JP2013229423A - 電磁波シールド材及び電磁波シールド材の製造方法 - Google Patents

電磁波シールド材及び電磁波シールド材の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】良好な電磁波シールド特性を有すると共に、表面での光の反射が抑制され、レンズ鏡筒のような光学部品に適する電磁波シールド材を提供する。
【解決手段】
電磁波シールド材であって、熱可塑性樹脂から形成される成形体と、前記成形体の内部に形成され、金属粒子からなり、且つ導電性を有する金属粒子層を有する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電磁波シールド材及び電磁波シールド材の製造方法に関する。
電化製品や自動車等においては、様々な電子部品が使用されており、それらが製品外部から侵入した電磁波や製品内部で発生した電磁波のノイズにより機能障害や誤作動を生じないように、様々な電磁波シールド対策が施されている。例えば、電子部品の筐体に導電性の高い金属筐体を用いて電磁波を遮蔽するノイズ対策が一般に行われている。
また、近年、製品コストの削減や軽量化のため、金属部品を樹脂部材に置き換える取り組みが行われている。一般的な樹脂材料は電磁波シールド効果が無いため、電磁波シールド性を持たせるために樹脂部材表面は、導電性の高いメッキ膜で被覆される。例えば、特許文献1では、携帯電話やデジタルカメラのカメラレンズモジュールにメッキ膜を設けて電磁波をシールドする方法が提案されている。カメラレンズモジュールは、レンズにより被写体像をCCDやC−MOS等の撮像素子のセンサーに結像させるが、撮像素子に隣接する部分をメッキ膜でシールドすることにより、携帯電話本体からの電気信号ノイズを抑制できる。
一方、カメラのレンズ鏡筒等の光学部品においては、電磁波シールドとは別に、光の反射によりゴースト・フレアの発生を抑制する必要がある。このため、光学部品にメッキ膜を設ける場合、例えば、特許文献2又は3で提案されている黒色メッキ法を応用することが考えられる。特許文献2では、被メッキ基材表面にメッキの結晶粒の突起を密に形成する黒メッキ方法が提案されており、特許文献3では、2層構造のメッキ膜が提案されている。また、特許文献4では、鏡筒内部に凹凸を設けて光の反射を抑制することが提案されている。このよに、光学部品用途においては、良好な電磁波シールド特性を有すると共に、表面での光の反射が生じにくい電磁波シールド材が求められている。
特開2005−303550号公報 特開2007−119851号公報 特開2007−313767号公報 特開2011−100020号公報
しかし、特許文献1は、カメラのレンズ鏡筒等の内部にメッキ膜を設けた場合の光の反射対策が不十分であり、ゴースト・フレアが発生する虞がある。一方、特許文献2で提案される黒色メッキ面は、耐摩耗性が不十分であり、接触、摺動によりメッキ膜の突起が欠損し易い。突起が欠損した部分は、反射率の上昇が懸念され、更に、発塵の虞があるため摺動部には使用できない。特許文献3で提案される方法も、黒色メッキ膜の安定な形成、低反射率の安定化という点に問題がある。また、特許文献4に提案される複雑な成形品形状は、低コスト且つ安定に生産することは困難である。
本発明は、これらの課題を解決するものであり、良好な電磁波シールド特性を有すると共に、表面での光の反射率の低い電磁波シールド材を提供する。
本発明の第1の態様に従えば、電磁波シールド材であって、熱可塑性樹脂から形成される成形体と、前記成形体の内部に形成され、金属粒子からなり、且つ導電性を有する金属粒子層を有する電磁波シールド材が提供される。
本発明の第2の態様に従えば、電磁波シールド材の製造方法であって、熱可塑性樹脂を可塑化溶融することと、可塑化溶融した前記熱可塑性樹脂と、無電解メッキ触媒を含む加圧二酸化炭素とを混合することと、前記加圧二酸化炭素を混合した前記熱可塑性樹脂を成形して成形体を得ることと、前記成形体に無電解メッキ液を接触させることによって、前記成形体の内部に、金属粒子からなり、導電性を有する金属粒子層を形成することと、前記金属粒子層が前記成形体の表面に形成される前に、前記成形体と前記無電解メッキ液とを非接触状態とすることを含む電磁波シールド材の製造方法が提供される。
本発明は、熱可塑性樹脂からなる成形体と、成形体の内部に形成され、金属粒子からなり、且つ導電性を有する金属粒子層とを有する電磁波シールド材であり、この構成により、良好な電磁波シールド特性を有すると共に表面での光の反射が抑制され、レンズ鏡筒のような光学部品に適する。
実施例1で作製した第1の実施形態の電磁波シールド材の表面近傍の断面SEM写真である。 第1の実施形態の電磁波シールド材の製造方法を示すフローチャートである。 第1の実施形態における、無電解メッキ液に浸漬して30秒後の成形体の断面SEM写真である。 実施例1で作製した第2の実施形態の電磁波シールド材の断面模式図である。 第4の実施形態の電磁波シールド材の断面模式図である。 実施例1で使用した成形機の概略図である。 実施例1で使用した成形機の可塑化シリンダの概略断面図であり、可塑化ゾーン、高圧混練ゾーン及び減圧ゾーンが連通した状態を示す図である。 実施例1で使用した成形機の可塑化シリンダの概略断面図であり、可塑化ゾーン、高圧混練ゾーン及び減圧ゾーンの連通が遮断された状態を示す図である。 実施例1で作製した電磁波シールド材の表面のレーザー顕微鏡写真である。 実施例1で作製した電磁波シールド材に入射角10°〜60°の範囲で光を入射したときの光の波長と反射率の関係を示す図である。 実施例2で作製した電磁波シールド材の表面のレーザー顕微鏡写真である。 実施例2で作製した電磁波シールド材に入射角10°〜60°の範囲で光を入射したときの光の波長と反射率の関係を示す図である。 実施例1〜3で作製した電磁波シールド材、及び比較例1及び2で作製した試料のメッキ時間、電気抵抗値及び電磁波シールド特性をまとめた表である。
[第1の実施形態]
第1の実施形態として、図1に示す電磁波シールド材及びその製造方法について説明する。図1の部分断面図(SEM写真)に示すように、本実施形態で製造する電磁波シールド材500は、熱可塑性樹脂からなる成形体51と、成形体51の内部に形成された金属粒子からなる金属粒子層52を有する。金属粒子層52は、金属粒子52aの群が層状に存在しており、層全体として導電性を有する。この金属粒子層52の存在により、電磁波シールド材500は、電磁波シールド性能を発現する。金属粒子層52は、電磁波シールド材500の内部にのみ存在し、電磁波シールド材の表面(最表面)上には存在しない。電磁波シールドの表面は、成形体51の表面51aによって形成される。即ち、電磁波シールドの表面には、成形体51が露出しており、熱可塑性樹脂のみによって形成されているので絶縁性を有し、金属光沢を有さないため光の反射率が低い。絶縁性を有することから、電磁波シールド材500は、表面上に回路を形成することが可能であり、また、光の反射率が低いことから、レンズ鏡筒のような光学部品に用いることができる。尚、本実施形態に用いた成形体は、成形体の機械的特性向上を目的に、内部にガラスフィラー53を含有している。
電磁波シールド材はその用途により、使用される周波数帯及び要求される特性は異なるが、電磁波シールド特性の標準測定法のひとつであるKEC法による、周波数500MHzにおける電磁波シールド特性が一つの目安となる。本実施形態の電磁波シールド材は、KEC法による測定で、周波数500MHzにおける電磁波シールド特性が30dB以上、更には、電子機器における仕様で多く要求される60dB以上の特性を得ることかできる。
本実施形態の電磁波シールド材に用いられる熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリプロピレン、ポリメチルメタクリレート、ポリアミド、ポリカーボネート、アモルファスポリオレフィン、ポリエーテルイミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリテーテルエーテルケトン、ABS系樹脂、ポリフェニレンサルファイド、ポリアミドイミド、ポリ乳酸、ポリカプロラクトン等が挙げられる。本実施形態の電磁波シールド材は、後述するように、製造過程において加圧二酸化炭素を使用し、更に、無電解メッキが行われる。したがって、熱可塑性樹脂は、加圧二酸化炭素との相性が良い、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン6T、ナイロン9T、ナイロン12T等のナイロンが好ましく、中でも、吸水性及びメッキ反応性が高いナイロン6、ナイロン66が特に好ましい。また、熱可塑性樹脂は、―種類の材料を用いても、又は、二種類以上の材料を混合して用いても良いが、二種類以上の材料を混合して用いる場合、ナイロンが主成分であることが好ましい。
熱可塑性樹脂には、成形体の機械的特性向上を目的に、ガラス繊維、タルク、カーボン繊維等、各種無機フィラー等を混練させることができる。また、電磁波シールド材の表面黒色化が必要な場合は、顔料、染料をブレンドした市販の黒色のペレット(マスターバッチ)を使用しても良いし、市販の黒色のペレットを上述した熱可塑性樹脂に添加してもよい。
金属粒子層を形成する金属粒子は、Ni、Ni−P、Cu、Ni−Cu、Au、Ag、Pdからなる群から選択される少なくとも一つであることが好ましい。これらの材料は、導電性が良好であり、高い電磁波シールド特性を発現する。特に、Ni−Pは、金属粒子層を無電解メッキにより形成した場合、成形体内でのメッキ成長が容易であり好ましい。また、本実施形態の金属粒子は、単独材料で形成されても、複合材料で形成されても良い。例えば、無電解メッキにより、Ni−Pからなる粒子を形成した後、Cu置換メッキを行うことで、コアがNi―Pで、シェルがCuの金属粒子を得ることができる。このようなNi−PとCuの複合材料からなる金属粒子は、Ni−Pによるメッキ成長の容易性と、Cuによる導電性を兼ね備えており、本実施形態の金属粒子層を形成する金属粒子として好ましい。
金属粒子層を形成する金属粒子の粒径は、樹脂の機械物性低下防止の観点から、0.5〜5μmが好ましい。また、金属粒子層の厚みは、導電性確保の観点から、500nm〜5μmが好ましい。また、金属粒子がNiを含有する場合、その粒径が約10nm〜5μmであると黒色となるので好ましい。金属粒子層が成形体の表面近傍に形成される場合、成形体表面から内部に形成された金属粒子層の色が確認でき、黒色であれば可視光域の光を吸収し、表面での光の反射を更に抑制するからである。
本願明細書において、「金属粒子からなる金属粒子層」とは、成形体内において、複数の金属粒子が集合して形成された層を意味する。金属粒子層を構成する金属粒子は密に凝集している必要はないが、部分的に接触、又は連結して、全体として金属粒子層内に導電パスを形成している。この導電パスにより金属粒子層は導通状態にあり(導電性を有し)、本実施形態の電磁波シールドは電磁波シールド特性を有する。
金属粒子層が導通状態にある、即ち、導電性を有するとは、電気抵抗値が低いことを意味するが、本実施形態の金属粒子層の電気抵抗値は、例えば、以下の方法により測定できる。測定器の2本のテスター棒を10cm離して成形体表面に押し当て、成形体内部の金属微粒子層が形成されている領域まで差し込み、数値が安定した領域の測定値を計測する。尚、本明細書において記載する「金属粒子層の電気抵抗値」の値は、特に断りがなければ、上述の測定方法による値である。
金属粒子層の電気抵抗値は、100Ω未満であることが好ましい。100Ω未満であると、電磁波シールド材は、KEC法による測定で周波数500MHzにおいて60dB以上の高い電磁波シールド特性を得ることができる。更に、より高周波数での高いシールド特性を得るためには、金属粒子層の電気抵抗値は、10Ω未満が好ましい。
本実施形態の電磁波シールド材の表面は、樹脂のみで形成され、絶縁性である。絶縁性とは、電気抵抗値が高く、電流が流れない、又は流れにくい状態を意味する。本実施形態の電磁波シールド材の表面の電気抵抗値は、5.0×10Ωを超えていることが好ましい。発明者等は、電磁波シールド材の表面の電気抵抗値が5.0×10Ωを超えていれば、表面に金属粒子層が形成されていないことを顕微鏡観察により確認している。電磁波シールド材の表面の電気抵抗値は、測定器の2本のテスター棒を10cm離して成形体表面に接触させて測定する。尚、本明細書において記載する「電磁波シールド材の表面の電気抵抗値」の値は、特に断りがなければ、この測定方法による値である。
本実施形態の金属粒子層は、成形体の表面近傍に形成されていることが好ましい。より具体的には、金属粒子層は、成形体の表面から深さ500nm〜10μmの範囲に形成されていることが好ましく、深さ1〜5μmの範囲に形成されていることが特に好ましい。成形体表面から深さ500nmより浅い範囲に導電性の金属粒子層が存在すると、例えば、成形体表面に電気回路配線を形成する場合、電気回路へ悪影響を与える可能性がある。また、例えば、金属粒子層を無電解メッキにより形成する場合、成形体表面から深さ10μmより深い範囲は、メッキ成長が難しく、十分な導電性を有する金属粒子層を形成することが困難である。
以上説明した電磁波シールド材は、例えば、図2に示す製造方法によって製造することができる。まず、成形体を構成する熱可塑性樹脂を可塑化溶融し(ステップS1)、可塑化溶融した熱可塑性樹脂と、無電解メッキ触媒を含む加圧二酸化炭素とを混合し(ステップS2)、成形して成形体を得る(ステップS3)。
熱可塑性樹脂は、例えば、射出成形装置又は押出成形装置の可塑化シリンダ内で可塑化溶融される。そして、可塑化シリンダ内に、無電解メッキ触媒を含む加圧二酸化炭素(以下、必要により、「混合加圧流体」と記載する)を導入して、可塑化シリンダ内において、熱可塑性樹脂と加圧二酸化炭素を混合し、そのまま、射出成形又は押出し成形を行い、成形体を得ることができる。
無電解メッキ触媒としては、Pd、Ni、Pt、Cu、Ag等の金属微粒子、金属錯体、金属アルコキシド等の金属酸化物の前駆体を用いることができる。無電解メッキ触媒の種類は任意であるが、より具体的には、ビス(シクロペンタジエニル)ニッケル、ビス(アセチルアセトナト)パラジウム(II)、ジメチル(シクロオクタジエニル)プラチナ(II)、ヘキサフルオロアセチルアセトナトパラジウム(II)、ヘキサフルオロアセチルアセトナトヒドレート銅(II)、ヘキサフルオロアセチルアセトナトプラチナ(II)、ヘキサフルオロアセチルアセトナト(トリメチルホスフィン)銀(I)、ジメチル(ヘプタフルオロオクタネジオネート)銀(AgFOD)等を用いることができる。特にフッ素を含む配位子を有する金属錯体は、加圧二酸化炭素に相溶しやすいので好ましい。
加圧二酸化炭素としては、液体状態、ガス状態、又は超臨界状態の加圧二酸化炭素を用いることができる。これらの加圧二酸化炭素は、人体に無害であり、また溶融樹脂への拡散性に優れ、しかも溶融樹脂から容易に除去可能であり、更に、溶融樹脂の可塑剤としても機能する。可塑化シリンダへ導入する加圧二酸化炭素の圧力、温度は任意であるが、密度が高く安定であることから液体二酸化炭素もしくは超臨界二酸化炭素を用いることが好ましい。加圧二酸化炭素の温度は5℃〜50℃の範囲が好ましい。加圧二酸化炭素の温度は、低いほど高密度となり溶媒効果が高くなるので好ましいが、冷却制御が容易であるという観点から5℃以上が好ましい。また、加圧二酸化炭素の温度が高くなると密度が低くなり液送が不安定になる虞があるので、安定に液送するという観点から、50℃以下が好ましい。加圧二酸化炭素の圧力は、4〜25MPaの範囲が望ましい。圧力が低いと溶媒効果が発現しにくくなるので、適度な溶媒効果を得るという観点から、4MPa以上が好ましく、また、圧力が高いと高圧設備の維持にコストが係るので、コストを抑えるという観点から、25MPa以下が好ましい。尚、無電解メッキ触媒を溶解又は分散させた加圧二酸化炭素は、可塑化シリンダ内で瞬時に高温になり圧力も変動する。よって、上述の加圧二酸化炭素の状態、温度及び圧力は、可塑化シリンダに導入する前の安定な状態の加圧二酸化炭素の状態、圧力及び温度の値である。
さらに、加圧二酸化炭素は無電解メッキ触媒を溶解する溶媒を含有してもよい。例えば、無電解メッキ触媒として金属錯体を使用する場合、加圧二酸化炭素中の金属錯体の濃度を高めるため、パーフルオロペンチルアミンなどのフッ素系有機溶媒を用いてもよい。
加圧二酸化炭素中の無電解メッキ触媒の濃度は、無電解メッキ触媒の種類を考慮して適宜選択することができ、特に制限されない。溶融樹脂への浸透性や加圧二酸化炭素中の無電解メッキ触媒の凝集を考慮すれば、好ましくは飽和溶解度以下である。特に高温になる成形機の可塑化シリンダ内では急激に二酸化炭素の密度が低下するので、加圧二酸化炭素中の無電解メッキ触媒の濃度は、飽和溶解度の1〜50%程度が好ましい。
加圧二酸化炭素を調製する方法としては、特に限定されず、従来公知の方法を使用することができる。例えば、シリンジポンプなどの加圧手段により液体二酸化炭素を加圧することにより調製できる。また、無電解メッキ触媒を含む加圧二酸化炭素(混合加圧流体)の調製は、加圧二酸化炭素と無電解メッキ触媒とを混合撹拌することによって調製できる。さらに、無電解メッキ触媒を溶媒に溶解させた溶液を用い、加圧二酸化炭素と、加圧手段により所定圧力まで加圧した溶液とを混合することによっても混合加圧流体を調製できる。
混合加圧流体を可塑化シリンダに供給する方法は任意の方法を使用することができる。例えば、混合加圧流体は、可塑化シリンダに間欠的に導入されてもよいし、連続的に導入されてもよい。また、混合加圧流体の導入は、安定な送液が行えるシリンジポンプを利用し、導入量を制御することが好ましい。シリンジポンプを用いて混合加圧流体を導入する場合、高密度でも安定な液体状態の加圧二酸化炭素が好ましい。
本発明者等は、熱可塑性樹脂の成形時に、加圧二酸化炭素を用いて無電解メッキ触媒を成形体内に含有させると、無電解メッキ触媒を成形体の表面から深さ500nm〜10μmの範囲、更に好ましくは、深さ1〜5μmの範囲に偏在させることができ、且つ、成形体の最表面において、無電解メッキ触媒が極めて少ないことを発見した。加圧二酸化炭素に無電解メッキ触媒を溶解又は分散して熱可塑性樹脂に混合すると、無電解メッキ触媒は、直径0.1nm〜50nm程度の超微粒子となる。低分子である超微粒子は、ポリマーである熱可塑性樹脂と相分離しようと成形体の表面へ移動し、表面から深さ500nm〜10μmの範囲に偏析すると考えられる。このような無電解メッキ触媒の偏析は、無電解メッキ触媒を加圧二酸化炭素に溶解するフッ素系有機溶媒を用いた場合に特に顕著である。成形体の最表面に無電解メッキ触媒が殆ど存在しない理由は定かではないが、本発明者らはこのような成形体の構造を利用し、成形体の内部にのみ金属粒子層を形成することに成功した。
次に、ステップS1〜S3の工程を経て得られた成形体に、無電解メッキ液を接触させる(図2のステップS4)。例えば、成形体全体をメッキ液中に浸漬してもよい。表面から深さ500nm〜10μmの範囲に無電解メッキ触媒が偏在する成形体に無電解メッキ液を接触させると、無電解メッキ液は成形体の表面から浸透して無電解メッキ触媒に接触してメッキ反応が開始される。図3に示すように、無電解メッキ液と接触して30秒後の成形体61の内部、表面61aから深さ500nm〜10μmの範囲には、メッキ反応により成長し始めた金属粒子62が確認できる。一方、成形体の表面から深さ500nmより浅い領域61bでは、金属粒子は確認されない。これは、領域61bには、無電解メッキ触媒がほとんど存在せず、メッキ反応が生じないためである。更に、成形体とメッキ液の接触時間を延ばすと、図3に示す金属粒子は成長して連結し、成形体の内部に図1に示すような導電性を有する金属粒子からなる金属粒子層を形成する。
本実施形態に使用する無電解メッキ液は、公知のものを使用できるが、触媒活性が高く液が安定であるという点から、無電解Ni―Pメッキ液が好ましい。また、無電解Ni―Pメッキ液と接触させて、成形体内にNi―P金属粒子を形成させた後、置換Cuメッキ液に接触させてもよい。置換Cuメッキ液に接触させることで、Ni―P金属粒子の表面に導電性の高いCu層を形成し、金属粒子層の電気抵抗値を下げることができる。
また、本実施形態に用いる無電解メッキ液は、レベリング性能の高いメッキ液が好ましい。一般に、メッキ液のレベリング性能とは、表面が平滑なメッキ膜を形成する能力をいう。レベリング性能が高いメッキ液は、例えば、平滑剤、光沢剤を含有しており、この平滑剤、光沢剤が、被メッキ体の凸部に吸着して凸部でのメッキ反応を阻害し、凹部でのメッキ膜の成長を促進させ、結果として、被メッキ体上のメッキ膜を平滑化する。本実施形態において、レベリング性能の高いメッキ液が好ましい理由は定かではないが、以下のように推測される。レベリング性能の高いメッキ液を本実施形態の成形体に接触させると、メッキ液は成形体内部に浸透して無電解メッキ触媒と接触して、金属粒子を形成する。そして、成形体内に分散する金属粒子間の隙間を埋めるようにメッキ反応は横方向(成形体表面と略平行の方向)に成長する。このように、レベリング性能の高いメッキ液は、本実施形態の成形体内のメッキ層(金属粒子層)を成形体表面へ向かう膜厚方向に成長させる働きは弱く、横方向(成形体表面と略平行の方向)に成長させる力が強いため、効率的に成形体内に連結した金属粒子層を形成できると考える。
本実施形態での使用に適したレベリング性能が高い無電解メッキ液としては、例えば、日本カニゼン社製、SEK‐797(Ni−Pメッキ液)、SEK−670(Ni−Pメッキ液)、奥野製薬工業社製、トップニコロンRCH−LF(Ni−Pメッキ液)が挙げられる。尚、メッキ液のレベリング性能は、上述の平滑剤、光沢剤のみで一義的に決定できるものではなく、メッキ液中に含まれる、安定剤、錯化剤、還元剤等の浴組成条件や、pHや温度等のメッキ条件等も影響を与える。
次に、本実施形態では、金属粒子層が成形体の表面に形成される前に、成形体と無電解メッキ液とを非接触状態とする(図1のステップS5)。例えば、成形体全体をメッキ液中に浸漬している場合には、成形体全体をメッキ液から引き揚げる。成形体と無電解メッキ液を接触状態のまま放置すると、メッキ膜が成形体表面に向かって成長しつづけ、成形体の表面に露出する虞がある。そのような事態を回避するため、金属粒子層が成形体の表面に露出する前に成形体と無電解メッキ液とを非接触状態とする。即ち、成形体と無電解メッキ液とを接触させている時間(メッキ時間)を調節することで、金属粒子層を成形体表面に露出させずに、成形体の内部のみに形成することができる。本実施形態のメッキ膜(金属粒子層)の成長スピードは、メッキ液組成により異なるが、メッキ液の温度、pH、浴内の残存Ni濃度等を管理することで安定化する。そして、最終的には、メッキ時間を管理することにより、金属粒子層を成形体の内部のみに形成することができる。
以上説明したように、本実施形態の金属粒子層は、成形体の表面近傍にメッキにより形成される。したがって、成形体が複雑な形状であっても金属粒子層を容易に形成することが可能であり、複雑な形状の電磁波シールド材も作製できる。
[第2の実施形態]
第2の実施形態として、図4に示す電磁波シールド材について説明する。図4に示すように、本実施形態の電磁波シールド材500の成形体51は、対向する2つの面である第1表面51a及び第2表面51cを有し、金属粒子層52は、前記第1表面51aの表面近傍に形成される第1金属粒子層52aと、前記第2表面51cに形成される第2金属粒子層52cを含む。つまり、第1表面51aと、第2表面51cとの間に、所定の間隔を設けて2層の金属粒子層が形成される。金属粒子層を2層設けることで、金属粒子層の間での多重反射による電磁波の減衰が期待できる。例えば、ナイロン6からなる成形体内にNi―Pからなる金属粒子層を形成した場合、KEC法による周波数1GHzにおける電磁波シールド特性は、金属粒子層が1層の場合は、35dBであったが、2層の場合は、60dBであった。尚、「表面近傍」とは、第1の実施形態の電磁波シールドと同様、成形体の表面から深さ500nm〜10μmの範囲であることが好ましく、深さ1〜5μmの範囲であることが特に好ましい。
本実施形態の電磁波シールドは、第1の実施形態と同様の製造方法によって製造できるが、成形体をメッキ液と接触させる工程において、必ず、成形体51全体をメッキ液中に浸漬させる。これにより、図4に示すように、成形体51全面において、表面近傍に金属粒子層52が形成される。この結果、第1表面51aと、第2表面51cとの間に、所定の間隔を設けて2層の金属粒子層52a、52cが形成される。
[第3の実施形態]
第3の実施形態は、成形体の表面に複数の凹部が形成されている電磁波シールド材であり、その他の構造は、図1に示す第1の実施形態の電磁波シールドと同様である。本実施形態の電磁波シールド材は、表面の複数の凹部により、更に光の反射を抑えることができる。例えば、本実施形態の電磁波シールド材は、成形体の表面に波長400〜700nmの光を入射角0°〜60°で入射したときの光の反射率を0.5%未満とすることができる。このように、表面での光の反射率が低い本実施形態の電磁波シールド材は、レンズ鏡筒等の光学部品に適しており、ゴーストやフレアの発生を抑制することができる。尚、入射角は、光の進行方向と成形体表面の垂線との間の角度として定義される。即ち、入射角0°の光とは、成形体表面に垂直入射する光である。
本実施形態の電磁波シールドは、第1の実施形態と同様の製造方法によって製造できるが、本実施形態では熱可塑性樹脂がミネラルを含有する。そして、成形体と無電解メッキ液を接触させる前に、成形体に酸を接触させ、成形体の表面からミネラルを抽出して、成形体表面に複数の凹部を形成する。ミネラルとしては、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、ウォラストナイト、タルク等のフィラーを用いることができ、これらは、単独で用いても、複数種類を混合して用いても良い。これらのミネラルは、成形体中に、10〜50wt%含有されるように、熱可塑性樹脂に混合することが好ましい。成形体に接触させる酸は、ミネラルの種類に合せて適宜選択できるが、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、次亜リン酸等が好ましい。塩酸は、本実施形態の無電解メッキ液の前処理として用いることが可能な試薬であり特に好ましい。
本実施形態の電磁波シールドは、上述のようにミネラルの抽出によって複数の凹部が形成されるが、成形体表面に対して凸部は形成されない。よって、例えば、特許文献2の黒色メッキ面のように、メッキ結晶粒からなる凸部の欠損よる発塵の問題は生じない。また、本実施形態の成形体を柔軟性を有するナイロンで形成すると、更に発塵を抑制することができる。
[第4の実施形態]
第4の実施形態として、図5に示す電磁波シールド材及びその製造方法について説明する。図5に示すように、本実施形態の電磁波シールド材800は、成形体80が、第1の熱可塑性樹脂からなるシート状の第1成形体81と、第2の熱可塑性樹脂からなる第2成形体84とからなる複合成形体であり、第1成形体81は、第2成形体84の表面の少なくとも一部を被覆しており、金属粒子層82が、第1成形体81の内部に形成されている。本実施形態においては、第1成形体81全面の表面近傍に、金属粒子層82が形成されている。そして、第1の熱可塑性樹脂と、第2の熱可塑性樹脂は、異なる種類の熱可塑性樹脂であることが好ましい。本実施形態の電磁波シールド材は、異なる樹脂からなる2種類の成形体を組み合わせた複合成形体を用いることで、様々な用途に適応可能である。
例えば、本実施形態の金属粒子層は第1の実施形態と同様に、無電解メッキにより形成できる。よって、金属粒子層を有する第1成形体は、無電解メッキの反応性が良いナイロン6等から形成されることが好ましい。しかし、無電解メッキの反応性が良い樹脂は、柔軟で成形精度(寸法精度)が低いことが多く、カメラやプロジェクタ用のレンズモジュール部品などの光学モジュール等の高い寸法精度を要求させる用途には不向きである。一方、高い成形精度を有するポリフェニレンサルファイド(PPS)等の樹脂は、無電解メッキを形成しにくい。そこで、金属粒子層を有する第1の成形体をナイロン6によりシート状に成形し、第2の成形体はポリフェニレンサルファイドにより成形し、第2成形体の表面の一部を第1成形体で被覆して複合成形体とする。複合成形体からなる電磁波シールド材は、第1成形体に含まれる金属粒子層により、第1の実施形態の電磁波シールド材と同等の電磁波シールド特性を有することができ、ポリフェニレンサルファイドからなる第2の成形体を有することにより、高い寸法精度が要求される用途にも使用可能である。また、シート状の第1成形体の厚みは、300μmより薄いことが好ましい。第1成形体の厚みが300μmより薄いと、例えば、複合成形体を−40℃の環境と120℃の環境とに交互に曝すヒートサイクル試験において、複合成形体の第1成形体で被覆された部分の寸法の変化率を、第2成形体と同等の寸法の変化率に抑制することができる。第1成形体の厚みが300μm以上である場合、ヒートサイクル試験において、複合成形体の第1成形体で被覆された部分の寸法の変化が大きくなり問題となる虞がある。
第1の熱可塑性樹脂としては、上述のようにメッキ反応性が高い樹脂であるナイロン6、ナイロン6,6の少なくとも一方であることが好ましい。第2の熱可塑性樹脂としては、高い成形精度、寸法安定性を有する、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリフタルアミド(PPA)、9Tナイロン等が好ましい。また、第1成形体と第2成形体との密着性を向上させる観点から、第1の熱可塑性樹脂と、第2の熱可塑性樹脂とは、同一構造、又は類似構造を有することが好ましい。例えば、第1の熱可塑性樹脂にナイロン6等のポリアミド樹脂を用いた場合、第2の熱可塑性樹脂は、ポリフタルアミド、9Tナイロン等のポリアミド樹脂であることが好ましい。
本実施形態の電磁波シールド800は、例えば、射出成形装置を用いたインサート成形によって製造することができる。まず、シート状の第1成形体81を第1の実施形態と同様の方法により成形する。即ち、第1の熱可塑性樹脂を可塑化溶融し、次に、可塑化溶融した第1の熱可塑性樹脂と、無電解メッキ触媒を含む加圧二酸化炭素とを混合し、加圧二酸化炭素が混合した第1の熱可塑性樹脂を成形してシート状の第1成形体81を得る。第1成形体81はシート状なので、押出成形によって成形することができる。次に、第1成形体81に無電解メッキ液を接触させ、第1成形体81の内部に金属粒子からなり、導電性を有する金属粒子層82を形成し、金属粒子層82が、第1の成形体81の表面に形成される前に、第1成形体81と無電解メッキ液とを非接触状態とする。このようにして作製した内部に金属粒子層を82有するシート状の第1成形体81を射出成形装置の金型内に設置する。そして、金型内に第2の熱可塑性樹脂を射出充填するインサート成形により、第1成形体81と、第2の熱可塑性樹脂からなる第2成形体84との複合成形体80を得る。
尚、本実施形態において、インサート成形によって、第1成形体81と第2成形体84の複合成形体80を成形する工程は、第1成形体81をメッキ液に接触させる金属粒子層成形工程の前であっても良い。この場合、インサート成形工程において、金型内に設置される第1成形体81は、金属粒子層82を含んでおらず、無電解メッキ触媒を含んでいる。そして、インサート成形によって得られた複合成形体80の第1成形体81を無電解メッキ液に接触させることで、第1成形体81内に金属粒子層82を形成することができる。
また、本実施形態で用いたシート状の第1成形体は、単体でもシート状の電磁波シールド材として使用することができる。例えば、衣類、壁紙等の建材、寝具、携帯電話やパソコンをはじめとした電子機器部品等、様々な物に応用が可能である。
以下、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例により制限されない。
[実施例1]
本実施例では、図6に示す成形機1000を用いて、無電解メッキ触媒を含む成形体を射出成形により製造し、無電解メッキにより成形体内に金属粒子層を形成して、電磁波シールド材を得た。熱可塑性樹脂としては、ガラスフィラー30%含有ナイロン6(東レ製、CM1011G30)を用いた。無電解メッキ触媒としては、金属微粒子であるヘキサフルオロアセチルアセトナトパラジウム(II)金属錯体を用いた。
<成形機>
まず、本実施例で成形体の成形に用いた成形機について説明する。図6に示すように、成形機1000は、混練装置200と、無電解メッキ触媒を含む加圧二酸化炭素(混合加圧流体)を混練装置200に供給する加圧流体供給装置100と、金型が設けられた型締めユニット250と、制御装置(不図示)を備える。制御装置は、加圧流体供給装置100、混練装置200、及び型締めユニット250を動作制御する。
加圧流体供給装置100は、加圧二酸化炭素に無電解メッキ触媒を溶解もしくは分散させて混練装置200に導入する機構であれば任意であるが、本実施例においては注射器のように加圧二酸化炭素等を吸引、送液するシリンジポンプを備えた供給装置を用いた。本実施例で使用する加圧流体供給装置100は、加圧二酸化炭素と無電解メッキ触媒を混合して供給する装置であり、サイフォン式の二酸化炭素ボンベ101と、二酸化炭素ボンベ101より液体二酸化炭素を吸引した後、加圧して液体二酸化炭素を供給する二酸化炭素用シリンジポンプ102と、無電解メッキ触媒含有液体Cを収容する溶液槽111と、無電解メッキ触媒含有液体Cを加圧して供給する溶液用シリンジポンプ112より構成される。各シリンジポンプ102、112は圧力制御と流量制御が可能である。液体二酸化炭素ボンベ101と二酸化炭素用シリンジポンプ102とを接続する配管及び二酸化炭素用シリンジポンプ102と混練装置200とを接続する配管にはそれぞれ、吸引用エアオペレートバルブ104及び供給用エアオペレートバルブ105が配設されている。また、溶液槽111と溶液用シリンジポンプ112とを接続する配管及び溶液用シリンジポンプ112と混練装置200とを接続する配管にはそれぞれ、吸引用エアオペレートバルブ114及び供給用エアオペレートバルブ115が配設されている。
混練装置200は、可塑化シリンダ210と、可塑化シリンダ210内に回転及び進退自在に配設されたスクリュ20と、可塑化シリンダ210内に配置される上流側シール機構S1及び下流側シール機構S2と、可塑化シリンダ210に接続する減圧ゾーン圧力調整機構1を備える。また、可塑化シリンダ210のノズル先端29には、エアーシリンダ12の駆動により開閉するシャットオフバルブ36が設けられ、可塑化シリンダ210の内部を高圧に保持できる。ノズル先端29には、金型が密着し、金型が形成するキャビティ253内に、ノズル先端29から溶融樹脂が射出充填される。本実施例では、可塑化シリンダ210内において、可塑化溶融された溶融樹脂は、図6〜図8における右手から左手に向かって流動する。したがって、可塑化シリンダ210の内部においては、図6〜図8における右手を「上流」又は「後方」、左手を「下流」又は「前方」と定義する。
更に、図示しないが、可塑化シリンダ210の上流側の後端部には、スクリュ20を回転させる回転モータなどの回転駆動手段と、スクリュ20を前後進させるためのボールネジ及びそれを駆動させるモータなどの移動手段とが接続されている。なお、図7及び図8に示すように、本実例の混練装置200は、可塑化シリンダ210の後方側から見た場合に、スクリュ20を反時計回りに回転させると溶融樹脂を前方(ノズル部側)に送る正回転をし、時計回りに回転させると逆回転するように構成されている。
可塑化シリンダ210の上部側面には、上流側から順に、熱可塑性樹脂を可塑化シリンダ210に供給するための樹脂供給口201、混合加圧流体を可塑化シリンダ210内に導入するための導入口202、及び可塑化シリンダ210内からガス化した二酸化炭素を排出するためのベント203が形成されている。これらの樹脂供給口201、及び導入口202にはそれぞれ、樹脂供給用ホッパ211、及び導入バルブ212が配設されており、ベント203には、減圧ゾーン圧力調整機構1が接続されている。また導入バルブ212は、上述の加圧流体供給装置100と接続される。
混練装置200では、樹脂供給口201から可塑化シリンダ210内に熱可塑性樹脂が供給され、熱可塑性樹脂は、可塑化シリンダ210の外壁面に配設されたバンドヒータ(不図示)によって可塑化されて溶融樹脂となり、スクリュ20が正回転することにより下流に送られる。そして、導入口202近傍まで送られた溶融樹脂は、導入された無電解メッキ触媒を含む加圧二酸化炭素(混合加圧流体)と高圧下、接触混練される。次いで、混合加圧流体と接触混練された溶融樹脂の樹脂内圧を低下させることにより、ガス化した二酸化炭素が溶融樹脂から分離し、ベント203からこのガス化した二酸化炭素が排出される。そして、さらに前方に送られた溶融樹脂はスクリュ20の先端部に押し出され、溶融樹脂の圧力がスクリュ20に対する反力となり、反力でスクリュ20が後退することにより溶融樹脂が計量される。これにより、可塑化シリンダ210内では、上流側から順に、熱可塑性樹脂を可塑化して溶融樹脂とする可塑化ゾーン21、溶融樹脂と導入口202から導入される混合加圧流体とを高圧下、接触混練する高圧混練ゾーン22、及び混合加圧流体と接触混練した溶融樹脂の樹脂内圧を低下させることにより、溶融樹脂から分離された二酸化炭素をベント203から排出する減圧ゾーン23が形成される。更に、減圧ゾーン23の下流には、再昇圧ゾーン24が設けられる。再昇圧ゾーン24では、スクリュ前方に溶融樹脂が送りだされ計量が行われる。
図6〜図8に示すように、上記可塑化ゾーン21、高圧混練ゾーン22、及び減圧ゾーン23の間にはそれぞれ、これらのゾーン21、22、23の連通状態を一時的に遮断する上流側シール機構S1及び下流側シール機構S2が配設されている。これにより、例えば、混合加圧流体を高圧混練ゾーン22に導入する際には、機械的に高圧混練ゾーン22の上流側及び下流側がシールされ、確実に高圧混練ゾーン22と隣接するゾーン21、23とを遮断できる。この結果、高圧混練ゾーン22の圧力は高圧に維持されるので、無電解メッキ触媒を溶融樹脂に効果的に浸透可能となる。上流側シール機構S1及び下流側シール機構S2は、ゾーン21、22、23の連通を遮断するものであれば、種々のものを利用できるが、本実施例では、後述するスクリュ20の回転状態に応じてこれらのゾーンの連通を遮断するものを用いた。
減圧ゾーン圧力調整機構1は、常時、減圧ゾーンの圧力をほぼ一定の圧力に保持する。減圧ゾーン圧力調整機構1は、バッファ容器5と、バッファ容器5の接続口5aから、圧力計4及び背圧弁3を介して排気口11へ接続される排気機構を有する。減圧ゾーン圧力調整機構1は、排気機構の背圧弁3を所定の値に設定し、二酸化炭素ガスの排気量を制限することにより、減圧ゾーン23内部の圧力を制御する。このように、減圧ゾーン圧力調整機構1は、減圧ゾーン23内のガスの圧力を制御している。減圧ゾーン圧力調整機構1により、減圧ゾーンの圧力を一定に保持することで、可塑化シリンダ210内に導入する加圧二酸化炭素の量を毎ショット安定に制御することができる。
次に、上流側シール機構S1及び下流側シール機構S2について説明する。図7及び図8に示すように、可塑化スクリュ20は、高圧混練ゾーン22と減圧ゾーン23との境界領域において、この境界領域と隣接する領域に比べて縮径された縮径部50を有している。縮径部50には、縮径部50の範囲で軸方向(前後方向)に移動可能となるように遊嵌状態で下流側シールリング60が外嵌している。これら縮径部50と下流側シールリング60とで、下流側シール機構S2が構成されている。同様に、可塑化ゾーン21と高圧混練ゾーン22との境界領域において、縮径部30と上流側シールリング40とで、上流側シール機構S1が構成されている。本実施例においては、上流側シール機構S1と下流側シール機構S2とは基本的に同一の構成である。下流側シールリング60の外周面には、下流側シールリング60の外周面から突出するように金属製の外側シール部材70が嵌合している。これにより、下流側シールリング60と可塑化シリンダ210との間のシール性が確保される。同様に、上流側シールリング40の外周面には、外側シール部材80が嵌合している。
可塑化スクリュ20の縮径部50は、前方(下流)に向かって傾斜するテーパ面を有する円錐台部(シール部)51と、円錐台部51から連接し、軸方向に水平に延びる水平面を有する円筒部52とで構成されている。同様に、縮径部30も、円錐台部(シール部)31と、円筒部32から構成される。
図7に示すように、スクリュ20を正回転(反時計回り)させると、上流側及び下流側シールリング40、60はそれぞれ縮径部30、50の範囲を下流側に移動する。スクリュ20に対して下流側シールリング60が下流側に移動すると、縮径部50のシール部51と下流側シールリング60とが離間して、溶融樹脂及び加圧二酸化炭素の湯道となる隙間Gが形成され、これにより、高圧混練ゾーン22と減圧ゾーン23が連通する。同様に、スクリュ20を正回転(反時計回り)させると、上流側シール機構S1に隙間Gが形成され、可塑化ゾーン21と高圧混練ゾーン22が連通する。
一方、図8に示すように、スクリュ20を所定回転数以上で逆回転(時計回り)させると、スクリュ20に対して下流側シールリング60が上流側に移動する。スクリュ20に対して下流側シールリング60が上流側に移動すると、縮径部50のシール部51と下流側シールリング60とが当接して、隙間Gは消滅する。これにより、高圧混練ゾーン22と減圧ゾーン23との連通が遮断される。同様に、スクリュ20を逆回転(時計回り)させると、上流側シール機構S1の隙間Gが消滅し、可塑化ゾーン21と高圧混練ゾーン22の連通が遮断される。
<成形体の成形方法>
上で説明した図6に示す成形機1000を用いて、以下に説明する方法により成形体を成形した。まず、吸引用エアオペレートバルブ104を開放して、液体二酸化炭素ボンベ101から4〜6MPaの液体二酸化炭素を吸引する。次に、二酸化炭素用シリンジポンプ102の圧力制御により所定圧力まで液体二酸化炭素を加圧する。本実施例では、二酸化炭素用シリンジポンプ102のヘッドと途中の経路を10℃に冷却し、圧力が10MPa、温度が10℃の加圧二酸化炭素を調製した。
また、溶液用シリンジポンプ112側の吸引用エアオペレートバルブ114を開放して、溶液槽111から溶媒に無電解メッキ触媒を溶解させた溶液Cを常温で吸引し、溶液用シリンジポンプ112の圧力制御により所定圧力まで溶液Cを加圧する。本実施例では、溶液Cの溶媒としてパーフルオロペンチルアミン(フロリナート、3M製)を用い、溶液Cを10MPaに加圧した。また、溶液C中の無電解メッキ触媒の濃度は、2wt%とした。
次に、供給用エアオペレートバルブ105、115を開放した後、二酸化炭素用シリンジポンプ102及び溶液用シリンジポンプ112を圧力制御から流量制御に切替え、加圧二酸化炭素と加圧した溶液Cとを10:1の流量比となるように流動させた。これにより、配管内で加圧二酸化炭素と溶液Cとを混合し、かつ、可塑化シリンダ210内に高圧流体を導入する導入バルブ212までの系内を加圧した。本実施例において、混合加圧流体中の無電解メッキ触媒の濃度は、飽和溶解度の10〜20%程度に制御した。
一方、混練装置200において、樹脂供給用ホッパ211から熱可塑性樹脂を供給し、可塑化ゾーン21の外壁面に設けられたバンドヒータ(図示せず)により可塑化ゾーン21を加熱し、スクリュ20を正回転させた。これにより、熱可塑性樹脂を加熱、混練し、溶融樹脂とした。本実施例では、溶融樹脂の温度が210〜240℃となるように可塑化シリンダ210の可塑化ゾーン21を加熱した。
スクリュ20を正回転することにより、溶融樹脂を可塑化ゾーン21から高圧混練ゾーン22に流動させた。そして、高圧混練ゾーン22と、減圧ゾーン23及び可塑化ゾーン21とを遮断するため、スクリュ20の回転を一旦停止した後、スクリュ20を逆回転させた。これにより、上流側及び下流側シールリング40、60を上流側に移動させて、上流側及び下流側シールリング40、60とスクリュ20の縮径部30、50との間の隙間Gを消滅させ、高圧混練ゾーン22を、減圧ゾーン23及び可塑化ゾーン21から遮断した。
上流側及び下流側シール機構S1、S2によって高圧混練ゾーン22をシールした後、シリンジポンプ102、112の駆動にあわせて導入バルブ212を開き、導入口202を介して可塑化シリンダ210に混合加圧流体を導入した。本実施例では、成形体中の無電解メッキ触媒が、重量濃度で100ppmとなるように、圧力10MPa、温度10℃とした混合加圧流体の導入量を調整した。
一方、減圧ゾーン23の圧力を減圧ゾーン圧力調整機構1により、一定の圧力に制御した。減圧ゾーン23の設定圧力は任意であるが、無電解メッキ触媒が加圧二酸化炭素に溶解する状態であると、加圧二酸化炭素と一緒にベント口203より排出されてしまうので、無電解メッキ触媒の溶解度以下の圧力であることが好ましい。また高圧になるほど、成形体が発泡するので、発泡を回避する目的であれば、圧力は低いほど望ましい。また、減圧ゾーン23の設定圧力が低すぎると、混合高圧流体を導入した際の圧力変化が大きくなり、ショット間のばらつきが大きくなる。無電解メッキ触媒が減圧ゾーン23において変質しない場合、以上を鑑みて、減圧ソーン23の適正圧力は0.5〜6MPaが好ましい。より好ましくは、1〜4MPaである。本実施例では、2MPaに背圧弁を設定し、減圧ゾーン23の圧力を、常時、2MPaに制御した。
高圧混練ゾーン22に導入された混合加圧流体を、高圧混練ゾーン22で溶融樹脂中に高圧状態で分散させた後、スクリュ20を正回転(スクリュを可塑化する回転方向)する、又はスクリュ20の逆回転の回転数を低減させることで、高圧混練ゾーン22と減圧ゾーン23とを連通させた。本実施例では、スクリュ20の逆回転の回転数を低下させて、上流側及び下流側シールリング40、60を元の下流側の位置に戻し、上流側及び下流側シールリング40、60とスクリュ20の縮径部30、50とを離間させ、隙間Gを形成し、高圧混練ゾーン22と減圧ゾーン23を連通させた。次いで、スクリュ20を正回転に戻し、溶融樹脂を減圧ゾーン23へ流動させた。
減圧ゾーン23へ流動した溶融樹脂及び混合加圧流体は、減圧ゾーンの設定圧力、2MPaまで圧力が低下した。これにより、余剰な加圧二酸化炭素はガス化して溶融樹脂から分離した後、可塑化シリンダ210のベント203を経て減圧ゾーン圧力調整機構1の排気口11より排出された。
次に、240℃に設定された再昇圧ゾーン24において、溶融樹脂を可塑化シリンダ210の先端部に送り、可塑化計量を完了した。その後、シャットオブバルブ36を開放して、キャビティ253内に溶融樹脂を射出充填し、金型に保圧をかけて成形体を得た。得られた成形体の大きさは、15cm×15cm×4mmであった。
<金属粒子層の形成>
無電解メッキの前処理として、得られた成形体を40℃に加熱した2.7mol/Lの塩酸に2分間浸漬し、次に、80℃に加熱した1,3−ブタンジオールに5分間浸漬した。塩酸に浸漬することで、成形体の最表面をわずかにエッチングし、且つ、成形体表面近傍を膨潤させることができ、1,3−ブタンジオールに浸漬することで、更に、成形体表面近傍は膨張して自由体積が増し、次のメッキ工程においてメッキ液が浸透しやすくなる。
次に、レベリング性能が高い無電解Ni−Pメッキ液(日本カニゼン社製、SEK−797)を85℃に加熱し、メッキ前処理を行った成形体を浸漬した。浸漬直後、成形体内部でNiP粒子の形成が開始された。本実施例の成形体は白色であり、NiP粒子は黒色であるので、NiP粒子の形成は成形体内部が濃黒色に色づくことで確認できた。そして、成形体表面にNiP粒子が形成される前に、成形体を無電解Ni−Pメッキ液から引き揚げ、成形体内部のみにNiP粒子からなる金属粒子層を形成した。成形体の無電解Ni−Pメッキ液への浸漬時間は、30分であった。次に、常温の置換Cuメッキ液(奥野製薬工業社製、ANCアクチ)に成形体を1分間浸漬した。以上のメッキ工程を経て、本実施例の電磁波シールド材を得た。
<電磁波シールド材の評価>
得られた電磁波シールド材の表面を目視にて観察した。成形体の表面近傍に、黒色の金属粒子層が形成されていることは確認できたが、成形体の表面に金属粒子層は形成されていなかった。本実施例の電磁波シールド材の表面は、熱可塑性樹脂のみによって形成されていた。
本実施例の電磁波シールド材の断面の表面近傍をSEM(走査型電子顕微鏡)により観察した。図1に示すように、本実施例の電磁波シールド材500は、成形体51の表面51aから深さ500nm〜10μmの範囲に金属粒子層52が形成されていることが確認された。金属粒子層52は、Ni―P粒子の外側をCuが被覆した構造の粒子52aの集合体だと推察される。尚、図1に示す成形体51中の楕円状の物質53は、熱可塑性樹脂に混合したガラスフィラーである。また、本実施例の電磁波シールド材500の断面全体を目視にて観察した。図4に示すように、成形体51全面の表面近傍に、金属粒子層52が確認された。したがって、本実施例の電磁波シールド材500は、成形体51の対向する2つの面である第1表面51a及び第2表面51cのそれぞれの表面近傍に、第1金属粒子層52a、第2金属粒子層52cが形成されており、第1表面51aと第2表面51cとの間には、2層の金属微粒子層が存在することになる。
電磁波シールド材の表面51a及び金属粒子層52の電気抵抗値を測定器(三和電気計器(株)製、デジタルマルチメータPC5000)により測定した。電磁波シールド材の表面の電気抵抗値は、測定限界値である5.0×10Ωより大きく、金属粒子層52の電気抵抗値は、82Ωであった。この結果から、本実施例の電磁波シールド材の表面は絶縁性を有し、金属粒子層52は導電性を有することが確認できた。
次に、本実施例の電磁波シールド材の電磁波シールド特性をスペクトラムアナライザ(アドバンテスト社製、R3132)を用いたKEC法により、測定した。周波数500MHzにおける電磁波シールド特性は、60dBと良好であった。
本実施例の電磁波シールド材表面の反射率を分光光度計(日本分光製、V‐650)を用いて測定した。入射光の波長は350〜750nmとし、入射角は、10°、20°、30°、40°、50°、60°とした。尚、入射角は、光の進行方向と成形体表面の垂線との間の角度として定義される。即ち、入射角0°の光とは、成形体表面に垂直入射する光である。図10に示すように、各波長における反射率は、入射角が大きくなるほど上昇する傾向にあった。例えば、入射角10°の場合、波長400nm、650nmの光の反射率は、それぞれ、0.2%、0.3%であったが、入射角60°の場合、入射光400nm、650nmの光の反射率は、それぞれ、1.6%、1.8%であった。光が低入射角で照射される場合、電磁波シールド材表面は濃黒色を有するため、可視光域である350〜750nmは吸収され反射率が低いと考えられる。一方、光が高入射角で照射される場合、本実施例の電磁波シールド材の表面が平滑なため、反射成分が増加すると考えられる。
本実施例の電磁波シード材の表面をレーザー顕微鏡(キーエンス製、VK−9710)により観察し、電磁波シード材の表面の平均表面粗さ(Ra)を原子間力顕微鏡(AFM)により測定した。平均表面粗さ(Ra)は、0.1μmであり、図9に示すように、本実施例の電磁波シード材の表面は平滑であった。尚、以上説明した本実施例のメッキ時間、電気抵抗値及び電磁波シールド特性を図13の表にまとめて示す。
[実施例2]
本実施例では、成形体の表面に複数の凹部が形成されている電磁波シールド材を作製した。本実施例では、ミネラル系フィラーを40%含有した熱可塑性樹脂としてポリアミド6(東洋紡製、グラマイドT-777−02)を用い、成形体をNi―P無電解メッキ液に浸漬する時間(メッキ時間)を10分とした以外は、実施例1と同様の材料を用い、同様の方法により、電磁波シールド材を得た。
得られた電磁波シールド材の表面を目視にて観察した。成形体の表面に金属粒子層は形成されていなかった。本実施例の電磁波シールド材の表面は、熱可塑性樹脂のみによって形成されていた。
電磁波シールド材の表面及び金属粒子層の電気抵抗値を実施例1と同様の方法により測定した。電磁波シールド材の表面の電気抵抗値は、測定限界値である5.0×10Ωより大きく、金属粒子層の電気抵抗値は、9Ωであった。この結果から、本実施例の電磁波シールド材の表面は絶縁性を有し、成形体内には導電性を有する金属粒子層が形成されていることが確認できた。次に、本実施例の電磁波シールド材の電磁波シールド特性を実施例1と同様の方法により測定した。周波数500MHzにおける電磁波シールド特性は、78dBと良好であった。
実施例1と同様の方法により、本実施例の電磁波シード材の表面をレーザー顕微鏡により観察し、表面の平均表面粗さ(Ra)を測定した。平均表面粗さ(Ra)は、0.7μmと実施例1より大きく、また、図11に示すように、本実施例の電磁波シード材の表面は、図9に示す実施例1の電磁波シールド材の表面と比較して粗いことが確認された。これは、メッキ前処理として成形体を塩酸に浸漬させたことにより、成形体に含有されていたミネラルが溶出、除去されて、成形体表面に複数の凹部が形成されたためである。本実施例では、成形体表面に複数の凹部が形成されたため、無電解メッキ液が浸透しやすくなり、メッキ時間が10分と実施例1の30分と比較して短縮されたものと推測される。
次に、本実施例の電磁波シールド材表面の反射率を実施例1と同様の条件で、同様の方法により測定した。図12に示すように、各波長における反射率は、実施例1と同様に入射角が大きくなるほど上昇する傾向にあったが、入射角の増加に伴う反射率の増加は低く抑えられていた。その結果、本実施例の電磁波シールド材は、表面に入射角0°〜60°で波長400〜700nmの光を入射したときの反射率が0.5%未満であった。例えば、入射角10°の場合、波長400nm、650nmの光の反射率は、共に、0.1%であり、入射角60°の場合、入射光400nm、650nmの光の反射率は、それぞれ、0.3%、0.2%であった。これは、本実施形態の成形体表面に設けられた複数の凹部により、入射光が拡散反射されたためと考えられる。また、複数の凹部が形成されることで成形体の表面形状は複雑化し、実際に高入射角で成形体表面に入射する光量が減ったためと推測される。このように、本実施形態の電磁波シールド材は、電磁波シールド特性と光の低反射性を兼ね備えるので、レンズ鏡筒のような光学部品の使用に適している。尚、以上説明した本実施例のメッキ時間、電気抵抗値及び電磁波シールド特性を図13の表にまとめて示す。
[実施例3]
本実施例では、成形体が、シート状の第1成形体と、第2成形体とを有する複合成形体である電磁波シールド材をインサート成形により製造した。第1成形体を構成する第1の熱可塑性樹脂には、ナイロン6(東レ製、CM1021FS、線膨張係数:8×10−5/℃、吸水率:1.8%)を、無電解メッキ触媒にはヘキサフルオロアセチルアセトナトパラジウム(II)を用いた。第2成形体を構成する第2の熱可塑性樹脂には、ガラス/ミネラル65%含有ポリフタルアミド樹脂(ソルベイアドバンストポリマーズ(株)社製、アモデルAS−1566、線膨張係数:1×10−5/℃、吸水率:0.1%)を用いた。
まず、シート状の第1成形体を押出成形によって成形した。用いた成形機は、図6に示す成形機1000と類似構造の成形機であるが、型締めユニット250を有さず、代わりに、可塑化シリンダ210のノズル先端29にダイ(口金)が取り付けられる。それ以外は、成形機1000と同様の構成である。
本実施例では、実施例1と同様の方法により、可塑化溶融した第1の熱可塑性樹脂に、無電解メッキ触媒を含んだ加圧二酸化炭素を接触混合させた。そして、ノズル先端29に取り付けられたダイ(口金)から溶融した第1の熱可塑性樹脂を押出し、厚み100μmのシート状の第1成形体を得た。成形体中に含有される無電解メッキ触媒濃度は、2wt%とした。
次に、シート状の第1成形体を10cm×10cmサイズにカットし、第1実施例と同様の方法により、第1成形体内に金属粒子層を形成した。但し、第1成形体と無電解Ni−Pメッキ液との接触時間、置換Cuメッキ液との接触時間は、それぞれ、5分、1分とした。
メッキ処理を行った第1成形体を金型内に設置し、射出成形機(日本製鋼所製、J180AD‐2M)を用いて、可塑化溶融した第2の熱可塑性樹脂を第1成形体が設置された金型内に射出充填しインサート成形を行った。これにより、第1成形体と第2成形体との複合成形体からなる電磁波シールド材を得た。得られた電磁波シールド材の大きさは、10cm×10cm×4mmであった。
得られた電磁波シールド材の表面を目視にて観察した。成形体の表面に金属粒子層は形成されていなかった。本実施例の電磁波シールド材の表面は、熱可塑性樹脂のみによって形成されていた。電磁波シールド材の表面及び金属粒子層の電気抵抗値を実施例1と同様の方法により測定した。電磁波シールド材の表面の電気抵抗値は、測定限界値である5.0×10Ωより大きく、金属粒子層の電気抵抗値は、0.8Ωであった。この結果から、本実施例の電磁波シールド材の表面は絶縁性を有し、成形体内には導電性を有する金属粒子層が形成されていることが確認できた。次に、本実施例の電磁波シールド材の電磁波シールド特性を実施例1と同様の方法により測定した。周波数500MHzにおける電磁波シールド特性は、95dBと良好であった。
第1の熱可塑性樹脂と、第2の熱可塑性樹脂との線膨張係数及び吸水率の値を比較すると、第2の熱可塑性樹脂の方が線膨張係数及び吸水率が低く、熱や吸水による寸法安定性に優れていることが分かる。したがって、本実施例の複合成形体からなる電磁波シールド材は、第2成形体を有することで高い寸法精度が要求される用途にも使用可能であり、内部に金属粒子層を有する第1成形体を有することで高い電磁波シールド特性を有することができる。尚、以上説明した本実施例のメッキ時間、電気抵抗値及び電磁波シールド特性を図13の表にまとめて示す。
[比較例1]
本比較例では、成形体をNi―P無電解メッキ液に浸漬する時間(メッキ時間)を10分とした以外は、実施例1と同様の材料を用い、同様の方法により本比較例の試料を作製した。
得られた試料の表面を目視にて観察した。成形体の表面に金属粒子層は形成されていなかった。本比較例の試料の表面は、熱可塑性樹脂のみによって形成されていた。試料の表面及び金属粒子層の電気抵抗値を実施例1と同様の方法により測定した。試料の表面及び金属粒子層の電気抵抗値は、共に、測定限界値である5.0×10Ωより大きかった。この結果から、本比較例の試料の表面は絶縁性を有しているが、成形体内に形成された金属粒子層は、導電性を有していないことが確認された。
次に、本比較例の試料の電磁波シールド特性を実施例1と同様の方法により測定した。周波数500MHzにおける電磁波シールド特性は、0dBであり、電磁波シールド効果は全く得られなかった。電磁波シールド特性が得られないのは、金属粒子層が、絶縁性で(電気抵抗値が高い)、導通状態でないためである。本比較例では、成形体の無電解メッキ液浸漬時間(メッキ時間)が短すぎるため、金属粒子の成長が十分でなく、金属粒子同士が物理的に接触して導電パスを形成するには至らなかったと考えられる。尚、以上説明した本比較例のメッキ時間、電気抵抗値及び電磁波シールド特性を図13の表にまとめて示す。
[比較例2]
本比較例では、成形体をNi―P無電解メッキ液に浸漬する時間(メッキ時間)を120分とした以外は、実施例1と同様の材料を用い、同様の方法により本比較例の試料を作製した。
得られた試料の表面を目視にて観察した。成形体の表面に金属粒子層が形成されている部分が確認された。したがって、本実施例の試料の表面は、熱可塑性樹脂のみによって形成されていなかった。
電磁波シールド材の表面及び金属粒子層の電気抵抗値を実施例1と同様の方法により測定した。電磁波シールド材の表面の抵抗率は、金属粒子層が形成されていない領域は測定限界値である5.0×10Ωより大きく、金属粒子層が形成されている領域は85Ωであった。また、金属粒子層の電気抵抗値は、31Ωであった。この結果から、本比較例の成形体内には、導電性を有する金属粒子層が形成されているが、成形体表面は絶縁性を有していないことが確認された。
次に、本比較例の試料の電磁波シールド特性を実施例1と同様の方法により測定した。周波数500MHzにおける電磁波シールド特性は、71dBであった。このように、本比較例は電磁波シールド特性を有するが、成形体表面には金属粒子層が形成されている領域があり、絶縁性を有していない。したがって、例えば、本比較例の試料表面に電気回路を形成しても、正常に動作しない可能性がある。また、成形体表面の金属粒子層が形成されている領域は金属光沢があり、光の反射が懸念されるため、レンズ鏡筒のような光学部品に用いることは難しい。尚、以上説明した本比較例のメッキ時間、電気抵抗値及び電磁波シールド特性を図13にまとめて示す。
本発明の電磁波シールド材では、良好な電磁波シールド特性を有すると共に、表面での光の反射率が低いため、レンズ鏡筒のような光学部品に適する。
500 電磁波シールド材
51 成形体
52 金属粒子層
52a 金属粒子
51a 成形体の表面
1000 成形機
100 加圧流体供給装置
250 型締めユニット
200 混練装置
210 可塑化シリンダ
20 スクリュ
S1 上流側シール機構
S2 下流側シール機構

Claims (23)

  1. 電磁波シールド材であって、
    熱可塑性樹脂から形成される成形体と、
    前記成形体の内部に形成され、金属粒子からなり、且つ導電性を有する金属粒子層を有する電磁波シールド材。
  2. 前記電磁波シールド材の表面には、前記金属粒子層が形成されていない請求項1に記載の電磁波シールド材。
  3. 前記電磁波シールド材の表面が、絶縁性である請求項1又は2に記載の電磁波シールド材。
  4. 前記金属粒子層の電気抵抗値が、100Ω未満である請求項1〜3のいずれか一項に記載の電磁波シールド材。
  5. 前記金属粒子層の電気抵抗値が、10Ω未満である請求項4に記載の電磁波シールド材。
  6. 前記電磁波シールド材の表面の電気抵抗値が、5.0×10Ωを超えることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の電磁波シールド材。
  7. 前記金属粒子層が、前記成形体の表面近傍に形成されている請求項1〜6のいずれか一項に記載の電磁波シールド材。
  8. 前記金属粒子層が、前記成形体の表面から深さ500nm〜10μmの範囲に形成されている請求項7に記載の電磁波シールド材。
  9. 前記熱可塑性樹脂が、ナイロンである請求項1〜8のいずれか一項に記載の電磁波シールド材。
  10. 前記金属粒子の金属が、Ni、Ni−P、Cu、Ni−Cu、Au、Ag及びPdからなる群から選択される少なくとも一つである請求項1〜9のいずれか一項に記載の電磁波シールド材。
  11. 前成形体は、対向する2つの面である第1表面及び第2表面を有し、前記金属粒子層は、前記第1表面の表面近傍に形成される第1金属粒子層と、前記第2表面の表面近傍に形成される第2金属粒子層を含むことを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の電磁波シールド材。
  12. 前記成形体の表面に、複数の凹部が形成されている請求項1〜11のいずれか一項に記載の電磁波シールド材。
  13. 前記成形体の表面波長に400〜700nmの光を入射角0°〜60°で入射したときの光の反射率が、0.5%未満である請求項12に記載の電磁波シールド材。
  14. 前記成形体が、第1の熱可塑性樹脂から形成されるシート状の第1成形体と、第2の熱可塑性樹脂から形成される第2成形体を有する複合成形体であり、前記第1成形体は、前記第2成形体の表面の少なくとも一部を被覆しており、前記金属粒子層は、前記第1成形体の内部に形成されている請求項1〜13のいずれか一項に記載の電磁波シールド材。
  15. 前記第1の熱可塑性樹脂がナイロン6及びナイロン66の少なくとも一方であり、前記第2の熱可塑性樹脂が、ポリフェニレンサルファイド、ポリブチレンテレフタレート、ポリフタルアミド、及び9Tナイロンからなる群から選択される少なくとも一つである請求項14に記載される電磁波シールド材。
  16. 前記成形体が、シート状である請求項1〜13のいずれか一項に記載の電磁波シールド材。
  17. 電磁波シールド材の製造方法であって、
    熱可塑性樹脂を可塑化溶融することと、
    可塑化溶融した前記熱可塑性樹脂と、無電解メッキ触媒を含む加圧二酸化炭素とを混合することと、
    前記加圧二酸化炭素を混合した前記熱可塑性樹脂を成形して成形体を得ることと、
    前記成形体に無電解メッキ液を接触させることによって、前記成形体の内部に、金属粒子からなり、導電性を有する金属粒子層を形成することと、
    前記金属粒子層が前記成形体の表面に形成される前に、前記成形体と前記無電解メッキ液とを非接触状態とすることを含む電磁波シールド材の製造方法。
  18. 前記無電解メッキ触媒を前記成形体の表面から深さ500nm〜10μmの範囲内に配置させることを特徴とする請求項17に記載の電磁波シールド材の製造方法。
  19. 前記無電解メッキ液が、Ni-Pメッキ液である請求項17又は18に記載の電磁波シールド材の製造方法。
  20. Ni-Pメッキ液に接触させた前記成形体を、置換Cuメッキ液に接触させる請求項19に記載の電磁波シールド材の製造方法。
  21. 前記熱可塑性樹脂がミネラルを含有し、
    前記成形体と前記無電解メッキ液を接触させる前に、前記成形体に酸を接触させて前記成形体の表面からミネラルを抽出及び除去することにより、前記成形体表面に複数の凹部を形成することを含む請求項17〜20のいずれか一項に記載の電磁波シールド材の製造方法。
  22. 請求項14に記載の電磁波シールド材の製造方法であって、
    前記第1の熱可塑性樹脂を可塑化溶融することと、
    可塑化溶融した前記第1の熱可塑性樹脂と、無電解メッキ触媒を含む加圧二酸化炭素とを混合することと、
    加圧二酸化炭素が混合した前記第1の熱可塑性樹脂を成形してシート状の前記第1成形体を得ることと、
    前記第1成形体に無電解メッキ液を接触させ、前記第1成形体の内部に前記金属粒子層を形成することと、
    前記金属粒子層が前記第1の成形体の表面に形成される前に、前記第1成形体と前記無電解メッキ液とを非接触状態とすることと、
    前記第1成形体を金型内に設置して、前記金型内に前記第2の熱可塑性樹脂を射出充填して、前記第1成形体と前記第2の熱可塑性樹脂からなる前記第2成形体との複合成形体を成形することを含む電磁波シールド材の製造方法。
  23. 請求項17〜22のいずれか一項に記載の電磁波シールド材の製造方法により製造された電磁波シールド材。
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