JP6047388B2 - 車両用空気調和装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両の車室内を空調するヒートポンプ方式の空気調和装置、特にハイブリッド自動車や電気自動車に適用可能な空気調和装置に関するものである。
近年の環境問題の顕在化から、ハイブリッド自動車や電気自動車が普及するに至っている。そして、このような車両に適用することができる空気調和装置として、冷媒を圧縮して吐出する圧縮機と、車室内側に設けられて冷媒を放熱させる放熱器と、車室内側に設けられて冷媒を吸熱させる吸熱器と、車室外側に設けられて冷媒を放熱又は吸熱させる室外熱交換器を備え、圧縮機から吐出された冷媒を放熱器において放熱させ、この放熱器において放熱した冷媒を室外熱交換器において吸熱させる暖房運転と、圧縮機から吐出された冷媒を放熱器において放熱させ、放熱器において放熱した冷媒を吸熱器のみ、又は、この吸熱器と室外熱交換器において吸熱させる除湿暖房運転と、圧縮機から吐出された冷媒を室外熱交換器において放熱させ、吸熱器において吸熱させる冷房運転と、圧縮機から吐出された冷媒を放熱器及び室外熱交換器において放熱させ、吸熱器において吸熱させる除湿冷房運転の各運転モードを実行するものが開発されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2012−176660号公報
ここで、暖房運転では室外熱交換器が外気から吸熱するため、当該室外熱交換器には着霜が生じる。室外熱交換器に着霜が成長すると、外気からの吸熱能力が著しく低下するため、室外熱交換器の着霜を除去する除霜運転が実行される。しかしながら、この除霜運転中は車室内に吹き出される空気温度が低下し、快適性が損なわれると共に、消費電力も増加するため、除霜は最低限としたいという要望がある。
本発明は、係る従来の技術的課題を解決するために成されたものであり、圧縮機へガスインジェクションを行うインジェクション回路を用いて室外熱交換器への着霜を抑制する車両用空気調和装置を提供することを目的とする。
本発明の車両用空気調和装置は、冷媒を圧縮する圧縮機と、車室内に供給する空気が流通する空気流通路と、この空気流通路に設けられて冷媒を放熱させる放熱器と、空気流通路に設けられて冷媒を吸熱させる吸熱器と、車室外に設けられて冷媒を放熱又は吸熱させる室外熱交換器と、制御手段とを備え、少なくともこの制御手段により、圧縮機から吐出された冷媒を放熱器にて放熱させ、放熱した当該冷媒を減圧した後、室外熱交換器にて吸熱させる暖房モードを実行するものであって、放熱器を出た冷媒の一部を分流して圧縮機の圧縮途中に戻すインジェクション回路を備え、制御手段は、室外熱交換器への着霜状態を推定する着霜状態推定手段を有し、この着霜状態推定手段の推定に基づき、室外熱交換器への着霜が予測される場合、インジェクション回路を動作させ、圧縮機の圧縮途中に冷媒を戻すと共に、要求される放熱器の暖房能力である要求暖房能力Qtgtと当該放熱器が発生する暖房能力Qhpとを比較し、インジェクション回路によるインジェクション量を制御することを特徴とする。
請求項2の発明の車両用空気調和装置は、上記発明において着霜状態推定手段は、外気温度、外気湿度、室外熱交換器の冷媒蒸発圧力、及び、室外熱交換器の冷媒蒸発温度のそれぞれを示す指標のうちの何れか、若しくは、それらの組み合わせに基づいて室外熱交換器への着霜状態を推定することを特徴とする。
請求項3の発明の車両用空気調和装置は、上記各発明において加熱手段により加熱された水を循環手段により循環させる水循環回路を備え、この水循環回路は、空気流通路に設けられた水−空気熱交換器を有し、放熱器の暖房能力Qhpが不足する場合、水循環回路を動作させることを特徴とする。
請求項4の発明の車両用空気調和装置は、上記各発明において制御手段は、着霜状態推定手段の推定に基づき、インジェクション回路を動作させる以前の段階で、室外熱交換器への着霜を抑制する運転を実行することを特徴とする。
本発明によれば、冷媒を圧縮する圧縮機と、車室内に供給する空気が流通する空気流通路と、この空気流通路に設けられて冷媒を放熱させる放熱器と、空気流通路に設けられて冷媒を吸熱させる吸熱器と、車室外に設けられて冷媒を放熱又は吸熱させる室外熱交換器と、制御手段とを備え、少なくともこの制御手段により、圧縮機から吐出された冷媒を放熱器にて放熱させ、放熱した当該冷媒を減圧した後、室外熱交換器にて吸熱させる暖房モードを実行する車両用空気調和装置において、放熱器を出た冷媒の一部を分流して圧縮機の圧縮途中に戻すインジェクション回路を備え、制御手段は、室外熱交換器への着霜状態を推定する着霜状態推定手段を有し、この着霜状態推定手段の推定に基づき、室外熱交換器への着霜が予測される場合、インジェクション回路を動作させ、圧縮機の圧縮途中に冷媒を戻すようにしたので、着霜が予測される場合にインジェクション回路により圧縮機にガスインジェクションを行うことで、室外熱交換器への着霜を抑制することが可能となる。これにより、除霜による車室内空調の悪化を回避し、放熱器による暖房能力の向上を図ることが可能となる。
また、制御手段は、要求される放熱器の暖房能力である要求暖房能力Qtgtと当該放熱器が発生する暖房能力Qhpとを比較し、インジェクション回路によるインジェクション量を制御するので、圧縮機へのガスインジェクションされる冷媒量も的確に制御することが可能となる。
この場合、請求項2の発明の如く着霜状態推定手段が、外気温度、外気湿度、室外熱交換器の冷媒蒸発圧力、及び、室外熱交換器の冷媒蒸発温度のそれぞれを示す指標のうちの何れか、若しくは、それらの組み合わせに基づいて室外熱交換器への着霜状態を推定するようにすれば、的確に室外熱交換器の着霜状態を推定することが可能となる。
また、請求項3の発明の如く加熱手段により加熱された水を循環手段により循環させる水循環回路を設け、この水循環回路が空気流通路に設けられた水−空気熱交換器を有し、放熱器の暖房能力Qhpが不足する場合、水循環回路を動作させるようにすれば、ガスインジェクションによっても暖房能力が不足する場合に、水循環回路の水−空気熱交換器にて加熱された水を放熱させ、暖房を補完することが可能となる。
更に、請求項4の発明の如く制御手段が、着霜状態推定手段の推定に基づき、インジェクション回路を動作させる以前の段階で、室外熱交換器への着霜を抑制する運転を実行するようにすれば、可能な限り除霜を回避し、車室内空調の悪化を効果的に回避することができるようになる。
本発明を適用した一実施形態の車両用空気調和装置の構成図である。 図1の車両用空気調和装置のコントローラの電気回路のブロック図である。 図1の車両用空気調和装置のp−h線図である。 図2のコントローラの制御ブロック図である。 図2のコントローラによる目標吹出温度の決定を説明する図である。 図2のコントローラによる目標吹出温度を用いた目標インジェクション冷媒過熱度の決定を説明する図である。 図2のコントローラによる要求暖房能力と暖房能力(発生暖房能力)の差を用いた目標インジェクション冷媒過熱度の決定を説明する図である。 図2のコントローラによる目標放熱器温度と放熱器温度の差を用いた目標インジェクション冷媒過熱度の決定を説明する図である。 図2のコントローラによる目標放熱器圧力と放熱器圧力の差を用いた目標インジェクション冷媒過熱度の決定を説明する図である。 図2のコントローラによるインジェクション実行可否判断の一例を示すフローチャートである。 図10のインジェクション実行可否判断の実例を示す図である。 図1の車両用空気調和装置の起動後の各部の状態を示すタイミングチャートである。 図2のコントローラによるインジェクション実行可否判断の他の例を示す図である。 本発明の他の実施例の車両用空気調和装置の構成図である。 本発明のもう一つの他の実施例の車両用空気調和装置の構成図である。 本発明の更にもう一つの他の実施例の車両用空気調和装置の構成図である。 図16の車両用空気調和装置のp−h線図である。 図16の車両用空気調和装置のもう一つのp−h線図である。 本発明の更にもう一つの他の実施例の車両用空気調和装置の構成図である。 本発明の更にもう一つの他の実施例の車両用空気調和装置の構成図である。 本発明の更にもう一つの他の実施例の車両用空気調和装置の構成図である。 図2のコントローラによる図20と図21の車両用空気調和装置のガスインジェクション制御を説明する図である。 図2のコントローラによる室外熱交換器の着霜状態推定動作を説明するタイミングチャートである。 図2のコントローラによる室外熱交換器の着霜状態の推定から除霜モードへの動作を説明するタイミングチャートである。
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づき詳細に説明する。
図1は本発明の一実施例の車両用空気調和装置1の構成図を示している。この場合、本発明を適用する実施例の車両は、エンジン(内燃機関)を有さない電気自動車(EV)であって、バッテリに充電された電力で走行用の電動モータを駆動して走行するものであり(何れも図示せず)、本発明の車両用空気調和装置1も、バッテリの電力で駆動されるものとする。即ち、実施例の車両用空気調和装置1は、エンジン廃熱による暖房ができない電気自動車において、冷媒回路を用いたヒートポンプ運転により暖房を行い、更に、除湿暖房や冷房除湿、冷房等の各運転モードを選択的に実行するものである。
尚、車両として電気自動車に限らず、エンジンと走行用の電動モータを供用する所謂ハイブリッド自動車にも本発明は有効であり、更には、エンジンで走行する通常の自動車にも適用可能であることは云うまでもない。
実施例の車両用空気調和装置1は、電気自動車の車室内の空調(暖房、冷房、除湿、及び、換気)を行うものであり、冷媒を圧縮する電動式の圧縮機2と、車室内空気が通気循環されるHVACユニット10の空気流通路3内に設けられて圧縮機2から吐出された高温高圧の冷媒を車室内に放熱させる放熱器4と、暖房時に冷媒を減圧膨張させる電動弁から成る室外膨張弁6と、冷房時には放熱器として機能し、暖房時には蒸発器として機能すべく冷媒と外気との間で熱交換を行わせる室外熱交換器7と、冷媒を減圧膨張させる電動弁から成る室内膨張弁8と、空気流通路3内に設けられて冷房時及び除湿時に車室内外から冷媒に吸熱させる吸熱器9と、吸熱器9における蒸発能力を調整する蒸発能力制御弁11と、アキュムレータ12等が冷媒配管13により順次接続され、冷媒回路Rが構成されている。尚、室外熱交換器7には、外気と冷媒とを熱交換させるための室外送風機15が設けられている。
また、室外熱交換器7は冷媒下流側にレシーバドライヤ部14と過冷却部16を順次有し、室外熱交換器7から出た冷媒配管13Aは冷房時に開放される電磁弁(開閉弁)17を介してレシーバドライヤ部14に接続され、過冷却部16の出口が逆止弁18を介して室内膨張弁8に接続されている。尚、レシーバドライヤ部14及び過冷却部16は構造的に室外熱交換器7の一部を構成しており、逆止弁18は室内膨張弁8側が順方向とされている。
また、逆止弁18と室内膨張弁8間の冷媒配管13Bは、吸熱器9の出口側に位置する蒸発能力制御弁11を出た冷媒配管13Cと熱交換関係に設けられ、両者で内部熱交換器19を構成している。これにより、冷媒配管13Bを経て室内膨張弁8に流入する冷媒は、吸熱器9を出て蒸発能力制御弁11を経た低温の冷媒により冷却(過冷却)される構成とされている。
また、室外熱交換器7から出た冷媒配管13Aは分岐しており、この分岐した冷媒配管13Dは、暖房時に開放される電磁弁(開閉弁)21を介して内部熱交換器19の下流側における冷媒配管13Cに連通接続されている。更に、放熱器4の出口側の冷媒配管13Eは室外膨張弁6の手前で分岐しており、この分岐した冷媒配管13Fは除湿時に開放される電磁弁(開閉弁)22を介して逆止弁18の下流側の冷媒配管13Bに連通接続されている。
また、室外膨張弁6には並列にバイパス配管13Jが接続されており、このバイパス配管13Jには、冷房モードにおいて開放され、室外膨張弁6をバイパスして冷媒を流すための電磁弁(開閉弁)20が介設されている。更に、圧縮機2の吐出側の冷媒配管13Gは分岐し、この分岐した冷媒配管13Hは室外熱交換器7の除霜を行う除霜モードにおいて開放され、圧縮機2から吐出された高温冷媒(ホットガス)を直接室外熱交換器7に流入させるための電磁弁(開閉弁)23及び逆止弁24を介して室外膨張弁6及びバイパス配管13Jの並列回路と室外熱交換器7間の冷媒配管13Iに連通接続されている。この電磁弁23が除霜手段を構成する。尚、逆止弁24は冷媒配管13I方向を順方向とされている。
また、放熱器4を出た直後(冷媒配管13F、13Iに分岐する手前)の冷媒配管13Eは分岐しており、この分岐した冷媒配管13Kはインジェクション制御用の電動弁から成るインジェクション膨張弁30を介して圧縮機2の圧縮途中に連通接続されている。そして、このインジェクション膨張弁30の出口側と圧縮機2間の冷媒配管13Kは、圧縮機2の吐出側に位置する冷媒配管13G(冷媒配管13Hとの分岐点より下流側)と熱交換関係に設けられ、両者で吐出側熱交換器35を構成している。
これら冷媒配管13K、インジェクション膨張弁30、及び、吐出側熱交換器35から本発明におけるインジェクション回路40が構成される。このインジェクション回路40は、放熱器4から出た冷媒の一部を分流して圧縮機2の圧縮途中に戻す(ガスインジェクション)ための回路であり、インジェクション膨張弁30は冷媒配管13Kに流入した冷媒を減圧した後、吐出側熱交換器35に流入させる。吐出側熱交換器35に流入した冷媒は、圧縮機2から冷媒配管13Gに吐出され、放熱器4に流入する前の冷媒と熱交換し、冷媒配管13Gを流れる冷媒から吸熱して蒸発する構成とされている。吐出側熱交換器35で冷媒配管13Kに分流された冷媒が蒸発することで、圧縮機2へのガスインジェクションが行われることになる。
また、吸熱器9の空気上流側における空気流通路3には、外気吸込口と内気吸込口の各吸込口が形成されており(図1では吸込口25で代表して示す)、この吸込口25には空気流通路3内に導入する空気を車室内の空気である内気(内気循環モード)と、車室外の空気である外気(外気導入モード)とに切り換える吸込切換ダンパ26が設けられている。更に、この吸込切換ダンパ26の空気下流側には、導入した内気や外気を空気流通路3に送給するための室内送風機(ブロワファン)27が設けられている。
また、放熱器4の空気上流側における空気流通路3内には、内気や外気の放熱器4への流通度合いを調整するエアミックスダンパ28が設けられている。更に、放熱器4の空気下流側における空気流通路3には、フット、ベント、デフの各吹出口(図1では代表して吹出口29で示す)が形成されており、この吹出口29には上記各吹出口から空気の吹き出しを切換制御する吹出口切換ダンパ31が設けられている。
次に、図2において32はマイクロコンピュータから構成された制御手段としてのコントローラ(ECU)であり、このコントローラ32の入力には車両の外気温度を検出する外気温度センサ33と、外気湿度を検出する外気湿度センサ34と、吸込口25から空気流通路3に吸い込まれる空気の温度を検出するHVAC吸込温度センサ36と、車室内の空気(内気)の温度を検出する内気温度センサ37と、車室内の空気の湿度を検出する内気湿度センサ38と、車室内の二酸化炭素濃度を検出する室内CO2濃度センサ39と、吹出口29から車室内に吹き出される空気の温度を検出する吹出温度センサ41と、圧縮機2の吐出冷媒圧力を検出する吐出圧力センサ42と、圧縮機2の吐出冷媒温度を検出する吐出温度センサ43と、圧縮機2の吸込冷媒圧力を検出する吸込圧力センサ44と、放熱器4の温度(放熱器4から出た直後の冷媒の温度、又は、放熱器4自体の温度、又は、放熱器4にて加熱された直後の空気の温度)を検出する放熱器温度センサ46と、放熱器4の冷媒圧力(放熱器4内、又は、放熱器4を出た直後の冷媒の圧力)を検出する放熱器圧力センサ47と、吸熱器9の温度(吸熱器9から出た直後の冷媒の温度、又は、吸熱器9自体、又は、吸熱器9にて冷却された直後の空気の温度)を検出する吸熱器温度センサ48と、吸熱器9の冷媒圧力(吸熱器9内、又は、吸熱器9を出た直後の冷媒の圧力)を検出する吸熱器圧力センサ49と、車室内への日射量を検出するための例えばフォトセンサ式の日射センサ51と、車両の移動速度(車速)を検出するための車速センサ52と、設定温度や運転モードの切り換えを設定するための空調(エアコン)操作部53と、室外熱交換器7の温度(室外熱交換器7から出た直後の冷媒の温度、又は、室外熱交換器7自体の温度)を検出する室外熱交換器温度センサ54と、室外熱交換器7の冷媒圧力(室外熱交換器7内、又は、室外熱交換器7から出た直後の冷媒の圧力)を検出する室外熱交換器圧力センサ56の各出力が接続されている。
また、コントローラ32の入力には更に、インジェクション回路40の冷媒配管13Kに流入し、吐出側熱交換器35を経て圧縮機2の圧縮途中に戻るインジェクション冷媒の圧力を検出するインジェクション圧力センサ50と、該インジェクション冷媒の温度を検出するインジェクション温度センサ55の各出力も接続されている。
一方、コントローラ32の出力には、前記圧縮機2と、室外送風機15と、室内送風機(ブロワファン)27と、吸込切換ダンパ26と、エアミックスダンパ28と、吹出口切換ダンパ31と、室外膨張弁6、室内膨張弁8と、各電磁弁23、22、17、21、20と、インジェクション膨張弁30と、蒸発能力制御弁11が接続されている。そして、コントローラ32は各センサの出力と空調操作部53にて入力された設定に基づいてこれらを制御する。
以上の構成で、次に実施例の車両用空気調和装置1の動作を説明する。コントローラ32は実施例では大きく分けて暖房モードと、除湿暖房モードと、内部サイクルモードと、除湿冷房モードと、冷房モードの各運転モードを切り換えて実行する。先ず、各運転モードにおける冷媒の流れについて説明する。
(1)暖房モードの冷媒の流れ
コントローラ32により或いは空調操作部53へのマニュアル操作により暖房モードが選択されると、コントローラ32は電磁弁21を開放し、電磁弁17、電磁弁22、電磁弁20及び電磁弁23を閉じる。そして、圧縮機2、及び、各送風機15、27を運転し、エアミックスダンパ28は室内送風機27から吹き出された空気が放熱器4に通風される状態とする。これにより、圧縮機2から吐出された高温高圧のガス冷媒は吐出側熱交換器35を経た後、放熱器4に流入する。放熱器4には空気流通路3内の空気が通風されるので、空気流通路3内の空気は放熱器4内の高温冷媒により加熱され、一方、放熱器4内の冷媒は空気に熱を奪われて冷却され、凝縮液化する。
放熱器4内で液化した冷媒は放熱器4を出た後、一部はインジェクション回路40の冷媒配管13Kに分流され、主には冷媒配管13Eを経て室外膨張弁6に至る。尚、インジェクション回路40の機能作用については後述する。室外膨張弁6に流入した冷媒はそこで減圧された後、室外熱交換器7に流入する。室外熱交換器7に流入した冷媒は蒸発し、走行により、或いは、室外送風機15にて通風される外気中から熱を汲み上げる(ヒートポンプ)。そして、室外熱交換器7を出た低温の冷媒は冷媒配管13D及び電磁弁21を経て冷媒配管13Cからアキュムレータ12に入り、そこで気液分離された後、ガス冷媒が圧縮機2に吸い込まれる循環を繰り返す。放熱器4にて加熱された空気は吹出口29から吹き出されるので、これにより車室内の暖房が行われることになる。
コントローラ32は吐出圧力センサ42又は放熱器圧力センサ47が検出する冷媒回路Rの高圧圧力に基づいて圧縮機2の回転数を制御すると共に、放熱器温度センサ46が検出する放熱器4の温度及び放熱器圧力センサ47が検出する放熱器4の冷媒圧力に基づいて室外膨張弁6の弁開度を制御し、放熱器4の出口における冷媒の過冷却度を制御する。
(2)除湿暖房モードの冷媒の流れ
次に、除湿暖房モードでは、コントローラ32は上記暖房モードの状態において電磁弁22を開放する。これにより、放熱器4を経て冷媒配管13Eを流れる凝縮冷媒の一部が分流され、電磁弁22を経て冷媒配管13F及び13Bより内部熱交換器19を経て室内膨張弁8に至るようになる。室内膨張弁8にて冷媒は減圧された後、吸熱器9に流入して蒸発する。このときの吸熱作用で室内送風機27から吹き出された空気中の水分が吸熱器9に凝結して付着するので、空気は冷却され、且つ、除湿される。
吸熱器9で蒸発した冷媒は蒸発能力制御弁11、内部熱交換器19を経て冷媒配管13Cにて冷媒配管13Dからの冷媒と合流した後、アキュムレータ12を経て圧縮機2に吸い込まれる循環を繰り返す。吸熱器9にて除湿された空気は放熱器4を通過する過程で再加熱されるので、これにより車室内の除湿暖房が行われることになる。
コントローラ32は吐出圧力センサ42又は放熱器圧力センサ47が検出する冷媒回路Rの高圧圧力に基づいて圧縮機2の回転数を制御すると共に、吸熱器温度センサ48が検出する吸熱器9の温度に基づいて室外膨張弁6の弁開度を制御する。尚、この除湿暖房モードではインジェクション回路40によるガスインジェクションは行わないため、インジェクション膨張弁30は全閉とする(全閉位置)。
(3)内部サイクルモードの冷媒の流れ
次に、内部サイクルモードでは、コントローラ32は上記除湿暖房モードの状態において室外膨張弁6を全閉とする(全閉位置)と共に、電磁弁21も閉じる。この室外膨張弁6と電磁弁21が閉じられることにより、室外熱交換器7への冷媒の流入、及び、室外熱交換器7からの冷媒の流出は阻止されることになるので、放熱器4を経て冷媒配管13Eを流れる凝縮冷媒は電磁弁22を経て冷媒配管13Fに全て流れるようになる。そして、冷媒配管13Fを流れる冷媒は冷媒配管13Bより内部熱交換器19を経て室内膨張弁8に至る。室内膨張弁8にて冷媒は減圧された後、吸熱器9に流入して蒸発する。このときの吸熱作用で室内送風機27から吹き出された空気中の水分が吸熱器9に凝結して付着するので、空気は冷却され、且つ、除湿される。
吸熱器9で蒸発した冷媒は蒸発能力制御弁11、内部熱交換器19を経て冷媒配管13Cを流れ、アキュムレータ12を経て圧縮機2に吸い込まれる循環を繰り返す。吸熱器9にて除湿された空気は放熱器4を通過する過程で再加熱されるので、これにより車室内の除湿暖房が行われることになるが、この内部サイクルモードでは室内側の空気流通路3内にある放熱器4(放熱)と吸熱器9(吸熱)の間で冷媒が循環されることになるので、外気からの熱の汲み上げは行われず、圧縮機2の消費動力分の暖房能力が発揮される。除湿作用を発揮する吸熱器9には冷媒の全量が流れるので、上記除湿暖房モードに比較すると除湿能力は高いが、暖房能力は低くなる。
コントローラ32は吸熱器9の温度、又は、前述した冷媒回路Rの高圧圧力に基づいて圧縮機2の回転数を制御する。このとき、コントローラ32は吸熱器9の温度によるか高圧圧力によるか、何れかの演算から得られる圧縮機目標回転数の低い方を選択して圧縮機2を制御する。尚、この内部サイクルモードでもインジェクション回路40によるガスインジェクションは行わないため、インジェクション膨張弁30は全閉とする(全閉位置)。
(4)除湿冷房モードの冷媒の流れ
次に、除湿冷房モードでは、コントローラ32は電磁弁17を開放し、電磁弁21、電磁弁22、電磁弁20、及び、電磁弁23を閉じる。そして、圧縮機2、及び、各送風機15、27を運転し、エアミックスダンパ28は室内送風機27から吹き出された空気が放熱器4に通風される状態とする。これにより、圧縮機2から吐出された高温高圧のガス冷媒は吐出側熱交換器35を経て放熱器4に流入する。放熱器4には空気流通路3内の空気が通風されるので、空気流通路3内の空気は放熱器4内の高温冷媒により加熱され、一方、放熱器4内の冷媒は空気に熱を奪われて冷却され、凝縮液化していく。
放熱器4を出た冷媒は冷媒配管13Eを経て室外膨張弁6に至り、開き気味で制御される室外膨張弁6を経て室外熱交換器7に流入する。室外熱交換器7に流入した冷媒はそこで走行により、或いは、室外送風機15にて通風される外気により空冷され、凝縮する。室外熱交換器7を出た冷媒は冷媒配管13Aから電磁弁17を経てレシーバドライヤ部14、過冷却部16と順次流入する。ここで冷媒は過冷却される。
室外熱交換器7の過冷却部16を出た冷媒は逆止弁18を経て冷媒配管13Bに入り、内部熱交換器19を経て室内膨張弁8に至る。室内膨張弁8にて冷媒は減圧された後、吸熱器9に流入して蒸発する。このときの吸熱作用で室内送風機27から吹き出された空気中の水分が吸熱器9に凝結して付着するので、空気は冷却され、且つ、除湿される。
吸熱器9で蒸発した冷媒は蒸発能力制御弁11、内部熱交換器19を経て冷媒配管13Cを介し、アキュムレータ12に至り、そこを経て圧縮機2に吸い込まれる循環を繰り返す。吸熱器9にて冷却され、除湿された空気は放熱器4を通過する過程で再加熱(暖房時よりも放熱能力は低い)されるので、これにより車室内の除湿冷房が行われることになる。
コントローラ32は吸熱器温度センサ48が検出する吸熱器9の温度に基づいて圧縮機2の回転数を制御すると共に、前述した冷媒回路Rの高圧圧力に基づいて室外膨張弁6の弁開度を制御し、放熱器4の冷媒圧力(放熱器圧力Pci)を制御する。尚、この除湿冷房モードでもインジェクション回路40によるガスインジェクションは行わないため、インジェクション膨張弁30は全閉とする(全閉位置)。
(5)冷房モードの冷媒の流れ
次に、冷房モードでは、コントローラ32は上記除湿冷房モードの状態において電磁弁20を開き(この場合、室外膨張弁6は全開(弁開度を制御上限)を含む何れの弁開度でもよい)、エアミックスダンパ28は放熱器4に空気が通風されない状態とする。これにより、圧縮機2から吐出された高温高圧のガス冷媒は吐出側熱交換器35を経て放熱器4に流入する。放熱器4には空気流通路3内の空気は通風されないので、ここは通過するのみとなり、放熱器4を出た冷媒は冷媒配管13Eを経て電磁弁20及び室外膨張弁6に至る。
このとき電磁弁20は開放されているので冷媒は室外膨張弁6を迂回してバイパス配管13Jを通過し、そのまま室外熱交換器7に流入し、そこで走行により、或いは、室外送風機15にて通風される外気により空冷され、凝縮液化する。室外熱交換器7を出た冷媒は冷媒配管13Aから電磁弁17を経てレシーバドライヤ部14、過冷却部16と順次流入する。ここで冷媒は過冷却される。
室外熱交換器7の過冷却部16を出た冷媒は逆止弁18を経て冷媒配管13Bに入り、内部熱交換器19を経て室内膨張弁8に至る。室内膨張弁8にて冷媒は減圧された後、吸熱器9に流入して蒸発する。このときの吸熱作用で室内送風機27から吹き出された空気中の水分が吸熱器9に凝結して付着するので、空気は冷却される。
吸熱器9で蒸発した冷媒は蒸発能力制御弁11、内部熱交換器19を経て冷媒配管13Cを介し、アキュムレータ12に至り、そこを経て圧縮機2に吸い込まれる循環を繰り返す。吸熱器9にて冷却され、除湿された空気は放熱器4を通過すること無く吹出口29から車室内に吹き出されるので、これにより車室内の冷房が行われることになる。この冷房モードにおいては、コントローラ32は吸熱器温度センサ48が検出する吸熱器9の温度に基づいて圧縮機2の回転数を制御する。尚、この冷房モードでもインジェクション回路40によるガスインジェクションは行わないため、インジェクション膨張弁30は全閉とする(全閉位置)。
(6)暖房モードにおけるガスインジェクション
次に、前記暖房モードにおけるガスインジェクションについて説明する。図3は暖房モードにおける本発明の車両用空気調和装置1のp−h線図を示している。放熱器4を出て冷媒配管13Eに入り、その後分流されてインジェクション回路40の冷媒配管13Kに流入した冷媒は、インジェクション膨張弁30で減圧された後、吐出側熱交換器35に入り、そこで圧縮機2の吐出冷媒(圧縮機2から吐出されて放熱器4に流入する前の冷媒)と熱交換し、吸熱して蒸発する。蒸発したガス冷媒はその後圧縮機2の圧縮途中に戻り、アキュムレータ12から吸い込まれて圧縮されている冷媒と共に更に圧縮された後、再度圧縮機2から冷媒配管13Gに吐出されることになる。
図3において35で示す二箇所及びそれらの間の矢印が上記吐出側熱交換器35での熱交換を示している。インジェクション回路40から圧縮機2の圧縮途中に冷媒を戻すことにより、圧縮機2から吐出される冷媒量が増大するので、放熱器4における暖房能力が向上するものであるが、圧縮機2に液冷媒が戻ると液圧縮を引き起こしてしまうので、インジェクション回路40から圧縮機2に戻す冷媒はガスでなければならない。
そのためにコントローラ32は、後述する如くインジェクション圧力センサ50及びインジェクション温度センサ55がそれぞれ検出する吐出側熱交換器35後の冷媒の圧力及び温度から圧縮機2の圧縮途中に向かう冷媒の過熱度を監視しており、吐出冷媒との熱交換で所定の過熱度が付くようにインジェクション膨張弁30の弁開度を制御するものであるが、本発明では吐出側熱交換器35において、圧縮機2から吐出されて放熱器4に流入する前の極めて高温の冷媒とインジェクション回路40を流れる冷媒とを熱交換させているので、大きな熱交換量が得られる。従って、インジェクション膨張弁30の弁開度を大きくしてインジェクション量を増やしても、冷媒は吐出側熱交換器35において十分に蒸発することができ、必要な過熱度が得られることになる。
これにより、本発明によれば、従来の如く放熱器後の冷媒とインジェクション冷媒とを熱交換させる場合に比して、圧縮機2へのガスインジェクション量を十分に確保し、圧縮機2の吐出冷媒量を増大させて暖房能力の向上を図ることができるようになる。
次に、図4乃至図12を参照しながら前記暖房モードにおけるインジェクション回路40の制御について説明する。
(6−1)圧縮機、室外膨張弁及びインジェクション膨張弁の制御ブロック
図4は前記暖房モードにおけるコントローラ32による圧縮機2と室外膨張弁6とインジェクション膨張弁30の制御ブロック図を示す。コントローラ32は目標吹出温度TAOを目標放熱器温度演算部57と目標放熱器過冷却度演算部58と目標インジェクション冷媒過熱度演算部59に入力させる。この目標吹出温度TAOは、吹出口29から車室内に吹き出される空気温度の目標値であり、下記式(I)からコントローラ32が算出する。
TAO=(Tset−Tin)×K+Tbal(f(Tset、SUN、Tam))
・・(I)
ここで、Tsetは空調操作部53で設定された車室内の設定温度、Tinは内気温度センサ37が検出する車室内空気の温度、Kは係数、Tbalは設定温度Tsetや、日射センサ51が検出する日射量SUN、外気温度センサ33が検出する外気温度Tamから算出されるバランス値である。そして、一般的に、この目標吹出温度TAOは図5に示すように外気温度Tamが低い程高く、外気温度Tamが上昇するに伴って低下する。
コントローラ32の目標放熱器温度演算部57にて目標吹出温度TAOから目標放熱器温度TCOを算出し、次に、この目標放熱器温度TCOに基づき、コントローラ32は目標放熱器圧力演算部61にて目標放熱器圧力PCOを算出する。そして、この目標放熱器圧力PCOと、放熱器圧力センサ47が検出する放熱器4の圧力(放熱器圧力)Pciとに基づき、コントローラ32は圧縮機回転数演算部62にて圧縮機2の回転数Ncを算出し、この回転数Ncにて圧縮機2を運転する。即ち、コントローラ32は圧縮機2の回転数Ncにより放熱器4の圧力Pciを制御する。
また、コントローラ32は目標放熱器過冷却度演算部58にて目標吹出温度TAOに基づき、放熱器4の目標放熱器過冷却度TGSCを算出する。一方、コントローラ32は、放熱器圧力Pciと放熱器温度センサ46が検出する放熱器4の温度(放熱器温度Tci)に基づき、放熱器過冷却度演算部63にて放熱器4における冷媒の過冷却度(放熱器過冷却度SC)を算出する。そして、この放熱器過冷却度SCと目標放熱器過冷却度TGSCに基づき、目標室外膨張弁開度演算部64にて室外膨張弁6の目標弁開度(目標室外膨張弁開度TGECCV)を算出する。そして、コントローラ32はこの目標室外膨張弁開度TGECVVに室外膨張弁6の弁開度を制御する。
コントローラ32の放熱器過冷却度演算部63は目標吹出温度TAOが高い程、目標放熱器過冷却度TGSCを上げる方向に演算を行うが、それに限らず、後述する要求暖房能力Qtgtと暖房能力Qhpの差(能力差)や放熱器圧力Pci、目標放熱器圧力PCOと放熱器圧力Pciの差(圧力差)に基づいて算出してもよい。その場合コントローラ32は、能力差が小さい程、圧力差が小さい程、室内送風機27の風量が小さい程、又は、放熱器圧力Pciが小さい程、目標放熱器過冷却度TGSCを下げることになる。
更に、コントローラ32は目標インジェクション冷媒過熱度演算部59にて目標吹出温度TAOに基づき、インジェクション回路40から圧縮機2の圧縮途中に戻されるインジェクション冷媒の過熱度の目標値(目標インジェクション冷媒過熱度TGSH)を算出する。一方、コントローラ32は、インジェクション圧力センサ50が検出するインジェクション冷媒の圧力(インジェクション冷媒圧力Pinj)とインジェクション温度センサ55が検出するインジェクション冷媒の温度(インジェクション冷媒温度Tinj)に基づき、インジェクション冷媒過熱度演算部66にてインジェクション冷媒の過熱度INJSHを算出する。
そして、このインジェクション冷媒過熱度INJSHと目標インジェクション冷媒過熱度TGSHに基づき、目標インジェクション膨張弁開度演算部67にてインジェクション膨張弁30の目標弁開度(目標インジェクション膨張弁開度TGINJCV)を算出する。そして、コントローラ32はこの目標インジェクション膨張弁開度TGINJCVにインジェクション膨張弁30の弁開度を制御する。
図6はコントローラ32の目標インジェクション冷媒過熱度演算部59が実行する目標吹出温度TAOを用いた目標インジェクション冷媒過熱度TGSHの演算を示している。この図から明らかな如く、目標インジェクション冷媒過熱度演算部59は目標吹出温度TAOが高くなるに従って目標インジェクション冷媒過熱度TGSHを低くする(ヒステリシス有り)。目標インジェクション冷媒過熱度TGSHを低くするということは、インジェクション膨張弁30の弁開度を拡張してインジェクション量を増大させることである。即ち、コントローラ32は目標吹出温度TAOが高くなる程、インジェクション膨張弁30により、圧縮機2に戻すインジェクション量を増やし、圧縮機2の吐出冷媒量を増やして暖房能力を増大させる。
尚、目標インジェクション冷媒過熱度TGSHはこれに限らず、或いは、それに加えて、後述する要求暖房能力Qtgtと暖房能力Qhpの差(能力差。図7)や、目標放熱器温度TCOと放熱器温度Tci(放熱器4直後の空気温度の検出値、又は、放熱器4直後の空気温度の推定値)との差(温度差。図8)、目標放熱器圧力PCOと放熱器圧力Pciの差(圧力差。図9)に基づき、或いは、それらを組み合わせて算出してもよい。その場合コントローラ32は、能力差が大きい程、図7に示す如く所定値1〜所定値2の間で目標インジェクション冷媒過熱度TGSHをγ(例えば50)からα(例えば5)に向けて小さくし、温度差が大きい程、図8に示す如く所定値1〜所定値2の間で目標インジェクション冷媒過熱度TGSHをOFFから例えば10の間で小さくし(ヒステリシス有り)、圧力差が大きい程、図9に示す如く所定値1〜所定値2の間で目標インジェクション冷媒過熱度TGSHをOFFから例えば10の間で小さくする(ヒステリシス有り)。
或いは、予め各目標インジェクション冷媒過熱度TGSHで制御したときの放熱器4による暖房能力Qhpの限界ラインを外気温度Tamに応じて測定、又は、推定し、後述する要求暖房能力Qtgtである場合に、何れの目標インジェクション冷媒過熱度TGSHであるときの暖房能力Qhpであればそれを満足するか否かを判断して、目標インジェクション冷媒過熱度TGSHを決定するようにしてもよい。
(6−2)インジェクション実行可否判断1
次に、図10及び図11に基づいてインジェクション回路40を用いたガスインジェクションの実行可否判断の一実施例について説明する。先ず、コントローラ32は式(II)、式(III)を用いて要求される放熱器4の暖房能力である要求暖房能力Qtgtと、ガスインジェクション回路40に冷媒を流していないとき、即ち、ガスインジェクションを行っていないときに放熱器4が発生可能な暖房能力Qhp(即ち、暖房能力の限界値)を算出する。
Qtgt=(TCO−Te)×Cpa×ρ×Qair ・・(II)
Qhp=f(Tam、Nc、BLV、VSP、Te) ・・(III)
ここで、Teは吸熱器温度センサ48が検出する吸熱器9の温度、Cpaは放熱器4に流入する空気の比熱[kj/kg・K]、ρは放熱器4に流入する空気の密度(比体積)[kg/m3]、Qairは放熱器4を通過する風量[m3/h](室内送風機27のブロワ電圧BLV等から推定)、VSPは車速センサ52から得られる車速である。
尚、式(II)においてはQairに代えて、或いは、それに加えて、放熱器4に流入する空気の温度、又は、放熱器4から流出する空気の温度を採用してもよい。また、式(III)の圧縮機2の回転数Ncは冷媒流量を示す指標の一例であり、ブロワ電圧BLVは空気流通路3内の風量を示す指標の一例であり、暖房能力Qhpはこれらの関数から算出される。また、Qhpはそれらと放熱器4の出口冷媒圧力、放熱器4の出口冷媒温度、放熱器4の入口冷媒圧力、及び、放熱器4の入口冷媒温度のうちの何れか、若しくは、組み合わせから算出してもよい。
コントローラ32は図10のフローチャートのステップS1で各センサからデータを読み込み、ステップS2で上記式(II)を用い、要求暖房能力Qtgtを算出する。次に、ステップS3で上記式(III)を用い、ガスインジェクションを行っていないときの暖房能力Qhpを算出し、ステップS4で要求暖房能力Qtgtが暖房能力Qhpより大きいか否か判断する。
図11の斜め線はインジェクション回路40によりガスインジェクションを行わないときの、放熱器4による暖房能力Qhpの限界ラインを示しており、横軸は外気温度Tam、縦軸は暖房能力を示している。要求暖房能力Qtgtが図11の暖房能力Qhp(の限界ライン)以下の場合、即ち、放熱器4の暖房能力Qhpが要求暖房能力Qtgtを満たす場合はステップS6に進み、インジェクション無し制御(ガスインジェクション否)とし、図11に示すように要求暖房能力Qtgtが暖房能力Qhpの限界ライン(斜め線)より大きいところにある場合、即ち、放熱器4の暖房能力Qhpが要求暖房能力Qtgtに対して不足する場合は、ステップS5に進み、インジェクション制御(ガスインジェクション可)とする。ステップS6でインジェクション無し制御としたときは、コントローラ32はインジェクション膨張弁30を全閉(全閉位置)としてインジェクション回路40に冷媒を流さない。一方、ステップS5でインジェクション制御としたときは、インジェクション膨張弁30の弁開度を所定の値として開き、圧縮機2にガスインジェクションを行う。
図12は実施例の車両用空気調和装置1の起動後のタイミングチャートを示している。暖房能力Qhpより要求暖房能力Qtgtが高い場合はインジェクション制御とし、インジェクション膨張弁30の制御により目標インジェクション過熱度TGSHを低くして圧縮機2の圧縮途中に戻すインジェクション量を増やす(INJSH小)。尚、実施例では起動直後圧縮機2の吐出圧力Pdが低い間はガスインジェクションを禁止している。そして、起動から時間が経過し、運転状態が安定していくに従ってインジェクション量を減らしていき(INJSHを大に)、最終的に要求暖房能力Qtgtを暖房能力Qhpが満たすようになれば、インジェクション無しの制御とする。
このようにコントローラ32が、要求される放熱器4の暖房能力である要求暖房能力Qtgtと当該放熱器4が発生する暖房能力Qhpとを比較し、この暖房能力Qhpが要求暖房能力Qtgtより不足する場合、インジェクション膨張弁30によりインジェクション回路40に冷媒を流すようにすれば、圧縮機2へのガスインジェクションを適切に制御し、圧縮機2の吐出冷媒によりインジェクション回路40を流れる冷媒を蒸発させる際の効率の低下を抑制し、ガスインジェクションによる暖房能力の改善を高効率で実現することができるようになる。
尚、上記に限定されず、コントローラ32が放熱器4に流入する空気の温度、この放熱器4から流出する空気の温度、及び、この放熱器4を通過する風量のそれぞれを示す指標のうちの何れか、若しくは、それらの組み合わせ、放熱器4に流入する空気の比熱Cpa、及び、この空気の密度ρを示す指標とに基づいて要求暖房能力Qtgtを算出すると共に、外気温度Tam、冷媒流量、空気流通路3内の風量、車速、及び、吸熱器9の温度Teのそれぞれを示す指標のうちの何れか、若しくは、それらの組み合わせに基づいて暖房能力Qhpを算出することで、圧縮機2へのガスインジェクションをより的確に制御することが可能となる。
更に、上記のようにコントローラ32が要求される放熱器4の要求暖房能力Qtgtと当該放熱器の暖房能力Qhpとの差、目標放熱器温度TCOと放熱器温度Tci(放熱器4直後の空気温度の検出値、又は、放熱器4直後の空気温度の推定値)との差、目標放熱器圧力PCOと放熱器圧力Pciの差、車室内への目標吹出温度のうちの何れか、若しくは、それらの組み合わせに基づき、インジェクション膨張弁30によりインジェクション回路40から圧縮機2に戻る冷媒量を制御することで、ガスインジェクションにより圧縮機2に戻す冷媒の量も的確に調整することができるようになる。
(6−3)インジェクション実行可否判断2
次に、図13に基づいてインジェクション回路40を用いたガスインジェクションの実行可否判断の他の実施例について説明する。前記実施例では要求暖房能力Qtgtと暖房能力Qhpの比較でインジェクション回路40に冷媒を流すか流さないかを決定したが、この実施例では車両用空気調和装置1の環境条件に基づいて決定する。図13はその例を示しており、ガスインジェクションを行わないインジェクション無し(ノーマルHP)からガスインジェクションを行うための環境条件の悪化を示す複合条件を、
外気温度Tam≦所定値(例えば−10℃)、且つ、
空気流通路3内の風量≧所定値(例えば150m3/h)、且つ、
目標放熱器温度TCO−放熱器温度Tci(放熱器4直後の空気温度の検出値、又は、放熱器4直後の空気温度の推定値)≧β、且つ、
圧縮機2の吐出温度≧D、且つ、
圧縮機2の吐出圧力≧E
が成立する場合にインジェクション膨張弁30を開いてインジェクション回路40により圧縮機2にガスインジェクションを行う。その後のインジェクション膨張弁30の弁開度制御は前述と同様である。尚、上記β、D、Eは所定の値を予め実験などにより求めておく。
また、環境条件の悪化を示す単独条件としては、
外気温度Tam≦所定値(例えば上記より低い−15℃)、及び/又は、
車室内温度(例えば−20℃)−設定温度(車室内温度の例えば設定値25℃)≦A(例えば−35deg)、及び/又は、
目標放熱器温度TCO−放熱器温度Tci(放熱器4直後の空気温度の検出値、又は、放熱器4直後の空気温度の推定値)≧γ(例えば70deg)
のうちの何れかが成立する場合にガスインジェクションを行う。
尚、復帰する場合の複合条件としては、
外気温度Tam>所定値(例えば−10℃)、且つ、
空気流通路3内の風量<所定値(例えば150m3/h)、且つ、
目標放熱器温度TCO−放熱器温度Tci(放熱器4直後の空気温度の検出値、又は、放熱器4直後の空気温度の推定値)<α(βより小さい所定値)
が成立する場合にインジェクション膨張弁30を閉じてガスインジェクションを停止する。
復帰する場合の単独条件としては、
外気温度Tam>所定値(例えば上記より低い−5℃)、及び/又は、
設定温度−車室内温度<B(例えば10deg)、及び/又は、
放熱器温度Tci(放熱器4直後の空気温度の検出値、又は、放熱器4直後の空気温度の推定値)−目標放熱器温度TCO>(例えば5deg)、及び/又は、
目標インジェクション冷媒過熱度TGSH>D(例えば50deg)
のうちの何れかが成立する場合にガスインジェクションを停止する。
尚、上記単独条件の外気温度Tam≦所定値には、目標吹出温度TAO>所定値(例えば、60℃)を加えてもよい。そして、上記単独条件、例えば外気温度Tam≦所定値(及び目標吹出温度TAO>所定値)が成立した場合には他の条件に拘わらずガスインジェクションを実行し、単独条件が成立しないときに、コントローラ32は上記複合条件を判断することになる。
上記のように、或いは、それに限らずコントローラ32が、外気温度Tam、空気流通路3内の風量、目標放熱器温度TCOと放熱器温度Tciとの差、圧縮機2の吐出冷媒温度、及び、圧縮機2の吐出冷媒圧力のそれぞれを示す指標のうちの何れか、若しくは、それらの組み合わせから判断される環境条件に基づいて暖房モードにおける当該環境条件が悪化したか否か判断し、悪化した場合にはインジェクション膨張弁30によりインジェクション回路40に冷媒を流すことによっても圧縮機2へのガスインジェクションを的確に制御可能となる。
(7−1)インジェクション回路の他の例1
次に、図14は本発明の車両用空気調和装置1の他の構成図を示している。この実施例ではインジェクション回路40は、図1の構成に加えて当該インジェクション回路40におけるインジェクション膨張弁30と吐出側熱交換器35の間に放熱器出口側熱交換器45を備えている。この放熱器出口側熱交換器45は、インジェクション膨張弁30で減圧された冷媒と、放熱器4から出て冷媒配管13Eを流れ、室外膨張弁6に向かう冷媒とを熱交換させる。そして、この放熱器出口側熱交換器45から出た冷媒(インジェクション冷媒)が吐出側熱交換器35に流入することになる。
このように、インジェクション回路40に吐出側熱交換器35に加えて放熱器出口側熱交換器45を設けることで、放熱器4を出た冷媒との熱交換によっても圧縮機2の圧縮途中に戻されるインジェクション冷媒を蒸発させることができるようになる。これにより、ガスインジェクションのために放熱器4に流入する冷媒のエンタルピを不必要に下げてしまう不都合も抑制できる。
(7−2)インジェクション回路の他の例2
次に、図15は本発明の車両用空気調和装置1のもう一つの他の構成図を示している。この実施例ではインジェクション回路40は、図14の構成に加えて当該インジェクション回路40における放熱器出口側熱交換器45の出口側、即ち、放熱器出口側熱交換器45と吐出側熱交換器35の間に、電動弁から成るもう一つのインジェクション膨張弁70(減圧手段)を備えている。そして、コントローラ32はこの場合、放熱器出口側熱交換器45の出口における冷媒過熱度に基づいてインジェクション膨張弁30を弁開度を制御し、吐出側熱交換器35の出口側における冷媒過熱度に基づいてインジェクション膨張弁70の弁開度を制御する。
このように構成することで、図14の例に加えてそれぞれの熱交換器45、35での冷媒の蒸発を精度良く制御することができるようになり、放熱器4に流入する冷媒のエンタルピ低下を的確に抑制することが可能となる。
(7−3)インジェクション回路の他の例3
次に、図16は本発明の車両用空気調和装置1の更にもう一つの他の構成図を示している。この実施例ではインジェクション回路40は、図14の構成に加えて当該インジェクション回路40における放熱器出口側熱交換器45の出口側に三方弁71とバイパス配管72(これらが流路制御手段を構成する)を備えている。この三方弁71の一方の出口が吐出側熱交換器35に接続され、他方の出口がバイパス配管72に接続されてこのバイパス配管72は吐出側熱交換器35と並列に冷媒配管13Kに接続されて吐出側熱交換器35をバイパスする。
そして、三方弁71はコントローラ32により制御される。コントローラ32は圧縮機2にガスインジェクションを行う場合、通常は三方弁71により放熱器出口側熱交換器45を出た冷媒をバイパス配管72に流し、例えば前述した放熱器4の暖房能力Qphが要求暖房能力Qtgtに対して不足する場合は、三方弁71により放熱器出口側熱交換器45から出た冷媒を吐出側熱交換器35に流すよう制御する。
この場合のp−h線図を図17と図18に示す。図17は通常時を示し、図18は暖房能力不足時を示しており、図面の見方は図3の場合と同様である。このようにガスインジェクション中に三方弁71とバイパス配管72を用いて吐出側熱交換器35への冷媒の流入を制御することで、暖房能力が不足する場合のみ吐出側熱交換器35との熱交換を利用することができるようになり、ガスインジェクションのために放熱器4に流入する冷媒のエンタルピを下げてしまう不都合を的確に解消し、暖房能力を向上させながら運転効率の改善を図ることができるようになる。
(7−4)インジェクション回路の他の例4
次に、図19は本発明の車両用空気調和装置1の更にもう一つの他の構成図を示している。前記図15の構成では、放熱器出口側熱交換器45と吐出側熱交換器35がインジェクション回路40において直列に接続されていたが、この実施例ではインジェクション回路40において放熱器出口側熱交換器45と吐出側熱交換器35を並列に接続し、それぞれに流入するインジェクション冷媒を各インジェクション膨張弁30と70で減圧する。
そして、各インジェクション膨張弁30及び70の弁開度を各熱交換器45、35の出口側の冷媒過熱度で独立して制御し、更に各膨張弁30、70を独立して全閉位置とすることで、図16のように能力の過不足に応じて各熱交換器45、35への冷媒流入と流量を精度良く独立して調整することができるようになり、暖房能力の向上と運転効率の改善をより効果的に行うことができるようになる。
(7−5)インジェクション回路の他の例5
次に、図20は本発明の車両用空気調和装置1の更にもう一つの他の構成図を示している。この実施例の場合、前記図16のようにインジェクション回路40には吐出側熱交換器35は設けられない。この例でインジェクション回路40は、図16の構成において吐出側熱交換器35の代わりに、水−冷媒熱交換器75を備える。そして、この実施例では車両用空気調和装置1に水循環回路78が設けられている。
この水循環回路78は加熱手段を構成する電気ヒータ73と、循環手段を構成するポンプ74と、室外熱交換器7の空気流入側に設けられた水−空気熱交換器76を備える。また、インジェクション回路40の水−冷媒熱交換器75は図16の場合と同様に三方弁71の下流側に接続され、バイパス配管72がこの水−冷媒熱交換器75をバイパスする。尚、77は水−冷媒熱交換器75の冷媒出口に設けられた逆止弁である。
そして、この水−冷媒熱交換器75に水循環回路78を流れる水が流れ、インジェクション冷媒と熱交換する構成とされている。また、上記電気ヒータ73、ポンプ74もコントローラ32により制御される。コントローラ32は電気ヒータ73を発熱させ、水循環回路78内の水を加熱する。この加熱された水(温水)はポンプ74により水−冷媒熱交換器75に送給され、インジェクション冷媒を加熱して蒸発させる。
水−冷媒熱交換器75を出た水は次に水−空気熱交換器76に流入して外気中に放熱する。この放熱を室外熱交換器7が汲み上げるので、暖房能力向上に寄与すると共に、この放熱で室外熱交換器7の着霜も抑制される。尚、上記水−空気熱交換器76は放熱器4の空気下流側の空気流通路3内に設けても良い。空気流通路3内に設ければ、水−空気熱交換器76が所謂ヒータコアとなり、車室内の暖房を補完することができるようになる。
次に、図22を用いてコントローラ32によるインジェクション回路40の制御について説明する。この図において横軸は外気温度Tam、縦軸は暖房能力で、HP能力で示す実線(斜め線)はインジェクション回路40によるガスインジェクションを行わないときの放熱器4による暖房能力Qhpの限界ライン、INJ能力で示す破線(斜め線)は放熱器出口側熱交換器45で熱交換させてガスインジェクションしたときのインジェクション暖房能力Qinjの限界ラインを示している。
今、図22の外気温度Tam=−20℃である場合に、要求暖房能力QtgtがHP能力の実線より低い要求能力2である場合、即ち、要求暖房能力Qtgtをガスインジェクションを行わないときの暖房能力Qhpが満足する場合、コントローラ32は図20、図21のインジェクション膨張弁30を全閉位置としてガスインジェクションは行わない。
要求暖房能力QtgtがQhpより大きく、放熱器出口側熱交換器45を用いたガスインジェクションによる暖房能力Qinjより小さい要求能力1である場合、コントローラ32は図20、図21のインジェクション膨張弁30を開き、放熱器出口側熱交換器45に減圧冷媒を流すと共に、三方弁71により放熱器出口側熱交換器45を出た冷媒をバイパス配管72に流し、圧縮機2の圧縮途中に戻すガスインジェクションを行う。これにより、暖房能力が増大することで、要求暖房能力Qtgt(要求能力1)を満たす。
一方、要求能力QtgtがQinjより大きい要求能力3である場合、コントローラ32は水循環回路78の電気ヒータ73とポンプ74に通電し、水循環回路78に加熱された水(温水)を循環させると共に、三方弁71により放熱器出口側熱交換器45を出た冷媒を水−冷媒熱交換器75に流し、水循環回路78を流れる水(温水)と熱交換させた後、圧縮機2に戻すガスインジェクションを行う。
尚、コントローラ32はこれらの場合のインジェクション膨張弁30の弁開度制御は圧縮機2に流入する前の冷媒の過熱度(バイパス配管72より下流側の冷媒配管13K)に基づいて制御する。そして、水−冷媒熱交換器75では冷媒が水(温水)から吸熱して活発に蒸発するので、コントローラ32はインジェクション膨張弁30の弁開度を拡大して圧縮機2に戻すガスインジェクション量を増やす。
このように、インジェクション回路40に、当該インジェクション回路40内の各熱交換器35、45、75への冷媒の流れを制御する三方弁71やバイパス配管72を更に設け、コントローラ32が三方弁71により常にはインジェクション膨張弁30により減圧された冷媒を放熱器出口側熱交換器45で蒸発させると共に、放熱器4の放熱による暖房能力が不足する場合は、水循環回路78を作動させて水−冷媒熱交換器75で蒸発させ、インジェクション膨張弁30によりインジェクション回路40内の冷媒流量を増加させることにより、暖房能力が不足する場合のみ、圧縮機2の水循環回路78内の加熱された水を利用することができるようになる。これにより、ガスインジェクションのために放熱器4に流入する冷媒のエンタルピを不必要に下げてしまう不都合を解消し、運転効率の改善を図ることができるようになる。
(8)インジェクション回路による室外熱交換器の着霜抑制
次に、コントローラ32による室外熱交換器7の着霜抑制制御について説明する。暖房モードでは、前述したように室外熱交換器7は外気から吸熱して低温となるため、室外熱交換器7には外気中の水分が霜となって付着する。この着霜が成長すると室外熱交換器7と通風される外気との間の熱交換が著しく阻害され、空調性能が悪化する。室外熱交換器7に着霜が成長した場合、コントローラ32は前述した電磁弁23を開放して室外熱交換器7の除霜モードを実行するものであるが、その前にインジェクション回路40を用いて室外熱交換器7への着霜を抑制する。
インジェクション回路40は放熱器4から出た冷媒の一部を分流し、図1では吐出側熱交換器35と熱交換させてガス化した後、圧縮機2の圧縮途中に戻すものであるから、このガスインジェクションにより圧縮機2の吐出圧力(高圧側圧力)が上がるので、冷媒回路Rの低圧側圧力となる室外熱交換器7の冷媒圧力も上昇するため、着霜が抑制されるようになるからである。
(8−1)室外熱交換器の着霜推定
具体的には、コントローラ32は先ず、室外熱交換器7の着霜状態を推定する。次に、図23を用いて室外熱交換器7の着霜状態の推定例を説明する。コントローラ32は最初に下記の着霜状態推定許可条件のうちの(i)が成り立ち、且つ、(ii)〜(iv)のうちの何れか一つが成り立つ場合、室外熱交換器7の着霜状態の推定を許可する。
[着霜状態推定許可条件]
(i) 運転モードが暖房モードであること。
(ii) 高圧圧力が目標値に収束していること。これは具体的には、例えば目標放熱器圧力PCOと放熱器圧力Pciの差(PCO−Pci)の絶対値が所定値A以下である状態が所定時間t1(sec)継続していることがあげられる。
(iii)暖房モードへの移行後、所定時間t2(sec)が経過していること。
(iv) 車速変動が所定値以下(車両の加減速度が所定値以下)であること。車両の加減速度とは、例えば現在の車速VSPとその一秒前の車速VSPzの差(VSP−VSPz)である。
前記条件(ii)及び(iii)は運転状態の過渡期に発生する誤推定を排除するための条件である。また、車速変動が大きい場合にも誤推定が発生するため、上記条件(iv)が加えられている。
上記着霜状態推定許可条件が成立して着霜状態推定が許可となった場合、コントローラ32は室外熱交換器圧力センサ56から得られる室外熱交換器7の現在の冷媒蒸発温度TXOと、外気が低湿環境で室外熱交換器7に着霜していない無着霜時における当該室外熱交換器7の冷媒蒸発温度TXObaseとに基づき、室外熱交換器7の着霜状態を推定する。この場合のコントローラ32は、無着霜時における室外熱交換器7の冷媒蒸発温度TXObaseを、次式(IV)を用いて決定する。
TXObase=f(Tam、NC、BLV、VSP)
=k1×Tam+k2×NC+k3×BLV+k4×VSP・・(IV)
ここで、式(IV)のパラメータであるTamは外気温度センサ33から得られる外気温度、NCは圧縮機2の回転数、BLVは室内送風機27のブロワ電圧、VSPは車速センサ52から得られる車速であり、k1〜k4は係数で、予め実験により求めておく。
上記外気温度Tamは室外熱交換器7の吸込空気温度を示す指標であり、外気温度Tam(室外熱交換器7の吸込空気温度)が低くなる程、TXObaseは低くなる傾向となる。従って、係数k1は正の値となる。尚、室外熱交換器7の吸込空気温度を示す指標としては外気温度Tamに限られない。
また、上記圧縮機2の回転数NCは冷媒回路R内の冷媒流量を示す指標であり、回転数NCが高い程(冷媒流量が多い程)、TXObaseは低くなる傾向となる。従って、係数k2は負の値となる。
また、上記ブロワ電圧BLVは放熱器4の通過風量を示す指標であり、ブロワ電圧BLVが高い程(放熱器4の通過風量が大きい程)、TXObaseは低くなる傾向となる。従って、係数k3は負の値となる。尚、放熱器4の通過風量を示す指標としてはこれに限らず、室内送風機27のブロワ風量やエアミックスダンパ28開度SWでもよい。
また、上記車速VSPは室外熱交換器7の通過風速を示す指標であり、車速VSPが低い程(室外熱交換器7の通過風速が低い程)、TXObaseは低くなる傾向となる。従って、係数k4は正の値となる。尚、室外熱交換器7の通過風速を示す指標としてはこれに限らず、室外送風機15の電圧でもよい。
尚、実施例では式(IV)のパラメータとして外気温度Tam、圧縮機2の回転数NC、室内送風機27のブロワ電圧BLV、及び、車速VSPを用いているが、これらに車両用室外熱交換器1の負荷をパラメータとして加えてもよい。この負荷を示す指標としては、目標吹出温度TAO、圧縮機2の回転数NC、室内送風機27のブロワ風量、放熱器4の入口空気温度、放熱器4の放熱器温度Tciが考えられ、負荷が大きい程、PXObaseは低くなる傾向となる。更に、車両の経年劣化(運転年数や運転回数)をパラメータに加えてもよい。また、式(IV)のパラメータとしては、上記全てに限らず、それらのうちの何れか一つ、若しくは、それらの組み合わせでもよい。
次にコントローラ32は、式(IV)に現在の各パラメータの値を代入することで得られる無着霜時における冷媒蒸発温度TXObaseと現在の冷媒蒸発温度TXOとの差ΔTXO(ΔTXO=TXObase−TXO)を算出し、冷媒蒸発温度TXOが無着霜時における冷媒蒸発温度TXObaseより低下して、その差ΔTXOが所定の着霜検知閾値1以上となった状態が所定時間t1(sec)以上継続した場合、室外熱交換器7に着霜が生じようとしているものと判定する。
図23の実線は室外熱交換器7の冷媒蒸発温度TXOの変化を示し、破線は無着霜時における冷媒蒸発温度TXObaseの変化を示している。運転開始当初は室外熱交換器7の冷媒蒸発温度TXOは高く、無着霜時における冷媒蒸発温度TXObaseを上回っている。暖房モードの進行に伴って車室内の温度は暖められ、車両用空気調和装置1の負荷は低下してくるので、前述した冷媒流量や放熱器4の通過風量も低下し、式(IV)で算出されるTXObase(図23の破線)は上昇してくる。一方、室外熱交換器7に着霜が生じ始めると外気との熱交換性能が少しずつ悪化してくるので、冷媒蒸発温度TXO(実線)は徐々に低下していき、やがてTXObaseを下回る。そして冷媒蒸発温度TXOの低下が更に進行して、その差ΔTXO(TXObase−TXO)が着霜検知閾値1以上となり、その状態が所定時間t1以上継続した場合、コントローラ32は着霜推定第一段階と判定する。
(8−2)室外熱交換器への着霜抑制運転
コントローラ32は室外熱交換器7の着霜状態が着霜状態推定第一段階であると判定すると、今後室外熱交換器7に着霜が生じる危険性が高いと判断し、所定の着霜抑制運転を実行する。この着霜抑制運転とは、圧縮機2の回転数の低下、室内送風機27による放熱器4の通過風量の低下、室外膨張弁6の弁開度の縮小による放熱器4の冷媒過冷却度の上昇等、及び、それらの組み合わせが考えられる。これらにより、低圧側圧力である室外熱交換器7の冷媒蒸発圧力が上昇するので、室外熱交換器7への着霜が抑制されることになる。
(8−3)インジェクション回路による着霜抑制
係る着霜抑制運転によっても室外熱交換器7への着霜が進行し、差ΔTXO(TXObase−TXO)が着霜検知閾値1よりも大きい着霜検知閾値2以上となり、その状態が所定時間t2以上継続した場合、コントローラ32は着霜状態推定第二段階と判定する。コントローラ32は室外熱交換器7の着霜状態が着霜状態推定第二段階であると判定した場合、室外熱交換器7への着霜が予測されるものと判断し、インジェクション膨張弁30を開いてインジェクション回路40により圧縮機2へのガスインジェクションを実行する。その後のインジェクション膨張弁30の弁開度制御によるインジェクション量の制御は前述と同様である。
係るガスインジェクションにより、前述したように低圧側圧力が上昇するので、室外熱交換器7への着霜は抑制されることになる。また、ガスインジェクションにより車室内の暖房能力も向上することになる。
尚、図21に示したのと同様の水循環回路78が図1の構成図にも設けられている場合、ガスインジェクションによっても暖房能力Qhpが要求暖房能力Qtgtより不足するときは、コントローラ32は水循環回路78を動作させ、水−空気熱交換器76による暖房補完を行い、車室内の暖房能力を維持するものとする。
(8−4)室外熱交換器の除霜モード
インジェクション回路40による係るガスインジェクションによっても室外熱交換器7への着霜が進行し、差ΔTXO(TXObase−TXO)が着霜検知閾値2よりも大きい着霜検知閾値3以上となり、その状態が所定時間t3以上継続した場合、コントローラ32は着霜状態推定最終段階と判定する。コントローラ32は室外熱交換器7の着霜状態が着霜状態推定最終段階であると判定した場合、除霜モードに移行する。この除霜モードでは、コントローラ32は電磁弁23と電磁弁21を開き、電磁弁22及び電磁弁17を閉じて圧縮機2を運転する。これにより、圧縮機2から吐出された高温高圧のガス冷媒(ホットガス)は、電磁弁23を経て冷媒配管13Hを通り、逆止弁24を経て冷媒配管13Iから室外熱交換器7に直接流入する状態となる。これにより、室外熱交換器7は加熱されるので、着霜は融解除去される。
室外熱交換器7を出た冷媒は冷媒配管13Aから電磁弁21を経て冷媒配管13Dに入り、冷媒配管13Bを経て圧縮機2に吸い込まれる。そして、除霜モードの開始から所定時間が経過した場合、コントローラ32は除霜モードを終了して暖房モードに復帰する。図24のタイミングチャートに係る着霜状態推定から除霜モードまでの状態を示す。
尚、上記実施例では室外熱交換器7の冷媒蒸発温度TXOを採り上げて着霜状態の推定を行ったが、それに限らず、室外熱交換器温度センサ54から得られる室外熱交換器7の現在の冷媒蒸発圧力PXOと、外気が低湿環境で室外熱交換器7に着霜していない無着霜時における当該室外熱交換器7の冷媒蒸発圧力PXObaseとに基づき、室外熱交換器7の着霜状態を推定してもよい。
また、着霜状態推定手段としては、それらに限らず、外気温度センサ33と外気湿度センサ34が検出する露点温度と室外熱交換器7の冷媒蒸発温度に基づいてコントローラ32が室外熱交換器7の着霜状態を推定するものであってもよい。
このように室外熱交換器7の着霜状態を推定し、着霜が予測される場合にインジェクション回路40により圧縮機2にガスインジェクションを行うことで、室外熱交換器7への着霜を抑制することが可能となる。これにより、除霜による車室内空調の悪化を回避し、放熱器4による暖房能力の向上を図ることが可能となる。
また、インジェクション回路40を動作させる以前の段階で、コントローラ32は室外熱交換器7の着霜を抑制する運転を実行するので、可能な限り除霜を回避し、車室内空調の悪化を効果的に回避することができるようになる。
尚、実施例では暖房モード、除湿暖房モード、除湿冷房モード、冷房モードの各運転モードを切り換えて実行する車両用空気調和装置1について本発明を適用したが、それに限らず、暖房モードのみ行うものにも本発明は有効である。
また、実施例では高温冷媒ガスを室外熱交換器7に流して除霜するようにしたが、除霜手段としてはそれに限らず、冷媒の流れを逆転することにより、又は、電気ヒータ等、或いは、単に通風することにより除霜するものにも本発明は有効である。
更に、上記実施例で説明した冷媒回路Rの構成や各数値はそれに限定されるものでは無く、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更可能であることは云うまでもない。
1 車両用空気調和装置
2 圧縮機
3 空気流通路
4 放熱器
6 室外膨張弁
7 室外熱交換器
8 室内膨張弁
9 吸熱器
11 蒸発能力制御弁
17、20、21、22 電磁弁
23 電磁弁(除霜手段)
26 吸込切換ダンパ
27 室内送風機(ブロワファン)
28 エアミックスダンパ
32 コントローラ(制御手段)
30、70 膨張弁
40 インジェクション回路
35 吐出側熱交換器
45 放熱器出口側熱交換器
75 水−冷媒熱交換器
76 水−空気熱交換器
78 水循環回路
R 冷媒回路

Claims (4)

  1. 冷媒を圧縮する圧縮機と、
    車室内に供給する空気が流通する空気流通路と、
    該空気流通路に設けられて冷媒を放熱させる放熱器と、
    前記空気流通路に設けられて冷媒を吸熱させる吸熱器と、
    前記車室外に設けられて冷媒を放熱又は吸熱させる室外熱交換器と、
    制御手段とを備え、
    少なくとも該制御手段により、前記圧縮機から吐出された冷媒を前記放熱器にて放熱させ、放熱した当該冷媒を減圧した後、前記室外熱交換器にて吸熱させる暖房モードを実行する車両用空気調和装置において、
    前記放熱器を出た冷媒の一部を分流して前記圧縮機の圧縮途中に戻すインジェクション回路を備え、
    前記制御手段は、前記室外熱交換器への着霜状態を推定する着霜状態推定手段を有し、該着霜状態推定手段の推定に基づき、前記室外熱交換器への着霜が予測される場合、前記インジェクション回路を動作させ、前記圧縮機の圧縮途中に冷媒を戻すと共に、要求される放熱器の暖房能力である要求暖房能力Qtgtと当該放熱器が発生する暖房能力Qhpとを比較し、前記インジェクション回路によるインジェクション量を制御することを特徴とする車両用空気調和装置。
  2. 前記着霜状態推定手段は、外気温度、外気湿度、前記室外熱交換器の冷媒蒸発圧力、及び、前記室外熱交換器の冷媒蒸発温度のそれぞれを示す指標のうちの何れか、若しくは、それらの組み合わせに基づいて前記室外熱交換器への着霜状態を推定することを特徴とする請求項1に記載の車両用空気調和装置。
  3. 加熱手段により加熱された水を循環手段により循環させる水循環回路を備え、
    該水循環回路は、前記空気流通路に設けられた水−空気熱交換器を有し、放熱器の暖房能力Qhpが不足する場合、前記水循環回路を動作させることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車両用空気調和装置。
  4. 前記制御手段は、前記着霜状態推定手段の推定に基づき、前記インジェクション回路を動作させる以前の段階で、前記室外熱交換器への着霜を抑制する運転を実行することを特徴とする請求項1乃至請求項3のうちの何れかに記載の車両用空気調和装置。
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