JP2013226666A - 合成樹脂積層体 - Google Patents

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Abstract

【課題】透明性の基板材料や保護材料に使用される、表面硬度、加熱時や吸水時の形状安定性、低複屈折性及び塗料密着性に優れる積層体を提供する。
【解決手段】第一層と、前記第一層の少なくとも一方の面に設けられた第二層と、を含んでなる積層体であって、前記第二層が、ビニル共重合樹脂(A)を含んでなり、前記第一層が、ノルボルネン系樹脂(B)を含んでなり、前記ビニル共重合樹脂(A)は、(メタ)アクリル酸エステル構成単位(a)及びビニル構成単位(b)を含み、構成単位(a)及び構成単位(b)の合計に対する構成単位(a)の割合が50〜85モル%であり、前記ノルボルネン系樹脂(B)のガラス転移温度が110〜160℃であることを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、合成樹脂積層体に関し、詳しくは、透明性の基板材料や保護材料に使用される、表面硬度、層間密着性、加熱時や吸水時の形状安定性、低複屈折性及び塗料密着性に優れる合成樹脂積層体に関する。
メタクリル酸メチルを主成分とする樹脂(以下、メタクリル樹脂という)からなる透明板は、案内板や表示板、看板、額縁、ゴンドラ等の車両用窓、サンルーフ、建物窓、パーティション、室内ドアの窓、照明カバー、画像表示装置の前面板、計器類カバー、反射材、導光板、UVカットフィルター、電子機器のカバーなどとして利用されている。しかしながら、メタクリル樹脂は吸水率が高くて環境の湿度変化により寸法が変化し又は反りが発生する、また、耐熱温度が低いため、使用方法や使用環境によっては問題となることがある。
ノルボルネン系樹脂は、透明性、耐熱性、低吸水性、低複屈折性に優れる樹脂である。しかしながら、表面硬度が低く、メタクリル樹脂などの他の樹脂や一般的なハードコートとの密着性が低いことなどから、案内板や表示板、看板、額縁、ゴンドラ等の車両用窓、サンルーフ、建物窓、パーティション、室内ドアの窓、照明カバー、画像表示装置の前面板、計器類カバー、反射材、電子機器のカバーなどは、表面に傷が付くので用いられない場合がある。この問題点を克服するため、ノルボルネン系樹脂表面に紫外線硬化性樹脂等からなるハードコート層を形成する試みがなされているが(特許文献1参照)、ハードコート層との密着性が不十分であったり、ハードコート層を設けても表面硬度が十分に発現しなかったりする等の問題があり、実用に耐え得るものではない。
特開平8−12787号公報
本発明は、以上のような状況から、透明性の基板材料や保護材料に使用される、表面硬度、加熱時や吸水時の形状安定性、低複屈折性及び塗料密着性に優れる積層体を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の課題を解決するため鋭意研究を重ねた結果、ガラス転移温度が110〜160℃であるノルボルネン系樹脂層の少なくとも一方の面に特定の構造を有するビニル共重合樹脂を積層させた合成樹脂積層体とすることにより、これらの特性を備えた合成樹脂積層体が得られることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、以下の積層体及び該積層体を用いた透明性材料を提供するものである。
1.第一層と、前記第一層の少なくとも一方の面に設けられた第二層と、を含んでなる積層体であって、
前記第二層が、ビニル共重合樹脂(A)を含んでなり、前記第一層が、ノルボルネン系樹脂(B)を含んでなり、
前記ビニル共重合樹脂(A)は、下記式(1)で表される構成単位(a)及び、下記式(2)で表される構成単位(b)を含み、構成単位(a)及び構成単位(b)の合計に対する構成単位(a)の割合が50〜85モル%であり、前記ノルボルネン系樹脂(B)のガラス転移温度が110〜160℃であることを特徴とする、積層体。
Figure 2013226666
(式(1)中、R1は水素原子又はメチル基であり、R2は炭化水素基を有する、炭素数1〜16の基であり、ヒドロキシル基、アルコキシ基を有してもよい。)
Figure 2013226666
(式(2)中、R3は水素原子又はメチル基であり、R4は炭素数1〜4の炭化水素基、ヒドロキシル基、アルコキシ基及びハロゲン原子から選ばれる置換基を有することのある、フェニル基又は該フェニル基の芳香族二重結合の一部若しくは全部が水素化された基である。)
2.前記ビニル共重合樹脂(A)のガラス転移温度が110〜140℃であることを特徴とする、上記1に記載の積層体。
3.前記R1及びR2がメチル基である上記1又は2に記載の積層体。
4.前記R4がフェニル基又は該フェニル基の芳香族二重結合の一部若しくは全部が水素化された基である上記1〜3いずれかに記載の積層体。
5.前記ノルボルネン系樹脂(B)が、エステル基を有するノルボルネン系樹脂である、上記1〜4のいずれかに記載の積層体。
6.前記エステル基が、メチルエステル基である、上記5に記載の積層体。
7.総厚みが0.1〜10.0mmの範囲であり、第二層の厚みが10〜500μmの範囲である上記1〜6のいずれかに記載の積層体。
8.総厚みが0.1〜3.0mmの範囲であり、第二層の厚みが20〜200μmの範囲である上記1〜6のいずれかに記載の積層体。
9.第一層及び/又は第二層に紫外線吸収剤を含有する上記1〜8のいずれかに記載の積層体。
10.片面又は両面にハードコート処理、反射防止処理、防汚処理、帯電防止処理、耐候性処理及び防眩処理のいずれか一つ以上を施した上記1〜9のいずれかに記載の積層体。
11.上記1〜10のいずれかに記載の積層体からなる透明性基板材料。
12.上記1〜10のいずれかに記載の積層体からなる透明性保護材料。
本発明によれば、表面硬度、加熱時や吸水時の形状安定性、低複屈折性及び塗料密着性に優れる積層体が提供され、該積層体は透明性基板材料、透明性保護材料として用いられる。具体的には案内板や表示板、看板、額縁、ゴンドラ等の車両用窓、サンルーフ、建物窓、パーティション、グレージング材、照明カバー、画像表示装置の前面板、計器類カバー、反射材、導光板、拡散板、UVカットフィルター、電子機器のカバーなどに使用され、特に携帯電話端末、携帯型電子遊具、携帯情報端末、モバイルPCいった携帯型のディスプレイデバイスや、ノート型PC、デスクトップ型PC液晶モニター、液晶テレビといった設置型のディスプレイデバイスなどに好適に使用される。
本発明の積層体は、第一層と、前記第一層の少なくとも一方の面に設けられた第二層とを含んでなり、前記第二層がビニル共重合樹脂(A)を含んでなり、前記第一層が、ノルボルネン系樹脂(B)を含んでなるものであり、
前記ビニル共重合樹脂(A)は、下記式(1)で表される構成単位(a)及び、下記式(2)で表される構成単位(b)を含み、構成単位(a)及び構成単位(b)の合計に対する構成単位(a)の割合が50〜85モル%であり、前記ノルボルネン系樹脂(B)のガラス転移温度が110〜160℃であることを特徴とする、積層体である。
Figure 2013226666
(式(1)中、R1は水素原子又はメチル基であり、R2は炭化水素基を有する、炭素数1〜16の基であり、ヒドロキシル基、アルコキシ基を有してもよい。)
Figure 2013226666
(式(2)中、R3は水素原子又はメチル基であり、R4は炭素数1〜4の炭化水素基、ヒドロキシル基、アルコキシ基及びハロゲン原子から選ばれる置換基を有することのある、フェニル基又は該フェニル基の芳香族二重結合の一部若しくは全部が水素化された基である。)
本発明の積層体は、第一層の片面又は両面に第二層が積層される。第二層を片面のみに積層する場合に比べ、両面に積層した場合は、表裏の吸水率差をなくし、環境の湿度変化による反りを生じることが少ないので、第一層の両面に第二層を積層するのが好ましい。
本発明の積層体の第二層は、ビニル共重合樹脂(A)を含んでなる。ビニル共重合樹脂(A)は、主として式(1)で表される構成単位(a)と、式(2)で表される構成単位(b)とからなる。
なお、本明細書において「(メタ)アクリル酸」とは、アクリル酸又はメタクリル酸を意味するものとする。
上記構成単位(a)は、(メタ)アクリル酸エステルに由来する構成単位である。上記式(1)において、R2は炭化水素基を有する、炭素数1〜16の基であり、具体的にはメチル基、エチル基、ブチル基、ラウリル基、ステアリル基、シクロヘキシル基、イソボルニル基などのアルキル基;2−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシプロピル基、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル基などのヒドロキシアルキル基;2−メトキシエチル基、2−エトキシエチル基などのアルコキシアルキル基;ベンジル基、フェニル基などのアリール基などが挙げられる。R1は水素原子又はメチル基である。ビニル共重合樹脂(A)における複数のR1、R2はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
構成単位(a)として好ましいのはR2がメチル基及び/又はエチル基の(メタ)アクリル酸エステル構成単位であり、さらに好ましいのはR1がメチル基であり、R2がメチル基であるメタクリル酸メチル構成単位である。
上記構成単位(b)は、芳香族ビニルモノマー又は脂肪族ビニルモノマーに由来する構成単位である。上記式(2)において、R3は水素原子又はメチル基であり、R4としては、フェニル基、フェニル基の芳香族二重結合の一部が水素化された基、フェニル基の芳香族二重結合の全部が水素化された基(シクロヘキシル基)、及びこれらの基における水素原子が炭素数1〜4の炭化水素基、ヒドロキシル基、アルコキシ基及びハロゲン原子から選ばれる基で置換された基が挙げられる。ここで、R4は、フェニル基の芳香族二重結合の70%以上が水素化されたものであることが好ましく、90%以上がより好ましく、95%以上が更に好ましく、98%以上が特に好ましい。
ビニル共重合樹脂(A)における複数のR3、R4は同一でも異なっていてもよい。
ビニル共重合樹脂(A)の全構成単位の合計に対する構成単位(a)及び構成単位(b)の合計の割合は90〜100モル%であり、好ましくは95〜100モル%、より好ましくは98〜100モル%である。
また、構成単位(a)の割合は、構成単位(a)及び構成単位(b)の合計に対して50〜85モル%、より好ましくは60〜85モル%の範囲である。
構成単位(a)及び構成単位(b)の合計に対する構成単位(a)の割合が50モル%未満であるとハードコート塗料との密着性が下がったり、表面硬度が下がったりして実用的でない場合が生じることがある。また85モル%を超える範囲であると吸水や熱により形状安定性が下がったりして実用的でない場合が生じることがある。
ビニル共重合樹脂(A)は、特に限定されず、(メタ)アクリル酸エステルモノマーと芳香族ビニルモノマーを共重合した後、芳香族ビニルモノマー由来の芳香族二重結合を水素化して得られたものや、(メタ)アクリル酸エステルモノマーと脂肪族ビニルモノマーを共重合したものが好適であり、前者が特に好適である。
ビニル共重合樹脂(A)としては、少なくとも1種の(メタ)アクリル酸エステルモノマーと少なくとも1種の芳香族ビニルモノマーを重合した後、芳香族二重結合の70%以上を水素化して得られるものであることが好ましく、より好ましくは90%以上、更に好ましくは95%以上である。即ち、芳香族ビニル構成単位中の芳香環の未水素化部位の割合は30%以下であることが好ましく、より好ましくは10%以下であり、さらに好ましくは5%以下である。芳香環の未水素化部位の割合が30%を越える範囲である場合、ビニル共重合樹脂(A)の透明性が低下する場合がある。
(メタ)アクリル酸エステルモノマーとしては、炭素数が4〜20のものであることが好ましい。炭素数4〜20の(メタ)アクリル酸エステルモノマーとしては、特に限定されないが(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸(2−ヒドロキシエチル)、(メタ)アクリル酸(2−ヒドロキシプロピル)、(メタ)アクリル酸(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)、(メタ)アクリル酸(2−メトキシエチル)、(メタ)アクリル酸(2−エトキシエチル)、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸フェニル、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルホスホリルコリンなどが挙げられる。中でもメタクリル酸メチルが好ましい。
芳香族ビニルモノマーとしては、具体的にスチレン、α−メチルスチレン、o―メチルスチレン、p−ヒドロキシスチレン、アルコキシスチレン、クロロスチレンが挙げられる。これらの中で好ましいのはスチレン、α−メチルスチレンである。
(メタ)アクリル酸エステルモノマーと芳香族ビニルモノマーの重合には、公知の方法を用いることができ、例えば塊状重合法、懸濁重合法、溶液重合法により製造することができる。
溶液重合法では、モノマー、連鎖移動剤、及び重合開始剤を含むモノマー組成物を完全混合槽に連続的に供給し、100〜180℃で連続重合する方法などにより行われる。
この際に用いられる溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンなどの炭化水素系溶媒、酢酸エチル、イソ酪酸メチルなどのエステル系溶媒、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン系溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル系溶媒、メタノール、イソプロパノールなどのアルコール系溶媒などが挙げられる。
(メタ)アクリル酸エステルモノマーと芳香族ビニルモノマーを重合した後の水素化反応は適当な溶媒中で行われる。この水素化反応に用いられる溶媒は前記の重合溶媒と同じであっても異なっていても良い。例えば、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンなどの炭化水素系溶媒、酢酸エチル、イソ酪酸メチルなどのエステル系溶媒、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン系溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル系溶媒、メタノール、イソプロパノールなどのアルコール系溶媒などが挙げられる。
水素化の方法は特に限定されず、公知の方法を用いることができる。例えば、水素圧力3〜30MPa、反応温度60〜250℃でバッチ式あるいは連続流通式で行うことができる。温度を60℃以上とすることにより反応時間がかかり過ぎることがなく、また250℃以下とすることにより分子鎖の切断やエステル部位の水素化を起すことが少ない。
水素化反応に用いられる触媒としては、例えば、ニッケル、パラジウム、白金、コバルト、ルテニウム、ロジウムなどの金属又はそれら金属の酸化物あるいは塩あるいは錯体化合物を、カーボン、アルミナ、シリカ、シリカ・アルミナ、ジルコニア、珪藻土などの多孔性担体に担持した固体触媒などが挙げられる。
(メタ)アクリル酸エステルモノマーと脂肪族ビニルモノマーの重合は、公知の方法、例えば、特開昭63−3011号公報、特開昭63−170475号公報に記載の方法により実施できる。
脂肪族ビニルモノマーとしては、具体的にビニルシクロヘキサン、イソプロペニルシクロヘキサン、1−イソプロペニル−2−メチルシクロヘキサンなどが挙げられる。これらの中で好ましいのはビニルシクロヘキサンである。
ビニル共重合樹脂(A)のガラス転移温度は110〜140℃の範囲であるであることが好ましい。ガラス転移温度が110℃以上であることにより本発明で提供される積層体が高温環境あるいは高湿環境において変形や割れを生じることが少なく、また140℃以下であることにより鏡面ロールや賦形ロールによる連続式熱賦形、あるいは鏡面金型や賦形金型によるバッチ式熱賦形などの加工性に優れる。なお、本発明におけるガラス転移温度とは、示差走査熱量測定装置を用い、試料10mg、昇温速度10℃/分で測定し中点法で算出したときの温度である。
本発明の積層体の第二層は、ビニル共重合樹脂(A)の他に、透明性を損なわない範囲で他の樹脂をブレンドすることができる。例えば、ポリスチレン、メタクリル酸メチル−スチレン共重合樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合樹脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリカーボネート、ポリエステルなどが挙げられる。
本発明の積層体の第一層は、ガラス転移温度が110〜160℃のノルボルネン系樹脂(B)を含んでなる。
上記のノルボルネン系樹脂(B)としては、例えば、ノルボルネン系モノマーの開環重合体水素添加物、ノルボルネン系モノマーとオレフィンとの付加重合体、ノルボルネン系モノマー同士の付加重合体及びこれらの誘導体等が挙げられる。これらは、1種のみで用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
ノルボルネン系樹脂(B)は、エステル基を有するノルボルネン系樹脂であることが好ましく、メチルエステル基を有するノルボルネン系樹脂であることが更に好ましい。
ノルボルネン系モノマーとしては、例えば、ノルボルネン、ノルボルナジエン等の二環体;ジシクロペンタジエン等の三環体;テトラシクロドデセン等の四環体;シクロペンタジエン三量体等の五環体;テトラシクロペンタジエン等の七環体;これらのメチル、エチル、プロピル、ブチル等のアルキル、ビニル等のアルケニル、エチリデン等のアルキリデン、フェニル、トリル、ナフチル等のアリール等の置換体;さらにこれらのエステル基、エーテル基、シアノ基、ハロゲン原子、アルコキシカルボニル基、ピリジル基、水酸基、カルボン酸基、アミノ基、無水酸基、シリル基、エポキシ基、アクリル基、メタクリル基等の炭素、水素以外の元素を含有する基、いわゆる極性基を有する置換体等が挙げられ、なかでも、入手が容易であり、反応性に優れ、得られる成形品の耐熱性が優れることから、三環体、四環体及び五環体のノルボルネン系モノマーが好適に用いられる。これらのノルボルネン系モノマーは、単独で用いられてもよいし、2種類以上が併用されてもよい。
ノルボルネン系モノマーの開環重合体水素添加物としては、ノルボルネン系モノマーを公知の方法で開環重合した後、残留している二重結合を水素添加したものが広く用いられている。なお、開環重合体水素添加物は、ノルボルネン系モノマーの単独重合体であってもよく、ノルボルネン系モノマーと他の環状オレフィン系モノマーとの共重合体であってもよい。
ノルボルネン系モノマーとオレフィンとの付加重合体としては、ノルボルネン系モノマーとα−オレフィンとの共重合体等が挙げられる。α−オレフィンとしては、特に限定されないが、炭素数が2〜20、好ましくは2〜10のα−オレフィン、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン等が挙げられる。中でも、共重合性に優れているため、エチレンが好適に用いられる。また、他のα−オレフィンをノルボルネン系モノマーと共重合させる場合にも、エチレンが存在している方が共重合性を高めることができ、好ましい。
ノルボルネン系樹脂は公知であり、商業的に入手可能である。例えば、JSR社製「アートン」、日本ゼオン社製「ゼオノア」「ゼオネックス」、日立化成工業社製「オプトレッツ」、三井化学社製「アペル」等を用いることができる。これらの中でもJSR社製「アートン」を好適に用いることができる。
前記ノルボルネン系樹脂(B)のガラス転移温度は110〜160℃である。ガラス転移温度が110℃以上であることにより本発明で提供される積層体が高温環境において変形を生じることが少なく、また160℃以下であることにより鏡面ロールや賦形ロールによる連続式熱賦形、あるいは鏡面金型や賦形金型によるバッチ式熱賦形などの加工性に優れる。
本発明の積層体の第一層及び/又は第二層は、紫外線吸収剤を含有してもよい。紫外線吸収剤としては、例えば、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ドデシロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクタデシロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノンなどのベンゾフェノン系紫外線吸収剤、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3−t−ブチル−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノールなどのベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、サリチル酸フェニル、2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエートなどのベンゾエート系紫外線吸収剤、ビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)セバケートなどのヒンダードアミン系紫外線吸収剤、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−エトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−(2−ヒドロキシ−4−プロポキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−(2−ヒドロキシ−4−ブトキシフェニル)1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−ブトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−ヘキシルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−ベンジルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジンなどのトリアジン系紫外線吸収剤などが挙げられる。混合の方法は特に限定されず、全量コンパウンドする方法、マスターバッチをドライブレンドする方法などを用いることができる。
また、本発明の積層体の第一層及び/又は第二層には各種添加剤を混合して使用することができる。添加剤としては、例えば、抗酸化剤や抗着色剤、抗帯電剤、離型剤、滑剤、染料、顔料などが挙げられる。混合の方法は特に限定されず、全量コンパウンドする方法、マスターバッチをドライブレンドする方法、全量ドライブレンドする方法などを用いることができる。
本発明の積層体の製造方法としては共押出による方法、接着層を介して貼り合わせる方法などを用いることができる。
共押出の方法は特に限定されず、例えば、フィードブロック方式では、フィードブロックで第一層の片面又は両面に第二層を積層し、Tダイでシート状に押し出した後、成形ロールを通過させながら冷却し所望の積層体を形成する。また、マルチマニホールド方式では、マルチマニホールドダイ内で前記第一層の片面又は両面に前記第二層を積層し、シート状に押し出した後、成形ロールを通過させながら冷却し所望の積層体を形成する。
また、接着層を介して貼り合わせる方法も特に限定されず、公知の方法を用いることができる。例えば、一方の板状成形体にスプレー、刷毛、グラビアロール、インクジェットなどを用いて接着剤を塗布し、そこへもう一方の板状成形体を重ねて接着剤が硬化するまで圧着し、所望の積層体を形成する。また、共押出の際に前記第二層と前記第一層の間に任意の接着樹脂(X)層を積層することもできる。
本発明の積層体の総厚みは0.1〜10.0mmの範囲であることが好ましい。0.1mm以上であることにより転写不良や厚み精度不良が発生することが少なく、また10.0mm以下であることにより成形後の冷却ムラなどによる厚み精度不良や外観不良が発生することが少ない。より好ましくは0.1〜5.0mmの範囲であり、さらに好ましくは0.1〜3.0mmの範囲である。
本発明の積層体における第二層の厚みは10〜500μmの範囲であることが好ましい。10μm未満であると表面硬度が不足する場合がある。また500μmを超えると吸水時の形状安定性が不足する場合がある。好ましくは20〜200μmの範囲である。
本発明の積層体にはその片面又は両面にハードコート処理を施してもよい。本発明におけるハードコート処理は熱エネルギー及び/又は光エネルギーを用いて硬化させるハードコート塗料を用いることによりハードコート層を形成する。熱エネルギーを用いて硬化させるハードコート塗料としては、例えば、ポリオルガノシロキサン系、架橋型アクリル系などの熱硬化性樹脂を含む樹脂組成物が挙げられる。また、光エネルギーを用いて硬化させるハードコート塗料としては、例えば、1官能及び/又は多官能であるアクリレートモノマー及び/又はオリゴマーからなる樹脂組成物に光重合開始剤が加えられた光硬化性樹脂組成物などが挙げられる。
本発明における熱エネルギーを用いて硬化させるハードコート塗料としては特に限定されず、例えば、オルガノトリアルコキシシラン100質量部と、粒径が4〜20nmのコロイダルシリカを10〜50質量%含有するコロイダルシリカ溶液50〜200質量部からなる樹脂組成物100質量部にアミンカルボキシレート及び/又は第4級アンモニウムカルボキシレートが1〜5質量部添加された熱硬化性樹脂組成物などが挙げられる。
本発明における光エネルギーを用いて硬化させるハードコート塗料としては特に限定されず、例えば、トリス(アクロキシエチル)イソシアヌレート40〜80質量%と、それと共重合可能な2官能及び/又は3官能の(メタ)アクリレート化合物20〜40質量%とからなる樹脂組成物の100質量部に光重合開始剤が1〜10質量部添加された光硬化性樹脂組成物、1,9−ノナンジオールジアクリレート20〜60質量%と、それと共重合可能な2官能以上の多官能(メタ)アクリレートモノマーならびに2官能以上の多官能ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー及び/又は2官能以上の多官能ポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマー及び/又は2官能以上の多官能エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマーからなる化合物40〜80質量%とからなる樹脂組成物の100質量部に光重合開始剤が1〜10質量部添加された光硬化性樹脂組成物などが挙げられる。
本発明におけるハードコート塗料を塗布する方法は特に限定されず、公知の方法を用いることができる。例えば、刷毛、グラビアロール、ディッピング、流し塗り、スプレー、インクジェット、特許第4161182号公報に記載された方法などが挙げられる。
本発明の積層体にはその片面又は両面に反射防止処理、防汚処理、帯電防止処理、耐候性処理及び防眩処理のいずれか一つ以上を施すことができる。反射防止処理、防汚処理、帯電防止処理、耐候性処理及び防眩処理の方法は特に限定されず、公知の方法を用いることができる。例えば、反射低減塗料を塗布する方法、誘電体薄膜を蒸着する方法、帯電防止塗料を塗布する方法などが挙げられる。
本発明の積層体は表面硬度、加熱時や吸水時の形状安定性、及び塗料密着性に優れるという特徴を有し、透明性基板材料や透明性保護材料などとして好適に用いられ、特にOA機器や携帯型電子機器の表示部前面板として好適に用いられる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。ただし、本発明はこれらの実施例により何ら制限されるものではない。
実施例及び比較例で得られた積層体の評価は以下のように行った。
<吸水時の形状安定性評価>
試験片を20cm四方に切り出す。温度60℃に設定した熱風乾燥機中で16時間放置した後、温度23℃、相対湿度50%の環境に24時間以上放置して状態調整する。水に接触させる面を下向きに水平面上に静置して試験片下面と水平面との隙間長さを四隅について測定し、その平均値を隙間長さの初期値とする。温度23℃、相対湿度50%の環境中、容器に準備した水の水面上に試験片の片面のみが接触する状態に試験片を設置し24時間保持する。取り出した試験片を水に接触させた面を下向きに水平面上に静置して試験片下面と水平面との隙間長さを四隅について測定し、その平均値を隙間長さの試験値とする。試験値の初期値からの変化量を形状安定性として評価する。厚み1.0mmの試験片について変化量1.0mm以下を合格とする。
<荷重たわみ温度評価>
試験片サイズを、長さ127mm、高さ1mm、幅13.1mmとし、支点間距離100mmとし、曲げ応力を1.36MPaとした以外はJIS規格K7191−2に準拠し、たわみ量が0.25mm以下となる最高の温度を荷重たわみ温度として測定した。荷重たわみ温度が95℃以上の試験片について合格とした。
<鉛筆引っかき硬度試験>
JIS K 5600−5−4に準拠し、表面に対して角度45度、荷重750gで第二層の表面に次第に硬度を増して鉛筆を押し付け、きず跡を生じなかった最も硬い鉛筆の硬度を鉛筆硬度として評価する。鉛筆硬度2H以上を合格とする。
<ハードコート塗膜の密着性評価>
JIS K 5600−5−6に準拠し、ハードコート塗膜に直角の格子パターンを切り込み、素地まで貫通するときの素地からの剥離に対してハードコート塗膜の耐性を評価する。試験結果の分類が0又は1のときを合格とする。
<積層樹脂の密着性評価>
JIS K 5600−5−6に準拠し、シートA層(表層)に直角の格子パターンを切り込み、B層まで貫通するときの素地からの剥離に対してA層の耐性を評価する。試験結果の分類が0又は1のときを合格とする。
<複屈折の評価>
セナルモン型歪検査器を用い室温で測定し、歪量の絶対値が100nm以下のものを合格とした。
合成例1〔ビニル共重合樹脂(A1)の製造〕
メタクリル酸メチル/スチレン共重合樹脂(A1’)(新日鉄化学社製エスチレンMS750:メタクリル酸メチル/スチレン=75/25)をイソ酪酸メチル(関東化学社製)に溶解し、10重量%イソ酪酸メチル溶液を調整した。1000mLオートクレーブ装置に(A1’)の10重量%イソ酪酸メチル溶液を500重量部、10重量%Pd/C(NEケムキャット社製)を1重量部仕込み、水素圧9MPa、200℃で15時間保持してベンゼン環部位を水素化した。フィルターにより触媒を除去し、脱溶剤装置に導入してペレット状のビニル共重合樹脂(A1)を得た。H−NMRによる測定の結果、メタクリル酸メチル構成単位の割合は75モル%であり、また波長260nmにおける吸光度測定の結果、ベンゼン環部位の水素化反応率は99%であった。
合成例2〔ビニル共重合樹脂(A2)の製造〕
合成例1で使用したメタクリル酸メチル−スチレン共重合樹脂(A1’)の代わりにメタクリル酸メチル/スチレン共重合樹脂(A2’)(新日鉄化学社製エスチレンMS600:メタクリル酸メチル/スチレン=63/37)とした以外は合成例1と同様にしてビニル共重合樹脂(A2)を得た。H−NMRによる測定の結果、メタクリル酸メチル構成単位の割合は63モル%であり、また波長260nmにおける吸光度測定の結果、ベンゼン環部位の水素化反応率は99%であった。
合成例3〔ビニル共重合樹脂(A3)の製造〕
合成例1で使用したメタクリル酸メチル−スチレン共重合樹脂(A1’)の代わりにメタクリル酸メチル/スチレン/α−メチルスチレン共重合樹脂(A3’)(JSP社製クリアポール:メタクリル酸メチル/スチレン/α−メチルスチレン=75/18/7)とした以外は合成例1と同様にしてビニル共重合樹脂(A3)を得た。H−NMRによる測定の結果、メタクリル酸メチル構成単位の割合は75モル%であり、また波長260nmにおける吸光度測定の結果、ベンゼン環部位の水素化反応率は99%であった。
合成例4〔ビニル共重合樹脂(A4)の製造〕
合成例1で使用したメタクリル酸メチル−スチレン共重合樹脂(A1’)の代わりにメタクリル酸メチル/スチレン共重合樹脂(A4’)(新日鉄化学社製エスチレンMS300:メタクリル酸メチル/スチレン=30/70)とした以外は合成例1と同様にしてビニル共重合樹脂(A3)を得た。H−NMRによる測定の結果、メタクリル酸メチル構成単位の割合は30モル%であり、また波長260nmにおける吸光度測定の結果、ベンゼン環部位の水素化反応率は99%であった。
合成例5〔ハードコート塗料(a)の製造〕
撹拌翼を備えた混合槽に、トリス(2−アクロキシエチル)イソシアヌレート(Aldrich社製)60部と、ネオペンチルグリコールオリゴアクリレート(大阪有機化学工業社製、商品名:215D)40部と、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド(チバ・ジャパン社製、商品名:DAROCUR TPO)1部と、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(Aldrich社製)0.3部と、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール(チバ・ジャパン社製、商品名:TINUVIN234)1部からなる組成物を導入し、40℃に保持しながら1時間撹拌して光硬化性ハードコート塗料(a)を得た。
実施例1〔樹脂(A1)/樹脂(B1)/樹脂(A1)〕
軸径25mmの単軸押出機と、軸径37mmの単軸押出機と、全押出機に連結されたフィードブロックと、フィードブロックに連結されたTダイとを有する多層押出装置を用いて積層体を成形した。軸径25mmの単軸押出機に合成例1で得たビニル共重合樹脂(A1)を連続的に導入し、シリンダ温度255℃、吐出速度2.4kg/hの条件で押し出した。また軸径37mmの単軸押出機にアートンD4531(B1)(JSR社製)を連続的に導入し、シリンダ温度250℃、吐出速度17.6kg/hで押し出した。全押出機に連結されたフィードブロックは2種3層の分配ピンを備え、温度255℃として(A1)と(B1)を導入し積層した。その先に連結された温度250℃のTダイでシート状に押し出し、上流側から温度100℃、125℃、130℃とした3本の鏡面仕上げロールで鏡面を転写しながら冷却し、(B1)の両側に(A1)を積層した積層体を得た。得られた積層体の厚みは1.0mm、(A1)層の厚みは中央付近で60μmであった。評価結果を表1に示した。
実施例2〔樹脂(A1)/樹脂(B2)/樹脂(A1)〕
実施例1で使用したアートンD4531(B1)の代わりにアートンFX4727(JSR社製)(B2)を使用した以外は実施例1と同様にして(B2)の両側に(A1)を積層した積層体を得た。評価結果を表1に示した。
実施例3〔樹脂(A2)/樹脂(B1)/樹脂(A2)〕
実施例1で使用したビニル共重合樹脂(A1)の代わりに合成例2で得たビニル共重合樹脂(A2)を使用した以外は実施例1と同様にして(B1)の両側に(A2)を積層した積層体を得た。評価結果を表1に示した。
実施例4〔樹脂(A3)/樹脂(B1)/樹脂(A3)〕
実施例1で使用したビニル共重合樹脂(A1)の代わりに合成例3で得たビニル共重合樹脂(A3)を使用した以外は実施例1と同様にして(B1)の両側に(A3)を積層した積層体を得た。評価結果を表1に示した。
比較例1〔樹脂(A4)/樹脂(B1)/樹脂(A4)〕
実施例1で使用したビニル共重合樹脂(A1)の代わりに合成例4で得たビニル共重合樹脂(A4)を使用した以外は実施例1と同様にして(B1)の両側に(A4)を積層した積層体を得た。評価結果を表1に示した。
比較例2〔樹脂(A1)/樹脂(B3)/樹脂(A1)〕
実施例1で使用したアートンD4531(B1)の代わりにスチレン−メタクリル酸メチル共重合樹脂(新日鐵化学社製エスチレンMS200)(B3)を使用した以外は実施例4と同様にして(B3)の両側に(A1)を積層した積層体を得た。評価結果を表1に示した。
比較例3〔樹脂(A5)/樹脂(B1)/樹脂(A5)〕
実施例1で使用したビニル共重合樹脂(A1)の代わりにメタクリル樹脂(旭化成ケミカルズ社製、商品名:デルペット80NE)(A5)を使用した以外は実施例1と同様にして(B1)の両側に(A3)を積層した積層体を得た。評価結果を表1に示した。
比較例4〔樹脂(A6)/樹脂(B1)/樹脂(A6)〕
実施例1で使用したビニル共重合樹脂(A1)の代わりにスチレン−メタクリル酸メチル共重合樹脂(新日鐵化学社製エスチレンMS600)(A6)を使用した以外は実施例1と同様にして(B1)の両側に(A6)を積層した積層体を得た。評価結果を表1に示した。
比較例5〔樹脂(B1)〕
軸径37mmの単軸押出機と、押出機に連結されたTダイとを有する単層押出装置を用いて単層体を成形した。単軸押出機にアートンD4531(B1)を連続的に導入し、シリンダ温度250℃、吐出速度20kg/hで押し出した。その先に連結された温度255℃のTダイでシート状に押し出し、上流側から温度100℃、125℃、130℃とした3本の鏡面仕上げロールで鏡面を転写しながら冷却し、単層体を得た。得られた積層体の厚みは1.0mmであった。評価結果を表1に示した。
Figure 2013226666

Claims (12)

  1. 第一層と、前記第一層の少なくとも一方の面に設けられた第二層と、を含んでなる積層体であって、
    前記第二層が、ビニル共重合樹脂(A)を含んでなり、前記第一層が、ノルボルネン系樹脂(B)を含んでなり、
    前記ビニル共重合樹脂(A)は、下記式(1)で表される構成単位(a)及び、下記式(2)で表される構成単位(b)を含み、構成単位(a)及び構成単位(b)の合計に対する構成単位(a)の割合が50〜85モル%であり、前記ノルボルネン系樹脂(B)のガラス転移温度が110〜160℃であることを特徴とする、積層体。
    Figure 2013226666
    (式(1)中、R1は水素原子又はメチル基であり、R2は炭化水素基を有する、炭素数1〜16の基であり、ヒドロキシル基、アルコキシ基を有してもよい。)
    Figure 2013226666
    (式(2)中、R3は水素原子又はメチル基であり、R4は炭素数1〜4の炭化水素基、ヒドロキシル基、アルコキシ基及びハロゲン原子から選ばれる置換基を有することのある、フェニル基又は該フェニル基の芳香族二重結合の一部若しくは全部が水素化された基である。)
  2. 前記ビニル共重合樹脂(A)のガラス転移温度が110〜140℃であることを特徴とする、請求項1に記載の積層体。
  3. 前記R1及びR2がメチル基である請求項1又は2に記載の積層体。
  4. 前記R4がフェニル基又は該フェニル基の芳香族二重結合の一部若しくは全部が水素化された基である請求項1〜3のいずれかに記載の積層体。
  5. 前記ノルボルネン系樹脂(B)が、エステル基を有するノルボルネン系樹脂である、請求項1〜4のいずれかに記載の積層体。
  6. 前記エステル基が、メチルエステル基である、請求項5に記載の積層体。
  7. 総厚みが0.1〜10.0mmの範囲であり、第二層の厚みが10〜500μmの範囲である請求項1〜6のいずれかに記載の積層体。
  8. 総厚みが0.1〜3.0mmの範囲であり、第二層の厚みが20〜200μmの範囲である請求項1〜6のいずれかに記載の積層体。
  9. 第一層及び/又は第二層に紫外線吸収剤を含有する請求項1〜8のいずれかに記載の積層体。
  10. 片面又は両面にハードコート処理、反射防止処理、防汚処理、帯電防止処理、耐候性処理及び防眩処理のいずれか一つ以上を施した請求項1〜9のいずれかに記載の積層体。
  11. 請求項1〜10のいずれかに記載の積層体からなる透明性基板材料。
  12. 請求項1〜10のいずれかに記載の積層体からなる透明性保護材料。
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