JP2013230126A - 食塩およびアルコールを含有する調味料 - Google Patents

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Abstract

【課題】塩カドが緩和された、食塩およびアルコールを含有する調味料の提供。
【解決手段】D−アミノ酸またはその塩を含有させてなる、食塩およびアルコールを含有する調味料を用いる。
【選択図】なし

Description

本発明は、食塩およびアルコールを含有する調味料に関し、さらに詳細にはD−アミノ酸またはその塩を含有させてなる食塩およびアルコールを含有する調味料に関する。
みりんは、飲食品に使用した際に、好ましい香味の付与、甘味、うま味の付与、てり、つやの付与、臭みのマスキング、煮崩れ防止、調味成分の食材への浸透性向上等の様々な調理効果を奏する調味料として知られている。みりんは、製造工程において微生物によるアルコール発酵工程を有さないが、製品中にアルコールを含有し、酒税法上、酒類に分類される。
一方、発酵調味料(醸造調味料ともいう)は、製造の過程で微生物によるアルコール発酵工程を含み、製品中にもアルコールを含有するが、酒類のような製造法及び原料等の規定がないことから、その用途により種類も多い。しかし、発酵調味料は、食塩(塩化ナトリウム)を加える不可飲処置が行われることにより、酒税法上、酒類ではなく食品に分類される。すなわち、発酵調味料は食塩を含有する点でみりんとは異なる。
不可飲処置として添加される食塩の量は、酒税法により定められており、発酵調味料中のアルコール濃度による。例えば、10%のアルコールを含有する発酵調味料では、食塩濃度が1.5重量%となるように添加される。このため、発酵調味料を飲食品の製造に用いる場合、必要に応じて添加される食塩の量は、発酵調味料中に含有する食塩の量を差し引いて添加される。
発酵調味料自体が飲用されることはないが、飲食品に使用した際に塩カドを与えにくいものであれば、みりんには難しい用途のさらなる多様化も期待できる。
食塩含有調味料の塩カドを緩和する方法としては、シュクラロース等の甘味料を用いる方法(例えば、特許文献1参照)、食酢およびチアミンラウリル硫酸塩を用いる方法(例えば、特許文献2参照)等が挙げられる。しかし、これら従来の方法では甘味料や有機酸等によりいずれも発酵調味料だけでなく、当該発酵調味料を添加した飲食品の味のバランスを崩す可能性があった。
このような状況から、塩カドが少なく、かつ添加した飲食品の味のバランスを崩しにくい発酵調味料が望まれている。
特開平8−205814号公報 特開2006−320227号公報
本発明者らは、D−アミノ酸またはその塩を、食塩およびアルコールを含有する調味料に含有させることにより、該調味料の塩カドを緩和することができ、該調味料を飲食品に含有させた場合においても、飲食品の味のバランスを崩しにくいことを見出した。本発明がこれらの知見に基づくものである。
本発明は、塩カドが緩和された食塩およびアルコールを含有する調味料および該調味料の製造方法を提供することをその目的とする。
本発明によれば、以下の発明が提供される。
(1)D−アミノ酸またはその塩を含有させてなる、食塩およびアルコールを含有する調味料。
(2)D−アミノ酸またはその塩をアルコールおよび食塩を含有する調味料に含有させる工程を含む、食塩およびアルコールを含有する調味料の製造方法。
本発明によれば、該調味料の塩カドが緩和された食塩およびアルコールを含有する調味料を提供することができ、また該調味料を飲食品に含有させた場合においても、飲食品の味のバランスを崩しにくい調味料を提供することができる。
発明の具体的説明
食塩およびアルコールを含有する調味料
本発明の食塩およびアルコールを含有する調味料は、D−アミノ酸またはその塩を含有させてなる食塩およびアルコールを含有する調味料である。
本発明の食塩およびアルコールを含有する調味料に含有させるD−アミノ酸は、飲食品への添加が許容されるD−アミノ酸であれば、特に制限はないが、例えば、D−オルニチン、D−メチオニン、D−フェニルアラニン、D−グルタミン、D−ヒスチジン、D−リジン、D−アスパラギン酸、D−トリプトファン、D−アスパラギン、D−トレオニン、D−バリン、D−プロリン、D−ロイシン、D−アラニン、D−グルタミン酸、D−アルギニン、D−システイン、D−イソロイシン、D−セリン、またはD−チロシンが挙げられ、好ましくはD−トリプトファン、D−アスパラギン酸、D−ロイシン、D−フェニルアラニン、D−グルタミン、D−ヒスチジン、D−アスパラギン、D−アラニン、D−バリン、D−グルタミン酸、またはD−プロリンが挙げられ、より好ましくはD−トリプトファン、D−アスパラギン酸、またはD−ロイシンが挙げられる。
D−アミノ酸の塩は、飲食品への添加が許容される塩であれば特に制限はなく、例えば、酸付加塩、金属塩、アンモニウム塩、有機アミン付加塩、アミノ酸付加塩等が挙げられる。
酸付加塩としては、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩等の無機酸塩、酢酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、クエン酸塩、リンゴ酸塩、乳酸塩、α−ケトグルタル酸塩、グルコン酸塩、カプリル酸塩等の有機酸塩が挙げられる。金属塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、マグネシウム塩、カルシウム塩等のアルカリ土類金属塩、アルミニウム塩、亜鉛塩等が挙げられる。アンモニウム塩としては、アンモニウム、テトラメチルアンモニウム等の塩が挙げられる。有機アミン付加塩としては、モルホリン、ピペリジン等の塩が挙げられる。アミノ酸付加塩としては、グリシン、フェニルアラニン、リジン、アスパラギン酸、グルタミン酸等の塩が挙げられる。
本発明ではD−アミノ酸またはその塩を単独で用いてもよいが、二種以上を組み合わせて用いてもよい。二種以上を組み合わせて用いる場合は、各D−アミノ酸をどのように組み合わせてもよい。D−アミノ酸の組み合わせに含まれるアミノ酸の一または二以上をそのアミノ酸の塩と置き換えて組み合わせてよく、もしくはそのアミノ酸の塩を追加してもよい。
本発明の調味料に含有させるD−アミノ酸は、好ましくはD−トリプトファン、D−アスパラギン酸、D−ロイシン、D−フェニルアラニン、D−グルタミン、D−ヒスチジン、D−アスパラギン、D−アラニン、D−バリン、D−グルタミン酸、およびD−プロリンからなる群から選択される一種または二種以上であり、より好ましくはD−トリプトファン、D−アスパラギン酸、およびD−ロイシンからなる群から選択される一種または二種以上である。
本発明の調味料に含有させるD−アミノ酸の含有量は、本発明の効果を奏する限り特に限定されるものではないが、好ましくは0.001質量%以上であり、より好ましくは0.005〜1質量%であり、さらに好ましくは0.01〜1質量%であり、より一層好ましくは0.1〜1質量%である。
複数のD−アミノ酸またはその塩が調味料に含有する場合には、上記D−アミノ酸またはその塩の含有量は、D−アミノ酸またはその塩の合計量を表す。
本発明の調味料中のD−アミノ酸またはその塩の含有量は、例えば、ガスクロマトグラフィー(分析方法については、例えばH.Frank,G.J.Nicholson,E.Bayer: J.Chromatogr.Sci.,15,174(1977)Rapid gas chromatographic separation of amino acid enantiomers with a novel chiral stationary phaseに記載の方法が挙げられる)によって特定することができる。
上述の本発明のD−アミノ酸またはその塩を含有させることができる調味料は、食塩およびアルコールを含有する調味料であれば特に限定されるものではない。例えば、醤油、魚醤、ソース、ドレッシング、酒粕、塩麹、または発酵調味料が、挙げられるが、好ましくはアルコールを1質量%以上、好ましくは2〜25質量%含有する調味料であり、より好ましくは発酵調味料である。ここで、発酵調味料(醸造調味料ともいう)とは、製造の過程で微生物によるアルコール発酵工程を含み、製品中にもアルコールを含有するが、酒類のような製造法および原料等の規定がない調味料をいう。
本発明の調味料(好ましくは、発酵調味料)中の食塩の含有量は、特に限定されないが、好ましくは0.15質量%以上であり、より好ましくは1質量%以上であり、さらに好ましくは2質量%以上である。本発明の調味料中の食塩の含有量の上限は、特に限定されないが、10質量%未満であることが好ましく、5質量%未満であることがより好ましく、3質量%未満であることがさらに好ましい。
本発明の調味料(好ましくは、発酵調味料)中の食塩の含有量は、好ましくは0.15質量%以上10質量%未満であり、より好ましくは1質量%以上5質量%未満であり、さらに好ましくは2質量%以上3質量%未満である。
本発明の調味料(好ましくは、発酵調味料)中のアルコールおよび食塩の含有量は、好ましくはアルコールが1質量%以上であり、かつ食塩が0.15質量%以上10質量%未満であり、より好ましくはアルコールが2〜25質量%であり、かつ食塩が1質量%以上5質量%未満(好ましくは、2質量%以上3質量%未満)である。
本発明の調味料(好ましくは、発酵調味料)中には、本発明の効果を奏するのに妨げとならない限り、本発明の調味料に含有させるD−アミノ酸またはその塩以外のL体のグルタミン酸ナトリウム、グリシン、アラニン等のアミノ酸類、カリウム、マグネシウム等の無機塩、アスコルビン酸、フマル酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、乳酸、コハク酸、脂肪酸等のカルボン酸等の酸、イノシン酸ナトリウム、グアニル酸ナトリウム等の核酸、ショ糖、ブドウ糖、乳糖等の糖類、蛋白質加水分解物等の天然調味料、畜肉エキス等のエキス類、スパイス類、ハーブ類等の香辛料、デキストリン、各種澱粉等の賦形剤等、飲食品に使用可能な添加物を含有してもよい。
本発明の調味料の好ましい態様によれば、D−アスパラギン酸またはD−トリプトファンを0.1〜1質量%含有させてなる食塩およびアルコールを含有する調味料が提供される。
食塩およびアルコールを含有する調味料に、上記のD−アミノ酸またはその塩を含有させることにより、食塩およびアルコールを含有する調味料の塩カドを緩和することができる。また、D−アミノ酸またはその塩を含有させてなる食塩およびアルコールを含有する調味料を、飲食品に含有させることにより、飲食品中の味のバランスを保つことができる。本発明の調味料を含有させることができる飲食品は、例えば、下記に列挙された飲食品であってもよい。本発明の調味料を、飲食品に含有させるとは、本発明の調味料を飲食品に添加してもよいし、飲食品を本発明の調味料に添加してもよい。飲食品を本発明の調味料に添加するとは、例えば、本発明の調味料が既に存在する容器等に、飲食品を加える態様も含まれる。
本発明の調味料は、下記の調味料の製造方法によって製造されてもよいが、それに限定されるものではなく、食塩およびアルコールを含有する調味料にD−アミノ酸またはその塩を含有させることができればいかなる方法で製造されてもよい。
食塩およびアルコールを含有する調味料の製造方法
本発明の食塩およびアルコールを含有する調味料の製造方法は、D−アミノ酸またはその塩を含有させる工程を含む該調味料の製造方法である。本発明の調味料の製造方法において含有させるD−アミノ酸は、上記の本発明の調味料に用いられるD−アミノ酸であってよく、またD−アミノ酸またはその塩を調味料に含有させる量は、上記本発明の調味料に含まれるD−アミノ酸またはその塩の含有量となる量であってよい。D−アミノ酸またはその塩を、食塩およびアルコールを含有する調味料に含有させる工程とは、食塩およびアルコールを含有する調味料に該D−アミノ酸またはその塩を添加してもよく、該D−アミノ酸またはその塩に食塩およびアルコールを含有する調味料を添加してもよい。本発明の調味料は、アルコールおよび食塩を含有する調味料にD−アミノ酸を含有させることにより製造することができる。
アルコールおよび食塩を含有する調味料は、例えば、ブドウなどの果実、糖蜜、グルコース、イモ類、穀類(そば、米、麦、あわ、とうもろこし、こうりゃん、きび、ひえ、大豆等)等を糖源と、酵母、麹等の微生物による発酵工程を経て製造するアルコール含有組成物の製造工程中に食塩を含有させることにより製造することができる。該アルコール含有組成物に、必要に応じてろ過、蒸留等の操作を行った後に食塩を含有させてもよい。
アルコールおよび食塩を含有する調味料としては、市販の発酵調味料を用いてもよく、また、市販のアルコール飲料(焼酎、ウイスキーなどの蒸留酒、ワイン、清酒等)に、上記数値範囲となるように食塩を添加したものを用いてもよい。
D−アミノ酸またはその塩を、アルコールおよび食塩を含有する調味料に含有させる時期は、本発明の効果を奏する限り限定されるものではなく、本発明の調味料の製造工程のいずれの時期に含有させてもよいし、製造後の本発明の調味料に、D−アミノ酸またはその塩を含有させてもよいが、例えば、該調味料を製造する原料にあらかじめD−アミノ酸またはその塩を含有させる方法、該調味料の製造におけるいずれかの工程、例えばもろみの製造工程においてD−アミノ酸またはその塩を含有させてもよく、製造後の該調味料にD−アミノ酸またはその塩を含有させてもよい。
本発明の調味料の製造工程において含有させるD−アミノ酸は、D−アミノ酸の既存の製造方法、例えば、特開平11−103887号公報に記載された方法に従って、D、L−アミノ酸に、Crotalus adamanteus由来のL−アミノ酸酸化酵素を作用させて該D、L−アミノ酸中のL−アミノ酸をオキソ酸に分解し、残存するD−アミノ酸を分離して調製して得てもよいが、市販のものを用いてもよい。
アルコールおよび食塩を含有する調味料にD−アミノ酸またはその塩を含有させる方法としては、D−アミノ酸またはその塩自体を含有させる方法の他に、本発明の調味料の製造工程中にD−アミノ酸に変換する物質を加える方法も挙げられる。例えば、アルコールおよび食塩を含有する調味料の製造中、または製造後にアミノ酸ラセマーゼを作用させて、該調味料中にD−アミノ酸を含有させる方法が挙げられる。また、D−アミノ酸またはその塩をアルコールおよび食塩を含有する調味料に加え、更にアルコールおよび食塩を含有する調味料の製造工程中にD−アミノ酸に変換する物質を加えて、例えば、アミノ酸ラセマーゼを作用させ、アルコールおよび食塩を含有する調味料中に存在するD−アミノ酸またはその塩の含有量を増加させることができる。
また、本発明の別の態様によれば、食塩およびアルコールを含有する調味料並びにD−アミノ酸またはその塩を含有させる工程を含む、食塩およびアルコールを含有する調味料入り飲食品の製造方法を提供することができる。食塩およびアルコールを含有する調味料入り飲食品を製造するためには、本発明の調味料を飲食品に含有させても、あるいはD−アミノ酸またはその塩と食塩およびアルコールを含有する調味料とを別々に飲食品に含有させてもよく、また別々に含有させる場合にはD−アミノ酸またはその塩並びに食塩およびアルコールを含有する調味料のいずれかを先に含有させ、他方を後に含有させても良い。また、みりん入り飲食品を製造するために用いられる飲食品は、例えば、下記の飲食品が挙げられる。
飲食品
本発明の別の態様によれば、上記本発明の食塩およびアルコールを含有する調味料を含有させてなる、食塩およびアルコールを含有する調味料入り飲食品が提供される。該調味料入り飲食品は上記の製造方法により製造することができるが、上記の方法に限定されるものではなく、D−アミノ酸またはその塩、並びに食塩およびアルコールを含有する調味料を、飲食品に含有されることができればどのような方法であってもよい。
本発明の調味料を含有させることができる飲食品は、特に限定されないが、例えば、照り焼き、漬け焼き、オムレツ、焼きハンバーク、しょうが焼きなどの焼き物、すき焼き、おでんなどの鍋物、煮付け、佃煮シチュー、スープ、カレー、煮込みハンバーグ、角煮などの煮物、竜田揚げ、大学芋フライ、唐揚げなどの揚げ物、焼きそば、酢豚などの炒め物、シュウマイなどの蒸し物、親子丼、カツ丼、炊き込みご飯などのご飯物、ラーメンなどの麺類、めんつゆ、みたらしだれなどのつゆ・たれ物など、カステラなどの菓子類が挙げられる。
本発明の調味料を含有させることができる飲食品中のD−アミノ酸またはその塩の含有量は、本発明の効果を奏する限り特に限定されるものではないが、例えば、飲食品に対して、好ましくは0.000001〜0.5質量%であり、より好ましくは0.00001〜0.3質量%であり、さらに好ましくは0.0001〜0.1質量%である。本発明の調味料を含有させることができる飲食品中のD−アミノ酸またはその塩は、上記本発明の調味料に含まれるD−アミノ酸またはその塩であってもよい。
調味料の塩カド緩和方法
本発明の別の態様によれば、D−アミノ酸またはその塩を、食塩およびアルコールを含有する調味料に含有させる、食塩およびアルコールを含有する調味料の塩カド緩和方法が提供される。ここで、塩カドとは、食塩の突出した塩味である。
D−アミノ酸またはその塩を、食塩およびアルコールを含有する調味料に含有させることにより、塩カドが緩和することが好ましい。
本発明の塩カド緩和方法におけるD−アミノ酸またはその塩を、食塩およびアルコールを含有する調味料に含有させる方法としては、本発明の食塩およびアルコールを含有する調味料の製造方法に準じて含有させることができる。すなわち、D−アミノ酸またはその塩を含有させる時期、含有させる量は、本発明の食塩およびアルコールを含有する調味料の製造方法と同じあってよい。また、D−アミノ酸またはその塩を含有させる態様についても、本発明の食塩およびアルコールを含有する調味料の製造方法と同じであってもよく、食塩およびアルコールを含有する調味料の製造中、または食塩およびアルコールを含有する調味料の製造後にアミノ酸ラセマーゼを作用させて、本発明の調味料中にD−アミノ酸を含有させることも含まれる。さらに、本発明の塩カド緩和方法は、D−アミノ酸またはその塩を含有させてなる食塩およびアルコールを含有する調味料を、飲食品に含有させてなる飲食品の塩カド緩和方法であってもよい。また、該飲食品中に含まれるD−アミノ酸またはその塩、およびその含有量は、D−アミノ酸またはその塩を含まない調味料を含有させた飲食品に含まれるD−アミノ酸またはその塩、およびその含有量と同じであってもよい。
塩カド緩和剤
本発明の別の態様によれば、D−アミノ酸またはその塩を有効成分として含有する、塩カド緩和剤が提供される。
本発明の塩カド緩和剤に含まれるD−アミノ酸やその塩、およびその含有量は、上述の本発明の調味料に含まれるD−アミノ酸やその塩、およびその含有量と同じであってよい。
本発明の別の態様によれば、上記の食塩およびアルコールを含有する調味料と、D−アミノ酸またはその塩とを含有させてなる飲食品の塩カド緩和剤が提供される。食塩およびアルコールを含有する調味料と、D−アミノ酸またはその塩とを飲食品に含有させることにより、飲食品の塩カドを緩和することができる。
以下に本発明の実施例を示すが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、以下、「%」とある場合には、いずれも質量%を表す。
実施例1
以下に示したD-アミノ酸について、それぞれ1質量%の水溶液を調製し、pH6.0に調整した。
[評価したD−アミノ酸(その3文字表記)]
D−フェニルアラニン(Phe)
D−グルタミン(Gln)
D−ヒスチジン(His)
D−アスパラギン酸(Asp)
D−トリプトファン(Trp)
D−アスパラギン(Asn)
D−バリン(Val)
D−プロリン(Pro)
D−ロイシン(Leu)
D−アラニン(Ala)
D−グルタミン酸(Glu)
市販の発酵調味料(アルコール濃度:10.5%、塩分濃度:1.6質量%、キリン協和フーズ社製)に、上記D−アミノ酸を添加し、それぞれの添加量が、該発酵調味料に対して、最終濃度として0.5質量%となるように添加した。
得られた各発酵調味料をめんつゆ(キッコーマン濃口醤油12質量%、キリン協和フーズ製素だし5質量%、水73質量%、食塩濃度1.7%)に10質量%添加し、下記表1に記載の濃度となるようにめんつゆに添加した。その後、めんつゆの塩カド(食塩の突出した塩味)の強さについて官能評価を行った。
評価は、D−アミノ酸を添加しないめんつゆの塩カドを4点とする7点評点法により、3名のパネラーにより行った。
スコア(評点)が高ければめんつゆの塩カドが強く、スコアが低ければめんつゆの塩カドが弱いことを意味する。
評価結果(3名のパネラーの評点の平均値)を下記表1に示す。
Figure 2013230126
上記表1に示すとおり、D−トリプトファン、D−アスパラギン酸、またはD−ロイシンを添加して得られた発酵調味料は、それぞれ塩カドが特に抑制されたものであった。
実施例2
実施例1において塩カドの抑制効果の高かったD−アミノ酸からD−トリプトファンおよびD−アスパラギン酸を選択し、それぞれ0.5質量%となるように発酵調味料に添加した。
また、D−トリプトファン、D−アスパラギン酸の代わりにL−トリプトファン、L−アスパラギン酸をそれぞれ0.5質量%となるように発酵調味料に添加した。
また、各アミノ酸の代わりに、ステビアを0.25質量%となるように発酵調味料に添加した。
得られた各発酵調味料をめんつゆ(キッコーマン濃口醤油12質量%、キリン協和フーズ製素だし5質量%、水73質量%、食塩濃度1.7%)に10質量%添加し、下記表2に記載の濃度となるようにめんつゆに添加した。
得られた各めんつゆの塩カドについて、D−アミノ酸を添加しない発酵調味料を含むめんつゆの塩カドを4点とする7点評点法により、実施例1記載の方法に準じて官能評価した。
また、あわせて各めんつゆの甘さの質(後味の悪さ)についても、3名のパネラーにより、D−アミノ酸を添加しないめんつゆの甘さの質を4点とする7点評点法により、官能評価した。スコアが高ければ甘さの質が良く、低ければ甘さの質が悪いことを示す。
評価結果(3名のパネラーの評点の平均値)を下記表2に示す。
Figure 2013230126
上記表2に示すとおり、D−アミノ酸を0.5質量%含有する発酵調味料を用いて得られためんつゆは、塩カドが少なく、かつ塩カドを緩和する効果のある甘味料を添加して得られためんつゆと比較して、甘さの質の低下の少ないものであった。

Claims (2)

  1. D−アミノ酸またはその塩を含有させてなる、食塩およびアルコールを含有する調味料。
  2. D−アミノ酸またはその塩を、アルコールおよび食塩を含有する調味料に含有させる工程を含む、食塩およびアルコールを含有する調味料の製造方法。
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