JP2013225928A - 無線基地局装置、ハンドオーバ制御システムおよびハンドオーバ制御方法 - Google Patents

無線基地局装置、ハンドオーバ制御システムおよびハンドオーバ制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】管理装置や相手端末にハンドオーバを意識させることなく、通話中の位置登録の回数を減らし、シームレスなハンドオーバが実現できる無線基地局装置、ハンドオーバ制御システムおよびハンドオーバ制御方法を提供すること。
【解決手段】無線子機PSの呼接続を管理装置MEに中継する無線親機CSは、無線子機PSの呼接続を制御する呼接続制御部と、無線子機PSの識別情報を無線親機CSの識別情報に対応させる位置登録を管理装置MEに要求する位置登録要求部とを備え、無線親機CS3を経由して呼接続を行う無線子機PSから、無線親機CS3から無線親機CS4へのハンドオーバの要求を受けた場合に、無線子機PSの呼接続を無線親機CS4と無線親機CS2を経由するように制御し、無線親機CS2を経由する呼接続が行われている間は、位置登録を管理装置MEに要求せず、無線親機CS4と無線親機CS2を経由する呼接続が終了した場合に、位置登録を管理装置MEに要求する。
【選択図】図15

Description

本発明は、マルチセル方式で無線接続して通信するとき、シームレスなハンドオーバを実現できる無線基地局装置、その無線基地局装置を利用したハンドオーバ制御システムおよびハンドオーバ制御方法に関する。
従来、マルチセル方式(セルラ方式)で無線接続して通信するとき、無線端末は識別子(SSID[Service Set IDentifier])が一致した無線基地局と通信する。そして無線端末が無線基地局と通話中に移動するときに、セル(無線領域)の中央から離れるに従って電波が弱くなり、信号強度や電力レベルが変化する。このとき隣接するセルの無線基地局の電波の方が強くなるような場合、この無線基地局との通信に切り替えれば通話を継続することができる。これをハンドオーバという。
無線端末が新しい無線基地局にアクセスするには、接続候補または接続履歴のある多くの無線基地局の識別子を順に検索して、接続できる無線基地局を捕捉しなければならない。さらに無線基地局は自身とこの無線端末の情報をIP網の登録サーバに登録しておかなければネットワークを介しての通信はできない。
図32は従来の無線端末のハンドオーバを説明する説明図である。IP網(IPで通信可能なネットワーク)には、登録サーバを内蔵した管理装置MEが接続されている。また、管理装置MEには配下に無線基地局(以下、無線親機)CS1,CS2,CS3,CS4,CS5が接続されており、それぞれ電波を放射してセルを形成し、全体で通信エリアを形成している。無線端末(以下、無線子機)PSにはPHS(Personal Handy-phone System)端末やDECT(Digital Enhanced Cordless Telecommunication)端末、その他の携帯電話、無線LAN(Local Area Network)端末などがある。何れにせよ無線親機との間でデジタル無線通信を行う。無線子機PSと相手端末との音声データ通信はSIP(Session Initiation Protocol)やH.323などのIP呼制御プロトコルに準拠し、RTP/RTCP等を用いて行われる。
ここで、無線親機CS1に接続している無線子機PSがIP網を経由して通話相手のIP端末と接続するためには、SIPサーバなどの管理サーバが、現在どの無線親機CSが無線子機PSと接続しているのかを認識する必要がある。このため無線親機CS1はSIPサーバの登録サーバにREGISTER(位置登録要求)を送信し、自身のIPアドレス、無線子機PSの識別子(電話番号)などの識別情報を登録サーバに登録する。
従って、無線子機PSが通話中に無線親機CS1のセルから別のセル(無線親機CS3)へ移動するといった事象が発生したときには、無線子機PSはCS1からCS3との無線接続に切り替えなければ通話を続けることはできない。このためハンドオーバが行われ、ハンドオーバの際に無線親機CS3は登録サーバに対してREGISTER(位置登録要求)を送信し、新しい無線親機CS3を位置登録する。これにより登録サーバに切断・再接続を認識させる。そしてこのとき円滑なハンドオーバが行わなければ、通話が途切れ、通話品質を低下させる。
その後も同様で、無線子機PSが無線親機CS3のセルから無線親機CS4のセル、無線親機CS4のセルから無線親機CS5のセル、無線親機CS5のセルから無線親機CS2のセルへ移動すると、その都度無線親機CS4,CS5,CS2はREGISTERを送信し、登録サーバに位置登録を繰り返す。位置登録しないと通話を続けることができない。しかしハンドオーバには時間がかかり、再接続に失敗したときには改めて無線親機CSを探して接続し直さなければならない。
従来、IMS(IP Multimedia Subsystem)網を経由して携帯電話で通話中に、そのユーザが現在接続しているMGW(Media GateWay)のエリアから他のMGWのエリアに移動した場合にハンドオーバを行う技術が提案されている(例えば、日本国特開2009-177620号公報参照)。
あるMGW1内で第1通信方式の終端(TDM/1)と第2通信方式の終端(RTP/1)が通話状態にあるときに、移動端末が別のMGW2配下に移動すると、ハンドオーバ元のMGW1のコンテクストに第1通信方式の終端(RTP/11)のコンテクストを追加し、さらにMGW2内のコンテクストには第1通信方式の終端(TDM/2)と第2通信方式の終端(RTP/2)を接続するコンテクストを追加する。このTDM/1とRTP/11を片方向ストリームとし、MGW2に対し下りストリームとする。
そしてハンドオーバ切り替え状態では、RTP/1、TDM/1を片方向ストリームに変更し、また、RTP/1、RTP/11を両方向ストリームに変更し、移動元と移動先のストリームの切り替えを行う。最後にハンドオーバ完了状態では、終端(TDM/1)のみを解放し、終端(RTP/1)をアンカーとして継続して使用するものである。
日本国特開2009−177620号公報
従来、移動する無線端末がハンドオーバを繰り返して移動する場合、通話が一旦切断されては再接続されるため、SIP、その他の登録サーバに切断・再接続を認識させる処理が必要であった。従って、無線端末が或る無線基地局のセルから別の無線基地局のセルへ移動すると、その都度位置登録をしなければ通話を継続して行えなかった。このようにハンドオーバ時に位置登録を繰り返すのは時間がかかるし、通話品質を大きく損なうものであった。
特許文献1の技術は、あるMGWを介してIPなどの第1通信方式と無線通信などの第2通信方式との間で跨って通信しているときハンドオーバが生じると、ハンドオーバ先がハンドオーバ元を介して第1通信方式で通信する。従って、1つのMGWは固定されて使用され、移動通信交換局はハンドオーバ時に移動元及び移動先との間でそれぞれリクエストとリプライを繰り返しやり取りし、移動先の位置を認識している。しかし移動通信交換局がどのようにMGWの切り替えを認識するかについては開示されていない。またハンドオーバを繰り返すと時間がかかるし、ハンドオーバで通話品質を損なうが、これらの問題は解決されていない。
そこで、本発明は、管理装置や相手端末にハンドオーバを意識させることなく、通話中の位置登録の回数を減らし、シームレスなハンドオーバが実現できる無線基地局装置、ハンドオーバ制御システムおよびハンドオーバ制御方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明の無線基地局装置は、無線端末の呼接続を管理装置に中継する無線基地局装置であって、無線端末の呼接続を制御する呼接続制御部と、無線端末の識別情報を当該無線基地局装置の識別情報に関連付ける位置登録を、管理装置に要求する位置登録要求部と、を備え、位置登録要求部は、無線端末からハンドオーバ要求を受信しても、無線端末の位置登録を管理装置に要求しないことを主な特徴とする。
本発明の無線基地局装置、ハンドオーバ制御システムおよびハンドオーバ制御方法によれば、管理装置や相手端末にハンドオーバを意識させることなく、通話中の位置登録の回数を減らし、シームレスなハンドオーバが実現できる。
本発明の実施の形態1における無線基地局装置の概観図 本発明の実施の形態1における無線基地局装置が配置されたネットワーク構成図 本発明の実施の形態1における無線基地局装置の構成図 本発明の実施の形態1における無線基地局装置が配置されたネットワークのハンドオーバ前の説明図 本発明の実施の形態1における無線基地局装置が配置されたネットワークのハンドオーバ中の説明図 本発明の実施の形態1における無線基地局装置のリソースの説明図 本発明の実施の形態1における無線基地局装置が配置されたハンドオーバ後のネットワークの説明図 本発明の実施の形態1における無線基地局装置がSIPで行う位置登録シーケンスの説明図 本発明の実施の形態1における無線基地局装置がH.323で行う位置登録シーケンスの説明図 (a)、(b)および(c)は本発明の実施の形態1における位置登録の説明図 本発明の実施の形態1における無線基地局装置がSIPによって通話中に行うハンドオーバのシーケンスの説明図 本発明の実施の形態1における無線基地局装置が連携してSIPで通話中に行う通話終了のシーケンスの説明図 本発明の実施の形態1における無線基地局装置がH.323によって通話中に行うハンドオーバのシーケンスの説明図 本発明の実施の形態1における無線基地局装置が連携してH.323で通話中に行う通話終了のシーケンスの説明図 本発明の実施の形態1における無線基地局装置間を連続してハンドオーバした場合の位置登録の様子を示す説明図 本発明の実施の形態1における無線基地局装置がハンドオーバ通話状態で行うハンドオーバのシーケンスの説明図 本発明の実施の形態1における無線基地局装置が連携してハンドオーバ通話状態で行う通話終了のシーケンスの説明図 本発明の実施の形態1における無線基地局装置が配置されたネットワークにおいて無線端末が発信中にハンドオーバしたときのシーケンスの説明図 本発明の実施の形態1における無線基地局装置が配置されたネットワークにおいて無線端末が発信中にハンドオーバしたときの終話シーケンスの説明図 本発明の実施の形態1における無線基地局装置が配置されたネットワークにおいて無線端末が着信中にハンドオーバしたときのシーケンスの説明図 本発明の実施の形態1における無線基地局装置が配置されたネットワークにおいて無線端末が着信中にハンドオーバしたときの終話シーケンスの説明図 本発明の実施の形態1における無線基地局装置が配置されたネットワークにおいて通信相手がハンドオーバ通話状態を終話したときのシーケンスの説明図 本発明の実施の形態1における無線基地局装置のハンドオーバ制御時のリソース関係の説明図 本発明の実施の形態1における無線基地局装置が配置されたネットワークにおいてハンドオーバと位置登録が行われる時間的及び空間的な状態説明図 本発明の実施の形態1における無線基地局装置が配置されたネットワークにおいて通話中の第2呼着信がなされた場合のハンドオーバと位置登録が行われる時間的及び空間的な状態説明図 本発明の実施の形態1における無線基地局装置が配置されたネットワークにおいて3者通話がなされた場合のハンドオーバと位置登録が行われる時間的及び空間的な状態説明図 本発明の実施の形態1におけるハンドオーバ先の無線基地局装置の処理を説明するフローチャート 本発明の実施の形態1における位置登録されている(ハンドオーバ元の)無線基地局装置の連携開始処理を説明するフローチャート 本発明の実施の形態1におけるハンドオーバ先の無線基地局装置のHO開始処理を説明するフローチャート 本発明の実施の形態1における位置登録されている(ハンドオーバ元の)無線基地局装置の転送開始処理を説明するフローチャート 本発明の実施の形態1における位置登録されている無線基地局装置の処理を説明するフローチャート 従来の無線端末のハンドオーバを説明する説明図
本発明の第1の発明は、無線端末の呼接続を管理装置に中継する無線基地局装置であって、無線端末の呼接続を制御する呼接続制御部と、無線端末の識別情報を当該無線基地局装置の識別情報に関連付ける位置登録を、管理装置に要求する位置登録要求部と、を備え、位置登録要求部は、無線端末からハンドオーバ要求を受信しても、無線端末の位置登録を管理装置に要求しないことを特徴とする無線基地局装置である。
本発明の第2の発明は、第1の発明に従属する発明であって、無線端末からハンドオーバ要求を受けた場合に、無線端末の呼接続を、他の無線基地局装置および当該無線基地局装置とで管理装置に中継するように制御することを特徴とする無線基地局装置である。
本発明の第3の発明は、第1または第2の発明に従属する発明であって、位置登録要求部は、他の無線基地局装置および当該無線基地局装置により管理装置に中継される呼接続が終了した場合に、位置登録を管理装置に要求することを特徴とする無線基地局装置である。
本発明の第4の発明は、第1から第3の何れか一つの発明に従属する発明であって、位置登録要求部は、無線端末から位置登録要求を受信した場合に、位置登録を管理装置に要求することを特徴とする無線基地局装置である。
本発明の第5の発明は、第1から第4の何れか一つの発明に従属する発明であって、無線端末が、PHS端末、DECT端末、携帯電話及び無線LAN端末の内の少なくとも何れか一つと呼接続し、呼接続を管理装置に中継することを特徴とする無線基地局装置である。
本発明の第6の発明は、第1から第5の何れか一つの発明に従属する発明であって、管理装置は、SIPサーバ、またはH.323ゲートキーパであって、無線端末との呼接続を管理装置に中継することを特徴とする無線基地局装置である。
本発明の第7の発明は、ネットワークに接続された管理装置と、無線端末が接続されてこの無線端末の呼接続を管理装置に中継する複数の無線基地局装置と、を備え、無線端末が無線基地局装置の中の第1の無線基地局装置の無線領域から第2の無線基地局装置の無線領域に移動するときにハンドオーバ制御が行われるハンドオーバ制御システムであって、無線基地局装置には、無線端末の呼接続を制御する呼接続制御部と、無線端末の識別情報を無線基地局装置の識別情報に関連付ける位置登録を、管理装置に要求する位置登録要求部と、が設けられ、位置登録要求部は、無線端末からハンドオーバ要求を受信しても、無線端末の位置登録を管理装置に要求せず、ハンドオーバした呼接続の終了時に位置登録を管理装置に要求することを特徴とするハンドオーバ制御システムである。
本発明の第8の発明は、ネットワークに接続された管理装置と、無線端末が接続されてこの無線端末の呼接続を管理装置に中継する複数の無線基地局装置とからなる無線通信システムにおける、無線端末のハンドオーバ制御方法であって、無線基地局装置は、無線端末からハンドオーバ要求を受信しても、無線端末の位置登録を管理装置に要求せず、ハンドオーバした呼接続の終了時に位置登録を管理装置に要求することを特徴とするハンドオーバ制御方法である。
以下、本発明に係る実施の形態1を図面に基づいて説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における無線基地局装置の概観図である。図2は、本発明の実施の形態1における無線基地局装置が配置されたネットワーク構成図である。図3は、本発明の実施の形態1における無線基地局装置の構成図である。図4は、本発明の実施の形態1における無線基地局装置が配置されたネットワークのハンドオーバ前の説明図である。図5は、本発明の実施の形態1における無線基地局装置が配置されたネットワークのハンドオーバ中の説明図である。図6は、本発明の実施の形態1における無線基地局装置のリソース説明図である。図7は、本発明の実施の形態1における無線基地局装置が配置されたハンドオーバ後のネットワークの説明図である。図8は、本発明の実施の形態1における無線基地局装置がSIPで行う位置登録シーケンスの説明図である。図9は、本発明の実施の形態1における無線基地局装置がH.323で行う位置登録シーケンスの説明図である。図10は、本発明の実施の形態1における位置登録の説明図である。
図1において、無線親機CSは本発明の無線基地局装置の一例である。無線子機PSは、無線端末の一例であって、例えば、PHS端末、DECT端末、携帯電話、無線LAN端末である。無線親機CSと無線子機PSは、デジタル無線通信方式、例えば時分割多重方式(TDMA)や符号分割多重方式(CDMA)などにより多重化された複数のチャネルで通信を行う。無線親機CSは、子機である無線子機PSの通信処理を管理する親機機能を有している。なお、以降の実施の形態の説明において、本発明の無線基地局を無線親機、無線端末を無線子機と称して説明する。
この無線親機CSは図2のように複数が管理装置MEに接続され、それぞれが無線領域の一例であるセルを形成している。管理装置MEは主装置とも呼ばれ、IP網に接続される。管理装置MEにはSIPサーバ、H.323ゲートキーパ等の管理サーバの登録サーバが設けられ、無線子機PSとIP端末Tとの通話はIP網を介してSIPまたはH.323などに準拠して端末間にセッションを張って通信することで行われる。
この無線親機CSは図2のように複数が管理装置MEに接続され、それぞれがセル(本発明の無線領域)を形成している。管理装置MEはIP網に接続される。管理装置MEにはSIPサーバ、H.323ゲートキーパ等の管理サーバの登録サーバが設けられ、無線子機PSとIP端末Tとの通話はIP網を介してSIPまたはH.323などに準拠して端末間にセッションを張って通信することで行われる。従って、実施の形態1の呼接続は、デジタル無線通信とSIPまたはH.323などに準拠して行われ、とくに音声で通信する通話(音声呼)である。なお、呼接続によって形成される呼は、音声呼に限る必要はなく、データ呼であってもよい。データ呼は、例えば画像、テキストなどの各種のデータを取り扱う。
ところで、図3に示すように無線親機CSには、無線信号を送受信するアンテナ11と、無線信号を送信する送信部とこれを受信する受信部が設けられた無線制御部12が設けられている。また、受信した信号強度の受信レベルを測定するRSSI(Received Signal Strength Indicator、受信レベル検出部)18と、ある期間の信号強度を基に制御チャネルの電波線環境を判断する判定部17a、さらにこの判定部17aの判断に基づいてチャネルを選択しチャネルなどの確立/解放を制御する基地局制御部17が設けられている。実施の形態1においては、判定部17aは基地局制御部17を構成するハードウエア(CPU)に判定のためのプログラムを読み込んで動作する機能実現手段として構成される。図3に示すブロック図は、IC(Integrated Circuit)を用いた複数の回路で構成することができる。例えば、CPU、メモリ(RAM[Random Access Memory])、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)などで構成してもよい。
無線親機CSの呼制御部15(呼接続制御部の一例)は、基地局制御部17によって選択されたチャネルを使用して無線制御部12からSIPに準拠してINVITE(呼接続通知)、BYE(呼切断通知)等のメッセージを送信する。RSSI18は無線制御部12の受信部経由で受信した無線信号の受信レベルを測定し、判定部17aは受信レベルが閾値以下であれば電波環境が悪化したものと判断して新しいチャネルに切り替えるように判断する。
実施の形態1の呼制御部15は、図3,図6に示すようにSIPに準拠しているため、SIPユーザーエージェントとして機能する呼情報管理部15aが複数(SIP1〜SIPnのn個)、例えば264個搭載されており呼制御を行う。H.232でも同様の構成となる。また、図3の音声コーディック部13はコーディックがIC化されたDSP(Digital Signal Processor)を複数備え、デジタル無線通信方式で呼制御と音声データの送受信の処理を行う。図3の無線親機CSは4チャネルで通信するために、DSP1〜DSP4が搭載されている。従って、図6においては、1台の無線親機CSは4台までの無線子機PSと同時に通信を行え、1チャネルごとにDSPとSIPを1個ずつ使用して通信する。
無線子機PSが無線親機CSを介してIP端末Tと送受信するためには、呼情報管理部15aが無線子機PSの位置を認識している必要がある。このため無線子機PSは無線親機CSを検索して接続要求し、管理装置MEの登録サーバに対して図10(a)、図10(b)および図10(c)のようにCS_IPアドレス、端末特定識別子(PS電話番号)などをREGISTER(位置登録要求)により送信して、登録テーブルにチャネルごとに位置登録する。無線子機PSの識別情報(ここでは端末特定識別子(電話番号、以下「PS電話番号」と称す。))を無線親機CSの識別情報(IPアドレス、以下「CS_IPアドレス」と称す)に関連付けるためのものである。例えば、無線親機CS1は、図10(b)(c)のチャネルR1では無線子機PS1と通信するため、CS1_IPアドレス、PS1電話番号を管理装置MEに対応付けて位置登録し、チャネルR2を使って無線子機PS4と通信するため、CS1_IPアドレス、PS4電話番号を管理装置MEに位置登録する。
ところで、本発明の実施の形態1においては、ネットワーク制御部14(位置登録要求部の一例)が無線親機CS間で情報を共有して互いに連携させ、通話中にハンドオーバは発生してもその都度位置登録をせずに終話時にのみ位置登録を行う。なお、通話開始時には既に位置登録されている。
このため転送先管理部14aは、無線子機PSの移動中、転送経路を確立して転送できるように無線親機CSを管理し、RTP情報管理部14bによって共有する連携/音声データを転送させる。各種設定情報はメモリ16に格納される。なお、このほか無線親機CSにはジッターバッファも設けられる(図示はしない)。
そして、無線親機CSは、通話中に第2呼が発生したときの3者間通話や保留などの複数の呼接続サービスを提供することができる。このため、実施の形態1においては、呼制御部15は、複数の無線子機PSがそれぞれ生成する複数の呼接続を少なくとも所定時間同時に制御し、呼制御部15は、少なくとも1つの呼接続が行われている間は、管理装置MEに対して位置登録を要求せず、複数の呼接続の全てが終了した場合に、位置登録を管理装置MEに要求する。
なお、無線端末の識別情報とは、当該無線端末を他の無線端末から一意的に識別することが可能な情報であって、電話番号に限られない。例えば、ローカルIPアドレスであってもよい。また、無線基地局装置の識別情報は、当該無線端末を他の無線端末から一意的に識別することが可能な情報であって、識別情報の一例であるIPアドレスは、グローバルIPアドレスに限られず、ローカルIPアドレスであってもよい。
さて、この無線子機PSが通話中に図2の無線親機CS1のセルから無線親機CS2のセルに移動したとき、無線親機CS1のセルから無線親機CS2のセルに切り替えるハンドオーバが行われる。また無線子機PSが存在する位置は通話中以外ハンドオーバされたときに管理装置MEの登録サーバに位置登録される。以下、状況ごとに場合分けして各手順を説明する。
(位置登録の手順 :SIP)
位置登録を行う手順について説明する。まずSIPによる位置登録の手順について説明する。SIPサーバの登録情報は位置登録応答(以下説明する「200OK」)に含まれる時間経過後に廃棄されるため、廃棄される前に無線親機CSからその都度位置登録要求を行っている。従って位置登録要求は待機状態(未通話状態)においてセルを移動するごとに、また定期的に実行される。また無線子機PSから新たにアクセスがあった場合などにも実行される。これに対し、本発明では通話状態では終話時にしか位置登録は行われない。ただ、定期的に行われる位置登録はハンドオーバ元の無線親機CSの情報を基に通常の手順どおりに行われる。
図8において、無線子機PSから無線親機CS1に位置登録要求を行うと(seq1)、無線親機CS1は管理装置MEの登録サーバにREGISTER(位置登録要求)を送信する(seq2)。これに対してSIPサーバが「200OK」を送信し(seq3)、これを受信した無線親機CS1は位置登録応答を無線子機PSに送信する(seq4)。
また、廃棄時間経過以外にも、RSSI18がハンドオーバトリガ(以下、HOトリガとも称す。)を検出するのを待つ。RSSI18がハンドオーバトリガを検出し、判定部17aがハンドオーバの必要があると判断した場合、無線子機PSはハンドオーバ先の無線親機CS2に位置登録要求を行う(seq5)。これにより無線親機CS2は状態取得要求を無線親機CS1に送信し(seq6)、無線親機CS1は無線親機CS2に状態取得応答を返す(seq7)。状態取得応答では該当無線子機PSの呼接続状態(例えばidle)を示す状態情報が送信される。通話状態の呼接続が存在しないことを確認した無線親機CS2は無線親機CS1に位置登録削除要求を行う(seq8)。
これに対し、無線親機CS1は登録サーバに「Un−Register(位置登録削除要求)」を送信する(seq9)。登録サーバは無線親機CS1に「200OK」を送信し(seq10)、これにより無線親機CS1は位置登録削除応答を無線親機CS2に送信する(seq11)。なお、seq6,7,8,11は本発明独自の手順に従って実行される。
位置登録削除応答を受信した無線親機CS2は新たに位置登録するために登録サーバにREGISTER(位置登録要求)を送信し(seq12)、登録サーバは「200OK」を送信する(seq13)。そこで無線親機CS2は無線子機PSに位置登録応答を送信して(seq14)、SIPにおける位置登録の一連の手順が終了する。
(位置登録の手順 :H.323)
さらに、H.323による位置登録の手順について説明する。図9において、無線子機PSから無線親機CS1に位置登録要求を行うと(seq1_323)、無線親機CS1は管理装置MEのH.323ゲートキーパにRRQ(位置登録要求)を送信する(seq2_323)。RRQ(位置登録要求)ではCS_IPアドレス、端末特定識別子(PS電話番号)などの制御情報が送信される。これに対してH.323ゲートキーパがRCF(登録完了通知)を送信し(seq3_323)、これを受信した無線親機CS1は位置登録応答を無線子機PSに送信する(seq4_323)。
また、廃棄時間経過以外にも、RSSI18がハンドオーバトリガを検出するのを待つ。RSSI18がハンドオーバトリガを検出し、判定部17aがハンドオーバの必要があると判断した場合、無線子機PSはハンドオーバ先の無線親機CS2に位置登録要求を行う(seq5_323)。これにより無線親機CS2は状態取得要求を無線親機CS1に送信し(seq6_323)、無線親機CS1は無線親機CS2に状態取得応答を返す(seq7_323)。状態取得応答では現在の該当PSの呼接続状態(例えばidle)を示す状態情報が送信される。通話状態の呼接続が存在しないことを確認した無線親機CS2は無線親機CS1に位置登録削除要求を行う(seq8_323)。
これに対し、無線親機CS1はH.323ゲートキーパにURQ(位置登録削除要求)を送信する(seq9_323)。H.323ゲートキーパは無線親機CS1にUCF(位置登録削除応答)を送信し(seq10_323)、これにより無線親機CS1は位置登録削除応答を無線親機CS2に送信する(seq11_323)。
位置登録削除応答を受信した無線親機CS2は新たに位置登録するためにH.323ゲートキーパにRRQ(位置登録要求)を送信し(seq12_323)、H.323サーバはRCF(登録完了通知)を送信する(seq13_323)。そこで無線親機CS2は無線子機PSに位置登録応答を送信して(seq14_323)、H.323における位置登録の一連の手順が終了する。なお、seq6_323,7_323,8_323,11_323は実施の形態1独自に規定したプロトコルに従って実行される。
(ハンドオーバの手順 :SIP)
続いて、本発明の実施の形態1のハンドオーバの実行手順について説明する。本発明では、無線親機CS1、CS2,・・・,CSnが連携して動作し連携/音声データを転送している間は、無線子機PSと無線接続する無線親機CSが変わっても無線子機PSの位置登録は行わず、位置登録を行うのは通話終了時に限るものである。CS連携した無線親機CS1、CS2において連携/音声データの転送が行われる様子は図5および図7に示すとおりである。また、無線子機PSが無線親機CS1、CS2,・・・,CSn間を連続してハンドオーバした場合の位置登録の様子は図15に示すとおりとなる。図15は、本発明の実施の形態1における無線親機間を連続してハンドオーバした場合の位置登録の様子を示す説明図である。
図11は、本発明の実施の形態1における無線親機がSIPによって通話中に行うハンドオーバのシーケンスの説明図である。図12は、本発明の実施の形態1における無線親機が連携してSIPで通話中に行う通話終了のシーケンスの説明図である。図13は、本発明の実施の形態1における無線親機がH.323によって通話中に行うハンドオーバのシーケンスの説明図である。図14は、本発明の実施の形態1における無線親機が連携してH.323で通話中に行う通話終了のシーケンスの説明図である。
最初に、無線親機CS1とIP端末Tとの通話中に行われるハンドオーバを説明する。図4に示すように無線子機PSと無線親機CS1が無線接続され、この無線親機CS1が通話相手のIP端末Tと接続されて、無線制御/音声データは無線親機CS1と無線子機PSの間をデジタル無線通信方式で、また、無線親機CS1とIP端末Tとの間はSIPに準拠して通信される。
この状態で図11のように或る時点に無線子機PSのRSSIがハンドオーバトリガを検出すると、無線子機PSは無線親機CS2に対してハンドオーバ要求を行う(seq21)。これに対し、無線親機CS2は無線親機CS1に連携開始要求を送信し(seq22)、無線親機CS1は無線親機CS2に連携開始応答を送信する(seq23)。無線親機CS2が連携開始応答を受信することで、無線子機PSの呼接続が、無線親機CS1および無線親機CS2で管理装置MEに中継される。
次に、無線親機CS2は無線親機CS1に転送経路確立要求を送信し(seq24)、無線親機CS1は無線親機CS2に転送経路確立応答を送信する(seq25)。これにより無線親機CS1と無線親機CS2はRTP転送経路をオープンする。さらに無線親機CS2は無線親機CS1に転送開始要求を送信し(seq26)、無線親機CS1は無線親機CS2に転送開始応答を送信する(seq27)。無線親機CS2が転送開始応答を受信することで、音声データの転送が開始される。無線親機CS2は無線親機CS1のRTP送信パケット数やRTPロスパケット数などの統計情報を取得し、無線親機CS2はこの統計情報をメモリ16に設定する。この後、無線親機CS2は無線子機PSにハンドオーバ応答を送信する(seq28)。
無線子機PSは無線親機CS2と接続するため無線チャネルを切り替え、無線親機CS2にACKを送信する(seq29)。これにより無線親機CS2のRTCP制御が有効になり、転送経路を通して音声データがRTPで転送される。そして無線親機CS2は無線親機CS1に旧CSリリース要求を送信する(seq30)。無線親機CS1はDSPを解放し、無線親機CS1のRTCP制御が無効になる。さらに無線親機CS1は無線子機PSにCSリリース要求を送信し(seq31)、無線子機PSはCSリリース応答を送信する(seq32)。CSリリース応答を受信した無線親機CS1は旧CSリリース応答を送信し(seq33)、無線親機CS1と無線親機CS2が連携し、通話中に無線親機CS1から無線親機CS2へのハンドオーバが行われたことになる。
ハンドオーバが終了すると、無線子機PSは無線親機CS2と無線接続され、両者間で無線制御/音声データが送受信される。無線親機CS2はCS間連携により無線親機CS1にCS連携/音声データを転送し、無線親機CS1はCS間連携により無線親機CS2からUDPで受信したCS連携データを基にSIPで呼制御を行い、IP端末Tへ音声データをRTPで転送する。また、無線親機CS1がIP端末TからSIPおよびRTPで受信した呼制御/音声データは、CS連携/音声データとしてそれぞれUDP/RTPにより無線親機CS2へ転送される。なお、seq22、seq23、seq24、seq25、seq26、seq27、seq30およびseq33は本発明独自の手順に従って実行される。
(ハンドオーバ通話状態からの終話手順 SIP)
続いて、このハンドオーバ通話状態(以下、HO通話状態とも記述する)において、無線子機PSがオンフックしたときの終話手順について説明する。図12において、無線子機PSがオンフックすると、無線子機PSは無線接続している無線親機CS2に終話要求を送信する(seq41)。すると、無線親機CS2はCS間連携中で現在位置登録されている無線親機CS1に対して、CS間連携手順として終話要求を転送する(seq42)。無線親機CS1はIP網に接続された管理装置MEにBYE(呼切断通知)を送信し(seq43)、管理装置MEはIP端末TにBYE(呼切断通知)を転送する(seq44)。これに対してIP端末Tが「200OK」を送信し(seq45)、管理装置MEは「200OK」を無線親機CS1に転送する(seq46)。
「200OK」を受信した無線親機CS1は連携中の無線親機CS2に状態通知(idle)を通知する(seq47)。無線親機CS2は無線親機CS1に転送終了要求を送信し(seq48)、無線親機CS1は転送終了応答を送信する(seq49)。この手順で無線親機CS2は無線親機CS1と連携を終え、RTPによる音声データの転送を終了し、転送経路をクローズする。すなわち、呼接続が終了する。
次いで、通話状態の呼接続が存在しないことを確認した無線親機CS2は無線親機CS1に位置登録削除要求を行う(seq50)。これに対し、無線親機CS1は管理装置MEの登録サーバに「Un−Register(位置登録削除要求)」を送信する(seq51)。登録サーバは無線親機CS1に「200OK」を送信し(seq52)、これにより無線親機CS1は位置登録削除応答を無線親機CS2に送信する(seq53)。
位置登録削除応答を受信した無線親機CS2は最終的な位置登録をするためにSIPサーバにREGISTER(位置登録要求)を送信し(seq54)、SIPサーバは「200OK」を送信する(seq55)。これにより通話終了時に位置登録が行われる。従って移動中のセルで位置登録シーケンスを行わないため、管理装置MEや相手端末にハンドオーバを意識させることなく、位置登録の回数を減らすことができ、シームレスなハンドオーバが実現できる。そこで無線親機CS2は無線子機PSに終話応答を送信して(seq56)、セッションは切断され、通話が終了する。なお、seq42、seq47、seq48、seq49、seq50およびseq53は本発明独自の手順に従って実行される。
(ハンドオーバの手順 H.323)
続いて、以上の手順がH.323になった場合の無線親機CS1とIP端末Tとの間で行われるハンドオーバを説明する。
この状態で図13のように或る時点に無線子機PSのRSSIがハンドオーバトリガを検出すると、無線子機PSは無線親機CS2に対してハンドオーバ要求を行う(seq21_323)。これに対し、無線親機CS2は無線親機CS1に連携開始要求を送信し(seq22_323)、無線親機CS1は無線親機CS2に連携開始応答を送信する(seq23_323)。無線親機CS2が連携開始応答を受信することで、無線子機PSの呼接続が、無線親機CS1および無線親機CS2で管理装置MEに中継される。
次に、無線親機CS2は無線親機CS1に転送経路確立要求を送信し(seq24_323)、無線親機CS1は無線親機CS2に転送経路確立応答を送信する(seq25_323)。転送経路確立要求と転送経路確立応答により無線親機CS1と無線親機CS2はRTP転送経路をオープンする。さらに無線親機CS2は無線親機CS1に転送開始要求を送信し(seq26_323)、無線親機CS1は無線親機CS2に転送開始応答を送信する(seq27_323)。無線親機CS2は転送開始要求によって無線親機CS1のRTP送信パケット数やRTPロスパケット数などの統計情報を取得し、無線親機CS2はこの統計情報をメモリ16に設定する。この後、無線親機CS2は無線子機PSにハンドオーバ応答を送信する(seq28_323)。
無線子機PSは無線チャネルを切り替え、ACKを無線親機CS2に送信する(seq29_323)。これにより無線親機CS2のRTCP制御が有効になり、転送経路を通して音声データが転送される。そして無線親機CS2は無線親機CS1に旧CSリリース要求を送信する(seq30_323)。無線親機CS1はDSPを解放し、無線親機CS1のRTCP制御が無効になる。
さらに無線親機CS1は無線子機PSにCSリリース要求を送信し(seq31_323)、無線子機PSはCSリリース応答を送信する(seq32_323)。CSリリース応答を受信した無線親機CS1は旧CSリリース応答を送信し(seq33_323)、無線親機CS1と無線親機CS2が連携し、通話中に無線親機CS1から無線親機CS2へのハンドオーバが行われたことになる。なお、seq22_323、seq23_323、seq24_323、seq25_323、seq26_323、seq27_323、seq30_323およびseq33_323は本発明独自の手順に従って実行される。
(ハンドオーバ通話状態からの終話手順 :H.323)
ハンドオーバが終了すると、H.323においてもSIPと同様に、無線子機PSは無線親機CS2と無線接続され、両者間で無線制御/音声データが送受信される。無線親機CS2はCS間連携により無線親機CS1にCS連携/音声データを転送し、無線親機CS1は呼制御/音声データをIP端末TとIP網を介してH.323に準拠して送受信する。
続いて、このハンドオーバ通話状態(以下、HO通話状態とも記述する)において、無線子機PSがオンフックしたときの終話手順について説明する。図14において、無線子機PSがオンフックすると、無線子機PSは無線接続している無線親機CS2に終話要求を送信する(seq41_323)。すると、無線親機CS2はCS間連携中で現在位置登録されている無線親機CS1に対して、CS間連携手順として終話要求を転送する(seq42_323)。無線親機CS1はIP網に接続されたIP端末Tに「EndSessionCommand」を転送する(seq43_323)。これに対してIP端末Tが無線親機CS1に「EndSessionCommand」を送信する(seq44_323)。さらに無線親機CS1はIP端末TにRELEASE COMPLETEを送信する(seq45_323)。
無線親機CS1は連携中の管理装置MEのH.323ゲートキーパにDRQ(解除要求)を送信する(seq46_323)。H.323ゲートキーパはDCF(解除確認)を送信する(seq47_323)。
無線親機CS1は連携中の無線親機CS2にCS間連携手順としての状態通知(idle)を通知する(seq48_323)。これにより無線親機CS2はCS連携/音声データの転送を終了するため、無線親機CS1に転送終了要求を送信し(seq49_323)、無線親機CS2は転送終了応答を送信する(seq50_323)。この手順で無線親機CS1は無線親機CS2と連携を終え、RTPによる音声データの転送を終了し、転送経路をクローズする。すなわち、呼接続が終了する。
次いで、通話状態の呼接続が存在しないことを確認した無線親機CS2は無線親機CS1にCS間連携手順として位置登録削除要求を行う(seq51_323)。これに対し、無線親機CS1は管理装置MEのH.323ゲートキーパにURQ(登録解除要求)を送信する(seq52_323)。これに対しH.323ゲートキーパは無線親機CS1にUCF(未確認応答)を送信し(seq53_323)、無線親機CS1は位置登録削除応答を無線親機CS2に送信する(seq54_323)。
無線親機CS1から位置登録削除応答を受信した無線親機CS2は最終的な位置登録をするためにH.323ゲートキーパにRRQ(位置登録要求)を送信し(seq55_323)、H.323ゲートキーパはRCF(位置登録応答)を送信する(seq56_323)。これにより通話終了時に位置登録が行われる。従って通話開始後、通話終了までのハンドオーバの時点には無線子機PSの位置登録は行わず、位置登録を行うのはRRQ(位置登録要求)が送られる通話終了時に限られる。そこで無線親機CS2は無線子機PSに終話応答を送信して(seq57_323)、セッションは切断され、通話が終了する。なお、seq42_323、seq48_323、seq49_323、seq50_323、seq51_323およびseq54_323は本発明独自の手順に従って実行される。
(ハンドオーバ通話状態における更なるハンドオーバの手順 :SIP)
さて、以上は無線子機PSが無線親機CS1、CS2の間で移動し、このときCS連携して行うハンドオーバ制御の説明を行ったが、さらに無線子機PSがCS2から無線親機CS3のセルに移動するときのハンドオーバ制御について説明する。
図16は、本発明の実施の形態1における無線親機がハンドオーバ通話状態で行うハンドオーバのシーケンスの説明図である。図17は、本発明の実施の形態1における無線親機が連携してハンドオーバ通話状態で行う通話終了のシーケンスの説明図である。
図16のHO通話状態では、無線親機CS1から無線親機CS2へのハンドオーバが終わり、無線子機PSは無線親機CS2と無線接続され、無線制御/音声データが送受信されている。また無線親機CS2はCS間連携により無線親機CS1にCS連携/音声データを転送し、無線親機CS1はCS間連携により無線親機CS2からUDPで受信したCS連携データを基にSIPで呼制御を行い、IP端末Tへ音声データをRTPで転送する。また、無線親機CS1がIP端末TからSIPおよびRTPで受信した呼制御/音声データは、CS連携/音声データとしてそれぞれUDP/RTPにより無線親機CS2へ転送される。
この状態で図16のように或る時点に無線子機PSのRSSIがハンドオーバトリガを検出すると、無線子機PSは無線親機CS3に対して無線通信でハンドオーバ要求を行う(seq61)。これに対し、無線親機CS3は無線親機CS1に連携開始要求を送信する(seq62)。無線親機CS1は無線親機CS2に連携準備の要求を行い(seq63)、無線親機CS2は無線親機CS1に連携準備の応答を送信する(seq64)。さらに、無線親機CS1は連携開始要求に対する連携開始応答を無線親機CS3に送信する(seq65)。無線親機CS3が連携開始応答を受信することで、無線子機PSの呼接続が、無線親機CS1および無線親機CS3で管理装置MEに中継される。
次に、無線親機CS3は無線親機CS1に転送経路確立要求を送信し(seq66)、無線親機CS1は無線親機CS3に転送経路確立応答を送信する(seq67)。転送経路確立要求と転送経路確立応答により無線親機CS1と無線親機CS3はRTP転送経路をオープンする。転送経路確立応答を受信すると無線親機CS3はCS連携中の無線親機CS1へ転送開始要求を送信し(seq68)、これを受けた無線親機CS1は、無線子機PSと現在通信中の無線親機CS2へ統計情報取得要求を送信し(seq69)、無線親機CS2が統計情報取得応答を送信する(seq69)。無線親機CS1は取得した統計情報を無線親機CS3に転送する(seq70)。これにより無線親機CS3はRTP送信パケット数やRTPロスパケット数などの統計情報を設定する(seq71)。
この状態で無線親機CS3はハンドオーバ要求(seq61参照)に対するハンドオーバ応答を無線子機PSに無線通信で送信する(seq72)。これにより無線子機PSは無線チャネルを切り替え、無線親機CS3にACKを送信する(seq73)。このACKが受信され、無線親機CS3のRTCP制御が有効になり、転送経路を通して音声データが転送される。
そして無線親機CS3は無線親機CS1に旧CSリリース要求を送信する(seq74)。無線親機CS1は無線親機CS2にCSリリース要求を発行し(seq75)、DSPを解放する。これにより無線親機CS2のRTCP制御が無効になる。
この後無線親機CS2は無線子機PSにCC_RELEASE(CSリリース要求)を送信し(seq76)、無線子機PSは無線親機CS2にCC_RELEASE_COM(CSリリース応答)を送信する(seq77)。CSリリース応答を受信した無線親機CS2はCSリリース応答を無線親機CS1に送信し(seq78)、無線親機CS1は旧CSリリース要求(seq74参照)に対する旧CSリリース応答を無線親機CS3に送信する(seq79)。なお、seq62〜seq71、seq74、seq75、seq78およびseq79は本発明独自の手順に従って実行される。
この一連の手順により、無線親機CS1、無線親機CS2、無線親機CS3が連携し、通話中に無線親機CS1から無線親機CS2へのハンドオーバが行われ、さらに無線親機CS2から無線親機CS3へのハンドオーバが行われたことになる。ハンドオーバが終了すると、無線子機PSは無線親機CS3と無線接続され、この両者間で無線制御/音声データが送受信される。無線親機CS3はCS間連携により無線親機CS1にCS連携/音声データを転送し、無線親機CS1はCS間連携により無線親機CS3からUDPで受信したCS連携データを基にSIPで呼制御を行い、IP端末Tへ音声データをRTPで転送する。また、無線親機CS1がIP端末TからSIPおよびRTPで受信した呼制御/音声データは、CS連携/音声データとしてそれぞれUDP/RTPにより無線親機CS3へ転送される。
(ハンドオーバ通話状態でハンドオーバした後の終話手順 :SIP)
続いて、このハンドオーバ通話中のハンドオーバで更にハンドオーバ通話状態(以下、2×HO通話状態とも記述する)において、無線子機PSがオンフックしたときの終話手順について説明する。図17において、無線子機PSがオンフックすると、無線子機PSは無線接続している無線親機CS3に終話要求を送信する(seq81)。すると、無線親機CS3はCS間連携中で現在位置登録されている無線親機CS1に対して、CS間連携手順として終話要求を転送する(seq82)。無線親機CS1はIP網に接続された管理装置MEにBYE(呼切断通知)を送信し(seq83)、管理装置MEはIP端末TにBYE(呼切断通知)を転送する(seq84)。これに対してIP端末Tが「200OK」を送信し(seq85)、管理装置MEは「200OK」を無線親機CS1に転送する(seq86)。
「200OK」を受信した無線親機CS1は連携中の無線親機CS3に状態通知(idle)を通知する(seq87)。これにより無線親機CS3は無線親機CS1に対するCS連携/音声データの転送を終了するため、無線親機CS1に転送終了要求を送信し(seq88)、無線親機CS1は転送終了応答を送信する(seq89)。この手順で無線親機CS3はRTPによる音声データの転送を終了し、転送経路をクローズする。すなわち、呼接続が終了する。
次いで、通話状態の呼接続が存在しないことを確認した無線親機CS3は無線親機CS1に位置登録削除要求を行う(seq90)。これに対し、無線親機CS1は管理装置MEの登録サーバにUn−Register(位置登録削除要求)を送信する(seq91)。登録サーバは無線親機CS1に「200OK」を送信し(seq92)、これにより無線親機CS1は位置登録削除応答を無線親機CS3に送信する(seq93)。
位置登録削除応答を受信した無線親機CS3は最終的な位置登録をするために登録サーバにREGISTER(位置登録要求)を送信し(seq94)、登録サーバは「200OK」を送信する(seq95)。これにより通話終了時に位置登録が行われる。従って、2×HO通話状態で通話終了までのハンドオーバの時点には無線子機PSの位置登録は行わず、位置登録を行うのは通話終了時に限られる。最終的に無線親機CS3は無線子機PSに終話応答を送信して(seq96)、セッションは切断され、通話は終了する。
以上説明したように、本発明は複数の無線親機CSがCS連携してハンドオーバ時の位置登録の回数を大幅に減らすことができる。図15に示すように無線親機CS1,CS3,CS4,CS5,CS2が管理装置MEに接続されているときに、無線子機PSが無線親機CS1,CS3,CS4,CS5,CS2の順で各セルを移動する場合には、ハンドオーバと位置登録は図15のようになる。
各セル間を移動するときそれぞれでハンドオーバ制御される。しかし、位置登録は、通話開始時のときには既に無線親機CS1でなされており、通話後には通話終了時の無線親機CS2が行うだけで、無線親機CS3,CS4,CS5では位置登録は行われない。これは図32に示す従来のハンドオーバと大きく異なるところである。移動中の無線親機CS3,CS4,CS5で位置登録を行わないため、移動中(通話終了時まで)のセル間では図8、図9および図11のようなCS連携の手順を行うだけで、管理装置MEや相手端末にハンドオーバを意識させることなく、位置登録の回数を減らすことができ、シームレスなハンドオーバが実現できる。管理装置MEにはSIPの登録サーバが搭載されているか、SIPの登録サーバに接続されていれば、汎用の管理装置もしくは主装置で機能する。
(無線親機CSのリソース関係)
また、図23に示すように、ハンドオーバ制御時のSIPとDSPの無線親機CSにおけるリソース関係は、連携する複数の無線親機CS間で分散して、共用化される。図23は、本発明の実施の形態1における無線親機のハンドオーバ制御時のリソース関係の説明図である。
無線親機CS1とIP網を経由してIP端末Tと通信している無線子機PSは、無線親機CS1の4個のDSP(コーディック)の中の1個と、例えば264個の中のSIP(エージェント)1個を使用してこの組み合わせを使って通信する。しかし、この無線子機PSが移動し、ハンドオーバが行われ、無線親機CS2と無線接続されると、無線親機CS2のDSPの1個と無線親機CS1のSIPの1個を使用して分散して管理装置MEと通信することになる。無線親機CS間でSIPとDSPの共用化が可能になる。
すなわち、これによりハンドオーバで解放されたDSPを別の1台の無線子機PSが使用できるし、無線親機CS1のすべてのDSPが使用中であってもハンドオーバが可能であれば、無線親機CS2のDSPを使用して通信することができる。
ところで、ハンドオーバは通話中だけでなく、発信中や着信中にも発生する。以下発信中や着信中のハンドオーバ制御について説明する。
(無線子機が発信中の状態でハンドオーバが生じたときの手順 :SIP)
図18は、本発明の実施の形態1における無線親機が配置されたネットワークにおいて無線端末が発信中にハンドオーバしたときのシーケンスの説明図である。図19は、本発明の実施の形態1における無線親機が配置されたネットワークにおいて無線子機が発信中にハンドオーバしたときの終話シーケンスの説明図である。図20は、本発明の実施の形態1における無線親機が配置されたネットワークにおいて無線子機が着信中にハンドオーバしたときのシーケンスの説明図である。図21は、本発明の実施の形態1における無線親機が配置されたネットワークにおいて無線子機が着信中にハンドオーバしたときの終話シーケンスの説明図である。図22は、本発明の実施の形態1における無線親機が配置されたネットワークにおいて通信相手がハンドオーバ通話状態を終話したときのシーケンスの説明図である。
図18に基づいて、無線子機PSが発信中にハンドオーバしたときのシーケンスについて説明する。DECTに準拠して無線通信が行われるものとして説明する。無線子機PSがCC_SETUP(呼接続通知)を送信すると(seq101)、無線親機CS1はCC_SETUP_ACK(呼接続応答)を送信し(seq102)、SIPでINVITE(呼接続通知)を管理装置MEに送信する(seq103)。さらに無線親機CS1は無線子機PSにCC_CALL_PROC(呼設定処理中)を通知する(seq104)。
INVITE(呼接続通知)を受信した管理装置MEはIP網を経て通信相手のIP端末TにINVITE(呼接続通知)送信する。これに対し、IP端末Tが「180Ringing」を送信し(seq106)、これを管理装置MEが無線親機CS1に転送する(seq107)。これを受信すると無線親機CS1は無線子機PSにCC_ALERT(呼出中通知)を送出する(seq108)。
この状態で無線子機PSのRSSIがハンドオーバトリガを検出すると、無線子機PSは無線親機CS2に対して無線通信でハンドオーバ要求を行う(seq109)。これに対し、無線親機CS2は無線親機CS1に連携開始要求を送信する(seq110)。無線親機CS1は無線親機CS2に連携開始要求に対する連携開始応答を通知する(seq111)。無線親機CS2が連携開始応答を受信することで、無線子機PSの呼接続が、無線親機CS1および無線親機CS2で管理装置MEに中継される。この後、無線親機CS2は無線子機PSにハンドオーバ応答を送信する(seq112)。
無線子機PSは無線チャネルを切り替え、ACKを無線親機CS2に送信する(seq113)。これにより無線親機CS2のRTCP制御を有効にすることができる。ただし、まだ呼接続されておらず、転送経路も確立していないため、音声データはまだ転送されない。
そして無線親機CS2は無線親機CS1に旧CSリリース要求を送信し(seq114)、無線親機CS1はCC_RELEASE(CSリリース要求)を送信するとともに(seq115)、DSPを解放し、無線親機CS1のRTCP制御を無効にする。無線子機PSはCC_RELEASE_COM(CSリリース応答)を送信する(seq116)。CSリリース応答を受信した無線親機CS1は無線親機CS2に旧CSリリース応答を送信する(seq117)。
ところで、IP端末Tは「180Ringing」を送信して、着信応答の処理を開始し、「200OK(呼接続応答)」を管理装置MEに送信し(seq118)、管理装置MEはこの「200OK」を無線親機CS1に転送する(seq119)。これを受信すると、無線親機CS1は管理装置MEにACKを送信し(seq120)、管理装置MEはこのACKをIP端末Tに転送する(seq121)。
さらに無線親機CS1が無線親機CS2に状態通知(talk)を通知すると(seq122)、無線親機CS2は無線親機CS1に転送経路確立要求を送信し(seq123)、無線親機CS1は無線親機CS2に転送経路確立応答を送信する(seq124)。これにより無線親機CS1と無線親機CS2はRTP転送経路をオープンする。ここで無線親機CS2は無線親機CS1に転送開始要求を送信し(seq125)、無線親機CS1は無線親機CS2に転送開始応答を送信する(seq126)。これにより無線親機CS2はRTP送信パケット数やRTPロスパケット数などの統計情報を取得し、無線親機CS2はこの統計情報をメモリ16に設定する。この後、無線親機CS2は無線子機PSにCC_SERVICE_CHANGE(コーディック切替要求)を通知し(seq127)、無線子機PSは必要に応じてコーディックを切り替え、CC_SERVICE_ACCEPT(コーディック切替応答)を無線親機CS2に通知する(seq128)。なお、seq110、seq111、seq114、seq117およびseq122〜seq126は本発明独自の手順に従って実行される。
以上の手順により、無線親機CS1と無線親機CS2が連携して、無線子機PSの発信中に無線親機CS1から無線親機CS2へのハンドオーバが行われたことになる。
(無線子機が発信中の状態でハンドオーバが生じた後の終話手順 :SIP)
以上の状態で無線子機PSがオンフックすると、図19のように無線子機PSは無線接続している無線親機CS2に終話要求を送信する(seq131)。すると、無線親機CS2はCS間連携中で現在位置登録されている無線親機CS1に対して、CS間連携手順として終話要求を転送する(seq132)。無線親機CS1はIP網に接続された管理装置MEにBYE(呼切断通知)を送信し(seq133)、管理装置MEはIP端末TにBYE(呼切断通知)を転送する(seq134)。これに対してIP端末Tが「200OK」を送信し(seq135)、管理装置MEは「200OK」を無線親機CS1に転送する(seq136)。
「200OK」を受信した無線親機CS1は連携中の無線親機CS2に状態通知(idle)を通知する(seq137)。無線親機CS2は無線親機CS1に転送終了要求を送信し(seq138)、無線親機CS1は転送終了応答を送信する(seq139)。この手順で無線親機CS2はRTPによる音声データの転送を終了し、転送経路をクローズする。すなわち、呼接続が終了する。
次いで、通話状態の呼接続が存在しないことを確認した無線親機CS2は無線親機CS1に位置登録削除要求を行う(seq140)。これに対し、無線親機CS1は管理装置MEの登録サーバに「Un−Register(位置登録削除要求)」を送信する(seq141)。登録サーバは無線親機CS1に「200OK」を送信し(seq142)、これを受信した無線親機CS1は位置登録削除応答を無線親機CS2に送信する(seq143)。
位置登録削除応答を受信した無線親機CS2は最終的な位置登録をするために登録サーバにREGISTER(位置登録要求)を送信し(seq144)、登録サーバは「200OK」を送信する(seq145)。これにより通話終了時に位置登録が行われる。なお、seq132、seq137〜seq140およびseq143は本発明独自の手順に従って実行される。
従って通話開始後、通話終了までのハンドオーバの時点には無線子機PSの位置登録は行わず、位置登録を行うのはREGISTER(位置登録要求)が送られる通話終了時に限れられる。そこで無線親機CS2は無線子機PSに終話応答を送信して(seq146)、セッションは切断され、通話が終了する。
(無線子機に着信中の状態でハンドオーバが生じたときの手順 :SIP)
続いて、図20に基づいて、無線子機PSが着信中にハンドオーバしたときのシーケンスについて説明する。DECTに準拠して無線通信が行われ、無線親機CS1とIP端末T間はSIPに準拠して通信が行われるものとして説明する。
通話相手となるIP端末Tにおいてオンフックし、無線子機PSに電話をかけると、発信処理が開始され、IP端末TからIP網経由で管理装置MEにINVITE(呼接続通知)が送信され(seq151)、このINVITE(呼接続通知)は管理装置MEから無線親機CS1に転送される(seq152)。INVITE(呼接続通知)を受信した無線親機CS1は無線子機PSに「PagingRequest」を送信し(seq153)、これに対して無線子機PSは「PagingResponse」を送信する(seq154)。
ここで無線親機CS1は無線子機PSにCC_SETUP(呼接続通知)を送信し(seq155)、無線子機PSはCC_ALERT(呼出中通知)を送信する(seq156)。無線親機CS1は「180Ringing」を送信し(seq157)、これを管理装置MEがIP端末Tに転送する(seq158)。これにより無線子機PSは着信中の状態になる。
この状態で無線子機PSのRSSIがハンドオーバトリガを検出すると、無線子機PSは無線親機CS2に対して無線通信でハンドオーバ要求を行う(seq159)。これに対し、無線親機CS2は無線親機CS1に連携開始要求を送信する(seq160)。無線親機CS1は無線親機CS2に連携開始要求に対する連携開始応答を通知する(seq161)。無線親機CS2が連携開始応答を受信することで、無線子機PSの呼接続が、無線親機CS1および無線親機CS2で管理装置MEに中継される。この後、無線親機CS2は無線子機PSにハンドオーバ応答を送信する(seq162)。
無線子機PSは無線チャネルを切り替え、ACKを無線親機CS2に送信する(seq163)。これにより無線親機CS2のRTCP制御有効にすることができる。ただし、まだ呼接続されておらず、転送経路も確立していないため、音声データはまだ転送されない。
そして無線親機CS2は無線親機CS1に旧CSリリース要求を送信し(seq164)、無線親機CS1はCC_RELEASE(CSリリース要求)を送信するとともに(seq165)、DSPを解放し、無線親機CS1のRTCP制御を無効にする。無線子機PSはCC_RELEASE_COM(CSリリース応答)を送信する(seq166)。CSリリース応答を受信した無線親機CS1は無線親機CS2に旧CSリリース応答を送信する(seq167)。
無線子機PSが着信応答すると、着信応答のキー情報通知を行い(seq168)、無線親機CS2は無線親機CS1にキー情報通知を通知する(seq169)。無線親機CS1は「200OK(呼接続応答)」を管理装置MEに送信し(seq170)、管理装置MEはこの「200OK」をIP端末Tに転送する(seq171)。これを受信すると、IP端末Tは管理装置MEにACKを送信し(seq172)、管理装置MEはこのACKを無線親機CS1に転送する(seq173)。
無線親機CS1がIP端末Tと呼接続されたため、無線親機CS1が無線親機CS2に状態通知(talk)を通知すると(seq174)、無線親機CS2は無線親機CS1に転送経路確立要求を送信し(seq175)、無線親機CS1は無線親機CS2に転送経路確立応答を送信する(seq176)。これにより無線親機CS1と無線親機CS2はRTP転送経路をオープンする。ここで無線親機CS2は無線親機CS1に転送開始要求を送信し(seq177)、無線親機CS1は無線親機CS2に転送開始応答を送信する(seq178)。転送開始要求/応答によって無線親機CS2はRTP送信パケット数やRTPロスパケット数などの統計情報を取得し、無線親機CS2はこの統計情報をメモリ16に設定する。この後、無線親機CS2は無線子機PSにCC_SERVICE_CHANGE(コーディック切替要求)を通知し(seq179)、無線子機PSは必要に応じてコーディックを切り替え、CC_SERVICE_ACCEPT(コーディック切替応答)を無線親機CS2に通知する(seq180)。なお、seq160、seq161、seq164、seq167、seq169およびseq174〜178は本発明独自の手順に従って実行される。
(無線子機に着信中の状態でハンドオーバが生じた後の終話手順 :SIP)
この無線子機PSに対して着信があったときハンドオーバしたときの終話のシーケンスについて説明する。図21において、無線子機PSがオンフックすると、無線子機PSは無線接続している無線親機CS2に終話要求を送信する(seq181)。すると、無線親機CS2はCS間連携中で現在位置登録されている無線親機CS1に対して、CS間連携手順として終話要求を転送する(seq182)。無線親機CS1はIP網に接続された管理装置MEにBYE(呼切断通知)を送信し(seq183)、管理装置MEはIP端末TにBYE(呼切断通知)を転送する(seq184)。これに対してIP端末Tが「200OK」を送信し(seq185)、管理装置MEは「200OK」を無線親機CS1に転送する(seq186)。
「200OK」を受信した無線親機CS1は連携中の無線親機CS2に状態通知(idle)を通知する(seq187)。無線親機CS2は無線親機CS1に転送終了要求を送信し(seq188)、無線親機CS1は無線親機CS2に転送終了応答を送信する(seq189)。この手順で無線親機CS2はRTPによる音声データの転送を終了し、RTP転送経路をクローズする。すなわち、呼接続が終了する。
次いで、通話状態の呼接続が存在しないことを確認した無線親機CS2は無線親機CS1に位置登録削除要求を行う(seq190)。これに対し、無線親機CS1は管理装置MEの登録サーバに「Un−Register(位置登録削除要求)」を送信する(seq191)。登録サーバは無線親機CS1に「200OK」を送信し(seq192)、これにより無線親機CS1は位置登録削除応答を無線親機CS2に送信する(seq193)。
位置登録削除応答を受信した無線親機CS2は最終的な位置登録をするために登録サーバにREGISTER(位置登録要求)を送信し(seq194)、登録サーバは「200OK」を送信する(seq195)。これにより通話終了時に位置登録が行われる。なお、seq182、seq187〜seq190およびseq193は本発明独自の手順に従って実行される。
従って、通話終了までのハンドオーバの時点では無線子機PSの位置登録は行わず、位置登録を行うのは通話終了時に限られる。最終的に無線親機CS2は無線子機PSに終話応答を送信して(seq196)、セッションは切断され、通話は終了する。
(CS連携で通話中に通話相手が終話した場合の終話手順 :SIP)
最後に、ハンドオーバ通話中に通話相手が終話したときのシーケンスについて説明する。図22において、通話相手となるIP端末Tにおいてオンフックすると、IP端末Tは管理装置MEにBYE(呼切断通知)を送信し(seq201)、管理装置MEはBYE(呼切断通知)を無線親機CS1に転送する(seq202)。これに対して無線親機CS1は管理装置MEに「200OK」を送信し(seq203)、管理装置MEは「200OK」をIP端末Tに送信する(seq204)。
「200OK」を送信した無線親機CS1は連携中の無線親機CS2に状態通知(idle)を通知する(seq205)。無線親機CS2は無線親機CS1に転送終了要求を送信し(seq206)、無線親機CS1は無線親機CS2に転送終了応答を送信する(seq207)。この手順で無線親機CS2はRTPによる音声データの転送を終了し、RTP転送経路をクローズする。すなわち、呼接続が終了する。
次いで、通話状態の呼接続が存在しないことを確認した無線親機CS2は無線親機CS1に位置登録削除要求を行う(seq208)。これに対し、無線親機CS1は管理装置MEの登録サーバに「Un−Register(位置登録削除要求)」を送信する(seq209)。登録サーバは無線親機CS1に「200OK」を送信し(seq210)、これにより無線親機CS1は位置登録削除応答を無線親機CS2に送信する(seq211)。
位置登録削除応答を受信した無線親機CS2は最終的な位置登録をするために登録サーバにREGISTER(位置登録要求)を送信し(seq212)、SIPサーバは「200OK」を送信する(seq213)。
この後無線親機CS2は無線子機PSにCC_RELEASE(CSリリース要求)を送信し(seq214)、無線子機PSは無線親機CS2にCC_RELEASE_COM(CSリリース応答)を送信する(seq215)。これにより通話終了時に位置登録が行われただけで他のハンドオーバ時には位置登録はされずに、セッションは切断され、通話は終了する。なお、seq205〜seq208およびseq211は本発明独自の手順に従って実行される。
(通話時におけるハンドオーバと位置登録の空間的・時間的関係)
以上説明したように、無線子機PSが無線親機CS1,CS2・・・CSnのセル間を移動するとき、位置登録制御とハンドオーバ制御が行われる状態を、無線子機PSが無線親機CS1,CS2・・・CSNの空間的な配置と経過時間に従って説明する。
図24は、本発明の実施の形態1における無線親機が配置されたネットワークにおいてハンドオーバと位置登録が行われる時間的及び空間的な状態説明図である。図25は、本発明の実施の形態1における無線親機が配置されたネットワークにおいて通話中の第2呼着信がなされた場合のハンドオーバと位置登録が行われる時間的及び空間的な状態説明図である。図26は、本発明の実施の形態1における無線親機が配置されたネットワークにおいて3者通話がなされた場合のハンドオーバと位置登録が行われる時間的及び空間的な状態説明図である。
第1の空間的・時間的関係の事例は、待機状態のハンドオーバと、通話状態でのハンドオーバと位置登録の関係である。図24において、時点t0のときには無線子機PSは無線親機CS1のセルに存在している。この状態では無線子機PSは通話していないが、無線親機CS1に対して位置登録要求を通知し、無線親機CS1は自身のIPアドレスと無線子機PSの電話番号を管理装置MEに位置登録している。この手順は図8および図9に従って行われる。
時点t1に無線子機PSが無線親機CS1のセルから無線親機CS2のセルに移動すると、ハンドオーバ制御され、ハンドオーバトリガが検出されたタイミングで無線親機CS2が位置登録する。この無線親機CS2のセルの中を無線子機PSが移動している間の或る時点t2に無線子機PSと他の端末、例えばIP端末Tと通話が開始される。
通話をしたまま時点t3に無線子機PSが無線親機CS2のセルから無線親機CS3のセルに移動する。このときハンドオーバ制御される。しかし、実施の形態1では無線親機CS2と無線親機CS3との連携によりこのハンドオーバ時には位置登録は行われない。さらに時点t4に無線子機PSが無線親機CS3のセルから無線親機CS4のセルに移動する。このときハンドオーバ制御されるが、このときも無線親機CS2と無線親機CS4との連携によりハンドオーバ時に位置登録はされない。
このまま無線子機PSは無線親機CS4のセル内を移動し、時点t5に無線子機PSの通話が終了する。このとき無線親機CS4は図24に示すように無線親機CS2に位置登録削除要求を通知し、無線親機CS2は管理装置MEに位置登録削除要求を行う。そして無線親機CS4が管理装置MEに位置登録要求する。このように位置登録は通話中行われず、通話が終了したときだけ行われる。
(通話・保留及び解除時のハンドオーバと位置登録の空間的・時間的関係)
次に、第2の空間的・時間的関係の事例は、待機状態を含め、通話状態、保留状態、保留解除後におけるハンドオーバと位置登録の関係である。図25において、時点t0のときには無線子機PSは無線親機CS1のセルを移動中でこのセルに存在している。無線親機CS1に位置登録要求を通知して、無線親機CS1は自身のIPアドレスと無線子機PSの電話番号を管理装置MEに登録している。
時点t1に無線子機PSが無線親機CS1のセルから無線親機CS2のセルに移動すると、ハンドオーバ制御され、ハンドオーバトリガを検出したタイミングで無線親機CS2が位置登録される。この時点ではまだ通話されていない。しかし、無線子機PSがこの無線親機CS2のセルの中を移動している間の或る時点t2に無線子機PSの通話が開始される。
通話したまま時点t3に無線子機PSが無線親機CS2のセルから無線親機CS3のセルに移動する。このときハンドオーバ制御されるが、実施の形態1では無線親機CS2と無線親機CS3との連携によりこのハンドオーバ制御においては位置登録されない。さらに時点t4に無線子機PSに対して着信し、通話(第1呼)を保留として、新たに発生した第2呼との間で通話を開始する。第2呼と接続しながら無線子機PSは時点t5に無線親機CS3のセルから無線親機CS4のセルに移動する。すなわち、複数の無線子機PSがそれぞれ生成する複数の呼接続を、少なくとも所定時間(ここではt4からt5までの間)同時に制御することになる。そしてこのときハンドオーバ制御されるが、このときも無線親機CS2と無線親機CS4との連携によりハンドオーバのときには位置登録されない。
時点t6に無線子機PSに対する第2呼との接続を切断し、通話を終了すると、第1呼の保留を解除し、第1呼に対する通話が再開される。保留状態の第1呼の情報は連携データとして無線親機CS2から無線親機CS4に転送されており、無線子機PSは直ちに通話(第1呼)を再開できる。通話を再開された後、時点t7に無線子機PSが無線親機CS4のセルから無線親機CS5のセルに移動する。このときもハンドオーバ制御されるが、無線親機CS2と無線親機CS5との連携によりこのとき位置登録されない。
その後、無線子機PSは無線親機CS5のセル内を移動し、時点t8に無線子機PSがオフフックすると通話が終了する。このとき無線親機CS5は図25に示すように無線親機CS2に位置登録削除要求を通知し、無線親機CS2は管理装置MEに位置登録削除要求する。さらに無線親機CS5は管理装置MEに位置登録要求する。従って、位置登録は通話開始後通話が終了したときだけ行われる。
(通話・3者通話時のハンドオーバ制御と位置登録制御の空間的・時間的関係)
次に、第3の空間的・時間的関係の事例は、待機状態、通話状態、3者通話状態、3者通話解除後のハンドオーバ制御と位置登録の関係である。図26において、時点t0のときには無線子機PSは無線親機CS1のセルを移動中でこのセルに存在している。無線親機CS1に位置登録要求を通知して、無線親機CS1は自身のIPアドレスと無線子機PSの電話番号を管理装置MEに位置登録している。
時点t1に無線子機PSが無線親機CS1のセルから無線親機CS2のセルに移動すると、ハンドオーバ制御され、ハンドオーバトリガが検出されたタイミングで無線親機CS2が位置登録される。この時点ではまだ通話されていない。しかし、無線子機PSがこの無線親機CS2のセルの中を移動している間の或る時点t2に無線子機PSの通話(第1呼)が開始される。
通話したまま時点t3に無線子機PSが無線親機CS2のセルから無線親機CS3のセルに移動する。このときハンドオーバ制御されるが、実施の形態1では無線親機CS2と無線親機CS3との連携によりこのハンドオーバ時には位置登録されない。さらに時点t4に無線子機PSが会議通話相手へ発信し(第2呼)、この時点t4以降では無線子機PSに対する第1呼と第2呼との3者通話が開始される。
時点t5に3者通話を継続しながら、無線子機PSは時点t5に無線親機CS3のセルから無線親機CS4のセルに移動する。このときハンドオーバ制御され、このときも通話が3者通話というだけでCS間連携により位置登録はなされない。
時点t6に無線子機PSに対する第1呼の通話が終了し、第1呼だけが切断され、通話(第2呼)のみが継続される。通話(第2呼)が再開された後、時点t7に無線子機PSが無線親機CS4のセルから無線親機CS5のセルに移動する。このときもハンドオーバ制御されるが、無線親機CS2と無線親機CS5との連携によりこのとき位置登録されない。
その後、無線子機PSは無線親機CS5のセル内を移動し、時点t8に無線子機PSがオフフックすると通話が終了する。このとき無線親機CS5は図26に示すように無線親機CS2に位置登録削除要求を通知し、無線親機CS2は管理装置MEに位置登録削除要求する。さらに無線親機CS5は管理装置MEに位置登録要求する。従って、位置登録は通話開始後通話が終了したときだけ行われる。
以上の説明から分かるように、無線親機CSは通話中に第2呼あるいはそれ以上の呼が発生したときの呼接続のサービスにおいてもシームレスなハンドオーバを提供することができる。このため無線親機CSの呼制御部15は、複数の無線子機PSがそれぞれ生成する複数の呼接続を少なくとも所定時間同時に制御することができ、ネットワーク制御部14は、少なくとも1つの呼接続が行われている間は、位置登録を管理装置MEに要求せず、複数の呼接続の全てが終了した場合に、位置登録を管理装置MEに要求する機能を有している。
この複数の呼接続によって形成される呼には、例えば2つの音声呼を1つの通話状態に合成する3者間通話や、2つ以上の通話状態を可能にするテレビ会議などがあり、複数の音声呼のうち1つの呼を形成して他を保留状態にする場合もある。テレビ会議では画像やテキストのデータ呼も複数呼が音声呼と共に接続される。
何れにせよ、少なくとも1つの呼接続が行われている間は、ネットワーク制御部14は位置登録を管理装置MEに要求することなく、全ての呼接続が終了したとき位置登録を管理装置MEに要求する。これにより複数の呼接続が発生したときも、管理装置や相手端末にハンドオーバを意識させることなく、通話中の位置登録の回数を減らし、シームレスなハンドオーバが実現できる。
(無線親機CSでの処理)
以上説明した実施の形態1のCS連携を図れる無線親機CSで行われる処理について視点を変えて図27〜図31のフローチャートを基に説明する。図27は、本発明のハンドオーバ先の無線親機の処理を説明するフローチャートである。図28は、本発明の位置登録されている(ハンドオーバ元の)無線親機の連携開始処理を説明するフローチャートである。図29は、本発明のハンドオーバ先の無線親機のHO開始処理を説明するフローチャートである。図30は、本発明の位置登録されている(ハンドオーバ元の)無線親機の転送開始処理を説明するフローチャートである。図31は、本発明の位置登録されている無線親機の処理を説明するフローチャートである。
(ハンドオーバ先の無線親機CSでの処理)
図27に示すように、待機状態おいてハンドオーバ先の無線親機CSはメッセージの受信の有無をチェックする(step1)。メッセージを受信していなければ再び待機状態に戻り、メッセージを受信した場合、そのメッセージが(1)ハンドオーバ要求、(2)呼接続通知、(3)無線子機PSからの終話要求、(4)相手からの呼切断通知、(5)位置登録要求、の何れかで、それぞれ別の処理が行われる。受信したメッセージが(1)ハンドオーバ要求の場合、現在位置登録されているハンドオーバ元の無線親機CSに連携開始要求を送信する(step2)。このハンドオーバ元の無線親機CSで実施する連携開始処理は図28のフローチャートに従って実行される。
<(1)ハンドオーバ要求>
図28に示すように、ハンドオーバ要求を受けたときハンドオーバ元の無線親機CSはチャネル使用状況などの呼状態確認を行う(step21)。この確認処理において(step22)、通話中の呼があればデータの転送を受け入れられるように連携準備処理を行い(step23)、図27のstep3に進む。通話中の呼がなければデータ転送が可能であるためそのまま図27のstep3に進む。
図28の連携開始処理において、ハンドオーバ元が通話中であれば(step3)、ハンドオーバ元からハンドオーバ先へのハンドオーバ処理が行われる(step4)。通話中でなければまだ転送開始できないのでそのまま子機に無線チャネル切替要求を行い(step5)、ハンドオーバ元である無線親機CSの旧CSリリース要求を行う(step6)。この後待機するためstep1に戻る。
なお、step4のハンドオーバ開始処理は図29のように、現在位置登録されている無線親機CSに転送経路確立要求を行い(step31)、続いて転送開始要求をするものである(step32)。
この転送開始要求がなされると、ハンドオーバ先の無線親機CSとの間で転送を実行するため、図30のようにハンドオーバ元の無線親機CSは音声データ転送設定を行って(step41)、統計情報を取得し(step42)、その後、ハンドオーバ先の無線親機CSは図29のように統計情報の設定を行う(step33)。step23の連携準備処理が完了されているかを確認し(step34)、確認された場合step4のハンドオーバ開始処理が終了する。
以上説明したハンドオーバ先の無線親機CSの処理は図11、図13および図16のシーケンスに基づいて説明したとおりである。
<(2)呼接続通知>
また、図27で受信したメッセージが(2)呼接続通知であった場合、これが無線子機PSからの発信の場合図18のシーケンスにおいて、また、相手からの発信の場合図20のシーケンスにおいて説明したとおりに処理されて、ハンドオーバが行われる(step7)。この処理はstep4、図29で説明したとおりである。この後step1に戻って待機する。
<(3)無線子機PSからの終話要求>
さらに図27において受信したメッセージが(3)無線子機PSからの終話要求の場合について説明する。無線子機PSがオンフックされると、ハンドオーバ先の無線親機CSは位置登録されている無線親機CSに終話要求をして(step8)、さらに転送終了要求を行い(step9)、位置登録削除要求をしてから(step10)、ハンドオーバ先の無線親機CS自身が管理装置MEに位置登録要求を行って(step11)、step1に戻って待機する。
このハンドオーバ先の無線親機CSの詳細なシーケンスは図12、図14、図17、図19および図21に基づいて説明したとおりである。通話を終了するときに位置登録が行われ、ハンドオーバの時点には位置登録の処理は行われないことになる。
<(4)相手からの呼切断通知>
図27において受信したメッセージが(4)相手からの終話要求の場合は、現在位置登録されている無線親機CSに転送終了要求を行い(step9)、位置登録削除要求をしてから(step10)、管理装置MEに位置登録要求を行って(step11)、待機するためstep1に戻る。このシーケンスは図22のシーケンスで説明したとおりである。
<(5)位置登録要求>
続いて、図27で受信したメッセージが(5)位置登録要求であった場合は、無線子機PSが前回の位置登録もしているか否かが判断され(step12)、前回も同じセル内で位置登録していた場合は再度この無線親機CSが管理装置MEに位置登録する(step14)。前回位置登録していた無線親機CSが異なった無線親機CSの場合はこの異なった無線親機CSの位置登録を削除するため位置登録削除要求をして(step13)、位置登録する(step14)。このシーケンスは図8、図9のシーケンスで説明したとおりである。
このように実施の形態1においては、ハンドオーバ先の無線親機CSにおいて、通話中にハンドオーバが生じた場合は終話要求があるまでは位置登録は行われない。
(登録されている無線親機CSでの処理)
続いて、図31のフローチャートに基づいて現在位置登録されている無線親機CSの処理を説明する。位置登録されている無線親機CSは待機状態においてメッセージの受信の有無をチェックする(step51)。メッセージを受信していなければ再び待機状態に戻り、メッセージを受信した場合、そのメッセージが連携開始要求か否かが判断され(step52)、連携開始要求であれば連携開始処理がなされ(step53)、step51に戻る。この連携開始処理は図28のように連携準備処理を行うために実行される。
この受信したメッセージが連携開始要求でなければ、これが転送経路確立要求であるか否かが判断される(step54)。転送経路確立要求であれば音声データ転送経路を確立して(step55)、step51に戻る。
次に、step54が転送経路確立要求でないと判断された場合、受信したメッセージが転送開始要求であるか否かが判断される(step56)。転送開始要求の場合は図30の転送開始処理が行われ(step57)、step51に戻る。そしてメッセージが更に転送開始要求でなければ、旧CSリリース要求であるか否かがチェックされ(step58)、旧CSリリース要求の場合旧CS通信が切断され(step59)、step51に戻る。
続いて、受信したメッセージが呼切断要求であるか否かが判断される(step60)。呼切断要求の場合呼切断が行われて(step61)、step51に戻り、呼切断要求でない場合は転送終了要求か否かが判断され(step62)、転送終了要求の場合音声データ転送を中止し(step63)、step51に戻る。
さらに受信したメッセージが位置登録削除要求であるか否かが判断され(step64)、位置登録削除要求の場合は位置登録情報を削除して(step65)、step51に戻り、位置登録削除要求でない場合はそのままstep51に戻る。
以上説明したように、位置登録されている無線親機CSは受信したメッセージの内容に従って順に手続に従ってCS連携を行い、CS連携が終了すると、通話開始から通話終了まで継続していた位置登録を削除する。
このように本発明の実施の形態1の無線親機、ハンドオーバ制御システム、ハンドオーバ制御方法によれば、無線親機間の連携を図って、通話中にハンドオーバしてもその位置では位置登録を行わず、最終的に終話した時点に位置登録をすることができる。しかも通信経路の効率化を図ることができる。登録サーバを備えた汎用の管理装置や相手端末にハンドオーバを意識させることなく、通話中の位置登録の回数を減らし、シームレスなハンドオーバが実現できる。
本発明に係る無線基地局装置は、セル方式でハンドオーバ制御する無線基地局などに適用できる。本発明に係るハンドオーバ制御システム、ハンドオーバ制御方法は、この無線基地局と、これに接続される管理装置などに適用できる。
CS 無線親機(無線基地局)
PS 無線子機(無線端末)
ME 管理装置
11 アンテナ
12 無線制御部
13 音声コーディック部
14 ネットワーク制御部
14a 転送先管理部
14b RTP情報管理部
15 呼制御部
15a 呼情報管理部
16 メモリ
17 基地局制御部
17a 判定部
18 RSSI

Claims (8)

  1. 無線端末の呼接続を管理装置に中継する無線基地局装置であって、
    前記無線端末の呼接続を制御する呼接続制御部と、
    前記無線端末の識別情報を当該無線基地局装置の識別情報に関連付ける位置登録を、前記管理装置に要求する位置登録要求部と、を備え、
    前記位置登録要求部は、前記無線端末からハンドオーバ要求を受信しても、前記無線端末の前記位置登録を前記管理装置に要求しないことを特徴とする無線基地局装置。
  2. 前記呼接続制御部は、前記無線端末から前記ハンドオーバ要求を受けた場合に、前記無線端末の呼接続を、他の無線基地局装置および当該無線基地局装置とで前記管理装置に中継するように制御することを特徴とする請求項1に記載の無線基地局装置。
  3. 前記位置登録要求部は、他の無線基地局装置および当該無線基地局装置により前記管理装置に中継される呼接続が終了した場合に、前記位置登録を前記管理装置に要求することを特徴とする請求項1または2に記載の無線基地局装置。
  4. 前記位置登録要求部は、前記無線端末から位置登録要求を受信した場合に、前記位置登録を前記管理装置に要求することを特徴とする請求項1から3の何れか一つに記載の無線基地局装置。
  5. 前記無線端末が、PHS端末、DECT端末、携帯電話及び無線LAN端末の内の少なくとも何れか一つと呼接続し、前記呼接続を前記管理装置に中継することを特徴とする請求項1から4の何れか一つに記載する無線基地局装置。
  6. 前記管理装置は、SIPサーバ、またはH.323ゲートキーパであって、前記無線端末との呼接続を前記管理装置に中継することを特徴とする請求項1から5の何れか一つに記載する無線基地局装置。
  7. ネットワークに接続された管理装置と、無線端末が接続されてこの無線端末の呼接続を前記管理装置に中継する複数の無線基地局装置と、を備え、
    前記無線端末が前記無線基地局装置の中の第1の無線基地局装置の無線領域から第2の無線基地局装置の無線領域に移動するときにハンドオーバ制御が行われるハンドオーバ制御システムであって、
    前記無線基地局装置には、
    前記無線端末の呼接続を制御する呼接続制御部と、
    前記無線端末の識別情報を前記無線基地局装置の識別情報に関連付ける位置登録を、前記管理装置に要求する位置登録要求部と、が設けられ、
    前記位置登録要求部は、前記無線端末からハンドオーバ要求を受信しても、前記無線端末の前記位置登録を前記管理装置に要求せず、ハンドオーバした呼接続の終了時に位置登録を前記管理装置に要求することを特徴とするハンドオーバ制御システム。
  8. ネットワークに接続された管理装置と、無線端末が接続されてこの無線端末の呼接続を前記管理装置に中継する複数の無線基地局装置とからなる無線通信システムにおける、無線端末のハンドオーバ制御方法であって、
    前記無線基地局装置は、前記無線端末からハンドオーバ要求を受信しても、前記無線端末の位置登録を前記管理装置に要求せず、ハンドオーバした呼接続の終了時に位置登録を前記管理装置に要求することを特徴とするハンドオーバ制御方法。
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