JP2013227887A - 内燃機関の排気制御装置および内燃機関の排気制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 燃料中硫黄成分濃度を高精度で検出することができる内燃機関の排気制御装置および内燃機関の排気制御方法を提供する。
【解決手段】 内燃機関の排気浄化装置は、酸化機能を有する排気浄化触媒と、前記排気浄化触媒の下流に配置され、排気中のSOx濃度を検出するSOxセンサと、前記排気浄化触媒を昇温させる昇温手段と、前記昇温手段が前記排気浄化触媒を所定値に昇温させた際に、前記SOxセンサが検出したSOx濃度を用いて、使用燃料の硫黄成分濃度を取得する硫黄濃度取得手段と、を備える。
【選択図】 図1
【解決手段】 内燃機関の排気浄化装置は、酸化機能を有する排気浄化触媒と、前記排気浄化触媒の下流に配置され、排気中のSOx濃度を検出するSOxセンサと、前記排気浄化触媒を昇温させる昇温手段と、前記昇温手段が前記排気浄化触媒を所定値に昇温させた際に、前記SOxセンサが検出したSOx濃度を用いて、使用燃料の硫黄成分濃度を取得する硫黄濃度取得手段と、を備える。
【選択図】 図1
Description
本発明は、内燃機関の排気制御装置および内燃機関の排気制御方法に関する。
触媒に吸着された硫黄成分を、排気中のサルフェート白煙を抑制しつつ放出できることが望まれている。サルフェート白煙防止のためには、触媒に吸着するSOx量を高精度で検出できることが好ましい。特許文献1は、SOxセンサを用いて、NOx還元触媒におけるSOx吸着量推定値を補正する技術を開示している。
しかしながら、特許文献1の技術では、触媒前にSOxセンサが配置されるため、排気中の粒子状物質などの影響により正しくSOxを計測できない可能性がある。そこで、使用燃料中の硫黄成分濃度を検出することが考えられる。しかしながら、排気中において硫黄成分は希釈されているため、排気中の硫黄成分から使用燃料中の硫黄成分濃度を検出することは困難である。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、使用燃料中の硫黄成分濃度を高精度で検出することができる内燃機関の排気制御装置および内燃機関の排気制御方法を提供することを目的とする。
本発明に係る内燃機関の排気制御装置は、酸化機能を有する排気浄化触媒と、前記排気浄化触媒の下流に配置され、排気中のSOx濃度を検出するSOxセンサと、前記排気浄化触媒を昇温させる昇温手段と、前記昇温手段が前記排気浄化触媒を所定値に昇温させた際に、前記SOxセンサが検出したSOx濃度を用いて、使用燃料の硫黄成分濃度を取得する硫黄濃度取得手段と、を備えることを特徴とする。本発明に係る内燃機関の排気制御装置によれば、使用燃料中の硫黄成分濃度を高精度で検出することができる。
前記硫黄濃度取得手段は、前記SOxセンサが検出したSOx濃度のピークまたは積算値を用いて、使用燃料の硫黄成分濃度を取得してもよい。前記昇温手段は、前記排気浄化触媒に未燃燃料を供給する未燃燃料供給手段と、前記排気浄化触媒に流入するガスの空燃比をリーンに制御する空燃比制御手段と、を備えていてもよい。
前記昇温手段は、前記排気浄化触媒に未燃燃料を供給する未燃燃料供給手段と、前記排気浄化触媒に流入するガスの空燃比をリーンに制御する空燃比制御手段と、を備えていてもよい。前記排気浄化触媒に対する硫黄成分吸着量を推定する吸着量推定手段をさらに備え、前記昇温手段は、前記吸着量推定手段によって推定される硫黄成分吸着量が所定のしきい値以上になった場合に、前記排気浄化触媒を昇温させてもよい。
前記吸着量推定手段は、前記硫黄濃度取得手段が硫黄成分濃度を取得する前は、使用燃料の硫黄成分濃度の想定値を用いて前記硫黄成分吸着量を推定し、前記硫黄濃度取得手段が硫黄成分濃度を取得した後は、前記取得された硫黄成分濃度を用いて前記硫黄成分吸着量を推定してもよい。前記吸着量推定手段は、前記排気浄化触媒の温度、および前記排気浄化触媒へのガス流入量に応じて、前記硫黄成分吸着量を補正してもよい。前記硫黄濃度取得手段は、前記SOxセンサが検出したSOx濃度のピークまたは積算値を用いて、使用燃料の硫黄成分濃度を取得してもよい。
本発明に係る内燃機関の排気制御方法は、酸化機能を有する排気浄化触媒を昇温させる昇温ステップと、前記昇温ステップにおいて前記排気浄化触媒を昇温させた際に、前記排気浄化触媒の下流における排気中のSOx濃度を検出するSOx濃度検出ステップと、前記SOx濃度検出ステップで検出したSOx濃度を用いて、使用燃料の硫黄成分濃度を取得する硫黄濃度取得ステップと、を含むことを特徴とする。本発明に係る内燃機関の排気制御方法によれば、使用燃料中の硫黄成分濃度を高精度で検出することができる。
本発明によれば、使用燃料中の硫黄成分濃度を高精度で検出することができる内燃機関の排気制御装置および内燃機関の排気制御方法を提供することができる。
以下、本発明を実施するための形態を説明する。
(実施形態)
図1は、一実施形態に係る内燃機関の排気制御装置を表すブロック図である。本実施形態においては、一例として、車両用のディーゼルエンジン及びその制御装置について説明する。ディーゼルエンジン2は、複数の気筒を備え、一例として4気筒#1,#2,#3,#4を備える。各気筒#1〜#4の燃焼室4は、吸気弁6にて開閉される吸気ポート8及び吸気マニホールド10を介してサージタンク12に連結されている。サージタンク12は、吸気経路13を介して、インタークーラ14及び過給機の出口側(本実施形態においては排気ターボチャージャ16のコンプレッサ16aの出口側)に連結されている。コンプレッサ16aの入口側は、エアクリーナ18に連結されている。サージタンク12には、排気再循環(以下、「EGR」と称する)経路20のEGRガス供給口20aが開口している。サージタンク12とインタークーラ14との間の吸気経路13には、スロットル弁22が配置されている。コンプレッサ16aとエアクリーナ18との間には、吸入空気量センサ24、及び吸気温センサ26が配置されている。
(実施形態)
図1は、一実施形態に係る内燃機関の排気制御装置を表すブロック図である。本実施形態においては、一例として、車両用のディーゼルエンジン及びその制御装置について説明する。ディーゼルエンジン2は、複数の気筒を備え、一例として4気筒#1,#2,#3,#4を備える。各気筒#1〜#4の燃焼室4は、吸気弁6にて開閉される吸気ポート8及び吸気マニホールド10を介してサージタンク12に連結されている。サージタンク12は、吸気経路13を介して、インタークーラ14及び過給機の出口側(本実施形態においては排気ターボチャージャ16のコンプレッサ16aの出口側)に連結されている。コンプレッサ16aの入口側は、エアクリーナ18に連結されている。サージタンク12には、排気再循環(以下、「EGR」と称する)経路20のEGRガス供給口20aが開口している。サージタンク12とインタークーラ14との間の吸気経路13には、スロットル弁22が配置されている。コンプレッサ16aとエアクリーナ18との間には、吸入空気量センサ24、及び吸気温センサ26が配置されている。
各気筒#1〜#4の燃焼室4は、排気弁28にて開閉される排気ポート30及び排気マニホールド32を介して排気ターボチャージャ16の排気タービン16bの入口側に連結されている。排気タービン16bの出口側は、排気経路34に接続されている。なお、排気タービン16bは、排気マニホールド32において第4気筒#4側から排気を導入している。
排気経路34には、排気浄化触媒が収納されている3つの第1触媒コンバータ36、第2触媒コンバータ38および第3触媒コンバータ40が配置されている。最上流の第1触媒コンバータ36には、酸化機能を有する酸化触媒36aが収納されている。それにより、第1触媒コンバータ36においては、HC、CO等が酸化されて浄化される。
中間に配置された第2触媒コンバータ38には、モノリス構造に形成された壁部を有するフィルタ38aが収納されている。フィルタ38aは、壁部の微小孔を排気が通過するように構成されている。それにより、フィルタ38aに、排気中の粒子状物質が捕捉される。フィルタ38aの微小孔表面に酸化機能を有する酸化触媒がコーティングされているので、前述したごとくにHC、CO等の浄化が行われる。本実施形態においては、一例として、第1触媒コンバータ36と第2触媒コンバータ38とは一体に形成されている。最下流の第3触媒コンバータ40には、酸化触媒40aが収納されている。それにより、第3触媒コンバータ40においては、HC、CO等が酸化されて浄化される。
第1触媒コンバータ36内の酸化触媒36aの上流には、第1空燃比センサ42が配置されている。酸化触媒36aと第2触媒コンバータ38内のフィルタ38aとの間には、第1排気温センサ44が配置されている。また、フィルタ38aと第3触媒コンバータ40内の酸化触媒40aとの間において、フィルタ38aの近くには、第2排気温センサ46が配置され、酸化触媒40aの近くには第2空燃比センサ48が配置されている。フィルタ38aよりも下流には、SOxセンサ86が配置されている。
第1空燃比センサ42及び第2空燃比センサ48は、それぞれの位置で排気成分に基づいて排気の空燃比を検出し、空燃比に比例した電圧信号をリニアに出力するセンサである。また、第1排気温センサ44及び第2排気温センサ46は、それぞれの位置で排気温を検出するセンサである。また、SOxセンサ86は、排気中のSOx濃度を検出し、SOx濃度に比例した電圧信号をリニアに出力するセンサである。
第2触媒コンバータ38内のフィルタ38aの上流側と下流側とには、差圧センサ50の配管がそれぞれ設けられている。差圧センサ50は、フィルタ38aの目詰まりを検出するために、フィルタ38aの上下流での差圧を検出している。
なお、排気マニホールド32には、EGR経路20のEGRガス吸入口20bが開口している。EGRガス吸入口20bは、第1気筒#1側で開口しており、排気タービン16bが排気を導入している第4気筒#4側とは反対側に配置されている。
EGR経路20の途中には、EGR経路20のEGRガス吸入口20b側からのEGRガスを改質するための鉄系EGR触媒52が配置され、さらにEGRガスを冷却するためのEGRクーラ54が設けられている。なお、EGR触媒52は、EGRクーラ54の詰まりを防止する機能も有している。EGR経路20のEGRガス供給口20a側には、EGR弁56が配置されている。EGR弁56の開度調節により、EGRガス供給口20aから吸気系へのEGRガス供給量の調節が可能となる。
各気筒#1〜#4の燃焼室4内に燃料を直接噴射する燃料噴射弁58は、燃料供給管58aを介してコモンレール60に連結されている。コモンレール60内には、電気制御式の吐出量可変の燃料ポンプ62から燃料が供給される。燃料ポンプ62からコモンレール60内に供給された高圧燃料は、各燃料供給管58aを介して各燃料噴射弁58に供給される。なお、コモンレール60には、燃料圧力を検出するための燃料圧センサ64が設けられている。
さらに、燃料ポンプ62からは、別途、低圧燃料が燃料供給管66を介して添加弁68に供給されている。添加弁68は、第4気筒#4の排気ポート30に設けられ、排気タービン16b側に向けて燃料を噴射することにより排気中に燃料を添加する。この場合、噴射された燃料が燃焼し、酸化触媒36a及びフィルタ38aが高温化される。それにより、粒子状物質が吸着したフィルタ38aが浄化される。さらに、酸化触媒36a及びフィルタ38aが高温化された状態で排気をリーンに制御することによって、酸化触媒36a及びフィルタ38aに吸着している硫黄成分が放出される。その結果、酸化触媒36a及びフィルタ38aの硫黄被毒が解消される。
電子制御ユニット(以下「ECU」と称する)70はCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を備えたデジタルコンピュータと、各種装置を駆動するための駆動回路とを主体として構成されている。ECU70は、前述した吸入空気量センサ24、吸気温センサ26、第1空燃比センサ42、第1排気温センサ44、第2排気温センサ46、第2空燃比センサ48、差圧センサ50、EGR弁56内のEGR開度センサ、燃料圧センサ64、スロットル開度センサ22a及びSOxセンサ86の信号を読み込む。さらに、ECU70は、アクセルペダル72の踏み込み量(アクセル開度)を検出するアクセル開度センサ74、及びディーゼルエンジン2の冷却水温度を検出する冷却水温センサ76から信号を読み込む。さらに、ECU70は、クランク軸78の回転数を検出するエンジン回転数センサ80、クランク軸78の回転位相あるいは吸気カムの回転位相を検出して気筒判別を行う気筒判別センサ82から信号を読み込む。さらに、ECU70は、給油口の開閉センサ84から、給油口の開閉動作を信号として読み込み、カーナビゲーションシステム88から位置情報を読み込む。
ECU70は、これらの信号から得られるエンジン運転状態、操作状態等に基づいて、燃料噴射弁58による燃料噴射時期制御、燃料噴射量制御等を実行する。ECU70は、さらに、EGR弁56の開度制御、モータ22bによるスロットル開度制御、燃料ポンプ62の吐出量制御等の各処理を実行する。また、ECU70は、後述する給油判定処理、吸着量推定処理、昇温処理、硫黄濃度取得処理等の各処理を実行する。
(給油判定処理)
給油判定処理とは、燃料の給油がなされたか否かを判定するための処理である。開閉センサ84が給油口「開」を検出した場合、ECU70は、給油開始または給油継続を検出する。開閉センサ84が給油口「開」を検出した後に「閉」を検出した場合、ECU70は、給油完了を検出する。
給油判定処理とは、燃料の給油がなされたか否かを判定するための処理である。開閉センサ84が給油口「開」を検出した場合、ECU70は、給油開始または給油継続を検出する。開閉センサ84が給油口「開」を検出した後に「閉」を検出した場合、ECU70は、給油完了を検出する。
(吸着量推定処理)
吸着量推定処理とは、酸化触媒36a及びフィルタ38aに吸着している硫黄成分量を推定する処理である。硫黄成分の吸着量は、使用燃料中の硫黄成分濃度が高いほど高くなる。したがって、硫黄成分の吸着量は、使用燃料中の硫黄成分濃度に基づいて推定することができる。硫黄成分の吸着量と、使用燃料中の硫黄成分濃度との関係は、予め実験などによって取得しておくことができる。ただし、硫黄成分の吸着量は、車両の走行条件などに応じて変化する。そこで、触媒温度、触媒に流入するガス量(Ga)などに基づいて、硫黄成分の吸着量を補正することができる。硫黄成分の吸着量を推定できれば、硫黄成分の吸着量が過剰になる前に後述する昇温処理を実行することによって、排気中にサルフェート白煙が生じることを抑制することができる。なお、触媒温度は、第1排気温センサ44及び第2排気温センサ46の検出結果から得られる。また、触媒に流入するガス量は、吸入空気量センサ24から得られる。
吸着量推定処理とは、酸化触媒36a及びフィルタ38aに吸着している硫黄成分量を推定する処理である。硫黄成分の吸着量は、使用燃料中の硫黄成分濃度が高いほど高くなる。したがって、硫黄成分の吸着量は、使用燃料中の硫黄成分濃度に基づいて推定することができる。硫黄成分の吸着量と、使用燃料中の硫黄成分濃度との関係は、予め実験などによって取得しておくことができる。ただし、硫黄成分の吸着量は、車両の走行条件などに応じて変化する。そこで、触媒温度、触媒に流入するガス量(Ga)などに基づいて、硫黄成分の吸着量を補正することができる。硫黄成分の吸着量を推定できれば、硫黄成分の吸着量が過剰になる前に後述する昇温処理を実行することによって、排気中にサルフェート白煙が生じることを抑制することができる。なお、触媒温度は、第1排気温センサ44及び第2排気温センサ46の検出結果から得られる。また、触媒に流入するガス量は、吸入空気量センサ24から得られる。
図2(a)は、触媒温度と、触媒へのSOx吸着率との関係を示す図である。図2(a)において、横軸は触媒温度を示し、縦軸はSOx吸着率を示す。図2(a)を参照して、触媒温度とSOx吸着率とは所定の相関関係を有している。図2(b)は、触媒流入ガス量と触媒へのSOx吸着率との関係を示す図である。図2(b)において、横軸は触媒流入ガス量(Ga)を示し、縦軸はSOx吸着率を示す。図2(b)を参照して、触媒流入ガス量とSOx吸着率とは所定の相関関係を有している。図2(a)および図2(b)の関係を実験などによってあらかじめ取得しておくことによって、酸化触媒36a及びフィルタ38aに吸着されている硫黄成分量を運転条件に応じて推定することができる。
(昇温処理)
昇温処理とは、酸化触媒36a及びフィルタ38aの触媒床温(触媒の温度)を所定値(例えば600℃〜700℃)まで昇温させ、さらに排気をリーンに制御することによって、酸化触媒36a及びフィルタ38aに硫黄成分を放出させる処理のことである。スロットル弁22のモータ22b、添加弁68などを制御することによって昇温処理を行うことができる。
昇温処理とは、酸化触媒36a及びフィルタ38aの触媒床温(触媒の温度)を所定値(例えば600℃〜700℃)まで昇温させ、さらに排気をリーンに制御することによって、酸化触媒36a及びフィルタ38aに硫黄成分を放出させる処理のことである。スロットル弁22のモータ22b、添加弁68などを制御することによって昇温処理を行うことができる。
図3(a)は、触媒温度と触媒から放出されるSOxの濃度との関係を示す図である。図3(a)において、横軸は触媒温度を示し、縦軸は触媒から放出されるSOxの濃度を示す。図3(a)に示すように、触媒におけるA/Fにかかわらず、触媒温度が高くなると硫黄成分が熱分解され、排気中に硫酸ミストとして放出される。
(硫黄濃度取得処理)
硫黄濃度取得処理とは、SOxセンサ86が検出する排気中のSOx濃度に基づいて、使用燃料中の硫黄成分濃度を推定する処理である。具体的には、上記昇温処理によって酸化触媒36aおよびフィルタ38aの温度が所定値まで昇温しさらに排気がリーンに制御された後に、SOxセンサ86が検出する排気中のSOx濃度に基づいて、使用燃料中の硫黄成分濃度を高精度で推定する処理のことである。例えば、SOxセンサ86が検出するSOx濃度のピーク値または経時的な積算値を用いることによって、使用燃料中の硫黄成分濃度を高精度で推定することができる。
硫黄濃度取得処理とは、SOxセンサ86が検出する排気中のSOx濃度に基づいて、使用燃料中の硫黄成分濃度を推定する処理である。具体的には、上記昇温処理によって酸化触媒36aおよびフィルタ38aの温度が所定値まで昇温しさらに排気がリーンに制御された後に、SOxセンサ86が検出する排気中のSOx濃度に基づいて、使用燃料中の硫黄成分濃度を高精度で推定する処理のことである。例えば、SOxセンサ86が検出するSOx濃度のピーク値または経時的な積算値を用いることによって、使用燃料中の硫黄成分濃度を高精度で推定することができる。
図3(b)は、触媒に吸着した硫黄成分量が同一である条件において、昇温処理における触媒温度とSOx放出量との関係を示す図である。図3(b)において、横軸は昇温処理の際の経過時間を示し、縦軸は触媒から放出されるSOxの濃度を示す。図3(b)に示すように、触媒温度が高くなればなるほど、放出されるSOxの濃度が高くなる。この場合、SOx濃度のピーク値が大きくなり、積算値が大きくなる。すなわち、触媒温度に応じて、SOx濃度のピーク値および積算値が変化する。触媒における硫黄成分吸着量を変化させれば、図3(b)の関係が変化する。したがって、触媒における硫黄成分吸着量と、触媒温度と、SOx濃度のピーク値および積算値との関係を取得しておくことができる。
図3(c)は、触媒温度を一定にする条件において、触媒における硫黄成分吸着量とSOx放出量との関係を示す図である。図3(c)において、横軸は昇温処理の際の経過時間を示し、縦軸は触媒から放出されるSOx濃度を示す。図3(c)に示すように、硫黄成分吸着量が多いほど、放出されるSOxの濃度が高くなる。この場合、SOx濃度のピーク値が大きくなり、積算値が大きくなる。すなわち、触媒における硫黄成分吸着量に応じて、SOx濃度のピーク値および積算値が変化する。触媒温度を変化させれば、図3(c)の関係が変化する。したがって、触媒における硫黄成分吸着量と、触媒温度と、SOx濃度のピーク値および積算値との関係を取得しておくことができる。
以上のことから、図3(a)〜図3(c)の関係をあらかじめ取得しておくことによって、昇温処理の際の触媒温度と、触媒から放出されるSOx濃度(ピーク値または積算値)とから、昇温処理前の触媒における硫黄成分吸着量を取得することができる。上述したように、触媒における硫黄成分吸着量と使用燃料中の硫黄成分濃度とは所定の相関関係を有していることから、昇温処理の際に触媒から放出されるSOx濃度から使用燃料中の硫黄成分濃度を取得することができる。ただし、触媒における硫黄成分吸着量と使用燃料中の硫黄成分濃度との相関関係は走行条件に応じて変化する。具体的には、上記相関関係は、空燃比、触媒の昇温速度、触媒流入ガス量(Ga)などに応じて上記相関関係は変化するため、空燃比、触媒の昇温速度、触媒流入ガス量(Ga)などに応じて上記相関関係を補正してもよい。
以下、上述した給油判定処理、昇温処理、硫黄濃度取得処理および吸着量推定処理の具体例について説明する。図4は、各処理の実行を表したフローチャートの一例を説明するための図である。図4のフローチャートは、所定の周期で、または所定の条件が成立した場合に実行される。まず、ECU70は、開閉センサ84の検出結果に基づいて、給油判定処理を実行する。具体的には、ECU70は、燃料が給油されたか否かを判定する(ステップS1)。ステップS1で「No」と判定された場合、ECU70は、フローチャートの実行を終了する。
ステップS1で「Yes」と判定された場合、ECU70は、ステップS2およびステップS3で吸着量推定処理を実行する。具体的には、ECU70は、燃料噴射弁58に指示する噴射量(指令噴射量)を用いて、酸化触媒36a及びフィルタ38aにおける吸着硫黄成分量を推定する(ステップS2)。この場合、ECU70は、想定される最大量の硫黄成分が燃料中に含まれていることを前提に、吸着硫黄成分量を推定する。想定される最大量の硫黄成分は、市販されている燃料中の硫黄成分の最大値などである。
次に、ECU70は、車両の走行条件に応じて、ステップS2で得られた吸着硫黄成分量を補正する(ステップS3)。この場合、ECU70は、車両の走行条件として、第1排気温センサ44及び第2排気温センサ46の検出結果から得られる触媒温度、吸入空気量センサ24から得られる触媒流入ガス量などをパラメータとして用いる。
次に、ECU70は、ステップS3の補正によって得られた吸着硫黄成分量が第1しきい値を超えたか否かを判定する(ステップS4)。ステップS4における第1しきい値は、排気にサルフェート白煙を生じさせないために決定された値である。ステップS4において「No」と判定された場合、ステップS2が再度実行される。ステップS2〜ステップS4の繰り返しによって、吸着硫黄成分量が第1しきい値を超えるまで昇温処理は行われない。
ステップS4において「Yes」と判定された場合、ECU70は、昇温処理を実行する(ステップS5)。次に、ECU70は、ステップS6およびステップS7で硫黄濃度取得処理を実行する。具体的には、ECU70は、SOxセンサ86が検出する排気中SOx濃度に基づいて、燃料中の硫黄成分濃度を推定する(ステップS6)。次に、ECU70は、ステップS6で推定された硫黄成分濃度を取得する(ステップS7)。その後、フローチャートの実行が終了する。
図4のフローチャートによれば、SOxセンサ86を酸化触媒上流に設けた場合と比較し、昇温処理によってSOxセンサ86に至る排気中の硫黄成分の濃度を高めた状態で硫黄成分の濃度を検出することから、燃料中の硫黄成分濃度を高精度で推定することができる。また、触媒における吸着硫黄成分量が過剰になる前に昇温処理が行われることから、排気中にサルフェート白煙が生じることを抑制することができる。また、SOxセンサ86は、フィルタ38aよりも下流に配置されていることから、フィルタ38aよりも上流にSOxセンサ86が配置されるのと比較して、排気中の粒子状物質の影響を回避しつつSOx濃度を検出することができる。
図5は、図4のフローチャートで使用燃料中の硫黄成分濃度が得られた後に、次回の給油が行われるまでに実行されるフローチャートの一例を説明するための図である。図5に示すように、ECU70は、ステップS11およびステップS12で吸着量推定処理を実行する。具体的には、ECU70は、燃料噴射弁58に指示する噴射量(指令噴射量)を用いて、酸化触媒36a及びフィルタ38aにおける吸着硫黄成分量を推定する(ステップS11)。この場合、ECU70は、図4のステップS7で取得された硫黄成分濃度を用いて、吸着硫黄成分量を推定する。
次に、ECU70は、図4のステップS3と同様に、ステップS11で算出された吸着硫黄成分量を車両の走行条件に応じて補正する(ステップS12)。次に、ECU70は、図4のステップS4と同様に、ステップS12の補正によって得られた吸着硫黄成分量が第2しきい値を超えたか否かを判定する(ステップS13)。ステップS13における第2しきい値は、排気にサルフェート白煙を生じさせないために決定された値である。第2しきい値は、図4の第1しきい値と同じ値でもよく、異なっていてもよい。
ステップS13において「No」と判定された場合、ステップS11が再度実行される。ステップS11〜ステップS13の繰り返しによって、吸着硫黄成分量が第2しきい値を超えるまで昇温処理は行われない。ステップS13において「Yes」と判定された場合、ECU70は、昇温処理を実行する(ステップS14)。その後、フローチャートの実行が終了する。図5のフローチャートによれば、触媒における吸着硫黄成分量が過剰になることが抑制される。それにより、排気にサルフェート白煙が生じることを抑制することができる。
なお、アイドリング時などにおいては、上記昇温処理を停止してもよい。この場合、駐車場内などの閉空間での高濃度サルフェート放出を防止することができる。なお、アイドリングは、車速センサなどの検出結果に応じて検出することができる。
また、カーナビゲーションシステム88から位置情報を用いることによって、同一の給油所で給油しているか否かを判定することができる。例えば、同一の給油所で複数回(例えば3回以上)給油した場合に、硫黄濃度取得処理で取得された硫黄成分濃度が基準値以内であれば、当該給油所で給油された場合に、過去に取得された硫黄成分濃度を使用してもよい。
硫黄濃度取得処理によって取得された硫黄成分濃度が許容値を超えている場合には、警告ランプなどによりユーザに燃料交換を要求してもよい。尚、本発明は希薄燃焼式ガソリンエンジンなどについて上記実施形態と同様な触媒構成を採用した場合においても適用できる。
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
2…ディーゼルエンジン、4…燃焼室、6…吸気弁、8…吸気ポート、10…吸気マニホールド、12…サージタンク、13…吸気経路、14…インタークーラ、16…排気ターボチャージャ、16a…コンプレッサ、16b…排気タービン、18…エアクリーナ、20…EGR経路、20a…EGRガス供給口、20b…EGRガス吸入口、22…スロットル弁、22a…スロットル開度センサ、22b…モータ、24…吸入空気量センサ、26…吸気温センサ、28…排気弁、30…排気ポート、32…排気マニホールド、34…排気経路、36…第1触媒コンバータ、36a…酸化触媒、38…第2触媒コンバータ、38a…フィルタ、40…第3触媒コンバータ、40a…酸化触媒、42…第1空燃比センサ、44…第1排気温センサ、46…第2排気温センサ、48…第2空燃比センサ、50…差圧センサ、52…EGR触媒、54…EGRクーラ、56…EGR弁、58…燃料噴射弁、58a…燃料供給管、60…コモンレール、62…燃料ポンプ、64…燃料圧センサ、66…燃料供給管、68…添加弁、70…ECU、72…アクセルペダル、74…アクセル開度センサ、76…冷却水温センサ、78…クランク軸、80…エンジン回転数センサ、82…気筒判別センサ、84…開閉センサ、86…SOxセンサ、88…カーナビゲーションシステム。
Claims (7)
- 酸化機能を有する排気浄化触媒と、
前記排気浄化触媒の下流に配置され、排気中のSOx濃度を検出するSOxセンサと、
前記排気浄化触媒を昇温させる昇温手段と、
前記昇温手段が前記排気浄化触媒を所定値に昇温させた際に、前記SOxセンサが検出したSOx濃度を用いて、使用燃料の硫黄成分濃度を取得する硫黄濃度取得手段と、を備えることを特徴とする内燃機関の排気制御装置。 - 前記硫黄濃度取得手段は、前記SOxセンサが検出したSOx濃度のピークまたは積算値を用いて、使用燃料の硫黄成分濃度を取得することを特徴とする請求項1記載の内燃機関の排気制御装置。
- 前記昇温手段は、前記排気浄化触媒に未燃燃料を供給する未燃燃料供給手段と、前記排気浄化触媒に流入するガスの空燃比をリーンに制御する空燃比制御手段と、を備えることを特徴とする請求項1または2記載の内燃機関の排気制御装置。
- 前記排気浄化触媒に対する硫黄成分吸着量を推定する吸着量推定手段をさらに備え、
前記昇温手段は、前記吸着量推定手段によって推定される硫黄成分吸着量が所定のしきい値以上になった場合に、前記排気浄化触媒を昇温させることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の内燃機関の排気制御装置。 - 前記吸着量推定手段は、前記硫黄濃度取得手段が硫黄成分濃度を取得する前は、使用燃料の硫黄成分濃度の想定値を用いて前記硫黄成分吸着量を推定し、前記硫黄濃度取得手段が硫黄成分濃度を取得した後は、前記取得された硫黄成分濃度を用いて前記硫黄成分吸着量を推定することを特徴とする請求項4記載の内燃機関の排気制御装置。
- 前記吸着量推定手段は、前記排気浄化触媒の温度、および前記排気浄化触媒へのガス流入量に応じて、前記硫黄成分吸着量を補正することを特徴とする請求項4または5記載の内燃機関の排気制御装置。
- 酸化機能を有する排気浄化触媒を昇温させる昇温ステップと、
前記昇温ステップにおいて前記排気浄化触媒を昇温させた際に、前記排気浄化触媒の下流における排気中のSOx濃度を検出するSOx濃度検出ステップと、
前記SOx濃度検出ステップで検出したSOx濃度を用いて、使用燃料の硫黄成分濃度を取得する硫黄濃度取得ステップと、を含むことを特徴とする内燃機関の排気制御方法。
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JP2016079911A (ja) * | 2014-10-17 | 2016-05-16 | トヨタ自動車株式会社 | 内燃機関の硫黄濃度判定システム |
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2012
- 2012-04-24 JP JP2012099263A patent/JP2013227887A/ja active Pending
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