイヤフラム19の収容空間が画設されている。プッシュプレート20は、フランジ部21とロッド部22とを備えて成る。
ハウジング4Bとハウジング15との間には、ダイヤフラム19が挟持されており、そしてダイヤフラム19とハウジング4Bとの間に形成されたサービスブレーキ側圧力室11に、図示を省略する圧縮空気供給口から圧縮空気が供給される様になっている。そしてサービスブレーキ側圧力室11に圧縮空気が供給されると、ダイヤフラム19の変形を伴い、プッシュロッド2がプッシュプレート20を介して押され、ブレーキが作動する様になっている。尚、サービスブレーキ側圧力室11及びパーキングブレーキ側圧力室10に供給される圧縮空気は、圧縮空気供給手段が備えるフィルターや乾燥材(不図示)によって湿気、油分、塵埃等の不純物が除去されている。
ハウジング4Bとハウジング15とで画設されたサービスブレーキ部13の内部空間12は、ダイヤフラム19の変形に追従して拡大縮小できる様に、外部と連通する開口部15aが設けられている。このため内部空間12に、開口部15aを介して外部から泥、埃などの異物が侵入し、それがハウジング15内に入り込んで後述するブッシュ部材23の円滑な摺動を阻害する虞がある。しかしながらハウジング15とロッド部22との間には、弾性変形可能な材料(例えば、ゴム)によってドーム形状を成す様に形成されたダストブーツ24が取付固定されており、これによってブッシュ部材23の摺動部位への不純物の侵入が防止されている。
ハウジング15と一体に形成されたシリンダ17には、円環形状を成すブッシュ23が設けられている。ブッシュ23は、接続部材18を介してロッド部22に対して取付固定されており、シリンダ17の内周と摺接しながら、ロッド部22とともにシリンダ17内をピストン動作する。
このブッシュ23は、ロッド部22のピストン動作を安定的に行う為のものであり、本実施形態では樹脂材料で形成され、シリンダ17の内周との間に適切なクリアランスを形成することで、またその移動方向に適切な長さが確保されることで、ロッド部22のシリンダ17に対する傾斜(こじり)を防止する。
次に、スプリングブレーキ部3において符号25は、スプリング収容室9とサービスブレーキ側圧力室11との間におけるエア流通路の開閉を行うバルブである。スプリング収容室9とサービスブレーキ側圧力室11との間におけるエア流通路は、スプリング収容室9側から辿った場合、フランジ部5aに形成された、リリースボルト7の外径より大きな内径で形成された孔5j、シリンダ部5bの内部空間、孔5g(図2)、バルブ室5c(図2)、孔5h(図2)を通ってサービス側圧力室11に至るエア流通路である。
このエア流通路によって、スプリングブレーキ部3においてピストン5が動いた際の、スプリング収容室9の容積変化に伴う圧力変化が解消される。また、スプリング収容室9に水分や塵埃等を含んだ外気が流入することがないので、スプリング6の腐食やピストン5の動作障害を招くことがない。
以上がブレーキチャンバー1の全体構成であり、以下、図2〜図5をも参照しつつバルブ25について更に詳説する。バルブ25は、ブレーキチャンバー1において以下の役割を有する。バルブ25は、何らエア圧が掛からない場合、バルブスプリング28のばね力によって開弁状態を維持している(図2)。
そしてバルブ25は、サービスブレーキ非作動状態から作動状態に切り換わる際、即ちサービスブレーキ側圧力室11に圧縮エアが供給された際に、当該サービスブレーキ側圧力室11からスプリング収容室9への圧縮エアの流れを防止する様に上記エア流通路を閉じる。
またバルブ25は、スプリングブレーキ非作動状態から作動状態に切り換わる際、即ち図1の状態からピストン5がスプリング6のばね力により右方向に動く際(スプリング収容室9の容積が増える場合)、サービスブレーキ側圧力室11からスプリング収容室9へのエアの流れを許容する様に、開弁状態を維持する。そしてバルブ25は、スプリングブレーキ作動状態から非作動状態に切り換わる際、即ちピストン5がサービスブレーキ側圧力室11に供給された圧縮エアの圧力によって図1の左方向に動く際(スプリング収容室9の容積が減る場合)、スプリング収容室9からサービスブレーキ側圧力室11側へのエアの流れを許容する様に、開弁状態を維持する
上記の役割を備えるバルブ25は、図2に示す様に、ピストン5のシリンダ部5bに形成されたバルブ室5cと、バルブ室5c内においてピストン動作可能に設けられ、ピストン動作することによりスプリング収容室9とサービスブレーキ側圧力室11との間のエア流通路を開閉する弁体26と、を備えている。
バルブ収容室5cは大径部5fと、これより内径の小さい小径部5eと、小径部5eと大径部5fとを接続する様に、小径部5eから大径部5fに向かって内径が大きくなる様に円錐面状に形成されたシール面5dと、を備え、即ち内径が非均一に形成されている。そして小径部5eには、弁体26の先端部26dを開弁方向に付勢するバルブスプリング28が挿入されている。また、小径部5eと大径部5fとに渡って弁体26が挿入され、その上で鋼球30が圧入されることにより、バルブ収容室5cが封止された状態となっている。尚、鋼球30はバルブ収容室5cを封止するほか、弁体26の動作ストロークを規制する機能を有する。
バルブ収容室5cには、スプリング収容室9側に形成された、第1のエア流通孔としての孔5gと、サービスブレーキ側圧力室11側に形成された、第2のエア流通孔としての孔5hとが形成されている。このうち、孔5gは、弁体26のピストン動作方向に開口する様に(弁体26のピストン動作方向に穿孔される様に)形成され、シリンダ部5bの内部空間とバルブ収容室5cとを連通させる。尚、弁体26のピストン動作方向とは図1及び図2の左右方向であり、ピストン5のピストン動作方向やプッシュプレート20のピストン動作方向と同じ方向である。
一方、孔5hは、弁体26のピストン動作方向と直交する方向に開口する様に(弁体26のピストン動作方向と直交する方向に穿孔される様に)形成され、サービスブレーキ側圧力室11とバルブ収容室5cとを連通させる。
弁体26は、本体部26eに、外径の最も大きいフランジ部26aを有しており、このフランジ部26aには、バルブ収容室5cのシール面5dと対向する面がシール部26bとして機能する様になっている。即ち、シール部26bがシール面5dに接することによりバルブ25は閉弁状態となり、シール部26bがシール面5dから離れることによりバルブ25は開弁状態となる。尚、フランジ部26aの外径は、バルブ収容室5cの大径部5fの内径より小さく設定されている。
続いて孔5hの外側には、シールカップ29が設けられている。このシールカップ29は、シリンダ部5bの外周に設けられたリング状のシール部材であり、サービスブレーキ側圧力室11と対向する側、およびパーキングブレーキ側圧力室10と対向する側に、凹部29aが形成され、これにより内径部29bと外径部29cとが形成された状態となっている。従って例えば、サービスブレーキ側圧力室11に圧縮エアが供給されると、シールカップ29には凹部29aが拡開する方向の力が作用し、これにより内径部29bがシリンダ部5bの外径に圧接して、サービスブレーキ側圧力室11からバルブ収容室5c内へのエアの流入が遮断される様になっている。
尚、この様にシールカップ29によってサービスブレーキ側圧力室11からバルブ収容室5c内へのエアの流入が遮断されるのは、図2に示す様に孔5hがシールカップ29と対向する領域内に位置する場合である。例えば、図2に示す状態からピストン5が右方向に動き、孔5hがシールカップ29より右側に位置する場合には、孔5hはサービスブレーキ側圧力室11に直に面するので、シールカップ29の上記機能は発揮されない。しかしながらこの場合はバルブ25が機能し、バルブ25を構成する弁体26に形成されたフランジ部26aの図2右側の面(符号26fで示す)が受圧面となり、弁体26はバルブスプリング28の付勢力に抗して図2左方向に動き、閉弁状態となる(図5)。
ところで、上述した様にバルブ25は、何らエア圧が掛からない場合、バルブスプリング28のばね力によって開弁状態を維持している。このバルブスプリング28のばね力は、サービスブレーキ側圧力室11に圧縮エアが供給され、弁体26に閉弁方向の力が作用した際に、当該弁体26が確実に動作して閉弁状態を形成できる様に設定されている(バルブスプリング28の第1条件)。
加えて、スプリングブレーキ非作動状態から作動状態に切り換わる際、即ち図1の状態からピストン5がスプリング6のばね力により右方向に動く際、スプリング収容室9は容積が増大方向となり負圧ぎみとなるが、このとき図4に示す様にバルブ25が開弁状態を維持できる様に、即ち上記負圧に負けて弁体26が動作しない様に、バルブスプリング28の付勢力が設定されている(バルブスプリング28の第2条件)。バルブスプリング28は、上記第1条件と第2条件とを同時に満たすばね力を有している。尚、スプリングブレーキ作動状態から非作動状態に切り換わる際、即ちスプリング収容室9の容積が減少方向となり当該スプリング収容室9内が正圧ぎみとなる場合には、弁体28はその圧を受けて開弁状態を維持する。
以上の構成を備えたバルブ25において、弁体26は、本体部26eと、バルブ室5c内に形成されたシール面5dと接してエア流通路を閉じるシール部26b(フランジ部26a)と、が一部材によって一体的に形成されて成る。より具体的には、本実施形態では弁体26は弾性材の一例であるゴム、更にその一例であるNBR(ニトリルゴム)により形成されている。このため、バルブ25は少ない部品点数で構成することができ、構造の簡素化と低コスト化を図ることが可能となっている。
また、本実施形態では、弁体26の外周に、エアの流路方向に沿って溝26cが形成されている(図3)。従って、エア流通路の断面積を増やすことができ、より円滑にエアを流通させることができる。
また本実施形態では、バルブ収容室5cにおいてスプリング収容室9側に形成された、第1のエア流通孔としての孔5gが、弁体26のピストン動作方向に開口する様に形成されているので、バルブ室5c内におけるエアの流れ方向が弁体26のピストン動作方向により一層沿うこととなり、より円滑なエアフローを実現できる。
また本実施形態では、上述した様にバルブスプリング28のばね力は、ピストン5がプッシュロッド2を押してスプリング収容室9内に負圧方向の圧力変化が生じる際、当該圧力変化に抗して弁体26の開弁状態を維持するばね力に設定されているので(バルブスプリング28の第2条件)、スプリング収容室9内の負圧を解消させることができる。
また本実施形態では、弁体26においてシール部26bが、シール面5dに対して凸となる形状を成している。これにより、部品精度に左右されることなく、バルブ25の閉弁状態を確実に形成する(エア漏れを防ぐ)ことができる。
また本実施形態では、弁体26が、弾性材料(より具体的には、ゴム)により形成されているので、より一層確実に、バルブ25の閉弁状態を確実に形成する(エア漏れを防ぐ)ことができる。
本発明は以上説明した実施形態に限られず、特にバルブ25を構成する弁体26の形状や材料は、種々の実施例を採用することができ、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、それらも本発明の範囲に含まれることは言うまでもない。
1 ブレーキチャンバー
2 プッシュロッド
3 スプリングブレーキ部
4A、4B ハウジング
5 ピストン
5a フランジ部
5b シリンダ部
5c バルブ室
5d シール面
5e 小径部
5f 大径部
5g 孔
5h 孔
5j 孔
6 スプリング
7 リリースボルト
8 ナット
9 スプリング収容室
10 パーキングブレーキ側圧力室
11 サービスブレーキ側圧力室
12 内部空間
13 サービスブレーキ部
15 ハウジング
17 シリンダ
18 接続部材
19 ダイヤフラム
20 プッシュプレート
21 フランジ部
22 ロッド部
23 ブッシュ
24 ダストブーツ
25 バルブ
26 弁体
26a フランジ部
26b シール部
26c 溝部
26d 先端部
26e 本体部
26f 受圧面
27 弁体
28 バルブスプリング
29 シールカップ
29a 凹部
29b 内径部
29c 外径部
30 鋼球
31 シール

Claims (7)

  1. 車両のブレーキ装置を作動させるプッシュロッドをスプリングの付勢力を介して進出させるスプリングブレーキ部と、
    前記プッシュロッドを圧縮エアの圧力を介して進出させるサービスブレーキ部と、を備え、
    前記スプリングブレーキ部は、前記スプリングによって前記プッシュロッドを押す方向に付勢されるピストンと、
    前記ピストンを構成するシリンダ部の内側に設けられ、前記スプリングブレーキ部において前記スプリングが収容されるスプリング収容室と、前記サービスブレーキ部において圧縮エアが供給されるサービスブレーキ側圧力室と、の間におけるエア流通路の開閉を行うバルブと、を備え、
    前記バルブは、前記シリンダ部に設けられたバルブ室と、
    前記バルブ室内においてピストン動作可能に設けられ、ピストン動作することにより前記エア流通路を開閉する弁体と、を備え、
    前記弁体は、本体部と、前記バルブ室内に形成されたシール面と接して前記エア流通路を閉じるシール部と、が一部材によって一体的に形成されて成る、
    ことを特徴とするブレーキチャンバー。
  2. 請求項1に記載のブレーキチャンバーにおいて、前記弁体の外周に、エアの流路方向に沿って溝が形成されている、
    ことを特徴とするブレーキチャンバー。
  3. 請求項1または2に記載のブレーキチャンバーにおいて、前記バルブ室は、前記スプリング収容室側に形成された第1のエア流通孔と、
    前記サービスブレーキ側圧力室側に形成された第2のエア流通孔と、を有し、
    前記第1のエア流通孔及び前記第2のエア流通孔の少なくとも一方は、前記弁体のピストン動作方向に開口する様に形成されている、
    ことを特徴とするブレーキチャンバー。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載のブレーキチャンバーにおいて、前記弁体を開弁方向に付勢するバルブスプリングを備え、
    前記バルブスプリングのばね力は、前記ピストンが前記プッシュロッドを押して前記スプリング収容室内に負圧方向の圧力変化が生じる際、当該圧力変化に抗して前記弁体の開弁状態を維持するばね力に設定されている、
    ことを特徴とするブレーキチャンバー。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載のブレーキチャンバーにおいて、前記シール部が、前記シール面に対して凸となる形状を成している、
    ことを特徴とするブレーキチャンバー。
  6. 請求項1から5のいずれか1項に記載のブレーキチャンバーにおいて、前記弁体が、弾性材料により形成されている、
    ことを特徴とするブレーキチャンバー。
  7. 請求項6に記載のブレーキチャンバーにおいて、前記弾性材料がゴムである、
    ことを特徴とするブレーキチャンバー。
JP2012103325A 2012-04-27 2012-04-27 ブレーキチャンバー Active JP6058278B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012103325A JP6058278B2 (ja) 2012-04-27 2012-04-27 ブレーキチャンバー

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012103325A JP6058278B2 (ja) 2012-04-27 2012-04-27 ブレーキチャンバー

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013230746A true JP2013230746A (ja) 2013-11-14
JP6058278B2 JP6058278B2 (ja) 2017-01-11

Family

ID=49677618

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012103325A Active JP6058278B2 (ja) 2012-04-27 2012-04-27 ブレーキチャンバー

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6058278B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107323443A (zh) * 2017-07-10 2017-11-07 谢洪川 一种下阀体及其高精度制动阀
US10663025B2 (en) 2018-07-31 2020-05-26 Bendix Spicer Foundation Brake Llc Bushing assembly for a spring brake actuator of a vehicle air braking system

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07508483A (ja) * 1993-04-27 1995-09-21 ホランド ニューエイ インターナショナル,インコーポレーテッド 流体作動式ブレーキアクチュエータのためのスプリング室隔離システム
JP2005133945A (ja) * 2003-10-29 2005-05-26 Haldex Brake Corp ブレーキアクチュエータに濾過された乾燥空気を供給するシステム及び方法
JP2007062729A (ja) * 2005-09-01 2007-03-15 Haldex Brake Corp 制御バルブを備えた空気式ブレーキアクチュエータ
JP2008530453A (ja) * 2005-02-09 2008-08-07 ヴアブコ・ゲゼルシヤフト・ミツト・ベシユレンクテル・ハフツング 組合わせばね制動シリンダ−常用制動シリンダ用呼吸装置

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07508483A (ja) * 1993-04-27 1995-09-21 ホランド ニューエイ インターナショナル,インコーポレーテッド 流体作動式ブレーキアクチュエータのためのスプリング室隔離システム
JP2005133945A (ja) * 2003-10-29 2005-05-26 Haldex Brake Corp ブレーキアクチュエータに濾過された乾燥空気を供給するシステム及び方法
JP2008530453A (ja) * 2005-02-09 2008-08-07 ヴアブコ・ゲゼルシヤフト・ミツト・ベシユレンクテル・ハフツング 組合わせばね制動シリンダ−常用制動シリンダ用呼吸装置
JP2007062729A (ja) * 2005-09-01 2007-03-15 Haldex Brake Corp 制御バルブを備えた空気式ブレーキアクチュエータ

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107323443A (zh) * 2017-07-10 2017-11-07 谢洪川 一种下阀体及其高精度制动阀
US10663025B2 (en) 2018-07-31 2020-05-26 Bendix Spicer Foundation Brake Llc Bushing assembly for a spring brake actuator of a vehicle air braking system

Also Published As

Publication number Publication date
JP6058278B2 (ja) 2017-01-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100765302B1 (ko) 제어밸브를 구비한 공기 작동식 브레이크 액튜에이터
JP6474858B2 (ja) 流量無反応二方向制御弁を持つ空気圧ブレーキアクチュエータ
CN105966387B (zh) 制动器室和罩构件
US20070131498A1 (en) Internal air-exchange spring brake chamber
JP2010096348A (ja) スプリングブレーキアクチュエータ用のスリップシールダイアフラム
ES2638822T3 (es) Actuador de freno hermetizado
JP2009509866A (ja) 内部空気逃し手段を備えた常用ブレーキシリンダとばね付勢ブレーキシリンダとの複合体
JP6058278B2 (ja) ブレーキチャンバー
RU2014145512A (ru) Осушитель воздуха для пневматической установки
KR101888497B1 (ko) 차량의 브레이크 시스템용 피스톤 펌프
JP6673988B2 (ja) スプリングブレーキチャンバー及びスプリングブレーキチャンバーのシールリング
US6668862B2 (en) Fluid bearing mechanism
ES2784731T3 (es) Plantilla de calafateo, método de calafateo, y método de fabricar un dispositivo de control de freno para un vehículo
JP5674541B2 (ja) ブレーキチャンバー及びブッシュ部材
JP5086866B2 (ja) 車両用ブレーキ液圧制御装置のリザーバ
JP6039367B2 (ja) スプリングブレーキチャンバー
JP6147487B2 (ja) スプリングブレーキチャンバー
KR200278665Y1 (ko) 브레이크 마스터 실린더
CN215861764U (zh) 排气阀
KR101093895B1 (ko) 자동차용 브레이크 챔버의 물 유입 방지구조
KR20160043272A (ko) 차량 제동장치의 피스톤 펌프
JP2012218709A (ja) ブレーキチャンバー及びブーツ部材
WO2020021297A1 (en) Brake actuator for a vehicle, in particular commercial vehicle
KR20200077444A (ko) 밸브 시트를 구비한 체크 밸브
JP2017019504A (ja) スプリングブレーキチャンバー

Legal Events

Date Code Title Description
A625 Written request for application examination (by other person)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A625

Effective date: 20150327

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160219

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160302

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160419

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160810

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160929

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20161109

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20161207

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6058278

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250