JP2013228611A - 情報表示用パネルの活性化方法および情報表示用パネル - Google Patents
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Abstract
【課題】高速書換えや多階調表示をした場合でも、粒子同士の凝集が発生し難く、粒子の帯電保持能力の変化もし難く、コントラストの低下も少ない長期耐久性に優れた情報表示用パネルとすることができる情報表示用パネルの活性化方法および情報表示用パネルを提供する。
【解決手段】少なくとも一方が透明な対向する基板間に正帯電性粒子および負帯電性粒子を配置し、配置した粒子を付与した電界で移動させ、透明な基板側に移動した粒子を視認することで情報を得る情報表示用パネルの活性化方法であって、前記情報表示用パネルを準備し、準備した情報表示用パネルに対し、所定の駆動電圧よりも高い電圧を10000回〜30000回印加する処理を行う。
【選択図】図3
【解決手段】少なくとも一方が透明な対向する基板間に正帯電性粒子および負帯電性粒子を配置し、配置した粒子を付与した電界で移動させ、透明な基板側に移動した粒子を視認することで情報を得る情報表示用パネルの活性化方法であって、前記情報表示用パネルを準備し、準備した情報表示用パネルに対し、所定の駆動電圧よりも高い電圧を10000回〜30000回印加する処理を行う。
【選択図】図3
Description
本発明は、情報表示用パネルの高速表示時や多階調表示時の長期耐久性を向上させるために実施する情報表示用パネルの活性化方法および情報表示用パネルに関するものである。
従来、少なくとも一方が透明な対向する基板間に正帯電性粒子および負帯電性粒子を封入し、封入した粒子を付与した電界で移動させ、透明な基板側に移動した粒子を視認することで画像等の情報を得る情報表示用パネルにおいて、表示向上および表示安定性に優れた情報表示用パネルを得るために、情報表示用パネルに対し、通常の駆動電圧である所定の駆動電圧よりも高電圧を予め印加する前処理を行うことが開示されている(特許文献1参照)。
また、表示品位が良く、初期コントラストが高い情報表示用パネルを得るために、少なくとも1つの情報表示用パネルを有するマザーパネルに対し、電極間に極性を反転しながら電圧を加えることにより表示媒体とする粒子を移動させる初期活性化処理を、好ましくは10回から10万回行うことが開示されている(特許文献2参照)。
上述した従来技術では、表示向上および表示安定性に優れた情報表示用パネルを得ることができ(特許文献1)、また、表示品位が良く、初期コントラストが高い情報表示用パネルを得ることができる(特許文献2)。しかし、いずれの技術においても、高速書換えや多階調表示をした場合、極性の異なる粒子同士の凝集について、何ら検討されていなかった。
そのため、従来技術で製造された情報表示用パネルについては、高速書換えや多階調表示をした場合、コントラストが低下するという問題が発生していた。
その原因は、粒子の帯電保持能力が変化しやすかったり、極性の異なる粒子同士の凝集が起こりやすかったりすることにあるということが分かってきている。
その原因は、粒子の帯電保持能力が変化しやすかったり、極性の異なる粒子同士の凝集が起こりやすかったりすることにあるということが分かってきている。
本発明の目的は上述した問題点を解消して、高速書換えや多階調表示を含んだ書換えを繰り返しても、コントラスト低下が少なく、初期の表示性能が長期間に亘って維持できる、すなわち、長期耐久性に優れた情報表示用パネルとすることができる情報表示用パネルの活性化方法を提供しようとするものである。ここで言う長期間とは、1年〜5年程度である。そして、具体的には、1時間に30回程度のタイミングで表示書き換えを実行する表示書き換え駆動を、毎日8時間実行する想定で、表示書き換え回数が400000回以上となる5年程度を意味している。
本発明の情報表示用パネルの活性化方法は、少なくとも一方が透明な対向する基板間に正帯電性粒子および負帯電性粒子を配置し、配置した粒子を付与した電界で移動させ、透明な基板側に移動した粒子を視認することで画像等の情報を得る情報表示用パネルの活性化方法であって、前記情報表示用パネルを準備し、準備した情報表示用パネルに対し、所定の駆動電圧よりも高い電圧を10000回〜30000回印加する処理を行うことを特徴とするものである。
また、本発明の情報表示用パネルの活性化処理の好適例としては、前記所定の駆動電圧を、対向する基板の各々に設けた電極間に形成する電圧を徐々に高くしていき、粒子を一方の基板側から他方の基板側へと移動させる際、90%の粒子が一方の基板側から他方の基板側へと移動する電圧とすること、がある。
さらに、本発明の情報表示用パネルは、情報表示用パネルの活性化方法を実施したことを特徴とするものである。
本発明の情報表示用パネルの活性化方法によれば、準備した情報表示用パネルに対し、所定の駆動電圧よりも高い電圧を10000回〜30000回印加する処理を行うことで、高速書換えや多階調表示を含んだ書換えを繰り返しても、コントラストの低下が少なく、初期の表示性能が長期間に亘って維持できる、すなわち、長期耐久性に優れた情報表示用パネルにできる。
また、好適例として、前記所定の駆動電圧が、対向する基板の各々に設けた電極間に形成する電圧を徐々に高くしていき、粒子を一方の基板側から他方の基板側へと移動させる際、90%の粒子が一方の基板側から他方の基板側へと移動する電圧である場合は、所定の駆動電圧よりも高い電圧を正確に設定することができ、上記情報表示用パネルの活性化方法をより好適に実施することができる。
本発明について実施形態を例示して説明する。
<本発明の適用対象となる情報表示用パネルについて>
図1(a)、(b)に示す、本発明を適用する情報表示用パネルの一例では、光学的反射率および帯電極性が異なる二種類の粒子群(ここでは、黒色表示媒体である正帯電性黒色粒子3Baを含んだ正帯電性黒色粒子群3Bと、白色表示媒体である負帯電性白色粒子3Waを含んだ負帯電性白色粒子群3Wとを示す)が、表示画面領域において隔壁4で区画形成された各セル7内に収められる。そして、基板1に設けられた導電性膜5(ここではストライプ電極)と観察側の表示画面領域が透明な基板2に設けられた透明導電性膜6(ここでは透明ストライプ電極)とが対向して形成された電極対の間に形成された電界に応じて、二種類の粒子群(正帯電性黒色粒子群および負帯電性白色粒子群)が、基板1、2が対向する向きに沿ってそれぞれが反対の方向に移動する。そして、図1(a)に示すように、負帯電性白色粒子群3Wを観察者に表示媒体として視認させて白色の表示をあるいは、図1(b)に示すように正帯電性黒色粒子群3Bを観察者に表示媒体として視認させて黒色の表示を行う。ここでは、対向配置された導電性膜(電極)に電圧を印加して、電極対間に電界を形成する。電極対はマトリックス配置してあるので、1電極対を1画素(1ドット)とするドットマトリックス表示を白黒で行うことができる。なお、図1(a)、(b)において、図面手前にある隔壁は省略している。ここではセルと画素(ドット)とが一対一に対応する例を示しているが、セルと画素とは対応していなくてもよい。
<本発明の適用対象となる情報表示用パネルについて>
図1(a)、(b)に示す、本発明を適用する情報表示用パネルの一例では、光学的反射率および帯電極性が異なる二種類の粒子群(ここでは、黒色表示媒体である正帯電性黒色粒子3Baを含んだ正帯電性黒色粒子群3Bと、白色表示媒体である負帯電性白色粒子3Waを含んだ負帯電性白色粒子群3Wとを示す)が、表示画面領域において隔壁4で区画形成された各セル7内に収められる。そして、基板1に設けられた導電性膜5(ここではストライプ電極)と観察側の表示画面領域が透明な基板2に設けられた透明導電性膜6(ここでは透明ストライプ電極)とが対向して形成された電極対の間に形成された電界に応じて、二種類の粒子群(正帯電性黒色粒子群および負帯電性白色粒子群)が、基板1、2が対向する向きに沿ってそれぞれが反対の方向に移動する。そして、図1(a)に示すように、負帯電性白色粒子群3Wを観察者に表示媒体として視認させて白色の表示をあるいは、図1(b)に示すように正帯電性黒色粒子群3Bを観察者に表示媒体として視認させて黒色の表示を行う。ここでは、対向配置された導電性膜(電極)に電圧を印加して、電極対間に電界を形成する。電極対はマトリックス配置してあるので、1電極対を1画素(1ドット)とするドットマトリックス表示を白黒で行うことができる。なお、図1(a)、(b)において、図面手前にある隔壁は省略している。ここではセルと画素(ドット)とが一対一に対応する例を示しているが、セルと画素とは対応していなくてもよい。
<本発明の情報表示用パネルの活性化方法について>
本発明の情報表示用パネルの活性化方法について、上述した図1(a)、(b)に示す構成の情報表示用パネルを例にとって説明する。本発明の情報表示用パネルの活性化方法を実施するには、表面側の全てのストライプ電極6および裏面側の全てのストライプ電極5をまとめて、まとめたストライプ電極5とストライプ電極6との間に、所定の駆動電圧よりも高い電圧を10000回〜30000回印加する。後述する実施例から明らかなように、所定の駆動電圧よりも高い電圧の印加回数が10000回未満であると、本発明の活性化方法を適用した情報表示用パネルに対する表示書換え回数が20000回以上になるとコントラスト比が劣化し、所定の駆動電圧よりも高い電圧の印加回数が30000回を超えると、本発明の活性化方法を適用した情報表示用パネルに対する表示書換え回数が1000回以下でコントラスト比が劣化するため、本発明の活性化方法で用いる所定の駆動電圧よりも高い電圧の印加回数を10000回〜30000回とした。なお、活性化処理に用いる電圧としては、前記所定の駆動電圧の2倍から8倍の電圧を用いる。これが、2倍未満であると活性化処理の効果が少ない場合があり、8倍を超えると帯電性を有する粒子の帯電特性が損なわれるといった粒子への悪影響が発生する場合があるためである。
本発明の情報表示用パネルの活性化方法について、上述した図1(a)、(b)に示す構成の情報表示用パネルを例にとって説明する。本発明の情報表示用パネルの活性化方法を実施するには、表面側の全てのストライプ電極6および裏面側の全てのストライプ電極5をまとめて、まとめたストライプ電極5とストライプ電極6との間に、所定の駆動電圧よりも高い電圧を10000回〜30000回印加する。後述する実施例から明らかなように、所定の駆動電圧よりも高い電圧の印加回数が10000回未満であると、本発明の活性化方法を適用した情報表示用パネルに対する表示書換え回数が20000回以上になるとコントラスト比が劣化し、所定の駆動電圧よりも高い電圧の印加回数が30000回を超えると、本発明の活性化方法を適用した情報表示用パネルに対する表示書換え回数が1000回以下でコントラスト比が劣化するため、本発明の活性化方法で用いる所定の駆動電圧よりも高い電圧の印加回数を10000回〜30000回とした。なお、活性化処理に用いる電圧としては、前記所定の駆動電圧の2倍から8倍の電圧を用いる。これが、2倍未満であると活性化処理の効果が少ない場合があり、8倍を超えると帯電性を有する粒子の帯電特性が損なわれるといった粒子への悪影響が発生する場合があるためである。
なお、本発明の情報表示用パネルの活性化方法は、高速書換えや多階調表示を含んだ書換えを行う情報表示用パネルのように、駆動電圧に短パルス波形を用いる情報表示用パネルに対し、好適に用いることができる。
<本発明における所定の駆動電圧について>
本発明における「所定の駆動電圧」は一般的には、情報表示用パネル内の粒子群を駆動させて画像を表示するために必要な電圧のことを意味し、製品としての情報表示用パネル毎に定められ、表示させたい画像に書換えるために用いる電圧のことを意味する。そして、所定の駆動電圧を、対向する基板の各々に設けた電極間に形成する電圧を徐々に高くしていき、粒子を一方の基板側から他方の基板側へと移動させる際、90%の粒子が一方の基板側から他方の基板側へと移動する電圧と定義することが好ましい。以下、この定義について説明する。
本発明における「所定の駆動電圧」は一般的には、情報表示用パネル内の粒子群を駆動させて画像を表示するために必要な電圧のことを意味し、製品としての情報表示用パネル毎に定められ、表示させたい画像に書換えるために用いる電圧のことを意味する。そして、所定の駆動電圧を、対向する基板の各々に設けた電極間に形成する電圧を徐々に高くしていき、粒子を一方の基板側から他方の基板側へと移動させる際、90%の粒子が一方の基板側から他方の基板側へと移動する電圧と定義することが好ましい。以下、この定義について説明する。
図2は本発明の情報表示用パネルの活性化方法で利用する駆動電圧の一例を説明するための図である。図2に示す例では、正帯電性黒色粒子3Baと負帯電性白色粒子3Waとについて、それぞれの駆動電圧を説明する。
まず、正帯電性黒色粒子3Baについて、印加電圧値(言い換えれば、電極間に形成した電圧)に対する移動粒子数の関係を以下のようにして調べた。図1(a)、(b)に示す構成の情報表示用パネルにおいて、観察側基板側の全てのストライプ電極6が200V、背面側基板側の全てのストライプ電極5が0Vとなるように、電圧を印加する。これによって、観察側基板側に全ての負帯電性白色粒子3Waが移動するとともに、背面側基板側に全ての正帯電性黒色粒子3Baが移動する。次に、観察側基板側の全てのストライプ電極6の電圧を0Vとして、背面側基板側の全てのストライプ電極5の電圧を0Vから1Vずつ上げながら印加する。1V上げるごとに、観察側基板側に移動した正帯電性黒色粒子3Baの数を計測する。背面側基板側のストライプ電極5には電圧が100Vになるまで印加する。100Vの電圧はすべての負帯電性白色粒子3Waと正帯電性黒色粒子3Baとが観察側基板側および背面側基板側に別れて配置される電圧である。このときの観察側基板側に移動した正帯電性黒色粒子3Baの数を1と規格化して、印加電圧と移動した黒色粒子数との関係を表したグラフが図2となる。
次に、負帯電性白色粒子3Waについても、同様にして、印加電圧値に対する移動粒子数の関係を調べた。具体的には、観察側基板側の全てのストライプ電極6が0V、背面側基板側の全てのストライプ電極5が200Vとなるように、電圧を印加する。これによって、観察側基板側には正帯電性黒色粒子3Baが移動するとともに、背面側基板側に負帯電性白色粒子3Waが移動する。次に、背面側基板側の全てのストライプ電極5の電圧を0Vとして、観察側基板側の全てのストライプ電極6の電圧を0Vから1Vずつ上げながら印加する。1V上げるごとに、観察側基板側に移動した負帯電性白色粒子3Waの数を計測する。観察側基板側のストライプ電極6には電圧が100Vになるまで印加する。このときの観察側基板側に移動した負帯電性白色粒子3Waの数を1と規格化して、印加電圧と移動した白色粒子数との関係を表したグラフが図2となる。
このようにして求めた図2に示す正帯電性黒色粒子3Baの特性を示すグラフと負帯電性白色粒子3Waの特性を示すグラフにおいて、90%の粒子が動く電圧をそれぞれ、正帯電性黒色粒子3Baの駆動電圧および負帯電性白色粒子3Waの駆動電圧とした。図2に示した黒色粒子および白色粒子をパネル基板間に配置した情報表示用パネルの所定の駆動電圧は、上記駆動電圧の高い方の電圧となる。図2に示した本実施例では、正帯電性黒色粒子3Baの駆動電圧は、70Vであり、負帯電性白色粒子3Waの駆動電圧は、80Vであり、したがって、この情報表示用パネルの所定の駆動電圧は、80Vとなる。このように定義した「所定の駆動電圧」を用いることで、表示画像の書換えに使用する所定の駆動電圧を正確に設定することができ、所定の駆動電圧よりも高い電圧を用いる上記情報表示用パネルの活性化方法をより好適に実施することができる。
このように、情報表示用パネルの所定の駆動電圧は、正帯電性粒子、負帯電性粒子および情報表示用パネルの構成によって決まってくるので、前記三者の種類や構成が異なれば異なるものとなる。作製する情報表示用パネルに対応する所定の駆動電圧を予め把握しておき、この「所定の駆動電圧」を用いることで、表示画像の書換えに使用する所定の駆動電圧を正確に設定することができ、所定の駆動電圧よりも高い電圧を用いる上記情報表示用パネルの活性化方法をより好適に実施することができる。
<本発明の好適例として利用する熱処理について>
本発明の情報表示用パネルの活性化方法を実施した後に、活性化方法を実施した情報表示用パネルに対し熱処理を行うと、活性化処理により粒子同士の摩擦で若干高くなった粒子の帯電量を初期の値に戻す効果を得ることができる。そのため、本発明において、活性化方法を実施した後熱処理を行うことが好ましい。ただし、一般的には、粒子や樹脂において、熱刺激電荷減衰 (Thermally Stimulated Charge Decay;以下TSCD と略記) 測定により、帯電電化量や帯電電荷の温度特性について直接調べる研究が行われているが、室温より温度が高くなるにつれて、徐々に電荷は減衰しやすくなり、100℃を超えると急激に電荷減衰しやすくなる物質が多々存在しており、100℃を超える高温で熱処理を行うと、帯電が低下しすぎてしまうという問題があるため、100℃以下の温度で熱処理することが好ましい。
本発明の情報表示用パネルの活性化方法を実施した後に、活性化方法を実施した情報表示用パネルに対し熱処理を行うと、活性化処理により粒子同士の摩擦で若干高くなった粒子の帯電量を初期の値に戻す効果を得ることができる。そのため、本発明において、活性化方法を実施した後熱処理を行うことが好ましい。ただし、一般的には、粒子や樹脂において、熱刺激電荷減衰 (Thermally Stimulated Charge Decay;以下TSCD と略記) 測定により、帯電電化量や帯電電荷の温度特性について直接調べる研究が行われているが、室温より温度が高くなるにつれて、徐々に電荷は減衰しやすくなり、100℃を超えると急激に電荷減衰しやすくなる物質が多々存在しており、100℃を超える高温で熱処理を行うと、帯電が低下しすぎてしまうという問題があるため、100℃以下の温度で熱処理することが好ましい。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
(1)情報表示用パネルの準備について
以下のようにして、正帯電性黒色粒子を含む粒子群および負帯電性白色粒子を含む粒子群を準備し、準備した黒色粒子群および白色粒子群を利用して情報表示用パネルを準備した。
以下のようにして、正帯電性黒色粒子を含む粒子群および負帯電性白色粒子を含む粒子群を準備し、準備した黒色粒子群および白色粒子群を利用して情報表示用パネルを準備した。
<正帯電性黒色粒子を含む粒子群>
黒色粒子群およびそれを構成する正帯電性黒色粒子群の作製法を説明する。
メチルメタクリレートモノマー(関東化学株式会社製)60質量部及びエチレングリコールジメタクリレート(和光純薬工業株式会社製)40質量部(約25mol%)に、正帯電の荷電制御剤としてニグロシン化合物「ボントロンN07」(オリエント化学工業株式会社製)3質量部を、そして、黒色顔料としてカーボンブラック(スペシャルブラック、デグッサ社製)5質量部を、それぞれサンドミルにより分散させ、(メタ)アクリル系樹脂−炭化水素系樹脂ブロックコポリマー「モディパーF600」(日油株式会社製)5質量部を溶解させ、さらにラウリルパーオキサイド「パーロイルL」(日油株式会社製)2質量部を溶解させた。得られた溶液を、界面活性剤としてポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム「ラテムルE−118B」(花王株式会社製)が0.5%添加された精製水に懸濁して重合させた。
得られた懸濁液をろ過した後、乾燥し、分級機「MDS−2」(日本ニューマチック工業株式会社製)を用いて分級して、平均粒子径10μm程度の正帯電性黒色粒子を得た。
次に、シリカ微小粒子(Wacker社製 H3050VP)を黒色粒子表面に外添して付着させて、黒色表示媒体とする正帯電性黒色粒子を含む黒色の粒子群を得た。
黒色粒子群およびそれを構成する正帯電性黒色粒子群の作製法を説明する。
メチルメタクリレートモノマー(関東化学株式会社製)60質量部及びエチレングリコールジメタクリレート(和光純薬工業株式会社製)40質量部(約25mol%)に、正帯電の荷電制御剤としてニグロシン化合物「ボントロンN07」(オリエント化学工業株式会社製)3質量部を、そして、黒色顔料としてカーボンブラック(スペシャルブラック、デグッサ社製)5質量部を、それぞれサンドミルにより分散させ、(メタ)アクリル系樹脂−炭化水素系樹脂ブロックコポリマー「モディパーF600」(日油株式会社製)5質量部を溶解させ、さらにラウリルパーオキサイド「パーロイルL」(日油株式会社製)2質量部を溶解させた。得られた溶液を、界面活性剤としてポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム「ラテムルE−118B」(花王株式会社製)が0.5%添加された精製水に懸濁して重合させた。
得られた懸濁液をろ過した後、乾燥し、分級機「MDS−2」(日本ニューマチック工業株式会社製)を用いて分級して、平均粒子径10μm程度の正帯電性黒色粒子を得た。
次に、シリカ微小粒子(Wacker社製 H3050VP)を黒色粒子表面に外添して付着させて、黒色表示媒体とする正帯電性黒色粒子を含む黒色の粒子群を得た。
<負帯電性白色粒子を含む粒子群>
白色粒子群およびそれを構成する負帯電性白色粒子群の作製法を説明する。
ポリメチルペンテン「TPX−R18」(三井化学株式会社製)100質量部と、着色剤として二酸化チタン「タイペークCR−90」(石原産業株式会社製)100質量部と、負帯電の荷電制御剤としてフェノール系縮合物「ボントロンE89」(オリエント化学工業株式会社製)5質量部とを、二軸混練機により溶融混練し、ジェットミル(ラボジェットミルIDS−LJ型、日本ニューマチック工業株式会社製)で細かく粉砕し、分級機「MDS−2」(日本ニューマチック工業株式会社製)を用いて分級し、次いで溶融球状化装置「MR−10」(日本ニューマチック工業株式会社製)を用いて溶融球状化し、平均粒子径10μm程度の負帯電性白色粒子を得た。
次に、シリカ微小粒子(Wacker社製 H3004)を白色粒子表面に外添して付着させて、白色表示媒体とする負帯電性白色粒子を含む白色の粒子群を得た。
白色粒子群およびそれを構成する負帯電性白色粒子群の作製法を説明する。
ポリメチルペンテン「TPX−R18」(三井化学株式会社製)100質量部と、着色剤として二酸化チタン「タイペークCR−90」(石原産業株式会社製)100質量部と、負帯電の荷電制御剤としてフェノール系縮合物「ボントロンE89」(オリエント化学工業株式会社製)5質量部とを、二軸混練機により溶融混練し、ジェットミル(ラボジェットミルIDS−LJ型、日本ニューマチック工業株式会社製)で細かく粉砕し、分級機「MDS−2」(日本ニューマチック工業株式会社製)を用いて分級し、次いで溶融球状化装置「MR−10」(日本ニューマチック工業株式会社製)を用いて溶融球状化し、平均粒子径10μm程度の負帯電性白色粒子を得た。
次に、シリカ微小粒子(Wacker社製 H3004)を白色粒子表面に外添して付着させて、白色表示媒体とする負帯電性白色粒子を含む白色の粒子群を得た。
<情報表示用パネル>
厚さ700μmのガラス基板を二枚準備し、一方の面上にライン280μm、スペース20μmでストライプ状のITO(酸化インジウム錫)電極を形成した。そして、一方のガラス基板のITO電極上に高さ40μmで格子状の隔壁を形成し、開口が300μm×300μmの正方形セルをマトリックス配置した。そして、セル内に二種類の粒子群を表示媒体として配置した後、二枚のガラス基板を貼り合わせて情報表示用パネルを得た。セルと対向電極対とは一対に配置されるように対応させた。
厚さ700μmのガラス基板を二枚準備し、一方の面上にライン280μm、スペース20μmでストライプ状のITO(酸化インジウム錫)電極を形成した。そして、一方のガラス基板のITO電極上に高さ40μmで格子状の隔壁を形成し、開口が300μm×300μmの正方形セルをマトリックス配置した。そして、セル内に二種類の粒子群を表示媒体として配置した後、二枚のガラス基板を貼り合わせて情報表示用パネルを得た。セルと対向電極対とは一対に配置されるように対応させた。
(2)情報表示用パネルに対する活性化処理について
準備した情報表示用パネルに対し、図3に示す活性化処理波形を有する、所定の駆動電圧である80Vよりも高い電圧である200Vの電圧を、以下の表1に示すように5000回から50000回まで印加した。具体的には、図3に示す活性化処理波形を有する電圧を、背面側基板側の電極を0Vとした状態で、観察側基板側の電極に印加した。そして、500ms幅のパルス波形を印加した後極性反転したパルス波形を印加する操作を1回の活性化処理として、以下の表1に示すように5000回の活性化処理を行う場合から50000回の活性化処理を行う場合まで、活性化処理の回数を変えて実験した。
準備した情報表示用パネルに対し、図3に示す活性化処理波形を有する、所定の駆動電圧である80Vよりも高い電圧である200Vの電圧を、以下の表1に示すように5000回から50000回まで印加した。具体的には、図3に示す活性化処理波形を有する電圧を、背面側基板側の電極を0Vとした状態で、観察側基板側の電極に印加した。そして、500ms幅のパルス波形を印加した後極性反転したパルス波形を印加する操作を1回の活性化処理として、以下の表1に示すように5000回の活性化処理を行う場合から50000回の活性化処理を行う場合まで、活性化処理の回数を変えて実験した。
(3)表示性能に関する耐久特性の評価について
活性化処理を終了した情報表示用パネルに対し、図4に示す駆動電圧(短いパルス幅の駆動波形を有する電圧)を情報表示用パネルに印加し、以下の表1に示すように、表示画像の書換えを500回から1000000回まで行った。具体的には、図4に示す駆動電圧80Vを、背面側基板側の電極を0Vとした状態で、観察側基板側の電極に印加した。
活性化処理を終了した情報表示用パネルに対し、図4に示す駆動電圧(短いパルス幅の駆動波形を有する電圧)を情報表示用パネルに印加し、以下の表1に示すように、表示画像の書換えを500回から1000000回まで行った。具体的には、図4に示す駆動電圧80Vを、背面側基板側の電極を0Vとした状態で、観察側基板側の電極に印加した。
図4に示す駆動電圧の波形において、初期化部では、10μs幅の短パルス波形を有する電圧を印加し、複数回を1群として、書込みの極性とは逆の極性の電圧を書込み部の直前に印加した。なお、1群内の短パルス波形の数は任意であり、印加する群の数も任意である。表示画像の書込みを行う書込み部では、10μs幅の短パルス波形の電圧を印加した。
以下の表1に示すように、表示画像の書換えを500回から1000000回まで行った情報表示用パネルの各々の表示性能について比較した。
図4に示した駆動電圧80Vで、白黒チェッカー模様のテスト画像を表示させるように書込みを行い、白表示部の光学濃度および黒表示部の光学濃度を測定し、それぞれ白反射率、黒反射率に換算した後、その比、すなわち、(白反射率)/(黒反射率)をコントラスト比として求め、比較した。光学濃度は、温度23℃、湿度45%の条件下、グレタグマクベス社製のSpectro Eye LTを用いて測定した。結果を以下の表1に示す。コントラスト比が3以上であれば、視認者には良好と思える表示状態といえるので、このコントラスト比が、表示状態を判断するメジャーとなる。
図4に示した駆動電圧80Vで、白黒チェッカー模様のテスト画像を表示させるように書込みを行い、白表示部の光学濃度および黒表示部の光学濃度を測定し、それぞれ白反射率、黒反射率に換算した後、その比、すなわち、(白反射率)/(黒反射率)をコントラスト比として求め、比較した。光学濃度は、温度23℃、湿度45%の条件下、グレタグマクベス社製のSpectro Eye LTを用いて測定した。結果を以下の表1に示す。コントラスト比が3以上であれば、視認者には良好と思える表示状態といえるので、このコントラスト比が、表示状態を判断するメジャーとなる。
表1の結果から、情報表示用パネルに対する活性化処理をそれぞれ10000回、15000回、20000回、30000回実施した例では、表示書換えを500回から1000000回まで実施した場合でも、コントラスト比が3以上の良好な状態を維持することができ、表示書換えに対する良好な長期耐久性があることがわかる。一方、情報表示用パネルに対する活性化処理を7500回実施した例では500000回以上の表示書換えで、情報表示用パネルに対する活性化処理を5000回実施した例では50000回以上の表示書換えで、コントラスト比が3未満となり、表示書換えに対する良好な長期耐久性が得られないことがわかる。さらに、情報表示用パネルに対する活性化処理を40000回実施した例では、表示書換えに対する良好な長期耐久性はあるものの1000回以下の表示書換えで良好なコントラスト比を得ることができず、また、情報表示用パネルに対する活性化処理を50000回実施した例でも、表示書換えに対する良好な長期耐久性はあるものの1000回以下の表示書換えで良好なコントラスト比を得ることができず、いずれも十分な初期表示性能を得ることができないことがわかる。
以上の結果から、情報表示用パネルに対し、所定の駆動電圧よりも高い電圧を10000回−30000回印加する処理を行うことで、高速書換えや多階調表示を含んだ書換えを繰り返しても、コントラスト低下が少なく、初期の表示性能が長期間に亘って維持できる、すなわち、長期耐久性に優れた情報表示用パネルにできることがわかる。
本発明の情報表示用パネルの活性化方法によれば、高速書換えや多階調表示を含んだ書換えを繰り返しても、コントラスト低下が少なく、初期の表示性能が長期間に亘って維持できる、すなわち、長期耐久性に優れた情報表示用パネルを得ることができる。このような情報表示用パネルは、ノートパソコン、電子手帳、PDA(Personal Digital Assistants)と呼ばれる携帯型情報機器、携帯電話、ハンディターミナル等のモバイル機器の表示部、電子書籍、電子新聞等の電子ペーパー、看板、ポスター、黒板(ホワイトボード)等の掲示板、電子卓上計算機、家電製品、自動車用品等の表示部、ポイントカード、ICカード等のカード表示部、電子広告、情報ボード、電子POP(Point Of Presence, Point Of Purchase advertising)、電子値札、電子棚札、電子楽譜、RF−ID機器の表示部のほか、POS端末、カーナビゲーション装置、時計など様々な電子機器の表示部に好適に用いられる。
1 背面側基板(基板)
2 観察側基板(基板)
3B 正帯電性黒色粒子を含む粒子群(黒色粒子群)
3W 負帯電性白色粒子群を含む粒子群(白色粒子群)
3Ba 正帯電性黒色粒子
3Wa 負帯電性白色粒子
4 隔壁
5、6 導電性膜(電極)
7 セル
2 観察側基板(基板)
3B 正帯電性黒色粒子を含む粒子群(黒色粒子群)
3W 負帯電性白色粒子群を含む粒子群(白色粒子群)
3Ba 正帯電性黒色粒子
3Wa 負帯電性白色粒子
4 隔壁
5、6 導電性膜(電極)
7 セル
Claims (3)
- 少なくとも一方が透明な対向する基板間に正帯電性粒子および負帯電性粒子を配置し、配置した粒子を付与した電界で移動させ、透明な基板側に移動した粒子を視認することで情報を得る情報表示用パネルの活性化方法であって、前記情報表示用パネルを準備し、準備した情報表示用パネルに対し、所定の駆動電圧よりも高い電圧を10000回〜30000回印加する処理を行うことを特徴とする情報表示用パネルの活性化方法。
- 前記所定の駆動電圧を、対向する基板の各々に設けた電極間に形成する電圧を徐々に高くしていき、粒子を一方の基板側から他方の基板側へと移動させる際、90%の粒子が一方の基板側から他方の基板側へと移動する電圧とする、請求項1に記載の情報表示用パネルの活性化方法。
- 請求項1または2に記載の情報表示用パネルの活性化方法を実施したことを特徴とする情報表示用パネル。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012101506A JP2013228611A (ja) | 2012-04-26 | 2012-04-26 | 情報表示用パネルの活性化方法および情報表示用パネル |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012101506A JP2013228611A (ja) | 2012-04-26 | 2012-04-26 | 情報表示用パネルの活性化方法および情報表示用パネル |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2013228611A true JP2013228611A (ja) | 2013-11-07 |
Family
ID=49676283
Family Applications (1)
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JP2012101506A Pending JP2013228611A (ja) | 2012-04-26 | 2012-04-26 | 情報表示用パネルの活性化方法および情報表示用パネル |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2013228611A (ja) |
-
2012
- 2012-04-26 JP JP2012101506A patent/JP2013228611A/ja active Pending
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