JP2013226922A - 車両用空調装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ラジエータの放熱と外気導入とを連動させて窓晴れ性を確保し、無駄な排熱を防止できる車両用空調装置を提供する。
【解決手段】圧縮機5、熱交換器6、膨張装置7、エバポレータ8、圧縮機5の順で第1の熱媒体が循環する第1の循環サイクル1と、ポンプ10、熱交換器6、ヒータコア11、ポンプ10の順で第2の熱媒体が循環し、ラジエータ12、バイパス流路13、ラジエータ12とバイパス流路13の流量を調節する流量調節弁14を備える第2の循環サイクル2と、送風通路3にインテーク装置31、エバポレータ8、ヒータコア11を配した空調ユニット4を備える。熱交換器6は、第1の熱媒体の熱を第2の熱媒体へ移動するものであり、インテーク装置31は、第2の熱媒体の温度が第1の所定温度を超えた場合、外気導入割合を相対的に増加し、流量調節弁14は、第2の熱媒体の温度が第1の所定温度よりも高い第2の所定温度を超えた場合、第2の熱媒体をラジエータ12に流す。
【選択図】 図1

Description

この発明は、車両の窓ガラスの曇りを除去すると共に無駄な排熱を低減することが可能な車両用空調装置、特に、冷凍サイクルとこれに並設された温水サイクルとを利用して既存の空調ユニットにも利用することが可能な車両用空調装置に関する。
冷凍サイクルとこれに並設された温水サイクルを利用する従来の車両用空調装置としては、図7に示されるように、第1の冷媒が循環する第1循環経路を備えたヒートポンプ式冷房装置100と、第2の冷媒が循環する第2循環経路を備えた暖房用循環装置200とを具備し、ヒートポンプ式冷房装置100を、第1の冷媒を圧縮する圧縮機101と、第1の冷媒を第2の冷媒に放熱するコンデンサ102と、第1の冷媒を膨張させる膨張装置103と、膨張した第1の冷媒を空気との間で熱交換するエバポレータ104とを有して構成し、また、暖房用循環装置200を、第2の冷媒を循環させるポンプ201と、第2の冷媒と空気との間で熱交換させて空気を加熱するヒータコア202と、第2の冷媒の熱を放熱させるラジエータ(放熱器)203と、ラジエータ203をバイパスさせるバイパス流路204と、ラジエータ側とバイパス流路とに流路を切り替える流路切換弁205とを有して構成し、空調ユニット300の送風通路302に、送風機301と、前記エバポレータ104及びヒータコア202とを配設し、暖房運転時に、第2の冷媒をバイパス流路204に流し、ヒータコア202で加熱された空気を車室内へ供給するようにしたものが公知となっている(特許文献1参照)。
このような構成においては、温水を利用するヒータコアを用いることができることから、従来の空調ユニットをそのまま流用できる利点がある。
また、従来においては、外気温度が予め設定した第1レベルより高いときに圧縮機を駆動し、外気温度が第1レベルとこれより低い第2レベルとの間にあるときに、圧縮機の駆動と外気の一部導入を行い、外気温度が第2レベルより低いときに、外気を100%導入することで、ガラス内面に曇りが発生するのを未然に防止するようにした自動車用空気調和装置も公知となっている(特許文献2参照)。
特開2008−230594号公報 特公昭62−14411号公報
ところで、前者の構成を、図7(a)で示すように、エバポレータ104を通過した空気をヒータコア202で加熱(リヒート)して車室へ供給する除湿暖房運転に利用する場合には、第1の冷媒の熱をコンデンサ102によって第2の冷媒へ移動させ、ヒータコア202で放熱することができるので、コンデンサ102による無駄な排熱を防止でき、エネルギーを有効利用できるものであるが、このような状態を放置しておくと、図7(b)に示されるように、第2循環経路に熱が徐々に蓄積され、過度に蓄熱された状態となる。
このような状態においては、コンデンサ102を介してヒートポンプ式冷房装置100から暖房用循環装置200への熱移動が困難となり、コンデンサ102による放熱機能が低減するため、第1の冷媒は、十分に冷やされないまま膨張装置103へ導かれることとなり、エバポレータ104において所定の過熱度が得られるように膨張装置が絞られるため、エバポレータ104への冷媒流量が減少し、十分な除湿能力を確保できなくなる。また、コンデンサ102による放熱が十分に行われないため、第1の循環経路の高圧ラインの圧力が上昇することとなる。
このため、第2循環経路は、過度の蓄熱状態から脱することができなくなり、また、エバポレータ104による除湿機能が十分に得られなくなるため、窓ガラスに曇りが発生する恐れがでてくる。
そこで、このような不都合を解消するためには、第2循環経路に設けられたラジエータ203に第2の冷媒を流し、このラジエータ203で第2の冷媒を放熱して第2循環経路の過度の蓄熱を回避することが有効となる。
しかしながら、ラジエータ203による放熱によって第2循環経路の過度の蓄熱を回避し、エバポレータ104による除湿機能を確保できたとしても、エバポレータ104の凍結防止の観点からエバポレータ104を通過した空気の露点温度は通常2℃前後であり、車室外空気の温度がエバポレータを通過した空気の露点温度よりも十分に低い場合(例えば、−5℃)には、依然として窓ガラスが曇る恐れが懸念される。
そこで、後者の先行技術に示されるように、比較的水分量が少ない低温外気を導入し、これによりエバポレータでの吸熱量を減らすことが有効となる。このような構成を採用すれば、コンデンサ102を介して第1の冷媒から第2の冷媒へ移動する熱量も少なくなるので(第2の循環経路への入熱量を減らすことが可能となるので)、第2の循環経路に蓄熱されにくくなり、また、水分量の少ない空気の導入により車室内空気の相対湿度を下げて窓ガラスの曇りを防止することが可能となる。
ところで、外気温が低い場合には、空調装置の稼動初期においては車室内温度も低くなっているので、内気導入割合を多くしても、送風通路に冷たい空気が導入されるため、エバポレータ104での吸熱量は少なくなる。また、外気温が低い場合には、できるだけ空気を加熱したい要請があるので、ヒータコア202による放熱量も多くなり、第2循環経路に過剰に熱が蓄積されることはない。このため、ラジエータ203を使わなければならいほど、熱は蓄積されないので、図8に示されるように、外気温度が所定の温度(−α℃)以下では、ラジエータを使用したいとの要求はない。
また、温度の高い車室外空気を導入すると、特に、雨天時においては、窓ガラスに曇りが発生することがあるが、外気の温度が所定温度(β℃)以下となった場合には、仮に相対湿度が高い場合でも外気に含まれる水分量は少ないので、外気を車室内に取り込んで車室内空気の相対湿度を下げ、効果的に窓ガラスの曇りを除去または防止することが可能となる。
もっとも、外気温が低い場合に外気を車室内に取り込むことは、窓ガラスの曇りの除去または防止することが可能であるとともに、空調装置によって加温された車室内空気を車室外に排気し、熱エネルギーを放熱することでもある。
そして、図8に示されるように、ラジエータ203を使用して放熱したい外気温度の領域と、外気の導入による防曇の効果を得たい外気温度の領域とが重なる競合区間が存在する。
ここで、ラジエータによる放熱は、窓曇り防止に寄与しない排熱方法であるのに対し、低温外気の導入は、前述のとおり窓曇りの防止に寄与する排熱方法であるため、外気温が競合区間にあり、且つ、第2循環経路の過度の蓄熱を回避したい場合において、ラジエータによる放熱に優先して外気導入割合を多くすることが望ましい。
そして、前述したヒートポンプ式冷房装置と暖房用循環装置とを備えた車両用空調装置を用いる場合においては、暖房用循環装置の過度の蓄熱を回避しつつ、窓晴れ性を確保すると共に無駄な排熱をできるだけ防止し、暖房運転および除湿運転を効率化して、もって燃費の改善に寄与することが要請される。
本発明は係る事情に鑑みてなされたものであり、暖房用循環サイクルでの過度の蓄熱を回避しつつ、ラジエータの放熱と外気導入とを連動させて窓晴れ性を確保するとともに無駄な排熱を防止できるようにした車両用空調装置を提供することを主たる課題としている。
上記課題を解決するために、本発明に係る車両用空調装置および車両用空調制御方法は、第1の熱媒体が循環する第1の循環サイクルと、第2の熱媒体が循環する第2の循環サイクルと、内部に送風通路を有する空調ユニットとを有し、前記第1の循環サイクルは、前記第1の熱媒体が、前記第1の熱媒体を圧縮する圧縮機、圧縮された前記第1の熱媒体の熱を前記第2の熱媒体へ移動する熱交換器、前記第1の熱媒体を膨張する膨張装置、前記膨張装置で膨張された前記第1の熱媒体を蒸発し前記送風通路の空気を冷却するエバポレータ、前記圧縮機、の順に循環できるよう構成され、前記第2の循環サイクルは、前記第2の熱媒体が、ポンプ、前記熱交換器、前記第2の熱媒体の熱を放熱し前記送風通路の空気を加熱するヒータコア、前記ポンプ、の順に循環できるよう構成されていると共に、前記ヒータコアと前記ポンプとの間、または前記ポンプと前記熱交換器との間に設けられ前記第2の熱媒体の熱を車室外へと放熱するラジエータと、前記ラジエータを迂回するバイパス流路と、前記ラジエータと前記バイパス流路とに流す前記第2の熱媒体の流量を調節する流量調節手段と、前記熱交換器または前記熱交換器と前記ヒータコアとの間の前記第2の熱媒体の温度を検知する温度検知手段と、を有して構成され、前記空調ユニットは、前記送風通路に、車室内空気と車室外空気との導入割合を調節するインテーク装置と、前記インテーク装置を介して導入された空気を送風する送風機と、前記エバポレータ及び前記ヒータコアを配して構成される場合において、前記インテーク装置は、前記圧縮機と前記ポンプとが作動され、且つ、前記第2の熱媒体の温度が第1の所定温度を超えた場合、車室外空気の導入割合を相対的に増加し、前記流量調節手段は、前記第2の熱媒体の温度が前記第1の所定温度よりも高い第2の所定温度を超えた場合、前記第2の熱媒体を前記ラジエータに流す、又は、前記ラジエータに流す前記第2の熱媒体の流量を増加することを特徴としている。
したがって、第2の熱媒体の温度が第1の所定温度を越えるまでは、内気導入率が相対的に多く、エバポレータの吸熱量を多くして、第2の熱媒体の温度を早期に上昇させることができ、第2の熱媒体の温度が第1の所定温度を越えてからは外気導入率を増加するので、エバポレータの吸熱量を抑制することが可能となる。このため、既に十分に蓄熱された第2の循環サイクルへの、過度な入熱を防止することが可能となる。また、外気導入率の増加により、送風通路に導入する空気の水分量を減少し、車室内空気の相対湿度を減少して、窓曇りを防止することが可能となる。
さらに、流量調節手段は、第2の所定温度を超えると、第2の熱媒体をラジエータに流す、又は、ラジエータに流す第2の熱媒体の流量を増加するので、第1の所定温度を越えても直ちにラジエータからの放熱は行われず、又は、ラジエータからの放熱量は増加せず、窓曇りを防止できる外気導入率の増加操作を優先することができ、限られたエネルギーを暖房運転に有効利用することが可能となる。
そして、外気導入率を増加しても第2の循環サイクルへの過度な入熱を抑制しきれない場合に、第2の熱媒体をラジエータで放熱することで、第2の熱媒体の温度上昇を抑制し、適正な温度範囲に維持することができる。
したがって、前記流量調節手段は、前記第2の熱媒体の温度が前記第2の所定温度を超えるまでは、前記第2の熱媒体を前記ラジエータに流さない、又は、前記ラジエータに流す前記第2の熱媒体の流量を増加しないようにすることが好ましく、このような構成とすることで、第2の熱媒体が第2の所定温度に達するまで、窓曇り防止に寄与しない排熱操作を禁止し、又は、排熱量の増加を禁止し、限られたエネルギーをより確実に暖房運転に利用することが可能となる。
また、前記インテーク装置は、前記第2の熱媒体の温度が前記第1の所定温度を超えたのち、前記第1の所定温度より低い第3の所定温度を下回った場合、車室外空気の導入割合を相対的に減少する構成にするとよい。
このような構成においては、第3の所定温度を下回ってから外気導入率の導入割合を減少するので、第1の所定温度と第3の所定温度との間でヒステリシスを設け、インテーク装置のハンチングを防止することが可能となる。また、第2の熱媒体の温度が低下しすぎることを防止して第2の熱媒体を高温に維持し、暖房性能を維持することができる。
さらに、前記流量調節手段は、前記第2の熱媒体の温度が前記第2の所定温度を超えたのち、前記第2の所定温度より低い第4の所定温度を下回った場合、前記第2の熱媒体を前記ラジエータに流さない、又は、前記ラジエータに流す前記第2の熱媒体の流量を減少するようにするとよい。
このような構成においては、第4の所定温度を下回ってからラジエータに流す第2の熱媒体の流量を減少するので、第4の所定温度と第2の所定温度との間でヒステリシスを設け、流量調整手段のハンチングを防止でき、また、第2の熱媒体の温度が低下しすぎることを防止して第2の熱媒体を高温に維持し、暖房性能を維持することが可能となる。
なお、車室内空気の湿度を検知する車室内湿度検知手段と、車室内空気の温度を検知する車室内温度検知手段と、車室外空気の湿度を検知する車室外湿度検知手段と、車室外空気の温度を検知する車室外温度検知手段と、演算手段と、を備え、前記演算手段は、前記車室内空気の湿度と前記車室内空気の温度とから車室内空気の露点温度を演算するとともに、前記車室外空気の湿度と前記車室外空気の温度とから車室外空気の露点温度を演算し、前記インテーク装置による車室外空気の導入割合の相対的な増加は、車室内空気よりも車室外空気の露点温度が低いときに行われるようにするとよい。
このような構成においては、車室外空気の割合の相対的な増加が、車室内空気よりも車室外空気の露点温度が低いときに行われるので、窓晴れ効果を確実に得ることが可能となる。
また、前記インテーク装置が車室外空気の導入割合を相対的に増加するのは、除湿暖房運転モードのときであることが望ましい。たとえば、車室外空気の温度の高い冷房モードのときに車室外空気の割合を増やすと送風通路には暖かい空気が導入され、空調装置からの吹出し温度が上昇して適切ではないところ、除湿暖房モード時に車室外空気の割合を増やせば、第2の循環サイクルへの過度な入熱の防止、窓曇りの防止の効果を得ることができ、適切である。
以上述べたように、本発明によれば、空調ユニットのインテーク装置は、第1の循環サイクルの圧縮機と第2の循環サイクルのポンプが作動され、且つ、第2の熱媒体の温度が第1の所定温度を超えた場合に、車室外空気の導入割合を相対的に増加し、また、流量調節手段は、第2の熱媒体の温度が第1の所定温度よりも高い第2の所定温度を超えた場合に、第2の熱媒体をラジエータに流す、又は、ラジエータに流す第2の熱媒体の流量を増加するようにしたので、第1の所定温度を越えるまでは、エバポレータの吸熱量を多くして第2の熱媒体の温度を早期に上昇できると共に、第1の所定温度を超えてからは、エバポレータの吸熱量を抑制することが可能となる。また、既に十分に蓄熱された第2の循環サイクルへの、過度な入熱を防止でき、さらに、送風通路に導入する空気の水分量を減少し、窓曇りを効果的に防止することができる。
また、第1の所定温度を越えても直ちにラジエータからの放熱をせず、第2の循環サイクルへの過度な入熱の防止と窓曇りの防止ができる外気導入率の増加操作を優先することができるので、窓晴れ性を確保するとともに無駄な排熱を防止でき、限られたエネルギーを暖房運転に有効に利用することが可能となる。しかも、外気導入率を増加しても第2の循環サイクルへの過度な入熱を抑制しきれない場合には、ラジエータで放熱されるので、第2の熱媒体の温度上昇を抑制し、適正な温度範囲に維持することが可能となる。
ここで、第2の熱媒体の温度が第2の所定温度を超えるまでは、第2の熱媒体をラジエータに流さない、又は、ラジエータに流す第2の熱媒体の流量を増加しないようにすることで、第2の熱媒体の温度が第2の所定温度を超えるまでは、窓曇り防止に寄与しない排熱操作を禁止し、限られたエネルギーをより確実に暖房運転に利用することが可能となる。
また、前記インテーク装置を、前記第2の熱媒体の温度が前記第1の所定温度を越えたのち、前記第1の所定温度より低い第3の所定温度を下回った場合、車室外空気の導入割合を相対的に減少させるようにすることで、インテーク装置のハンチングを防止でき、また、第2の熱媒体の温度が低下しすぎることを防止して第2の熱媒体(温水)を高温に維持し、暖房性能を維持することが可能となる。
さらに、流量調節手段を、第2の熱媒体の温度が第2の所定温度を超えたのち、第2の所定温度より低い第4の所定温度を下回った場合、第2の熱媒体をラジエータに流さない、又は、ラジエータに流す前記第2の熱媒体の流量を減少するようにすることで、流量調整手段のハンチングを防止でき、第2の熱媒体の温度が低下しすぎることを防止し、また、第2の熱媒体(温水)を高温に維持して暖房性能を維持することが可能となる。
なお、インテーク装置による車室外空気の導入割合の相対的な増加を、車室内空気よりも車室外空気の露点温度が低いときに行われるようにすることで、窓晴れ効果を確実に得ることが可能となる。
また、インテーク装置が車室外空気の導入割合の相対的な増加を、除湿暖房運転モードのときに行われるようにすることで、窓晴れ効果を確実に得ることが可能となる。
図1は、本発明に係る車両用空調装置の全体構成を示す図である。 図2は、本発明に係る第1の熱媒体の熱を前記第2の熱媒体へ移動する熱交換器を示す斜視図である。 図3は、図1のコントロールユニットによる制御動作例を示すフローチャートである。 図4は、第2の熱媒体の温度に対するラジエータの流量の切り替え閾値とインテーク装置の外気導入率の切り替え閾値との関係を示す特性線図である。 図5は、除湿暖房運転が開始されてからの第2の熱媒体温度、内外気導入比率、ラジエータ放熱の有無、窓ガラス温度と露点温度との関係の第1の例を示す特性線図である。 図6は、除湿暖房運転が開始されてからの第2の熱媒体温度、内外気混入比率、ラジエータ放熱の有無、窓ガラス温度と露点温度との関係の第2の例を示す特性線図である。 図7は、従来の車両用空調装置とその問題点を説明する説明図である。 図8は、インテーク装置による外気導入により防曇が効果的な温度条件と、ラジエータによる放熱が効果的な温度条件とを示す図である。
以下、本発明に係る車両用空調装置の実施例を図面により説明する。
図1において、この発明に係る車両用空調装置が示され、車両用空調装置は、第1の熱媒体が循環する第1の循環サイクル1と、第2の熱媒体が循環する第2の循環サイクル2と、内部に送風通路3を有する空調ユニット4とを有して構成されている。
第1の循環サイクル1は、第1の熱媒体としてハイドロフルオロカーボン(HFC)系やCO2などの冷媒が用いられ、第1の熱媒体を圧縮する圧縮機5と、圧縮された第1の熱媒体の熱を後述する第2の熱媒体へ移動する熱交換器6と、第1の熱媒体を膨張する膨張装置7と、膨張装置7で膨張された第1の熱媒体を蒸発し送風通路3の空気を冷却するエバポレータ8と、を有して構成されている。
したがって、第1の熱媒体(冷媒)は、圧縮機5、熱交換器6、膨張装置7、エバポレータ8、及び前記圧縮機5の順に循環し、熱交換器6での放熱とエバポレータ8での吸熱を繰り返すようになっている。
第2の循環サイクル2は、第2の熱媒体として温水やクーラントなど、サイクル内を循環する時に液体状である媒体が用いられ、第2の熱媒体を循環するポンプ10と、前記熱交換器6と、第2の熱媒体を放熱して(第2の熱媒体を空気との間で熱交換して)送風通路3の空気を加熱するヒータコア11と、前記ポンプ10と前記熱交換器6との間に設けられて第2の熱媒体の熱を車室外へと放熱するラジエータ12と、第2の熱媒体がラジエータを迂回して流れるバイパス流路13と、ラジエータ12とバイパス流路13とに流す第2の熱媒体の流量を調節する流量調節弁14と、第2の熱媒体の温度を検知する熱媒体温度検知センサ15と、を有して構成されている。
したがって、第2の熱媒体(温水)は、ポンプ10、前記熱交換器6、ヒータコア11、前記ポンプ10、の順に循環し、熱交換器6での吸熱とヒータコア11での放熱を繰り返すようになっており、また、流量調節弁14を介してラジエータ12へ導かれた分は、このラジエータ12で放熱されるようになっている。
熱交換器6は、例えば、図2に示されるように、第1の熱媒体の流入ポート21および流出ポート22と、第2の熱媒体の流入ポート23および流出ポート24とを有し、例えば、積層されるチューブプレート25を、第1の熱媒体が流れるチューブプレートと第2の熱媒体が流れるチューブプレートとを交互に積層して構成するものであっても、積層された各チューブプレート25に第1の熱媒体が流れる通路と第2の熱媒体が流れる通路とを隣接して設けるものであってもよく、第1の熱媒体と第2の熱媒体との間で熱交換して、第1の熱媒体の熱を第2の熱媒体へ移動させることで、第2の熱媒体を加熱するようになっている。
空調ユニット4は、その最上流側に、車室内空気と車室外空気との導入割合を調節するインテーク装置31が設けられ、このインテーク装置31の下流側に、該インテーク装置31を介して導入された空気を送風通路3の下流側へ送り、図示しない吹き出し口を介して車室内へ送風する送風機32と、送風機32の下流側において、前記エバポレータ8及び前記ヒータコア11を配して構成されている。
インテーク装置31は、内気入口33と外気入口34とがインテークドア35によって開度調節されることで導入割合が調節されるようになっている。したがって、インテーク装置31を介して導入される内気や外気は、送風機32の回転によってエバポレータ8やヒータコア11に送られ、ここで除湿・熱交換されて所望の吹き出し口から車室内に供給されるようになっている。
エバポレータ8は、ヒータコア11よりも空調ユニット内の空気流れ方向上流側に配置されており、エバポレータ8の下流側とヒータコア11の上流側との間には、エアミックスドア36が設けられている。このエアミックスドア36は、ヒータコア11の通過風量が最大となる位置(フルホット位置:開度100%)から最小となる位置(フルクール位置:開度0%)にかけて変位できるようになっており、開度を調整することで、ヒータコア11を通過する空気とバイパスする空気との割合を調整できるようになっている。
上記圧縮機5、ポンプ10、インテークドア35、エアミックスドア36、及び流量調節弁14は、コントロールユニット40からの制御信号で制御されるようになっている。このコントロールユニット40は、A/D変換器やマルチプレクサ等を含む入力回路、ROM、RAM、CPU等を含む演算処理回路、駆動回路等を含む出力回路を備えたそれ自体公知のもので、第2の熱媒体の温度を検知する前記熱媒体温度検知センサ15からの冷媒温度信号、車室内空気の湿度を検知する車室内空気湿度センサ41および車室内空気の温度を検知する車室内空気温度センサ42からの信号、車室外空気の湿度を検知する車室外空気湿度センサ43および車室外空気の温度を検知する車室外空気温度センサ44からの信号等が入力され、これら各種信号に基づき、予め定められた所定のプログラムに従って処理するようになっている。
なお、熱媒体温度検知センサ15は、この例では第2の循環サイクル2の熱交換器6とヒータコア11との間に設置され、熱交換器6から流出した直後の第2の熱媒体の温度が反映されるようになっている。また、図示しないが、熱媒体温度検知センサ15を熱交換器6に配置し、熱交換器6から流出する第2の熱媒体の温度を検出するようにしてもよい。いずれも、第2の循環サイクル2の中で第2の熱媒体の温度が高い部位であり、該循環サイクルの温度状態を把握する部位として好適である。
次に、コントロールユニット40による制御動作のうち、インテーク装置31による内外気導入比率、流量調節弁14によるラジエータへの流量調整の具体的制御動作例を図3に示すフローチャートに基づき説明する。
先ず、コントロールユニット40は、空調装置が稼働されると、プログラムで用いる制御フラグF1を零に設定するなどの、初期設定を行う(ステップ50)。その後、乗員の操作により、又は、車室内の熱負荷等に基づく自動設定により、除湿暖房運転の要請があるか否かが判定され(ステップ52)、除湿暖房運転の要請がないと判定された場合には、この制御を行わずに他の制御処理へ移行し(ステップ54)、その後、再びステップ52の判定が繰り返される。
これに対して、ステップ52において、除湿暖房運転の要請があると判定された場合には、ステップ56において、インテーク装置による車室外空気の割合を相対的に減少して内気リッチの状態として暖房能力を確保すると共に第2の循環サイクルの第2の熱媒体の温度をできるだけ早く高めるために、流量調節弁14を調節して、第2の熱媒体をラジエータ12に流さないか、流れている場合には、ラジエータ12に流れる第2の熱媒体の流量を減少する。
その後、熱媒体温度検知センサ15により検知された第2の熱媒体の検知温度、車室内空気湿度センサ41や車室内空気温度センサ42により検知された車室内空気の検知湿度と検知温度、車室外空気湿度センサ43や車室外空気温度センサ44により検知された車室外空気の検知湿度と検知温度を入力し(ステップ58)、ステップ60において、第2の熱媒体の温度が第1の所定温度(従来のラジエータ駆動判定温度)より高いか否かを判定する。
第2の熱媒体の温度が第1の所定温度(従来のラジエータ駆動判定温度)以下であると判定された場合には、制御フラグF1が“1”に設定された状態であるか(第2の熱媒体の温度が第1の所定温度より一旦高くなった後に第1の所定温度以下となった場合であるかどうか)を判定する(ステップ62)。
除湿暖房運転初期においては、第2の熱媒体の温度は、まだ第1の所定温度に達していない状態であるので、ステップ50の初期設定により、制御フラグF1は零の状態であるので、ステッ54の他の制御処理へ移行し、その後、ステップ52へ戻る。
前記ステップ60において、第2の熱媒体の温度が第1の所定温度よりも高いと判定された場合には、制御フラグを“1”に設定し(ステップ64)、車室外空気の露点温度が車室内空気の露点温度よりも低いか否か、即ち、窓ガラスの内面の曇りを防止するために車室外空気を導入することが有効であるか否かを判定する(ステップ66)。
この判定においては、ステップ58で入力された車室内空気の検知湿度と検知温度とから車室内空気の露点温度を演算し、また、車室外空気の湿度と車室外空気の温度とから車室外空気の露点温度を演算し、これらの演算結果を比較する。
判定の結果、車室外空気の露点温度が車室内空気の露点温度より高いと判定された場合には、窓ガラスの曇りは内面の曇りを防止するために車室外空気を導入することが有効でないので、現状の設定状態を維持したまま、ステップ68の他の制御処理へ移行し、その後、ステップ70へ進み、除湿暖房運転の要請があるか否かを判定し、除湿暖房運転の要請が依然としてある場合には、ステップ58移行の処理を行い、除湿暖房運転の要請がないと判定された場合には、ステッ54の他の制御処理へ移行し、その後、ステップ52へ戻る。
これに対して、ステップ66において、車室外空気の露点温度が車室内空気の露点温度より低いと判定された場合には、窓ガラスの内面の曇りを防止するために車室外空気を導入することが有効であるので、インテーク装置31は、車室外空気の割合を相対的に増加し、水分量の少ない外気の導入量を多くする(ステップ72)。
これにより、第1の所定温度を超えるまでは、外気導入割合がステップ56により相対的に減少しているので(内気導入率が相対的に増加しているので)、エバポレータの吸熱量が多くなり、第2の熱媒体の温度を早期に上昇させることが可能となる。また、第1の所定温度を超えてからは、外気導入割合が相対的に増加するので、エバポレータの吸熱量を抑制できる。このため、熱交換器6を介して第2の循環サイクルへの過度な入熱を防止することができ、また、送風通路に導入する空気の湿度を低下させて窓曇りを防止することが可能となる。
その後、第2の熱媒体の温度が第1の所定温度よりも高い第2の所定温度より高くなったか否かを判定し(ステップ74)、第2の熱媒体が、未だ第1の熱媒体と第2の熱媒体との間にあると判定されれば、制御フラグF1が“2”に設定された状態であるか否か(第2の熱媒体が第2の所定温度より高くなった履歴があるかどうか)を判定する(ステップ76)。
F1=2でなければ、第2の熱媒体の温度は、第2の所定温度にまだ達していない状態であるので、ステップ78において、第2の熱媒体をラジエータに流さない、又は、既にラジエータに流れているのであれば、ラジエータへの流量を増加しないようにする。
これにより、第2の熱媒体が第1の所定温度を超えても直ちにラジエータからの放熱をせず、窓曇りの防止ができる外気導入率の増加操作を優先することができ、限られたエネルギーを暖房運転に有効利用することが可能となる。
これに対して、ステップ74において、第2の熱媒体の温度が第2の所定温度よりも高いと判定された場合には、制御フラグを“2”に設定し(ステップ80)、第2の循環サイクルに過剰の熱が蓄積されている状態であるので、流量調節弁14を制御して、第2の熱媒体をラジエータ12に流す、又は、既に流れている場合には、ラジエータ12への流量を増加するよう流量調節弁14によるラジエータ12への流量を調節する(ステップ82)。そして、以上の処理の後に、ステッ68の他の制御処理へ移行し、その後、ステップ70へ戻る。
これにより、外気導入率を増加しても第2の循環サイクルへの過度な入熱を抑制できない場合に、ラジエータで放熱することで、第2の熱媒体の温度上昇を抑え、第2の熱媒体を適正な温度範囲に維持することが可能となる。
また、ステップ76において、制御フラグF1が“2”に設定された状態であると判定された場合(第2の熱媒体の温度が第2の設定温度よりも高くなった後に第2の所定温度よりも低くなった場合)には、第2の熱媒体が第2の所定温度より低い第4の所定温度を下回ったか否かを判定し(ステップ84)、第2の熱媒体が第4の所定温度を下回ったと判定された場合には、第2の熱媒体をラジエータ12に流さない、又は、ラジエータ12に流す第2の熱媒体の流量を減少する(ステップ86)。
これにより、第2の熱媒体の温度が低下し過ぎることを防止し、第2の熱媒体を高温に維持し、暖房性能を維持することが可能となる。
そして、その後、ステッ68の他の制御処理へ移行し、ステップ70へ戻る。また、ステップ84において、第2の熱媒体が第4の所定温度を下回っていないと判定された場合には、ステップ82でラジエータへ流した状態、又は、ラジエータへの流量を増加した状態を維持し、ステッ68の他の制御処理を経たのち、再びステップ70へ戻る。
以上の制御により、第2の熱媒体が一旦第1の所定温度よりも高くなった後に、第2の熱媒体の温度が下がり、第1の所定温度より低くなった場合には、制御フラグF1は1に設定されているので、ステップ62からステップ88へ進み、第2の熱媒体の温度が第1の所定温度よりも低い温度に設定された第3の所定温度を下回った否かが判定され、第2の熱媒体の温度が第3の所定温度を下回ったことが判定された場合には、第2の熱媒体の温度が低下し暖房能力の低下が懸念されるので、暖房能力を確保するために、インテーク装置31は、第2の熱媒体の温度に応じて車室外空気の導入割合を相対的に減少させる(ステップ90)。
これにより、第2の熱媒体の温度が低下し過ぎることを防止して、第2の熱媒体を高温に維持し、暖房性能を維持することが可能となる。
したがって、上述の制御においては、第2の熱媒体の温度に応じて、ラジエータ12への流量制御とインテーク装置31による外気導入率の制御とが、図4に示されるように行われ、インテーク装置31にあっては、第2の熱媒体の温度が第1の所定温度を超えた場合に外気導入割合を相対的に増加させ、また、第1の所定温度より低い第3の所定温度を下回った場合に車室外空気の導入割合を相対的に減少させるようにしており、第1の所定温度と第3の所定温度との間でヒステリシスが設けられ、インテーク装置31のインテークドア35の動きにハンチングが生じることを防止するようにしている。また、ラジエータ12への流量制御にあっては、第2の熱媒体の温度が第2の所定温度を超えた場合にラジエータ12への流量を相対的に増加させ、また、前記第2の所定温度より低い第4の所定温度を下回った場合、ラジエータ12への流量を相対的に減少させるようにしており、第2の所定温度と第4の所定温度との間でヒステリシスが設けられ、ラジエータの流量制御(流量調節弁14の動作)にハンチングが生じることを防止するようにしている。そして、第4の所定温度は第1の所定温度よりも高く設定されており、第1の所定温度と第3の所定温度との間で設定されるヒステリシスよりも、第2の所定温度と第4の所定温度との間で設定されるヒステリシスは高い温度領域となっているから、外気導入率は、窓曇りを防止する観点から相対的に低温の領域で早めに外気導入率を増加するように切り替えられ、ラジエータへの流量は、第2の熱媒体の高温維持を図るために、相対的に高温の領域で増加、減少が切り替えられるから、窓曇りの防止と無駄な排熱の防止とを効果的に両立することができる。
以上の構成において、次に、除湿暖房運転時における第2の熱媒体の温度変化に伴うインテーク装置31による内外気導入比率、ラジエータ12による放熱の有無、窓ガラスの車室内側の温度と露点温度の変化について説明すると、図5で示す第2の熱媒体の温度変化においては、次のようになる。
先ず、圧縮機5とポンプ10が稼働し(これに伴い、送風機22も稼働し)、除湿暖房運転が開始された直後は、ステップ56において、インテーク装置31は、車室外空気の割合を相対的に減少させ、ラジエータ12に第2の熱媒体を流さない(又は、流れている場合には流量を減少させる)ので、内外気導入比率は内気リッチの状態となり、車室内空気の温度上昇に伴ってエバポレータ8の吸熱量が多くなるため、第2の循環サイクル2への入熱量は多くなる。
このため、第2の循環サイクル2の第2の熱媒体の温度は早期に上昇し、これに伴って、窓ガラス内側の表面温度や露点温度も徐々に上昇する。
なお、第2の熱媒体の温度が第1の所定温度以下であっても、第2の熱媒体の温度が上昇した場合には、ステップ56において、車室外空気の導入割合を相対的に少し増やし、窓ガラスの曇り防止に寄与させるようにしてもよい。
そして、第2の熱媒体の温度が、第1の所定温度を超え、且つ、車室外空気の露点温度が車室内空気の露点温度より低い場合には、インテーク装置は、第2の熱媒体の温度に応じて車室外空気の導入割合が増加し(ステップ72)、ガラス内側の表面温度の上昇を抑え、ガラス内側の空気の露点温度を低下させる。この車室外空気の導入割合の増加により、エバポレータ8の吸熱量が抑制され、第2の循環サイクルへの過度な入熱が防止される。
なお、第2の熱媒体の温度が第1の所定温度を超えてさらに上昇する場合には、ステップ72において、第2の熱媒体の温度に応じて、車室外空気の導入割合を100%となるまで増加させ、ガラス内側の空気の露点温度を低下させる。
この段階においては、ラジエータ12による放熱は未だ行われず、ラジエータ12による放熱に優先して車室外空気の導入割合が増やされる。
その後、外気導入割合の調節にも拘らず、第2の熱媒体の温度がさらに上昇して第2の所定温度を超えた場合には、第2の循環サイクル2が過剰に蓄熱されている状態であるので、ステップ82によりラジエータ12による放熱が開始され(又は、ラジエータ12への流量を増加して放熱量を増加させ)、第2の循環サイクル2に蓄積された熱を積極的に放熱させる。
その結果、第2の熱媒体の温度が徐々に低下し、第4の所定温度を下回った場合には、ステップ86において、ラジエータ12による放熱を停止し(又は、ラジエータ12への流量を減少して放熱量を減少させ)、窓ガラスの曇晴らしに寄与しない排熱を極力抑え、暖房性能を維持する。
また、図6に示す第2の熱媒体の温度変化に対しては、インテーク装置による内外気導入比率、ラジエータによる放熱の有無、ガラス温度と露点温度の変化は、次のようになる。
即ち、圧縮機5とポンプ10が稼働し(これに伴い、送風機22も稼働し)、除湿暖房運転が開始されたのち、第2の熱媒体の温度が第1の所定温度が超えるまでは、インテーク装置31による内外気導入比率、ラジエータ12による放熱の有無、ガラス温度と露点温度の変化は、図5と同様に変化するが、第2の熱媒体の温度が第1の所定温度を超えた後に外気の導入割合を増加した結果、第2の熱媒体の温度が徐々に低下し、第3の所定温度を下回った場合には、ステップ90により、車室外空気の導入割合を相対的に減らし、第2の熱媒体の温度が低下しすぎることを防止して第2の熱媒体(温水)を高温に維持し、暖房性能を維持する。
その後、第2の熱媒体の温度が再び上昇して第1の所定温度を超えた場合には、ステップ72において、車室外空気の導入割合が増加し、エバポレータ8の吸熱量が抑制され、また、窓ガラスの内側空気の露点温度が低下し、窓ガラスの曇りにくい状態となる。これにより、第2の熱媒体の温度が再び低下すれば、以後、同様の処理が行われる。
この例においては、第2の熱媒体の温度が第2の所定温度を超えない場合であるので、従来行われていたラジエータによる放熱はなされないこととなり、窓ガラスの曇り晴らしに寄与しない無駄な排熱を避けることが可能となる。
以上、図1の車両用空調装置の構成を例として説明してきたが、本発明の主旨を逸脱しない範囲であれば、他の構成を採用しても良いことは勿論である。例えば、ラジエータ12を第2の循環サイクル2のポンプ10と熱交換器6との間に設けた例を示したが、ラジエータ12は、ヒータコア11とポンプ10との間に設けるようにしてもよい。また、流量調整弁14をポンプ10とラジエータ12との間に設けた例を示したが、ラジエータ12と熱交換器6との間に設けるようにしてもよい。
1 第1の循環サイクル
2 第2の循環サイクル
3 送風通路
4 空調ユニット
5 圧縮機
6 熱交換器
7 膨張装置
8 エバポレータ
10 ポンプ
11 ヒータコア
12 ラジエータ
13 バイパス流路
14 流量調節弁
15 熱媒体温度検知センサ
31 インテーク装置
32 送風機
41 車室内湿度センサ
42 車室内温度センサ
43 車室外湿度センサ
44 車室外温度センサ

Claims (12)

  1. 第1の熱媒体が循環する第1の循環サイクルと、第2の熱媒体が循環する第2の循環サイクルと、内部に送風通路を有する空調ユニットとを有し、
    前記第1の循環サイクルは、前記第1の熱媒体が、前記第1の熱媒体を圧縮する圧縮機、圧縮された前記第1の熱媒体の熱を前記第2の熱媒体へ移動する熱交換器、前記第1の熱媒体を膨張する膨張装置、前記膨張装置で膨張された前記第1の熱媒体を蒸発し前記送風通路の空気を冷却するエバポレータ、前記圧縮機、の順に循環できるよう構成され、
    前記第2の循環サイクルは、前記第2の熱媒体が、ポンプ、前記熱交換器、前記第2の熱媒体の熱を放熱し前記送風通路の空気を加熱するヒータコア、前記ポンプ、の順に循環できるよう構成されていると共に、前記ヒータコアと前記ポンプとの間、または前記ポンプと前記熱交換器との間に設けられ前記第2の熱媒体の熱を車室外へと放熱するラジエータと、前記ラジエータを迂回するバイパス流路と、前記ラジエータと前記バイパス流路とに流す前記第2の熱媒体の流量を調節する流量調節手段と、前記熱交換器または前記熱交換器と前記ヒータコアとの間の前記第2の熱媒体の温度を検知する温度検知手段と、を有して構成され、
    前記空調ユニットは、前記送風通路に、車室内空気と車室外空気との導入割合を調節するインテーク装置と、前記インテーク装置を介して導入された空気を送風する送風機と、前記エバポレータ及び前記ヒータコアを配して構成される
    車両用空調装置において、
    前記インテーク装置は、前記圧縮機と前記ポンプとが作動され、且つ、前記第2の熱媒体の温度が第1の所定温度を超えた場合、車室外空気の導入割合を相対的に増加し、
    前記流量調節手段は、前記第2の熱媒体の温度が前記第1の所定温度よりも高い第2の所定温度を超えた場合、前記第2の熱媒体を前記ラジエータに流す、又は、前記ラジエータに流す前記第2の熱媒体の流量を増加する
    ことを特徴とする車両用空調装置。
  2. 前記流量調節手段は、前記第2の熱媒体の温度が前記第2の所定温度を超えるまでは、前記第2の熱媒体を前記ラジエータに流さない、又は、前記ラジエータに流す前記第2の熱媒体の流量を増加しないことを特徴とする車両用空調装置。
  3. 前記インテーク装置は、前記第2の熱媒体の温度が前記第1の所定温度を超えたのち、前記第1の所定温度より低い第3の所定温度を下回った場合、車室外空気の導入割合を相対的に減少する。
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の車両用空調装置。
  4. 前記流量調節手段は、
    前記第2の熱媒体の温度が前記第2の所定温度を超えたのち、前記第2の所定温度より低い第4の所定温度を下回った場合、前記第2の熱媒体を前記ラジエータに流さない、又は、前記ラジエータに流す前記第2の熱媒体の流量を減少する
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の車両用空調装置。
  5. 車室内空気の湿度を検知する車室内湿度検知手段と、車室内空気の温度を検知する車室内温度検知手段と、車室外空気の湿度を検知する車室外湿度検知手段と、車室外空気の温度を検知する車室外温度検知手段と、演算手段と、を備え、
    前記演算手段は、前記車室内空気の湿度と前記車室内空気の温度とから車室内空気の露点温度を演算するとともに、前記車室外空気の湿度と前記車室外空気の温度とから車室外空気の露点温度を演算し、
    前記インテーク装置による車室外空気の導入割合の相対的な増加は、車室内空気よりも車室外空気の露点温度が低いときに行われる
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の車両用空調装置。
  6. 前記インテーク装置が車室外空気の導入割合を相対的に増加するのは、除湿暖房運転モードのときである
    ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の車両用空調装置。
  7. 第1の熱媒体が循環する第1の循環サイクルと、第2の熱媒体が循環する第2の循環サイクルと、内部に送風通路を有する空調ユニットとを有し、
    前記第1の循環サイクルは、前記第1の熱媒体が、前記第1の熱媒体を圧縮する圧縮機、圧縮された前記第1の熱媒体の熱を前記第2の熱媒体へ移動する熱交換器、前記第1の熱媒体を膨張する膨張装置、前記膨張装置で膨張された前記第1の熱媒体を蒸発し前記送風通路の空気を冷却するエバポレータ、前記圧縮機、の順に循環できるよう構成され、
    前記第2の循環サイクルは、前記第2の熱媒体が、ポンプ、前記熱交換器、前記第2の熱媒体の熱を放熱し前記送風通路の空気を加熱するヒータコア、前記ポンプ、の順に循環できるよう構成されていると共に、前記ヒータコアと前記ポンプとの間、または前記ポンプと前記熱交換器との間に設けられ前記第2の熱媒体の熱を車室外へと放熱するラジエータと、前記ラジエータを迂回するバイパス流路と、前記ラジエータと前記バイパス流路とに流す前記第2の熱媒体の流量を調節する流量調節手段と、前記熱交換器または前記熱交換器と前記ヒータコアとの間の前記第2の熱媒体の温度を検知する温度検知手段と、を有して構成され、
    前記空調ユニットは、前記送風通路に、車室内空気と車室外空気との導入割合を調節するインテーク装置と、前記インテーク装置を介して導入された空気を送風する送風機と、前記エバポレータ及び前記ヒータコアを配して構成される車両用空調装置を用いた車両用空調制御方法において、
    前記インテーク装置は、前記圧縮機と前記ポンプとが作動され、且つ、前記第2の熱媒体の温度が第1の所定温度を超えた場合、車室外空気の導入割合を相対的に増加し、
    前記流量調節手段は、前記第2の熱媒体の温度が前記第1の所定温度よりも高い第2の所定温度を超えた場合、前記第2の熱媒体を前記ラジエータに流す、又は、前記ラジエータに流す前記第2の熱媒体の流量を増加する
    ことを特徴とする車両用空調制御方法。
  8. 前記流量調節手段は、前記第2の熱媒体の温度が前記第2の所定温度を超えるまでは、前記第2の熱媒体を前記ラジエータに流さない、又は、前記ラジエータに流す前記第2の熱媒体の流量を増加しない
    ことを特徴とする請求項7に記載の車両用空調制御方法。
  9. 前記インテーク装置は、前記第2の熱媒体の温度が前記第1の所定温度を越えたのち、前記第1の所定温度より低い第3の所定温度を下回った場合、車室外空気の導入割合を相対的に減少する
    ことを特徴とする請求項7または8に記載の車両用空調制御方法。
  10. 前記流量調節手段は、
    前記第2の熱媒体の温度が前記第2の所定温度を超えたのち、前記第2の所定温度より低い第4の所定温度を下回った場合、前記第2の熱媒体を前記ラジエータに流さない、又は、前記ラジエータに流す前記第2の熱媒体の流量を減少する
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の車両用空調制御方法。
  11. 前記車両用空調装置は、車室内空気の湿度を検知する車室内湿度検知手段と、車室内空気の温度を検知する車室内温度検知手段と、車室外空気の湿度を検知する車室外湿度検知手段と、車室外空気の温度検知する車室外温度検知手段と、演算手段と、を備え、
    前記演算手段は、前記車室内空気の湿度と前記車室内空気の温度とから車室内空気の露点温度を演算するとともに、前記車室外空気の湿度と前記車室外空気の温度とから車室外空気の露点温度を演算し、
    前記インテーク装置による車室外空気の導入割合の相対的な増加は、車室内空気よりも車室外空気の露点温度が低いときに行われる
    ことを特徴とする請求項7乃至10のいずれかに記載の車両用空調制御方法。
  12. 前記インテーク装置が車室外空気の導入割合を相対的に増加するのは、除湿暖房運転モードのときである
    ことを特徴とする請求項7乃至11のいずれかに記載の車両用空調制御方法。
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