JP2013229934A - 信号処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】奇数次、偶数次高調波をリアルタイムに発生させる信号処理装置を提供する。
【解決手段】高調波発生部14は、入力信号xのべき乗(3乗および4乗)演算を行う。3乗演算により入力信号xの1次(基音)成分、3次(3倍音)成分が生成され、4乗演算により入力信号xの0次(直流)成分、2次(2倍音)成分、4次(4倍音)成分が生成される。出力信号yは、後段のバンドパスフィルタにより、不要帯域が除かれ、奇数次、偶数次高調波が入力信号に加算される。
【選択図】図3

Description

この発明は、入力された信号に種々の演算を行う信号処理装置に関し、特に低域成分を拡張する技術に関する。
口径の小さいスピーカは、物理的に低域成分を出力することができない場合がある。そこで、低域成分の高調波を発生させて元の信号に加算することにより、ミッシングファンダメンタルと言われる現象を利用して、物理的には出力されていない低域成分が出力されているように聴取させる技術が用いられている(例えば特許文献1参照)。
特表平11−509712号公報
高調波は、入力信号をクリップさせるあるいは整流を行う、等の手法で発生させることができるが、これらの2手法では、奇数次あるいは偶数次の成分しか発生しないという課題がある。一方、積分演算であれば奇数次、偶数次の成分ともに発生させることもできるが、応答性が悪いという課題がある。
そこで、この発明は、奇数次および偶数次の高調波をリアルタイムに発生させることができる信号処理装置を提供することを目的とする。
この発明の信号処理装置は、オーディオ信号を入力する入力部と、入力部からオーディオ信号を取得する取得部と、べき乗演算を行うべき乗演算部と、べき乗演算部の出力信号を入力部のオーディオ信号に加算して出力する加算手段と、を備えている。べき乗演算部は、取得部で取得したオーディオ信号に、例えば3乗および4乗演算を行う。cosの3倍角および4倍角公式によると、3乗演算により入力信号の1次(基音)成分、3次(3倍音)成分が生成され、4乗演算により入力信号の0次(直流)成分、2次(2倍音)成分、4次(4倍音)成分が生成される。したがって、これらの信号を加算することにより、奇数次および偶数次の高調波をリアルタイムに発生させることができる。なお、直流成分は後段のハイパスフィルタ等で取り除けばよい。
ミッシングファンダメンタルの効果は、倍音成分の差周波数(実際には存在しない低音)を感知するというものであるため、偶数次成分(または奇数次成分)のみを単独で元の信号に加えたとしても、差周波数は元の周波数の2倍となり、ファンダメンタル(基音)の感知はやや劣ることになる。しかし、本発明では、奇数次および偶数次両方の高調波を元の信号に加えるため、差周波数が基音と一致し、低音の量感を強く感知させることが可能となる。
また、上記発明において、取得部で取得したオーディオ信号のダイナミックレンジ圧縮を行い、圧縮信号を生成する圧縮部を備える態様も可能である。この場合、べき乗演算部は、前記圧縮信号と前記取得部で取得したオーディオ信号を乗算することにより行う。例えば、3乗演算であれば、圧縮信号を自乗し、これに前記取得部で取得したオーディオ信号を乗算する。単に信号をべき乗すると振幅値もべき乗されるため、ダイナミックレンジが非常に大きな信号となってしまうが、圧縮信号をべき乗することにより、べき乗後の信号のダイナミックレンジを抑えることができる。なお、圧縮信号だけをべき乗すると、逆にダイナミックレンジが圧縮され過ぎたり、歪み感が増してしまう可能性もあるため、元の信号(取得部で取得したオーディオ信号)をある程度乗算する信号として用いる態様としている。
なお、上記のようなダイナミックレンジ圧縮は、べき乗演算後の信号について行ってもよい。この場合、加算手段は、ダイナミックレンジ圧縮されたべき乗演算後の信号を前記入力部に入力したオーディオ信号に加算して出力する。入力信号のレベルが低く、べき乗演算後の信号のレベルが低すぎる場合、低域拡張の効果が得られない(聴感上、ミッシングファンダメンタルの効果を感じない)、または入力信号のレベルが高すぎる場合、べき乗演算後の信号のレベルが高すぎて歪み音として認識されるおそれがあるが、ダイナミックレンジ圧縮されたべき乗演算後の信号を元のオーディオ信号に加算する態様とすることで、低域の音圧感を好適に補うことができる。
さらに、ダイナミックレンジ圧縮は、入力された信号を時間軸上で平滑化(例えば移動平均)し、この平滑化した信号に基づいて、ゲイン調整値を算出し、算出したゲイン調整値で入力された信号のレベルを調整する態様としてもよい。入力された信号のレベルが急激に上昇または急激に低下した場合、ダイナミックレンジが急激に変化し、圧縮による歪み音が目立つおそれがあるが、移動平均した信号でゲイン調整を行うことで、入力された信号に急激なレベル上昇やレベル低下があったとしても、ダイナミックレンジ圧縮の態様が急激に変化することがないため、圧縮による歪み音を目立たなくすることができる。
また、信号処理装置は、前記取得部で取得したオーディオ信号のレベルを検出するレベル検出部と、前記べき乗演算部と前記加算手段との間に設けられ、オーディオ信号の低域を抽出して出力する低域抽出部と、前記低域抽出部の低域抽出機能を有効又は無効とする制御を行う制御部と、を備え、前記制御部は、前記レベル検出部がオーディオ信号のレベルが所定値以上である場合、前記低域抽出部の低域抽出機能を無効とし、前記レベル検出部がオーディオ信号のレベルが所定値未満である場合、前記低域抽出部の低域抽出機能を有効としてもよい。
オーディオ信号のレベルが大きくなるにつれて、べき乗演算部により生成される高調波のレベルも大きくなるが、この構成では、オーディオ信号のレベルが大きい場合、高調波は低域抽出部を通過しにくくなる。
また、前記オーディオ信号は、センタチャンネルを含む複数のチャンネルのオーディオ信号からなり、前記レベル検出部は、前記センタチャンネルのオーディオ信号のレベルを検出してもよい。
この構成では、セリフを多く含むセンタチャンネルのレベルが大きい場合、すなわちセリフが検出された場合、高調波は低域抽出部を通過しにくくなる。したがって、セリフは、高調波の影響を受けにくくなる。
この発明によれば、奇数次および偶数次の高調波をリアルタイムに発生させることができる。
スピーカ装置の構成を示したブロック図である。 信号処理部の構成を示したブロック図である。 高調波発生部の構成を示したブロック図である。 DRCテーブルの一例を示した図である。 ダイナミックレンジ圧縮部の構成を示したブロック図である。 高調波成分が加算された場合の信号の変化(時間軸の信号の変化)を示した図である。
本発明の信号処理装置に係る実施形態について説明する。図1は、本発明の信号処理装置を内蔵したスピーカ装置の構成を示すブロック図である。スピーカ装置は、入力部1、信号処理部2、および放音部3を備えている。
入力部1には、複数チャンネル(C:センタチャンネル、L:フロント左、R:フロント右、SL:サラウンド左、SR:サラウンド右、SBL:サラウンドバック左、SBR:サラウンドバック右、LFE:サブウーファ)のオーディオ信号が入力される。なお、チャンネル数は、同図に示す7.1chに限るものではなく、さらに多数のチャンネルが入力される例であってもよいし、モノラルであってもよい。
信号処理部2は、本発明の信号処理装置に相当し、入力部1から入力されたオーディオ信号Sinに低域拡張処理を施し、放音部3にオーディオ信号Soutとして出力する。放音部3は、信号処理部2から入力されたオーディオ信号Soutに音場付与処理等を施し、増幅した後にスピーカ(不図示)から音声を放音する。スピーカは、各チャンネルに対応して独立して設けられたものであってもよいし、多数の小口径スピーカユニットを配列したスピーカアレイであってもよい。スピーカアレイである場合、各チャンネルのオーディオ信号をすべて(または一部)のスピーカユニットに分配してディレイ制御することにより、放音した音声をビーム化して聴取者に直接、または壁面を反射して到達させるものであってもよい。
図2は、信号処理部2の構成を示すブロック図である。図中左側に示す「Lch in」等の表記は、各チャンネルのオーディオ信号の入力を示し、入力部1から入力されるオーディオ信号(Sin)を示す。図中右側に示す「Lch out」等の表記は、各チャンネルのオーディオ信号の出力を示し、放音部3に出力されるオーディオ信号(Sout)を示す。
取得部11は、各チャンネルのオーディオ信号を取得し、これらオーディオ信号を加算してLPF12に出力する。このとき、取得部11は、加算したチャンネル数で加算後のオーディオ信号を除算し、正規化しておくものとする。なお、チャンネル間の加算レベルは同一であってもよく、一部のチャンネルのレベルを上昇させてから加算し、一部のチャンネルを強調するようにしてもよい。また、すべてのチャンネルのオーディオ信号を加算する例に限らず、一部のチャンネルのオーディオ信号を加算する例であってもよい。
LPF12は、ローパスフィルタであり、取得部11から出力されたオーディオ信号の遮断周波数以上の帯域成分を減衰させてHPF13に出力する。LPF12は、例えば2次のIIRフィルタにより実現される。
HPF13は、ハイパスフィルタであり、LPF12から出力されたオーディオ信号の遮断周波数以下の帯域成分を減衰させて高調波発生部14に出力する。HPF13も、例えば2次のIIRフィルタにより実現される。
LPF12およびHPF13により、バンドパスフィルタが実現され、オーディオ信号の一部帯域のみが抽出され、信号Saとして高調波発生部14に出力される。なお、バンドパスフィルタとしての通過帯域は、拡張すべき低音の帯域に応じて設定する。例えば、スピーカが出力することが可能である最低周波数が100Hzであるとき、LPF12の遮断周波数を100Hzとする。また、HPF13の遮断周波数は、聴感特性に応じて設定すればよい(例えば20Hzとする)。
高調波発生部14は、HPF13から出力された信号Saの高調波を生成し、信号SbとしてLPF15に出力する。図3に示すように、高調波発生部14は、絶対値演算部(ABS)141、移動平均演算部142、ゲイン計算部143、レベル調整部144、3乗演算部145、および4乗演算部146を備えている。
入力信号(HPF13から出力された信号)Saは、絶対値演算部141、レベル調整部144、3乗演算部145、および4乗演算部146にそれぞれ入力される。
絶対値演算部141は、入力信号Saの振幅の絶対値を算出し、移動平均演算部142に出力する。移動平均演算部142は、絶対値化された値の移動平均(例えば数サンプル〜数百サンプル程度の移動平均)を算出する。これにより、包絡線に類似した成分が抽出される。なお、移動平均に限らず、時間軸の平滑化であれば他の演算を用いてもよく、例えば二乗平均平方根の演算でもよい。
ゲイン計算部143は、上記絶対値化され移動平均をとった値を包絡線とみなし、所定のテーブルや関数に従ってゲイン値を算出する。例えば、図4に示すダイナミックレンジ圧縮(DRC)テーブルに従ったゲイン値を算出する。図4の例では、入力側のレベルが大きい(同図の例では−8dB以上)場合には出力成分を小さくし、入力側のレベルが小さい(同図の例では−8から−21dBまで)場合には出力成分を大きくするテーブルとなっている。また、入力側のレベルが小さ過ぎる(同図の例では、−21dB以下)場合は、ノイズ成分であるとみなし、逆にレベルを下げように調整する。無論、DRCの手法は、この例に限るものではなく、他の手法を用いてもよい。
レベル調整部144は、ゲイン計算部143で算出されたゲイン値で入力信号Saのレベル調整を行い、3乗演算部145および4乗演算部146に圧縮信号comp(Sa)として出力する。なお、圧縮信号comp(Sa)は、移動平均により時間軸上で平滑化された信号に応じてゲイン制御される信号であり、入力信号に急激なレベル上昇やレベル低下があったとしても、ダイナミックレンジが急激に変化することがないため、圧縮による歪み音を目立たなくすることができる。
3乗演算部145および4乗演算部146は、それぞれ入力された信号の3乗演算、4乗演算を行う。これにより、入力信号Saの奇数次成分および偶数次成分の高調波をリアルタイムに生成する。すなわち、cosの3倍角、および4倍角公式は、それぞれcos3θ=4cosθ−3cosθ、cos4θ=8cosθ−8cos2θ+1で表されるため、これらの公式によれば、3乗演算により入力信号の1次(基音)成分、3次(3倍音)成分が生成され、4乗演算により入力信号の0次(直流)成分、2次(2倍音)成分、4次(4倍音)成分が生成される。したがって、加算器147で3乗演算部145および4乗演算部146の出力信号を加算して出力することにより、高調波発生部14は、0次から4次までの連続した高調波成分を含む信号(出力信号Sb)を出力することができる。
ただし、単に入力信号をべき乗すると振幅値もべき乗されるため、ダイナミックレンジが非常に大きな信号となってしまう。そこで、本実施形態では、3乗演算部145および4乗演算部146で圧縮信号comp(Sa)をべき乗することにより、ダイナミックレンジを抑える態様としている。すなわち、3乗演算部145は、圧縮信号comp(Sa)を自乗し、これに入力信号Saを乗算することで3乗演算を行う。また、4乗演算部146は、圧縮信号comp(Sa)を3乗し、これに入力信号Saを乗算することで4乗演算を行う。これにより、べき乗後の信号のダイナミックレンジを抑えることができる。なお、圧縮信号comp(Sa)だけをべき乗すると、逆にダイナミックレンジが圧縮され過ぎてしまうため、歪み音が目立つ可能性がある。そこで、3乗演算部145および4乗演算部146は、入力信号Saをある程度(上記例では、1つ)乗算信号に用いることで、ダイナミックレンジの増大を抑えつつも圧縮し過ぎない態様としている。
なお、上記の手法では、3次成分および4次成分は、1次成分および2次成分よりも低レベルとなり、5次以上の成分を含んでいないが、無論、5乗演算を行って、5次以上の成分を算出してもよい。ただし、本実施形態の高調波発生部14では、4次成分の生成までに抑え、かつ3次および4次成分のレベルを抑えることで、高調波成分が歪み音として聴覚されることを防止しながらも、ミッシングファンダメンタルとしての低域拡張を目立たせるようにしている。
以上のようにして生成された出力信号Sbは、LPF15、HPF16、およびLPF17を経てDRC18に入力される。
LPF15は、高調波生成時に発生した高次成分を除去するためのローパスフィルタであり、高調波発生部14から出力された信号の遮断周波数(例えば200Hz)以上の帯域成分を減衰させてHPF16に出力する。特に、入力信号Sinに非整数倍の成分が入力される場合(例えば入力信号がcosω1、cosω2の2波入力され、n・ω1≠ω2である場合)、高調波発生部14において、不要な高次倍音成分(例えばcos(ω1+ω2)のような混変調成分)が発生するおそれがあり、LPF15は、これらの不要な高次倍音成分を除去するための機能を有する。LPF15も、2次のIIRフィルタにより実現される。
HPF16は、主に上記直流成分や低域側の非整数倍成分を除去するためのハイパスフィルタであり、LPF15から出力されたオーディオ信号の遮断周波数(例えば50Hz)以下の帯域成分を減衰させてLPF17に出力する。HPF16も、例えば2次のIIRフィルタにより実現される。
これらLPF15およびHPF16によりバンドパスフィルタが実現され、高調波成分が含まれた信号Sbから不要となる成分が取り除かれる。
LPF17は、本発明において必須ではないが、微調整用のローパスフィルタであり、このLPF17と前段のLPF15の組み合わせにより、遮断周波数やQ値を調整し、高周波数側の減衰のさせ方をなだらかにさせたり急峻にしたりすることができる。また、例えば、取得部11が取得したオーディオ信号に台詞等の音声が含まれる場合、当該台詞の音声帯域に高調波成分が加算されないようにLPF15およびLPF17の周波数を調整することにより、台詞の音声を聞きやすくすることもできる。台詞の音声が含まれるか否かは、Cch信号のレベルから判断すればよい。例えば、Cch信号のレベル検出部を設け、Cch信号のレベルが所定値以上であればLPF17の処理をオンし、Cch信号のレベルが所定値未満であればLPF17をオフすればよい。
次に、DRC18は、図4に示すように、絶対値演算部(ABS)181、移動平均演算部182、ゲイン計算部183、およびレベル調整部184を備えている。すなわち、図3に示した高調波発生部14の絶対値演算部(ABS)141、移動平均演算部142、ゲイン計算部143、およびレベル調整部144と同じ構成、機能を有する。そのため、同図においては各構成の詳細な説明は省略する。
DRC18においては、LPF17から出力された信号Scのダイナミックレンジ圧縮を行い、高調波成分のレベルを適性に制御するものである。すなわち、入力信号のレベルが低く、高調波成分を含む信号Scのレベルが低すぎる場合、低域拡張の効果が得られない(聴感上、ミッシングファンダメンタルの効果を感じない)、または入力信号のレベルが高すぎる場合、高調波成分を含む信号Scのレベルが高すぎて歪み音として認識されるおそれがあるが、ダイナミックレンジ圧縮された信号Sdに変換し、元の信号Sinに加算する態様とすることで、低域の音圧感を好適に補うことができる。また、信号Sdは、移動平均により時間軸上で平滑化された信号に応じてゲイン制御された信号であり、入力信号に急激なレベル上昇やレベル低下があったとしても、ダイナミックレンジ圧縮の態様が急激に変化することがないため、圧縮による歪み音を目立たなくすることができる。
図2に戻り、DRC18から出力された信号Sdは、加算部19に入力される。加算部19は、DRC18から入力された信号Sdを各チャンネルの元の信号(Cin、Lin、Rin、SLin、SRin、SBLin、SBRin、LFEin)に加算する。なお、各チャンネルに同じ信号Sdが入力されると、高調波成分だけが大きくなり過ぎるため、加算部19は、加算するチャンネル数で信号Sdを除算しておくものとする。なお、チャンネル間の加算レベルは同一であってもよく、一部のチャンネルについては信号Sd(除算後の信号)のレベルを上昇させてから加算し、一部のチャンネルを強調するようにしてもよい。また、すべてのチャンネルのオーディオ信号に加算する例に限らず、一部のチャンネルのオーディオ信号に加算する例であってもよい。
また、LinおよびRinについては、信号Sdが加算された後に、PEQ21にて周波数特性の調整がなされる。PEQ21は、本発明において必須ではないが、高調波成分を強調するために所定帯域のレベルを上昇させるものである。特に、入力信号Sinに非整数倍の成分が入力される場合、LPF15およびHPF16の通過帯域内にも高調波の非整数倍成分が残り、不要な歪み音として含まれる可能性がある。この場合、歪み音を目立たせないように信号Sdのレベルを下げる必要がある。そこで、PEQ21で、所定周波数成分のレベルを上昇させる(または他の帯域を下げる)ことにより、高調波成分を強調するように周波数特性を調整する。ただし、高調波発生部14に入力される信号Saが単一周波数成分であれば必要ない処理であるため、例えば単一周波数成分検出部を設け、単一周波数成分が入力された場合には、信号Sdのレベル制御およびPEQの機能を停止するようにしてもよい。
以上の様な手法で高調波成分が加算された場合の信号の変化(時間軸の信号の変化)を図6に示す。同図(A)は、正弦波(一例として50Hz)の信号を示している。この正弦波が信号処理部2に入力信号Sinとして入力された場合の出力信号Soutを同図(B)に示す。同図(B)に示すように、出力信号Soutは、正負非対称となっている。すなわち、奇数次成分に加え、偶数次成分も含まれていることを意味する。よって、本実施形態の信号処理部2によれば、低次から連続した倍音成分を生成することができ、奇数次成分のみ、あるいは偶数次成分のみを生成する態様に比べ、ミッシングファンダメンタルとしての効果をより強調することができる。また、時間軸上の信号のべき乗演算で高調波を生成することができるため、周波数軸上の演算をする必要がなく、リアルタイムに奇数次および偶数次の高調波を生成することができる。なお、信号処理部の能力(DSPやCPUの演算能力)により、聴感上知覚することができる程度の処理遅延が発生する場合、元の信号Sinに遅延処理を行い、時間的なずれを補正してもよい。
1…入力部
11…取得部
12…LPF
13…HPF
14…高調波発生部
141…絶対値演算部
142…移動平均演算部
143…ゲイン計算部
144…レベル調整部
145…3乗演算部
146…4乗演算部
147…加算器
15…LPF
16…HPF
17…LPF
18…DRC
182…移動平均演算部
183…ゲイン計算部
184…レベル調整部
19…加算部
2…信号処理部
21…PEQ
3…放音部

Claims (2)

  1. オーディオ信号を入力する入力部と、
    前記入力部に入力したオーディオ信号を取得する取得部と、
    前記取得部で取得したオーディオ信号にべき乗演算を行うべき乗演算部と、
    前記べき乗演算部で演算されたべき乗後の信号を前記入力部に入力したオーディオ信号に加算して出力する加算手段と、
    前記取得部で取得したオーディオ信号のレベルを検出するレベル検出部と、
    前記べき乗演算部と前記加算手段との間に設けられ、オーディオ信号の低域を抽出して出力する低域抽出部と、
    前記低域抽出部の低域抽出機能を有効又は無効とする制御を行う制御部と、
    を備え、
    前記制御部は、前記レベル検出部がオーディオ信号のレベルが所定値以上である場合、前記低域抽出部の低域抽出機能を無効とし、前記レベル検出部がオーディオ信号のレベルが所定値未満である場合、前記低域抽出部の低域抽出機能を有効とする、
    信号処理装置。
  2. 前記オーディオ信号は、センタチャンネルを含む複数のチャンネルのオーディオ信号からなり、
    前記レベル検出部は、前記センタチャンネルのオーディオ信号のレベルを検出する、
    請求項1に記載の信号処理装置。
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